JPH1025466A - 樹脂用帯電防止剤組成物およびその製造方法並びにそれを用いたポリオレフィン樹脂組成物 - Google Patents

樹脂用帯電防止剤組成物およびその製造方法並びにそれを用いたポリオレフィン樹脂組成物

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JPH1025466A
JPH1025466A JP18255396A JP18255396A JPH1025466A JP H1025466 A JPH1025466 A JP H1025466A JP 18255396 A JP18255396 A JP 18255396A JP 18255396 A JP18255396 A JP 18255396A JP H1025466 A JPH1025466 A JP H1025466A
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fatty acid
resin
granular composite
composition
antistatic
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JP18255396A
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Koichi Tatsumi
幸市 辰巳
Kazuhisa Yoshida
和久 吉田
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Lion Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 短時間で帯電防止効果が発現し、高温条件で
の保管でもブロッキングが発生しない樹脂用帯電防止剤
組成物を提供する。 【解決手段】 下記の(A)成分および(C)成分から
形成された第1の粒状複合物と、下記の(B)成分およ
び(C)成分から形成された第2の粒状複合物とを、粒
状の状態で含有する樹脂用帯電防止剤組成物である。前
記(A)成分としては、ラウリン酸モノグリセライドが
あり、前記(B)成分としては、ドデシルエタノールア
ミンがあり、前記(C)成分としては、ステアリン酸が
ある。 (A)脂肪酸の炭素数が8〜14の脂肪酸モノグリセラ
イド。 (B)下記の式(化1)で表されるアルキルアミン誘導
体。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂用帯電防止剤
組成物およびその製造方法並びにそれを用いたポリオレ
フィン樹脂に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、樹脂は電気絶縁性であり、特
に、ポリレフィン樹脂は、電気絶縁性が高く強い静電気
が発生する。このため、ポリオレフィン樹脂製品等をは
じめとする樹脂製品は強く帯電し、その結果、塵埃を吸
着し、さらに加工工程においても印刷不良、不揃い、放
電、塵埃付着等による作業性の低下などの支障が生じて
いた。そこで、この問題を解消するために、従来から帯
電防止剤が使用されている。
【0003】帯電防止剤の使用方法としては、塗布法お
よび練り込み法とがあるが、塗布法では、帯電防止効果
が短時間で失われ、また塗布むらが生じ、さらに塗布さ
れた帯電防止剤によりブロッキングが起こる等の問題が
ある。このため、帯電防止剤をポリオレフィン樹脂に直
接混練する練り込み法が、一般に採用されている。
【0004】この練り込み法としては、例えば、オレフ
ィン系重合体に、アルキルアミンおよびアルキルアミド
の少なくとも一方と、グリセリンモノエステルとを含む
組成物を練り込む方法(特開昭60−58444号公
報)、ポリプロピレンと無機充填剤との樹脂組成物に、
特定の高級アミンとグリセリンモノエステルとを練り込
む方法(特開昭61−40099号公報)、特定の高級
アミンと脂肪酸モノグリセライドからなる組成物をポリ
オレフィン樹脂に混練する方法(特開昭48−5415
5号公報、特開平2−302453号公報)等があげら
れる。
【0005】しかし、これらの帯電防止剤を直接混練す
る方法では、帯電防止効果が発揮されるまで数日かかる
という問題がある。このため、ポリオレフィン樹脂製品
等では、帯電防止効果が発現されるが、その加工工程で
は帯電防止効果が発現されず、このため、ポリオレフィ
ン樹脂等は、その成形直後から強く帯電し、加工工程に
おいて印刷不良、不揃い、放電、塵埃付着等により作業
性が低下する。このため、加工工程に入る前に、ポリオ
レフィン樹脂等の帯電防止が望まれているが、従来の帯
電防止剤では、ポリオレフィン樹脂等の成形直後、例え
ば、15分以内の短時間に帯電防止効果を発現するもの
はなかった。
【0006】一方、ハンドリングを容易にするために、
帯電防止剤をペレットに成形したものが提案されている
(特開平5−239445号公報)。また、長期保存後
の性能の安定性を向上させたペレット状の帯電防止剤と
して、脂肪酸モノグリセライドを主成分として含有する
造粒物AとN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アル
キルアミンおよびN,N−ビス(2−ヒドロキシエチ
ル)脂肪酸アミドの少なくとも一方を主成分として含有
する造粒物Bとからなる帯電防止剤造粒混合物が提案さ
れている(特開平8−20766号公報)。
【0007】しかしながら、これら帯電防止剤は、成形
後15分間以内の短時間にその効果を発現することを目
的として開発されたものではない。また、従来の帯電防
止剤において解決が要望される問題として、保管時、特
に夏期のような高温保管時(約40℃)でのブロッキン
グ発生の防止があるが、前記帯電防止剤は、このような
ブロッキングを防止することを目的として開発されたも
のでもない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来の
問題を解決し、短時間で帯電防止効果が発現し、高温条
件での保存でもブロッキングが発生しない樹脂用帯電防
止剤組成物およびその製造方法並びにそれを用いたポリ
オレフィン樹脂組成物の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の樹脂用帯電防止剤組成物は、下記の(A)
成分および(C)成分から形成された第1の粒状複合物
と、下記の(B)成分および(C)成分から形成された
第2の粒状複合物とを、粒状の状態で含有するという構
成をとる。 (A)脂肪酸の炭素数が8〜14の脂肪酸モノグリセラ
イド。 (B)前記の式(化1)で表されるアルキルアミン誘導
体。 (C)融点45℃以上の脂肪酸。
【0010】すなわち、本発明の樹脂用帯電防止剤組成
物は、前記特定の脂肪酸モノグリセライド(A成分)お
よび前記特定のアルキルアミン誘導体(B成分)の作用
により帯電防止効果を短時間に発現する。また、前記A
成分および前記B成分に、それぞれに別個に前記特定の
脂肪酸(C成分)を配合し、第1の粒状複合物および第
2の粒状複合物を形成し、これらを粒状の状態で含有す
ることから、前記C成分の作用により、約40℃の高温
条件であってもブロッキングが防止される。
【0011】この前記C成分によるブロッキング防止効
果の発現のメカニズムについて、本発明者は、つぎのよ
うに推察している。すなわち、前記A成分および前記B
成分に、それぞれに別個に前記C成分を配合し、第1の
粒状複合物および第2の粒状複合物を形成すると、これ
らの粒状複合物の表面の全部若しくは一部に前記C成分
が位置し、これにより、前記粒状複合物相互のブロッキ
ングが防止されると考えられる。したがって、これらの
粒状複合物は、その表面の広い範囲に前記C成分が位置
するように形成することが好ましい。
【0012】このことから、本発明の樹脂用帯電防止剤
組成物において、第1の粒状複合物および第2の粒状複
合物の少なくとも一方の粒状複合物の表面が、前記
(C)成分で被覆されていることが好ましい。これによ
り、さらにブロッキングが効果的に防止されるようにな
る。
【0013】本発明の樹脂用帯電防止剤組成物におい
て、第1の粒状複合物と第2の粒状複合物との重量配合
比は、通常、第1の粒状複合物/第2の粒状複合物=1
0/1〜1/3の範囲である。
【0014】本発明の樹脂用帯電防止剤組成物におい
て、さらにブロッキング防止が優れかつ効果の発現が早
くなるという理由から、前記(C)成分である融点45
℃以上の脂肪酸は、ステアリン酸およびパルミチン酸の
少なくとも一方の脂肪酸であることが好ましい。
【0015】本発明の樹脂用帯電防止剤組成物におい
て、第1の粒状複合物および第2の粒状複合物の少なく
とも一方の粒状複合物の表面に、粒径10μm以下の無
機粉末が付着していることが好ましい。これにより、ブ
ロッキングがさらに効果的に防止されるようになる。
【0016】本発明の樹脂用帯電防止剤組成物は、前記
の(A)成分および(C)成分から第1の粒状複合物を
形成し、前記の(B)成分および(C)成分から第2の
粒状複合物を形成し、前記第1の粒状複合物と第2の粒
状複合物とを、粒状を維持した状態で混合することによ
り製造できる。
【0017】また、本発明のポリオレフィン樹脂組成物
は、前記本発明の樹脂用帯電防止剤組成物を含有する。
このため、このポリオレフィン樹脂組成物は、成形直後
から帯電が効果的に防止される。
【0018】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明を詳しく説明す
る。本発明の樹脂用帯電防止剤組成物にかかる脂肪酸モ
ノグリセライド(A成分)は、脂肪酸の炭素数が8〜1
4のものであるが、この炭素数が8〜12のものが好ま
しい。この脂肪酸モノグリセライドは、例えば、前記所
定の炭素数の脂肪酸とグリセリンとをエステル化反応さ
せることにより製造できる。具体例としては、カプリン
酸モノグリセライドは、グリセリンとカプリン酸とのエ
ステル化反応によって得ることができ、また、ラウリン
酸モノグリセライドは、グリセリンとラウリン酸とのエ
ステル化反応によって得ることができる。また、カプリ
ン酸とラウリン酸との所定の割合の混合脂肪酸とグリセ
リンとのエステル化反応によっても得ることができる。
すなわち、A成分は、2種類以上の前記特定の脂肪酸モ
ノグリセライドの混合物であってもよい。
【0019】前記脂肪酸モノグリセライド(A成分)中
には、製造時の副生成物である脂肪酸ジグリセライドお
よび脂肪酸トリグリセライドが含まれていてもよいが、
これら不純物の含有量は、A成分全体に対し20重量%
以下であることが望ましい。
【0020】また、前記脂肪酸モノグリセライド(A成
分)を構成する脂肪酸は、炭素数が12以下の脂肪酸を
50%以上含有する脂肪酸モノグリセライドを使用する
ことが好ましい。その理由は、当該範囲を満足しない脂
肪酸モノグリセライドの混合物を使用すると、帯電防止
効果が早期に発現しないおそれがあるからである。
【0021】前記脂肪酸モノグリセライド(A成分)
は、脂肪酸の炭素数8〜12のものが、重量比50%以
上であることが好ましく、特に好ましくは70%以上と
するのが適当である。これは、50%未満で少ないと、
成形直後に優れた帯電防止効果が得られないおそれがあ
るからである。このような脂肪酸モノグリセライド(A
成分)としては、カプリン酸モノグリセライド(イ)と
ラウリン酸モノグリセライド(ロ)との混合物(重量混
合比:イ/ロ=1/99〜99/1)が好ましい。
【0022】つぎに、本発明の樹脂用帯電防止剤組成物
にかかるアルキルアミン誘導体(B成分)は前記の式
(化1)で表されるものである。このアルキルアミン誘
導体(B成分)の好ましい例としては、オクチルジエタ
ノールアミン、デシルエタノールアミン、ドデシルジエ
タノールアミン、テトラデシルジエタノールアミン、ヒ
ドロキシドデシルジエタノールアミン等があげられ、特
に好ましくは、ドデシルジエタノールアミンである。こ
れらのアルキルアミン誘導体は、単独で若しくは2種類
以上組み合わせて使用することができる。
【0023】つぎに、本発明の樹脂用帯電防止剤組成物
にかかる前記特定の脂肪酸(C成分)としては、融点4
5℃以上の直鎖飽和脂肪酸または樹脂酸等があげられ
る。この脂肪酸(C成分)の好ましい例として、ミリス
チン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベ
ヘン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、アビエチン酸
等があげられ、特に好ましくは、パルミチン酸、ステア
リン酸である。
【0024】これらの脂肪酸は、単独で用いてもよい
が、混合した融点が45℃以上であれば、2種以上を併
用することもできる。なお、前記第1の粒状複合物に使
用するC成分と前記第2の粒状複合物に使用するC成分
とは、同一でも異なっていてもよい。
【0025】つぎに、前記脂肪酸モノグリセライド(A
成分)と前記脂肪酸(C成分)の重量配合比は、通常、
A/C=20/1〜1/2の範囲である。これは、前記
重量配合比が20/1を超えると、前記脂肪酸モノグリ
セライド(A成分)の分解により、樹脂用帯電防止剤組
成物の保存安定性が低下するおそれがあり、また、1/
2未満では、初期の性能が発現しないおそれがあるから
である。なお、前記重量配合比の好ましい範囲は、A/
C=9/1〜1/1ある。
【0026】また、前記アルキルアミン誘導体(B成
分)と前記脂肪酸(C)の重量配合比は、通常、B/C
=2/1〜1/5である。これは、前記重量配合比が2
/1を超えると、前記アルキルアミン誘導体(B成分)
の分解により、樹脂用帯電防止剤組成物の保存安定性が
低下するおそれがあり、また、1/5未満では、初期の
性能が発現しないおそれがあるからである。なお、前記
重量配合比の好ましい範囲は、B/C=1/1〜1/3
である。
【0027】そして、本発明の樹脂用帯電防止剤組成物
において、第1の粒状複合物(AC)と第2の粒状複合
物(BC)との重量比は、通常、AC/BC=10/1
〜1/3の範囲であり、好ましくはAC/BC=5/1
〜1/2の範囲である。
【0028】つぎに、本発明の樹脂用帯電防止剤組成物
は、例えば、前記A成分、B成分、C成分を用いて、第
1の粒状複合体および第2の粒状複合物体をそれぞれ形
成し、これらを粒状を保持した状態で混合することによ
り製造できる。
【0029】前記第1の粒状複合物(AC)および第2
の粒状複合物(BC)は、例えば、つぎのようにして形
成できる。すなわち、まず、前記A成分およびC成分を
加熱して溶融した後、ミキサーで混合し、この混合物を
冷却した金属板に滴下して固化することにより粒状化し
て形成できる。この他、粉末状の前記脂肪酸(C成分)
に加熱溶解した前記A成分を吸着させ、さらに粉末状の
前記脂肪酸(C成分)を付着させた後、これを押出成形
をして粒状化することによっても形成できる。また、第
2の粒状複合体も、前記A成分に代えて前記B成分を用
いることにより、同様の方法により形成できる。なお、
前記粒状化の形状としては、例えば、ペレット状があげ
られる。
【0030】つぎに、それぞれ別個に形成した第1の粒
状複合物(AC)と第2の粒状複合物(BC)を、粒状
を維持するために、A成分、B成分およびC成分の融点
未満の温度条件で、例えば、V型ブレンダーやスーパー
ミキサー等を用いて混合し、目的とする樹脂用帯電防止
剤組成物とする。この混合は、一般に、ドライブレンド
若しくはコールドブレンドと呼ばれる方法である。
【0031】つぎに、本発明の樹脂用帯電防止剤組成物
において、前記第1の粒状複合物(AC)および第2の
粒状複合物(BC)の少なくとも一方の表面に、粒径1
0μm以下の無機粉末が付着していることが好ましいこ
とは、先に述べたとおりである。無機粉末の付着の態様
としては、粒状複合物の表面全体を覆う被覆でもよい
し、一部に付着した状態であってもよく、好ましくは被
覆である。この無機粉末の粒径を10μm以下とするの
は、樹脂に添加した際に透明性を損なわないようにする
ためである。前記無機粉末の好ましい粒径は、1μm以
下である。無機粉末としては、例えば、シリカ、タル
ク、炭酸カルシウム等があげられる。この無機粉末の使
用量は、通常、樹脂用帯電防止剤組成物全体に対し5重
量%以下である。また、無機粉末の付着の方法は、例え
ば、無機粉末と前記第1の粒状複合物および第2の粒状
複合物の少なくとも一方を、非加熱で、V型ブレンダー
やスーパーミキサー等で混合することにより実施でき
る。
【0032】本発明の樹脂用帯電防止剤組成物は、前記
第1の粒状複合物および第2の粒状複合物に加え、前記
無機粉末の他に、他の成分を含有してもよい。他の成分
としては、例えば、粉末状パラフィン、粉末状エステル
化合物等があげられる。また、本発明の樹脂用帯電防止
剤組成物において、前記第1の粒状複合物および第2の
粒状複合物の合計含有割合は、樹脂用帯電防止剤組成物
全体に対し、通常、80〜100重量%、好ましくは9
5〜99.5重量%である。
【0033】つぎに、本発明のポリオレフィン樹脂組成
物に用いるポリオレフィン樹脂としては、エチレン、プ
ロピレン、ブチレン、ペンテン等のホモポリマー、ある
いは、エチレンとプロピレンとのコポリマー、エチレン
と酢酸ビニルとのコポリマー、エチレンとアクリル酸エ
ステルのコポリマー、あるいはこれらの2種以上の混合
物があげられる。
【0034】また、本発明の樹脂用帯電防止剤組成物
は、前記ポリオレフィン樹脂100重量部に対して、通
常、0.05〜3.0重量部、好ましくは0.1〜2.
0重量部、特に好ましくは0.2〜1.5重量部の範囲
で添加する。これは、添加量が0.05重量部未満であ
ると帯電防止効果の速効性が不十分となるおそれがあ
り、一方、3.0重量部を超えて添加してもこれに見合
う帯電防止効果の向上がなく、逆に樹脂成形品表面にベ
タツキが生じたり、機械的特性の低下を生じる等の支障
を生じるおそれがあるからである。
【0035】本発明の樹脂用帯電防止剤組成物をポリオ
レフィン樹脂に添加する際には、必要に応じて、高級ア
ルコール、高級脂肪酸アマイド、脂肪酸金属石鹸等の滑
剤、公知の酸化防止剤、紫外線吸収剤、シリコン誘導
体、ブロッキング防止剤、着色剤、充填剤、その他の添
加剤を併用することができる。
【0036】また、本発明の樹脂用帯電防止剤組成物
は、これを予め樹脂に高濃度に練込んでマスターバッチ
に加工し、これを希釈して使用することも可能である。
このようにすれば、成型工程の効率化を図ることができ
る。
【0037】そして、本発明のポリオレフィン樹脂組成
物は、一般のポリオレフィン樹脂と同様に、プレス成
形、射出成形、押出成形、ブロー成形、カレンダー成形
等により、シート、フィルムをはじめ種々の形状の成形
品に加工することができる。先に述べたように、本発明
のポリオレフィン樹脂組成物は、優れた帯電防止効果が
極めて短時間で発現するため、その加工が容易である。
【0038】
【実施例】つぎに、実施例について比較例と併せて説明
する。なお、下記の表1〜表5中の略語等は、下記の表
6に示すとおりである。また、下記の表1〜表5におい
て、表中の添加量(wt%)の数字が、粒状複合物中の
各成分の割合を表す他、2つの粒状複合物相互の混合比
率および樹脂への添加量をも示す。例えば、実施例1で
は、粒状複合物(AC)と粒状複合物(BC)との混合
比率は、AC/BC=3/2であり、樹脂への添加量は
0.5重量%である。
【0039】(実施例1)まず、第1の粒状複合物(A
C)および第2の粒状複合物(BC)を作製した。すな
わち、まず、カプリン酸モノグリセライド、ラウリン酸
モノグリセライドおよびミリスチン酸を下記の表1に示
す割合で配合し、これを用いて、二軸押出機によりスト
ランド状のペレットを作成した(AC)。他方、ドデシ
ルジエタノールアミンとステアリン酸を下記の表1に示
す割合で配合し、これを用いて、二軸押出機によりスト
ランド状のペレットを作成した(BC)。
【0040】そして、これら第1の粒状複合物(AC)
と第2の粒状複合物(BC)を下記の表1に示す比率で
計量し、V型ブレンダーで混合して目的とする樹脂用帯
電防止剤組成物を調製した。
【0041】この樹脂用帯電防止剤組成物を、メルトフ
ローレート9のエチレン10重量%とプロピレン90重
量%を含有するエチレン−プロピレンブロックコポリマ
ーに添加し、これを射出成型機(日精樹脂工業社製、T
S−150型)を用いてシリンダー温度230℃の条件
で、76mm×76mm×1.6mmの板状試料に成形
した。そして、この板状試料を金型から取り外した15
分後の表面抵抗と、温度20℃、湿度60%の恒温室に
3ヶ月保存した後の前記試料の表面抵抗を測定した。な
お、前記表面抵抗は、抵抗測定装置(三菱油化社製、ハ
イレスターH−210型)を用いて印可電圧500Vで
測定した。この測定において、表面抵抗1×1013Ω未
満の場合、帯電防止効果は良好であると判断される。
【0042】また、前記樹脂用帯電防止剤組成物を30
cmの高さになるように容器に充填し、これを温度40
℃、湿度50%の恒温室に、1か月保存した後、ブロッ
キング性を下記に示す基準により評価した。これら表面
抵抗およびブロッキングの測定結果を下記の表1に示
す。
【0043】(ブロッキング性の評価基準) ブロッキングしない ◎ ほとんどブロッキングしない(容易にほぐせる) ○ ややブロッキングする △ ブロッキングする × (実施例2〜14、19、20)下記の表1〜表3に示
す材料を同表に示す割合で用いた他は、実施例1と同様
にして樹脂用帯電防止剤組成物を調製し、これについて
実施例1と同様にして前記評価を行った。その結果も同
表に示す。 (実施例15〜18)これらの実施例は、シリカ粉末に
より粒状複合物を被覆した実施例である。
【0044】まず、実施例15の場合、カプリン酸モノ
グリセライド、ラウリン酸モノグリセライドおよびミリ
スチン酸を下記の表3に示す比率で配合し、二軸押出機
を用いてストランド状のペレットを作成した。そのペレ
ットに下記の表3に示す比率でシリカを添加し、V型ブ
レンダーで混合し、第1の粒状複合物(AC)を作製し
た。他方、ドデシルジエタノールアミンとステアリン酸
を下記の表3に示す比率で配合し、二軸押出機を用いて
ストランド状のペレットを作成し、これを第2の粒状複
合物(BC)とした。そして、前記第1の粒状複合物
(AC)と第2の粒状複合物(BC)を、下記の表3に
示す比率で計量し、V型ブレンダーで混合して、目的と
する樹脂用帯電防止剤組成物を得た。
【0045】そして、この樹脂用帯電防止剤組成物をメ
ルトフローレート9のエチレン10重量%とプロピレン
90重量%を含有するエチレン−プロピレンブロックコ
ポリマーに添加し、これを射出成型機(日精樹脂工業社
製、TS−150型)を用いてシリンダー温度230℃
で、76mm×76mm×1.6mmの板状試料に成形
した。そして、この板状試料を金型から取り外した15
分後の表面抵抗と、温度20℃、湿度60%の恒温室に
3か月保存した後の前記試料の表面抵抗を測定した。こ
の表面抵抗の測定は実施例1と同様にして行い、またブ
ロッキングについても実施例1と同様にして評価した。
他の実施例についても、実施例15と同様に樹脂用帯電
防止剤組成物を調製し、同様の評価を行った。
【0046】(比較例1〜11)下記の表4および表5
に示す材料を同表に示す割合で用いた他は、実施例1と
同様にして樹脂用帯電防止剤組成物を調製し、これにつ
いて実施例1と同様にして前記評価を行った。その結果
も同表に示す。なお、比較例3、4は、粒状複合物は一
つだけ調製した例である。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】
【表4】
【0051】
【表5】
【0052】
【表6】
【0053】上記表1〜表3から、本発明の樹脂用帯電
防止剤組成物を用いた実施例では、帯電防止効果が極め
て短時間に発現し、しかもその効果が長期間持続した。
また、本発明の実施例の樹脂用帯電防止剤組成物は、高
温条件で保管しても、ブロッキングが発生しなかった。
【0054】これに対し、比較例では、帯電防止効果の
発現が遅く、またブロッキングが発生した。
【0055】
【発明の効果】以上のように、本発明の樹脂用帯電防止
剤組成物は、優れた帯電防止効果が極めて短時間に発現
し、しかもこれを長期間保持する。このため、本発明の
樹脂用帯電防止剤組成物を用いれば、樹脂に練り込んだ
直後から帯電が防止されるため、静電気に起因する問題
が解消され、成型加工の効率が向上するようになる。ま
た、本発明の樹脂用帯電防止剤組成物は、約40℃の高
温条件下で保存してもブロッキングが生じるおそれがな
い。したがって、本発明の樹脂用帯電防止剤組成物は、
夏期のような高温条件においても低温倉庫等で保管する
必要がないため、保管に要するコストの低減が期待され
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 5/17 KEV C08K 5/17 KEV C08L 23/00 KEQ C08L 23/00 KEQ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の(A)成分および(C)成分から
    形成された第1の粒状複合物と、下記の(B)成分およ
    び(C)成分から形成された第2の粒状複合物とを、粒
    状の状態で含有する樹脂用帯電防止剤組成物。 (A)脂肪酸の炭素数が8〜14の脂肪酸モノグリセラ
    イド。 (B)下記の式(化1)で表されるアルキルアミン誘導
    体。 【化1】 (C)融点45℃以上の脂肪酸。
  2. 【請求項2】 第1の粒状複合物および第2の粒状複合
    物の少なくとも一方の粒状複合物の表面が、(C)成分
    で被覆されている請求項1記載の樹脂用帯電防止剤組成
    物。
  3. 【請求項3】 第1の粒状複合物と第2の粒状複合物と
    の重量配合比が、第1の粒状複合物/第2の粒状複合物
    =10/1〜1/3の範囲である請求項1または2記載
    の樹脂用帯電防止剤組成物。
  4. 【請求項4】 (C)成分である融点45℃以上の脂肪
    酸が、ステアリン酸およびパルミチン酸の少なくとも一
    方の脂肪酸である請求項1〜3のいずれか一項に記載の
    樹脂用帯電防止剤組成物。
  5. 【請求項5】 第1の粒状複合物および第2の粒状複合
    物の少なくとも一方の粒状複合物の表面に、粒径10μ
    m以下の無機粉末が付着している請求項1〜4のいずれ
    か一項に記載の樹脂用帯電防止剤組成物。
  6. 【請求項6】 下記の(A)成分および(C)成分から
    第1の粒状複合物を形成し、下記の(B)成分および
    (C)成分から第2の粒状複合物を形成し、前記第1の
    粒状複合物と第2の粒状複合物とを、粒状を維持した状
    態で混合する樹脂用帯電防止剤組成物の製造方法。 (A)脂肪酸の炭素数が8〜14の脂肪酸モノグリセラ
    イド。 (B)下記の式(化2)で表されるアルキルアミン誘導
    体。 【化2】 (C)融点45℃以上の脂肪酸。
  7. 【請求項7】 請求項1〜5のいずれか一項に記載の樹
    脂用帯電防止剤組成物を含有するポリオレフィン樹脂組
    成物。
JP18255396A 1996-07-11 1996-07-11 樹脂用帯電防止剤組成物およびその製造方法並びにそれを用いたポリオレフィン樹脂組成物 Pending JPH1025466A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012158677A (ja) * 2011-01-31 2012-08-23 Toppan Forms Co Ltd 帯電防止剤組成物、当該帯電防止剤組成物を用いたマスターバッチ及び樹脂成形品

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