JPH1025142A - コンクリート又はモルタル用劣化防止剤、それを含有するコンクリート、モルタル - Google Patents

コンクリート又はモルタル用劣化防止剤、それを含有するコンクリート、モルタル

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JPH1025142A
JPH1025142A JP8177590A JP17759096A JPH1025142A JP H1025142 A JPH1025142 A JP H1025142A JP 8177590 A JP8177590 A JP 8177590A JP 17759096 A JP17759096 A JP 17759096A JP H1025142 A JPH1025142 A JP H1025142A
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mortar
deterioration
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Hiromi Uchida
弘美 内田
Reiko Tanaka
玲子 田中
Michiko Tamano
美智子 玉野
Toshio Enokida
年男 榎田
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
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    • C04B24/40Compounds containing silicon, titanium or zirconium or other organo-metallic compounds; Organo-clays; Organo-inorganic complexes
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    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 硫黄酸化細菌の作用で生成する硫酸による下
水道処理施設等のコンクリート又はモルタルの劣化を防
止する、コンクリート又はモルタル用劣化防止剤を提供
する。 【解決手段】 本発明は、β−ジケトン系金属錯体から
なる劣化防止剤をコンクリート又はモルタルに含有さ
せ、β−ジケトン金属錯体から、硫黄酸化細菌の作用に
より生じる硫酸との反応で溶出する金属イオンによっ
て、硫黄酸化細菌を防菌及び/又は殺菌する方法であ
る。この方法により、効果的に且つ長時間に渡ってコン
クリート又はモルタルの劣化を防止することができ、特
に下水処理施設等におけるコンクリート又はモルタル構
造物の劣化防止に有効である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硫黄酸化細菌を防
菌及び/又は殺菌することを特徴とするコンクリート又
はモルタル用劣化防止剤、それを用いたコンクリート、
モルタルに関する。更に詳しくは、下水道処理施設等の
コンクリート又はモルタルに好適に用いられる劣化防止
剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、特に水が滞留する下水処理管等か
ら発生する硫化水素は、チオバチルス(Thiobacillus)
属等の硫黄酸化細菌で酸化されることにより硫酸に変化
し、コンクリート又はモルタル構造物中のカルシウムと
反応して石膏化を進ませ、コンクリート又はモルタル構
造物を著しく劣化させることが知られている。更に、下
水処理施設等のコンクリート又はモルタル構造物は、塗
装されていても、塗膜中のピンホールを通して塗料が剥
離したり、塗膜中のエポキシ樹脂等の高分子材料にクラ
ックが発生し劣化することが知られている。
【0003】コンクリートの劣化サイクルには、2種類
の微生物が関与していることが知られている。まず、下
水中に存在している硫酸塩(通常、硫酸塩濃度は20〜
40mg/Lの範囲である)が、嫌気的条件下で硫酸還
元細菌により還元され、硫化水素が発生する。次いで、
この硫化水素がコンクリート壁面の付着水に吸着され、
好気的条件下で硫黄酸化細菌により硫化水素が酸化され
て硫酸が発生し、この硫酸によりコンクリートの腐食が
生じる。腐食生成物は、硫酸イオンとコンクリート中の
カルシウムが反応した硫酸カルシウム(石膏)である。
【0004】2種類の微生物のうち、硫黄酸化細菌がコ
ンクリート劣化の主原因であると考えられており、種々
の防止方法が提案されている。例えば、下水中に過酸化
水素、塩素化合物、又は鉄、亜鉛、鉛、銅等の金属塩を
大量に添加して下水中の硫化水素を捕捉する方法が知ら
れているが、効果的ではなく、経済性に問題がある。ま
た、換気により硫化水素の気中濃度を低減する方法が知
られているが、換気をした先で悪臭が生じ、満足のいく
方法ではない。更に、エポキシ樹脂などのライニングに
よりコンクリートを保護する方法が知られているが、こ
の方法は施工費が高く、寿命が短いため定期的に再塗装
が必要である。しかも、長期間にわたり下水処理施設の
運転を停止せざるを得ないという欠点を有している。
【0005】また、抗菌剤をコンクリートに混入する方
法が知られている。コンクリートに混入させる抗菌剤と
して、Na−PCP(ペンタクロロフェノールナトリウ
ム)等の有機化合物があるが、抗菌剤は、コンクリート
にピンホールや亀裂を生じさせ、耐久性に欠けるという
問題点があり、更に、該Na−PCPは使用が禁止され
ているのが現状である。
【0006】金属及び/又は金属酸化物をコンクリート
に含有させてコンクリートの劣化を防ぐ方法が、特開平
4−149053号公報に開示されている。しかし、こ
の方法は金属又は金属酸化物を単体で、あるいは混合し
て使用しているため、硫酸に対する溶解性が高く、継続
性が短い。また、使用量が多くなるなどの欠点を有して
いる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、効果的に且
つ長期間に渡ってコンクリート又はモルタルの劣化を防
止することができる劣化防止剤、及びそれらを含有する
コンクリート、モルタルの提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、β−ジケ
トン系金属錯体を含有することを特徴とするコンクリー
ト又はモルタル用劣化防止剤を提供する。
【0009】更に本発明は、β−ジケトン系金属錯体の
金属原子が、亜鉛、銅、鉛、コバルト、ニッケル、クロ
ム、マンガン、パラジウム、白金、アルミニウム、鉄、
ガリウム、インジウム、チタン、バナジウム及びスカン
ジウムの少なくとも一種であるコンクリート又はモルタ
ル用劣化防止剤を提供する。
【0010】更に本発明は、上記コンクリート又はモル
タル用劣化防止剤を含有するコンクリートを提供する。
【0011】更に本発明は、上記コンクリート又はモル
タル用劣化防止剤を含有するモルタルを提供する。
【0012】本発明の劣化防止剤をコンクリート、モル
タルに用いれば、土壌、下水中などに存在して繁殖する
チオバチルス属等の硫黄酸化細菌を防菌及び/又は殺菌
することにより、コンクリート劣化のサイクルを切断す
ることができ、これにより効果的且つ長期間に渡ってコ
ンクリートなどの劣化を防止することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明に使用されるβ−ジケトン
系金属錯体とは、β−ジケトンを基本骨格とする配位子
に金属原子を配位させた化合物である。β−ジケトンの
化学構造を下記一般式[1]に示す。 一般式[1]
【0014】
【化1】
【0015】[式中、R1 及びR2 は、それぞれ独
立に、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは
未置換のシクロアルキル基、置換もしくは未置換のアリ
ール基、置換もしくは未置換の複素環基を表す。]
【0016】上記一般式[1]中のR1 及びR2 で
示される置換もしくは未置換のアルキル基の具体的な例
としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル
基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ステアリル
基、トリクロロメチル基、トリフロロメチル基等があ
る。置換もしくは未置換のシクロアルキル基の具体的な
例としては、シクロプロピル基、シクロヘキシル基等が
ある。置換もしくは未置換のアリール基の具体的な例と
しては、フェニル基、ビフェニル基、トリフェニル基、
テトラフェニル基、ナフチル基、アントラニル基、フェ
ナントリル基、ピレニル基、フルオレニル基、アズレニ
ル基、インデニル基等がある。置換もしくは未置換の複
素環基の具体的な例としては、フラニル基、ピロリル
基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、
チアゾリル基、オキサジアゾリル基、トリアゾリル基、
チアジアゾリル基、ピラニル基、ピリジニル基、ピリダ
ジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、トリアジニ
ル基、ベンゾフラニル基、インドリル基、チオナフチル
基、ベンゾイミダゾリル基、デンゾチアゾリル基、プリ
ニル基、キノリル基、イソキノリル基、クマリニル基、
シノリニル基、キノキサニル基、フラニル基、チオフェ
ニル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基、アクリジ
ル基、フェナンスロニル基、フェノチアゾリル基、ピロ
リジニル基、1,3−ジオキソラニル基、2−ピラゾリ
ジニル基、ピペリジニル基、p−ジオキサニル基、モリ
フォリニル基、ピレラジニル基、s−トリチアニル基等
がある。
【0017】上記の置換もしくは未置換のアルキル基、
置換もしくは未置換のシクロアルキル基、置換もしくは
未置換のアリール基、置換もしくは未置換の複素環基に
置換しても良い置換基としては、フッ素、塩素、臭素、
ヨウ素等のハロゲン原子、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル
基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル
基、ステアリル基、トリクロロメチル基、トリフロロメ
チル基、シクロプロピル基、シクロヘキシル基、1,3
−シクロヘキサジエニル基、2−シクロペンテン−1−
イル基、2,4−シクロペンタジエン−1−イリデニル
基等の置換もしくは未置換のアルキル基、メトキシ基、
エトキシ基、プロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−
ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ
基、ヘキシルオキシ基、ステアリルオキシ基、トリフロ
ロメトキシ基等の置換もしくは未置換のアルコキシ基、
メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチル
チオ基、sec−ブチルチオ基、tert−ブチルチオ
基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、ヘプチルチオ
基、オクチルチオ基等の置換もしくは未置換のチオアル
コキシ基、ニトロ基、シアノ基、カルボニル基、エステ
ル基、水酸基、スルホン酸基、ビニル基、メチルアミノ
基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミ
ノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基等のアル
キル基置換アミノ基、ジフェニルアミノ基、ジトリルア
ミノ基等の炭素環式芳香族アミノ基、ビス(アセトオキ
シメチル)アミノ基、ビス(アセトオキシエチル)アミ
ノ基、ビス(アセトオキシプロピル)アミノ基、ビス
(アセトオキシブチル)アミノ基、ジベンジルアミノ基
等のモノまたはジ置換アミノ基、フェノキシ基、p−t
ert−ブチルフェニキシ基、3−フルオロフェニキシ
基等の置換もしくは未置換のアリールオキシ基、フェニ
ルチオ基、3−フルオロフェニルチオ基等の置換もしく
は未置換のアリールチオ基等がある。
【0018】上記一般式[1]中のR1 及びR2 と
しては、具体的には、メチル基、tert−ブチル基、
トリフロロメチル基、フェニル基、フラニル基、チオフ
ェニル基等であることが望ましい。
【0019】上記β−ジケトン系金属錯体の金属原子と
しては、亜鉛、銅、鉛、コバルト、ニッケル、クロム、
マンガン、パラジウム、白金、アルミニウム、鉄、ガリ
ウム、インジウム、チタン、バナジウム及びスカンジウ
ムの少なくとも一種であることが望ましい。
【0020】前記β−ジケトン系金属錯体は、コンクリ
ート又はモルタルと容易に且つ均一に混合できるよう
に、微粉末状であることが望ましい。粒子は、平均粒子
径として0.01μm〜1mm、好ましくは1μm〜
0.1mmの微粉末が望ましい。
【0021】前記β−ジケトン系金属錯体の含有割合
は、コンクリート又はモルタル中のセメント成分100
重量部に対して、0.001〜30重量部、好ましくは
0.01〜5重量部であることが望ましい。β−ジケト
ン系金属錯体の含有割合が0.001重量部未満の場合
は、硫黄酸化細菌に対する防菌及び/又は殺菌効果を長
時間持続させることが困難である。一方、30重量部を
越えて含有させても、硫黄酸化細菌に対する防菌及び/
又は殺菌効果の向上は期待できず、コスト高になり好ま
しくない。コンクリート又はモルタルに添加するβ−ジ
ケトン系金属錯体は、必要があれば二種類以上のβ−ジ
ケトン系金属錯体を添加しても良い。
【0022】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例により詳細
に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0023】(実施例1〜10)セメント100重量
部、砂200重量部、及び水50重量部からなるモルタ
ル成分に、平均粒子径1.0μmの表1に示すβ−ジケ
トン系金属錯体を2.5重量部添加し、モルタルミキサ
ーにより充分混合攪拌した後、型枠に入れて養生を28
日間行い、モルタル供試体を得た。
【0024】
【表1】 ────────────────────────────────── 一般式[1]の配位子 実施例 金属 ─────────────────── R1 R2 ────────────────────────────────── 1,16 Zn メチル基 チオフェニル基 2,17 Cu メチル基 チオフェニル基 3,18 Pb メチル基 チオフェニル基 4,19 Co メチル基 チオフェニル基 5,20 Ni メチル基 チオフェニル基 6,21 Cr メチル基 チオフェニル基 7,22 Mn メチル基 チオフェニル基 8,23 Pt メチル基 チオフェニル基 9,24 Fe メチル基 チオフェニル基 10,25 Ti メチル基 チオフェニル基 ─────────────────────────────────── R1 及びR2 は、それぞれ独立に、前記一般式
[1]に示された置換もしくは未置換のアルキル基、置
換もしくは未置換のシクロアルキル基、置換もしくは未
置換のアリール基、置換もしくは未置換の複素環基を表
す。
【0025】(実施例11〜15)表1のβ−ジケトン
系金属錯体に代えて、平均粒子径1.0μmの表2に示
すβ−ジケトン系金属錯体を使用した以外は、実施例1
と同様な方法でモルタル供試体を得た。
【0026】
【表2】 ────────────────────────────────── 一般式[1]の配位子 実施例 金属 ─────────────────── R1 R2 ─────────────────────────────────── 11,26 Ni メチル基 メチル基 12,27 Ni トリフロロメチル基 チオフェニル基 13,28 Ni トリフロロメチル基 フラニル基 14,29 Ni tert−ブチル基 tert−ブチル基 15,30 Ni トリフロロメチル基 フェニル基 ─────────────────────────────────── R1 及びR2 は、それぞれ独立に、前記一般式
[1]に示された置換もしくは未置換のアルキル基、置
換もしくは未置換のシクロアルキル基、置換もしくは未
置換のアリール基、置換もしくは未置換の複素環基を表
す。
【0027】(実施例16〜25)セメント120重量
部及び水80重量部からなるコンクリート成分に、平均
粒子径1.0μmの表1に示すβ−ジケトン系金属錯体
を3.0重量部添加し、コンクリートミキサーにより充
分混合撹拌した後、型枠に入れて養生を28日間行い、
コンクリート供試体を得た。
【0028】(実施例26〜30)表1のβ−ジケトン
系金属錯体に代えて、平均粒子径1.0μmの表2に示
すβ−ジケトン系金属錯体を使用した以外は、実施例1
5と同様な方法でコンクリート供試体を得た。
【0029】(比較例1)β−ジケトン系金属錯体の代
わりに有機窒素硫黄系抗菌剤を使用した以外は、実施例
1と同様な方法でモルタル供試体を得た。
【0030】(比較例2)β−ジケトン系金属錯体の代
わりに有機窒素硫黄系抗菌剤を使用した以外は、実施例
15と同様な方法でコンクリート供試体を得た。
【0031】実施例及び比較例で得られた供試体を、下
水処理場の汚泥施設の壁内に曝し、9ヶ月間汚泥に暴露
して硫黄酸化細菌の付着状況及び供試体の石膏化状況
を、以下のようにして評価した。結果を表3に示す。
【0032】(硫黄酸化細菌の付着状況)供試体の表面
を、歯磨き用のブラシを用いて、滅菌した水道水(オー
トクレーブで20分間滅菌)50mlで洗浄し、その洗
浄液を超音波破砕した後、希釈した。これを、固体ON
M培地(今井、和民、片桐著、“硫黄細菌の生化学的研
究”、醗酵工学、42巻、762頁、1964年)を用
いて、培養温度30℃で11日間培養し、生じたコロニ
ーを計数した。この値から、洗浄液1ml当たりの硫黄
酸化細菌の数(cell/ml)を求め、以下に示す評
価基準から硫黄酸化細菌の付着状況を評価した。
【0033】(石膏化状況)供試体の表面を10gサン
プリングし、X線回折装置を用いて硫酸カルシウムの量
を測定した。この値から、供試体表面のカルシウムのう
ち硫酸による腐食生成物である硫酸カルシウムに変化し
た割合(%)を求め、以下に示す評価基準から供試体の
石膏化状況を評価した。
【0034】硫黄酸化細菌の付着状況の評価基準 評価 1:106 cell/ml以上 評価 2:104 〜106 cell/ml 評価 3:102 〜104 cell/ml 評価 4:102 cell/ml未満 評価 5:付着は全く認められず
【0035】供試体の石膏化状況の評価基準 評価 1:80%以上 評価 2:50〜80% 評価 3:30〜50% 評価 4:1〜30% 評価 5:石膏化は全く認められず
【0036】
【表3】 ────────────────────────────────── 実施例及び比較例 硫黄酸化細菌の付着状況 石膏化状況 ────────────────────────────────── 実施例1 評価 4 評価 4 実施例2 評価 4 評価 5 実施例3 評価 4 評価 5 実施例4 評価 5 評価 5 実施例5 評価 5 評価 5 実施例6 評価 4 評価 5 実施例7 評価 4 評価 5 実施例8 評価 5 評価 5 実施例9 評価 4 評価 5 実施例10 評価 4 評価 4 実施例11 評価 3 評価 4 実施例12 評価 5 評価 5 実施例13 評価 5 評価 5 実施例14 評価 4 評価 4 実施例15 評価 4 評価 5 実施例16 評価 4 評価 4 実施例17 評価 4 評価 5 実施例18 評価 4 評価 5 実施例19 評価 5 評価 5 実施例20 評価 5 評価 5 実施例21 評価 4 評価 5 実施例22 評価 4 評価 5 実施例23 評価 5 評価 5 実施例24 評価 4 評価 5 実施例25 評価 4 評価 4 実施例26 評価 3 評価 4 実施例27 評価 5 評価 5 実施例28 評価 5 評価 5 実施例29 評価 4 評価 4 実施例30 評価 4 評価 5 比較例1 評価 1 評価 1 比較例2 評価 1 評価 2 ──────────────────────────────────
【0037】本発明のβ−ジケトン系金属錯体を含有さ
せたコンクリート又はモルタルでは、硫黄酸化細菌の付
着状況、石膏化状況とも評価3〜5であったが、β−ジ
ケトン系金属錯体の代わりに有機窒素硫黄系抗菌剤を含
有させたコンクリート又はモルタルでは、硫黄酸化細菌
の付着が著しく表面は石膏化して劣化が進んでいた。こ
のことから、β−ジケトン系金属錯体はコンクリート又
はモルタルの劣化防止に有効であることが認められた。
【0038】
【発明の効果】本発明は、下水道処理施設等のコンクリ
ート又はモルタルの劣化を防止する方法であり、それら
のコンクリート又はモルタルにβ−ジケトン系金属錯体
を含有させることで、コンクリート又はモルタルの劣化
を防止できる。下水道処理施設等のコンクリート又はモ
ルタルの劣化の原因となる硫酸を生成するチオバチルス
属等の硫黄酸化細菌は、微量な種々の金属イオンにより
生育阻害を受けることが知られており、β−ジケトン金
属錯体から、硫黄酸化細菌の作用により生じる硫酸との
反応で金属イオンが溶出し、これにより硫黄酸化細菌は
防菌及び/又は殺菌される。前述の特開平4−1490
53号公報に開示されている金属及び/又は金属酸化物
を用いる方法に比べ、β−ジケトン金属錯体を用いる本
発明の劣化防止方法は、硫酸により溶出する金属イオン
量を生育阻害活性を示す程度の低いレベルに保つことが
可能であり、これにより長期間に渡って金属イオンの溶
出を維持することができるので、特に下水処理施設等に
おけるコンクリート又はモルタル構造物の劣化防止に有
効である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C04B 28/02 C04B 28/02 // C04B 103:60 103:69 (72)発明者 榎田 年男 東京都中央区京橋二丁目3番13号 東洋イ ンキ製造株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 β−ジケトン系金属錯体を含有すること
    を特徴とするコンクリート又はモルタル用劣化防止剤。
  2. 【請求項2】 β−ジケトン系金属錯体の金属原子が、
    亜鉛、銅、鉛、コバルト、ニッケル、クロム、マンガ
    ン、パラジウム、白金、アルミニウム、鉄、ガリウム、
    インジウム、チタン、バナジウム及びスカンジウムの少
    なくとも一種であることを特徴とする請求項1記載のコ
    ンクリート又はモルタル用劣化防止剤。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のコンクリート又は
    モルタル用劣化防止剤を含有することを特徴とするコン
    クリート。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2記載のコンクリート又は
    モルタル用劣化防止剤を含有することを特徴とするモル
    タル。
JP8177590A 1996-07-08 1996-07-08 コンクリート又はモルタル用劣化防止剤、それを含有するコンクリート、モルタル Pending JPH1025142A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999003349A1 (fr) * 1997-07-14 1999-01-28 Hazama Corporation Inhibiteur de croissance de thiobacillus thiooxidans, composition de ciment, et structure a base de ciment

Cited By (2)

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