JPH10252695A - 遠心式送風機とその形状決定方法 - Google Patents

遠心式送風機とその形状決定方法

Info

Publication number
JPH10252695A
JPH10252695A JP7891997A JP7891997A JPH10252695A JP H10252695 A JPH10252695 A JP H10252695A JP 7891997 A JP7891997 A JP 7891997A JP 7891997 A JP7891997 A JP 7891997A JP H10252695 A JPH10252695 A JP H10252695A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
winding
width
centrifugal blower
cross
winding start
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7891997A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsuichi Yamamoto
勝一 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bosch Corp
Original Assignee
Zexel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Zexel Corp filed Critical Zexel Corp
Priority to JP7891997A priority Critical patent/JPH10252695A/ja
Publication of JPH10252695A publication Critical patent/JPH10252695A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 スクロールケースの径方向及び軸方向の幅を
巻始部から徐々に拡大させ、吐出流路の断面積を略線形
的に変化させることで最終端近傍においても断面積の急
拡大を抑え、もって圧力損失や騒音増加の低減を図る遠
心式送風機を提供する。 【解決手段】 スクロールケースの巻始部での径外方向
の幅をr0 、巻始部を起点とする巻き角度θだけ変位し
た部位の径外方向の幅をrとした場合にrをa1・θb1
0 (a1>0、b1>0) で表し、スクロールケースの巻
始部での軸方向の幅をh0 、巻始部を起点とする巻き角
度θだけ変位した部位の軸方向の幅をhとした場合にh
をa2・θb2+h0 (a2>0、b2>0) で表し、1.0<
b1+b2<2.0の関係を満たすようにb1及びb2が各々決
定される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、多羽翼ファンを
スクロールケースに収納してなる遠心式送風機とその形
状を決定する方法に関し、特に、スクロールケースの形
状を改良するものに関する。
【0002】
【従来の技術】遠心式送風機の送風出口部分の流路断面
を急拡大させることは、圧力損失や騒音の増大、風速分
布の乱れ等を伴うことから、従来においては、特開平5
−195995号公報、特開平7−208396号公報
に示されるものが考えられている。
【0003】これらは、モータによって回転される多羽
翼ファンと、この多羽翼ファンを収納するスクロールケ
ースとからなり、スクロールケースは、多羽翼ファンの
軸方向一端側に空気取入口を形成した上側板と、この上
側板に対向する下側板と、上側板の外周端と下側板の外
周端とを連結する外周壁とを備えているもので、上側板
と下側板は、渦巻状の吐出流路が形成されるように中心
から外周端までの距離が徐々に大きくなっており、下側
板は、多羽翼ファンから吹き出される空気を下方へ導く
ように中央から径外方向に対して下方へ傾斜する面(傾
斜面連結部15)と、この傾斜面連結部15に続いて渦
巻状の傾斜平板部14とを有し、この傾斜平板部14を
巻始部から60度ほど角変位した部位から下方へ徐々に
膨出させるようにしたものである。
【0004】このように、径方向と軸方向との幅を徐々
に大きくする技術的思想そのものは、本出願人による先
願があり(実開平1−108398号公報)、上述のも
のにあっては、下側壁を傾斜面連結部と傾斜平板部とか
ら構成するように変更を加えたものとなっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した遠心式送風機
は、径方向と軸方向とを拡大するので、径方向のみが広
がる旧式の送風機と同程度の流路容積を確保しつつ、送
風機自体の小型化を図ることができるものであり、特
に、送風機の取付場所でスクロールケースの径方向に大
きなスペースを確保できない場合には、上述の送風機の
使用が余儀なくされる。
【0006】しかしながら、径方向と軸方向との広がり
方如何によっては、圧力損失を大きくしたり、騒音を充
分に低減できなかったりするものであるが、上述の公報
には、この点の検討がなされておらず、吐出流路を渦巻
状にするとか、軸方向の幅を徐々に広げるといっても具
体的にどのように設定すると性能の向上につながるのか
全く言及されていない。
【0007】一般に、従来の送風機の場合、多羽翼ファ
ンの中心からスクロールケースの外周壁までの距離は、
巻始部で最も短くr0 となっており、この部分から巻き
角度θだけ変位した部位の中心からの距離をrとすれ
ば、r=r0 +a1・θで表すことができる。この比例式
は、r0 ・tan(α) ・θ+r0 と等価であり、αを拡が
り角、r0 ・tan(α) を拡がり率と称する。また、軸方
向の幅hも、巻始部で最も小さくh0 となっており、こ
こからθの変位に伴って増加する比例関数h=h0 +a2
・θとして表すことができる。よって、送風機の径方向
と軸方向との幅が巻始部から徐々に拡大するモデルを想
定する場合には、吐出流路の断面積Sが数式1に示され
るようになる。以下において、このようなモデルを従来
モデルというものとする。
【0008】
【数1】
【0009】本発明者の調査、研究によれば、徐々に径
や幅が増加するθの範囲を0〜300度とし、適宜に係
数を選んで吐出流路の巻始部(θ=0度)での断面積を
およそ1000mm2 、最終端(θ=300度)での断
面積をおよそ9000mm2となるように設定すると、
吐出流路の断面積は、図1の実線で示されるように一見
なだらかに変移し、断面積の変化率も破線で示されるよ
うになだらかに増加させることができる。しかしなが
ら、上述のように断面積Sがθの2次関数で表される場
合には、巻き角度の小さいうちは断面積の変化がゆるや
かであるが、吐出流路の最終端近傍にあっては、2次関
数の性質上、断面積が急速に大きくなり、空気が外周壁
から剥離して渦流を形成し、圧力損失や騒音の増大を招
くことが判明している。
【0010】これを防ぐには、吐出流路の最終端(θ=
300度)より手前の部分から流路断面を増加せずに一
定としたり、径方向や軸方向の幅を徐々に大きくする始
点を巻始部から所定角度(50〜60度)だけ変位させ
ることで対応することも考えられる。上述した従来技術
にあっても、下側壁を60度ほど角変位した部位から徐
々に下方へ膨出させていることから、この点を配慮して
いるものと思料される。
【0011】また、現行品の中にも、吐出流路の最終端
近傍での急速な断面増加を避けるために、巻始部からお
よそ50度変位した部位を境にしてそこから徐々に軸方
向及び径方向の幅を増加させるようにしたものが知られ
ている。このような現行品を従来モデルと同様に巻始部
で約1000mm2 とし、最終端(巻き角度300度)
で9000mm2 となるように調節すると、図2に示さ
れるような特性となる。この特性から明らかなように、
断面を漸増させる始点を巻始部からずらす上述の構成に
あっては、θ=50度の部位に断面積が増加し始める変
曲点が生じると共に、実線で示す断面増加の特性を得る
には、破線で示されるように断面変化率の不連続を余儀
なくされるものとなっている。その結果、断面積の変曲
点や断面変化率が不連続となる部位において空気の流れ
が乱れ、これが圧力損失を招いたり、騒音増加の低減を
妨げる要因となっていた。
【0012】そこで、この発明においては、スクロール
ケースの径方向及び軸方向の幅を巻始部から徐々に拡大
させる送風機を形成するも、吐出流路の断面積を略線形
的に拡大することで最終端近傍においても断面積の急拡
大を抑え、もって圧力損失や騒音増加の低減を図ると共
に静圧を高めて性能の向上を図ることができる遠心式送
風機とそのような送風機の形状を決定する方法を提供す
ることを課題としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】本出願人は、スクロール
ケースの径方向の長さrと、軸方向の高さhを数式2の
(1)と(2)のような一般式で定義することを試み
た。この場合の、吐出流路の断面積Sは数2の(3)の
ように表すことができ、従来モデルにおいては、このr
とhが比例的に増加することから、指数b1 とb2 は共
に1.0となっていた。即ち、従来においては、b1
2 =2のモデルを想定したものであった。そこで、も
し、(3)式のr・hが、a3・θ+r0・h0となるθの一
時関数に近似できるのであれば、断面積Sはほぼ一定の
割合で変化すると言えるのであり、最終端近傍での断面
積の急拡大を抑えることができる。本発明はこの知見に
基づき、鋭意研究を重ねた結果、完成するに至ったもの
である。尚、a1 、a2 、a3 は係数であり、b1 、b
2 は指数係数である。
【0014】
【数2】 r=a1・θb1+r0 ・・・(1) h=a2・θb2+h0 ・・・(2) S=r・h=( a1 ・θb1+r0)( a2 ・θb2+h0) =a1a2θb1+b2 +a1h0θb1+a2r0θb2+r0h0 ・・・(3)
【0015】即ち、本発明にかかる遠心式送風機は、軸
方向から吸引した空気を径外方向へ送風する多羽翼ファ
ンと、前記多羽翼ファンの周囲に設けられる吐出流路が
流路断面を最小とする巻始部から渦巻状に徐々に拡大し
て形成されるスクロールケースとを備え、巻始部を起点
とする巻き角度の変移に伴い、前記スクロールケースの
径外方向の幅が前記巻き角度を底とする第1の指数関数
をもって漸増され、前記軸方向の幅が前記巻き角度を底
とする第2の指数関数をもって漸増され、前記第1の指
数関数の指数と前記第2の指数関数の指数とは、両指数
の和が1.0より大きく且つ2.0より小さくなる範囲
で設定されていることを特徴としている(請求項1)。
【0016】したがって、図1で示される従来のモデル
(b1 +b2 =2)に対し、b1 +b2 を僅かに小さく
して吐出流路の断面積を1000mm2 から9000m
2にかけて変化させた送風機モデル(以下、新モデル
という)を解析すると、吐出流路の断面積は図4の実線
で示されるように、従来モデル(b1 +b2 =2)に対
して始点と終点の断面積が同じでも途中の変化履歴が異
なり、僅かではあるがスロープが直線に近づく。また、
断面変化率も僅かではあるがスロープが緩やかになるこ
とが確認された。この場合に、b1 とb2 は必ずしも同
じ値である必要はなく、試行錯誤の結果、最適な性能が
得られる値を導けばよい。よって、b1+b2 を2.0
より小さくすることで流路断面の急増加を従来よりも抑
えることができる。
【0017】また、最終端近傍での断面積変化を小さく
したいのであれば、その極端な選択としてb1 +b2
1.0の関係を満たすようなものが考えられる。このよ
うな関係は、径方向をr=r0 +a1・θの関係(b1
1)をもって徐々に大きくし、hを一定(b2 =0)と
した場合、即ち、径方向のみを徐々に拡大させる従前の
スクロール形状を想起させるものであるが、径方向と軸
方向の両方を増加させる今回提案する送風機にあって
は、b1 +b2 >1.0の関係を満たすことで、断面積
の履歴を巻始部から終端部の全範囲にかけて線形に近づ
け、断面変化率のスロープも緩やかなものとすることが
できる。
【0018】上述の範囲のうち、前記第1の指数関数の
指数b1 と前記第2の指数関数の指数b2 との和をさら
に1.5≦b1 +b2 <2.0の範囲で設定するように
してもよい(請求項2)。図4の実線で示される断面積
の履歴は、2.0に近づくほど下に凸となり、逆に1.
0に近づくほど図示されていないが上に凸となる。スク
ロールケースの径方向と軸方向をそれぞれ比例的に変化
させる従来の構成を基準にして断面積の履歴をできるだ
け線形変化させる方向へ設計変更したいのであれば、b
1 +b2 を1.5までの範囲とすることが望ましいとい
える。
【0019】ここで、巻始部を起点として流路断面を徐
々に漸増させる巻き角度の範囲は、通常用いられる送風
機と同様に0〜300度とすればよい(請求項3)。ま
た、径方向の拡がり率は、上述のように比例的に増加す
るものを想定しても、対数的に増加するものを想定して
もよく、軸方向の巾にあっても、同様に、比例的に増加
するものを想定しても、対数的に増加するものを想定し
てもよい。即ち、上述のように、rとhを共に比例的に
増加する場合に限るものではなく、rを比例的に増加さ
せ、hを対数的に増加させる場合や、逆にrを対数的に
増加させ、hを比例的に増加させる組み合わせの場合に
あっても、断面積の増加を線形に近づけるための指数係
数として上述の値を提示することができる。
【0020】送風機のスクロールケースの形状を決定す
るより具体的な手法としては、スクロールケースの巻始
部での径方向の幅をr0 、巻始部を起点とする巻き角度
θだけ変位した部位の径方向の幅をrとした場合にrを
a1・θb1+r0 (a1>0、b1>0) で表し、スクロール
ケースの巻始部での軸方向の幅をh0 、巻始部を起点と
する巻き角度θだけ変位した部位の軸方向の幅をhとし
た場合にhをa2・θb2+h0 (a2>0、b2>0) で表
し、各関数の指数係数を1.0<b1+b2<2.0の関係
を満たすように決定するとよい(請求項4)。ここで、
b1+b2の関係は、前述した観点から1.0<b1+b2
1.5を満たすものであってもよく(請求項5)、巻き
角度の範囲も、巻始部を起点として300度までとすれ
ばよい(請求項6)。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面により説明する。図3おいて、遠心式送風機1は、モ
ータの軸に固装されたシロッコファン2をスクロールケ
ース3に収納して構成され、例えば車両用空調ユニット
のユニットケース内に空気を吸引するために用いられ
る。スクロールケースは、ベルマウスが一体又は別体に
設けられた開口部4を有する上側壁5と、この上側壁5
と所定の間隔をあけて対向配置され、図示しないモータ
が固定される下側壁6と、これら上側壁5と下側壁6と
の外周端を結ぶように設けられた外周壁7とを有し、上
側壁5は平坦に形成され、この上側壁に開口部4を覆う
内外気切換装置が取り付けられ、この内外気切換装置を
介して開口部4へ空気が導かれるようになっている。
【0022】外周壁7は、巻始部8を起点として、ここ
からシロッコファンの回転方向に沿って巻き角度θをと
った場合に、θの増加に伴ってシロッコファン2の中心
からの距離が徐々に拡大する螺旋状に形成され、したが
って、シロッコファン2の周囲には、巻始部8から徐々
に流路断面を拡大する吐出流路9が形成されている。ま
た、下側壁6は、シロッコファン2で覆われる部分を除
いて、巻始部8から巻き角度θの増加に伴って徐々に下
方へ膨出する形状をなしている。
【0023】本構成例では、シロッコファン2の中心か
ら外周壁7までの距離rと、吐出流路9の上下幅hとを
数式3で示すように設定し、b1 +b2 =1.9として
いる。また、従来と同様にrとhとを増加させる範囲
は、巻始部8を起点としてここからθ=300度の範囲
とし、吐出流路9の巻始部(θ=0度)での断面積をお
よそ1000mm2 、最終端(θ=300度)での断面
積をおよそ9000mm2 となるようにしている。ここ
で、指数を0.97、0.93としたことに特別な根拠
はないが、従来モデル(b1 +b2 =2)に近いモデル
を構築してどの程度の効果が得られるのかを見るために
試行錯誤の末に決定されたものである。
【0024】
【数3】r=a1・θ0.97+r0 h=a2・θ0.93+h0
【0025】これによって得られた送風機は、図4に示
されるように、従来モデル(b1 +b2 =2.0)の流
路断面に関する特性と近似するものであるが、b1 +b
2 =1.9の本構成例では、僅かではあるが、断面積の
変化を表す特性線がθの一次式を表す直線(S=a3・θ
+r0・h0)に近づき、断面積の変化率を表す特性線は、
傾きがより小さくなってなだらかなスロープとなる。
【0026】モータの回転によりシロッコファン2が回
転すると、内外気切換装置を介して開口部4へ導かれた
空気は、軸方向からシロッコファン2に吸引され、径外
方向へ圧送される。この径外方向に吹き出した空気は、
シロッコファン2の回転と同方向に外周壁7に沿って流
れるが、この流れを流速ベクトル分布によって見ると、
図5に示されるようになる。
【0027】この流速ベクトル分布を図2で示す現行品
の流速ベクトル分布(図6)と比較すると、現行品(図
6)にあっては、ベクトル分布が巻始部8から50度の
範囲で密となり、この部分で流速が早くなり、エネルギ
ー損失が大きくなっていること等を伺い知ることができ
るのに対し、新モデル(図5)にあっては、巻始部8で
のみ密となるが、巻始部8の直後からベクトルの重なり
が少なくなり、全体としてエネルギー損失の少ない良好
な流通状態を伺い知ることができる。
【0028】送風器の性能は、一般的に、静圧、又はこ
れと動圧との和で決定れる全圧(=静圧+動圧)が高い
ほど良いとされるが、新モデルにあっては、図7の破線
で示されるように、現行品(実線で示す)と比較してみ
ても、全圧、静圧、共に増大し、現行品に比べて約5%
の圧力(Pa)増加となった。
【0029】上述の例にあっては、従来モデル(b1+b2
=2.0)からのわずかな指数のずれによってどの程度
の変化が得られるのかを検討するために構築されたモデ
ルであり、流路断面Sを充分に線形近似できたものとは
言えないが、1.0<b1+b2<2.0の範囲でb1とb2
選択を適切に行うことによって流路断面をほぼ線形的に
変化させることができる理屈を示している。
【0030】このように、各指数が1.0<b1+b2
2.0の範囲で設定されることから、断面履歴を決定す
る演算式に自由度が増し、b1とb2の選択如何によっては
S≒a3・θ+r0・h0で近似する断面履歴を持つスクロー
ル形状を構築することが可能となる。流路断面をほぼ線
形的に変化させるような演算式は一義的に決定できるも
のではなく、b1とb2は試行錯誤の末に1.0<b1+b2
2.0の範囲から選定されるものであるが、現在のとこ
ろこの範囲を超えて選定する場合には、従来モデル以上
に流路断面の変化が改善されないことが判っている。ま
た、流路断面を従来モデル(b1+b2=2.0)から線形
的に近づける場合を予定するのであれば、1.0<b1
b2≦1.5の範囲において指数係数を試行錯誤の末に選
定すればよい。
【0031】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
スクロールケースの径方向と軸方向のそれぞれの幅が指
数関数で表され、両指数関数の指数の和が1.0より大
きく2.0より小さく設定されるので、あるいは、1.
5以上で2.0より小さく設定されるので、単純に断面
積を増加させて何ら定量的な配慮がなされていなかった
従前の遠心式送風機に比べて、吐出流路の断面の増加を
線形に近づけることができ、巻き角度の増加に伴って増
加する流路断面に変曲点が形成されたり、流路断面の変
化率に不連続部分が形成されることがなくなり、しか
も、巻始部から最終端の全区間において流路断面の急激
な変化を抑えることができるようになる。
【0032】よって、吐出流路内を外周壁に沿って移動
する空気が外周壁から剥離する現象を抑えることがで
き、圧力損失や騒音増加の低減を図ることができる。ま
た、圧力損失が低減できることから、静圧を高めて送風
機の性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、従来モデル(b1+b2=2.0)の遠心
式送風機の流路断面に関する特性線を示し、実線は巻き
角度θの変化に対する流路断面の変化を示し、破線は巻
き角度θの変化に対する断面変化率の変化を示す。
【図2】図2は、現行品の遠心式送風機において流路断
面の始端と終端との大きさを従来モデルに合わせた場合
の流路断面に関する特性線を示し、実線は巻き角度θの
変化に対する流路断面の変化を示し、破線は巻き角度θ
の変化に対する断面変化率の変化を示す。
【図3】図3は、本発明にかかる遠心式送風機の概略を
示す外観図であり、図3(a)は平面図、図3(b)は
側面図である。
【図4】図4は、新モデル(b1+b2=1.9)と従来モ
デル(b1+b2=2.0)の流路断面に関する特性線を示
し、実線は巻き角度θの変化に対する流路断面の変化を
示し、破線は巻き角度θの変化に対する断面変化率の変
化を示す。
【図5】図5は、新モデルでの流速ベクトル分布を示
し、図6(a)は、図3のA−A断面で測定した結果、
図6(b)は、図3のB−B断面で測定した結果、図6
(c)は、図3のC−C断面で測定した結果をそれぞれ
示す。
【図6】図6は、現行品での流速ベクトル分布を示し、
図5(a)は、上側壁近傍(図3のA−A断面に相当す
る部分)で測定した結果、図5(b)は、中央部分(図
3のB−B断面に相当する部分)で測定した結果、図5
(c)は、下側壁近傍(図3のC−C断面に相当する部
分)で測定した結果をそれぞれ示す。
【図7】図7は、現行品と本案である新モデルとの全圧
及び静圧の特性線を示し、実線は現行品を破線は新モデ
ルの特性を示す。
【符号の説明】
1 遠心式送風機 2 シロッコファン 3 スクロールケース 5 上側壁 6 下側壁 7 外周壁 8 巻始部 9 吐出流路

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸方向から吸引した空気を径外方向へ送
    風する多羽翼ファンと、前記多羽翼ファンの周囲に設け
    られる吐出流路が流路断面を最小とする巻始部から渦巻
    状に徐々に拡大して形成されるスクロールケースとを備
    えてなる遠心式送風機において、 巻始部を起点とする巻き角度の変移に伴い、前記スクロ
    ールケースの径外方向の幅が前記巻き角度を底とする第
    1の指数関数をもって漸増され、前記軸方向の幅が前記
    巻き角度を底とする第2の指数関数をもって漸増され、
    前記第1の指数関数の指数と前記第2の指数関数の指数
    とは、両指数の和が1.0より大きく且つ2.0より小
    さくなる範囲で設定されていることを特徴とする遠心式
    送風機。
  2. 【請求項2】 請求項1にかかる遠心式送風機におい
    て、前記第1の指数関数の指数と前記第2の指数関数の
    指数とは、請求項1の範囲に代えて、両指数の和が1.
    5以上であり且つ2.0より小さくなる範囲で設定され
    ることを特徴とする遠心式送風機。
  3. 【請求項3】 巻始部を起点として流路断面を漸増させ
    る巻き角度の範囲は300度である請求項1又は2記載
    の遠心式送風機。
  4. 【請求項4】 軸方向から吸引した空気を径外方向へ送
    風する多羽翼ファンと、この多羽翼ファンを収納し、前
    記多羽翼ファンの周囲に巻き角度の変移に伴い流路断面
    を巻始部から徐々に拡大する吐出流路が形成されている
    スクロールケースとを備えてなる遠心式送風機の形状決
    定方法にあって、 前記スクロールケースの巻始部での径外方向の幅を
    0 、前記巻始部を起点とする巻き角度θだけ変位した
    部位の径外方向の幅をrとした場合に r=a1・θb1+r0 (a1>0、b1>0) で表し、前記スクロールケースの巻始部での軸方向の幅
    をh0 、前記巻始部を起点とする巻き角度θだけ変位し
    た部位の軸方向の幅をhとした場合に h=a2・θb2+h0 (a2>0、b2>0) で表し、 1.0<b1+b2<2.0 の関係を満たすようにb1及びb2が各々決定されることを
    特徴とする遠心式送風機の形状決定方法。
  5. 【請求項5】 請求項3にかかる遠心式送風機におい
    て、b1+b2は、請求項3の関係に代えて 1.0<b1+b2≦1.5 の関係を満たすものであることを特徴とする遠心式送風
    機の形状決定方法。
  6. 【請求項6】 巻始部を起点として流路断面を漸増させ
    る巻き角度の範囲を300度までとする請求項4又は5
    記載の遠心式送風機の形状決定方法。
JP7891997A 1997-03-13 1997-03-13 遠心式送風機とその形状決定方法 Pending JPH10252695A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7891997A JPH10252695A (ja) 1997-03-13 1997-03-13 遠心式送風機とその形状決定方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7891997A JPH10252695A (ja) 1997-03-13 1997-03-13 遠心式送風機とその形状決定方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10252695A true JPH10252695A (ja) 1998-09-22

Family

ID=13675273

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7891997A Pending JPH10252695A (ja) 1997-03-13 1997-03-13 遠心式送風機とその形状決定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10252695A (ja)

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001289198A (ja) * 2000-04-06 2001-10-19 Denso Corp 遠心式送風機
JP2002202098A (ja) * 2000-12-28 2002-07-19 Calsonic Kansei Corp 遠心式送風機及びそれを用いた空気調和装置
KR100451239B1 (ko) * 2002-08-19 2004-10-02 엘지전자 주식회사 원심팬의 유동안내장치
JP2005220786A (ja) * 2004-02-04 2005-08-18 Mitsubishi Heavy Ind Ltd ブロア装置
KR100571061B1 (ko) 2004-09-02 2006-04-13 위니아만도 주식회사 송풍기용 스크롤 하우징
JP2007239538A (ja) * 2006-03-07 2007-09-20 Denso Corp 遠心式送風機
JP2007291877A (ja) * 2006-04-21 2007-11-08 Sanden Corp 遠心式多翼送風機
JP2008138643A (ja) * 2006-12-05 2008-06-19 Valeo Thermal Systems Japan Corp 送風ユニット
WO2014034951A1 (ja) * 2012-09-03 2014-03-06 サンデン株式会社 遠心送風機
CN105422512A (zh) * 2016-01-12 2016-03-23 中国船舶重工集团公司第七0四研究所 离心泵侧向式螺旋形压出室
CN111089070A (zh) * 2019-08-14 2020-05-01 锐奇控股股份有限公司 一种高风速鼓风机
WO2022168420A1 (ja) * 2021-02-05 2022-08-11 パナソニックIpマネジメント株式会社 空気調和機

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001289198A (ja) * 2000-04-06 2001-10-19 Denso Corp 遠心式送風機
JP2002202098A (ja) * 2000-12-28 2002-07-19 Calsonic Kansei Corp 遠心式送風機及びそれを用いた空気調和装置
KR100451239B1 (ko) * 2002-08-19 2004-10-02 엘지전자 주식회사 원심팬의 유동안내장치
JP2005220786A (ja) * 2004-02-04 2005-08-18 Mitsubishi Heavy Ind Ltd ブロア装置
KR100571061B1 (ko) 2004-09-02 2006-04-13 위니아만도 주식회사 송풍기용 스크롤 하우징
US7972110B2 (en) 2006-03-07 2011-07-05 Denso Corporation Centrifugal blower
JP2007239538A (ja) * 2006-03-07 2007-09-20 Denso Corp 遠心式送風機
JP2007291877A (ja) * 2006-04-21 2007-11-08 Sanden Corp 遠心式多翼送風機
JP2008138643A (ja) * 2006-12-05 2008-06-19 Valeo Thermal Systems Japan Corp 送風ユニット
WO2014034951A1 (ja) * 2012-09-03 2014-03-06 サンデン株式会社 遠心送風機
JP2014047750A (ja) * 2012-09-03 2014-03-17 Sanden Corp 遠心送風機
CN105422512A (zh) * 2016-01-12 2016-03-23 中国船舶重工集团公司第七0四研究所 离心泵侧向式螺旋形压出室
CN111089070A (zh) * 2019-08-14 2020-05-01 锐奇控股股份有限公司 一种高风速鼓风机
WO2022168420A1 (ja) * 2021-02-05 2022-08-11 パナソニックIpマネジメント株式会社 空気調和機
JP2022120497A (ja) * 2021-02-05 2022-08-18 パナソニックIpマネジメント株式会社 空気調和機

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7972110B2 (en) Centrifugal blower
USRE49709E1 (en) Blower and outdoor unit of air conditioner comprising same
JPH10252695A (ja) 遠心式送風機とその形状決定方法
JP5566663B2 (ja) 多翼遠心ファンおよびそれを用いた空気調和機
JP5832804B2 (ja) 遠心式ファン
US9447792B2 (en) Centrifugal blower
KR100591335B1 (ko) 원심 송풍기
US20100322762A1 (en) Centrifugal Impeller and Centrifugal Blower Using It
KR100847523B1 (ko) 터보팬
JP2004204756A (ja) 遠心式送風機
JP3812537B2 (ja) 遠心式送風機
JP3120411B2 (ja) 多翼送風機
JP2014047750A (ja) 遠心送風機
JP2715839B2 (ja) 遠心式送風機
JP2001323891A (ja) 貫流ファンとその貫流ファンを備えた空気調和機
JP6844526B2 (ja) 多翼遠心ファン
JP6666730B2 (ja) 遠心式送風機
JPH0727097A (ja) 多翼送風機
JPH08177795A (ja) 遠心送風機
US8579586B2 (en) Bell mouth for scroll case
JP2000291595A (ja) 遠心式送風機
JP2009281198A (ja) 多翼遠心ファン
JPH07279893A (ja) ファン
JP2008303760A (ja) 軸流送風機
JPH08247091A (ja) 遠心送風機