JP4378041B2 - 石膏系建材 - Google Patents
石膏系建材 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4378041B2 JP4378041B2 JP2000259980A JP2000259980A JP4378041B2 JP 4378041 B2 JP4378041 B2 JP 4378041B2 JP 2000259980 A JP2000259980 A JP 2000259980A JP 2000259980 A JP2000259980 A JP 2000259980A JP 4378041 B2 JP4378041 B2 JP 4378041B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- gypsum
- anthraquinone
- hydrogen sulfide
- group
- generation
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C04—CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
- C04B—LIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
- C04B41/00—After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone
- C04B41/009—After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone characterised by the material treated
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C04—CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
- C04B—LIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
- C04B24/00—Use of organic materials as active ingredients for mortars, concrete or artificial stone, e.g. plasticisers
- C04B24/008—Aldehydes, ketones
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C04—CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
- C04B—LIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
- C04B28/00—Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements
- C04B28/14—Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements containing calcium sulfate cements
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C04—CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
- C04B—LIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
- C04B41/00—After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone
- C04B41/45—Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements
- C04B41/46—Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements with organic materials
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C04—CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
- C04B—LIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
- C04B41/00—After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone
- C04B41/60—After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone of only artificial stone
- C04B41/61—Coating or impregnation
- C04B41/62—Coating or impregnation with organic materials
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C04—CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
- C04B—LIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
- C04B2111/00—Mortars, concrete or artificial stone or mixtures to prepare them, characterised by specific function, property or use
- C04B2111/00017—Aspects relating to the protection of the environment
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C04—CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
- C04B—LIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
- C04B2111/00—Mortars, concrete or artificial stone or mixtures to prepare them, characterised by specific function, property or use
- C04B2111/00474—Uses not provided for elsewhere in C04B2111/00
- C04B2111/00612—Uses not provided for elsewhere in C04B2111/00 as one or more layers of a layered structure
- C04B2111/0062—Gypsum-paper board like materials
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Ceramic Engineering (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Structural Engineering (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Inorganic Chemistry (AREA)
- Compounds Of Alkaline-Earth Elements, Aluminum Or Rare-Earth Metals (AREA)
- Building Environments (AREA)
- Panels For Use In Building Construction (AREA)
- Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、廃棄された際、有機物の腐敗によって引き起こされる硫化水素の発生を抑制する性能を有する石膏系建材に関する。更に詳しくは、特に廃棄物として埋立処分された場合に、硫酸塩還元菌の作用による硫化水素の発生を長期間にわたって抑制する石膏系建材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近、廃棄物の埋立処分場の逼迫、埋立処分費の高騰に伴い、建築廃材等の産業廃棄物が市街地郊外に不法投棄されたり、本来、安定型処分場に持ち込まれてはならない有機物汚泥、廃木材及び可燃ゴミ等が、安定型処分場に許可品目に混入された状態で投棄されるなどの状況が散見されるに至っている。このような場所では、しばしば有害な硫化水素が発生し、社会問題となりつつある。これは、硫酸イオンが硫酸塩還元菌により還元されて生成した硫化物(硫化物イオン)が、硫化水素として大気中に放散等されることによるものである。
【0003】
一般に、埋立処分場において硫化水素が発生する条件としては、▲1▼水、▲2▼有機物、▲3▼硫酸イオン、▲4▼硫酸塩還元菌、が存在した上で、▲5▼嫌気的条件、▲6▼pH=4〜9、▲7▼適当な温度、を維持する必要があるとされており、これらすべての条件が揃った場合にのみ硫化水素が発生することが知られている。
石膏系建材、特に石膏ボードは、その利便性ゆえに、建築物の内装材として大量に用いられているが、新築時の端材についてはリサイクルのルートが確立しているものの、解体時の廃材のリサイクルはまだその緒についたばかりであり、大半は他の建設廃材と共に埋立処分場に投棄されている状況にある。
【0004】
適切に廃棄処理された石膏ボード廃材は問題を引き起こすことはないが、埋立処分場に上記石膏ボード廃材の他に本来持ち込まれてはならない多量の有機物が投棄され、上記したすべての条件が揃った場合には、石膏ボードの主成分である石膏、即ち硫酸カルシウムが硫酸イオンの供給源となり、長期にわたって硫化水素を発生させる一因となることもあった。
【0005】
この硫化水素は、嫌気的条件下で活動を行う硫酸塩還元菌が、乳酸等の有機物を電子供与体として利用し、最終的に硫酸塩に電子供与してエネルギーを獲得する代謝の過程で生成するものであるが、これまでにこの硫酸塩還元菌の作用による硫化水素の発生を抑制する種々の方法が提案されている。
【0006】
例えば、硝酸塩や亜硝酸塩、あるいは硫酸鉄のような無機化合物の利用(特開平10−85785、特開平11−206863)、種々の抗菌剤や抗生物質、あるいは色素の利用(特開昭63−209798、特開平1−268603、特開平3−10394)等がある。
【0007】
また最近、アントラキノン類による硫酸塩還元菌の硫化物産生を阻害する方法が提案されている(特許第2858480号、特許第2837620号、特開2000−34202号)。アントラキノン類は、嫌気性条件下で生息している微生物によってアントラヒドロキノンに還元されて硫酸塩還元菌の細胞膜内に浸透し、そこで酸化されて再びアントラキノンとなった後、硫酸呼吸の代謝を阻害することによって硫化物の生成を抑制すると考えられている(月刊下水道 第22巻6号、73頁)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
前記の方法において、例えば硝酸塩と亜硝酸塩の使用は環境上問題があり、硫酸鉄は条件次第ではそれ自体が硫酸イオンの供給源となってしまう可能性がある。また、これらの化合物は水溶性であり、埋立処分場内で降雨等による水の置換が起こると容易に溶出してしまうため、硫化水素発生の抑制効果を持続させるためには定期的に当該化合物を追加供給しなければならないという問題もあった。一方、アントラキノン化合物による硫化水素発生の抑制法は、少量添加で長期間持続する効果が得られるために経済的であるが、市販されているアントラキノン化合物は一般に微粉末であるため、当該化合物を埋立処分場に撒布した場合には、降雨等によってこのアントラキノン化合物が徐々に流出し、その効果を持続させるためには定期的な撒布が必要であった。
このようなことから、多量の有機物とともに埋立処分された場合であっても、定期的に薬剤の添加をすることなく硫化水素の発生を長期間に渡って抑制する性能を有する石膏系建材の開発が熱望されていた。
【0009】
本発明は、このような知見に基づいてなされたものであって、その目的は、石膏系建材が有機物とともに放置ないし埋立処分され場合に、硫化水素の発生を長期にわたって抑制し得る石膏系建材を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、石膏を主材とし、アントラキノン化合物を配合させてなることを特徴とする石膏系建材により達成される。
【発明の実施の形態】
次に、発明の実施の形態を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
【0011】
本発明者らは、このような事情に鑑み鋭意検討を行った結果、アントラキノン化合物を、主材である石膏に対して所定量配合すると、その石膏系建材は前記硫化水素発生の条件がすべて揃った場合であっても、長期間にわたって硫化水素の発生を抑制する性能を有することを見出した。アントラキノン化合物は溶解性が低く、又その化合物自体には安全性に問題のない化合物である。アントラキノン化合物を配合して製造された石膏系建材は、主材である石膏の硬化時にアントラキノン化合物を針状結晶間に均一に包埋することから、その石膏が嫌気性環境下にて徐々に溶解して行く際に、常に一定量のアントラキノン化合物も溶解していくため、石膏系建材にアントラキノン化合物を単に散布した場合に比べ、かなり長期間にわたって効果が持続する。
【0012】
本発明にて使用するアントラキノン化合物は、構造(A)で示されるアントラキノン類であって、硫酸塩還元菌の硫化物産生を阻害する効果を示す化合物であればいずれでもよい。
【0013】
【化1】
(式中、R1〜R8はそれぞれ独立して水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、カルボキシル基、スルホ基、アミノ基を表す。)
ここで、アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等のアルキル基、より好ましくはC1〜C6のアルキル基が挙げられ、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基等のアルコキシ基、より好ましくはC1〜C6のアルコキシ基が挙げられる。また、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。
【0014】
具体的な化合物としては、アントラキノン(9,10−アントラキノン)、1−メチルアントラキノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、1−メトキシアントラキノン、1−メトキシ−4−メチルアントラキノン、1−ヒドロキシアントラキノン、1,2−ジヒドロキシアントラキノン、1,4−ジヒドロキシアントラキノン、1,5−ジヒドロキシアントラキノン、1,8−ジヒドロキシアントラキノン、2,6−ジヒドロキシアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−クロロアントラキノン、1,5−ジクロロアントラキノン、1,3−ジブロムアントラキノン、アントラキノン−1−カルボン酸、アントラキノン−2−カルボン酸、2−クロロアントラキノン−3−カルボン酸、アントラキノン−2−スルホン酸、1−アミノアントラキノン、2−アミノアントラキノン、1,4−ジアミノアントラキノン、1−アミノ−4−ヒドロキシアントラキノン等が挙げられる。
【0015】
また、本発明のアントラキノン化合物としては、上記の構造式(A)で示されるアントラキノン類に対応するアントラヒドロキノン類が含まれる。具体的な化合物としては、アントラヒドロキノン(9,10−アントラセンジオール)、1−メチルアントラヒドロキノン、2−エチルアントラヒドロキノン等が挙げられる。なお、このアントラヒドロキノン類には、ナトリウム等のアルカリ金属塩も含まれるものとする。具体的な化合物としては、アントラヒドロキノンのナトリウム塩(モノ及びジ)が挙げられる。
【0016】
更に、本発明のアントラキノン化合物としては、更に上記の構造式(A)で示されるアントラキノン類の核水素添加化物に相当するジヒドロアントラキノン化合物、テトラヒドロアントラキノン化合物及びオクタヒドロアントラキノン化合物が含まれる。具体的な化合物としては、1,4−ジヒドロアントラキノン、1,4,4a,9a−テトラヒドロアントラキノンが挙げられる。なお、これらの核水素添加物には、互変異性体及びアルカリ金属塩が含まれるものとする。具体的な化合物としては、1,4−ジヒドロ−9,10−ジヒドロキシアントラセンや1,4−ジヒドロ−9,10−ジヒドロキシアントラセンのナトリウム塩(モノ及びジ)が挙げられる。
【0017】
これらアントラキノン化合物のうち、特にアントラキノンは、工業的に容易に入手でき、その還元体のアントラヒドロキノンもハイドロサルファイト等の還元剤を用いて容易に製造できるので好ましい。もちろん、これらのアントラキノン化合物類の2種類以上を混合して用いても構わない。
本発明のアントラキノン化合物を主材である石膏に配合する方法としては特に限定されず、粉末のまままたは水性スラリーの状態で石膏に添加してもよく、また、前記のアルカリ金属塩の水溶液やアントラキノン類の有機溶媒溶液の形態で添加することもできる。
【0018】
かかる方法によれば、より均一にアントラキノン化合物を配合させることができる。例えば、アントラヒドロキノンのジナトリウム塩や1,4−ジヒドロ−9,10−ジヒドロキシアントラセンのジナトリウム塩の水溶液と石膏とを混合した後、酸化処理等によりアントラキノン等を析出させる方法で、アントラキノン化合物を微細な結晶の形で配合することもできる。
【0019】
アントラキノン化合物は、上記のような形態で石膏に配合するだけでなく、下記に示したような混和材等と予め混合し、練り合わせ、またはコーテイングした状態で石膏へ添加してもよい。また、これらの石膏系建材やセメント製造等に使用され、独立して取引されている天然石膏、排脱石膏、燐酸石膏等の原料石膏に予め配合してもよい。更に、石膏ボードのようにその表面に石膏ボード用原紙等の表面材を有するものは、当該表面材にアントラキノン化合物をすき込ませるなどして、配合させてもよい。
【0020】
本発明に使用されるアントラキノン化合物の配合量としては、石膏100重量部に対して0.005〜5重量部、好ましくは0.01〜3重量部、更に好ましくは0.01〜1重量部とする。これらのアントラキノン化合物は、配合量を多くするほど硫化水素発生の抑制効果が高くなるが、5重量部を超えて配合しても上記抑制効果の割にコスト的に不利になり、逆に配合量が0.005重量部よりも少ないと、明らかな抑制効果を発現させるには至らない。
【0021】
このようにして得られた本発明の石膏系建材は、硫酸塩を還元する能力を有する硫酸塩還元菌であれば、その属や種を問わず、硫化水素の発生を長期にわたって抑制する効果を発揮する。例えば、「用水と廃水」第31巻第4号、294〜305頁(1989)に記載されているものを対象とすることができる。代表的な菌類としては、デスルホビブリオ デスルフリカンス(Desulfovibrio desulfuricans)等のデスルホビブリオ属、デスルホバクター ポストガテイ(Desulfobacter postgatei)等のデスルホバクター属、その他デスルホブルブス属、デスルホコッカス属、デスルフォネマ リミコラ(Desulfonema limicola)、デスルホネマ属、デスルホサルシナ属、デスルホモナス属、デスルホトマクルム属等に属する菌種が挙げられる。
【0022】
本発明の石膏系建材には、
石膏を主材として板状に成型したもの、例えばJIS A6901−1997に規定されているせっこうボード、シージングせっこうボード、強化せっこうボード、せっこうラスボード、化粧せっこうボード、不燃積層せっこうボード、JIS A6301に規定されている吸音用あなあきせっこうボード及びガラス繊維不織布入せっこう板等、のほか、
石膏を主材とした粉粒状、ペースト状またはスラリー状建材、例えばSLプラスター、JIS A6904−1997に規定されているせっこうプラスター及び石膏系パテ等
を例示することができる。
上記石膏ボードは、通常の石膏ボード製造ラインで製造することができ、主材であるβ型半水石膏、α型半水石膏またはこれらの混合物に、パルプ繊維及び/またはガラス繊維等の公知の混和材や公知の発泡剤、凝結調整剤、接着増強剤等を適宜加えて得られるものである。
また、本発明の石膏プラスター、石膏系パテ等も同様に、通常の石膏プラスター、石膏系パテ等の製造装置で製造することができ、β型半水石膏、α型半水石膏またはこれらの混合物に、パーライト及び/またはバーミキュライト等の公知の軽量骨材や公知の粘度調整剤や凝結調整剤等を適宜加えて得られるものである。
【0023】
いずれの建材も、それぞれの製造工程においてアントラキノン化合物を前記の添加方法によって配合することができ、製造中に主材である石膏とアントラキノン化合物が石膏自体に悪影響を及ぼすことがなく、また、石膏系建材の製造ラインにて問題を引き起こすことなく、アントラセン化合物を石膏中に均一に包埋させることができる。なお、本願で利用する用語「添加」とは、配合の一形態を意味する。
【0024】
【実施例】
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。ここでは石膏ボードを例に挙げているが、本発明はこれによって限定されるものではなく、石膏プラスター、石膏系パテ等の石膏を主材とする製品は、いずれも廃棄物としては同様の性質を示すので、本発明による同様な効果が得られる。
実施例1〜3
アントラキノン化合物としては、9,10−アントラキノン(関東化学製試薬)を用いた。
表−1に示すように、9,10−アントラキノンの添加量を石膏100重量部に対して0.01重量部、0.1重量部、1.0重量部と変化させ、通常の石膏ボード製造ラインで、厚さ12.5mm、比重0.70の石膏ボードを製造した。これらの石膏ボードサンプルをそれぞれ約1cm角の大きさに粗粉砕し、硫化水素発生試験用の試験片とした(アントラキノン前添加)。
【0025】
比較例1〜4
9,10−アントラキノンを添加せずに、通常の石膏ボード製造ラインで、厚さ12.5mm、比重0.70の石膏ボードを製造した。実施例と同様にこの石膏ボードサンプルを約1cm角の大きさに粗粉砕した後1000gを分取し、表−1に示すように9,10−アントラキノンを石膏100重量部に対して0.01重量部、0.1重量部、1.0重量部と変化させて添加した後、ポリエチレン製の袋に入れて充分に混合し、比較例1〜3の試験片とした(アントラキノン後添加)。
【0026】
また9,10−アントラキノンを添加しない試験片も同様にして準備し、比較例4として硫化水素発生試験を行った。
【0027】
実施例1〜3および比較例1〜4の計7種の石膏ボードについて、それぞれ以下の試験を行った。
[生ゴミの準備]
食堂厨房より入手した腐敗臭のする生ゴミ(炊飯、豚肉、キャベツ、鶏卵が混入)200gにイオン交換水200mlを追加して家庭用ジュースミキサー(松下電器産業株式会社製MX−V100)で解砕し、有機物源としての生ゴミスラリーとした。この生ゴミは後述する方法で石膏ボードと共にイオン交換水の入った密閉容器中に放置すると、放置後3日で容器内気相部の硫化水素濃度は数ppmとなり、この試験に充分な数の硫酸塩還元菌が繁殖していることを確認した。なお、試験は長期にわたるため、試験開始ごとにほぼ同一組成の生ゴミスラリーを用意したが、それぞれのスラリーにほぼ同程度に硫酸塩還元菌が繁殖していることを確認した。
[硫化水素発生試験(最初の放置)]
この生ゴミスラリー2gと前記石膏ボードサンプル20gとを300mlのプラスチック製容器に入れ、更にイオン交換水200mlを加えて蓋をして密封し、40℃の恒温室に14日間静置後、容器を充分に振り混ぜてから密閉容器内上部の硫化水素濃度をガステック株式会社製GV-100Sガス検知管により測定し、硫化水素の濃度を比較した。結果を表−1に示す。
[硫化水素発生の繰り返し試験(1回目)]
硫化水素濃度の測定を終了した前記密閉容器を強く震振して内容物を懸濁させた後、3分間自然沈降させ、上澄み液のみ約180mlを捨てた。この容器に新たに前記生ゴミスラリー2gとイオン交換水180mlを加えて蓋をして密封し、40℃の恒温室に14日間静置後、容器を充分に振り混ぜてから密閉容器内上部の硫化水素濃度をガステック株式会社製GV-100Sガス検知管により測定し、硫化水素の濃度を比較した。結果を以下に示す表−1に示す。
[硫化水素発生の繰り返し試験(2回目)]
1回目の繰り返し試験を終了した密閉容器を、1回目の繰り返し試験と同様の手順で処理し、更に14日間経過後の密閉容器内上部の硫化水素濃度を測定した。結果を以下の表−1に示す。
[硫化水素発生の繰り返し試験(3回目)]
2回目の繰り返し試験を終了した密閉容器を、1回目および2回目の繰り返し試験と同様の手順で処理し、更に14日間経過後の密閉容器内上部の硫化水素濃度を測定した。結果を表−1に示す。
【0028】
【表1】
表−1に示した結果から明らかなように、9,10−アントラキノン無添加の石膏ボード試験片に生ゴミを加えると、すべての試験において多量の硫化水素が発生した(比較例4)。
【0029】
また、9,10−アントラキノンを単に添加しただけの比較例1〜3の石膏ボード試験片は、最初の放置の後では硫化水素発生の抑制効果が認められたが、1回目、2回目、3回目と繰り返し試験を行なうにつれて、その効果は大幅に低下した。
【0030】
一方、本発明の石膏ボード試験片(実施例1〜3)は、1回目、2回目、3回目と繰り返し試験を行なっても硫化水素発生の抑制効果を維持し続けた。
【0031】
以上の結果は、本発明の石膏ボードが、多量の有機物と共に埋立処分場に埋め立てられたとしても、長期間に渡って硫化水素発生の抑制効果を維持し続けることを示している。
【0032】
一方、アントラキノン化合物を後添加した場合、すなわち埋立処分場に通常の石膏ボードを埋め立てる際にアントラキノン化合物を添加した場合には、しばらくの間は硫化水素発生の抑制効果があるものの、降雨等で微細なアントラキノン化合物は容易に流出してしまうため、短期間でその抑制効果が弱まってしまうことを示している。
【0033】
本発明の効果は、アントラキノン化合物を添加して石膏系建材を製造すると、主材である石膏の硬化時にアントラキノン化合物が結晶中に均一に包埋されることから、その石膏が徐々に溶解して行く際に常に一定量のアントラキノン化合物も溶解して供給されるため、長期間に渡って硫化水素発生の抑制効果が持続することによるものであると考えられる。
以上のことから、石膏系建材が有機物とともに埋立処分された場合に、有機物の腐敗によって引き起こされる硫化水素の発生を長期間にわたって抑制する性能を石膏系建材に付加させるためには、石膏系建材の製造時に、主材である石膏にアントラキノン化合物を配合することが有効であることがわかった。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、石膏系建材の優れた利便性を維持したまま、有機物の腐敗に起因する硫化水素の発生を長期間にわたって抑制する性能を備えた石膏ボード、石膏プラスター、石膏系パテ等の石膏系建材を得ることができる。
Claims (3)
- 石膏100重量部に対して、アントラキノン類、対応するアントラヒドロキノン類及び対応する核水素添加物からなる群から選択された1種または2種以上の混合物が0.005〜5重量部配合されていることを特徴とする石膏系建材。
- 上記石膏の表面に付着させた表面材にアントラキノン類、対応するアントラヒドロキノン類及び対応する核水素添加物からなる群から選択された1種または2種以上の混合物を配合させてなることを特徴とする請求項1に記載の石膏系建材。
- 上記アントラキノン類、対応するアントラヒドロキノン類及び対応する核水素添加物が、アントラキノンまたはアントラヒドロキノンである請求項1または2に記載の石膏系建材。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000259980A JP4378041B2 (ja) | 2000-08-29 | 2000-08-29 | 石膏系建材 |
US10/067,949 US6638356B2 (en) | 2000-08-29 | 2002-02-08 | Gypsum-based building material |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000259980A JP4378041B2 (ja) | 2000-08-29 | 2000-08-29 | 石膏系建材 |
US10/067,949 US6638356B2 (en) | 2000-08-29 | 2002-02-08 | Gypsum-based building material |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002070236A JP2002070236A (ja) | 2002-03-08 |
JP4378041B2 true JP4378041B2 (ja) | 2009-12-02 |
Family
ID=29272244
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000259980A Expired - Lifetime JP4378041B2 (ja) | 2000-08-29 | 2000-08-29 | 石膏系建材 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US6638356B2 (ja) |
JP (1) | JP4378041B2 (ja) |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4695254B2 (ja) * | 2000-12-07 | 2011-06-08 | 吉野石膏株式会社 | 土壌処理材組成物及び土壌処理方法 |
EP1685077B1 (en) * | 2003-11-17 | 2013-06-05 | Microban Products Company | Method of making cementitious slab products having antimicrobial properties |
ATE521680T1 (de) * | 2004-06-28 | 2011-09-15 | Commw Scient Ind Res Org | Sauerstoffabfangmittel und verfahren zu seiner herstellung |
FI121190B (fi) | 2005-08-24 | 2010-08-13 | Walki Group Oy | Menetelmä rakennelevyn pinnoitetuotteen valmistamiseksi ja pinnoitetuote |
JP5632768B2 (ja) * | 2011-02-10 | 2014-11-26 | 吉野石膏株式会社 | 硫化水素の発生抑制方法 |
US20150208657A1 (en) * | 2014-01-28 | 2015-07-30 | Arkion Life Sciences, Llc | Use of quinone compound in building materials |
RU2696712C1 (ru) * | 2015-12-11 | 2019-08-05 | Йосино Гипсум Ко., Лтд. | Гипсовая композиция для материала для покрытий, отвердевающего в воздушно-сухой среде, материал для покрытий на основе гипса и способ нанесения материала для покрытий на основе гипса |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
ATE105992T1 (de) | 1990-04-18 | 1994-06-15 | Du Pont | Anthrachinone als hemmstoffe von sulfidbildung aus sulfatreduzierenden bakterien. |
US5401798A (en) * | 1991-06-14 | 1995-03-28 | Bayer Aktiengesellschaft | Gypsum-based materials, process for their preparation and their use |
CN1054116C (zh) | 1992-10-02 | 2000-07-05 | 生物技术资源两合公司 | 用作硫酸盐还原菌产生硫化物的抑制剂的细分散蒽醌类制剂 |
-
2000
- 2000-08-29 JP JP2000259980A patent/JP4378041B2/ja not_active Expired - Lifetime
-
2002
- 2002-02-08 US US10/067,949 patent/US6638356B2/en not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2002070236A (ja) | 2002-03-08 |
US6638356B2 (en) | 2003-10-28 |
US20030150363A1 (en) | 2003-08-14 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Kong et al. | Study on the applicability of bactericides to prevent concrete microbial corrosion | |
US20070272609A1 (en) | Reuse of waste materials via manure additive | |
DE60006853D1 (de) | Zementzusammensetzungen und verfahren zu deren verwendung | |
JP4378041B2 (ja) | 石膏系建材 | |
US5997631A (en) | Hardener composition for producing waste-containing shaped cement articles and process for producing shaped cement articles using the hardener composition | |
YU62700A (sh) | Hemijski agens za poboljšanje inženjerskih svojstava tla | |
Shook et al. | Corrosion control in concrete pipe and manholes | |
JP3008125B2 (ja) | コンクリート、モルタル又は高分子材料の劣化防止方法 | |
ATE255076T1 (de) | Zementzusammensetzungen und verfahren zu deren verwendung | |
JP4695254B2 (ja) | 土壌処理材組成物及び土壌処理方法 | |
JP2007076924A (ja) | セメント耐水化剤及びセメント硬化体 | |
KR20020015850A (ko) | 하수슬러지 및 석탄회를 이용한 쓰레기 매립장 복토재 및그의 제조방법 | |
EP0881198B1 (en) | Deterioration preventive for concrete or mortar and method for preventing deterioration of concrete or mortar | |
JP2008115351A (ja) | 消臭性、抗菌性及び調湿性を保持する内装材 | |
JPH11116306A (ja) | セメント混和材及びそれを含有したセメント組成物 | |
JP2007290877A (ja) | 石膏系建材 | |
JP2002167215A (ja) | パーライト鉱石による人工ゼオライト及びこれを利用して得られる工業資材 | |
JP2006306689A (ja) | セメント組成物、コンクリート組成物およびモルタル組成物 | |
KR20050024481A (ko) | 게르마늄 성분이 함유된 천연광석분말을 이용한 정화제제조방법 | |
JPH07242826A (ja) | 貯蔵安定性の改良された変性シリコーン樹脂組成物及びそれからなるシーラント | |
JP2002363558A (ja) | 石膏系固化材 | |
JP3760893B2 (ja) | 抗菌性下水道管 | |
JP2001172064A (ja) | セメント混和材及びセメント組成物 | |
Liu et al. | Effect of waste oyster shell powder as additive on properties and sulfate attack resistance of mortar | |
SU1293142A1 (ru) | В жущее дл бетонной смеси и строительного раствора |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20070507 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20090601 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090609 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090805 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20090901 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20090914 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Ref document number: 4378041 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120918 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120918 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150918 Year of fee payment: 6 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150918 Year of fee payment: 6 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150918 Year of fee payment: 6 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |