JPH1025416A - ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物 - Google Patents

ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物

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JPH1025416A
JPH1025416A JP18062196A JP18062196A JPH1025416A JP H1025416 A JPH1025416 A JP H1025416A JP 18062196 A JP18062196 A JP 18062196A JP 18062196 A JP18062196 A JP 18062196A JP H1025416 A JPH1025416 A JP H1025416A
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JP
Japan
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polyphenylene sulfide
alumina
sulfide resin
resin composition
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JP18062196A
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Sadayuki Kobayashi
定之 小林
Atsushi Ishio
敦 石王
Kazuhiko Kobayashi
和彦 小林
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】成形時の流動性を損なうことなく機械的強度、
結晶化特性が著しく改良されたポリフェニレンスルフィ
ド樹脂組成物を得ることを課題とする。 【解決手段】ポリフェニレンスルフィド樹脂とBET比
表面積が140m/g以上のアルミナ粒子を配合して
なるポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。ポリフェニ
レンスルフィド樹脂と一次粒子径が0.015μm以下
のアルミナ粒子を含有せしめてなるポリフェニレンスル
フィド樹脂組成物

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定のアルミナ粒
子の配合された熱可塑性樹脂組成物および射出成形品に
関し、機械的強度、剛性を向上させ、結晶化特性や成形
時の流動性にも優れていることから、幅広い産業分野で
好適に使用できるものである。
【0002】
【従来の技術】ポリフェニレンスルフィド樹脂(以下P
PS樹脂と略す。)は優れた耐熱性、難燃性、耐薬品
性、寸法安定性、剛性および電気絶縁性などエンジニア
リングプラスチックとしては好適な性質を有しているこ
とから、射出成形用を中心として各種電気・電子部品、
機械部品および自動車部品などの用途に使用されてい
る。
【0003】しかしながら、例えばPPS樹脂を電気・
電子部品等にしばしば見られる薄肉成形体の成形に適用
する場合、高い機械的強度とともに、優れた流動性、お
よび成形品の品質や離型性に大きな影響を及ぼす結晶化
速度の向上が同時に求められている。
【0004】PPS樹脂の機械的強度を上げるのを目的
として、各種無機フィラーを添加する技術が知られてい
る。この方法の場合機械的強度は向上するが、無機フィ
ラー添加により流動性は著しく低下し、また結晶化特性
にはほとんどの場合影響を及ぼさない。
【0005】一方、PPS樹脂とアルミナを配合した組
成物としては、例えば特開平4−198265号公報、
特開昭62−241962号公報、特開昭53−903
64号公報が開示されている。
【0006】特開昭62−241962号公報には0.
2〜500μmのγ−アルミナの添加が腐食性ガス低減
に有効であることが開示されているものの、具体的に用
いられているγ−アルミナのBET比表面積は130m
/g以下であり、このようなγ−アルミナを用いて
も、機械的強度、成形時の流動性の向上効果はほとんど
認められない。
【0007】また特開平4−198265号公報には、
アルミナ粉末を伝熱フィラーとして配合し高発熱体の封
止材用途に用いることが開示されているものの、用いる
アルミナ粒子のBET比表面積あるいは一次粒子径など
について何ら記載されていない。
【0008】さらに特開昭53−90364号公報では
PPS樹脂を塗料として用いた場合、100ミリμ以下
の一次粒子径を有するアルミナ粒子を配合することによ
り流動性を良好にし、耐熱性、耐薬品性、耐熱水密着性
の優れた塗膜を与える組成物を得る技術が開示されてい
るものの、具体的に用いられているアルミナ粒子の一次
粒子径は20ミリμ程度であり、また、用いるアルミナ
粒子のBET比表面積について何ら記載されていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は曲げ強度、耐
衝撃性、剛性などの機械的強度が向上し、さらに結晶化
特性、流動性の優れたPPS樹脂組成物を得ることを課
題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は(1)
ポリフェニレンスルフィド樹脂100重量部に対し、B
ET比表面積が140m/g以上のアルミナ粒子0.
01〜10重量部を配合してなるポリフェニレンスルフ
ィド樹脂組成物、(2)ポリフェニレンスルフィド樹脂
100重量部および一次粒子径が0.015μm以下の
アルミナ粒子0.01〜10重量部を含有せしめてなる
ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物、(3)アルミナ
粒子のBET比表面積が140m/g以上である上記
(2)記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物、
(4)アルミナ粒子が、γ−アルミナ、ρ−アルミナ、
χ−アルミナ、η−アルミナ、δ−アルミナ、ε−アル
ミナ、θ−アルミナ、κ−アルミナから選ばれた少なく
とも1種である上記(1)〜(3)のいずれか記載のポ
リフェニレンスルフィド樹脂組成物、(5)アルミナ粒
子が、γ−アルミナである上記(4)記載のポリフェニ
レンスルフィド樹脂組成物、(6)ポリフェニレンスル
フィド樹脂組成物が射出成形用である上記(1)〜
(5)のいずれか記載のポリフェニレンスルフィド樹脂
組成物、および、(7)上記(6)記載のポリフェニレ
ンスルフィド樹脂組成物を射出成形してなる射出成形品
である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明で使用するポリフェニレン
スルフィド樹脂とは、構造式(I)で示される繰り返し
単位を
【化1】 70モル%以上、より好ましくは90モル%以上を含む
重合体であり、上記繰り返し単位が70モル%未満で
は、耐熱性が損なわれるので好ましくない。またPPS
樹脂はその繰り返し単位の30モル%未満を、下記の構
造式を有する繰り返し単位等で構成することが可能であ
る。
【0012】
【化2】 本発明で用いられるPPS樹脂の溶融粘度は、溶融混練
が可能であれば特に制限はないが、通常5〜2,000
Pa・s(320℃、剪断速度10sec-1)のものが
好ましく使用される。
【0013】かかるPPS樹脂は通常公知の方法、即ち
特公昭45−3368号公報に記載される比較的分子量
の小さな重合体を得る方法或は特公昭52−12240
号公報や特開昭61−7332号公報に記載される比較
的分子量の大きな重合体を得る方法などによって製造で
きる。本発明において上記の様に得られたPPS樹脂を
空気中加熱による架橋/高分子量化、有機溶媒、熱水、
酸水溶液などによる洗浄、酸無水物、アミン、イソシア
ネ−トなどの官能基含有化合物にる活性化など種々の処
理を施した上で使用することももちろん可能である。
【0014】PPS樹脂の架橋方法としては、PPS樹
脂を加熱容器中で所定の温度において希望する溶融粘度
が得られるまで加熱を行う方法があり、加熱処理温度は
通常、170〜280℃が選択され、好ましくは200
〜270℃であり、時間は通常の0.5〜100時間が
選択され、好ましくは2〜50時間であるが、この両者
をコントロールすることにより目標とする粘度レベルを
得ることができる。加熱処理の装置は通常の熱風乾燥機
でもまた回転式あるいは撹拌翼付の加熱装置であっても
よいが、効率よくしかもより均一に処理する場合は回転
式あるいは撹拌翼付の加熱装置を用いるのがより好まし
い。
【0015】有機溶媒で洗浄する場合、PPS樹脂の洗
浄に用いる有機溶媒は、PPS樹脂を分解する作用など
を有しないものであれば特に制限はないが、例えばN−
メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルア
セトアミドなどの含窒素極性溶媒、ジメチルスルホキシ
ド、ジメチルスルホンなどのスルホキシド・スルホン系
溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケト
ン、アセトフェノンなどのケトン系溶媒、ジメチルエー
テル、ジプロピルエーテル、テトラヒドロフランなどの
エーテル系溶媒、クロロホルム、塩化メチレン、トリク
ロロエチレン、2塩化エチレン、ジクロルエタン、テト
ラクロルエタン、クロルベンゼンなどのハロゲン系溶
媒、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノー
ル、ペンタノール、エチレングリコール、プロピレング
リコール、フェノール、クレゾール、ポリエチレングリ
コールなどのアルコール・フェノール系溶媒、ベンゼ
ン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒な
どがあげられる。これらの有機溶媒のなかでN−メチル
ピロリドン、アセトン、ジメチルホルムアミド、クロロ
ホルムなどの使用が好ましい。また、これらの有機溶媒
は、1種類または2種類以上の混合で使用される。有機
溶媒による洗浄の方法としては、有機溶媒中にPPS樹
脂を浸漬せしめるなどの方法があり、必要により適宜撹
拌または加熱することも可能である。有機溶媒でPPS
樹脂を洗浄する際の洗浄温度については特に制限はな
く、常温〜300℃程度の任意の温度が選択できる。洗
浄温度が高くなるほど洗浄効率が高くなる傾向がある
が、通常は常温〜150℃の洗浄温度で十分効果が得ら
れる。
【0016】熱水で処理する場合、熱水洗浄によるPP
S樹脂の好ましい化学的変性の効果を発現するため、使
用する水は蒸留水あるいは脱イオン水であることが好ま
しい。熱水処理の操作は、通常、所定量の水に所定量の
PPS樹脂を投入し、常圧で或いは圧力容器内で加熱、
撹拌することにより行われる。PPS樹脂と水との割合
は、水の多いほうが好ましいが、通常、水1リットルに
対し、PPS樹脂200g以下の浴比が選択される。
【0017】酸処理の方法は、酸または酸の水溶液にP
PS樹脂を浸漬せしめるなどの方法があり、必要により
適宜撹拌または加熱することも可能である。あるいは、
重合直後のPPS樹脂の反応容器中に、酸または酸の水
溶液を投入後、反応系を徐冷した後、PPS樹脂を回収
する方法も用いることができる。用いられる酸はPPS
樹脂を分解する作用を有しないものであれば特に制限は
なく、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸などの脂肪族飽
和モノカルボン酸、クロロ酢酸、ジクロロ酢酸などのハ
ロ置換脂肪族飽和カルボン酸、アクリル酸、クロトン酸
などの脂肪族不飽和モノカルボン酸、安息香酸、サリチ
ル酸などの芳香族カルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コ
ハク酸、フタル酸、フマル酸などのジカルボン酸、硫
酸、リン酸、塩酸、炭酸、珪酸などの無機酸性化合物な
どがあげられる。中でも酢酸、塩酸がより好ましく用い
られる。酸処理を施されたPPS樹脂は残留している酸
または塩などを物理的に除去するため、水または温水で
数回洗浄することが好ましい。また洗浄に用いる水は、
酸処理によるPPS樹脂の好ましい化学的変性の効果を
損なわない意味で蒸留水、脱イオン水であることが好ま
しい。 本発明において配合に供するアルミナ粒子は粒
子の構成上基本となる個々の粒子すなわち一次粒子が凝
集して形成された二次粒子の形態であってもよく、配合
する際の粒子の大きさに特に制限はないが、通常100
μm以下のものが好ましく用いられる。また、凝集体を
焼成前あるいは焼成後に粉砕し、非凝集化させた粉砕粒
アルミナを用いてもよい。
【0018】本発明で用いられるアルミナ粒子の具体例
としては、γ−アルミナ、ρ−アルミナ、χ−アルミ
ナ、η−アルミナ、δ−アルミナ、ε−アルミナ、θ−
アルミナ、κ−アルミナ等の遷移アルミナが挙げられ、
好ましくはγ−アルミナが用いられる。これらアルミナ
の持つ諸物性の中でBET比表面積あるいは一次粒子径
が、本発明の課題とする強度、耐衝撃性、剛性、結晶化
特性、流動性に大きな影響を及ぼしているものと考えら
れ、本発明で用いられるアルミナ粒子は、BET比表面
積が140m/g以上であるか、あるいは一次粒子径
が0.015μm以下であることが必要である。本発明
において用いるアルミナ粒子は、上記BET比表面積お
よび一次粒子径の範囲を同時に満たすことが好ましい
が、いずれかの特性を満たしていれば差し支えない。
【0019】BET比表面積は通常140m/g以上
であるが、200m/g以上であることがさらに好ま
しい。また、上限については特に制限はないが、混練時
の分散性の点から300m/g以下であることが好ま
しい。上記BET比表面積は気体吸着法で、BET吸着
等温式のプロットより求めた単分子層吸着量と吸着分子
断面積より求めることができる。
【0020】一次粒子径は通常、0.015μm以下で
あるが0.01μm以下であることがさらに好ましい。
また、下限については特に制限はないが、混練時の分散
性の点から0.003μm以上であることが好ましい。
かかる一次粒子径は、粒子の構成上基本となる個々の粒
子径を指すのであり、個々の粒子が凝集して形成された
二次粒子径を指すものでなく、該二次粒子径が0.01
5μmより大きくなってもなんら差し支えない。上記一
次粒子径は、薄片試料の透過型電子顕微鏡観察により測
定し、粒子50個程度の粒子を観測し、それらを平均す
ることにより求めることができるが、通常の場合、PP
S樹脂との溶融混練によって、一次粒子径は実質的に破
壊されないと考えられるため、BET比表面積から求め
た一次粒子径で代用することもできる。
【0021】本発明の組成物における配合割合はPPS
樹脂100重量部、アルミナ粒子0.01〜10重量部
の範囲であり、PPS樹脂100重量部、アルミナ粒子
0.5〜5重量部の範囲であることが好ましい。上記配
合割合において耐熱性、強度、剛性、耐衝撃性、寸法安
定性および成形加工性のすべての特性を満足する樹脂組
成物が得られるのである。例えばアルミナ粒子が少な過
ぎると強度向上効果の点で不十分であり、逆に多過ぎる
と射出成形時に流動性の低下が著しい。
【0022】本発明においては、強度及び寸法安定性等
を向上させるため、必要に応じて繊維状および/または
非繊維状充填材を用いてもよい。かかる繊維状および/
または非繊維状充填材としては、ガラス繊維、炭素繊
維、チタン酸カリウィスカ、酸化亜鉛ウィスカ、硼酸ア
ルミウィスカ、アラミド繊維、アルミナ繊維、炭化珪素
繊維、セラミック繊維、アスベスト繊維、石コウ繊維、
金属繊維などの繊維状充填剤、ワラステナイト、ゼオラ
イト、セリサイト、カオリン、マイカ、クレー、パイロ
フィライト、ベントナイト、アスベスト、タルク、アル
ミナシリケートなどの珪酸塩、酸化珪素、酸化マグネシ
ウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化鉄などの金
属化合物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマ
イトなどの炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなど
の硫酸塩、ガラスビーズ、セラミックビーズ、窒化ホウ
素、炭化珪素およびシリカなどの非繊維状充填剤が挙げ
られ、これらは中空であってもよく、さらにはこれら充
填剤を2種類以上併用することも可能である。また、こ
れら繊維状および/または非繊維状充填材を、エポキシ
化合物、イソシアネート系化合物、有機シラン系化合
物、有機チタネート系化合物、有機ボラン系化合物など
のカップリング剤で予備処理して使用することは、より
優れた機械的強度を得る意味において好ましい。
【0023】強度及び寸法安定性等を向上させるため、
かかる繊維状および/または非繊維状充填材を用いる場
合、その配合量は特に制限はないが、通常PPS樹脂2
0〜70重量部に対して30〜80重量部配合される。
【0024】本発明のPPS樹脂組成物には本発明の効
果を損なわない範囲で、機械的強度および成形性などの
改良を目的として、γ−グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシ
シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチ
ルトリメトキシシランなどのエポキシ基含有アルコキシ
シラン化合物、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシランなど
のメルカプト基含有アルコキシシラン化合物、γ−ウレ
イドプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピ
ルトリメトキシシシラン、γ−(2−ウレイドエチル)
アミノプロピルトリメトキシシランなどのウレイド基含
有アルコキシシラン化合物、γ−イソシアナトプロピル
トリエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルトリメ
トキシシラン、γ−イソシアナトプロピルメチルジメト
キシシラン、γ−イソシアナトプロピルメチルジエトキ
シシラン、γ−イソシアナトプロピルエチルジメトキシ
シラン、γ−イソシアナトプロピルエチルジエトキシシ
ラン、γ−イソシアナトプロピルトリクロロシランなど
のイソシアナト基含有アルコキシシラン化合物、γ−
(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシ
シラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリ
メトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラ
ンなどのアミノ基含有アルコキシシラン化合物などの有
機シラン化合物を添加することができる。
【0025】機械的強度および成形性などの改良を目的
として、かかる有機シラン化合物を用いる場合、配合量
については特に制限はないが、通常PPS樹脂100重
量部に対して0.01〜10重量部配合される。
【0026】本発明のPPS樹脂組成物には本発明の効
果を損なわない範囲において、ポリアルキレンオキサイ
ドオリゴマ系化合物、チオエーテル系化合物、エステル
系化合物、有機リン化合物などの可塑剤、タルク、カオ
リン、有機リン化合物などの結晶核剤、ポリオレフィン
系化合物、シリコーン系化合物、長鎖脂肪族エステル系
化合物などの離型剤、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、紫
外線防止剤、着色剤、難燃剤、発泡剤などの通常の添加
剤を添加することができる。また、本発明のPPS樹脂
組成物は本発明の効果を損なわない範囲で、ポリアミ
ド、ポリエステル、ポリフェニレンオキシド、ポリスル
ホン、四フッ化ポリエチレン、ポリエーテルイミド、ポ
リアミドイミド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリ
エーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリチオエー
テルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、エポキシ樹
脂、フェノール樹脂、ポリエチレン、ポリスチレン、ポ
リプロピレン、ABS樹脂、ポリアミドエラストマ、ポ
リエステルエラストマ、ポリアルキレンオキサイド、あ
るいは酸無水物基、カルボキシル基、エポキシ基等を含
有するオレフィン系共重合体等の樹脂を含んでも良い。
【0027】本発明のPPS樹脂組成物を得る方法は特
に限定されず、PPS重合時にアルミナを添加する方
法、PPSとアルミナを溶融混練する方法などが例とし
て挙げられるが、十分な混練力を有する溶融混練機を用
いて溶融混練により製造することが簡便、かつ所期の特
性を発現し得る点から好ましい。溶融混練には公知の方
法を用いることができ、例えば単軸、2軸の押出機、バ
ンバリーミキサー、ニーダー、ミキシングロールなどの
溶融混合機に供給して280〜380℃の温度で混練
し、次いでカッターでカッティングしてペレットとする
ことができる。
【0028】また、溶融混合する場合の原料の混合順序
にも特に制限はなく、PPS樹脂、アルミナ粒子および
必要に応じてその他の配合物をドライブレンドした後、
上述の方法などで溶融混練する方法、あるいはPPS樹
脂、アルミナ粒子および必要に応じて添加/配合される
その他の配合物の内の一部をドライブレンドし、溶融混
練した後、残りを溶融混練する方法なども勿論可能であ
る。
【0029】かくして得られる本発明のPPS樹脂組成
物は通常公知の射出成形、押出成形、トランスファー成
形、圧縮成形などの任意の方法による成形に供すること
により、射出成形品、シート、フィルム、パイプ、繊
維、棒状体などの押出成形品、トランスファー成形品、
圧縮成形品とすることができるが、良好な成形流動性お
よびすぐれた結晶化特性をいかして、射出成形に供し、
射出成形品とすることが好ましい。
【0030】このような本発明のPPS樹脂組成物は、
機械的強度に優れるだけでなく、成形性、特に射出成形
性が極めて良好な樹脂組成物であり、センサー、LED
ランプ、コネクター、ソケット、抵抗器、リレーケー
ス、スイッチ、コイルボビン、コンデンサー、バリコン
ケース、光ピックアップ、発振子、各種端子板、変成
器、プラグ、プリント基板、チューナー、スピーカー、
マイクロフォン、ヘッドフォン、小型モーター、磁気ヘ
ッドベース、パワーモジュール、半導体、液晶、FDD
キャリッジ、FDDシャーシ、モーターブラッシュホル
ダー、パラボラアンテナ、コンピューター関連部品等に
代表される電気・電子部品;VTR部品、テレビ部品、
アイロン、ヘアードライヤー、炊飯器部品、電子レンジ
部品、音響部品、オーディオ・レーザーディスク・コン
パクトディスク等の音声機器部品、照明部品、冷蔵庫部
品、エアコン部品、タイプライター部品、ワードプロセ
ッサー部品等に代表される家庭、事務電気製品部品;オ
フィスコンピューター関連部品、電話器関連部品、ファ
クシミリ関連部品、複写機関連部品、洗浄用治具、モー
ター部品、ライター、タイプライターなどに代表される
機械関連部品:顕微鏡、双眼鏡、カメラ、時計等に代表
される光学機器、精密機械関連部品;オルタネータータ
ーミナル、オルタネーターコネクター、ICレギュレー
ター、ライトディヤー用ポテンシオメーターベース、排
気ガスバルブ等の各種バルブ、燃料関係・排気系・吸気
系各種パイプ、エアーインテークノズルスノーケル、イ
ンテークマニホールド、燃料ポンプ、エンジン冷却水ジ
ョイント、キャブレターメインボディー、キャブレター
スペーサー、排気ガスセンサー、冷却水センサー、油温
センサー、ブレーキパットウェアーセンサー、スロット
ルポジションセンサー、クランクシャフトポジションセ
ンサー、エアーフローメーター、ブレーキパッド摩耗セ
ンサー、エアコン用サーモスタットベース、暖房温風フ
ローコントロールバルブ、ラジエーターモーター用ブラ
ッシュホルダー、ウォーターポンプインペラー、タービ
ンベイン、ワイパーモーター関係部品、デュストリビュ
ーター、スタータースイッチ、スターターリレー、トラ
ンスミッション用ワイヤーハーネス、ウィンドウォッシ
ャーノズル、エアコンパネルスイッチ基板、燃料関係電
磁気弁用コイル、ヒューズ用コネクター、ホーンターミ
ナル、電装部品絶縁板、ステップモーターローター、ラ
ンプソケット、ランプリフレクター、ランプハウジン
グ、ブレーキピストン、ソレノイドボビン、エンジンオ
イルフィルター、点火装置ケース等の自動車・車両関連
部品、その他各種用途に有用である。
【0031】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明はその要旨を逸脱しない限りこれら
の実施例により何ら限定されるものではない。
【0032】実施例及び比較例に示される各種特性は以
下の方法に従って評価した。
【0033】(1)引張強度:ASTM D638 (2)曲げ強度:ASTM D790 (3)アイゾット衝撃強度:ASTM D256 (4)メルトフローレート値:ASTM D1238−
86(315.5℃、5000g荷重) (5)成形下限圧:上記機械強度試験片を射出成形する
際、充填不良を起こさないために必要な最低射出圧力を
成形下限圧とした。成形下限圧が低いほど流動性が優れ
ていることになる。
【0034】(6)降温結晶化温度:パーキンエルマー
社製のDSC(示差走査熱量計)−7型を用いて測定し
た。DSCの条件は次の通りである。試料約10mgを
DSC装置にセットし、20℃/minで昇温し340
℃の温度で1分間溶融した後、20℃/minで冷却し
結晶化発熱ピーク温度をもって降温結晶化温度とした。
降温結晶化温度が高いほど結晶化速度が速いことを示し
ている。
【0035】参考例1(ポリフェニレンスルフィドの合
成法) PPS−1:オートクレーブに硫化ナトリウム3.26
kg(25モル、結晶水40%を含む)、水酸化ナトリ
ウム4g、酢酸ナトリウム三水和物1.19kg(約
8.8モル)およびNMP7.9kgを仕込み、撹拌し
ながら徐々に205℃まで昇温し、水1.36Kgを含
む留出水約1.5リットルを除去した。残留混合物に
1,4−ジクロロベンゼン3.82Kg(26モル)お
よびNMP2kgを加え、270℃で3時間加熱した。
反応生成物を70℃の温水で5回洗浄し、80℃で24
時間減圧乾燥して、溶融粘度で約160Pa・s(32
0℃、剪断速度10sec−1)のポリフェニレンスル
フィド(PPS−1)約2Kgを得た。
【0036】PPS−2:オートクレーブに硫化ナトリ
ウム3.26kg(25モル、結晶水40%を含む)、
水酸化ナトリウム4g、酢酸ナトリウム三水和物1.1
9kg(約8.8モル)およびNMP7.9kgを仕込
み、撹拌しながら徐々に205℃まで昇温し、水1.3
6kgを含む留出水約1.5リットルを除去した。残留
混合物に1,4−ジクロロベンゼン3.82kg(26
モル)およびNMP2kgを加え、274℃で1時間加
熱した。反応生成物を70℃の温水で5回洗浄し、80
℃で24時間減圧乾燥して、溶融粘度で約90Pa・s
(320℃、剪断速度10sec−1)のポリフェニレ
ンスルフィド(PPS−2)約2kgを得た。
【0037】またPPS−3としては、PPS−2を2
20℃で21時間酸化架橋させ、溶融粘度で約400P
a・s(320℃、剪断速度10sec−1)のポリフ
ェニレンスルフィド(PPS−3)約2kgを得たもの
を用いた。
【0038】実施例1〜3 表1に示すように、PPS樹脂(PPS−1)100重
量部に対し、BET比表面積が300m/gで一次粒
子径が0.005μmのアルミナ粒子(粉砕粒タイ
プ)、BET比表面積が250m/gで一次粒子径が
0.006μmのアルミナ粒子(粉砕粒タイプ)、ある
いはBET比表面積が150m/gで一次粒子径が
0.01μmのアルミナ粒子(二次粒子の粒度分布にお
いて、30μ以下の粒子の累積値が80%)1重量部を
ヘンシェルミキサーでドライブレンドした後、320℃
のシリンダー温度に設定したスクリュー式2軸押出機に
より溶融混練後ペレタイズした。得られたペレットを乾
燥後射出成形機を用いて、シリンダー温度320℃、金
型温度135℃の条件で射出成形することにより、所定
の特性評価用試験片を得た。得られた試験片について行
った測定結果を表1に示す。ここで得られた樹脂組成物
およびその射出成形品は強度、耐衝撃性に優れ、しかも
結晶化速度、流動性にも優れていた。
【0039】比較例 1〜2 アルミナ粒子を表1に示すように、BET比表面積と一
次粒子径の異なるものとした以外は実施例1と全く同様
に溶融混練、射出成形および特性評価を実施した。ここ
で得られた樹脂組成物は機械的強度が不十分であり、流
動性についても不十分であった。
【0040】比較例 3 アルミナ粒子を添加しないこと以外は実施例1と全く同
様に溶融混練、射出成形および特性評価を実施した。
【0041】
【表1】
【0042】実施例4〜5 PPS樹脂を表2に示すように種々変えて、BET比表
面積250m/g、一次粒子径0.006μmのアル
ミナ粒子を配合し実施例1と同様に溶融混練、射出成形
および所定の特性評価を実施した。結果を表2に示す。
ここで得られた樹脂組成物およびその射出成形品はいず
れも機械的強度、結晶化特性および成形時の流動性が、
ブランクに比べ同時に改良された。
【0043】比較例4〜5 アルミナ粒子を添加せずにPPS樹脂を表2に示すよう
に種々変えたこと以外は実施例1と同様に溶融混練、射
出成形および所定の特性評価を実施した。
【0044】
【表2】
【0045】
【発明の効果】本発明のポリフェニレンスルフィド樹脂
組成物は、機械的強度、剛性、結晶化特性、成形時の流
動性が改良されたポリフェニレンスルフィド樹脂組成物
であり、それからなる射出成形は各種電気・電子部品、
機械部品および自動車部品などに適する。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリフェニレンスルフィド樹脂100重量
    部に対し、BET比表面積が140m/g以上のアル
    ミナ粒子0.01〜10重量部を配合してなるポリフェ
    ニレンスルフィド樹脂組成物。
  2. 【請求項2】ポリフェニレンスルフィド樹脂100重量
    部および一次粒子径が0.015μm以下のアルミナ粒
    子0.01〜10重量部を含有せしめてなるポリフェニ
    レンスルフィド樹脂組成物。
  3. 【請求項3】アルミナ粒子のBET比表面積が140m
    /g以上である請求項2記載のポリフェニレンスルフ
    ィド樹脂組成物。
  4. 【請求項4】アルミナ粒子が、γ−アルミナ、ρ−アル
    ミナ、χ−アルミナ、η−アルミナ、δ−アルミナ、ε
    −アルミナ、θ−アルミナ、κ−アルミナから選ばれた
    少なくとも1種である請求項1〜3いずれか記載のポリ
    フェニレンスルフィド樹脂組成物。
  5. 【請求項5】アルミナ粒子が、γ−アルミナである請求
    項4記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
  6. 【請求項6】ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物が射
    出成形用である請求項1〜5のいずれか記載のポリフェ
    ニレンスルフィド樹脂組成物。
  7. 【請求項7】請求項6記載のポリフェニレンスルフィド
    樹脂組成物を射出成形してなる射出成形品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113234321A (zh) * 2021-04-13 2021-08-10 南京翌动新材料科技有限公司 一种陶瓷复合材料的制备方法

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