JPH1025390A - 合わせガラス用中間膜及びこれを用いた合わせガラス - Google Patents

合わせガラス用中間膜及びこれを用いた合わせガラス

Info

Publication number
JPH1025390A
JPH1025390A JP8383097A JP8383097A JPH1025390A JP H1025390 A JPH1025390 A JP H1025390A JP 8383097 A JP8383097 A JP 8383097A JP 8383097 A JP8383097 A JP 8383097A JP H1025390 A JPH1025390 A JP H1025390A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
polyvinyl butyral
laminated glass
degree
polymerization
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP8383097A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3763926B2 (ja
Inventor
Tomohiro Fukai
知裕 深井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP08383097A priority Critical patent/JP3763926B2/ja
Publication of JPH1025390A publication Critical patent/JPH1025390A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3763926B2 publication Critical patent/JP3763926B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B17/00Layered products essentially comprising sheet glass, or glass, slag, or like fibres
    • B32B17/06Layered products essentially comprising sheet glass, or glass, slag, or like fibres comprising glass as the main or only constituent of a layer, next to another layer of a specific material
    • B32B17/10Layered products essentially comprising sheet glass, or glass, slag, or like fibres comprising glass as the main or only constituent of a layer, next to another layer of a specific material of synthetic resin
    • B32B17/10005Layered products essentially comprising sheet glass, or glass, slag, or like fibres comprising glass as the main or only constituent of a layer, next to another layer of a specific material of synthetic resin laminated safety glass or glazing
    • B32B17/1055Layered products essentially comprising sheet glass, or glass, slag, or like fibres comprising glass as the main or only constituent of a layer, next to another layer of a specific material of synthetic resin laminated safety glass or glazing characterized by the resin layer, i.e. interlayer
    • B32B17/10761Layered products essentially comprising sheet glass, or glass, slag, or like fibres comprising glass as the main or only constituent of a layer, next to another layer of a specific material of synthetic resin laminated safety glass or glazing characterized by the resin layer, i.e. interlayer containing vinyl acetal

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Joining Of Glass To Other Materials (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温での合わせガラスの耐貫通性能を向上さ
せ、安全性の高い合わせガラス用中間膜及び合わせガラ
スを提供する。 【解決手段】 ブチラール化度60〜70モル%であっ
て平均重合度800〜3000のポリビニルブチラール
10〜90重量%及びブチラール化度70〜80モル%
であって平均重合度3000〜5000のポリビニルブ
チラール90〜10重量%からなる異種混合のポリビニ
ルブチラール100重量部と、可塑剤30〜50重量部
とを含有する合わせガラス用中間膜及びこれを用いた合
わせガラス。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、合わせガラス用中
間膜及びこれを用いた合わせガラスに関する。さらに詳
しくは、本発明は、合わせガラス用ポリビニルブチラー
ル中間膜及びこれを用いた合わせガラスに関する。
【0002】
【従来の技術】ポリビニルブチラール中間膜を使用した
合わせガラスは、自動車、航空機、建築物の窓等に長年
にわたり使用されている。その理由はポリビニルブチラ
ール中間膜を使用した合わせガラスが耐貫通性に優れて
おり、他の物に替え難い信頼実績を持つからである。こ
れは、ポリビニルブチラールの引っ張り弾性率が高く、
また破断点での伸びが大きいため、エネルギー吸収剤の
役目を果たすことが出来ると同時に全てのガラス板が割
れたガラス窓の機密性を保証することが出来るという事
実に由来する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが近年、ポリビ
ニルブチラール中間膜が全世界に普及するに伴い、問題
点が顕在化してきた。特に、高温の地域で使用される場
合には従来のポリビニルブチラール樹脂が有する耐貫通
性能は極端に低下する。たとえば、JIS−R−321
2に規定されている合わせガラスの耐貫通性能試験方法
で5LBの落球衝撃試験を高温下で実施した場合、20
℃での落球高さが、30℃では25〜35%、40℃で
は35〜45%低下してしまい、安全性が大幅に損なわ
れてしまう。もちろん、高温地域でなくても夏場の自動
車内の温度上昇を考えると、フロントガラスの温度は容
易に40℃以上になることが想像され、安全性は必ずし
も十分とは言えない。
【0004】また、従来のポリビニルブチラール中間膜
は、一般に、高温での物性を高めようとすると、逆に低
温での物性が低下する傾向にある。このため、低温から
高温までの広い温度範囲で耐貫通性能に優れた中間膜も
必要となる。
【0005】このように、実際の使用環境下での性能低
下は、ポリビニルブチラール中間膜を供給するメーカー
にとって改善すべき大きな問題であると同時に、ユーザ
ーからの安全性向上への要望は、最近特に強くなってき
ている。
【0006】このような問題点を改善する手段として、
特開平3−124440号公報、特開平3−12444
1号公報、特開平5−85782号公報等では、構造の
異なるポリビニルブチラールや可塑剤部数の異なる中間
膜を、複数枚積層することによって耐貫通性能を向上し
得ることが報告されている。しかし、この方法では、複
数枚を合わせガラスに積層することによる作業性の低下
や、中間膜同士の界面の平滑性の悪さからくる光学歪み
によって、合わせガラスを透かして見た像がひずむ等の
問題点があった。また、中間膜の膜厚を大きくする事も
耐貫通性を向上するには有効であるが、この方法では合
わせガラスの重量が大きくなるため、車の燃費が悪くな
るといった問題点があった。
【0007】本発明は、常温のみならず高温での合わせ
ガラスの耐貫通性能を向上させ、安全性を高めることを
目的としてなされたものであり、安全性の高い優れた合
わせガラス用中間膜及び合わせガラスを供給するもので
ある。
【0008】また、本発明は、低温から高温までの広い
温度範囲での合わせガラスの耐貫通性能を向上させ、安
全性を高めることを目的としてなされたものであり、安
全性の高い優れた合わせガラス用中間膜及び合わせガラ
スを供給するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、ブ
チラール化度60〜70モル%であって平均重合度80
0〜3000のポリビニルブチラール10〜90重量%
及びブチラール化度70〜80モル%であって平均重合
度3000〜5000のポリビニルブチラール90〜1
0重量%からなる異種混合のポリビニルブチラール10
0重量部と、可塑剤30〜50重量部とを含有すること
を特徴とする合わせガラス用中間膜を提供するものであ
る。
【0010】また、本発明は、ブチラール化度60〜7
0モル%であって平均重合度800〜3000のポリビ
ニルブチラール50〜90重量%及びブチラール化度7
0〜80モル%であって平均重合度3000〜5000
のポリビニルブチラール50〜10重量%からなる異種
混合のポリビニルブチラール100重量部と、可塑剤3
0〜38重量部とを含有することを特徴とする合わせガ
ラス用中間膜を提供するものである。
【0011】また、本発明は、ブチラール化度60〜7
0モル%であって平均重合度800〜3000のポリビ
ニルブチラール50〜90重量%及びブチラール化度7
0〜80モル%であって平均重合度3000〜5000
のポリビニルブチラール50〜10重量%からなる異種
混合のポリビニルブチラール100重量部と、可塑剤3
0〜38重量部とを含有し、高速衝撃試験(試料寸法:
厚さ0.76mm、直径50.8mmの円形、測定条
件:測定温度23℃、先端が半球状に加工された直径1
2.5mmの棒状で鋼製の衝撃子、衝撃速度3m/秒)
により測定される初期弾性率が0.02〜0.04kg
/mm2 であることを特徴とする合わせガラス用中間膜
を提供するものである。
【0012】また、本発明は、上記記載の合わせガラス
用中間膜を有することを特徴とする合わせガラスを提供
するものである。
【0013】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
使用する異種混合のポリビニルブチラールは、ブチラー
ル化度60〜70モル%であって重合度800〜300
0のものを10〜90重量%及びブチラール化度70〜
80モル%であって重合度3000〜5000のものを
90〜10重量%の範囲内でブレンドしたものが用いら
れる。
【0014】前者のポリビニルブチラールのブチラール
化度が60モル%未満になると可塑剤との相溶性が悪く
なり、合わせガラス化したのちに可塑剤がブリードし、
中間膜とガラスの接着力の低下などの影響がでるため好
ましくなく、70モル%を越えると、合わせガラス用中
間膜が柔らかくなり、十分な耐貫通性能を発現しなくな
る。また、重合度が800未満になると耐貫通性能を含
む力学物性が低下し、3000を越えると押し出し成形
性が極端に低下するため好ましくない。さらに、配合量
が10重量%未満では成形性能が低下し、90重量%を
越えると成形性が低下し好ましくない。尚、より好まし
い重合度及び配合量の範囲としては、耐貫通性能と成形
性のバランスから、重合度1000〜2500、配合量
20〜80重量%である。
【0015】一方、後者のポリビニルブチラールのブチ
ラール化度が70モル%未満では押し出し成形性が低下
し好ましくない。また、80モル%を越えると、水酸基
の疑似架橋点の数が減少し、耐貫通性能が低下するため
好ましくない。さらに重合度が3000未満では耐貫通
性能を向上する効果が発現せず、5000を越えると成
形性が極端に低下するため好ましくない。また、配合量
が10重量%未満では耐貫通性の向上効果がないため好
ましくなく、90重量%を越えると成形性が低下し好ま
しくない。尚、より好ましい重合度及び配合量の範囲と
しては、耐貫通性能と成形性のバランスから、重合度3
500〜4500、配合量20〜80重量%である。
【0016】また、本発明に使用する可塑剤としては、
例えば、エチレングリコールジ−2−エチルブチレー
ト、1,3−プロピレングリコールジ−2−エチルブチ
レート、1,4−プロピレングリコールジ−2−エチル
ブチレート、1,4−ブチレングリコールジ−2−エチ
ルブチレート、1,2−ブチレングリコールジ−2−エ
チルブチレート、ジエチレングリコールジ−2−エチル
ブチレート、ジエチレングリコールジ−2−エチルヘキ
ソエート、ジプロピレングリコールジ−2−エチルブチ
レート、トリエチレングリコールジ−2−エチルペント
エート、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキソ
エート、テトラエチレングリコールジ−2−エチルブチ
レート、ジエチレングリコールジカプリエート、トリエ
チレングリコールジカプリエート等が挙げられる。
【0017】これら可塑剤の添加量は、ポリビニルブチ
ラールの合計100重量部に対して30〜50重量部の
範囲である。可塑剤の部数が30重量部未満であるとポ
リビニルブチラール樹脂の可塑化効果が不十分のため成
型ができなくなり、50重量部を越えると相溶しなくな
り、可塑剤が分離してしまうため好ましくない。
【0018】特に、本発明において、ブチラール化度6
0〜70モル%であって平均重合度800〜3000の
ポリビニルブチラール50〜90重量%及びブチラール
化度70〜80モル%であって平均重合度3000〜5
000のポリビニルブチラール50〜10重量%からな
る異種混合のポリビニルブチラール100重量部と、可
塑剤30〜38重量部とを含有する合わせガラス用中間
膜は、高温での合わせガラスの耐貫通性能がさらに向上
し、安全性がさらに高まる(請求項2の発明)。
【0019】このように異種のポリビニルブチラールの
配合量及び可塑剤の添加量を限定する理由は、次の通り
である。すなわち、前者のポリビニルブチラールの配合
量が50重量%未満では耐熱性の向上による高温での耐
貫通性能の向上効果が小さく、逆に90重量%を越える
と成形性が低下するからである。一方、後者のポリビニ
ルブチラールの配合量が10重量%未満では耐貫通性の
向上効果がなく、逆に50重量%を越えると耐貫通性能
の向上効果が小さくなるからである。また、この際、可
塑剤の添加量が30重量部未満であるとポリビニルブチ
ラール樹脂の可塑化効果が不十分のため成型ができなく
なり、38重量部を越えると高温での耐貫通性能の向上
効果が小さくなるからである。
【0020】また、本発明において、ブチラール化度6
0〜70モル%であって平均重合度800〜3000の
ポリビニルブチラール50〜90重量%及びブチラール
化度70〜80モル%であって平均重合度3000〜5
000のポリビニルブチラール50〜10重量%からな
る異種混合のポリビニルブチラール100重量部と、可
塑剤30〜38重量部とを含有し、高速衝撃試験(試料
寸法:厚さ0.76mm、直径50.8mmの円形、測
定条件:測定温度23℃、先端が半球状に加工された直
径12.5mmの棒状で鋼製の衝撃子、衝撃速度3m/
分)により測定される初期弾性率が0.02〜0.04
kg/mm2 である合わせガラス用中間膜は、低温から
高温までの広い温度範囲での合わせガラスの耐貫通性能
が向上し、安全性がさらに高まる(請求項3の発明)。
【0021】ここで、初期弾性率は、具体的には、高速
衝撃試験機(例えば、島津製作所製のHTM−1)を用
い、試料の受け具として、衝撃面の開口部の直径が5
0.8mmの支持枠に、厚さ0.76mmの試料(中間
膜)を固定し、23℃の環境下での上記試料(中間膜)
の中心部に、先端が半球状に加工された直径12.5m
mの棒状で鋼製の衝撃子により、3m/秒の速度で衝撃
を加え、そのときの応力及び歪みをロードセルで記録
し、そのデーターから初期弾性率を求めることができ
る。
【0022】上記のように異種のポリビニルブチラール
の配合量及び可塑剤の添加量を限定し、さらに初期弾性
率を限定する理由は、次の通りである。すなわち、前者
のポリビニルブチラールの配合量が50重量%未満では
耐熱性の向上による高温での耐貫通性能の向上効果が小
さく、逆に90重量%を越えると成形性が低下するから
である。一方、後者のポリビニルブチラールの配合量が
10重量%未満では耐貫通性の向上効果がなく、逆に5
0重量%を越えると耐貫通性能の向上効果が小さくなる
からである。また、この際、可塑剤の添加量が30重量
部未満であるとポリビニルブチラール樹脂の可塑化効果
が不十分のため成型ができなくなり、38重量部を越え
ると高温での耐貫通性能の向上効果が小さくなるからで
ある。さらに、初期弾性率が0.02kg/mm2 未満
では高温での耐貫通性能が低下し、逆に0.04kg/
mm2 を越えると低温での耐貫通性能が低下するからで
ある。
【0023】本発明の合わせガラス用中間膜には、上記
必須成分の他に、ガラスとの接着力を調整する目的で、
カルボン酸金属塩や、変性シリコンオイル等を添加する
ことができる。
【0024】添加されるカルボン酸金属塩としては、炭
素数が12以下の脂肪族モノまたはジカルボン酸のアル
カリまたはアルカリ土類金属塩が好ましく用いられる。
金属成分としては、例えば、Mg、Na、K等、また、
カルボン酸としては酢酸、プロピオン酸、酪酸、カプロ
ン酸、カプリル酸、オクタン酸、こはく酸、アジピン酸
等が挙げられる。好ましいカルボン酸金属塩の例として
は、例えば、酢酸カリウム、酢酸マグネシウム、プロピ
オン酸カリウム、プロピオン酸マグネシウム、プロピオ
ン酸ナトリウム、カプロン酸マグネシウム、カプロン酸
ナトリウム、2−エチルカプロン酸マグネシウム、2−
エチルカプロン酸ナトリウム、カプリル酸マグネシウ
ム、カプリル酸ナトリウム、オクタン酸マグネシウム、
こはく酸マグネシウム、こはく酸ナトリウムなどが挙げ
られるが、これらの中でも酢酸カリウム、酢酸マグネシ
ウムが好ましい。
【0025】また、添加される変性シリコンオイルとし
ては、例えば、エーテル変性シリコンオイル、エポキシ
変性シリコンオイル、エステル変性シリコンオイル、ア
ミン変性シリコンオイル、α−メチルスチレン変性シリ
コンオイル、α−オレフィン変性シリコンオイル、アル
コール変性シリコンオイル、フッ素変性シリコンオイ
ル、メルカプト変性シリコンオイル、カルボキシル変性
シリコンオイル及びその共変性タイプ(例えば、エーテ
ルエポキシ変性シリコンオイル)等が挙げられ、これら
は一般にはポリシロキサンに変性すべき化合物を反応せ
しめて得られる粘調な液体である。
【0026】本発明の合わせガラス用中間膜は、上記の
添加剤以外にも、本発明の効果を損なわない範囲で紫外
線吸収剤、酸化防止剤、顔料、染料等の各種添加剤を含
有しても良く、これらは従来公知のものが使用可能であ
る。
【0027】本発明の合わせガラス用中間膜であるポリ
ビニルブチラール中間膜が合わせガラスの耐貫通性能を
向上する理由を説明する。従来のポリビニルブチラール
中間膜の耐貫通性能は、ポリビニルブチラールがその構
造に有する水酸基同士の類似架橋点によって発現され
る。この架橋点が多いほど、分子同士が強く結合され、
優れた力学物性を有する。しかし、水酸基が多くブチラ
ール化度が小さいと可塑剤との相溶性が低下し、可塑化
され難くなるため成形ができなくなるという欠点を有す
る。このため、従来技術では中間膜の耐貫通性能を向上
するには限界が存在した。
【0028】ところが、本発明では、高重合度のポリビ
ニルブチラールを配合することによって、分子間の疑似
架橋点に加え分子同士の絡み合い点が増加する。この絡
み合い点が疑似架橋点と同様の機能を有するため、力学
物性が向上すると考えられる。尚、重合度が大きいポリ
ビニルブチラールは成形性が極端に悪いために、単独で
は使用することができない。本発明では、高重合度のポ
リビニルブチラールのブチラール化度を上げ、水酸基の
数を減らし、なおかつ低重合度のポリビニルブチラール
と混合することによって、成形性を付与することができ
た。このように、ポリビニルブチラールの構造、組成を
最適化し、成形性を損なわずに、耐貫通性能を向上し得
る本発明の合わせガラス用ポリビニルブチラール中間膜
が得られたわけである。
【0029】なお、本発明の合わせガラスは、上述した
本発明の合わせガラス用ポリビニルブチラール中間膜を
使用して常法により得られる合わせガラスである。
【0030】
【実施例】以下、本発明を実施例によってさらに詳しく
説明する。本発明はこれらの実施例にのみ限定されるも
のではない。
【0031】表1〜3に示す重合度及びブチラール化度
を有するポリビニルブチラールを、可塑剤にトリエチレ
ングリコール−2−エチルブチレートを使用し、表1〜
3に記載の割合で配合し、添加剤として酢酸マグネシウ
ム0.04部(16.7%水溶液にて投入)、変性シリ
コンオイル(信越化学工業社製、F−328S)を0.
05重量部添加し、ドライブレンダーで5分間攪拌し
た。さらに、ブラベンダープラストグラフで加熱混練し
た。得られた混合物を0.76mmの厚みを持つ400
mm×400mm角の膜金型に入れ、プレスにて180
℃、150kg/cm2 の条件下で20分加熱加圧し、
冷却後、金型から切り離して、合わせガラス用ポリビニ
ルブチラール中間膜を得た。
【0032】得られた合わせガラス用ポリビニルブチラ
ール中間膜を、2枚の2.5mm厚、30.5cm×3
0.5cmのガラス板の間に挟み、プレスにて130
℃、13kg/cm2 の条件下で5分間加熱加圧するこ
とにより、合わせガラスのサンプルを作成した。
【0033】表1〜3に示す各実施例及び各比較例ごと
に10枚の合わせガラスを作成し、所定の温度に設定し
たオーブン中に1時間放置し、耐貫通性能をJIS−R
−3212に従い、5LB鉄球にて評価した。尚、耐貫
通性として、鉄球が50%貫通しない高さを合格とし、
その高さを、耐貫通性として記した。表1〜2に示した
結果より、本発明の合わせガラスは、常温のみならず高
温においても優れた耐貫通性を有することが分かる。
【0034】特に、表2に示す実施例14〜27は、請
求項2に係る発明の実施例であって、ポリビニルブチラ
ールの配合量及び可塑剤の添加量を特定の範囲に限定す
ることにより、常温のみならず高温においても耐貫通性
能がさらに向上することが分かる。
【0035】また、表3に示す実施例30〜38は、請
求項3に係る発明の実施例であって、ポリビニルブチラ
ールの配合量及び可塑剤の添加量を特定の範囲に限定
し、さらに初期弾性率を特定の範囲に限定することによ
り、低温から高温までの広い温度範囲で耐貫通性能が向
上することが分かる。
【0036】なお、初期弾性率は、高速衝撃試験機(島
津製作所製のHTM−1)を用い、衝撃面の開口部の直
径が50.8mmの支持枠に、厚さ0.76mmの試料
(中間膜)を固定し、23℃の環境下での上記試料(中
間膜)の中心部に、先端が半球状に加工された直径1
2.5mmの棒状で鋼製の衝撃子により、3m/秒の速
度で衝撃を加え、そのときの応力及び歪みをロードセル
で記録し、そのデーターから求めた。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
【表3】
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、従来よりも優れた耐貫
通性能を有する合わせガラス用ポリビニルブチラール中
間膜を提供することが出来る。これにより、さらに安全
な合わせガラスを供給することが可能となった。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブチラール化度60〜70モル%であっ
    て平均重合度800〜3000のポリビニルブチラール
    10〜90重量%及びブチラール化度70〜80モル%
    であって平均重合度3000〜5000のポリビニルブ
    チラール90〜10重量%からなる異種混合のポリビニ
    ルブチラール100重量部と、可塑剤30〜50重量部
    とを含有することを特徴とする合わせガラス用中間膜。
  2. 【請求項2】 ブチラール化度60〜70モル%であっ
    て平均重合度800〜3000のポリビニルブチラール
    50〜90重量%及びブチラール化度70〜80モル%
    であって平均重合度3000〜5000のポリビニルブ
    チラール50〜10重量%からなる異種混合のポリビニ
    ルブチラール100重量部と、可塑剤30〜38重量部
    とを含有することを特徴とする合わせガラス用中間膜。
  3. 【請求項3】 ブチラール化度60〜70モル%であっ
    て平均重合度800〜3000のポリビニルブチラール
    50〜90重量%及びブチラール化度70〜80モル%
    であって平均重合度3000〜5000のポリビニルブ
    チラール50〜10重量%からなる異種混合のポリビニ
    ルブチラール100重量部と、可塑剤30〜38重量部
    とを含有し、高速衝撃試験(試料寸法:厚さ0.76m
    m、直径50.8mmの円形、測定条件:測定温度23
    ℃、先端が半球状に加工された直径12.5mmの棒状
    で鋼製の衝撃子、衝撃速度3m/秒)により測定される
    初期弾性率が0.02〜0.04kg/mm2 であるこ
    とを特徴とする合わせガラス用中間膜。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の合
    わせガラス用中間膜を有することを特徴とする合わせガ
    ラス。
JP08383097A 1996-05-07 1997-04-02 合わせガラス用中間膜及びこれを用いた合わせガラス Expired - Lifetime JP3763926B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP08383097A JP3763926B2 (ja) 1996-05-07 1997-04-02 合わせガラス用中間膜及びこれを用いた合わせガラス

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11251496 1996-05-07
JP8-112514 1996-05-07
JP08383097A JP3763926B2 (ja) 1996-05-07 1997-04-02 合わせガラス用中間膜及びこれを用いた合わせガラス

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1025390A true JPH1025390A (ja) 1998-01-27
JP3763926B2 JP3763926B2 (ja) 2006-04-05

Family

ID=26424880

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP08383097A Expired - Lifetime JP3763926B2 (ja) 1996-05-07 1997-04-02 合わせガラス用中間膜及びこれを用いた合わせガラス

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3763926B2 (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001064598A1 (fr) * 2000-03-02 2001-09-07 Sekisui Chemical Co., Ltd. Film intercouches pour verre feuillete et verre feuillete correspondant
JP2005307160A (ja) * 2004-03-24 2005-11-04 Dainippon Ink & Chem Inc 接着用樹脂組成物
WO2011078314A1 (ja) * 2009-12-25 2011-06-30 積水化学工業株式会社 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス
WO2014148360A1 (ja) * 2013-03-22 2014-09-25 株式会社クラレ ポリビニルアセタール組成物
JP5632077B1 (ja) * 2013-03-22 2014-11-26 株式会社クラレ 透明性に優れる組成物
EP3127882A4 (en) * 2014-03-31 2017-09-13 Sekisui Chemical Co., Ltd. Intermediate film for laminated glasses, method for producing intermediate film for laminated glasses, and laminated glass
EP3109212A4 (en) * 2014-02-20 2017-10-04 Sekisui Chemical Co., Ltd. Intermediate film for laminated glass, and laminated glass
JP2018502948A (ja) * 2014-12-08 2018-02-01 ソルティア・インコーポレーテッド 向上した光学特性を有するポリ(ビニルアセタール)樹脂組成物、層、及び中間膜
WO2019098335A1 (ja) * 2017-11-16 2019-05-23 有限会社サンサーラコーポレーション ガラス貼り合わせ用中間フィルム、及びそれを使用した貼り合わせガラス
US20230011574A1 (en) * 2019-12-09 2023-01-12 Sekisui Chemical Co., Ltd. Laminated glass interlayer film and laminated glass

Cited By (29)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20120003482A1 (en) * 2000-03-02 2012-01-05 Sekisui Chemical Co., Ltd. Interlayer film for laminated glass and laminated glass
US8278379B2 (en) * 2000-03-02 2012-10-02 Sekisui Chemical Co., Ltd. Interlayer film for laminated glass and laminated glass
US7468209B2 (en) 2000-03-02 2008-12-23 Sekisui Chemical Co., Ltd. Interlayer film for laminated glass and laminated glass
US7858683B2 (en) 2000-03-02 2010-12-28 Sekisui Chemical Co., Ltd. Interlayer film for laminated glass and laminated glass
WO2001064598A1 (fr) * 2000-03-02 2001-09-07 Sekisui Chemical Co., Ltd. Film intercouches pour verre feuillete et verre feuillete correspondant
US6903152B2 (en) 2000-03-02 2005-06-07 Sekisui Chemical Co., Ltd. Interlayer film for laminated glass and laminated glass
US8039536B2 (en) * 2000-03-02 2011-10-18 Sekisui Chemical Co., Ltd. Interlayer film for laminated glass and laminated glass
US8450405B2 (en) * 2000-03-02 2013-05-28 Sekisui Chemical Co., Ltd. Interlayer film for laminated glass and laminated glass
JP2005307160A (ja) * 2004-03-24 2005-11-04 Dainippon Ink & Chem Inc 接着用樹脂組成物
JP2011225449A (ja) * 2009-12-25 2011-11-10 Sekisui Chem Co Ltd 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス
CN102666420A (zh) * 2009-12-25 2012-09-12 积水化学工业株式会社 夹层玻璃用中间膜及夹层玻璃
CN102666420B (zh) * 2009-12-25 2014-12-31 积水化学工业株式会社 夹层玻璃用中间膜及夹层玻璃
JP4789025B2 (ja) * 2009-12-25 2011-10-05 積水化学工業株式会社 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス
US8628856B2 (en) 2009-12-25 2014-01-14 Sekisui Chemical Co., Ltd. Intermediate film for laminated glass, and laminated glass
WO2011078314A1 (ja) * 2009-12-25 2011-06-30 積水化学工業株式会社 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス
WO2014148360A1 (ja) * 2013-03-22 2014-09-25 株式会社クラレ ポリビニルアセタール組成物
US10519295B2 (en) 2013-03-22 2019-12-31 Kuraray Co., Ltd. Composition having excellent transparency
JPWO2014148360A1 (ja) * 2013-03-22 2017-02-16 株式会社クラレ ポリビニルアセタール組成物
JP5632077B1 (ja) * 2013-03-22 2014-11-26 株式会社クラレ 透明性に優れる組成物
US10323143B2 (en) 2013-03-22 2019-06-18 Kuraray Co., Ltd. Polyvinyl acetal composition
JP2018197339A (ja) * 2013-03-22 2018-12-13 株式会社クラレ シートの製造方法、リサイクル方法及びシート
JP2018066015A (ja) * 2013-03-22 2018-04-26 株式会社クラレ シート
EP3109212A4 (en) * 2014-02-20 2017-10-04 Sekisui Chemical Co., Ltd. Intermediate film for laminated glass, and laminated glass
EP3127882A4 (en) * 2014-03-31 2017-09-13 Sekisui Chemical Co., Ltd. Intermediate film for laminated glasses, method for producing intermediate film for laminated glasses, and laminated glass
US11041054B2 (en) 2014-03-31 2021-06-22 Sekisui Chemical Co., Ltd. Intermediate film for laminated glasses, method for producing intermediate film for laminated glasses, and laminated glass
JP2018502948A (ja) * 2014-12-08 2018-02-01 ソルティア・インコーポレーテッド 向上した光学特性を有するポリ(ビニルアセタール)樹脂組成物、層、及び中間膜
WO2019098335A1 (ja) * 2017-11-16 2019-05-23 有限会社サンサーラコーポレーション ガラス貼り合わせ用中間フィルム、及びそれを使用した貼り合わせガラス
JPWO2019098335A1 (ja) * 2017-11-16 2020-12-17 有限会社サンサーラコーポレーション ガラス貼り合わせ用中間フィルム、及びそれを使用した貼り合わせガラス
US20230011574A1 (en) * 2019-12-09 2023-01-12 Sekisui Chemical Co., Ltd. Laminated glass interlayer film and laminated glass

Also Published As

Publication number Publication date
JP3763926B2 (ja) 2006-04-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4686636B2 (ja) 合わせガラス用中間膜
EP1743765B1 (en) Interlayer film for laminated glass and laminated glass
JP5507943B2 (ja) 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス
KR100416113B1 (ko) 겹유리용 중간막 및 겹유리
JP5072858B2 (ja) 安定化された赤外線吸収剤を含む中間層
CN103097320A (zh) 夹层玻璃用中间膜及夹层玻璃
JPH1025390A (ja) 合わせガラス用中間膜及びこれを用いた合わせガラス
US3262836A (en) Laminated safety glass
KR20170093930A (ko) 개선된 특성을 갖는 폴리(비닐 아세탈) 수지 조성물, 층, 및 중간층
JP4052769B2 (ja) 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス
JPH01252556A (ja) 安全合せガラス用中間膜組成物
KR101492971B1 (ko) 내관통성이 향상된 폴리비닐아세탈 필름
JPH10139496A (ja) 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス
JPS60210551A (ja) 積層安全ガラス
JP4263819B2 (ja) 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス
JP4365462B2 (ja) 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス
JP4125835B2 (ja) 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス
JP4717727B2 (ja) 合わせガラス用中間膜及びそれを用いた合わせガラス
JP2004123423A (ja) 熱可塑性樹脂シート、その積層体及び合わせガラス
GB2320499A (en) Safety glass interlayer
TWI411636B (zh) 用於聚乙烯縮丁醛之可塑劑組成物及聚乙烯縮丁醛組成物
JPH0710924A (ja) ポリビニルアセタール樹脂及びそれを用いた合わせガラス用中間膜
JPH0873244A (ja) 合わせガラス用中間膜
KR20240016275A (ko) 수지 필름, 접합 유리 및 스크린
JP2941158B2 (ja) 合わせガラス用中間膜

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040120

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20051130

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20051221

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060118

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100127

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100127

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110127

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110127

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120127

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130127

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140127

Year of fee payment: 8

EXPY Cancellation because of completion of term