JPH10253647A - 回転速度検出装置付転がり軸受ユニット - Google Patents

回転速度検出装置付転がり軸受ユニット

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JPH10253647A
JPH10253647A JP6132897A JP6132897A JPH10253647A JP H10253647 A JPH10253647 A JP H10253647A JP 6132897 A JP6132897 A JP 6132897A JP 6132897 A JP6132897 A JP 6132897A JP H10253647 A JPH10253647 A JP H10253647A
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JP
Japan
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stator
pole
permanent magnet
encoder
rotating
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JP6132897A
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English (en)
Inventor
Hideo Ouchi
英男 大内
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NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
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Publication of JPH10253647A publication Critical patent/JPH10253647A/ja
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C41/00Other accessories, e.g. devices integrated in the bearing not relating to the bearing function as such
    • F16C41/007Encoders, e.g. parts with a plurality of alternating magnetic poles
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C19/00Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement
    • F16C19/02Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows
    • F16C19/14Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for both radial and axial load
    • F16C19/18Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for both radial and axial load with two or more rows of balls
    • F16C19/181Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for both radial and axial load with two or more rows of balls with angular contact
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    • F16C19/184Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for both radial and axial load with two or more rows of balls with angular contact with two rows at opposite angles in O-arrangement
    • F16C19/186Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for both radial and axial load with two or more rows of balls with angular contact with two rows at opposite angles in O-arrangement with three raceways provided integrally on parts other than race rings, e.g. third generation hubs
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C2326/00Articles relating to transporting
    • F16C2326/01Parts of vehicles in general
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    • F16C33/00Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
    • F16C33/72Sealings
    • F16C33/723Shaft end sealing means, e.g. cup-shaped caps or covers

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  • General Engineering & Computer Science (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンコーダ1aを構成する永久磁石13に無
駄な部分が生じる事を防止し、材料費を節約してコスト
低減を図る。 【解決手段】 支持環27に設けた円筒部28の内周面
に永久磁石13を添着し、エンコーダ1aとする。この
永久磁石13は、S極とN極とを交互に着磁して成るゴ
ム磁石製のシート46を円環状に丸めて成り、円周方向
1個所に不連続部43を有する。上記円筒部28に対す
る永久磁石13の設置位置を自由に選択できて、上記無
駄な部分が発生する事を防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明に係る回転速度検出
装置付転がり軸受ユニットは、アンチロックブレーキシ
ステム(ABS)、或はトラクションコントロールシス
テム(TCS)に組み込んで、自動車の車輪の回転速度
を検出する為に利用する。
【0002】
【従来の技術】自動車のアンチロックブレーキシステム
(ABS)、或はトラクションコントロールシステム
(TCS)を制御する為には、車輪の回転速度を検出す
る必要がある。この為に使用する回転速度検出装置付転
がり軸受ユニットが、例えば米国特許第5200697
号明細書等に記載されている様に、従来から各種知られ
ている。図6は、この米国特許明細書に記載された構造
を示している。
【0003】円環状の永久磁石を含んで構成されるエン
コーダ1は、図示しない回転輪に、この回転輪と同心に
支持されて、この回転輪と共に回転する。このエンコー
ダ1の側面には、S極とN極とを円周方向に亙って交互
に且つ等ピッチで配置している。一方、図示しない静止
輪に上記回転輪と同心に支持されて回転する事のないセ
ンサは、磁性材製のステータ2を含んで構成される。こ
のステータ2の両端縁にはそれぞれ、突出部3a、3b
と切り欠き4a、4bとを円周方向に亙り交互に、且つ
上記エンコーダ1に設けたS極及びN極と等ピッチで設
ける事により、櫛歯状端縁部5a、5bを形成してい
る。円周方向に亙るこれら両櫛歯状端縁部5a、5bの
位相は、互いに半ピッチ分だけずれている。従って、例
えば一方の櫛歯状端縁部5aを構成する突出部3a、3
aがS極に対向する瞬間には、他方の櫛歯状端縁部5b
を構成する突出部3b、3bがN極に対向する。この結
果上記ステータ2には、上記エンコーダ1の回転に伴っ
て交番磁束が流れる。
【0004】上記ステータ2には、図示しないコイルを
添設する事により、パッシブ型のセンサを構成する。こ
のコイルには、上記交番磁束に対応して、交互に逆方向
の電圧が惹起される。この電圧が変化する周波数は、上
記エンコーダ1の回転速度に比例する。従って、上記コ
イルに惹起される電圧を上記センサの出力信号として取
り出し、ABSやTCSの制御器に送れば、これらAB
SやTCSを制御できる。尚、転がり軸受ユニットへの
組み付け時に上記ステータ2は、回転しない内輪の端部
に外嵌固定する。
【0005】上述の様に構成され作用する従来構造の場
合には、ステータ2を切削加工により形成しなければな
らず、このステータ2並びにこのステータ2を組み込ん
だ回転速度検出装置付転がり軸受ユニットのコストが嵩
んでしまう。ステータを、軟鋼板等の磁性金属板にプレ
ス加工を施す事により形成した素子を組み合わせて造れ
ば、コスト低減を図れる。但し、図6に示した従来構造
の場合には、櫛歯状端縁部5a、5bを形成した部分
を、互いに同心の円筒状に形成しており、プレス加工に
より造った部材を組み合わせて構成する事に適した形状
ではない。
【0006】
【先発明の説明】この様な事情に鑑みて、本発明者は先
に、図7に示す様なセンサ6を組み込んだ回転速度検出
装置付転がり軸受ユニットに関する発明をなした。この
先発明に係るセンサ6は、それぞれが軟鋼板にプレス加
工を施す事により全体を円環状に形成した、第一、第二
のステータ素子7、8を組み合わせて成る。このうち、
第一のステータ素子7は、円筒部9及びこの円筒部9の
軸方向一端縁(図7の左端縁)から直径方向外方(図7
の上方)に折れ曲がった円輪部10を有する、断面L字
形に形成したものである。又、上記第二のステータ素子
8は、内周縁部(図7の下端縁部)に短円筒部11を形
成して成る。又、これら第一、第二のステータ素子7、
8の外周縁部(図7の上端縁部)は、互いに近づく方向
に直角に折り曲げている。そして、上記第一、第二のス
テータ素子7、8の外周縁部でこれら各折り曲げ部を含
む部分に、それぞれ櫛歯状端縁部5a´、5b´を形成
している。
【0007】それぞれを上述の様に構成する第一のステ
ータ素子7と第二のステータ素子8とは、第一のステー
タ素子7を構成する円筒部9の軸方向他端部(図7の右
端部)を第二のステータ素子8を構成する短円筒部11
に外嵌する事により互いに組み合わせて、ステータ2a
とする。そして、この様に組み合わせた状態で、これら
両ステータ素子7、8により三方を囲まれる部分にコイ
ル12を装着する。又、この状態では、上記両櫛歯状端
縁部5a´、5b´の位相を、これら両櫛歯状端縁部5
a´、5b´を構成する突出部3a´、3b´及び切り
欠き4a´、4b´の半ピッチ分だけ、互いにずらせて
いる。回転速度検出装置付転がり軸受ユニットを組み立
てた状態で、上記センサ6は、エンコーダ1aを構成す
る円筒状の永久磁石13の内周面に、微小隙間14を介
して対向する。この永久磁石13の内周面には、S極と
N極とを円周方向に亙って交互に、且つ等ピッチで配置
している。従って、上記エンコーダ1aの回転に伴って
上記ステータ2aには交番磁束が流れ、上記コイル12
に交番電流(交流)が流れる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述した先発明の構造
によれば、ステータ2a並びにこのステータ2aを組み
込んだ回転速度検出装置付転がり軸受ユニットのコスト
低減を図れる。但し、永久磁石13を組み込んだエンコ
ーダ1aのコスト低減が必ずしも十分とは言えず、未だ
改良の余地が残されている。即ち、センサ6と共に回転
速度検出装置を構成するエンコーダ1aには上記永久磁
石13を、第一、第二のステータ素子7、8の周囲部分
にのみ存在させれば足りる。従って上記永久磁石13
は、図7に示す様に、上記エンコーダ1aを構成する支
持環27に設けた円筒部28の内周面のうち、この円筒
部28の基端部(図7の左端部)を除く部分に添着すれ
ば良い。
【0009】但し、一般的に知られているモールド法に
より、上記円筒部28の内周面に、フェライト粒子を含
んだゴム磁石を添着し、このゴム磁石を着磁して上記永
久磁石13とする場合には、図8に示す様に、上記円筒
部28の基端部(図8の左端部)内周面まで、永久磁石
13が添着される。この永久磁石13のうち、図8に斜
格子で示した基端寄り部分は上記センサ6(図7)とは
対向せず、回転速度検出装置を構成する上からは無駄に
なる。この様な無駄が生じる分、材料費が嵩み、コスト
低減を図りにくくなる。上記ゴム磁石をモールド成形す
る為の型として、型の一部が直径方向内側に変位するラ
ジアルドロー型を使用すれば、モールド法により図7に
示す様な形状のエンコーダ1aを造る事が可能ではあ
る。但し、型が複雑になり、却ってエンコーダ1aのコ
ストを高くする為、採用する事は難しい。
【0010】一方、予め図7に示す様な軸方向長さを有
する円筒状に形成した永久磁石13を、上記支持環27
の円筒部28に内嵌固定する事も考えられる。即ち、近
年、Fe、Cr、Co等を主成分とする、塑性加工が可能な金
属磁石材料の開発が進められている。この様な材料を使
用すれば、予め円筒状に形成した永久磁石13を上記円
筒部28に内嵌固定して、図7に示した構造を実現する
事も可能である。但し、この様な材料は依然として脆弱
性があり、内嵌時の締め代の大きさによっては割れる可
能性がある。この為、寸法精度を厳密に規制しないと、
実用的な歩留を確保できず、やはり十分なコスト低減を
図る事は難しい。
【0011】図8に示す様に、円筒部28の軸方向全長
に亙り永久磁石13を添着した場合でも、前記センサ6
を構成する第一のステータ素子7を支持環27の円輪部
29に近づければ、上記永久磁石13を全幅に亙り有効
利用できる。但し、この様に第一のステータ素子7と円
輪部29とを近づけると、支持環27が軟鋼板等の磁性
金属板であった場合には、これらステータ素子7と円輪
部29との間で磁束が漏洩し、上記センサ6の出力が弱
くなる。上記支持環27を、非磁性のステンレス鋼板、
アルミニウム合金板等の非磁性材により造れば、上記出
力低下を防止できるが、材料費が嵩む為、やはりコスト
低減を図る事が難しくなる。本発明は、上述の様な事情
に鑑みて、エンコーダの製作費を安くし、回転速度検出
装置付転がり軸受ユニット全体としてのコスト低減を図
るべく発明したものである。
【0012】
【課題を解決する為の手段】本発明の回転速度検出装置
付転がり軸受ユニットは、従来から知られている回転速
度検出装置付転がり軸受ユニットと同様に、回転輪と、
静止輪と、複数の転動体と、エンコーダと、センサとを
備える。このうちの回転輪は、回転側周面に回転側軌道
を有し、使用時に回転する。又、静止輪は、上記回転側
周面と対向する静止側周面に静止側軌道を有し、使用時
に回転しない。又、上記複数の転動体は、上記回転側軌
道と上記静止側軌道との間に転動自在に設けて、上記静
止輪に対する上記回転輪の回転を許容する。又、上記エ
ンコーダは、上記回転輪と同心の円筒部を有する支持環
及びこの支持環の円筒部の周面に添着された永久磁石に
より構成され、上記回転輪に固定されてこの回転輪と共
に回転する。そして、上記永久磁石は、S極とN極とを
円周方向に亙って交互に且つ等ピッチで配置している。
又、上記センサは、上記静止輪に支持して上記エンコー
ダを構成する永久磁石に対向するもので、磁性材製で上
記回転輪及びエンコーダと同心に配置した、円環状のス
テータと、このステータに添設してこのステータ内を流
れる磁束の変化に対応して電圧を惹起させるコイルとか
ら構成している。更に、上記ステータの少なくとも一方
の端縁部には、それぞれ複数ずつの突出部及び切り欠き
を、円周方向に亙り交互に且つ上記エンコーダに設けた
S極及びN極と等ピッチで設ける事により櫛歯状端縁部
を形成している。そして、この櫛歯状端縁部を構成する
各突出部がS極又はN極に対向する瞬間に、上記各切り
欠きをN極又はS極に対向させる事により、上記ステー
タに交番磁束を流すものである。
【0013】尚、好ましくは、上記ステータの両端縁部
にそれぞれ複数ずつの突出部及び切り欠きを、円周方向
に亙り交互に且つ上記エンコーダに設けたS極及びN極
と等ピッチで設ける事により、上記両端縁部のそれぞれ
に、櫛歯状端縁部を形成する。そして、一方の端縁に形
成した櫛歯状端縁部を構成する各突出部がS極又はN極
に対向する瞬間に、他方の端縁に形成した櫛歯状端縁部
を構成する各突出部をN極又はS極に対向させる様に構
成する。
【0014】特に、本発明の回転速度検出装置付転がり
軸受ユニットに於いては、上記永久磁石は可撓性を有す
る帯状のシートを円筒状に丸める事により造られたもの
で、円周方向の少なくとも1個所に不連続部を有する。
【0015】更に、より好ましくは、上記ステータを、
それぞれを磁性材により円環状に形成した、第一、第二
のステータ素子を組み合わせる事により構成する。そし
て、このうちの第一のステータ素子は、磁性板をプレス
成形する事により、円筒部及びこの円筒部の軸方向一端
縁から直径方向外方に折れ曲がった円輪部を有する断面
L字形に形成したものとする。又、上記第二のステータ
素子は、上記円筒部の軸方向他端縁寄り部分に外嵌し
て、上記第一のステータと磁気的に導通したものとす
る。更に、上記一方の櫛歯状端縁部は上記円輪部の外周
縁部に、上記他方の櫛歯状端縁部は上記第二のステータ
素子の外周縁部に、それぞれ形成する。
【0016】
【作用】上述の様に構成される本発明の回転速度検出装
置付転がり軸受ユニットの場合、エンコーダの回転に伴
って、センサを構成するステータの端縁に形成した櫛歯
状端縁部の突出部が、上記エンコーダを構成する永久磁
石のS極とN極とに交互に対向し、このステータに交番
磁束が流れる。尚、好ましい構造を採用せず、上記櫛歯
状端縁部を上記ステータの一方の端縁にのみ設ける場合
には、このステータの他方の端縁は、上記永久磁石から
外れた部分に対向させる。上記ステータ内を流れる交番
磁束に応じて上記センサを構成するコイルに、交互に逆
方向の起電力が、上記エンコーダの回転速度に比例した
周波数で発生する。そこで、上記コイルに惹起される電
圧を上記センサの出力信号として取り出し、ABSやT
CSの制御器に送れば、これらABSやTCSを制御で
きる。
【0017】特に、本発明の回転速度検出装置付転がり
軸受ユニットの場合には、エンコーダを構成する永久磁
石は、可撓性を有する帯状のシートを円筒状に丸める事
により造られたもので、円周方向の少なくとも1個所に
不連続部を有する為、上記エンコーダのコスト低減を図
れる。即ち、このエンコーダを造る為に、ゴム磁石であ
るシート状の永久磁石を所定の形状・寸法に切断して帯
状のシートにしてから、この帯状のシートを支持環に設
けた円筒部の内周面に添着すれば、無駄な部分を生じる
事なく、上記エンコーダを構成できる。
【0018】上記永久磁石の円周方向の少なくとも1個
所に不連続部が存在するが、この不連続部が回転速度検
出に悪影響を及ぼす事はない。即ち、上記櫛歯状端縁部
を構成する多数の突出部及び切り欠きのうちの一部の突
出部又は切り欠きが上記不連続部に対向しても、他の突
出部及び切り欠きは永久磁石の周面に対向する。従っ
て、上記ステータに流れる交番磁束の大きさは、上記不
連続部の存在に拘らず一定になり、この不連続部がセン
サの出力変動に影響を及ぼす事はない。
【0019】更に、好ましい構造を採用すれば、回転輪
と共にエンコーダを構成する永久磁石が回転すると、ス
テータの両端縁に形成した各櫛歯状端縁部を構成する複
数の突出部が対向する磁極が、交互に変化する。しか
も、両櫛歯状端縁部を構成する各突出部が対向する磁極
は互いに逆になる。即ち、或る瞬間には、一方の端縁に
形成した櫛歯状端縁部を構成する総ての突出部がS極に
対向し、他方の端縁に形成した櫛歯状端縁部を構成する
総ての突出部がN極に対向する。そして、次の瞬間に
は、一方の端縁に形成した櫛歯状端縁部を構成する総て
の突出部がN極に対向し、他方の端縁に形成した櫛歯状
端縁部を構成する総ての突出部がS極に対向する。一方
の端縁に形成した櫛歯状端縁部を構成する総ての突出部
がS極に対向した瞬間にはステータ内に、他方の端縁か
ら一方の端縁に向けて磁束が流れる。これに対して、一
方の端縁に形成した櫛歯状端縁部を構成する総ての突出
部がN極に対向した瞬間には上記ステータ内に、一方の
端縁から他方の端縁に向けて磁束が流れる。従って上記
ステータ内には、上記回転輪の回転に伴って交番磁束が
流れる。この様にステータ内に交番磁束を流す為、少な
い磁束の流れで大きな磁束の変化を得る事ができ、上記
ステータ内で磁束が飽和しにくくなる。
【0020】そして、この様にステータ内を流れる交番
磁束に応じてコイルに、起電力が惹起される。この様に
してコイルに起電力が惹起されるが、一方の櫛歯状端縁
部を構成する総ての突出部がS極に対向した瞬間と、こ
の櫛歯状端縁部を構成する総ての突出部がN極に対向し
た瞬間とで磁束の流れ方向が逆になる事に伴い、上記コ
イルには、交互に逆方向の起電力が発生する。この為、
電圧の最高値と最低値との差を十分に大きくできて、回
転速度検出の精度を向上させる事ができる。
【0021】特に、より好ましい構造を採用した場合に
は、前述した先発明の場合と同様に、センサのステータ
を構成する第一、第二のステータ素子を、軟鋼板等の磁
性金属板にプレス加工を施す事により安価に造れる。従
って、これら第一、第二のステータ素子により構成する
ステータ、並びにこのステータを組み込んだ回転速度検
出装置付転がり軸受ユニットのコストを低減できる。更
に、上記ステータには、第一のステータ素子を構成する
円筒部の内周面から直径方向内方に突出する部分が存在
しない。従って、この円筒部並びにこの円筒部の周囲に
配置するコイルの内径を小さくできる。この結果、この
コイルの断面積を、限られた設置スペース内で最大限大
きくする事が可能になって、小型でしかも高性能の回転
速度検出装置付転がり軸受ユニットを実現できる。
【0022】
【発明の実施の形態】図1〜5は、本発明の実施の形態
の1例を示している。本例は、非駆動輪(FR車の前
輪、FF車の後輪)を支持する為の転がり軸受ユニット
に、本発明を適用したものである。静止側周面である静
止輪16の内周面には、それぞれが静止側軌道である複
列の外輪軌道17、17を形成している。この静止輪1
6は、その外周面に形成したフランジ18(図1に一部
のみを図示)により、懸架装置に支持自在としている。
又、この静止輪16の内側には、回転輪19を配置して
いる。回転側周面である、この回転輪19の外周面に
は、それぞれが回転側軌道である内輪軌道20、20を
形成し、これら両内輪軌道20、20を、上記外輪軌道
17、17と対向させている。そして、上記外輪軌道1
7、17と内輪軌道20、20との間に、それぞれ保持
器21、21により転動自在に保持された複数の転動体
22、22を設け、上記静止輪16の内側に回転輪19
を、回転自在に支持している。尚、図示の例では、転動
体として玉を示しているが、重量が嵩む自動車用の転が
り軸受ユニットの場合には、転動体としてテーパころを
使用する場合もある。又、上記回転輪19の外周面外端
寄り部分で、上記静止輪16の外端開口部から突出した
部分には、この回転輪19に車輪を固定する為のフラン
ジ{図では、回転輪19の外寄り部分で、上記静止輪1
6の外端(車両への組み付け状態で、この車両の幅方向
外側端を言い、図1の左端)開口部から突出した部分を
含めて省略}を設けている。又、上記回転輪19の外端
部外周面と静止輪16の外端部内周面との間には、シー
ルリング(図示省略)を装着して、上記転動体22、2
2を設置した空間23部分の外端開口部を塞いでいる。
尚、図示の例の場合は、ハブ24の内端部(車両への組
み付け状態で、この車両の幅方向中央側端部を言い、図
1の右端部)外周面に内輪25を外嵌する事により、上
記回転輪19を構成している。即ち、上記内輪25を外
嵌した状態で、上記ハブ24の内端部に形成した雄ねじ
部26にナット15を螺合緊締し、上記内輪25を上記
ハブ24に固定して、上記回転輪19を構成している。
【0023】一方、上記回転輪19の内端部外周面に
は、全体を円環状に形成した、エンコーダ1aを外嵌固
定している。このエンコーダ1aは、軟鋼板等の、安価
で加工し易く、十分な剛性を得易い金属板をプレス成形
する事により円筒状に造られた支持環27と、この支持
環27の一部に支持固定された永久磁石13とから成
る。このうちの支持環27は、円筒部28と、この円筒
部28の軸方向外端縁(図1〜2の左端縁)から直径方
向内方に折れ曲がった円輪部29とを備える。この円輪
部29の外側面(図1〜2の左側面)で直径方向中間部
には、上記金属板を180度折り返す事により、嵌合筒
部30を形成している。この嵌合筒部30は、上記円筒
部28と同心であり、自由状態での内径は、上記内輪2
5の内端部の外径よりも僅かに小さくしている。従って
上記支持環27は、上記嵌合筒部30を上記内輪25の
内端部に締まり嵌めにより外嵌する事により、上記回転
輪19の内端部に固定自在である。又、この様に固定し
た状態で上記支持環27の円筒部28は、上記回転輪1
9と同心になる。
【0024】上述した支持環27のうち、上記円筒部2
8の内周面には、上記永久磁石13を添着している。こ
の永久磁石13の内周面にはS極とN極とを、円周方向
に亙って交互に、且つ等ピッチで配置している。上記永
久磁石13は、可撓性を有する帯状のシート46を円筒
状に丸める事により造られたもので、図4に示す様に、
円周方向の1個所に不連続部43を有する。即ち、上記
エンコーダ1aを造る為に、先ず、図5に示す様な、ゴ
ム磁石である矩形シート状の永久磁石44を、同図の切
目45部分で切断する事により所定の形状・寸法に切断
して帯状のシート46にする。その後、この帯状のシー
ト46を上記支持環27に設けた円筒部28の内周面に
添着する。添着作業は、上記シート46自体の磁気吸着
力のみで行なう事もできるが、接着剤を使用すれば、よ
り確実に上記シート46と円筒部28とを結合して、こ
の円筒部28の内周面に、円筒状の永久磁石13を添着
できる。
【0025】本発明の場合、この永久磁石13の幅寸法
13並びに上記円筒部28の軸方向(図1、2、4の左
右方向)に関する設置位置は、この円筒部28の幅寸法
28に関係なく、自由に設定できる。従って、上記円筒
部28の基端寄り(図1、2、4の左端寄り)部分で後
述するセンサ6aと対向しない部分に上記永久磁石13
を添着する事なく、言い換えれば無駄な部分を生じる事
なく、上記エンコーダ1aを構成できる。尚、上記不連
続部43の幅寸法W43は、上記シート46の円周方向両
端縁部同士が重なり合わない範囲で、可及的に小さくす
る。例えば、上記幅寸法W43を0〜1mm程度に規制する
のが適当である。
【0026】又、この幅寸法W43は、上記不連続部43
部分で、上記永久磁石13の内周面に存在するS極とN
極との位相が、後述する櫛歯状端縁部5A、5Bとの関
係でずれない様にする面からも、規制する必要がある。
即ち、上記不連続部43部分にS極及びN極が存在しな
いのは差し支えないが、櫛歯状端縁部5A、5Bとの関
係でS極とN極との位相がずれる事は、正確な回転速度
検出を行なう面から好ましくない。従って、図4に示す
様に、上記シート46の円周方向両端部に、他の部分と
同じ幅寸法WS 、WN を有する同極(N極或はS極)が
存在すると仮定した場合には、上記幅寸法W43は、隣り
合うS極同士(或はN極同士)のピッチPの半分(P/
2)の奇数倍に規制する。これに対して、上記シート4
6の円周方向両端部に、他の部分と同じ幅寸法WS 、W
N を有する異極(N極とS極)が存在する場合には、上
記幅寸法W43は、隣り合うS極同士(或はN極同士)の
ピッチPの整数倍に規制する。尚、部品の製作誤差、組
み付け誤差等により、予め着磁したシート46を円筒部
28に添着するのでは、上記位相のずれを防止する事が
難しければ、上記シート46を上記円筒部28の内周面
に接着した後にこのシート46を着磁して、上記永久磁
石13とする事もできる。尚、上記不連続部43の両側
部分(シート46の円周方向両端部分)に存在する極の
幅寸法が他の部分の幅寸法WS 、WN よりも小さい場合
には、上記不連続部43の幅寸法W43を、これに合わせ
て規制する。
【0027】一方、上記静止輪16の内端開口部(図1
の右端開口部)には、合成樹脂を射出成形して成る、有
底円筒状のカバー31の外端開口部を内嵌固定し、前記
静止輪16の内端開口を塞いでいる。尚、このカバー3
1の外端開口部には、ステンレス鋼板等により、断面L
字形で全体を円環状に形成したスリーブ32を包埋して
いる。そして、このスリーブ32を上記静止輪16の内
端開口部に、締まり嵌めにより内嵌固定している。又、
これら静止輪16とカバー31との嵌合部にはOリング
36を介在させて、これら両部材16、31同士の嵌合
部の水密保持を図っている。
【0028】又、上記カバー31を構成する合成樹脂中
には、円環状のセンサ6aを包埋している。このセンサ
6aは、第一、第二のステータ素子7a、8aとコイル
12とから構成している。このうち、第一、第二のステ
ータ7a、8aは、それぞれを軟鋼板等の磁性金属板に
より円環状に造り、磁束の流れ方向に対して互いに直列
に配置している。又、上記コイル12は、合成樹脂等の
非磁性材により、外径側が開口した断面コ字形で全体を
円環状に形成したボビン33に、導線を巻回して成る。
この導線の両端部は、上記ボビン33の一部内側面にこ
のボビン33と一体に形成した取り出し部37を通じ
て、このボビン33外に取り出し、上記カバー31に一
体に設けたコネクタ38の端子39に通じさせている。
【0029】上記第一、第二のステータ素子7a、8a
のうちの第一のステータ素子7aは、上記磁性金属板を
プレス成形する事により、円筒部9及びこの円筒部9の
軸方向一端縁である外端縁(図1〜3の左端縁)から直
径方向外方に折れ曲がった円輪部10を有する、断面L
字形に形成している。尚、上記円筒部9の軸方向長さL
9 は、この円筒部9の内径D9 の1/4以下(L9 ≦D
9 /4)としている。この理由は、上記第一のステータ
素子7aを、プレス加工のうちでも特に低コストで実施
できる、バーリング加工により造る為である。即ち、上
記した条件(L9 ≦D9 /4)を満たせば、上記第一の
ステータ素子7aの加工を、加工サイクルが早い(加工
時間が短い)バーリング加工でも、クラック等の損傷を
発生する事なく行なえる。これに対して、上記円筒部9
の軸方向長さL9 がこの円筒部9の内径D9 の1/4を
越える(L9 >D9 /4)と、加工サイクルが遅い深絞
り加工によらなければ、上記損傷が発生し易くなる。従
って、より低コスト化を図る為には、上記円筒部9の軸
方向長さL9 は、この円筒部9の内径D9 の1/4以下
(L9 ≦D9 /4)にする事が好ましい。
【0030】又、上記第二のステータ素子8aは、やは
り上記磁性金属板をプレス成形する事により、円輪部3
4及びこの円輪部34の内周縁部から内方(図1〜3の
右方)に向け直角に折れ曲がった短円筒部35を有す
る、断面L字形に形成している。そして、このうちの短
円筒部35を、上記第一のステータ素子7aを構成する
円筒部9の内端部に締まり嵌め若しくは隙間嵌で外嵌す
る事により、これら第一、第二のステータ素子7a、7
b同士を、磁気的に導通した状態で組み合わせている。
尚、上記第一のステータ素子7aを構成する円筒部9の
一部、並びに上記第二のステータ素子8aの一部には、
それぞれ切り欠き40a、40bを形成している。これ
ら各切り欠き40a、40bは、それぞれ前記ボビン3
3の内側面に形成した取り出し部37との干渉を防止す
る役目を有する。又、これら両切り欠き40a、40b
は、上記第一、第二のステータ素子7a、8aを組み合
わせた状態で互いに整合する。
【0031】更に、上記第一のステータ素子7aを構成
する円輪部10及び第二のステータ素子8aを構成する
円輪部34の外径側端縁部には、それぞれ複数ずつの突
出部3A、3B及び切り欠き4A、4Bを円周方向に亙
り交互に設ける事により、それぞれ櫛歯状端縁部5A、
5Bを形成している。これら各櫛歯状端縁部5A、5B
を構成する、上記各突出部3A、3B及び切り欠き4
A、4Bのピッチは、前記エンコーダ1aを構成する永
久磁石13に設けたS極及びN極と等ピッチ(中心角ピ
ッチ)としている。そして、これら各櫛歯状端縁部5
A、5Bを、上記エンコーダ1aを構成する永久磁石1
3に、それぞれラジアル方向に亙る微小隙間14を介し
て対向させている。
【0032】又、上記第一のステータ素子7aの外径側
端縁部に形成した櫛歯状端縁部5Aと第二のステータ素
子8aの外径側端縁部に形成した櫛歯状端縁部5Bと
で、前記突出部3A、3B及び切り欠き4A、4Bの位
相を、上記エンコーダ1aに設けたS極及びN極のピッ
チPの半分(P/2)だけ、互いにずらせている。従っ
て、上記第一のステータ素子7aの外径側端縁部に形成
した櫛歯状端縁部5Aを構成する各突出部3A、3Aが
S極又はN極に対向する瞬間に、上記第二のステータ素
子8aの外径側端縁部に形成した櫛歯状端縁部5Bを構
成する各突出部3B、3BはN極又はS極に対向する。
【0033】この為に図示の例では、第一、第二のステ
ータ素子7a、8aと前記ボビン33との間に凹凸係合
部を設けて、これら第一、第二のステータ素子7a、8
aの外径側端縁部に形成した櫛歯状端縁部5A、5B同
士の位相を規制している。即ち、前記取り出し部37と
前記切り欠き40bとの係合により、上記ボビン33と
第二のステータ素子8aとの位相を規制している。又、
第一のステータ素子7aを構成する円輪部10に形成し
た係合孔41と上記ボビン33の外側面に突設した係合
突部42との係合により、上記ボビン33と第一のステ
ータ素子7aとの位相を規制している。
【0034】上述の様に構成したセンサ6aは、前記カ
バー31を構成する合成樹脂の一部に包埋した状態で、
前記静止輪16の内端開口部の内側に、この静止輪16
と同心に支持固定する。この様に、カバー31を構成す
る合成樹脂中にセンサ6aを包埋支持する作業は、射出
成形用の金型のキャビティ内に上記センサ6aをセット
した状態で、上記キャビティ内に合成樹脂を射出する事
により行なう。
【0035】上述の様に構成される本発明の回転速度検
出装置付転がり軸受ユニットの場合、車輪を固定した回
転輪19の回転に伴い、ステータの両端縁である、第
一、第二のステータ素子7a、8aの外径側端縁部に形
成した、各櫛歯状端縁部5A、5Bを構成する、それぞ
れ複数ずつの突出部3A、3Bが対向する磁極(S極、
N極)が、交互に変化する。しかも、上記両櫛歯状端縁
部5A、5Bを構成する上記各突出部3A、3Bが対向
する磁極は、互いに逆になる。
【0036】即ち、或る瞬間には、第一のステータ素子
7aの外径側端縁部に形成した櫛歯状端縁部5Aを構成
する総ての突出部3A、3AがS極に対向し、第二のス
テータ素子8aの外径側端縁部に形成した櫛歯状端縁部
5Bを構成する総ての突出部3B、3BがN極に対向す
る。そして、次の瞬間には、第一のステータ素子7aの
外径側端縁部に形成した櫛歯状端縁部5Aを構成する総
ての突出部3A、3AがN極に対向し、第二のステータ
素子8aの外径側端縁部に形成した櫛歯状端縁部5Bを
構成する総ての突出部3B、3BがS極に対向する。第
一のステータ素子7aの外径側端縁部に形成した櫛歯状
端縁部5Aを構成する総ての突出部3A、3AがS極に
対向し、第二のステータ素子8aの外径側端縁部に形成
した櫛歯状端縁部5Bを構成する総ての突出部3B、3
BがN極に対向した瞬間には、これら第一、第二のステ
ータ素子7a、8a内に、第二のステータ素子8aの外
径側端縁部から第一のステータ素子7aの外径側端縁部
に向けて磁束が流れる。これに対して、第一のステータ
素子7aの外径側端縁部に形成した櫛歯状端縁部5Aを
構成する総ての突出部3A、3AがN極に対向し、第二
のステータ素子8aの外径側端縁部に形成した櫛歯状端
縁部5Bを構成する総ての突出部3B、3BがS極に対
向した瞬間には、これら第一、第二のステータ素子7
a、8a内に、第一のステータ素子7aの外径側端縁か
ら第二のステータ素子8aの外径側端縁に向けて磁束が
流れる。従って上記第一、第二のステータ素子7a、8
a内には、前記回転輪19の回転に伴って交番磁束が流
れる。この様に上記第一、第二のステータ素子7a、8
aに交番磁束を流す為、少ない磁束の流れで大きな磁束
の変化を得る事ができ、これら第一、第二のステータ素
子7a、8a内で磁束が飽和しにくくなる。
【0037】そして、この様に第一、第二のステータ素
子7a、8a内を流れる交番磁束に応じて前記コイル1
2に、起電力が惹起される。この様にしてコイル12に
起電力が惹起されるが、例えば第一のステータ素子7a
の外径側端縁部に形成した櫛歯状端縁部5Aを構成する
総ての突出部3A、3AがS極に対向した瞬間と、この
櫛歯状端縁部5Aを構成する総ての突出部3A、3Aが
N極に対向した瞬間とで、磁束の流れ方向が互いに逆に
なる事に伴い、上記コイル12には、交互に逆方向の起
電力が発生する。この為、電圧の最高値と最低値との差
を十分に大きくできて、回転速度検出の精度を向上させ
る事ができる。
【0038】特に、本発明の回転速度検出装置付転がり
軸受ユニットの場合には、エンコーダ1aを構成する永
久磁石13は、前述した様に、可撓性を有する帯状のシ
ート46を円筒状に丸める事により造られたもので、円
周方向の少なくとも1個所に不連続部43を有する為、
上記エンコーダ1aのコスト低減を図れる。即ち、この
エンコーダ1aを造る為に、ゴム磁石である前記シート
状の永久磁石44を所定の形状・寸法に切断して上記帯
状のシート46にしてから、この帯状のシート46を前
記支持環27に設けた円筒部28の内周面に添着する。
従って、上記永久磁石13の幅寸法W13及び上記円筒部
28に対する設置位置を任意に設定できる。この為、上
記永久磁石13に無駄な部分を生じる事なく、上記エン
コーダ1aを構成できる。
【0039】上述の様に、上記永久磁石13の円周方向
の1個所に不連続部43が存在するが、この不連続部4
3が回転速度検出に悪影響を及ぼす事はない。即ち、前
記各櫛歯状端縁部5A、5Bを構成する多数の突出部3
A、3B及び切り欠き4A、4Bうちの一部の突出部3
A、3B及び切り欠き4A、4Bが上記不連続部43に
対向しても、他の突出部3A、3B及び切り欠き4A、
4Bは上記永久磁石13の内周面に存在するS極又はN
極に対向する。従って、前記第一、第二のステータ素子
7a、8aに流れる交番磁束の大きさは、上記不連続部
43の存在に拘らず一定になり、この不連続部43がセ
ンサ6aの出力変動に影響を及ぼす事はない。
【0040】又、図示の例の場合には、上記センサ6a
のステータを構成する第一、第二のステータ素子7a、
8aを、軟鋼板等の磁性金属板にプレス加工を施す事に
より安価に造れる。従って、これら第一、第二のステー
タ素子7a、8aにより構成するステータ、並びにこの
ステータを組み込んだ回転速度検出装置付転がり軸受ユ
ニットのコストを低減できる。
【0041】更に、図示の例の場合、前記図7に示した
先発明の場合とは異なり、上記ステータには、第一のス
テータ素子7aを構成する円筒部9の内周面から直径方
向内方に突出する部分が存在しない。言い換えれば、上
記円筒部9の内周面は、単なる円筒面である。従って、
この円筒部9並びにこの円筒部9の周囲に配置するコイ
ル12を構成するボビン33の内径を小さくできる。こ
の結果、このコイル12の断面積を、限られた設置スペ
ース内で最大限大きくする事が可能になって、小型でし
かも高性能の回転速度検出装置付転がり軸受ユニットを
実現できる。
【0042】この点に就いて、図7を参照しつつ説明す
る。この図7に示した先発明の構造の場合には、第一の
ステータ素子7を構成する円筒部9の内周面よりも更に
直径方向内側に、第二のステータ素子8を構成する短円
筒部11が突出する。これら第一、第二のステータ素子
7、8を含むセンサ6は、例えば回転輪の一部に固定し
たナット15の周囲等に配置する場合が多い。図7に示
した構造の場合には、センサ6とナット15等との干渉
を防止すべく、上記短円筒部11を位置決めすると、上
記円筒部9及びこの円筒部9の周囲に配置したコイル1
2の内径が大きくなる。この様にコイル12の内径が大
きくなる分、このコイル12の断面積が小さくなり、こ
のコイル12を構成する導線の巻き数が少なくなって、
このコイル12に惹起される電圧、即ち、上記センサ6
の出力を確保する事が難しくなる。言い換えれば、図7
に斜格子で示した、上記円筒部9の内側部分の有効利用
を図れない。
【0043】これに対して、図示の例の場合には、上述
の様に、コイル12の断面積を、限られた設置スペース
内で最大限大きくする事が可能になって、小型でしかも
高性能の回転速度検出装置付転がり軸受ユニットを実現
できる。尚、図示の例の構造の場合には、前記図7に示
した先発明の構造の場合に比べて、前記短円筒部35の
軸方向長さ分だけ、センサ6aの軸方向寸法が大きくな
る可能性がある。但し、この軸方向に関しては、直径方
向に比べて空間に余裕があるので、特に回転速度検出装
置付転がり軸受ユニットの設計上の制約とはなりにく
い。
【0044】尚、図示の例の場合には、第一、第二のス
テータ素子7a、8aの外周縁部に形成する櫛歯状端縁
部5A、5B部分の断面形状を直線状にしている。これ
に対して、前記図7に示した先発明に係る構造の様に、
上記各ステータ素子7a、8aの外周縁部を直角に折り
曲げ、この折り曲げ部分に、この図7に示す様な櫛歯状
端縁部5a´、5b´を形成する事もできる。この様な
櫛歯状端縁部5a´、5b´は、エンコーダ1aを構成
する永久磁石13の内周面との対向面積を広くし、上記
第一、第二のステータ素子7a、8a内を流れる磁束の
量を多くして、センサの出力を大きくできる利点があ
る。
【0045】更に、本発明を実施する場合に、図示の例
とは逆に、エンコーダを構成する支持環に設けた円筒部
の外周面に、永久磁石を添着する事もできる。この場
合、センサは上記エンコーダの外周側に配置する。又、
やはり図示の例とは逆に、内輪を静止輪とし、外輪を回
転輪とする構造でも、本発明は実施可能である。勿論、
この場合には、エンコーダを外輪に固定し、センサを内
輪に支持する。或は、従動輪用の転がり軸受ユニットに
限らず、駆動輪用の転がり軸受ユニットでも、更には、
独立懸架式サスペンション用の転がり軸受ユニットに限
らず、非独立懸架式サスペンション用の転がり軸受ユニ
ットでも、本発明は実施可能である。
【0046】
【発明の効果】本発明は、以上に述べた通り構成され作
用するので、エンコーダの製作費を低減して、このエン
コーダを含んで構成する回転速度検出装置付転がり軸受
ユニットのコスト低減を図れる。特に、各種回転速度検
出装置付転がり軸受ユニットを構成する為、各種寸法を
有するエンコーダを必要とする場合も、モールド成形用
に各種金型を製作する必要がなく、金型の製作費の面か
らも、コスト削減を図れる。即ち、直径の異なるエンコ
ーダが必要になっても、永久磁石の板厚を共通化し、永
久磁石の磁極のピッチを規制できる直径に設計すれば、
永久磁石を造る為のシートの共通化が可能になり、部品
の共通化によるコスト削減を図れる。又、図示の実施の
形態を採用すれば、限られた空間の有効利用を図り、小
型で、しかも信頼性の高い回転速度検出を行なえる回転
速度検出装置付転がり軸受ユニットを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の1例を、一部を省略して
示す断面図。
【図2】図1の右部拡大図。
【図3】第一のステータ素子と第二のステータ素子との
部分分解斜視図。
【図4】エンコーダのみを取り出して示す断面図。
【図5】エンコーダを構成する永久磁石を造る為のシー
トの斜視図。
【図6】従来構造の1例を示す部分切断斜視図。
【図7】本発明に先立って考えた回転速度検出装置の部
分拡大断面図。
【図8】従来から一般的に知られているモールド法によ
り造ったエンコーダを示す部分断面図。
【符号の説明】
1、1a エンコーダ 2、2a ステータ 3a、3b、3a´、3b´、3A、3B 突出部 4a、4b、4a´、4b´、4A、4B 切り欠き 5a、5b、5a´、5b´、5A、5B 櫛歯状端縁
部 6、6a センサ 7、7a 第一のステータ素子 8、8a 第二のステータ素子 9 円筒部 10 円輪部 11 短円筒部 12 コイル 13 永久磁石 14 微小隙間 15 ナット 16 静止輪 17 外輪軌道 18 フランジ 19 回転輪 20 内輪軌道 21 保持器 22 転動体 23 空間 24 ハブ 25 内輪 26 雄ねじ部 27 支持環 28 円筒部 29 円輪部 30 嵌合筒部 31 カバー 32 スリーブ 33 ボビン 34 円輪部 35 短円筒部 36 Oリング 37 取り出し部 38 コネクタ 39 端子 40a、40b 切り欠き 41 係合孔 42 係合突部 43 不連続部 44 永久磁石 45 切目 46 シート

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転側周面に回転側軌道を有し、使用時
    に回転する回転輪と、上記回転側周面と対向する静止側
    周面に静止側軌道を有し、使用時に回転しない静止輪
    と、上記回転側軌道と上記静止側軌道との間に転動自在
    に設けられた複数の転動体と、上記回転輪と同心の円筒
    部を有する支持環及びこの支持環の円筒部の周面に添着
    された永久磁石により構成され、上記回転輪に固定され
    てこの回転輪と共に回転するエンコーダと、上記静止輪
    に支持されてこのエンコーダを構成する永久磁石に対向
    するセンサとを備え、上記永久磁石は、S極とN極とを
    円周方向に亙って交互に且つ等ピッチで配置したもので
    あり、上記センサは、磁性材製で上記回転輪及びエンコ
    ーダと同心に配置された円環状のステータと、このステ
    ータに添設されてこのステータ内を流れる磁束の変化に
    対応して電圧を惹起させるコイルとから構成されてお
    り、上記ステータの少なくとも一方の端縁部にそれぞれ
    複数ずつの突出部及び切り欠きを、円周方向に亙り交互
    に且つ上記エンコーダに設けたS極及びN極と等ピッチ
    で設ける事により櫛歯状端縁部を形成しており、この櫛
    歯状端縁部を構成する各突出部がS極又はN極に対向す
    る瞬間に、上記各切り欠きをN極又はS極に対向させる
    事により、上記ステータに交番磁束を流すものである回
    転速度検出装置付転がり軸受ユニットに於いて、上記永
    久磁石は可撓性を有する帯状のシートを円筒状に丸める
    事により造られたもので、円周方向の少なくとも1個所
    に不連続部を有する事を特徴とする回転速度検出装置付
    転がり軸受ユニット。
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