JPH10251896A - 電極の取り出し方法、薄膜の製造方法及びカラーフィルタ - Google Patents

電極の取り出し方法、薄膜の製造方法及びカラーフィルタ

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JPH10251896A
JPH10251896A JP6339797A JP6339797A JPH10251896A JP H10251896 A JPH10251896 A JP H10251896A JP 6339797 A JP6339797 A JP 6339797A JP 6339797 A JP6339797 A JP 6339797A JP H10251896 A JPH10251896 A JP H10251896A
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淳一 片野
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元治 石川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 煩雑なフォトリソグラフィー工程を用い
る立体配線を必要とせず、同一基板上の複数の配線か
ら、電極を簡単に取り出す方法、及びその取り出し電極
を利用して薄膜を製造する方法を提供すること。 【解決手段】 基板上に電極取り出し部分の配線を平面
的段違いに作製したのち、切断すべき配線に電位を印加
し、この電位を印加した配線を物理的接触により切断
し、次いで、切断された配線の電極取り出し部分と通電
すべき他の配線のみを接続して導通させ、該電極取り出
し部分の配線を利用して電極を取り出す。またこの取り
出された電極を利用して、電解法より、各電極の上にそ
れぞれ疎水性物質の薄膜を形成させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電極の取り出し方
法、薄膜の製造方法及びカラーフィルタに関する。さら
に詳しくは、本発明は、煩雑なフォトリソグラフィー工
程を用いる立体配線を必要とせず、同一基板上の複数の
配線から、電極を簡単に取り出す方法、その取り出した
電極を利用して薄膜を製造する方法及びこのような方法
により形成された薄膜を有するカラーフィルタに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】液晶テレビ,ラップトップパソコン,ノ
ート型パソコンなどのディスプレイに用いられるカラー
液晶ディスプレイには、絶縁性基板上に色素層を平面的
に分離配置して形成したカラーフィルタが使用されてい
る。このカラーフィルタの色素層の形成方法としては、
一般に(1)印刷機を用いて基板上にR(赤),G
(緑),B(青)の三原色のインキを印刷する印刷法、
(2)顔料を分散させた紫外線硬化型レジストを基板上
に塗布し、フォトリソグラフィー法によるマスク露光及
び熱硬化をRGBの各色毎に三回繰返し色素層を形成す
る分散法、(3)ゼラチン上に、染色防止膜としてレジ
ストをフォトリソグラフィー法により形成し、染料でR
GBの各色毎に染色する染色法、(4)電着ポリマーと
顔料を分散させ、基板上に形成された電極を利用して電
着塗装を行う電着法、(5)界面活性剤と顔料を分散さ
せ、基板上に形成された電極を利用して電解を行うミセ
ル電解法などが知られている。
【0003】前記方法の中で、印刷法、分散法及び染色
法においては、基板上の所望位置(例えば有効表示部)
のみに色素層を形成することが可能である。これに対
し、通電処理を利用して色素層を形成するミセル電解法
や電着法においては、有効表示部内における色素層形成
用透明電極を外部電極と接続するために、有効表示部以
外の部分にも電極を取り出し、通電用電極を形成する必
要がある。基板上に複数の配線の電極を取り出す場合、
これまではフォトリソグラフィー工程により、樹脂で電
極を立体配線する方法が採られていた。しかしながら、
この方法においては、樹脂の塗布、ベーク、露光機によ
るマスク露光、現像、洗浄などの多くの工程を必要と
し、煩雑である上、基板製造時の歩留まりが低下するの
を免れないなどの問題があった。特に、ミセル電解法に
より薄膜(色素層)を形成する場合には、通常ストライ
プ電極の3本に1本の割合で電極を取り出し、通電する
ことにより薄膜を形成するが、その際、電極窓をフォト
リソグラフィー工程により作製する必要があり、そのた
め、基板作製の歩留まりを低下させるばかりでなく、フ
ォトリソグラフィー工程が適用できないかあるいは適用
しにくい超大型基板には、薄膜を形成することができな
いという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
基板上に複数の配線の電極を取り出す場合の従来技術が
もつ欠点を克服し、煩雑なフォトリソグラフィー工程を
用いる立体配線を必要とせず、同一基板上の複数の配線
から、電極を簡単に取り出す方法、及びその取り出し電
極を利用して、従来電解法による薄膜の形成が不可能で
あった大型基板やフィルム基板に対しても、電解法によ
り薄膜を形成しうる方法を提供することを目的とするも
のである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、まず、基板上
に電極取り出し部分の配線を平面的段違いに作製したの
ち、特定の工程を施すことにより、簡単に電極を取り出
すことができること、そして、この取り出し電極を利用
することにより、大型基板やフィルム基板に対しても、
電解法により薄膜を容易に形成しうることを見出した。
本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、(1)同一基板上の複数の配線か
ら電極を取り出すに当たり、(a)電極取り出し部分の
配線を平面的段違いに作製する工程、(b)切断すべき
配線に電位を印加する工程、(c)電位を印加した配線
のみを物理的接触により、選択的に切断する工程、
(d)切断された配線の電極取り出し部分と通電すべき
他の配線のみを接続して導通させ、該電極取り出し部分
の配線を利用して電極を取り出す工程、を順次施すこと
を特徴とする電極の取り出し方法、(2)上記(1)の
方法により取り出された電極を利用して、電解法により
同一基板上の複数の電極の上に、それぞれ疎水性物質の
薄膜を形成させることを特徴とする薄膜の製造方法、及
び(3)上記(2)の方法により形成された薄膜を有す
ることを特徴とするカラーフィルタを提供するものであ
る。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の電極の取り出し方法にお
いては、以下に示す(a)〜(d)の4工程が順次施さ
れる。まず、(a)工程は、基板上に電極取り出し部分
の配線を平面的段違いに作製する工程である。図1は本
発明で用いるパターニングされた電極を有する基板の一
例の平面図であって、基板1上に電極A,B及Cの取り
出し部分の配線が平面的段違いに作製されている状態を
示す。黒線で囲んだ四角形の領域Zは画素部(有効表示
部)を示す。基板の種類としては特に制限はなく、例え
ば無アルカリガラス,石英ガラス,ソーダライムガラス
などのガラス基板、プラスチック基板,フィルム基板あ
るいはメモリーチップなどを付けて配線する基板などの
透明基板や不透明基板の中から、用途に応じて適宜選択
すればよい。カラーフィルタ用基板としては、透明基
板、特にガラス基板が好ましく用いられる。
【0007】また、基板上に設けられる電極としては特
に制限はなく、例えばITO(インジウムチンオキサイ
ド),銅,アルミニウム,マグネシウムなどのパターニ
ング可能な電極、あるいはパターニングができない電極
の中から状況に応じて適宜選択することができる。この
電極は透明である必要はなく、不透明なものも使用する
ことができるが、カラーフィルタの製造においては、透
明電極、特にITO電極が好ましく用いられる。基板上
にパターニングされた電極を設ける方法としては特に制
限はなく、従来公知の方法を用いることができる。例え
ば、ガラ基板上に、パターニングされたITO電極を設
ける場合には、通常下記の方法が用いられる。まず、ガ
ラス基板上に、スパッタリング法,蒸着法,バイオゾル
法などによって、ITO薄膜を形成する。この際ガラス
基板上にシリカ(SiO2 )をコートしたのち、その上
にITO薄膜を形成すると、ITO薄膜と基板との密着
性が向上するので好ましい。
【0008】次に、このITO薄膜のパターニングをフ
ォトリソグラフィー法によって行い、ITO電極を形成
する。このフォトリソグラフィ法によりパターニング
は、通常(イ)レジスト塗布、(ロ)露光、(ハ)現
像、(ニ)ポストベーク、(ホ)ITO薄膜のエッチン
グ、(ヘ)レジストの剥離の順で行われる。このように
して、例えば図1に示すような電極取り出し部分の配線
が平面的段違いに設けられたストライプパターンのIT
O電極が形成される。次に、(b)工程は切断すべき配
線に電位を印加する工程である。切断すべき配線に印加
される電位としては特に制限はなく、状況に応じて適宜
選定すればよい。すなわち、配線が細ければ細いほど、
切断するのに必要な電位は低くて良い。また、電位が高
すぎると熱で溶けた電極材料が飛び散り、リークの原因
となることから、電位はその配線が溶融して切断できる
程度の低電位が好ましい。さらに、配線材料の種類によ
っても、最適な電位は異なる。また、電位の極性は+,
−のいずれであってもよく、その電位差が大切である。
【0009】このようにして電位が印加された配線は、
次の(c)工程において、物理的接触により、選択的に
切断される。この物理的接触において用いる部材として
は、導電性であり、かつ融点の高いものが好ましい。融
点が低すぎると、物理的接触の際の発熱により溶融する
おそれがある。この部材の形状については特に制限はな
いが、通常針状や板状のものが好ましく用いられる。こ
のようなものとしては、特にタングステン針が好適であ
る。物理的接触方法としては、切断すべき配線と、物理
的に接触させる部材を用いて電極部分の所定位置に接触
すればよく、特に制限はない。該部材が針状の場合は電
極部分の所定位置を部材でなぞってもよく、また板状の
場合は、電極部分の所定位置を部材の面で一度に押しつ
けてもよい。このようにして、電位が印加された配線の
みが、この物理的接触により選択的に切断される。な
お、印加された配線と接触部材との間の電位差は切断す
べき配線の種類や大きさなどに応じて、適宜選定するこ
とができる。
【0010】次に、(d)工程は、このようにして切断
された配線の電極取り出し部分と通電すべき他の配線の
みを接続して導通させ、該電極取り出し部分の配線を利
用して電極を取り出す工程である。この工程において、
切断された配線の電極取り出し部分と通電すべき他の配
線のみを接続して導通させるのに使用する材料として
は、導電性のものであればよく、特に制限はないが、例
えば銀ペーストや金ペーストなどの導電性ペースト、銅
テープなどの導電性テープ、導電性異方性ゴなどの導電
性ゴムなどを用いることができる。図2は、本発明の電
極の取り出し方法における各工程の一例の電極部のみを
示す説明図である。まず、(a)工程において、図2
(イ)に示すように、電極取り出し部分の配線が平面的
に段違いに設けられたストライプパターンの電極A,B
及びCが設けられる。
【0011】次いで、(b)及び(c)工程において、
電極Aに電位を印加したのち、図2(ロ)における2で
示される場所を、電極Aとは所定の電位差を持たせた針
でなぞることにより、図2(ロ)で示されるように、電
位が印加された電極Aのみが焼き切れ、切断される。次
に、図2(ハ)で示すように、切断された電極Aの上の
部分と電極Cとを、導電性ペースト又は導電性テープ3
で接続して導通させ、電極Aの櫛部分を利用して、電極
を取り出す。なお、この際、導電性ペースト又は導電性
テープ3が電極Bにかからないように注意する。本発明
の薄膜の製造方法は、このようにして取り出した電極を
利用して、電解法により、同一基板上の複数の電極の上
に、それぞれ疎水性物質の薄膜を形成させる方法であ
る。
【0012】次に、本発明の薄膜の製造方法について説
明する。本発明の薄膜の製造方法において用いられる電
解法としては特に制限はなく、従来公知の方法を用いる
ことができる。すなわち、水性媒体中で界面活性剤を用
いて疎水性物質を分散あるいは可溶化して得られる分散
液あるいはミセル溶液に、パターニングされた電極を有
する基板を浸漬し、該電極に通電して電極上に疎水性物
質の薄膜を形成させる方法が採用される。この方法にお
いて用いられる薄膜材料としては、疎水性物質であれば
よく、特に制限されず、様々なものを使用することがで
きる。この疎水性物質は、疎水性の有機物質と無機物質
とに分けることができる。疎水性有機物質としては、例
えば有機顔料,有機蛍光材料,有機発光材料,有機感光
材料などがある。具体例としては、フタロシアニン,フ
タロシアニン誘導体,フタロシアニンの金属錯体,フタ
ロシアニン誘導体の金属錯体,ナフタロシアニン,ナフ
タロシアニン誘導体,ナフタロシアニンの金属錯体,ナ
フタロシアニン誘導体の金属錯体,ポルフィリン,ポル
フィリン誘導体(テトラフェニルポルフィリンなど),ポ
ルフィリンの金属錯体,ポルフィリン誘導体の金属錯体
などの光メモリー用色素や有機色素をはじめ1,1'
ジヘプチル−4,4' −ビピリジニウムジブロマイド,
1,1 ' −ジドデシル−4,4' −ビピリジニウムジブ
ロマイドなどのエレクトロクロミック材料,6−ニトロ
−1,3,3−トリメチルスピロ−(2' H−1' −ベ
ンゾピラン−2,2' −インドリン)(通称スピロピラ
ン)などの感光材料(フォトクロミック材料)や光セン
サー材料,p−アゾキシアニソールなどの液晶表示用色
素,7,7,8,8−テトラシアノキノンジメタン(T
CNQ)とテトラチアフルバレン(TTF)との1:1
錯体などの有機導電材料やガスセンサー材料,ペンタエ
リスリトールジアクリレートなどの光硬化性塗料,ステ
アリン酸などの絶縁材料,1−フェニルアゾ−2−ナフ
トールなどのジアゾタイプの感光材料や塗料等を挙げる
ことができる。さらには、水に不溶性のポリマー、例え
ばポリカーボネート,ポリスチレン,ポリエチレン,ポ
リプロピレン,ポリアミド,ポリフェニレンサルファイ
ド(PPS),ポリフェニレンオキサイド(PPO),
ポリアクリロニトリル(PAN)などの汎用ポリマー、
またポリフェニレン,ポリピロール,ポリアニリン,ポ
リチオフェン,アセチルセルロース,ポリビニルアセテ
ート,ポリビニルブチラールをはじめ、各種各様のポリ
マー(ポリビニルピリジンなど)あるいはコポリマー
(メタクリル酸メチルとメタクリル酸とのコポリマーな
ど)を挙げることができる。
【0013】一方、疎水性無機物質としては、粒子表面
を疎水化処理した無機物質、例えば導電性粒子であるI
TO,酸化錫,亜鉛など、あるいは無機顔料や無機蛍光
体などが挙げられる。また、カラーフィルタを製造する
際には、これらの各種疎水性の有機物質または無機物質
の内、RGB三原色の分光特性を有する顔料あるいは染
料、すなわち、赤色,緑色及び青色の疎水性色素を使用
する。赤色色素としては、ペリレン系顔料,レーキ顔
料,アゾ系顔料,キナクリドン系顔料,アントラキノン
系顔料あるいはアントラセン系顔料等があり、例えば、
ペリレン顔料,レーキ顔料(Ca,Ba,Sr,M
n),キナクリドン,ナフトールAS,シコミン顔料,
アントラキノン(Sudan I,II,III ,R),ジスア
ゾ,ベンゾピラン,硫化カドミウム系顔料,Fe (III)
酸化物系顔料などがあり、そのうちペリレン顔料やレー
キ顔料が好ましい。また、緑色色素としては、ハロゲン
多置換フタロシアニン系顔料,ハロゲン多置換銅フタロ
シアニン系顔料あるいはトリフェニルメタン系塩基性染
料等があり、例えば、クロロ多置換フタロシアニン,そ
の銅錯体あるいはバリウム・トリフェニルメタン染料な
どがあり、青色色素としては、銅フタロシアニン系顔
料,インダンスロン系顔料,インドフェノール系顔料あ
るいはシアニン系顔料などがあり、例えば、クロロ銅フ
タロシアニン,クロロアルミニウムフタロシアニン,バ
ナジン酸フタロシアニン,マグネシウムフタロシアニ
ン,亜鉛フタロシアニン,鉄フタロシアニン,コバルト
フタロシアニンなどのフタロシアニン金属錯体,フタロ
シアニン,メロシアニンあるいはインドフェノールブル
ーなどがある。
【0014】これらの疎水性の有機物質または無機物質
は、その形状や大きさ等に関しては特に制限はないが、
好ましくは粒径10μm 以下の粉末が用いられる。次
に、本発明において、薄膜形成の際に用いる水性媒体と
しては、水をはじめ、水とアルコールの混合液,水とア
セトンの混合液など様々な媒体を挙げることができる。
本発明の方法で用いる界面活性剤は、通常の界面活性剤
でよいが、フェロセン誘導体よりなるものが好ましい。
ここで、フェロセン誘導体としてはアンモニウム型,エ
ーテル型,エステル型,その他と各種のものがあるが、
そのなかで代表的なものとして、式
【0015】
【化1】
【0016】で表されるものを挙げることができる。本
発明の方法では、界面活性剤として、このようなフェロ
セン誘導体とともに、あるいはこれに代えて、他の界面
活性剤を用いることもできる。なお、このような界面活
性剤としては、様々なものがある。この界面活性剤の好
適例を挙げれば、ポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル,ポリオキシエチレン脂肪酸エステル,ポリオキシエ
チレンアルキルフェニルエーテル,ポリオキシエチレン
ポリオキシプロピレンアルキルエーテル等の非イオン性
界面活性剤などがある。そのほか、アルキル硫酸塩,ポ
リオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩,塩化アルキ
ルトリメチルアンモニウム,脂肪酸ジエチルアミノエチ
ルアミドなどのカチオン性,アニオン性界面活性を使用
することもできある。
【0017】本発明の方法では、まず、水性媒体中に上
記の界面活性剤および疎水性の有機物質もしくは無機物
質を入れて、メカニカルホモジナイザー,超音波ホモジ
ナイザー,パールミル,サンドミル,スターラー,高圧
ホモジナイザー等により充分攪拌する。この操作で疎水
性物質は、界面活性剤の作用で、水性媒体中に均一に分
散あるいは可溶化して、分散液あるいはミセル溶液とな
る。この際の界面活性剤の濃度は、特に制限はないが、
通常は上記フェロセン誘導体をはじめとする界面活性剤
を限界ミセル濃度以上、好ましくは10μM〜0.1Mの
範囲で選定する。そして、疎水性の有機物質や無機物質
の濃度は好ましくは1〜1000g /リットルである。
また、水性媒体の電気伝導度を調節するために支持塩
(支持電解質)を必要に応じて加えることができる。こ
の支持塩の添加量は、可溶化あるいは分散している薄膜
材料や色素材料の析出を妨げない範囲であればよく、通
常は上記ミセル化剤の0〜300倍程度の濃度、好まし
くは50〜200倍程度の濃度を目安とする。また、支
持塩を用いる場合、その支持塩の種類は、ミセルの形成
や電極への前記薄膜材料や色素素材の析出を妨げること
なく、水性媒体の電気伝導度を調節しうるものであれば
特に制限はない。
【0018】具体的には、一般に広く支持塩として用い
られている硫酸塩(リチウム,カリウム,ナトリウム,
ルビジウム,アルミニウムなどの塩),酢酸塩(リチウ
ム,カリウム,ナトリウム,ルビジウム,ベリリウム,
マグネシウム,カルシウム,ストロンチウム,バリウ
ム,アルミニウムなどの塩),ハロゲン化物塩(リチウ
ム,カリウム,ナトリウム,ルビジウム,カルシウム,
マグネシウム,アルミニウムなどの塩),水溶性酸化物
塩(リチウム,カリウム,ナトリウム,ルビジウム,カ
ルシウム,マグネシウム,アルミニウムなどの塩)が好
適で、具体的には、LiBr,KCl ,Li2SO4,(NH4)3BF4
が挙げられる。本発明の方法においては、このようにし
て調製した分散液あるいはミセル溶液に、パターニング
された電極を有する基板を浸漬し、電極に通電して電解
を行う。この際の電解条件は、各種状況に応じて適宜選
定すればよいが、通常は液温0〜70℃、好ましくは2
0〜30℃、電圧0.03〜1.5V、好ましくは0.1〜0.
5Vとし、電流密度10mA/cm2 以下、好ましくは
50〜300μA/cm 2 とする。
【0019】このようにして電極上に形成された疎水性
物質の薄膜には、必要に応じて、後処理として平坦膜剤
を用いて保護膜が形成され、その表面は保護される。薄
膜に保護膜を形成するには、先ず、薄膜が形成された基
板をスピンコーターにセットし、ディスペンサーを用い
て平坦膜剤を薄く均一に塗布する。次いで、所定温度で
所要時間ベークし硬化させることにより薄膜に保護膜を
形成することができる。このような本発明の電極取り出
し方法及びそれに基づく薄膜の形成方法は、従来の方法
に比べて、以下に示すような長所を有している。 (1)従来は、フォトリソグラフィー工程を利用して電
極窓を作製しなくては、同一基板の3種の電極上にそれ
ぞれ別々の疎水性物質の薄膜を形成することができなか
ったが、本発明の方法を適用することにより、複雑でμ
mオーダーの位置精度が要請されるフォトリソグラフィ
ー工程が不要となり、その結果フォトリソグラフィー工
程が使用できない大型基板(例えば1m角以上の大きな
基板)や、フィルム基板のような熱などにより伸縮して
位置合わせができない基板への薄膜の形成が可能とな
る。 (2)本発明の方法によれば、電解窓の作製が不要であ
るので、フォトリソグラフィー工程がやりにくい基板の
縁の部分に電極窓を作製しなくてよいため、基板作製時
の歩留まりが向上する。
【0020】(3)これまでは、電極窓を基板の端に作
製しなければならず、その電極窓作製のスペースが必要
であった。しかし、現在では基板を有効に使用すること
から、1枚の基板からできるだけ多くの製品を取るため
に、基板の縁は10mm程度しかとれない。電極窓を作
製するためのフォトリソグラフィー工程を行うために
は、基板の端から10mm以上は空ける必要があり、そ
の分基板が有効活用できなくなる。本発明では、電極窓
を作製する部分が不要となるため、基板に余分な電極窓
作製のための部分を確保する必要がない。したがって、
基板内に画素面積を大きく取ることができる。 (4)電極窓を除去する方法には、薬液に浸して溶解さ
せるか、又はその部分のガラスを切断除去する方法があ
るが、いずれの方法も工程が増え、基板作製の歩留まり
が低下する。本発明の方法では、それらの除去操作が不
要であるので、基板作製の歩留まりが向上する。 (5)従来の電極窓を作製する方法では、作製した電極
窓に数μmの厚みがあり、電極窓の下にある電極とは段
差があるため、通常、銀ペーストを引き通電させている
が、本発明の方法では電極間に段差がないため、導電性
のペーストばかりでなく、導電性のゴムやテープを電極
上に引くだけでよく、工程が簡素でかつその除去が極め
て容易となる。
【0021】(6)従来の電極窓を作製する方法では、
その作製時に(特に樹脂ブラックマトリックス(BM)
作製時に樹脂BMの材料で同時に作製する場合に)、電
極窓が、他の電極上に製膜されない程度の絶縁性を有し
(好ましくは10MΩ/□以上)、かつ銀ペーストがし
み込まないように、材料を選定する必要があり、そのた
め、使用できる材料が制限されるのを免れない。本発明
の方法では、電極窓を作製する必要がないので、このよ
うな問題が起こらない。また、本発明は、前記方法によ
り形成された薄膜を有するカラーフィルタをも提供する
ものである。カラーフィルタを製造するには、基板とし
て、パターニングされた透明電極を有する透明基板が用
いられる。このような基板としては、ストライプパター
ンのITO電極を有するガラス基板が好適である。カラ
ーフィルタを構成する三原色の疎水性色素薄膜を形成す
るには、赤色,緑色及び青色の疎水性色素のいずれか一
つを水性媒体に加えて、上述の薄膜製造方法における操
作により、所望色調の薄膜を所望のパターンで形成す
る。次いで、疎水性色素の種類を変えて上述の操作を繰
返し行えばRGBのカラーフィルタ色素薄膜を得ること
ができる。
【0022】さらに、上記操作を三原色(赤,緑,青
色)の疎水性色素の他に、一種以上の他の色の疎水性色
素についても繰返すことにより、他の色の疎水性色素薄
膜を各透明電極上に形成することができる。このように
して得られたRGBのカラーフィルタ色素薄膜には、必
要に応じて、後処理として、保護膜が形成される。その
保護膜を形成するにあたっては、上記の薄膜のときと同
様にして保護膜を形成し、RGBのカラーフィルタ色素
薄膜の表面を保護する。次いで、このRGBのカラーフ
ィルタ色素薄膜の上から常法によりITO薄膜を形成す
ることにより本発明のカラーフィルタを製造することが
できる。
【0023】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定され
るものではない。 製造例1 ITOストライプ電極を有する基板Iの作製 50Ω/□の面抵抗をもつITO膜が形成されたガラス
基板(600×1000×3.0mm,青板ガラス,旭硝
子社製)を、ITOストライプ電極幅400μm、電極
間幅100μmとなるようにパターニング処理し、図3
に示すストライプパターンのITO電極A,B及びCを
有する基板Iを作製した。 製造例2 ITOストライプ電極を有する基板IIの作製 20Ω/□の面抵抗をもつITO膜が形成されたガラス
基板(320×300×0.7mm,ジオマテック社製)
を、ITOストライプ電極幅90μm、電極間幅20μ
mとなるようにパターニング処理し、図4に示すストラ
イプパターンのITO電極A,B及びCを有する基板II
を作製した。 製造例3 導電性酸化錫粒子入り赤顔料分散液の調製 純水15kgに、ジアントラキノニル・レッド(日本ス
ペシャテイケミカルズ社製)339.45g、フェロセン
誘導体系界面活性剤(10−フェロセニルデカノイルポ
リオキシエチレン)56.25g、臭化リチウム15.75
gを添加し、混合したものを、分散液温度が18℃程度
を維持するように冷却しながら、超音波ホモジナイザー
で18時間分散した。次いでこれを連続遠心分離機で1
0000rpm(14600×g)、液量200ミリリ
ットル/分、25℃の条件で処理し、赤顔料分散液を調
製した。
【0024】別に、純水15kgに、イソインドリノン
・イエロー(日本スペシャティケミカルズ社製)150
0.00g、フェロセン誘導体系界面活性剤(10−フェ
ロセニルデカノイルポリオキシエチレン)1230.25
g、臭化リチウム15.75gを添加し、混合したもの
を、分散液温度が18℃程度に維持するように冷却しな
がら、超音波ホモジナイザーで24時間分散した。次い
でこれを連続遠心分離機で10000rpm(1460
0×g)、流量100ミリリットル/分、25℃の条件
で処理した。さらに、上記0.35重量%のフェロセン誘
導体系界面活性剤希釈水溶液で1.72倍重量に希釈し、
25℃にて12時間攪拌することにより、黄顔料分散液
を調製した。上記2種の顔料分散液を、赤顔料分散液:
黄顔料分散液の重量比が60:40になるように混合す
ることにより、赤黄顔料混合分散液を調製した。一方、
純水15kgに、表面をシラン系カップリング剤で疎水
化処理した導電性酸化錫粒子50.00g及びフェロセン
誘導体系界面活性剤(10−フェロセニルデカノイルポ
リオキシエチレン)59.25gを添加し、混合したもの
を、分散液温度が18℃程度を維持するように冷却しな
がら、超音波ホモジナイザーで12時間分散した。
【0025】次いで、これにリチウム型にコンディショ
ニングしたキレート型イオン交換樹脂を225g添加
し、6時間攪拌したのち、連続遠心分離機で1500r
pm(330×g)、流量300ミリリットル/分、2
5℃の条件で処理した。遠心分離により得られた分散液
に臭化リチウムを分散液1kg当たり1.05g添加し、
攪拌することにより、導電性酸化錫分散液を調製した。
次に、この導電性酸化錫分散液を、上記で調製した赤黄
顔料混合分散液へ50:50の重量比で混合して攪拌し
たのち、これをフィルター(孔径1μm:富士プロダク
ツアンドトレーディングカンパニー社製)でろ過して、
導電性酸化錫粒子入り赤顔料分散液を調製した。 製造例4 導電性酸化錫粒子入り緑顔料分散液の調製 純水15kgに、ハロゲン化銅フタロシアニン(大日本
インキ化学工業社製)1500.00g、フェロセン誘導
体系界面活性剤(10−フェロセニルデカノイルポリオ
キシエチレン)284.25g、臭化リチウム15.75g
を添加し、混合したものを、分散液温度が18℃程度維
持するように冷却しながら、超音波ホモジナイザーで1
2時間分散した。次いで、これを連続遠心分離機で80
00rpm(9370×g)、液量200ミリリットル
/分、25℃の条件で処理した。さらに、これを上記0.
40重量%フェロセン誘導体系界面活性剤希釈水溶液で
4.27倍重量に希釈し、25℃で12時間攪拌すること
により、緑顔料分散液を調製した。
【0026】別に、製造例3と同様にして黄顔料分散液
を調製した。上記2種の顔料分散液を、緑顔料分散液:
黄顔料分散液の重量比が60:40になるように混合す
ることにより、緑黄顔料混合分散液を調製した。一方、
製造例3と同様にして、導電性酸化錫分散液を調製し
た。次に、この導電性酸化錫分散液を、上記で調製した
緑黄顔料混合分散液へ45:55の重量比で混合して攪
拌したのち、これをフィルター(孔径1μm、富士プロ
ダクツアンドトレーディングカンパニー社製)でろ過し
て、導電性酸化錫粒子入り緑顔料分散液を調製した。 製造例5 導電性酸化錫粒子入り青顔料分散液の調製 純水15kgに、銅フタロシアニン(大日本インキ化学
工業社製)1500.00g、フェロセン誘導体系界面活
性剤(10−フェロセニルデカノイルポリオキシエチレ
ン)306.00g、臭化リチウム15.75gを添加し、
混合したものを、分散液温度が18℃程度を維持するよ
うに冷却しながら、超音波ホモジナイザーで12時間分
散した。次いで、これを連続遠心分離機で10000r
pm(14600×g)、液量200ミリリットル/
分、25℃の条件で処理した。さらに、これを上記0.3
0重量%フェロセン誘導体系界面活性剤希釈水溶液で4.
85倍重量に希釈し、25℃で12時間攪拌することに
より、青顔料分散液を調製した。
【0027】一方、製造例3と同様にして、導電性酸化
錫分散液を調製した。次にこの導電性酸化錫分散液を、
上記で調製した青顔料分散液へ50:50の重量比で混
合して攪拌したのち、これをフィルター(孔径1μm、
富士プロダクツアンドトレーディングカンパニー社製)
でろ過して、導電性酸化錫粒子入り青顔料分散液を調製
した。 実施例1 製造例3で調製した導電性酸化錫粒子入り赤顔料分散液
に、製造例1で作製した基板Iを図3と同様の上下関係
にて浸漬した。飽和甘コウ電極により基準電位をとり、
陰極にはステンレス鋼板を用いて、電極Aに+0.5Vで
20分間通電した。その後、基板を赤顔料分散液より取
り出し、純水による基板洗浄を行うことにより、赤顔料
の導電性薄膜が電極Aの上に形成された。この基板をオ
ーブン中で150℃にて30分間ベーキング処理した。
次いで、基板Iの上下を逆にして、製造例4で調製した
導電性酸化錫粒子入り緑顔料分散液に浸漬し、上記と同
様にして電極Bへ+0.5Vで15分間通電したのち、純
水による基板洗浄及びベーキング処理を行うことによ
り、電極Bの上に緑顔料の導電性薄膜が形成された。
【0028】ここで、電極Aに−を接続し、+60Vに
印加している細いタングステン針で電極の所定の位置を
なぞった。電位の印加されていない電極B,Cは切断さ
れないが、電位を印加している電極AのITO電極が針
でなぞった部分で切断された。次に、導電性銅テープを
電極Bにかからないように切断された電極Aの上の部分
とCの上を通るように貼り付けた。次いで、この基板I
を図3と同様の上下関係にて製造例5で調製した導電性
酸化錫粒子入り青顔料分散液に浸漬し、赤顔料分散液で
行ったのと同様にして、電極Aに+0.5Vで15分間通
電したのち、純水による基板洗浄を行い、さらに銅テー
プを剥がしてベーキング処理を行うことにより、電極C
の上に青顔料の導電性薄膜が形成された。以上の操作に
より、600×1000mmの大型基板を用いた導電性
カラーフィルタを製造した。
【0029】実施例2 図5は、本実施例における導電性カラーフィルタの製造
工程図である。製造例2で作製した基板IIに、図5
(イ)で示す如く、電極B及びCにかからないように銀
ペースト3aを引き、電極Aの全ての電極を導通させた
のち、これを製造例3で調製した導電性酸化錫粒子入り
赤顔料分散液に浸漬した。飽和甘コウ電極により基準電
位をとり、陰極にはステンレス鋼板を用いて、電極Aに
+0.5Vで15分間通電した。その後、基板を赤顔料分
散液より取り出し、純水による基板洗浄を行うことによ
り、赤顔料の導電性薄膜4Rが電極Aの上に形成され
た。この基板をオーブン中で150℃にて30分間ベー
キング処理した。次に、電極Aに−を接続し、+40V
に印加している細いタングステン針で、電極の所定の位
置をなぞった。なぞるのは、図5(ロ)に示すように、
電極B,Cにかかる位置2aで行う。これにより、図5
(ハ)に示すように、電位が印加されていない電極B,
Cは切れないが、電位を印加している電極AのITO電
極が針でなぞった部分で切れた。そこで、図5(ニ)で
示すように、電極Cにかからないように、電極Aの切れ
た部分より上の位置で電極Bへ銀ペースト3bを引い
た。
【0030】次に、基板IIを、製造例4で調製した導電
性酸化錫粒子入り緑顔料分散液へ浸け、赤顔料分散液で
行ったのと同様にして、電極Bに+0.5Vで12分間通
電を行い、その後、純水による基板洗浄及びベーキング
処理を行うことにより、電極Bの上に、図5(ニ)で示
すように、緑色顔料の導電性薄膜4Gが形成された。さ
らに、電極Aで行ったのと同様にして、電極Bに−を接
続し、+40Vに印加しているタングステン針で、電極
の所定の位置をなぞった。なぞるのは、図5(ホ)に示
すように、電極Cにかかる位置2bで行なった。電位が
印加されていない電極A,Cは切れないが、図5(ヘ)
で示すように、電位を印加している電極BのITO電極
が針でなぞった部分で切れた。次に、図5(ト)で示す
ように、電極A,Bの切れた部分より上の位置で電極C
に銀ペースト3cを引いたのち、製造例5で調製した導
電性酸化錫粒子入り青顔料分散液に基板IIを浸けた。赤
顔料分散液で行なったのと同様にして、電極Aに+0.5
Vで12分間通電し、その後、純水による基板洗浄及び
ベーキング処理を行なうことにより、図5(ト)で示す
ように、電極Cの上に青顔料の導電性薄膜4Bが形成さ
れた。次に、基板IIの電極取り出し部分の銀ペースト3
a,3b,3cを図5(チ)で示すように、アセトンで
剥離したのち、基板上に保護膜として透明な熱硬化性樹
脂オプトマーSS7265(日本合成ゴム社製)を15
00rpmでスピンコートし、オーブンで220℃に
て、60分間熱硬化させた。以上の操作により、導電性
カラーフィルタを製造した。
【0031】実施例3 実施例2のガラス基板の代わりに、ガラス板上に、基板
IIと同様のITOストライブの電極のついたPES(ポ
リエーテルサルホン)製フィルムを両面テープで固定し
てなるPES製フィルム基板を用いた以外は、実施例2
と同様な操作を行い、フィルム基板上に保膜膜の付いた
導電性カラーフィルタを作製した。以上、実施例1〜3
で作製した導電性カラーフィルタの製造歩留まりを第1
表に示す。
【0032】
【表1】
【0033】第1表から分かるように、いずれも良好な
歩留まりにて導電性カラーフィルタを製造することがで
きた。 比較例1 製造例2で作製した基板IIに、アクリル酸系レジスト
(CT,富士ハントエレクトロニクステクノロジー社
製)を850rpmでスピンコートし、オーブンで10
0℃にて45分間加熱処理した。次いで、露光機(プロ
キシミティギャップ60μm)で位置合わせしながら、
電極取り出し用マスクを介し露光した(i線の露光エネ
ルギー40mJ/cm2 )。その後、無機アルカリ水溶
液からなる現像液(0.1N炭酸ナトリウム水溶液、富士
ハントエレクトロニクステクノロジー社製、CD純水希
釈品)で1分間現像処理したのち、純水で洗浄し、次い
で200℃オーブンで60分間熱処理して、図6で示す
ように電極取り出し窓5を作製した。次に、図6で示す
ように、銀ペースト3を塗布し、取り出し電極を作製し
た。このガラス基板をまず、製造例3で調製した導電性
酸化錫粒子入り赤顔料分散液に浸漬し、飽和甘コウ電極
により基準電位をとり、陰極にはステンレス鋼板を用い
て、電極Aに+0.5Vで15分間通電した。その後、基
板を赤顔料分散液より取り出し、純水による基板洗浄を
行なうことにより、赤顔料の導電性薄膜が電極Aの上に
形成された。この基板をオーブン中で150℃にて30
分間ベーキング処理した。次に、基板IIを、製造例4で
調製した導電性酸化錫粒子入り緑顔料分散液に浸漬し、
同様の操作を電極Bで行い、さらに製造例5で調製した
導電性酸化錫粒子入り青顔料分散液についても、同様な
操作を電極Cで行った。最後に、実施例2と同様にして
保護膜を付け、導電性カラーフィルタ製造した。
【0034】比較例2 比較例1のガラス基板の代わりに、ガラス板上にPES
製フィルムを両面テープで固定してなるPES製フィル
ム基板を用いた以外は、比較例1と同様な操作を行い、
フィルム基板上に保護膜の付いた導電性カラーフィルタ
を製造しようとしたが、フィルムがベークなどの加熱処
理時に伸縮して、電極窓がうまく作製できなかった。ま
た、なんとか作製できた電極窓付きフィルム基板へ顔料
の導電性薄膜を作製しようとしたが、電極窓でのリーク
が激しく、3色を製膜することができなかった。以上、
比較例1及び2で作製した導電性カラーフィルタの製造
歩留まりを第2表に示す。
【0035】
【表2】
【0036】比較例1では、実施例1に比べて歩留まり
が著しく低下しているが、これは、電極窓作製時のフォ
トリソグラフィー工程によるものである。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、煩雑なフォトリソグラ
フィー工程を用いる立体配線を必要とせず、同一基板上
の複数の配線から、電極を簡単に取り出すことができ
る。また、基板作製時の歩留まりがよく、かつ基板内に
画素面積を大きく取ることができる上、通常のフォトリ
ソグラフィー工程が使えない大型基板やフィルム基板へ
の薄膜の形成が電解法により可能である。さらに、フォ
トリソグラフィー工程を用いないため、露光機やコータ
ーラインなどの高価な装置が不要であり、かつ工程も短
縮できるので、安価に薄膜を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明で用いるパターニングされた電極を有
する基板の一例の平面図である。
【図2】 本発明の電極取り出し方法における各工程の
一例の電極部のみを示す説明図である。
【図3】 製造例1で得られたITOストライプ電極を
有する基板の平面図である。
【図4】 製造例2で得られたITOストライプ電極を
有する基板の平面図である。
【図5】 実施例2における導電性カラーフィルタの製
造工程図である。
【図6】 比較例1における取り出し電極作製の説明図
である。
【符号の説明】
1: 基板 2: 針でなぞる場所 3: 銀ペースト 4R:赤顔料の導電性薄膜 4G:緑顔料の導電性薄膜 4B:青顔料の導電性薄膜 5: 電極取り出し窓 A: 電極A B: 電極B C: 電極C Z: 画素部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同一基板上の複数の配線から電極を取り
    出すに当たり、(a)基板上に電極取り出し部分の配線
    を平面的段違いに作製する工程、(b)切断すべき配線
    に電位を印加する工程、(c)電位を印加した配線のみ
    を物理的接触により、選択的に切断する工程、(d)切
    断された配線の電極取り出し部分と通電すべき他の配線
    のみを接続して導通させ、該電極取り出し部分の配線を
    利用して電極を取り出す工程、を順次施すことを特徴と
    する電極の取り出し方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の方法により取り出された
    電極を利用して、電解法により同一基板上の複数の電極
    の上に、それぞれ疎水性物質の薄膜を形成させることを
    特徴とする薄膜の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の方法により形成された薄
    膜を有することを特徴とするカラーフィルタ。
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