JPH10255325A - 光情報記録媒体 - Google Patents

光情報記録媒体

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Publication number
JPH10255325A
JPH10255325A JP9078958A JP7895897A JPH10255325A JP H10255325 A JPH10255325 A JP H10255325A JP 9078958 A JP9078958 A JP 9078958A JP 7895897 A JP7895897 A JP 7895897A JP H10255325 A JPH10255325 A JP H10255325A
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information surface
film
recorded
transparent substrate
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JP9078958A
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Inventor
Atsushi Onishi
厚 大西
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Nippon Columbia Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】2つの情報面を備えた光情報記録媒体の各情報
面を2焦点光ピックアップを搭載したプレーヤで再生を
行うようにすると、2つの情報面に同時に焦点を結ぶた
め、2つの情報面からの再生信号が混合してしまい、再
生不可能となる。 【解決手段】第1の焦点と第2の焦点を有する光ピック
アップにより再生可能な光情報記録媒体において、第1
の情報が記録され第1の焦点を有するレーザ光により再
生される第1の情報面と第1の非情報面とを備えた第1
の透明基板と、第1の情報面上に形成されレーザ光の照
射パワーにより光学特性が変化する第1の膜と、第2の
情報が記録され第2の焦点を有するレーザ光により再生
される第2の情報面と第2の非情報面とを備えた第2の
透明基板と、第2の情報面上に形成されレーザ光の大半
を反射する第2の膜とを備え、第1の透明基板と第2の
透明基板とは、第1の膜と第2の非情報面とが向かい合
ってレーザ光に対して透明な接着層を介して貼り合わさ
れていることを特徴とする構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属するの技術分野】本発明は、レーザ光により
情報の再生が可能であり、複数の情報面を具備する光情
報記録媒体に関し、特に、2つの焦点を有する2焦点光
ピックアップにより再生可能であり、かつ、再生する情
報面の選択が可能な光情報記録媒体に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】透明基板の片側の面に情報がピットと呼
ばれる微小な窪みとして記録され、透明基板を通してピ
ットにレ−ザ光の焦点を合わせ、レ−ザ光の反射光量の
変化によって情報を再生する光ディスクとして、コンパ
クトディスク(CD:CompactDisc)が代表的である。
【0003】CDは、直径120mm、厚さ1.2mm
の透明基板に1.6μmのトラックピッチで最短ピット
長約0.9μmのピット列が形成され、再生時の線速度
は約1.3m/s一定であり、約650Mバイトの記録
容量を有しており、音楽や映像等のデジタルデ−タが記
録されている。以下CD規格に準拠したフォ−マットと
は、上記仕様のものとし、CD−ROM(Compact Disc
-Read Only Memory)、Video−CD(Video-Compa
ct Disc)等も含むものとする。
【0004】一方、記録密度をCDの約6〜27倍に高
めたディジタルバーサタイルディスク(DVD:Digita
l Versatile Disc)の発売が開始され始めた。現在、D
VDには記録容量や機能によりDVD−5,9,10,
18と多くの仕様が存在する。
【0005】DVDの中で最も代表的なDVD−5につ
いて説明する。DVD−5は、一方の面に情報面が形成
された、直径120mm、厚さ0.6mmの透明基板
と、情報面を有さない、直径120mm、厚さ0.6m
mのダミー基板とを、情報面が内側となるように厚さ約
50μmの紫外線硬化樹脂等からなる接着層により貼り
合わせた構成であり、情報面が1つである。
【0006】DVD−5の仕様は、トラックピッチ0.
74μm、ピット長0.4〜1.87μm、再生時の線
速度3.49m/sで一定、再生レ−ザ光波長は650
nmまたは635nm、レンズ開口数は0.6であり、
以下DVD規格に準拠したフォ−マットとは、上記仕様
のものとする。
【0007】以上のように、CDとDVDとでは、基板
の厚さ、フォーマット等が異なる。DVD規格におい
て、DVDプレーヤはCDを再生することができるよう
に設計するように義務づけられているため、DVDプレ
ーヤにおいてCDを再生することはできるが、従来市販
されているCDプレーヤではDVDを再生することがで
きない。
【0008】本出願人は、上記問題を解決するために、
DVDプレーヤ及びCDプレーヤの両方で再生可能であ
る光情報記録媒体に関する発明をした(特開平8−31
5423号)。図5は、DVDプレーヤ及びCDプレー
ヤで再生可能である光情報記録媒体の断面構造を示す模
式図である。図中、501は第1の透明基板、502は
第1の情報面、503は半透明膜層、504は接着層、
505は第2の透明基板、506は第2の情報面、50
7は反射層、508は保護層を示す。
【0009】図5に示す光情報記録媒体は、DVDフォ
ーマットで情報が記録されている第1の情報面502を
有する厚さ0.6mmの第1の透明基板501と、第1
の情報面502を覆って形成され、再生レーザ光の一部
を反射し、残りを透過する半透明膜層503と、情報が
CDフォーマットで記録された第2の情報面506を有
する厚さ0.6mmの第2の透明基板505と、第2の
情報面506を覆って形成され、再生レーザ光の大部分
を反射する反射層507と、再生レーザ光を透過する接
着層504とを有している。第1の透明基板501と第
2の透明基板505は、半透明膜層503と第2の透明
基板505の第2の情報面506が形成されていない面
(非情報面)が向かい合うように接着層504を介して
貼り合わされている。
【0010】第1の情報面502及び第2の情報面50
6に記録されている情報は、第1の透明基板501の非
情報面から入射するレーザ光により再生される。
【0011】特開平8−315423号公報に記載の光
情報記録媒体は、レーザ光の入射面からDVDフォーマ
ットで情報が記録されている第1の情報面502までの
距離は約0.6mmであることから、第1の情報面50
2に記録されている情報はDVDプレーヤで再生するこ
とができる。また、レーザ光の入射面からCDフォーマ
ットで情報が記録されている第2の情報面506までの
距離は約1.2mmであることから、第2の情報面50
6に記録されている情報はCDプレーヤで再生すること
ができる。
【0012】また、特開平7−65407号公報には、
異なる光路長の2つの焦点を有する2焦点光ピックアッ
プが開示されている。図6は、異なる光路長の2焦点光
ピックアップの構成を示す模式図である。図中、601
は半導体レーザ、602、602a、602bは光束、
603はハーフミラー、604はプリズム、605は偏
光分離膜、606はプリズム、606aは反射面、60
6bは反射面、607は対物レンズ、608は対物レン
ズ、609aは第1の焦点、609bは第2の焦点、6
10は光情報記録媒体、611は光束、611aは光
束、612は凹レンズ、613は光検出器を示す。
【0013】図6に示すように、2焦点光ピックアップ
において、半導体レーザ601から出射された光束60
2は、プリズム606の偏光分離膜605により2つの
光束602aと602bに分離され、対物レンズ608
により、異なる光路長の2つの焦点、つまり、第1の焦
点609aと第2の焦点609bを結ぶ。
【0014】光路長が長い第2の焦点609bは、厚さ
tが厚い光情報記録媒体610の情報面に記録されてい
る情報を再生する場合に使用する。このとき、光路長の
短い第1の焦点609aは、光情報記録媒体610の情
報面上では拡散しているため、信号を検出しない。
【0015】また、光路長が短い第1の焦点609a
は、厚さtが薄い光情報記録媒体610の情報面に記録
されている情報を再生する場合に使用する。このとき、
光路長が長い第2の焦点609bは、光情報記録媒体6
10の情報面上では拡散しているため、信号を検出しな
い。
【0016】今後、特開平8−315423号公報に記
載されているような光情報記録媒体と、特開平7−65
407号公報に記載されているような光ピックアップを
組み合わせ、1の光ピックアップで2つの情報面を再生
することができるシステムが開発されると考えられる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
8−315423号公報記載の光情報記録媒体を特開平
7−65407号公報記載の2焦点光ピックアップを搭
載したプレーヤで再生を行うようにすると、第1の情報
面502及び第2の情報面506の両方に同時に焦点を
結ぶため、第1の情報面502からの再生信号と第2の
情報面506からの再生信号とが混合してしまい、再生
不可能となるという課題がある。
【0018】上記第1の情報面及び第2の情報面506
から戻ってきた光束を偏光フィルタ等で分離し、2つの
光検出器を設け、別々に信号を検出し、再生信号を情報
面に応じて切り替えるという解決方法も考えられるが、
光ピックアップ及びプレーヤの構成が複雑になり、ま
た、光ピックアップ自体も大きくなり、プレーヤのコス
トが高くなり、また、高速アクセスが困難になるという
問題がある。
【0019】本発明は以上の課題を解決するために為さ
れたものであり、2焦点ピックアップ搭載のプレーヤお
いて、それぞれの焦点上に存在する各情報面の情報を選
択し、再生可能な光情報記録媒体を提供することを目的
とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
発明によれば、第1の焦点と第2の焦点の2つの異なる
焦点を有する光ピックアップにより再生可能な光情報記
録媒体において、第1の情報がピット列として記録され
前記第1の焦点を有するレーザ光により再生される第1
の情報面とピット列が記録されていない第1の非情報面
とを備えた第1の透明基板と、前記第1の情報面上に形
成され前記レーザ光の照射パワーにより光学特性が変化
する第1の膜と、第2の情報がピット列として記録され
前記第2の焦点を有するレーザ光により再生される第2
の情報面と、ピット列が記録されていない第2の非情報
面とを備えた第2の透明基板と、前記第2の情報面上に
形成され前記レーザ光の大半を反射する第2の膜とを備
え、前記第1の透明基板と前記第2の透明基板とは、前
記第1の膜と前記第2の非情報面とが向かい合って前記
レーザ光に対して透明な接着層を介して貼り合わされて
いることを特徴とするものである。
【0021】本発明の請求項2記載の発明によれば、第
1の焦点と第2の焦点の2つの異なる焦点を有する光ピ
ックアップにより再生可能な光情報記録媒体において、
第1の情報がピット列として記録され前記第1の焦点を
有するレーザ光により再生される第1の情報面とピット
列が記録されていない第1の非情報面とを備えた第1の
透明基板と、前記第1の情報面上に形成され相転移温度
以下の温度において前記レーザ光に対する透過率が大き
く前記レーザ光の大半を透過し相転移温度以上の温度に
おいて前記レーザ光に対する透過率が小さく前記レーザ
光の大半を反射する第1の膜と、第2の情報がピット列
として記録され前記第2の焦点を有するレーザ光により
再生される第2の情報面とピット列が記録されていない
第2の非情報面とを備えた第2の透明基板と、前記第2
の情報面上に形成され前記レーザ光の大半を反射する第
2の膜とを備え、前記第1の透明基板と前記第2の透明
基板とは、前記第1の膜と前記第2の非情報面とが向か
い合って前記レーザ光に対して透明な接着層を介して貼
り合わされていることを特徴とするものである。
【0022】本発明の請求項3記載の発明によれば、第
1の焦点と第2の焦点の2つの異なる光路長の焦点を有
するレーザ光を出射する光ピックアップにより再生可能
な光情報記録媒体において、第1の情報がピット列とし
て記録され前記第1の焦点により再生される第1の情報
面とピット列が記録されていない第1の非情報面とを備
えた第1の透明基板と、前記第1の情報面上に形成され
相転移温度以下の温度において前記レーザ光に対する透
過率が小さく前記レーザ光の大半を反射し相転移温度以
上の温度において前記レーザ光の透過率が大きく前記レ
ーザ光の大半を透過する第1の膜と、第2の情報がピッ
ト列として記録され前記第2の焦点により再生される第
2の情報面とピット列が記録されていない第2の非情報
面とを備えた第2の透明基板と、前記第2の情報面上に
形成され前記レ−ザ光の大半を反射する第2の膜とを備
え、前記第1の透明基板の前記第1の情報面と前記第2
の透明基板の前記第2の非情報面とが向かい合って前記
レーザ光に対して透明な接着層を介して貼り合わされて
いることを特徴とするものである。
【0023】請求項1または請求項2に記載の光記録情
報媒体によれば、第1の焦点及び第2の焦点を有する再
生レーザ光の照射パワーを第1の膜が相転移する高パワ
ーとした場合、第1の情報面上に焦点を結ぶ第1の焦点
は、第1の膜によって反射されるため、第1の情報面に
記録された情報は再生される。第2の情報面上に焦点を
結ぶ第2の焦点は、第2の情報面に到達する前に、第1
の膜により反射されるため、第2の情報面を再生するこ
とができない。したがって、再生レーザの照射パワーを
第1の膜が相転移する高い照射パワーとすれば、第1の
情報面のみ再生することができる。
【0024】また、再生レーザ光の照射パワーを第1の
膜が相転移しない低パワーとした場合、第1の情報面上
に焦点を結ぶ第1の焦点は、第1の膜を透過し拡散する
ため、第1の情報面に記録された情報は再生されない。
第2の情報面上に焦点を結ぶ第2の焦点は、第1の膜を
透過し、第2の情報面上に焦点を結ぶため、第2の情報
面を再生することができる。したがって、再生レーザの
照射パワーを第1の膜が相転移しない低い照射パワーと
すれば、第2の情報面のみ再生することができる。
【0025】請求項1または請求項3に記載の光記録情
報媒体によれば、第1の焦点及び第2の焦点を有する再
生レーザ光の照射パワーを第1の膜が相転移する高パワ
ーとした場合、第1の情報面上に焦点を結ぶ第1の焦点
は、第1の膜を透過し拡散するため、第1の情報面に記
録された情報は再生されない。第2の情報面上に焦点を
結ぶための第2の焦点は、第1の膜を透過し、第2の情
報面上に焦点を結ぶため、第2の情報面を再生すること
ができる。したがって、再生レーザの照射パワーを第1
の膜が相転移する高い照射パワーとすれば、第2の情報
面のみ再生することができる。
【0026】また、再生レーザ光の照射パワーを第1の
膜が相転移しない低パワーとした場合、第1の情報面上
に焦点を結ぶ第1の焦点は、第1の膜によって反射され
るため、第1の情報面に記録された情報は再生される。
第2の情報面上に焦点を結ぶ第2の焦点は、第2の情報
面に到達する前に、第1の膜により反射されるため、第
2の情報面を再生することができない。したがって、再
生レーザの照射パワーを第1の膜が相転移しない低い照
射パワーとすれば、第1の情報面のみ再生することがで
きる。
【0027】請求項1乃至請求項3記載の光情報記録媒
体によれば、第1の焦点及び第2の焦点を具備する再生
レーザ光の照射パワーを制御することによって、第1の
情報面及び第2の情報面に記録されている情報を選択的
に再生することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の光情報記録媒体の
実施例について図面を用いて詳細に説明する。図1は本
発明の一実施例である光情報記録媒体の断面構造を示す
模式図である。図中、101は第1の透明基板、102
は第1の情報面、103は第1の膜、104は接着層、
105は第2の透明基板、106は第2の情報面、10
7は第2の膜、108は保護層を示す。図1に示すよう
に、直径120mm、厚さ0.6mmで直径15mmの
中心孔を有し、第1の情報面102が形成された第1の
透明基板101と、同じく直径120mm、厚さ0.6
mmで直径15mmの中心孔を有し、第2の情報面10
6が形成された第2の透明基板105とを、接着層10
4を介し、第1の透明基板101の第1の情報面102
が、第2の透明基板105の非情報面と向かい合うよう
に貼り合わされた構成となっている。
【0029】第1の透明基板101及び第2の透明基板
105は、通常の光ディスクに用いられているポリカー
ボネート、アクリル、エポキシ、ポリオレフィン等の樹
脂材料や、ガラス等が用いられる。第1の透明基板10
1の第1の情報面102及び第2の透明基板105の第
2の情報面106は、CDやDVDと同様に射出成形ま
たは2P(Photo Polymerization)法等によって成形さ
れている。
【0030】第1の情報面102には、例えば、DVD
規格に準拠したフォーマットにより情報が記録され、第
2の情報面106には、例えば、CD規格に準拠したフ
ォーマットにより情報が記録されている。しかし、本実
施例の光情報記録媒体は、これに限るものではなく、第
1の情報面102に、例えば、CD規格に準拠したフォ
ーマットにより情報が記録され、第2の情報面106
に、DVD規格に準拠したフォーマットにより情報が記
録されていてもよいし、両方の情報面に同じ規格に準拠
したフォーマットで情報が記録されていてもよい。ま
た、CD規格、DVD規格以外の規格に準拠したフォー
マットにより情報が記録されていてもよい。
【0031】接着層104は、再生レーザ光に対して透
明な材料、例えば、紫外線硬化樹脂等であり、スピンコ
ート法等により成膜される。また、保護層108は、紫
外線硬化樹脂等で成っており、スピンコート法等により
成膜される。
【0032】ここで、第1の情報面102を覆う第1の
膜103の材料としては、PbOx、MoOx(0.5<
x<1.5)等の金属低酸化物、または、SbSe、S
bS、GeSe等のカルコゲナイドを用いる。第1の膜
103の組成の調整は、例えば、PbOx膜を作製する
場合であれば、2つの蒸着源またはターゲットにそれぞ
れPbとPbO2を用い、各蒸着源またはターゲットの
蒸着レートまたはスパッタリングレートを調整して決定
する等の方法で行う。
【0033】PbOx等の低酸化物またはSbSe等の
カルコゲナイドは、それぞれの材料が有する、結晶化、
ガラス転移、相変態、相分離等の相転移が発生する相転
移温度を境に、2つの異なる状態(異なる透過率を有す
る状態)である高温相と低温相とを有している。したが
って、これらの材料を所定の膜厚で成膜すると、再生レ
ーザ光の波長に対して、透過率が低い状態と透過率が高
い状態の2つの状態の間を可逆的に変化する薄膜が得ら
れる。
【0034】図2は、本発明の一実施例の光情報記録媒
体の第1の膜に用いる低酸化物の相転移温度以上の温度
(高温時)と相転移温度以下の温度(低温時)における
透過率を示した特性図である。図中(a)はPbOxの
特性図、(b)はMoOxの特性図である。例えば、図
2(a)のPbOxは、再生光波長(630〜830n
m)において低温時の透過率が低く、かつ、高温時の透
過率が高いという特性を有している。また、図2(b)
のMoOxは、再生光波長(630〜830nm)にお
いて低温時の透過率が高く、高温時の透過率が低いとい
う特性を有している。
【0035】このように、第1の情報面102の表面
は、高温時と低温時において、再生レ−ザ光に対する光
学特性(透過率、反射率)が可逆的に変化する特性の第
1の膜103に覆われている。このような特性を有する
第1の膜103で第1の情報面102を覆い、再生レー
ザ光の出力パワーを制御することにより、再生レーザ光
が第1の情報面102を透過したり、第1の情報面10
2で反射したりするように制御することができる。
【0036】また、第2の情報面106を覆う第2の膜
107の材料としては、再生レーザ光の大半を反射する
Al,Au,Ag,Pt,Cu,Pd等の金属またはこ
れらの合金を用いる。第2の膜107は、第1の膜10
3と同様に蒸着やスパッタリングによって形成する。
【0037】次に本発明の一実施例である光情報記録媒
体の再生原理について説明する。図3は、本発明の一実
施例の光情報記録媒体の再生原理を示す模式図である。
図中、301は再生レーザ光、302は第1の焦点、3
03は第2の焦点を示し、図1と同じ部分には同じ符号
を付した。
【0038】まず、第1の実施例として、第1の膜10
3に再生レーザ光波長(630〜830nm)において
低温時の透過率が低く(反射率が高く)、かつ、高温時
の透過率が高い(反射率が低い)PbOxを用いた場合
について説明する。
【0039】図3に示すように、再生レーザ光301
は、光路長が異なる、第1の焦点302及び第2の焦点
303の2つの焦点を有している。まず、第1の情報面
102を読出す場合、低パワ−の再生レ−ザ光301を
照射する。その結果、第1の膜103は相転移をおこさ
ず透過率が低く反射率が高い状態にあるため、第1の焦
点302を有する再生レ−ザ光301は第1の膜103
により反射され、第1の情報面102に記録されている
情報を検出する。
【0040】第1の膜103より下層の第2の情報面1
06及び第2の膜107には第2の焦点303を有する
再生レ−ザ光301は到達しない。ここで、第2の焦点
303を有する再生レーザ光301も第1の膜103に
よって反射されるが(太点線)、第1の膜103上でス
ポット径は大きく、また、情報面以外の部分で焦点を結
ぶため信号を検出しない。したがって、第1の情報面1
02に記録されている情報のみを検出することができ
る。
【0041】また、第2の情報面106を再生するに
は、第1の膜103の温度が相転移温度以上となる高パ
ワ−の再生レ−ザ光301を照射する。第1の膜103
は相転移温度以上に加熱されると透過率が高くなり、第
1の焦点302を有する再生レーザ光301は第1の膜
103を通過して拡散し、第2の情報面106に達する
(細点線)。しかし、第2の情報面106上でのスポッ
ト径は大きいため、第2の情報面106に記録されてい
る情報を検出しない。
【0042】第2の焦点303を有する再生レーザ光3
01は、第1の膜103を通過し、第2の膜107に到
達し、第2の焦点303を第2の情報面106上に結
び、反射されることになり、第2の情報面106に記録
されている情報のみを読出すことが可能になる。以上の
ように、再生レ−ザ光の照射パワーの制御だけで、読出
し情報面の選択、再生が可能となる。
【0043】次に、第2の実施例として、第1の膜10
3に再生光波長(630〜830nm)において低温時
の透過率が高く(反射率が低く)、かつ、高温時の透過
率が低い(反射率が高い)MoOxを用いた場合につい
て説明する。
【0044】図3に示すように、再生レーザ光301
は、光路長が異なる、第1の焦点302及び第2の焦点
303を有しており2つの焦点を有している。まず、第
1の情報面102を読出す場合、高パワーの再生レーザ
光301を照射する。その結果、第1の膜103は相転
移をおこし透過率の低下に伴って反射率が急激に増加
し、第1の焦点302を有する再生レーザ光301は第
1の膜103により反射され、第1の情報面102に記
録されている情報を検出する。
【0045】第1の膜103より下層の第2の情報面1
06及び第2の膜107には、第2の焦点303を有す
る再生レーザ光301は到達しない。ここで、第2の焦
点303を有する再生レーザ光301も第1の膜103
によって反射されるが(太点線)、第1の膜103上で
スポット径は大きく、また、情報面以外の部分で焦点を
結ぶため信号を検出しない。したがって、第1の情報面
102に記録されている情報の信号のみを検出すること
ができる。
【0046】また、第2の情報面106を再生するに
は、第1の膜103の温度が相転移温度以下となる低パ
ワ−の再生レ−ザ光301を照射する。第1の膜103
は相転移温度以下では透過率が高いため、第1の焦点3
02を有する再生レーザ光301は第1の膜103を通
過して拡散し、第2の情報面106に達する(細点
線)。しかし、第2の情報面106上でのスポット径は
大きいため、第2の情報面106に記録されている情報
を検出しない。
【0047】第2の焦点303を有する再生レーザ光3
01は、第1の膜103を通過し、第2の膜107に到
達し、第2の焦点303を第2の情報面106上に結
び、反射されることになり、第2の情報面106に記録
されている情報のみを読出すことが可能になる。以上の
ように、再生レ−ザ光の出力を制御するだけで、読出し
情報面の選択、再生が可能となる。
【0048】次に、本発明の光情報記録媒体の製造方法
について説明する。図4は、本発明の一実施例である光
情報記録媒体の製造方法を示す模式図である。図中、4
01は第1のスタンパ、402は第2のスタンパを示
し、図1と同じ部分には同じ符号を付した。
【0049】まず、図4(a)のように、DVD規格に
準拠したフォ−マットで情報が記録されている第1のス
タンパ401を用い、ポリカ−ボネ−ト等の樹脂から成
り、直径120mm、厚さ0.6mmで直径15mmの
中心孔を有し、第1の情報面102が形成された第1の
透明基板101を射出成型によって作製する。同様に図
4(b)のように、CD規格に準拠したフォーマットで
情報が記録されている第2のスタンパ402を用い、ポ
リカ−ボネ−ト等の樹脂から成り、直径120mm、厚
さ0.6mmで直径15mmの中心孔を有し、第2の情
報面106が形成された第2の透明基板105を作製す
る。
【0050】続いて、図4(c)のように、第1の透明
基板101の第1の情報面102の表面に、温度によっ
て光学特性が変化する材料から成る第1の膜103をス
パッタリング法等により形成する。更に、図4(d)の
ように第2の透明基板105の第2の情報面106の表
面に、再生レ−ザ光の波長に対して約70%以上の反射
率が得られるような金属等からなる第2の膜107をス
パッタリング法等により形成する。
【0051】そして、図4(e)のように、第1の透明
基板101の第1の膜103が形成された面の上に再生
レーザ光に対して透明な紫外線硬化樹脂等の接着層10
4を塗布し、第2の透明基板105の非情報面と貼り合
わせる。第2の透明基板105の第2の膜107上には
紫外線硬化樹脂等の保護層108を形成する。また、第
1の透明基板101と第2の透明基板105の貼り合わ
せをホットメルト法等によって行っても良い。
【0052】本実施例ではDVD規格に準拠したフォー
マットで情報が記録されている透明基板とCD規格に準
拠したフォーマットで情報が記録されている透明基板を
2枚を貼り合わせたものについて説明したが、2焦点ピ
ックアップの各焦点上に情報面を配置させた片面再生型
二層構造の光情報記録媒体であれば、透明基板1枚の単
板タイプの片面再生型二層構造ディスク、または情報面
を向かい合うようにして2枚の透明基板を貼り合わせた
タイプの片面再生型二層構造ディスクにおいても同様の
効果が得られる。
【0053】
【発明の効果】以上のように、本発明の光情報記録媒体
は、第1の焦点及び第2の焦点を具備する2焦点ピック
アップの再生レーザ光の照射パワーを制御することによ
って、第1の情報面及び第2の情報面に記録されている
情報の再生信号が混合することなく選択的に再生するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である光情報記録媒体の断面
構造を示す模式図。
【図2】本発明の一実施例である光情報記録媒体の第1
の膜に用いる低酸化物の相転移温度以上の温度(高温
時)と相転移温度以下の温度(低温時)における透過率
を示した特性図。
【図3】本発明の一実施例である光情報記録媒体の再生
原理を示す模式図。
【図4】本発明の一実施例である光情報記録媒体の製造
方法を示す模式図。
【図5】DVDプレーヤ及びCDプレーヤで再生可能で
ある光情報記録媒体の断面構造を示す模式図。
【図6】異なる光路長の2つの焦点を有する2焦点光ピ
ックアップの構成を示す模式図。
【符号の説明】
101 第1の透明基板 102 第1の情報面 103 第1の膜 104 接着層 105 第2の透明基板 106 第2の情報面 107 第2の膜 108 保護層 301 再生レーザ光 302 第1の焦点 303 第2の焦点 401 第1のスタンパ 402 第2のスタンパ 501 第1の透明基板 502 第1の情報面 503 半透明膜層 504 接着層 505 第2の透明基板 506 第2の情報面 507 反射層 508 保護層 601 半導体レーザ 602 光束 602a 光束 602b 光束 603 ハーフミラー 604 プリズム 605 偏光分離膜 606 プリズム 606a 反射面 606b 反射面 607 集光レンズ 608 対物レンズ 609a 第1の焦点 609b 第2の焦点 610 光情報記録媒体 611 光束 611a 光束 612 凹レンズ 613 光検出器

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の焦点と第2の焦点の2つの異なる焦
    点を有する光ピックアップにより再生可能な光情報記録
    媒体において、 第1の情報がピット列として記録され前記第1の焦点を
    有するレーザ光により再生される第1の情報面と、ピッ
    ト列が記録されていない第1の非情報面とを備えた第1
    の透明基板と、 前記第1の情報面上に形成され前記レーザ光の照射パワ
    ーにより光学特性が変化する第1の膜と、 第2の情報がピット列として記録され前記第2の焦点を
    有するレーザ光により再生される第2の情報面と、ピッ
    ト列が記録されていない第2の非情報面とを備えた第2
    の透明基板と、 前記第2の情報面上に形成され前記レーザ光の大半を反
    射する第2の膜とを備え、 前記第1の透明基板と前記第2の透明基板は、前記第1
    の膜と前記第2の非情報面とが向かい合って前記レーザ
    光に対して透明な接着層を介して貼り合わされているこ
    とを特徴とする光情報記録媒体。
  2. 【請求項2】第1の焦点と第2の焦点の2つの異なる焦
    点を有する光ピックアップにより再生可能な光情報記録
    媒体において、 第1の情報がピット列として記録され前記第1の焦点を
    有するレーザ光により再生される第1の情報面とピット
    列が記録されていない第1の非情報面とを備えた第1の
    透明基板と、 前記第1の情報面上に形成され相転移温度以下の温度に
    おいて前記レーザ光に対する透過率が大きく前記レーザ
    光の大半を透過し相転移温度以上の温度において前記レ
    ーザ光に対する透過率が小さく前記レーザ光の大半を反
    射する第1の膜と、 第2の情報がピット列として記録され前記第2の焦点を
    有するレーザ光により再生される第2の情報面とピット
    列が記録されていない第2の非情報面とを備えた第2の
    透明基板と、 前記第2の情報面上に形成され前記レーザ光の大半を反
    射する第2の膜とを備え、 前記第1の透明基板と前記第2の透明基板とは、前記第
    1の膜と前記第2の非情報面とが向かい合って前記レー
    ザ光に対して透明な接着層を介して貼り合わされている
    ことを特徴とする光情報記録媒体。
  3. 【請求項3】第1の焦点と第2の焦点の2つの異なる焦
    点を有する光ピックアップにより再生可能な光情報記録
    媒体において、 第1の情報がピット列として記録され前記第1の焦点を
    有するレーザ光により再生される第1の情報面とピット
    列が記録されていない第1の非情報面とを備えた第1の
    透明基板と、 前記第1の情報面上に形成され相転移温度以下の温度に
    おいて前記レーザ光に対する透過率が小さく前記レーザ
    光の大半を反射し相転移温度以上の温度において前記レ
    ーザ光の透過率が大きく前記レーザ光の大半を透過する
    第1の膜と、 第2の情報がピット列として記録され前記第2の焦点を
    有するレーザ光により再生される第2の情報面とピット
    列が記録されていない第2の非情報面とを備えた第2の
    透明基板と、 前記第2の情報面上に形成され前記レ−ザ光の大半を反
    射する第2の膜とを備え、 前記第1の透明基板と前記第2の透明基板とは、前記第
    1の膜と前記第2の非情報面とが向かい合って前記レー
    ザ光に対して透明な接着層を介して貼り合わされている
    ことを特徴とする光情報記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11437553B2 (en) * 2017-12-21 2022-09-06 Lumileds Llc Lighting device with switching material

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11437553B2 (en) * 2017-12-21 2022-09-06 Lumileds Llc Lighting device with switching material
US11791445B2 (en) 2017-12-21 2023-10-17 Lumileds Llc Lighting device with switching material

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