JPH1161000A - 防食剤及び防食方法 - Google Patents

防食剤及び防食方法

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JPH1161000A
JPH1161000A JP21613797A JP21613797A JPH1161000A JP H1161000 A JPH1161000 A JP H1161000A JP 21613797 A JP21613797 A JP 21613797A JP 21613797 A JP21613797 A JP 21613797A JP H1161000 A JPH1161000 A JP H1161000A
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JP
Japan
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group
resin
phthalocyanine
metal
sulfur
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JP21613797A
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English (en)
Inventor
Hiromi Uchida
弘美 内田
Toshio Enokida
年男 榎田
Michiko Tamano
美智子 玉野
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 硫黄酸化細菌の作用で生成する硫酸による下
水道用コンクリート二次製品、下水道用鋼管、又は下水
処理施設の腐食を防止することを特徴とする防食剤、及
び防食方法を提供する。 【解決手段】 本発明は、エポキシ樹脂、タールエポキ
シ樹脂、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹
脂、ポリウレア樹脂等の被膜形成用樹脂に、フタロシア
ニン化合物を配合してなる防食剤、及び下水道用コンク
リート二次製品、下水道用鋼管、又は下水処理施設に、
この防食剤を塗布する防食方法に関するものである。防
食剤にに混合されたフタロシアニンは、硫黄酸化細菌に
対し生育阻害作用を示し、硫黄酸化細菌による硫酸の生
成を抑制して硫酸による腐食を防止する。この方法によ
り、効果的にかつ長時間に渡って下水道用コンクリート
二次製品、下水道用鋼管、又は下水処理施設の腐食を防
止することができ、これら下水道施設を健全に保つこと
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヒューム管、ボッ
クスカルバート、マンホール等の下水道用コンクリート
二次製品、下水道用鋼管、又は下水処理施設に用いられ
る防食剤及び防食方法に関する。更に詳しくは、硫黄酸
化細菌の生育阻害作用を有するフタロシアニン化合物を
配合した被膜形成用樹脂を、下水道用コンクリート二次
製品、下水道用鋼管、又は下水処理施設に塗布すること
により、硫黄酸化細菌の作用で生成する硫酸によるこれ
らの腐食を防止する防食剤及び防食方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、わが国の下水道施設等において、
コンクリート構造物の腐食の事例が数多く報告されてい
る。しかも、これらの腐食はわが国に限られたものでは
なく、アメリカ合衆国、エジプト、南アフリカ共和国、
オーストラリアなどでも報告されている。下水道施設等
の建設には多額の費用を要しているので、これらの施設
を長期に渡って効果的に機能させるには、コンクリート
の腐食を防止するための適切な処置を講ずることが重要
である。
【0003】コンクリートの腐食サイクルには、2種類
の微生物、すなわち、硫酸塩還元細菌及びチオバチルス
(Thiobacillus)属等の硫黄酸化細菌が関与しているこ
とが知られている。これらの微生物によるコンクリート
の腐食過程では、まず、下水中に存在する硫酸塩が、嫌
気的条件下で硫酸塩還元細菌により還元され、硫化水素
が発生する。次いで、この硫化水素がコンクリート壁面
に付着した水に吸着され、好気的条件下で硫黄酸化細菌
により酸化されて、硫酸が生成する。コンクリートに含
まれたカルシウムは、生成した硫酸によって硫酸カルシ
ウム(石膏)に変化し、これによりコンクリートが膨張
・脆弱化して腐食する。また、鋼管等の表面で硫黄酸化
細菌が繁殖した場合も、生成した硫酸によって鋼材の腐
食が生じる。
【0004】中山は、上記のコンクリート腐食に対する
防止対策を次の5つに整理している(中山:セメント・
コンクリート,530,20頁,1991年)。 (1)硫化水素を発生する硫酸塩還元細菌の生育を抑制
すること (2)発生した硫化水素の気相中への放散を防止するこ
と、もしくは速やかに排除すること (3)コンクリートの原因となる硫酸を発生する硫黄酸
化細菌の生育を抑制すること (4)水密性及び耐食性の高い品質のコンクリートを打
設すること (5)耐食性材料を使用して、腐食を受けるコンクリー
トの表面にコーティングやライニングをすること
【0005】このうち(5)に関しては、例えば、特開
昭63−16072号公報には、ヒューム管製造工程中
の回転遠心力を利用し、成形硬化作業直後にエポキシ樹
脂等からなる樹脂組成物を塗布・圧着させることで防食
ヒューム管を得る方法が示されている。また、特開平7
−196999号公報には、エポキシ樹脂、硬化剤、及
びハイドロタルサイトからなる接着剤を用いた鋼材の防
食被覆方法が示されている。
【0006】下水道施設におけるコンクリート腐食は、
発生する硫化水素の濃度が高くなるに従って激しくなる
ことが知られており、日本下水道事業団の防食指針
(案)も、以下に示す腐食環境条件に対応して規定され
ている。 A種:硫化水素は多いが、腐食に至らない環境 B種:硫化水素の滞留が少なく、腐食が緩やかな環境 C種:硫化水素の滞留が多く、腐食が激しい環境 D種:C種の環境条件で、構造上の条件により事実上補
修等のメンテナンスが困難と考えられる施設・部位 防食指針(案)には、用いられる防食被覆材に関して、
以下のように規定されている。 A種:エポキシ樹脂又はタールエポキシ樹脂塗料2回塗
り以上 B種:エポキシやガラスフレーク入りビニルエステル樹
脂の3回塗り以上 C種:ガラスクロスを補強材にしたエポキシ樹脂やビニ
ルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、あるいはセ
ラミックパウダー入りエポキシ樹脂 D種:C種と同じ被覆材を厚塗り仕様
【0007】また、特開平8−238453号公報に
は、イソシアネート成分とポリアミン成分を、吹付工法
により混合・塗布、硬化させ、生じたポリウレア樹脂に
よりコンクリートの腐食を防止する方法が示されてい
る。
【0008】これらの被覆材は、硫黄酸化細菌の作用で
生成した硫酸に対しては耐性があり、被覆材内部のコン
クリートや鋼材を腐食から防ぐことが可能であるが、硫
黄酸化細菌の生育を阻害するものではない。従って、被
覆材表面にピンホールや亀裂が生じた場合は、硫黄酸化
細菌由来の硫酸により内部のコンクリートや鋼材は容易
に腐食される。これに対し、上記の(3)の方法は、硫
黄酸化細菌の生育を抑制し、硫化水素から硫酸への変化
を防止することにより腐食を防ぐ方法であり、そのため
のいくつかの方法が示されている。例えば、硫黄酸化細
菌の生育は種々の金属イオンで阻害されることが知られ
ており、水に難溶性で且つ硫酸に可溶性である銅、ニッ
ケル、スズ、鉛等の金属、又はこれらの金属の酸化物を
コンクリートに含有させコンクリートの腐食を防ぐ方法
が、特開平4−149053号公報に示されている。こ
の方法では、前記金属及び/又は金属酸化物から、硫黄
酸化細菌が発生された硫酸によって金属イオンが溶出
し、これにより硫黄酸化細菌が防菌及び/又は殺菌され
る。しかし、この方法は、硫酸に対する溶解性が高い金
属及び/又は金属酸化物を使用するため、長期に渡って
コンクリートの腐食を防止するには、金属等の使用量が
多くなる等の欠点を有している。また、下水中にニッケ
ル、スズ、鉛等の重金属イオンが溶出するため、これら
の金属及び/又は金属酸化物を多量に使用する場合は、
水質汚染の可能性がある。
【0009】また、特開平6−16460号公報及び特
開平6−16461号公報には、ニケロセン及びニッケ
ルジメチルグリオキシムといった金属錯体をコンクリー
トに含有させてコンクリートの腐食を防ぐ方法が示され
ている。しかし、これらの金属錯体は発ガン性を有して
おり、安全性の面で問題がある。
【0010】更に、特開平9−60768号公報には、
銀、銅、亜鉛、ニッケル、コバルト等の抗菌性金属イオ
ンを担持した無機粉末を含有させることにより、耐食性
のヒューム管を得る方法が示されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、硫黄酸化細
菌の作用で生成する硫酸による下水道用コンクリート二
次製品、下水道用鋼管、又は下水処理施設の腐食を効果
的にかつ長期間に渡って防止することができる防食剤及
び防食方法の提供を目的とする。
【0012】本発明者は、下水道用コンクリート二次製
品、下水道用鋼管、又は下水処理施設等に用いられてい
るコンクリート、鋼材の腐食の主な原因である硫黄酸化
細菌の生育を阻害する方法を開発するために鋭意研究を
重ねた結果、フタロシアニン化合物に硫黄酸化細菌の生
育阻害作用が認められた。更に、フタロシアニン化合物
を配合した被膜形成用樹脂を塗布したコンクリート、鋼
材が硫黄酸化細菌の生育を阻害し、かつ硫黄酸化細菌の
作用で生成する硫酸に対しても強い抵抗性があることが
認められ本発明に至った。
【0013】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、被膜形成
用樹脂にフタロシアニン化合物を配合してなる防食剤を
提供する。
【0014】更に本発明は、下水道用コンクリート二次
製品、下水道用鋼管、又は下水処理施設用である上記防
食剤を提供する。
【0015】更に本発明は、フタロシアニン化合物が金
属フタロシアニンもしくはその誘導体であることを特徴
とする上記防食剤を提供する。
【0016】更に本発明は、金属フタロシアニンもしく
はその誘導体の金属原子がクロム、鉄、コバルト、ニッ
ケル、モリブデン、パラジウム、スズ、タングステン、
及び白金からなる群より選ばれた少なくとも1種である
ことを特徴とする上記防食剤を提供する。
【0017】更に本発明は、フタロシアニン化合物が下
記の一般式(1)で示される金属フタロシアニンもしく
はその誘導体であることを特徴とする上記防食剤を提供
する。 MXn Pc (1) (式中、Mは金属原子、Xは酸素原子、ハロゲン原子も
しくは水酸基、Pcはフタロシアニン骨格、nは1〜5
の整数をそれぞれ示す。)
【0018】更に本発明は、フタロシアニン化合物が無
金属フタロシアニンもしくはその誘導体であることを特
徴とする上記防食剤を提供する。
【0019】更に本発明は、被膜形成用樹脂がエポキシ
樹脂、タールエポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、不飽
和ポリエステル樹脂、及びポリウレア樹脂からなる群よ
り選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする上記
防食剤を提供する。
【0020】更に本発明は、下水道用コンクリート二次
製品、下水道用鋼管、又は下水処理施設に上記防食剤を
塗布することにより、硫黄酸化細菌による腐食を防ぐこ
とを特徴とする防食方法を提供する。
【0021】本発明の防食剤を、ヒューム管、ボックス
カルバート、マンホール等の下水道用コンクリート二次
製品、下水道用鋼管、又は下水処理施設の製造、建設、
及び補修の際に塗布すれば、下水や土壌中などに存在し
て繁殖する硫黄酸化細菌の生育を阻害することにより、
硫黄酸化細菌の作用で生成する硫酸による腐食のサイク
ルを切断することができ、これにより下水道用コンクリ
ート二次製品、下水道用鋼管、又は下水処理施設を長期
間に渡って健全に保つことができる。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明に使用されるフタロシアニ
ン化合物とは、フタロシアニン骨格を有する化合物を示
す。本発明に使用される金属フタロシアニンとは、置換
基を有していないフタロシアニン骨格に金属原子が配位
した化合物であり、その誘導体とは、金属フタロシアニ
ン分子中のベンゼン環に水素原子以外の置換原子もしく
は置換基を有する化合物である。また、本発明に使用さ
れる無金属フタロシアニンとは、置換基を有していない
フタロシアニン骨格の中心に2個の水素原子が配位した
化合物であり、その誘導体とは、無金属フタロシアニン
分子中のベンゼン環に水素原子以外の置換原子もしくは
置換基を有する化合物である。本発明では、水に溶解し
ない金属フタロシアニンもしくはその誘導体を用いるこ
とが望ましい。
【0023】上記の金属フタロシアニンの金属原子とし
ては、リチウム、マグネシウム、アルミニウム、ケイ
素、カルシウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニ
ッケル、銅、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、ジルコニ
ウム、モリブデン、パラジウム、銀、カドミウム、イン
ジウム、スズ、タングステン、白金、水銀、鉛、及び希
土類元素等を挙げることができるが、中でも、クロム、
鉄、コバルト、ニッケル、モリブデン、パラジウム、ス
ズ、タングステン、及び白金からなる群より選ばれた少
なくとも1種であることが望ましい。
【0024】本発明においては、下記の一般式(1)で
示される金属フタロシアニンを用いることも可能であ
る。 MXn Pc (1) (式中、Mは金属原子、Xは酸素原子、ハロゲン原子も
しくは水酸基、Pcはフタロシアニン骨格、nは1〜5
の整数をそれぞれ示す。) 一般式(1)で示される金属フタロシアニンは、置換基
を有していないフタロシアニン骨格Pcに、Mで示され
る金属原子が配位し、さらに軸方向にXで示される酸素
原子、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子も
しくは水酸基が1〜5個配位した化合物である。
【0025】本発明において、金属フタロシアニンが一
般式(1)で示される構造を有するには、金属原子の価
数が3〜7であることが必要である。本発明では、この
ような価数をとることができる金属原子であれば、いず
れの金属原子を用いることも可能であるが、特に、チタ
ン、バナジウム、クロム、モリブデン、タングステン、
ガリウム、インジウム、ケイ素、及びゲルマニウムの少
なくとも1種であることが望ましい。
【0026】上記金属フタロシアニン誘導体及び無金属
フタロシアニン誘導体の水素原子以外の置換原子又は置
換基の具体例として、以下のものを挙げることができ
る。すなわち、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲ
ン原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、
sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、
ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ステアリル基、
トリクロロメチル基、トリフロロメチル基、シクロプロ
ピル基、シクロヘキシル基、1,3−シクロヘキサジエ
ニル基、2−シクロペンテン−1−イル基、2,4−シ
クロペンタジエン−1−イリデニル基等の置換もしくは
未置換のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポ
キシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、ter
t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ
基、ステアリルオキシ基、トリフロロメトキシ基等の置
換もしくは未置換のアルコキシ基、メチルチオ基、エチ
ルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基、sec−ブ
チルチオ基、tert−ブチルチオ基、ペンチルチオ
基、ヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチルチオ基
等の置換もしくは未置換のチオアルコキシ基、ニトロ
基、シアノ基、カルボニル基、カルボキシル基、エステ
ル基、水酸基、スルホン酸基、ビニル基、メチルアミノ
基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミ
ノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基等のアル
キル基置換アミノ基、ジフェニルアミノ基、ジトリルア
ミノ基等の炭素環式芳香族アミノ基、ビス(アセトオキ
シメチル)アミノ基、ビス(アセトオキシエチル)アミ
ノ基、ビス(アセトオキシプロピル)アミノ基、ビス
(アセトオキシブチル)アミノ基、ジベンジルアミノ基
等のモノまたはジ置換アミノ基、フェノキシ基、p−t
ert−ブチルフェノキシ基、3−フルオロフェノキシ
基等の置換もしくは未置換のアリールオキシ基、フェニ
ルチオ基、3−フルオロフェニルチオ基等の置換もしく
は未置換のアリールチオ基、フェニル基、ビフェニル
基、トリフェニル基、テトラフェニル基、3−ニトロフ
ェニル基、4−メチルチオフェニル基、3,5−ジシア
ノフェニル基、o−、m−、及びp−トリル基、キシリ
ル基、o−、m−、及びp−クメニル基、メシチル基、
ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニ
ル基、ヘプタレニル基、アセナフチレニル基、フェナレ
ニル基、フルオレニル基、アントリル基、アントラキノ
ニル基、3−メチルアントリル基、フェナントリル基、
トリフェニレン基、ピレニル基、クリセニル基、2−エ
チル−1−クリセニル基、ピセニル基、ペリレニル基、
6−クロロペリレニル基、ペンタフェニル基、ペンタセ
ニル基、テトラフェニレン基、ヘキサフェニル基、ヘキ
サセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、トリナフチ
レニル基、ヘプタフェニル基、ヘプタセニル基、ピラン
トレニル基、オバレニル基等の置換もしくは未置換の芳
香族環基等である。
【0027】本発明において、金属フタロシアニン誘導
体及び無金属フタロシアニン誘導体としては、前述の金
属フタロシアニン及び無金属フタロシアニンの分子中の
ベンゼン環の1〜8個の水素原子が、ハロゲン原子、炭
素数1〜6のアルキル基、ニトロ基、シアノ基、水酸
基、スルホン酸基で置換された誘導体であることが望ま
しい。また、これらのフタロシアニン化合物は、単独で
用いても、2種類以上を併用して用いてもよい。
【0028】本発明の防食剤は、コンクリートや鋼材の
被覆材として使用可能な被膜形成用樹脂に、上記フタロ
シアニン化合物を配合することで得られる。被膜形成用
樹脂としては、被覆材として既に公知のものを用いるこ
とが可能であるが、中でも、日本下水道事業団の防食指
針(案)に規定されているエポキシ樹脂、タールエポキ
シ樹脂、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹
脂、及び前述のポリウレア樹脂を用いることが望まし
い。
【0029】被覆形成用樹脂に配合されたフタロシアニ
ン化合物は、これらの樹脂に均一に分散していることが
望ましい。被覆形成用樹脂が、主剤と硬化剤といった複
数の成分よりなる場合は、いずれかの成分に混合される
ことが好ましく、特に、主剤と硬化剤といった2成分よ
りなる場合は、主剤に混合されることが望ましい。フタ
ロシアニン化合物の被覆形成用樹脂への添加量は、樹脂
100重量部に対し0.01〜10重量部が好ましく、
より好ましくは0.1〜5重量部であることが望まし
い。フタロシアニン化合物の被覆形成用樹脂に対する添
加量が0.01重量部未満の場合は、硫黄酸化細菌に対
する生育阻害作用を長時間持続させることが困難とな
る。一方、添加量が10重量部を越えても、硫黄酸化細
菌に対する生育阻害作用のさらなる向上は期待できず、
コスト高になる好ましくない。さらに、被覆材の強度も
著しく低下する。
【0030】本発明において、フタロシアニン化合物を
上記被覆形成用樹脂に均一に分散させるには、公知の種
々な粉砕機又は分散機を用いることができる。具体的に
は、せん断応力により分散させる3本ロールミル、2本
ロールミル、ガラスビーズやジルコニアビーズ、メノー
球などのメディアとの衝突による衝撃力により分散させ
るボールミル、アトライター、サンドミル、コボールミ
ル、バスケットミル、振動ミル、ペイントコンディショ
ナー、また、せん断応力、キャビテーション、衝突力、
ポテンシャルコアなどを発生させるような回転羽根によ
り分散させるディスパーサー、ホモジナイザー、クレア
ミックス(R)などの装置を用いることができる。さら
に、ニーダー、エクストルーダー、ジェットミル、超音
波分散機等も使用可能である。本発明の防食剤におい
て、フタロシアニン化合物の平均粒子径は0.001〜
100μmであることが好ましく、より好ましくは0.
01〜10μmであることが望ましい。
【0031】本発明の防食剤は、ヒューム管、ボックス
カルバート、マンホール等の下水道用コンクリート二次
製品や下水道用鋼管の製造、及び下水処理施設の建設の
際に、コンクリートや鋼材の表面に塗布される。また、
下水道用コンクリート二次製品、下水道用鋼管、又は下
水処理施設が硫黄酸化細菌の作用で生成する硫酸により
腐食を受けた場合、その補修用としても使用される。補
修用として使用される場合は、プライマーや下地調整
材、補強材等を用いた公知の補修工法の一部に組み入れ
ても差し支えない。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例により詳細
に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0033】(実施例1〜8)前述の日本下水道事業団
の防食指針(案)C種の上塗り用エポキシ樹脂100重
量部に、表1に示したフタロシアニン化合物(平均粒子
径1.0μm)を2重量部配合し、振動ミルを用いて分
散させ防食剤を得た。得られた防食剤を、アクリル板
(2cm×6cm、厚さ3mm)にローラーを用いて塗
布し、乾燥させた。
【0034】 表1 ────────────────────────────────── 実施例 フタロシアニン化合物 ────────────────────────────────── 1, 9,17,25 NiPc 2,10,18,26 MoPc 3,11,19,27 SnPc 4,12,20,28 NiPc/WPc(重量比8:2) 5,13,21,29 NiPc−Cl4 6,14,22,30 WOPc 7,15,23,31 Al(OH)Pc 8,16,24,32 H2 Pc ────────────────────────────────── ※フタロシアニン化合物において、NiPc、MoP
c、SnPc、WPcは、それぞれ、金属原子がニッケ
ル、モリブデン、スズ、タングステンである金属フタロ
シアニンを表し、H2 Pcは無金属フタロシアニンを表
す。また、WOPc、Al(OH)Pcは、前述の一般
式(1)において、金属原子Mがタングステンあるいは
アルミニウムで、Xが酸素原子あるいは水酸基である金
属フタロシアニンを表す。更に、Clは置換原子が塩素
原子であることを表す。
【0035】(実施例9〜16)防食用の2液性ポリウ
レア樹脂の主剤(イソシアネート成分)53重量部に、
表1に示したフタロシアニン化合物(平均粒子径1.0
μm)を1重量部配合し、振動ミルを用いて分散させ
た。これと、硬化剤(ポリアミン成分)47重量部を上
記のアクリル板に2つのスプレーガンを用いて混合・塗
布し、乾燥させた。
【0036】(比較例1)上記のアクリル板をそのまま
供試した。
【0037】(比較例2)実施例1で用いた上塗り用エ
ポキシ樹脂を、上記のアクリル板にローラーを用いて塗
布し、乾燥させた。
【0038】(比較例3)実施例9で用いた防食用の2
液性ポリウレア樹脂を、上記のアクリル板に2つのスプ
レーガンを用いて混合・塗布し、乾燥させた。
【0039】蒸留水1Lに対し、チオ硫酸ナトリウム
(Na2S2O3 ・5H2O)6.21g、塩化アンモニウム(NH
4Cl )2.0g、硝酸カリウム(KNO3)3.0g、塩化
マグネシウム(MgCl2 ・6H2O)0.5g、塩化カルシウ
ム(CaCl2 ・2H2O)0.25g、硫酸第一鉄(FeSO4
7H2O)0.01g、モリブデン酸ナトリウム(Na2MoO4
・2H2O)0.3mg、及び酵母エキス0.1gを含む硫
黄酸化細菌用培地(pH6.0)をオートクレーブによ
り滅菌し、これを予め乾熱滅菌しておいた100ml容
三角フラスコに20mlずつ分注した。ここに、実施例
1〜16及び比較例1〜3で調製したアクリル板を無菌
的に入れ、さらに、予め培養しておいた硫黄酸化細菌
(Thiobacillus thiooxidans)を200μl植菌した。
30℃で10日間振とう培養し、10日後の培地のpH
及び培地中の硫酸イオン濃度を測定した。なお、培地中
の硫酸イオンの定量はイオンクロマトグラフィーによっ
た。その結果を、表2に示した。
【0040】 表2 ────────────────────────────────── 実施例及び比較例 培地のpH 硫酸イオン濃度(mM) ────────────────────────────────── 実施例1 5.8 0.2 実施例2 5.8 0.2 実施例3 5.8 0.2 実施例4 5.8 0.2 実施例5 5.8 0.2 実施例6 5.8 0.2 実施例7 5.8 0.2 実施例8 5.8 0.2 実施例9 5.4 0.6 実施例10 5.4 0.6 実施例11 5.4 0.6 実施例12 5.4 0.6 実施例13 5.4 0.6 実施例14 5.4 0.6 実施例15 5.4 0.6 実施例16 5.4 0.6 比較例1 1.6 47.9 比較例2 2.2 42.1 比較例3 1.9 47.3 ────────────────────────────────── ※硫黄酸化細菌の硫黄源である培地中のチオ硫酸イオン
が全て硫酸イオンに酸化された場合、培地中の硫酸イオ
ン濃度は50mMとなる。
【0041】表2に示した結果から、本発明の防食剤を
塗布していないアクリル板を入れた培地では、培養10
日後の培地のpHは2前後にまで低下し、培地中のチオ
硫酸イオンもほとんど硫酸イオンに酸化されていること
が示された。これに対し、本発明の防食剤を塗布したア
クリル板を入れた場合、防食剤に含まれるフタロシアニ
ン化合物により硫黄酸化細菌の生育が阻害され、培地の
pHの低下や硫酸イオンの生成はほとんど認められなか
った。
【0042】(実施例17〜24)セメント100重量
部、砂200重量部、及び水50重量部からなるコンク
リート組成物を、コンクリートミキサーを用いて充分に
練り混ぜた。これを型枠(4cm×4cm×15cm)
に入れて成形後、28日間標準養生を行いコンクリート
供試体を得た。これに、実施例1〜8で用いた防食剤
を、それぞれローラーを用いて塗布し、乾燥させた。
【0043】(比較例4)上記のコンクリート供試体を
そのまま供試した。
【0044】(比較例5)実施例1で用いた上塗り用エ
ポキシ樹脂を、上記のコンクリート供試体にローラーを
用いて塗布し、乾燥させた。
【0045】実施例17〜24及び比較例4〜5の供試
体を下水処理場の汚泥施設壁内に2年間曝露し、硫黄酸
化細菌の付着状況及び供試体のコンクリート部分の石膏
化状況を、以下のようにして評価した。その結果を、表
3に示した。
【0046】(硫黄酸化細菌の付着状況)供試体の表面
を、歯磨き用のブラシを用いて、滅菌した水道水(オー
トクレーブで20分間滅菌)50mlで洗浄し、その洗
浄液を超音波破砕した後、希釈した。これを、酵母エキ
スを添加しゲランガムで固化させた固体ONM培地(今
井・和民・片桐、“硫黄細菌の生化学的研究(第2報)
菌の生育条件について”、醗酵工学、42巻、762
頁、1964年)を用いて、培養温度30℃で11日間
培養し、生じたコロニーを計数した。この値から、洗浄
液1ml当たりの硫黄酸化細菌の数(cell/ml)
を求め、以下に示す評価基準から硫黄酸化細菌の付着状
況を評価した。
【0047】硫黄酸化細菌の付着状況の評価基準 評価 1:106 cell/ml以上 評価 2:104 〜106 cell/ml 評価 3:102 〜104 cell/ml 評価 4:102 cell/ml未満 評価 5:付着は全く認められず
【0048】(供試体の石膏化状況)供試体のコンクリ
ート部分の表面を10gサンプリングし、X線回折装置
を用いて硫酸カルシウムの量を測定した。この値から、
供試体のコンクリート部分表面のカルシウムのうち硫酸
による腐食生成物である硫酸カルシウムに変化した割合
(%)を求め、以下に示す評価基準から供試体の石膏化
状況を評価した。
【0049】供試体の石膏化状況の評価基準 評価 1:80%以上 評価 2:50〜80% 評価 3:30〜50% 評価 4:1〜30% 評価 5:石膏化は全く認められず
【0050】 表3 ────────────────────────────────── 実施例及び比較例 硫黄酸化細菌の付着状況 供試体の石膏化状況 ────────────────────────────────── 実施例17 評価 5 評価 5 実施例18 評価 5 評価 5 実施例19 評価 5 評価 5 実施例20 評価 5 評価 5 実施例21 評価 5 評価 5 実施例22 評価 5 評価 5 実施例23 評価 5 評価 5 実施例24 評価 5 評価 5 比較例4 評価 1 評価 1 比較例5 評価 2 評価 4 ──────────────────────────────────
【0051】表3に示した結果から、エポキシ樹脂を塗
布していないコンクリート供試体の場合(比較例4)、
供試体表面には硫黄酸化細菌が生育し、表面の石膏化に
よる腐食が進んでいた。また、フタロシアニン化合物を
配合した供試体の場合(比較例5)も、供試体表面には
比較例4と同様硫黄酸化細菌の生育が認められたが、供
試体のコンクリート部分の石膏化はほとんど進んでいな
かった。これに対し、本発明の防食剤を塗布した供試体
では、供試体表面の硫黄酸化細菌の生育も、供試体のコ
ンクリート部分の石膏化も認められなかった。これらの
結果から、本発明の防食剤を塗布したコンクリートが硫
黄酸化細菌の生育を阻害し、かつ硫黄酸化細菌の作用で
生成する硫酸に対しても強い抵抗性を有することが示さ
れた。
【0052】(実施例25〜32)水道用鋼管に実施例
1〜8で用いた防食剤を、それぞれローラーを用いて塗
布し、乾燥させた。
【0053】(比較例6)上記の水道用鋼管をそのまま
供試した。
【0054】(比較例7)実施例1で用いた上塗り用エ
ポキシ樹脂を、上記の水道用鋼管にローラーを用いて塗
布し、乾燥させた。
【0055】実施例25〜32及び比較例6〜7の供試
体を下水処理場の汚泥施設壁内に2年間曝露し、硫黄酸
化細菌の付着状況及び供試体の鋼材部分の硫酸腐食状況
を、以下のようにして評価した。その結果を、表4に示
した。
【0056】(硫黄酸化細菌の付着状況)供試体の表面
を、歯磨き用のブラシを用いて、滅菌した水道水(オー
トクレーブで20分間滅菌)50mlで洗浄し、その洗
浄液を超音波破砕した後、希釈した。これを、酵母エキ
スを添加しゲランガムで固化させた固体ONM培地(今
井・和民・片桐、“硫黄細菌の生化学的研究(第2報)
菌の生育条件について”、醗酵工学、42巻、762
頁、1964年)を用いて、培養温度30℃で11日間
培養し、生じたコロニーを計数した。この値から、洗浄
液1ml当たりの硫黄酸化細菌の数(cell/ml)
を求め、以下に示す評価基準から硫黄酸化細菌の付着状
況を評価した。
【0057】硫黄酸化細菌の付着状況の評価基準 評価 1:106 cell/ml以上 評価 2:104 〜106 cell/ml 評価 3:102 〜104 cell/ml 評価 4:102 cell/ml未満 評価 5:付着は全く認められず
【0058】(供試体の石膏化状況)供試体の鋼材部分
の表面10cm2 を、X線マイクロアナライザーを用い
て元素測定を行い、供試体の鋼材部分表面の鉄のうち硫
酸による腐食生成物である硫酸第一鉄に変化した割合
(%)を求め、以下に示す評価基準から供試体の硫酸腐
食状況を評価した。
【0059】供試体の硫酸腐食状況の評価基準 評価 1:80%以上 評価 2:50〜80% 評価 3:30〜50% 評価 4:1〜30% 評価 5:硫酸腐食は全く認められず
【0060】 表4 ────────────────────────────────── 実施例及び比較例 硫黄酸化細菌の付着状況 供試体の硫酸腐食状況 ────────────────────────────────── 実施例25 評価 5 評価 5 実施例26 評価 5 評価 5 実施例27 評価 5 評価 5 実施例28 評価 5 評価 5 実施例29 評価 5 評価 5 実施例30 評価 5 評価 5 実施例31 評価 5 評価 5 実施例32 評価 5 評価 5 比較例6 評価 1 評価 1 比較例7 評価 2 評価 3 ──────────────────────────────────
【0061】表4に示した結果から、エポキシ樹脂を塗
布していない水道用鋼管供試体の場合(比較例6)、供
試体表面には硫黄酸化細菌が生育し、鋼材部分の硫酸腐
食が進んでいた。また、フタロシアニン化合物を配合し
た水道用鋼管供試体の場合(比較例7)も、供試体表面
には比較例4と同様硫黄酸化細菌の生育が認められ、鋼
材部分の硫酸腐食も進行していた。これに対し、本発明
の防食剤を塗布した水道用鋼管供試体では、供試体表面
の硫黄酸化細菌の生育も、供試体の鋼材部分の硫酸腐食
も認められなかった。これらの結果から、本発明の防食
剤を塗布した鋼材が硫黄酸化細菌の生育を阻害し、かつ
硫黄酸化細菌の作用で生成する硫酸に対しても強い抵抗
性を有することが示された。
【0062】
【発明の効果】下水や土壌中に存在し、かつコンクリー
トや鋼材腐食の原因となる硫黄酸化細菌の体内には、ス
ルフィドオキシダーゼ、サルファジオキシダーゼ等の硫
黄の酸化還元に関与するいくつかの酵素が存在し、これ
らの相互作用で硫酸が生成する(小泉,“イオウ酸化細
菌の生理生態と生物工学”,用水と廃水,31巻,30
7頁,1989年)。フタロシアニン化合物は、硫黄酸
化細菌の菌体内のこれらの酵素反応を阻害することによ
って、硫黄酸化細菌の生育を阻害する。エポキシ樹脂、
タールエポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリ
エステル樹脂、ポリウレア樹脂等により、下水道用コン
クリート二次製品、下水道用鋼管、下水処理施設のコン
クリートや鋼材表面を被覆して、硫黄酸化細菌の作用で
生成する硫酸による腐食を防ぐ方法は、今日広く用いら
れている方法であるが、被覆材表面は硫黄酸化細菌に対
して生育阻害作用を示さないため、ピンホールや亀裂が
生じた場合は、硫黄酸化細菌由来の硫酸により内部のコ
ンクリートや鋼材は容易に腐食される。本発明の防食剤
を塗布したコンクリート、鋼材は、表面の硫黄酸化細菌
の生育を阻害し、かつ硫黄酸化細菌の作用で生成する硫
酸に対しても強い抵抗性を有するため、下水道用コンク
リート二次製品、下水道用鋼管、下水処理施設の腐食防
止に有効である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09D 163/00 C09D 163/00 163/10 163/10 167/06 167/06 175/02 175/02

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被膜形成用樹脂にフタロシアニン化合物
    を配合してなる防食剤。
  2. 【請求項2】 下水道用コンクリート二次製品、下水道
    用鋼管、又は下水処理施設用である請求項1記載の防食
    剤。
  3. 【請求項3】 フタロシアニン化合物が金属フタロシア
    ニンもしくはその誘導体であることを特徴とする請求項
    1又は2いずれか記載の防食剤。
  4. 【請求項4】 金属フタロシアニンもしくはその誘導体
    の金属原子がクロム、鉄、コバルト、ニッケル、モリブ
    デン、パラジウム、スズ、タングステン、及び白金から
    なる群より選ばれた少なくとも1種であることを特徴と
    する請求項1〜3いずれか記載の防食剤。
  5. 【請求項5】 フタロシアニン化合物が下記の一般式
    (1)で示される金属フタロシアニンもしくはその誘導
    体であることを特徴とする請求項1又は2記載の防食
    剤。 MXn Pc (1) (式中、Mは金属原子、Xは酸素原子、ハロゲン原子も
    しくは水酸基、Pcはフタロシアニン骨格、nは1〜5
    の整数をそれぞれ示す。)
  6. 【請求項6】 フタロシアニン化合物が無金属フタロシ
    アニンもしくはその誘導体であることを特徴とする請求
    項1又は2記載の防食剤。
  7. 【請求項7】 被膜形成用樹脂がエポキシ樹脂、タール
    エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステ
    ル樹脂、及びポリウレア樹脂からなる群より選ばれた少
    なくとも1種であることを特徴とする請求項1記載の防
    食剤。
  8. 【請求項8】 下水道用コンクリート二次製品、下水道
    用鋼管、又は下水処理施設に請求項1〜7いずれか記載
    の防食剤を塗布することにより、硫黄酸化細菌による腐
    食を防ぐことを特徴とする防食方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019126764A (ja) * 2018-01-23 2019-08-01 三菱日立パワーシステムズ株式会社 湿式排ガス脱硫装置及び湿式排ガス脱硫方法
JPWO2023026954A1 (ja) * 2021-08-26 2023-03-02

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019126764A (ja) * 2018-01-23 2019-08-01 三菱日立パワーシステムズ株式会社 湿式排ガス脱硫装置及び湿式排ガス脱硫方法
JPWO2023026954A1 (ja) * 2021-08-26 2023-03-02
WO2023026954A1 (ja) * 2021-08-26 2023-03-02 Dic株式会社 抗菌作用、あるいは、抗ウイルス作用を有するフタロシアニン顔料

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