JP2008261274A - 遠心式送風装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 円板状の底板8と、底板8から突出して設けられた複数の翼9と、底板8との間に翼9を挟んで配置されたシュラウド10と、が設けられた羽根車2と、羽根車2を格納するとともに、その径方向外側を囲む渦巻状流路3を形成するケーシング4と、が設けられ、渦巻状流路3を構成する底板8側の一方の面17およびシュラウド10側の他方の面14の少なくとも一方から中心軸線C方向に沿って突出するとともに、渦巻状流路3の長手方向に沿って延びる突出部20が設けられ、20突出部の径方向外側には、径方向外側から羽根車20に向かって渦巻状流路3の流路断面積を減少させる傾斜部22が設けられていることを特徴とする。
【選択図】 図2
Description
このような騒音の発生を抑制するために、遠心式送風装置の流路に仕切板や、偏向壁面を有するベルマウスリングなどを設ける技術が開示されている(例えば、特許文献1および2参照。)。
なお、低周波音の周波数は、ブロアファン回転数(N)の影響を受けていない。
本発明の遠心式送風装置は、円板状の底板と、該底板から突出して同一円周上に並んで設けられた複数の翼と、前記底板との間に前記翼を挟んで配置され、前記翼の端部を連結する略円環状のシュラウドと、が設けられた羽根車と、該羽根車を格納するとともに、その径方向外側を囲む渦巻状流路を形成するケーシングと、前記羽根車を中心軸線周りに回転駆動させる駆動部と、が設けられ、前記渦巻状流路を構成する前記底板側の一方の面および前記シュラウド側の他方の面の少なくとも一方から前記中心軸線方向に沿って突出するとともに、前記渦巻状流路の長手方向に沿って延びる突出部が設けられ、前記突出部の前記径方向外側には、前記径方向外側から前記羽根車に向かって前記渦巻状流路の流路断面積を減少させる傾斜部が設けられ、前記突出部の前記径方向内側には、前記長手方向に沿って流れる主流が流れる領域を形成する切欠き面が設けられていることを特徴とする。
突出部を設ける領域を限定することで、さらに、渦巻状流路の流路面積の減少が抑えられ、羽根車から流出した空気流れの静圧回復が大きくなる。
一方、主流の流れ方向と、突出部が延びる方向とのずれが抑えられ、このずれによって発生する空気流れの剥離、つまり突出部からの空気流れの剥離が抑えられる。
突出部を設ける範囲を上述の範囲内に限定することで、渦巻状流路の流路面積の減少が確実に抑えられ、遠心式送風装置の送風性能低下が抑えられる。さらに、主流の流れ方向と突出部が延びる方向とのずれが抑えられるため、突出部からの空気流れの剥離が抑えられる。
さらに、拡大部を設けたことにより渦巻状流路の流路面積が広がるため、羽根車から流出した空気流れの静圧回復が大きくなる。
図1は、本実施形態に係る遠心式送風装置の構成を説明する模式図である。図2は、図1の遠心式送風機の構成を説明するA−A’断面視図である。
羽根車2には、図2に示すように、中心軸線C周りに回転駆動される略円板状の羽根車底板(底板)8と、羽根車底板8の駆動部7と反対側の面に、同一円周上に並んで設けられた複数の翼9と、羽根車底板8との間にこれら翼9を挟んで同軸にして配置されるとともに、各翼9の端部を連結する略円環板状のシュラウド10と、が設けられている。
羽根車底板8は、中心部から周辺部にかけて、シュラウド10側に凹となるなだらかな曲面に形成されている。これによって、翼9の径方向内側に取り込まれた空気は、羽根車底板8に沿って径方向外側に案内され、翼9の間にスムーズに供給される。
シュラウド10は、径方向内側から径方向外側に向かうにつれて、羽根車底板8に接近する傾斜を有している。傾斜は、羽根車底板8側からみて、羽根車底板8に近づくにつれて拡径するラッパ状の曲面に形成されている。これによって、翼9の径方向内側に取り込まれた空気はシュラウド10に沿って径方向外側に案内され、翼9の間にスムーズに供給される。
モータ11は、後述するケーシング4の円筒部18の内部に配置され、外部から供給された電力に基づいて回転駆動力を発生するものである。
回転軸12は、モータ11が発生した回転駆動力を羽根車2の羽根車底板8に伝達するものである。回転軸12は、その中心軸線C周りに回転可能に配置されている。
渦巻状流路3は、巻き始め部3Sから巻き終わり部3Eに向かって、つまり、羽根車2の回転方向(図1における時計回り方向)に向かって流路断面積が増える形状に形成されている。言い換えると、巻き始め部3Sでは渦巻状流路3の流路断面積は最も狭く、巻き終わり部3Eで流路断面積は最も広くなる。この巻き終わり部3Eにおいて、渦巻状流路3はディフューザ流路5と接続されている。
上部ケーシング4Uには、図2および図3に示すように、遠心式送風装置1の外形を構成する天板(他方の面)14および上部側壁15Uと、空気を羽根車2に導入するベルマウス16と、空気を渦巻状流路3からディフューザ流路5へ導く上部舌部6Uと、が設けられている。
舌部6は中心軸線Cに沿って延びる略円筒状の曲面であり、羽根車2の直径を100%とした場合、羽根車2との間の隙間が約8%から約10%となるように配置されている。
下部ケーシング4Lには、図2および図4に示すように、遠心式送風装置1の外形を構成する下部底板(一方の面)17および下部側壁15Lと、駆動部7が配置される円筒部18と、空気を渦巻状流路3からディフューザ流路5へ導く下部舌部6Lと、下部底板17のうち渦巻状流路3の一部を構成する拡大部19と、羽根車2への空気の逆流を防止するフローガイド部(突出部)20と、が設けられている。
天板14に拡大部19が設けられている実施形態、または、拡大部19が設けられていない実施形態の場合には、天板14にフローガイド部20が設けられていることが望ましい。このような構成とすることで、羽根車2から径方向外側に向かう流れがフローガイド部20に遮られることを防止できる。
フローガイド部20は、図5に示すように、主流の上流側端部から下流側端部(図5の左端部から右側端部)に向かって、下部底板17からの高さが徐々に高くなった後に、徐々に低くなる形状に形成されている。フローガイド部20が最も高くなるのは上述の最大逆流領域Rに対応する部分である。
なお、フローガイド部20は、上述のように主流の上流側端部から下流側端部に向かって常に高さが変化してもよいし、図6に示すように、上流側端部および下流側端部の近傍でのみ高さが変化し、両端部の間は高さが一定になるように形成されてもよく、特に限定するものではない。
フローガイド部20の上流側端部近傍における径方向断面は、図7に示すように、下部底板17から天板14に向かって突出するなだらかな山状に形成されている。言い換えると、径方向内側および外側(図7の左側および右側)から、フローガイド部20の中央に向かって天板14に近づく傾斜面を有する形状である。
フローガイド部20の中央領域における径方向断面は、図8に示すように、下部底板17から天板14に向かって突出するなだらかな略直角三角形状に形成されている。言い換えると、径方向内側(図8の左側)に、下部底板17から略垂直に立ち上がる切欠き面21が設けられ、径方向外側から径方向内側に向かって下部底板17から離れる傾斜面22が設けられた形状である。
フローガイド部20の下流側端部近傍における径方向断面は、図9に示すように、中央領域の断面形状と相似形であって、より小さくなった断面形状に形成されている。
遠心式送風装置1により送風を行う場合には、図1および図2に示すように、駆動部7のモータ11に電力が供給され、モータ11により羽根車2が回転駆動される。
羽根車2が回転すると、空気はベルマウス16から翼9の径方向内側の領域に流入する。流入した空気は、回転する羽根車2の径方向外側へ圧送され、渦巻状流路3に流入する。
その後、空気はディフューザ流路5から遠心式送風装置1の外部へ流出される。
羽根車2から渦巻状流路3に流入した空気流れは、図1に示すように、羽根車2の接線方向に流出して渦巻状流路3の長手方向に沿って流れる主流と、図2に示すように、径方向に流出する二次流れとに分けられる。
フローガイド部20が設けられている領域では、フローガイド部20の端部20TはラインLよりも低いため、径方向外側に流れる二次流れと、フローガイド部20とは干渉しない。
下部底板17側に向かう二次流れは、拡大部19の下部底板17に沿って径方向内側に向かって流れ、フローガイド部20の傾斜面22に沿って流れる。傾斜面22に沿って流れた二次流れは、渦巻状流路3を流れる主流と混合し、渦巻状流路3の長手方向に流れる。
フローガイド部20の上流側端部は、図6に示すように、下流に向かって滑らかに高さが変化する傾斜であるため、主流は乱れることなくフローガイド部20の径方向外側と内側の領域に分かれて流入する。また、フローガイド部20の下流側端部も同様に、滑らかに高さが変化する傾斜であるため、分けられた主流は、流れの乱れを発生させることなく徐々に合流する。
さらに、フローガイド部20を設ける領域を限定することで、渦巻状流路3の流路面積の減少が抑えられ、羽根車2から流出した空気流れの静圧回復が大きくなる。一方、主流の流れ方向と、フローガイド部20が延びる方向とのずれが抑えられ、このずれによって発生する空気流れの剥離、つまりフローガイド部20からの空気流れの剥離が抑えられることから、遠心式送風装置1の送風性能低下を抑えるとともに、低周波音等の騒音発生を抑制することができる。
フローガイド部20を設ける範囲を上述の範囲内に限定することで、渦巻状流路3の流路面積の減少が確実に抑えられ、遠心式送風装置1の送風性能低下を抑えることができる。さらに、主流の流れ方向とフローガイド部20が延びる方向とのずれが抑えられるため、フローガイド部20からの空気流れの剥離を抑えて騒音の発生を抑制することができる。
さらに、拡大部19を設けたことにより渦巻状流路3の流路面積が広がるため、羽根車2から流出した空気流れの静圧回復が大きくなり、遠心式送風装置1の送風性能低下が抑制される。
拡大部19が設けられていない場合には、フローガイド部20が天板14に設けられていることが望ましい。このようにすることで、羽根車2から径方向外側に向かって流れる空気流れがフローガイド部20に遮られることがなく、遠心式送風装置1の送風性能の低下が抑制される。
なお、上記の実施の形態においては、この発明を車両用空気調和装置の遠心式送風装置に適用して説明したが、この発明は車両用空気調和装置に用いられるものに限られることなく、その他各種の装置に用いられる遠心式送風装置に適用できるものである。
2 羽根車
3 渦巻状流路
4 ケーシング
6 舌部
8 羽根車底板(底板)
9 翼
10 シュラウド
12 回転軸
14 天板(他方の面)
17 下部底板(一方の面)
19 拡大部
20 フローガイド部(突出部)
21 切欠き面
22 傾斜面
Claims (6)
- 円板状の底板と、該底板から突出して同一円周上に並んで設けられた複数の翼と、前記底板との間に前記翼を挟んで配置され、前記翼の端部を連結する略円環状のシュラウドと、が設けられた羽根車と、
該羽根車を格納するとともに、その径方向外側を囲む渦巻状流路を形成するケーシングと、
前記羽根車を中心軸線周りに回転駆動させる駆動部と、が設けられ、
前記渦巻状流路を構成する前記底板側の一方の面および前記シュラウド側の他方の面の少なくとも一方から前記中心軸線方向に沿って突出するとともに、前記渦巻状流路の長手方向に沿って延びる突出部が設けられ、
前記突出部の前記径方向外側には、前記径方向外側から前記羽根車に向かって前記渦巻状流路の流路断面積を減少させる傾斜部が設けられ、
前記突出部の前記径方向内側には、前記長手方向に沿って流れる主流が流れる領域を形成する切欠き面が設けられていることを特徴とする遠心式送風装置。 - 前記突出部は、少なくとも前記径方向外側から前記羽根車に向かって流れる二次流れが存在する領域に設けられていることを特徴とする請求項1記載の遠心式送風装置。
- 前記突出部は、前記二次流れの流量が最も大きな領域を基準として、前記中心軸線を中心として前記主流の上流側へ約60°回転した位置から、下流側へ約45°回転した位置までの範囲内に設けられていることを特徴とする請求項2記載の遠心式送風装置。
- 前記ケーシングには、前記渦巻状流路の内部を流れる空気を外部へ導くディフューザ流路と前記渦巻状流路との接続部に配置された舌部が設けられ、
前記突出部は、前記舌部を基準として、前記中心軸線を中心として前記主流の上流側へ約120°回転した位置から、上流側へ約15°回転した位置までの範囲内に設けられていることを特徴とする請求項2記載の遠心式送風装置。 - 前記突出部における前記長手方向に沿う方向において、前記突出部の一方の端部から中央部に向かって前記突出部の高さが高くなるとともに、前記中央部から他方の端部に向かって前記突出部の高さが低くなることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の遠心式送風装置。
- 前記ケーシングには、前記底板側の一方の面および前記シュラウド側の他方の面の間隔を広げる拡大部が設けられ、
前記突出部は前記拡大部に設けられていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の遠心式送風装置。
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