JP2007291877A - 遠心式多翼送風機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】遠心式多翼送風機は、スクロールケーシング22内に、複数のブレード18を有する円筒状のファン8を備える。ケーシング22は、ファン8の軸線方向にて互いに離間した第1端壁32及び第2端壁34と、第1端壁32に形成され、ブレード18によって囲まれたファン8の内部に連なる吸入孔24と、第1端壁32及び第2端壁34の外縁間に渡り、第1端壁32及び第2端壁34と協働してファン8との間に渦巻流路を区画する螺旋状の外周壁28と、外周壁28に形成され、渦巻流路30の下流端に位置する吹出孔26とを具備する。第1端壁32は、渦巻流路30の下流側の部分を区画する領域に、渦巻流路30の流路断面積を上流から下流に向かって徐々に増大させる傾斜面46bを含む。
【選択図】図1
Description
より詳しくは、スクロールケーシングは、ファンを囲む外周壁を有し、外周壁に吹出孔は開口している。外周壁は、螺旋状のスクロール壁部を含み、ファンとの間に渦巻き状の渦巻流路を区画している。
これら端壁のうち、電動モータと反対側の端壁に吸入孔が設けられ、吸入孔はブレードによって囲まれたファンの内部空間に連通している。また、電動モータ側の端壁にはモータ取付孔が形成され、モータ取付孔に電動モータの本体部が嵌合する。
ここで、渦巻流路における空気流の乱れは、騒音の発生や効率低下を招くため、乱流を抑制するための技術開発が行われている。
また、特許文献2の送風機においては、吸入孔を設けた端壁を一定高さにて膨出させているため、渦巻流路内での静圧のバランスが崩れ易く、却って騒音の増大や効率の低下を招く虞がある。
好ましくは、前記渦巻流路を区画する前記第2端壁の領域は、前記ファンの軸線方向でみて、前記ファンから離間している(請求項3)。
請求項2の遠心式多翼送風機では、スクロールケーシングの第2端壁が、渦巻流路の流路断面積を上流から下流に向かって徐々に増大させる傾斜面を含むことで、渦巻流路の流路断面積が拡大され、渦巻流路の軸線方向での流速が低下させられる。この結果として、渦巻流路の流動抵抗が低下し、より一層の効率化が図られる。
より詳しくは、送風機は、電動モータ6と電動モータ6によって回転駆動される円筒状のファン8とを有する。より詳しくは、ファン8はボトムプレート10を有し、ボトムプレート10の中央には、ファン8の軸線方向に膨出した円錐状のコーン部12が形成されている。コーン部12の中央にはボス部14が形成され、ボス部14は、電動モータ6の回転軸16に嵌合している。
より詳しくは、スクロールケーシング22は外周壁28を有し、吹出孔26は外周壁28に開口している。図2に示したように、外周壁28は、所定の螺旋状に延びるスクロール壁部28aを含み、スクロール壁部28aは、基準位置(α=0度)からの角度(巻き角)αが増大するにつれて、ファン8の中心からの径方向距離が大きくなるよう湾曲している。
外周壁28は、ファン8の周りに螺旋状に延びる渦巻流路30を区画し、渦巻流路30は内部流路の一部を構成している。なお、外周壁28とファン8との間の径方向距離は、舌部28bにおいて最も短くなっており、舌部28bは渦巻流路30の上流端に位置している。一方、渦巻流路30の下流端には吹出孔26が位置している。
より詳しくは、第1端壁32及び第2端壁34は、ファン8の軸線方向にて相互に離間している。電動モータ6側の第2端壁34は、ファン8の軸線と直交する平面に平行な壁であり、ファン8の軸線方向でみて、ファン8のボトムプレート10近傍に位置している。
一方、第1端壁には吸入孔24が形成され、吸入孔24はファン8と同軸に位置している。吸入孔24の内径はリム20の内径よりも若干小さく、吸入孔24の内周縁には、ボトムプレート10に向けブレード18の他端部近傍まで突出した環状の突縁44が形成されている。このような突縁44付きの吸入孔24はベルマウスとも称される。
螺旋領域46の下流側の部分は、傾斜面46bを含み、この傾斜面46bの存在によって、渦巻流路30の流路断面積は、上流から下流に向けて徐々に拡大している。
ファン8の径方向でみて外側に位置する傾斜面46bの側縁は、外周壁28のスクロール壁部28aの下流側部分及び接線部28dの外縁に連なっている。このため、外周壁28のスクロール壁部28aの下流側部分及び接線部28dは、図1にハッチングを用いて示したように、ファン8の軸線方向での長さが、上流から下流に向けて徐々に増大している。
なお、第1端壁32の螺旋領域46のうち、外周壁28の平面部28cと段差面48との間に区画される略三角形の部分は、平坦面46aと面一をなす。
上述した遠心式多翼送風機では、電動モータ6に外部から電力が供給されると、電動モータ6はファン8を回転方向Rにて回転駆動する。ファン8が駆動されブレード18が回転すると、ブレード18は、ブレード18間に規定されたギャップ中の空気を径方向外側に押し出す。これによって、ファン8の径方向内側からギャップを通じて径方向外側に向かう空気流が生成される。この空気流の生成に伴い、スクロールケーシング22内には吸入孔24を通じて空気が流入し、流入した空気は、ファン8のギャップ、渦巻流路30及び吹出孔26を経てスクロールケーシング22の外部に流出する。
そして、かかる原因を解消すべく、上述した遠心式多翼送風機では、傾斜面46bを形成して渦巻流路30の流路断面積を上流から下流に向かって徐々に増大させることで、渦巻流路30におけるファン8の周方向での流速を、第1端壁32側で抑制している。これにより、第1端壁32側と第2端壁34側との間で渦巻流路30の軸線方向での流速が略等しくなり、第2端壁34から第1端壁32から向かう2次流Fsの発生が抑制されるのである。
本発明は上述した第1実施形態に制約されるものではなく、種々の変形が可能である。
図7は、第2実施形態の遠心式多翼送風機を示しており、第2端壁34の螺旋領域50の上流側の部分は、渦巻流路30の流路断面積を上流から下流に向かって徐々に増大させるように傾斜していてもよい。具体的には、図4に破線で示したように、螺旋領域50は、巻き角αが0°〜220°の範囲に亘って傾斜していてもよい。
なお、螺旋領域50を傾斜させる範囲は、巻き角αが0°〜220°の範囲全域に亘っている必要はない。
この場合、螺旋領域52が、ファン8の軸線方向でみて、ファン8から離間していることで、第1実施形態に比べて渦巻流路30の流路断面積が拡大され、渦巻流路30の軸線方向での流速が低下させられる。この結果として、渦巻流路30の流動抵抗が低下し、より一層の効率化が図られる。
図9は、第4実施形態の遠心式多翼送風機を示している。この送風機のように、傾斜面46bの下流側部分の幅は、上流から下流に向かうに連れて徐々に拡大されていてもよい。そのために、外周壁28の平面部28cをファン8の軸線方向に延長し、傾斜面46bの下流部分の側縁に、平面部28cが連なるようにしてもよい。
18 ブレード
22 スクロールケーシング
24 吸入孔
26 吹出孔
28 外周壁
32 第1端壁
34 第2端壁
46b 傾斜面
Claims (3)
- スクロールケーシング内に、周方向に配列された複数のブレードを有する円筒状のファンを備えた遠心式多翼送風機において、
前記スクロールケーシングは、
前記ファンの軸線方向にて互いに離間した第1端壁及び第2端壁と、
前記第1端壁に形成され、前記ブレードによって囲まれた前記ファンの内部に連なる吸入孔と、
前記第1端壁及び第2端壁の外縁間に渡り、前記第1端壁及び第2端壁と協働して前記ファンとの間に渦巻流路を区画する螺旋状の外周壁と、
前記外周壁に形成され、前記渦巻流路の下流端に位置する吹出孔と
を具備し、
前記第1端壁は、前記渦巻流路の下流側の部分を区画する領域に、前記渦巻流路の流路断面積を上流から下流に向かって徐々に増大させる傾斜面を含む
ことを特徴とする遠心式多翼送風機。 - 前記第2端壁は、前記渦巻流路の上流側の部分を区画する領域に、前記渦巻流路の流路断面積を上流から下流に向かって徐々に増大させる傾斜面を含むことを特徴とする請求項1に記載の遠心式多翼送風機。
- 前記渦巻流路を区画する前記第2端壁の領域は、前記ファンの軸線方向でみて、前記ファンから離間していることを特徴とする請求項1に記載の遠心式多翼送風機。
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