JPH10251483A - 注型用エポキシ樹脂組成物及びその樹脂硬化物 - Google Patents

注型用エポキシ樹脂組成物及びその樹脂硬化物

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JPH10251483A
JPH10251483A JP6053097A JP6053097A JPH10251483A JP H10251483 A JPH10251483 A JP H10251483A JP 6053097 A JP6053097 A JP 6053097A JP 6053097 A JP6053097 A JP 6053097A JP H10251483 A JPH10251483 A JP H10251483A
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JP
Japan
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epoxy resin
powder
component
resin composition
viscosity
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JP6053097A
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English (en)
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Satoshi Ezaki
聡 江崎
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、強度が大きく耐熱衝撃性に優れ、
かつ熱膨張の小さい硬化物を与えることができ、したが
って樹脂型用や注型用等に有利に使用することができる
エポキシ樹脂組成物を提供すること、及び同エポキシ樹
脂組成物の硬化物を提供することを目的とするものであ
る。 【解決手段】下記の(イ)成分、(ロ)成分、(ハ)成
分及び(ニ)成分を含有し、(イ)成分及び(ロ)成分
の合計量100重量部に対し(ハ)成分及び(ニ)成分
の合計量が200〜900重量部であることを特徴とす
る注型用エポキシ樹脂組成物。 (イ)成分:三官能ないし四官能の液状エポキシ樹脂を
含有する、25℃における粘度が60ポイズ以下の低粘
度エポキシ樹脂 (ロ)成分:アミン系硬化剤 (ハ)成分:平均粒径が0.1〜100μmである金属
粉 (ニ)成分:リン酸化合物粉末

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性、強度及び耐熱
衝撃性に優れ、熱膨張の小さい硬化物を与えることので
きる、多量の金属粉を含有する注型用エポキシ樹脂組成
物、及びその樹脂硬化物に関する。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム粉末などの金属粉末を配合
したエポキシ樹脂組成物は公知である。たとえば、特公
昭50−38606号公報には、エポキシ樹脂100重
量部に対して、200〜50メッシュのアルミニウム粉
末40〜60重量部、及び硬化剤10〜20重量部を配
合してなる樹脂材料を適宜の形状に成形して鋳造用樹脂
模型を製造することが記載されている。しかし、この樹
脂模型は、アルミニウム粉末の配合量の上限が、エポキ
シ樹脂100重量部に対してせいぜい60重量部までで
あるので、樹脂型の硬化収縮が大きく、原型を忠実に転
写することができないことが問題であった。
【0003】また、特開昭60−137623号公報に
は、エポキシ樹脂で構成される射出成形用樹脂型の製造
法が記載されており、充填材としてアルミニウム粉末や
鉄粉などの金属粉を比較的多量に配合し、樹脂型の硬化
収縮を改善することが記載されている。しかし、この樹
脂型は、硬化剤としてアミン系硬化剤を用い、かつエポ
キシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂などを
用いているために、組成物粘度が高くなり、充填材とし
ての金属粉末は比較的に粒径の大きなものを使用しなけ
ればならなかった。しかも、粒径の大きな充填材を用い
て得られる樹脂型は、鋳肌の仕上がりに難点があるばか
りでなく、充填材が均一に分散しないために、樹脂組成
物は充填材の分離を起こす欠点があった。
【0004】更に、特開平2−53850号公報には、
脂環式エポキシ樹脂を含有する粘度50ポイズ以下の低
粘度エポキシ樹脂に、粒径44μm以下の微粉末を50
重量%以上含む金属粉を、エポキシ樹脂と硬化剤の合計
量100重量部に対し100重量部以上配合することに
より、硬化収縮が小さく、熱伝導性の良い硬化物が得ら
れることが記載されている。しかし、この場合には強度
及び耐熱衝撃性の点で満足できる結果が得られていな
い。これらの樹脂型は、金属金型に比べて製作の容易
さ、コスト等の面で有利であるが、強度や耐熱衝撃性が
低く、熱膨張が大きいために、樹脂型への切削等の加工
時に破損したり、特に大型の樹脂型の場合に繰り返し使
用すれば型に亀裂が生じるなどの欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記の従来
のエポキシ樹脂の欠点を克服した、強度が大きく耐熱衝
撃性に優れ、かつ熱膨張の小さい硬化物を与えることが
でき、したがって樹脂型用や注型用等に有利に使用する
ことができるエポキシ樹脂組成物を提供すること、及び
同エポキシ樹脂組成物の硬化物を提供することを目的と
するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記の課題
を克服するために鋭意研究を重ねた結果、三官能ないし
四官能の液状エポキシ樹脂を含有するエポキシ樹脂をア
ミン化合物硬化剤で硬化させる系において、充填材とし
て金属粉に加えてリン酸化合物を配合することにより、
耐熱衝撃性および強度に優れ、かつ熱膨張の小さい硬化
物を得られることを見いだし、本発明に到達した。すな
わち、本発明のエポキシ樹脂組成物は、下記の(イ)成
分、(ロ)成分、(ハ)成分及び(ニ)成分を含有し、
(イ)成分及び(ロ)成分の合計量100重量部に対し
(ハ)成分及び(ニ)成分の合計量が200〜900重
量部であることを特徴とする注型用エポキシ樹脂組成物
である。
【0007】(イ)成分:三官能ないし四官能の液状エ
ポキシ樹脂を含有する、25℃における粘度が60ポイ
ズ以下の低粘度エポキシ樹脂 (ロ)成分:アミン系硬化剤 (ハ)成分:平均粒径が0.1〜100μmである金属
粉 (ニ)成分:リン酸化合物粉末 また、本発明のエポキシ樹脂硬化物は、上記の注型用エ
ポキシ樹脂組成物を注型し硬化せしめてなるものであ
る。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明で用いる(イ)成分の液状
エポキシ樹脂は、25℃において60ポイズ以下である
ことが必要である。その粘度が60ポイズよりも高くな
ると、それを含む組成物の粘度が高くなり、流れ性が低
下し、注型硬化物製作時の作業性が著しく損なわれるた
め好ましくない。また、(イ)成分の粘度が低いほど
(ニ)及び(ホ)成分を増加させることができ、硬化物
の硬化収縮性、熱伝導性、耐熱衝撃性、強度等に有利な
らしめることができるので、(イ)成分の粘度は、25
℃において50ポイズ以下が好ましく、30ポイズ以下
であれば最も好ましい。
【0009】本発明で用いる(イ)成分の液状エポキシ
樹脂は、三官能ないし四官能の液状エポキシ樹脂を含有
する、25℃にける粘度が60ポイズ以下のものであ
る。三官能ないし四官能のエポキシ樹脂を用いると、二
官能エポキシ樹脂を用いた場合に比べて強度の著しく高
い硬化物が得られる。このエポキシ樹脂の粘度が60ポ
イズよりも高くなると、それを含む組成物の粘度が高く
なり、流れ性が低下し、注型硬化物製作時の作業性が著
しく損なわれるため好ましくない。また、(イ)成分の
粘度が低いほど、エポキシ樹脂組成物の粘度を増大させ
ることなく(ハ)成分及び(ニ)成分の配合量を増加さ
せることができ、硬化物の硬化収縮性を低下、強度およ
び引張り伸び性を増大させることができるので、(イ)
成分の25℃における粘度は、好ましくは50ポイズ以
下、更に好ましくは30ポイズ以下である。
【0010】(イ)成分の液状エポキシ樹脂としては、
たとえば、四官能のテトラグリシジルキシレンジアミ
ン、1,3−ビス(N,N’−ジグリシジルアミノメチ
ル)シクロへキサン、及びテトラグリシジルアミノジフ
ェニルメタン、三官能のトリグリシジルアミノフェノー
ル、及びトリグリシジルアミノクレゾールなどが挙げら
れるが、粘度の低いトリグリシジルアミノフェノール及
びトリグリシジルアミノクレゾールが好ましく用いられ
る。これらの三官能ないし四官能の液状エポキシ樹脂
は、1種類を用いてもよいし、2種以上を併用してもよ
い。また、これらの三官能ないし四官能の液状エポキシ
樹脂は、樹脂性能を損なわない範囲内において、他のエ
ポキシ樹脂を併用してもよい。本発明で用いる(ロ)成
分であるアミン系硬化剤は、公知のものが用いられ、好
ましくは、室温で液状である液状アミン系硬化剤が用い
られる。
【0011】液状アミン系硬化剤としては、トリエチレ
ンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジエチルア
ミノプロピルアミンなどの脂肪族ポリアミン、メンセン
ジアミン、イソフォロンジアミン、ビス(4−アミノ−
3−メチルシクロヘキシル)メタン、1,3−ビス(ア
ミノメチル)シクロへキサン、N−アミノエチルピペラ
ジン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,
8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン、
水素添加キシレンジアミン等の液状脂環族ポリアミン、
m−キシレンジアミン等の液状脂肪芳香族アミン、ジア
ミノジエチルジフェニルメタン等の液状芳香族アミンな
どが挙げられる。(ハ)成分及び(ニ)成分を増加させ
ることができ、50℃〜80℃程度の温度でエポキシ樹
脂を硬化させることができるために硬化収縮を小さくす
ることができ、したがって硬化物の熱伝導性、耐熱衝撃
性、強度等を向上させることができるため、脂環族ポリ
アミンが好ましく用いられる。
【0012】アミン系硬化剤の配合量は、通常のエポキ
シ樹脂において用いられるのと同程度でよく、通常、エ
ポキシ基当量/活性水素比で10/5〜10/20であ
る。本発明で用いる(ハ)成分の金属粉は、平均粒径が
0.1〜100μm、好ましくは0.5〜75μmであ
る。金属粉の平均粒径が100μmより大きくなると、
硬化物表面の仕上がりが悪くなるばかりでなく、樹脂組
成物中に(ハ)成分及び(ニ)成分の充填材が均一に分
散せず、樹脂組成物の貯蔵安定性が悪くなり、かつ樹脂
硬化物の強度及び耐熱衝撃性も低下するので好ましくな
い。一方、金属粉の平均粒径が0.1μmより小さくな
ると、樹脂組成物の粘度が著しく上昇し、注型硬化物製
作時等における作業性を損なうので好ましくない。
【0013】(ハ)成分の金属粉としては、たとえば、
アルミニウム粉末、銅粉末、鉄粉末、ニッケル粉末、ク
ロム粉末などの種々の金属粉末、及びこれらの各種の金
属の2種以上の合金粉末が挙げられる。なかでもアルミ
ニウム粉末及びアルミニウム合金粉末は、エポキシ樹脂
とのぬれ性に優れ、かつ比重が小さいために樹脂硬化物
を軽量化できるなどの理由で、特に好ましい。これらの
金属粉は、これらのみを用いてもよいし、場合によって
は、樹脂性能を損なわない範囲において、すなわち比較
的に少量の種々の無機充填材を併用することができる。
その具体例としては、シリカ粉、アルミナ粉、水酸化ア
ルミニウム粉、炭酸カルシウム粉、炭化ケイ素粉、窒化
アルミニウム粉、窒化ホウ素粉等が挙げられる。
【0014】本発明においては、(ニ)成分としてリン
酸化合物末を配合することを特徴とする。リン酸化合物
としては、室温で固体であること以外は特に制限はない
が、例えばリン酸モノエチル:(C25)PO(OH)
2、リン酸ジエチル:(C2 52PO(OH)、リン酸
アセチル:CH3COOPO(OH)2 等の有機リン酸
化合物、オルトリン酸塩、リン酸水素塩、リン酸二水素
塩、ピロリン酸塩、三リン酸塩等の無機リン酸塩が挙げ
られるが、強度及び耐熱衝撃性を大幅に高められるの
で、好ましくは無機リン酸塩、更に好ましくは、リン酸
塩鉱物が用いられる。リン酸塩鉱物としては、たとえ
ば、無水酸性リン酸塩鉱物であるモネタイト:CaH
(PO4)、無水正常リン酸塩鉱物であるトリフィル
石:Li(FeII、MnII)(PO4)、ナトロフィラ
イト:NaMnPO4、シックラー石:(Li、M
III、FeII)(PO4)、アルオー石:(Li、Fe
III、MnII)(PO4)、ヘテロ石:(FeIII、Mn
III)(PO4)、ウィトロック石:Ca3(PO42
ゼノタイム:Y(PO4)及びモナズ石:(Ce、L
a、Y、Th)(PO4)、含水酸性リン酸塩鉱物であ
るスターコライト:NH4NaHPO4・4H2O、及び
ブラッシュ石:CaHPO4・4H2O、含水正常リン酸
塩鉱物であるストルーブ石:Mg(NH4)(PO4)・
6H2O、フェアフィールド石:Ca2(Mn、Fe)
(PO42・2H2O、レッジング石:(Mn、Fe)3
(PO42・3H2O、ランテッ鉱:Fe3(PO42
8H2O、及びバリシア石:Al(PO4)・2H2O、
陰イオン含有無水リン酸塩であるヘルデル石:CaBe
(PO4)(F、OH)、アンブリゴ石:(Li、N
a)Al(PO4)(F、OH)、トリプロイド石:
(MnII、FeII2(PO4)(OH)、フロンデル
石:(MnII、FeII)FeIII 4(PO43(O
H)5、リンカイ石:Ca5(PO43(OH、F、C
l)、リョクエン鉱Pb5(PO43(Cl)、及びテ
ンラン石:(Mg、Fe)Al2(PO42(OH)2
陰イオン含有含水リン酸塩であるボリカイト:Ca3
III 14(OH)30(PO44、エバンス石:Al3(P
4)(OH)6・6H2O、デュモンタイト:Pb2(U
23(PO4 3(OH)4・3H2O、アイソクラサイ
ト:Ca2(PO4)(OH)・2H2O、チルドレン
石:(FeII、MnII、)Al(PO4)(OH)2・H
2O、トルコ石:CuAl6(PO44(OH)8・4H2
O、ギンセイ石:Al3(OH)3(PO42・5H
2O、リンドウウラン石:Cu(UO22(PO42
8〜12H2O、及びカコクセン石:Fe4(PO4
3(OH)3・12H2O、複合リン酸塩であるウッドハ
ウスアイト:CaAl3(PO4)(SO4)(OH)6
びジアドカイト:Fe2(PO4)(SO4)(OH)6
5H2O等が挙げられる。これらは天然物でも合成物で
あってもよい。樹脂成分と金属粉成分の接着性を大きく
高めることができるので、水酸基を含有し、かつ水和物
を含まない水酸基含有無水リン酸塩である水酸ヘルデル
石:CaBe(PO4)(OH)、水酸アンブリゴ石
(モンブラ石、ソーダモンブラ石):(Li、Na)A
l(PO4)(OH)、トリプロイド石、フロンデル
石、水酸リンカイ石Ca5(PO43(OH)及びテン
ラン石が好ましく用いられる。
【0015】(ニ)成分のリン酸化合物粉末の平均粒径
は、通常0.1〜40μmである。平均粒径がこの範囲
であると、硬化物表面の鋳肌の状態や、硬化物表面研磨
後の仕上がりが特に良好であり、かつ本発明のエポキシ
樹脂組成物における樹脂成分と金属粉成分の接着性を向
上させる効果が高まり、したがって強度及び耐熱衝撃性
を大幅に向上させることができ、更に樹脂組成物の粘度
が低下し、注型硬化物製作時等における作業性が向上さ
せることができる。(ニ)成分のリン酸化合物粉末の配
合量は、金属粉成分100重量部に対し、通常3〜40
重量部である。配合量がこの範囲であると、熱伝導性に
優れ、破損が起こりにくくなること、粘度が低く作業性
が良好なこと、及び樹脂成分と金属粉成分の接着性を高
めることができる。
【0016】(ニ)成分のリン酸化合物粉末を配合する
ことにより、(イ)成分及び(ロ)成分からなる樹脂成
分と(ハ)成分である金属粉との接着性を高めることに
より、強度及び耐熱衝撃性を向上させ、かつ熱膨張を低
減することにより、樹脂型を使用する時に生じる熱応力
に起因する破損を起こしにくくすることができる。リン
酸化合物を配合することにより強度及び耐熱衝撃性が向
上する理由は明らかではないが、エポキシ樹脂組成物の
硬化過程でリン酸イオンが遊離し、それが金属粉表面の
水酸基とキレート結合を形成し、これにより、金属フィ
ラーとエポキシマトリックスとの接着性が向上し、割れ
の進展を抑制する効果をもたらし、強度及び耐熱衝撃性
が向上すると推測される。
【0017】本発明のエポキシ樹脂組成物における、
(ハ)成分及び(ニ)成分で表される充填材成分の割合
は、(イ)成分及び(ロ)成分の合計量で表されるの樹
脂成分100重量部に対して、200〜900重量部、
好ましくは250〜550重量部である。全充填材成分
の割合が200重量部よりも小さくなると硬化物の熱膨
張が大きくなるために、樹脂型を繰り返し使用した場合
に型の破損が起こりやすくなり、一方、900重量部よ
りも大きくなると、樹脂組成物の粘度が著しく上昇し、
注型硬化物製作時等における作業性を損なうので好まし
くない。また、(ハ)成分の金属粉、及び(ニ)成分の
リン酸化合物粉末の粒径分布は、粒径分布の幅の狭いも
のよりも広いものの方が樹脂組成物の粘度を低下させや
すいので好ましい。そのために、平均粒径の異なる複数
の粉末を混合して最密充填に近い状態で使用するのが好
ましい。
【0018】本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に
応じて、前記(イ)成分〜(ニ)成分のほかに、組成物
の性質を損なわない程度において、必要に応じて種々の
添加剤を添加することができる。その具体例としては、
たとえば硬化促進剤、難燃剤、チクソトロピー付与剤、
反応性希釈剤、可撓性付与剤、レベリング剤、潤滑剤、
消泡剤、分散剤、カップリング剤、染料、顔料、防錆剤
等が挙げられるが、これらの添加剤の添加は公知技術で
あるので、その詳しい説明を省略する。
【0019】本発明のエポキシ樹脂組成物の調製は、必
須成分の前記(イ)成分〜(ニ)成分、及び必要に応じ
て添加する添加剤を適宜に混合し、混練することにより
行われるが、その混練には、たとえばニーダー、ロー
ル、ミキサーなどが適宜に使用される。なお、(ロ)成
分のアミン系硬化剤だけは、樹脂組成物の使用直前に混
合するようにするのが好ましい場合がある。また、本発
明のエポキシ樹脂組成物は、種々の方法を用いて硬化さ
せることができ、それにより耐熱性が高く、硬化収縮及
び熱膨張が小さく、表面特性が良好で、かつ強度及び耐
熱衝撃性が優れた硬化物が得られるので、樹脂型をはじ
めとし、治具その他各種の物品用成形物として優れた性
能を示す。また、その注型・硬化して得られる樹脂型等
は、無電解メッキ、電気メッキ等の方法で表面メッキし
て使用することもできる。
【0020】
【実施例】以下に、実施例及び比較例を挙げて更に詳述
するが、本発明はこれらの実施例により制限されるもの
ではない。 <実施例1>下記の試料をニーダーで混合した組成物を
型に注入し、50℃で6時間加熱後脱型し、これを15
0℃で6時間加熱して硬化させた。得られた硬化物の硬
化収縮率、線膨張係数、曲げ強度を測定し、耐熱衝撃試
験を行った。結果を表−1に示す。 トリグリシジル−p−アミノクレゾール(25℃におけ
る粘度:15ポイズ)60g ジエチルアミノプロピルアミン40g アルミニウム粉末(平均粒径40μm)150g ギンセイ石粉末(平均粒径50μm)150g
【0021】<実施例2>下記試料を用いた以外は実施
例1と同様の操作を行い、同様の試験をした。結果を表
−1に示す。 トリグリシジル−p−アミノクレゾール(25℃におけ
る粘度:15ポイズ)60g ジエチルアミノプロピルアミン40g アルミニウム粉末(平均粒径40μm)150g ギンセイ石粉末(平均粒径15μm)150g
【0022】<実施例3>下記試料を用いた以外は実施
例1と同様の操作を行い、同様の試験をした。結果を表
−1に示す。 トリグリシジル−p−アミノクレゾール(25℃におけ
る粘度:15ポイズ)60g ジエチルアミノプロピルアミン40g アルミニウム粉末(平均粒径40μm)280g ギンセイ石粉末(平均粒径15μm)20g
【0023】<実施例4>下記試料を用いた以外は実施
例1と同様の操作を行い、同様の試験をした。結果を表
−1に示す。 トリグリシジル−p−アミノクレゾール(25℃におけ
る粘度:15ポイズ)60g ジエチルアミノプロピルアミン40g アルミニウム粉末(平均粒径40μm)280g 水酸リンカイ石粉末(平均粒径15μm)20g
【0024】<実施例5>下記試料を用いた以外は実施
例1と同様の操作を行い、同様の試験をした。結果を表
−1に示す。 トリグリシジル−p−アミノクレゾール(25℃におけ
る粘度:15ポイズ)70g イソフォロンジアミン30g アルミニウム粉末(平均粒径40μm)280g 水酸リンカイ石粉末(平均粒径15μm)20g
【0025】<実施例6>下記試料を用いた以外は実施
例1と同様の操作を行い、同様の試験をした。結果を表
−1に示す。 トリグリシジル−p−アミノクレゾール(25℃におけ
る粘度:15ポイズ)60g N,N−ジグリシジル−o−トルイジン(25℃におけ
る粘度:1.5ポイズ) 10g イソフォロンジアミン30g アルミニウム粉末(平均粒径40μm)280g 水酸リンカイ石粉末(平均粒径15μm)20g
【0026】<実施例7>下記試料を用いた以外は実施
例1と同様の操作を行い、同様の試験をした。結果を表
−1に示す。 トリグリシジル−p−アミノクレゾール(25℃におけ
る粘度:15ポイズ)70g イソフォロンジアミン30g 2−エチル−4−メチルイミダゾール1g アルミニウム粉末(平均粒径40μm)280g 水酸リンカイ石粉末(平均粒径15μm)20g
【0027】<実施例8>下記試料を用いた以外は実施
例1と同様の操作を行い、同様の試験をした。結果を表
−1に示す。 トリグリシジル−p−アミノクレゾール(25℃におけ
る粘度:15ポイズ)60g N,N−ジグリシジル−o−トルイジン(25℃におけ
る粘度:1.5ポイズ) 10g イソフォロンジアミン30g 2−エチル−4−メチルイミダゾール1g アルミニウム粉末(平均粒径40μm)280g 水酸リンカイ石粉末(平均粒径15μm)20g
【0028】<実施例9>下記試料を用いた以外は実施
例1と同様の操作を行い、同様の試験をした。結果を表
−1に示す。 トリグリシジル−p−アミノクレゾール(25℃におけ
る粘度:15ポイズ)70g イソフォロンジアミン30g アルミニウム粉末(平均粒径40μm)270g 水酸化アルミニウム粉(平均粒径1μm)10g 水酸リンカイ石粉末(平均粒径15μm)20g
【0029】<実施例10>下記試料を用いた以外は実
施例1と同様の操作を行い、同様の試験をした。結果を
表−1に示す。 トリグリシジル−p−アミノクレゾール(25℃におけ
る粘度:15ポイズ)60g N,N−ジグリシジル−o−トルイジン(25℃におけ
る粘度:1.5ポイズ) 10g イソフォロンジアミン30g 2−エチル−4−メチルイミダゾール1g アルミニウム粉末(平均粒径40μm)270g 水酸化アルミニウム粉(平均粒径1μm)10g 水酸リンカイ石粉末(平均粒径15μm)20g
【0030】<実施例11>下記試料を用いた以外は実
施例1と同様の操作を行い、同様の試験をした。結果を
表−1に示す。 トリグリシジル−p−アミノフェノール(25℃におけ
る粘度:20ポイズ)60g N,N−ジグリシジル−o−トルイジン(25℃におけ
る粘度:1.5ポイズ) 10g イソフォロンジアミン30g 2−エチル−4−メチルイミダゾール1g アルミニウム粉末(平均粒径40μm)270g 水酸化アルミニウム粉(平均粒径1μm)10g 水酸リンカイ石粉末(平均粒径15μm)20g
【0031】<実施例12>下記試料を用いた以外は実
施例1と同様の操作を行い、同様の試験をした。結果を
表−1に示す。 トリグリシジル−p−アミノフェノール(25℃におけ
る粘度:20ポイズ)60g N,N−ジグリシジル−o−トルイジン(25℃におけ
る粘度:1.5ポイズ) 10g ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン
30g 2−エチル−4−メチルイミダゾール1g アルミニウム粉末(平均粒径40μm)270g 水酸化アルミニウム粉(平均粒径1μm)10g 水酸リンカイ石粉末(平均粒径15μm)20g
【0032】<比較例1>下記試料を用いた以外は実施
例1と同様の操作を行い、同様の試験をした。結果を表
−1に示す。 トリグリシジル−p−アミノクレゾール(25℃におけ
る粘度:15ポイズ)70g イソフォロンジアミン30g アルミニウム粉末(平均粒径40μm)300g
【0033】<比較例2>下記試料を用いた以外は実施
例1と同様の操作を行い、同様の試験をした。結果を表
−1に示す。 トリグリシジル−p−アミノクレゾール(25℃におけ
る粘度:15ポイズ)70g イソフォロンジアミン30g アルミニウム粉末(平均粒径40μm)80g 水酸リンカイ石(平均粒径15μm)20g
【0034】<比較例3>下記試料を用いた以外は実施
例1と同様の操作を行い、同様の試験をした。結果を表
−1に示す。 ビスフェノールAジグリシジルエーテル(25℃におけ
る粘度:100ポイズ) 50g N,N−ジグリシジル−o−トルイジン(25℃におけ
る粘度:1.5ポイズ) 30g イソフォロンジアミン20g アルミニウム粉末(平均粒径40μm)280g 水酸リンカイ石(平均粒径15μm)20g
【0035】<比較例4>下記試料を用いた以外は実施
例1と同様の操作を行い、同様の試験をした。結果を表
−1に示す。 トリグリシジル−p−アミノクレゾール(25℃におけ
る粘度:15ポイズ)40g メチルヘキサヒドロ無水フタル酸60g 2−エチル−4−メチルイミダゾール2g アルミニウム粉末(平均粒径40μm)280g 水酸リンカイ石(平均粒径15μm)20g
【0036】
【表1】 表1の注 *1…〔(注型する型の寸法)−(硬化物の寸法)〕/注型する型の寸法 *2…熱機械分析測定装置により測定 *3…JIS K−6911 *4…300gの円柱形(φ50mm)の硬化物をサンプルとし、230℃ に加熱、及び0℃の水中に投入し急冷、の2工程を1熱衝撃サイクル とする熱衝撃サイクルを繰り返したときに、サンプルにクラックが発生 するサイクル以前に行ったサイクル数を、そのサンプルの耐熱衝撃点数 として評価 (例)第1熱衝撃サイクル中にクラック発生…0点 第2熱衝撃サイクル中にクラック発生…1点 第n熱衝撃サイクル中にクラック発生…(n−1)点
【0037】
【発明の効果】本発明のエポキシ樹脂組成物は耐熱性、
強度及び耐熱衝撃性に優れ、熱膨張が小さく、したがっ
て亀裂を生じにくく強靭な硬化物を与えることができる
ので、各種の樹脂型や治具等の製造に有利に使用するこ
とができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の(イ)成分、(ロ)成分、(ハ)成
    分及び(ニ)成分を含有し、(イ)成分及び(ロ)成分
    の合計量100重量部に対し(ハ)成分及び(ニ)成分
    の合計量が200〜900重量部であることを特徴とす
    る注型用エポキシ樹脂組成物。 (イ)成分:三官能ないし四官能の液状エポキシ樹脂を
    含有する、25℃における粘度が60ポイズ以下の低粘
    度エポキシ樹脂 (ロ)成分:アミン系硬化剤 (ハ)成分:平均粒径が0.1〜100μmである金属
    粉 (ニ)成分:リン酸化合物粉末
  2. 【請求項2】リン酸化合物粉末がリン酸塩鉱物粉末であ
    る請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. 【請求項3】リン酸化合物粉末の平均粒径が0.1〜4
    0μmである請求項1又は2に記載のエポキシ樹脂組成
    物。
  4. 【請求項4】リン酸化合物粉末の含有量が、金属粉成分
    100重量部に対し、3〜40重量部である請求項1な
    いし3いずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  5. 【請求項5】リン酸塩鉱物粉末が水酸基含有無水リン酸
    塩鉱物粉末である請求項2に記載のエポキシ樹脂組成
    物。
  6. 【請求項6】アミン系硬化剤が液状脂環族ポリアミン化
    合物である請求項1ないし5いずれか1項に記載のエポ
    キシ樹脂硬化物。
  7. 【請求項7】請求項1ないし6いずれか1項に記載のエ
    ポキシ樹脂組成物を硬化せしめてなるエポキシ樹脂硬化
    物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN110643150A (zh) * 2019-09-30 2020-01-03 哈尔滨玻璃钢研究院有限公司 高强度耐热树脂基体及利用其高效率制备高性能复合材料的方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN110643150A (zh) * 2019-09-30 2020-01-03 哈尔滨玻璃钢研究院有限公司 高强度耐热树脂基体及利用其高效率制备高性能复合材料的方法
CN110643150B (zh) * 2019-09-30 2022-05-17 哈尔滨玻璃钢研究院有限公司 高强度耐热树脂基体及利用其高效率制备高性能复合材料的方法

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