JPH11189449A - コンクリート又はモルタル用腐食防止剤、及びコンクリート又はモルタルの腐食防止方法 - Google Patents
コンクリート又はモルタル用腐食防止剤、及びコンクリート又はモルタルの腐食防止方法Info
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- JPH11189449A JPH11189449A JP9359495A JP35949597A JPH11189449A JP H11189449 A JPH11189449 A JP H11189449A JP 9359495 A JP9359495 A JP 9359495A JP 35949597 A JP35949597 A JP 35949597A JP H11189449 A JPH11189449 A JP H11189449A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 硫黄酸化細菌の作用で生成する硫酸による下
水道施設等のコンクリート構造物の腐食を防止するコン
クリート又はモルタル用腐食防止剤、及びそれを用いた
コンクリート又はモルタルの腐食防止方法を提供する。 【解決手段】 本発明は、フタロシアニン化合物、アゾ
メチン金属錯体、β−ジケトン系金属錯体等の金属錯体
と、金属原子がチタン、バナジウム、クロム、マンガ
ン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、モリブデン、
パラジウム、銀、インジウム、スズ、白金、及び鉛から
なる群より選ばれた少なくとも1種である金属及び/又
は金属酸化物との混合物を有効成分とする腐食防止剤を
コンクリート又はモルタルに含有させ、硫黄酸化細菌の
生育を阻害することにより、コンクリート又はモルタル
の腐食を防止する方法である。この方法により、水質を
汚染することなく、効果的に且つ長時間に渡ってコンク
リート又はモルタルの腐食を防止することができ、特
に、下水道施設等のコンクリート構造物又はモルタル構
造物の腐食防止に有効である。
水道施設等のコンクリート構造物の腐食を防止するコン
クリート又はモルタル用腐食防止剤、及びそれを用いた
コンクリート又はモルタルの腐食防止方法を提供する。 【解決手段】 本発明は、フタロシアニン化合物、アゾ
メチン金属錯体、β−ジケトン系金属錯体等の金属錯体
と、金属原子がチタン、バナジウム、クロム、マンガ
ン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、モリブデン、
パラジウム、銀、インジウム、スズ、白金、及び鉛から
なる群より選ばれた少なくとも1種である金属及び/又
は金属酸化物との混合物を有効成分とする腐食防止剤を
コンクリート又はモルタルに含有させ、硫黄酸化細菌の
生育を阻害することにより、コンクリート又はモルタル
の腐食を防止する方法である。この方法により、水質を
汚染することなく、効果的に且つ長時間に渡ってコンク
リート又はモルタルの腐食を防止することができ、特
に、下水道施設等のコンクリート構造物又はモルタル構
造物の腐食防止に有効である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硫黄酸化細菌の生
育阻害作用を有することを特徴とするコンクリート又は
モルタル用腐食防止剤、並びにそれを用いたコンクリー
ト又はモルタルの腐食防止方法に関する。更に詳しく
は、下水道施設等のコンクリート構造物又はモルタル構
造物に好適に用いられるコンクリート又はモルタル用腐
食防止剤及びコンクリート又はモルタルの腐食防止方法
に関する。
育阻害作用を有することを特徴とするコンクリート又は
モルタル用腐食防止剤、並びにそれを用いたコンクリー
ト又はモルタルの腐食防止方法に関する。更に詳しく
は、下水道施設等のコンクリート構造物又はモルタル構
造物に好適に用いられるコンクリート又はモルタル用腐
食防止剤及びコンクリート又はモルタルの腐食防止方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、わが国の下水道施設等において、
コンクリート構造物の腐食の事例が数多く報告されてい
る。しかも、これらの腐食はわが国に限られたものでは
なく、アメリカ合衆国、エジプト、南アフリカ共和国、
オーストラリアなどでも報告されている。下水道施設等
の建設には多額の費用を要するので、これらの施設を長
期に渡って効果的に機能させるには、コンクリートの腐
食を防止するための適切な処置を講ずることが重要であ
る。
コンクリート構造物の腐食の事例が数多く報告されてい
る。しかも、これらの腐食はわが国に限られたものでは
なく、アメリカ合衆国、エジプト、南アフリカ共和国、
オーストラリアなどでも報告されている。下水道施設等
の建設には多額の費用を要するので、これらの施設を長
期に渡って効果的に機能させるには、コンクリートの腐
食を防止するための適切な処置を講ずることが重要であ
る。
【0003】コンクリートの腐食サイクルには、2種類
の微生物、すなわち、硫酸塩還元細菌及びチオバチルス
(Thiobacillus)属等の硫黄酸化細菌が関与しているこ
とが知られている。これらの微生物によるコンクリート
の腐食過程では、まず、下水中に存在する硫酸塩が、嫌
気的条件下で硫酸塩還元細菌により還元され、硫化水素
が発生する。次いで、この硫化水素がコンクリート壁面
に付着した水に吸着され、好気的条件下で硫黄酸化細菌
により酸化されて、硫酸が生成する。コンクリートの主
成分である水酸化カルシウムは、生成した硫酸によって
硫酸カルシウム(石膏)に変化し、これによりコンクリ
ートが膨張・脆弱化して腐食する。
の微生物、すなわち、硫酸塩還元細菌及びチオバチルス
(Thiobacillus)属等の硫黄酸化細菌が関与しているこ
とが知られている。これらの微生物によるコンクリート
の腐食過程では、まず、下水中に存在する硫酸塩が、嫌
気的条件下で硫酸塩還元細菌により還元され、硫化水素
が発生する。次いで、この硫化水素がコンクリート壁面
に付着した水に吸着され、好気的条件下で硫黄酸化細菌
により酸化されて、硫酸が生成する。コンクリートの主
成分である水酸化カルシウムは、生成した硫酸によって
硫酸カルシウム(石膏)に変化し、これによりコンクリ
ートが膨張・脆弱化して腐食する。
【0004】上記の2種類の微生物のうち、硫黄酸化細
菌がコンクリート腐食の主な原因であると考えられてお
り、硫黄酸化細菌による硫化水素から硫酸への変化を防
止するための種々の防止方法が提案されている。その一
つとして、硫黄酸化細菌の基質である硫化水素の濃度を
低減させる方法が示されている。例えば、下水に空気や
酸素を注入して、コンクリート壁面上の水に吸着される
前に硫化水素を揮散・酸化させると同時に、嫌気性菌で
ある硫酸塩還元細菌の働きを抑制して硫化水素の発生を
低減する方法が知られている。このうち、下水に空気を
注入する空気注入法は比較的簡単な方法であるが、硫化
水素の気−液平衡を乱して空気中に硫化水素をより多く
放散させる可能性がある。また、下水に酸素を注入する
酸素注入法はより効果的に硫化水素を酸化できるが、コ
スト高になるというデメリットがある。これとは別に、
下水に塩素や過酸化水素、過マンガン酸カリウム、又は
鉄、亜鉛、鉛、銅等の金属塩を大量に添加して、下水中
の硫化水素を捕捉する方法が知られている。また、特開
平7−70561号公報には、水に易溶性のキノン誘導
体を下水に添加して硫化水素を酸化すると同時に、硫酸
塩還元細菌の作用も抑制してコンクリートの腐食を防ぐ
方法が示されている。しかし、これらの方法は下水に添
加した物質が流去されるため効果的ではなく、経済的に
も問題がある。
菌がコンクリート腐食の主な原因であると考えられてお
り、硫黄酸化細菌による硫化水素から硫酸への変化を防
止するための種々の防止方法が提案されている。その一
つとして、硫黄酸化細菌の基質である硫化水素の濃度を
低減させる方法が示されている。例えば、下水に空気や
酸素を注入して、コンクリート壁面上の水に吸着される
前に硫化水素を揮散・酸化させると同時に、嫌気性菌で
ある硫酸塩還元細菌の働きを抑制して硫化水素の発生を
低減する方法が知られている。このうち、下水に空気を
注入する空気注入法は比較的簡単な方法であるが、硫化
水素の気−液平衡を乱して空気中に硫化水素をより多く
放散させる可能性がある。また、下水に酸素を注入する
酸素注入法はより効果的に硫化水素を酸化できるが、コ
スト高になるというデメリットがある。これとは別に、
下水に塩素や過酸化水素、過マンガン酸カリウム、又は
鉄、亜鉛、鉛、銅等の金属塩を大量に添加して、下水中
の硫化水素を捕捉する方法が知られている。また、特開
平7−70561号公報には、水に易溶性のキノン誘導
体を下水に添加して硫化水素を酸化すると同時に、硫酸
塩還元細菌の作用も抑制してコンクリートの腐食を防ぐ
方法が示されている。しかし、これらの方法は下水に添
加した物質が流去されるため効果的ではなく、経済的に
も問題がある。
【0005】更に、有機化合物である抗菌剤をコンクリ
ートに混入することで硫黄酸化細菌を死滅させ、コンク
リートの腐食を防ぐ方法が知られている。しかし、これ
らの抗菌剤はコンクリートにピンホールや亀裂を生じさ
せ、コンクリートの耐久性を低下させる可能性がある。
また、強力な抗菌作用を持つNa−PCP(ペンタクロ
ロフェノールナトリウム)の使用は禁止されているのが
現状である。
ートに混入することで硫黄酸化細菌を死滅させ、コンク
リートの腐食を防ぐ方法が知られている。しかし、これ
らの抗菌剤はコンクリートにピンホールや亀裂を生じさ
せ、コンクリートの耐久性を低下させる可能性がある。
また、強力な抗菌作用を持つNa−PCP(ペンタクロ
ロフェノールナトリウム)の使用は禁止されているのが
現状である。
【0006】また、硫黄酸化細菌の生育は種々の金属イ
オンで阻害されることが知られており、水に難溶性で且
つ硫酸に可溶性である銅、ニッケル、スズ、鉛等の金
属、又はこれらの金属の酸化物をコンクリートに含有さ
せてコンクリートの腐食を防ぐ方法が、特開平4−14
9053号公報に示されている。この方法では、前記金
属及び/又は金属酸化物から、硫黄酸化細菌が発生され
た硫酸によって金属イオンが溶出し、これにより硫黄酸
化細菌が防菌及び/又は殺菌される。しかし、この方法
は、硫酸に対する溶解性が高い金属及び/又は金属酸化
物を使用するため、長期に渡ってコンクリートの腐食を
防止するには、金属等の使用量が多くなる等の欠点を有
している。また、下水中にニッケル、スズ、鉛等の重金
属イオンが溶出するため、これらの金属及び/又は金属
酸化物を多量に使用する場合は、水質汚染の可能性があ
る。
オンで阻害されることが知られており、水に難溶性で且
つ硫酸に可溶性である銅、ニッケル、スズ、鉛等の金
属、又はこれらの金属の酸化物をコンクリートに含有さ
せてコンクリートの腐食を防ぐ方法が、特開平4−14
9053号公報に示されている。この方法では、前記金
属及び/又は金属酸化物から、硫黄酸化細菌が発生され
た硫酸によって金属イオンが溶出し、これにより硫黄酸
化細菌が防菌及び/又は殺菌される。しかし、この方法
は、硫酸に対する溶解性が高い金属及び/又は金属酸化
物を使用するため、長期に渡ってコンクリートの腐食を
防止するには、金属等の使用量が多くなる等の欠点を有
している。また、下水中にニッケル、スズ、鉛等の重金
属イオンが溶出するため、これらの金属及び/又は金属
酸化物を多量に使用する場合は、水質汚染の可能性があ
る。
【0007】更に、特開平6−16460号公報及び特
開平6−16461号公報には、ニケロセン及びニッケ
ルジメチルグリオキシムといった金属錯体をコンクリー
トに含有させて腐食を防ぐ方法が示されている。しか
し、これらの金属錯体は発ガン性を有しており、安全性
の面で問題がある。
開平6−16461号公報には、ニケロセン及びニッケ
ルジメチルグリオキシムといった金属錯体をコンクリー
トに含有させて腐食を防ぐ方法が示されている。しか
し、これらの金属錯体は発ガン性を有しており、安全性
の面で問題がある。
【0008】硫酸に対して耐性のある材料を使用する方
法も、コンクリートの腐食防止方法としていくつか提案
されている。例えば、特開昭63−16072号公報や
特開平2−265708号公報には、エポキシ樹脂やポ
リエステル樹脂等のライニングによりコンクリートを保
護する方法が、また、特開平1−55493号公報に
は、ガラス材のライニングによりコンクリートを保護す
る方法が示されている。しかし、これらの方法は施工費
が高く、ピンホールを通してライニングの剥離が生じる
ため寿命が短いといった欠点を有している。したがっ
て、腐食防止効果を維持するためには定期的な再塗装が
必要であり、その度に長期間に渡り下水道施設等の運転
を停止せざるを得ない。
法も、コンクリートの腐食防止方法としていくつか提案
されている。例えば、特開昭63−16072号公報や
特開平2−265708号公報には、エポキシ樹脂やポ
リエステル樹脂等のライニングによりコンクリートを保
護する方法が、また、特開平1−55493号公報に
は、ガラス材のライニングによりコンクリートを保護す
る方法が示されている。しかし、これらの方法は施工費
が高く、ピンホールを通してライニングの剥離が生じる
ため寿命が短いといった欠点を有している。したがっ
て、腐食防止効果を維持するためには定期的な再塗装が
必要であり、その度に長期間に渡り下水道施設等の運転
を停止せざるを得ない。
【0009】硫酸塩の含有率高いスラグセメント等を用
いて、耐酸性、耐硫酸塩性に優れたコンクリートを得る
方法も知られているが、このスラグセメントは強度に乏
しく、また、得られたコンクリートも硫酸による腐食を
完全には防止できない。
いて、耐酸性、耐硫酸塩性に優れたコンクリートを得る
方法も知られているが、このスラグセメントは強度に乏
しく、また、得られたコンクリートも硫酸による腐食を
完全には防止できない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、効果的に且
つ長期間に渡って、下水道施設等のコンクリート又はモ
ルタルの腐食を防止することができるコンクリート又は
モルタル用腐食防止剤、及びそれを用いたコンクリート
又はモルタルの腐食防止方法の提供を目的とする。
つ長期間に渡って、下水道施設等のコンクリート又はモ
ルタルの腐食を防止することができるコンクリート又は
モルタル用腐食防止剤、及びそれを用いたコンクリート
又はモルタルの腐食防止方法の提供を目的とする。
【0011】本発明者は、下水道施設等のコンクリート
又はモルタルの腐食の主な原因である硫黄酸化細菌の生
育を阻害する方法を開発するため鋭意研究を重ねた結
果、フタロシアニン化合物、アゾメチン金属錯体、β−
ジケトン系金属錯体等の金属錯体と、ある種の金属及び
/又は金属酸化物との混合物に硫黄酸化細菌の生育を阻
害する作用があることを認めた。また、これら金属錯体
と金属及び/又は金属酸化物との混合物を含有させたコ
ンクリート又はモルタルが、硫黄酸化細菌に対する腐食
に対して強い抵抗性があることが見出され本発明に至っ
た。
又はモルタルの腐食の主な原因である硫黄酸化細菌の生
育を阻害する方法を開発するため鋭意研究を重ねた結
果、フタロシアニン化合物、アゾメチン金属錯体、β−
ジケトン系金属錯体等の金属錯体と、ある種の金属及び
/又は金属酸化物との混合物に硫黄酸化細菌の生育を阻
害する作用があることを認めた。また、これら金属錯体
と金属及び/又は金属酸化物との混合物を含有させたコ
ンクリート又はモルタルが、硫黄酸化細菌に対する腐食
に対して強い抵抗性があることが見出され本発明に至っ
た。
【0012】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、金属錯体
と、金属原子がチタン、バナジウム、クロム、マンガ
ン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、モリブデン、
パラジウム、銀、インジウム、スズ、白金、及び鉛から
なる群より選ばれた少なくとも1種である金属及び/又
は金属酸化物との混合物を有効成分とすることを特徴と
するコンクリート又はモルタル用腐食防止剤を提供す
る。
と、金属原子がチタン、バナジウム、クロム、マンガ
ン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、モリブデン、
パラジウム、銀、インジウム、スズ、白金、及び鉛から
なる群より選ばれた少なくとも1種である金属及び/又
は金属酸化物との混合物を有効成分とすることを特徴と
するコンクリート又はモルタル用腐食防止剤を提供す
る。
【0013】更に本発明は、金属錯体が、フタロシアニ
ン化合物であることを特徴とする上記のコンクリート又
はモルタル用腐食防止剤を提供する。
ン化合物であることを特徴とする上記のコンクリート又
はモルタル用腐食防止剤を提供する。
【0014】更に本発明は、フタロシアニン化合物が、
金属フタロシアニンもしくはその誘導体であることを特
徴とする上記のコンクリート又はモルタル用腐食防止剤
を提供する。
金属フタロシアニンもしくはその誘導体であることを特
徴とする上記のコンクリート又はモルタル用腐食防止剤
を提供する。
【0015】更に本発明は、金属フタロシアニンもしく
はその誘導体の金属原子が、クロム、鉄、コバルト、ニ
ッケル、モリブデン、パラジウム、スズ、タングステ
ン、及び白金からなる群より選ばれた少なくとも1種で
あることを特徴とする上記のコンクリート又はモルタル
用腐食防止剤を提供する。
はその誘導体の金属原子が、クロム、鉄、コバルト、ニ
ッケル、モリブデン、パラジウム、スズ、タングステ
ン、及び白金からなる群より選ばれた少なくとも1種で
あることを特徴とする上記のコンクリート又はモルタル
用腐食防止剤を提供する。
【0016】更に本発明は、金属フタロシアニンもしく
はその誘導体の金属原子が、リチウム、ナトリウム、カ
リウム、マグネシウム、アルミニウム、ケイ素、カルシ
ウム、マンガン、銅、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、
ジルコニウム、銀、カドミウム、インジウム、水銀、及
び鉛からなる群より選ばれた少なくとも1種であること
を特徴とする上記のコンクリート又はモルタル用腐食防
止剤を提供する。
はその誘導体の金属原子が、リチウム、ナトリウム、カ
リウム、マグネシウム、アルミニウム、ケイ素、カルシ
ウム、マンガン、銅、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、
ジルコニウム、銀、カドミウム、インジウム、水銀、及
び鉛からなる群より選ばれた少なくとも1種であること
を特徴とする上記のコンクリート又はモルタル用腐食防
止剤を提供する。
【0017】更に本発明は、金属フタロシアニンもしく
はその誘導体の金属原子が、希土類原子であることを特
徴とする上記のコンクリート又はモルタル用腐食防止剤
を提供する。
はその誘導体の金属原子が、希土類原子であることを特
徴とする上記のコンクリート又はモルタル用腐食防止剤
を提供する。
【0018】更に本発明は、フタロシアニン化合物が、
下記の一般式(1)で示される金属フタロシアニンもし
くはその誘導体であることを特徴とする上記のコンクリ
ート又はモルタル用腐食防止剤を提供する。 MXn Pc (1) 〔式中、Mは金属原子、Xは酸素原子、ハロゲン原子も
しくは水酸基、Pcはフタロシアニン骨格、nは1〜5
の整数をそれぞれ表す。〕
下記の一般式(1)で示される金属フタロシアニンもし
くはその誘導体であることを特徴とする上記のコンクリ
ート又はモルタル用腐食防止剤を提供する。 MXn Pc (1) 〔式中、Mは金属原子、Xは酸素原子、ハロゲン原子も
しくは水酸基、Pcはフタロシアニン骨格、nは1〜5
の整数をそれぞれ表す。〕
【0019】更に本発明は、金属フタロシアニンもしく
はその誘導体の金属原子の価数が3〜7であることを特
徴とする上記のコンクリート又はモルタル用腐食防止剤
を提供する。
はその誘導体の金属原子の価数が3〜7であることを特
徴とする上記のコンクリート又はモルタル用腐食防止剤
を提供する。
【0020】更に本発明は、金属フタロシアニンもしく
はその誘導体の金属原子が、チタン、バナジウム、クロ
ム、モリブデン、タングステン、ガリウム、インジウ
ム、ケイ素、及びゲルマニウムからなる群より選ばれた
少なくとも1種であることを特徴とする上記のコンクリ
ート又はモルタル用腐食防止剤を提供する。
はその誘導体の金属原子が、チタン、バナジウム、クロ
ム、モリブデン、タングステン、ガリウム、インジウ
ム、ケイ素、及びゲルマニウムからなる群より選ばれた
少なくとも1種であることを特徴とする上記のコンクリ
ート又はモルタル用腐食防止剤を提供する。
【0021】更に本発明は、フタロシアニン化合物が無
金属フタロシアニンもしくはその誘導体であることを特
徴とする上記のコンクリート又はモルタル用腐食防止剤
を提供する。
金属フタロシアニンもしくはその誘導体であることを特
徴とする上記のコンクリート又はモルタル用腐食防止剤
を提供する。
【0022】更に本発明は、金属錯体が、アゾメチン金
属錯体もしくはその誘導体であることを特徴とする上記
のコンクリート又はモルタル用腐食防止剤を提供する。
属錯体もしくはその誘導体であることを特徴とする上記
のコンクリート又はモルタル用腐食防止剤を提供する。
【0023】更に本発明は、アゾメチン金属錯体が、下
記一般式(2)又は一般式(3)で示される化合物であ
ることを特徴とする上記のコンクリート又はモルタル用
腐食防止剤を提供する。 一般式(2)
記一般式(2)又は一般式(3)で示される化合物であ
ることを特徴とする上記のコンクリート又はモルタル用
腐食防止剤を提供する。 一般式(2)
【0024】
【化3】
【0025】一般式(3)
【0026】
【化4】 〔式中、Mは2価の金属イオンを、R1 はアルキレン基
又はアリーレン基を、R 2 、R3 はそれぞれ水素原子、
アルキル基又はアリール基を表す。〕
又はアリーレン基を、R 2 、R3 はそれぞれ水素原子、
アルキル基又はアリール基を表す。〕
【0027】更に本発明は、金属錯体が、β−ジケトン
系金属錯体であることを特徴とする上記のコンクリート
又はモルタル用腐食防止剤を提供する。
系金属錯体であることを特徴とする上記のコンクリート
又はモルタル用腐食防止剤を提供する。
【0028】更に本発明は、β−ジケトン系金属錯体の
金属原子が、亜鉛、銅、鉛、コバルト、ニッケル、クロ
ム、マンガン、パラジウム、白金、アルミニウム、鉄、
ガリウム、インジウム、チタン、バナジウム、及びスカ
ンジウムからなる群より選ばれた少なくとも1種である
ことを特徴とする上記のコンクリート又はモルタル用腐
食防止剤を提供する。
金属原子が、亜鉛、銅、鉛、コバルト、ニッケル、クロ
ム、マンガン、パラジウム、白金、アルミニウム、鉄、
ガリウム、インジウム、チタン、バナジウム、及びスカ
ンジウムからなる群より選ばれた少なくとも1種である
ことを特徴とする上記のコンクリート又はモルタル用腐
食防止剤を提供する。
【0029】更に本発明は、コンクリート又はモルタル
に上記の腐食防止剤を含有させることを特徴とするコン
クリート又はモルタルの腐食防止方法を提供する。
に上記の腐食防止剤を含有させることを特徴とするコン
クリート又はモルタルの腐食防止方法を提供する。
【0030】本発明の腐食防止剤を下水道施設等のコン
クリート又はモルタルに用いれば、下水や土壌中などに
存在して繁殖する硫黄酸化細菌の生育を阻害することに
より、硫黄酸化細菌の作用で生成する硫酸による腐食の
サイクルを切断することができ、これにより下水道施設
等を長期間に渡って健全に保つことができる。
クリート又はモルタルに用いれば、下水や土壌中などに
存在して繁殖する硫黄酸化細菌の生育を阻害することに
より、硫黄酸化細菌の作用で生成する硫酸による腐食の
サイクルを切断することができ、これにより下水道施設
等を長期間に渡って健全に保つことができる。
【0031】
【発明の実施の形態】本発明において、金属錯体とは、
金属元素の原子又はイオンを中心にして、陰性、中性あ
るいは陽性の配位子が配位した化合物を示し、金属錯体
と、金属原子がチタン、バナジウム、クロム、マンガ
ン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、モリブデン、
パラジウム、銀、インジウム、スズ、白金、及び鉛から
なる群より選ばれた少なくとも1種である金属及び/又
は金属酸化物との混合物により、硫黄酸化細菌の生育を
阻害することでコンクリート又はモルタルの腐食を防止
することを特徴とする。本発明における金属錯体として
は、有機金属錯体、特にフタロアシニン化合物、アゾメ
チン金属錯体、β−ジケトン系金属錯体が望ましい。
金属元素の原子又はイオンを中心にして、陰性、中性あ
るいは陽性の配位子が配位した化合物を示し、金属錯体
と、金属原子がチタン、バナジウム、クロム、マンガ
ン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、モリブデン、
パラジウム、銀、インジウム、スズ、白金、及び鉛から
なる群より選ばれた少なくとも1種である金属及び/又
は金属酸化物との混合物により、硫黄酸化細菌の生育を
阻害することでコンクリート又はモルタルの腐食を防止
することを特徴とする。本発明における金属錯体として
は、有機金属錯体、特にフタロアシニン化合物、アゾメ
チン金属錯体、β−ジケトン系金属錯体が望ましい。
【0032】本発明に使用されるフタロシアニン化合物
とは、フタロシアニン骨格を有する化合物を示す。本発
明に使用される金属フタロシアニンとは、置換基を有し
ていないフタロシアニン骨格に金属原子が配位した化合
物であり、その誘導体とは、金属フタロシアニン分子中
のベンゼン環に水素原子以外の置換原子もしくは置換基
を有する化合物である。また、本発明に使用される無金
属フタロシアニンとは、置換基を有していないフタロシ
アニン骨格の中心に2個の水素原子が配位した化合物で
あり、その誘導体とは、無金属フタロシアニン分子中の
ベンゼン環に水素原子以外の置換原子もしくは置換基を
有する化合物である。本発明では、水に溶解しない金属
フタロシアニンもしくはその誘導体を用いることが望ま
しい。
とは、フタロシアニン骨格を有する化合物を示す。本発
明に使用される金属フタロシアニンとは、置換基を有し
ていないフタロシアニン骨格に金属原子が配位した化合
物であり、その誘導体とは、金属フタロシアニン分子中
のベンゼン環に水素原子以外の置換原子もしくは置換基
を有する化合物である。また、本発明に使用される無金
属フタロシアニンとは、置換基を有していないフタロシ
アニン骨格の中心に2個の水素原子が配位した化合物で
あり、その誘導体とは、無金属フタロシアニン分子中の
ベンゼン環に水素原子以外の置換原子もしくは置換基を
有する化合物である。本発明では、水に溶解しない金属
フタロシアニンもしくはその誘導体を用いることが望ま
しい。
【0033】上記の金属フタロシアニンの金属原子とし
ては、リチウム、マグネシウム、アルミニウム、ケイ
素、カルシウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニ
ッケル、銅、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、ジルコニ
ウム、モリブデン、パラジウム、銀、カドミウム、ス
ズ、タングステン、白金、水銀、鉛、及び希土類元素の
少なくとも1種であることが望ましい。なお、希土類元
素には、スカンジウム、イットリウム、ランタン、セリ
ウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリ
ウム、ユーロビウム、ガドリウム、テルビウム、ジスプ
ロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテ
ルビウム、及びルテチウムの金属原子が含まれる。
ては、リチウム、マグネシウム、アルミニウム、ケイ
素、カルシウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニ
ッケル、銅、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、ジルコニ
ウム、モリブデン、パラジウム、銀、カドミウム、ス
ズ、タングステン、白金、水銀、鉛、及び希土類元素の
少なくとも1種であることが望ましい。なお、希土類元
素には、スカンジウム、イットリウム、ランタン、セリ
ウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリ
ウム、ユーロビウム、ガドリウム、テルビウム、ジスプ
ロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテ
ルビウム、及びルテチウムの金属原子が含まれる。
【0034】本発明においては、下記の一般式(1)で
示される金属フタロシアニンを用いることも可能であ
る。 MXn Pc (1) 〔式中、Mは金属原子、Xは酸素原子、ハロゲン原子も
しくは水酸基、Pcはフタロシアニン骨格、nは1〜5
の整数をそれぞれ表す。〕 一般式(1)で示される金属フタロシアニンは、置換基
を有していないフタロシアニン骨格Pcに、Mで示され
る金属原子が配位し、さらに軸方向にXで示される酸素
原子、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子も
しくは水酸基が1〜5個配位した化合物である。
示される金属フタロシアニンを用いることも可能であ
る。 MXn Pc (1) 〔式中、Mは金属原子、Xは酸素原子、ハロゲン原子も
しくは水酸基、Pcはフタロシアニン骨格、nは1〜5
の整数をそれぞれ表す。〕 一般式(1)で示される金属フタロシアニンは、置換基
を有していないフタロシアニン骨格Pcに、Mで示され
る金属原子が配位し、さらに軸方向にXで示される酸素
原子、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子も
しくは水酸基が1〜5個配位した化合物である。
【0035】本発明において、金属フタロシアニンが一
般式(1)で示される構造を有するには、金属原子の価
数が3〜7であることが必要である。本発明では、この
ような価数をとることができる金属原子であれば、いず
れの金属原子を用いることも可能であるが、特に、チタ
ン、バナジウム、クロム、モリブデン、タングステン、
ガリウム、インジウム、ケイ素、及びゲルマニウムの少
なくとも1種であることが望ましい。
般式(1)で示される構造を有するには、金属原子の価
数が3〜7であることが必要である。本発明では、この
ような価数をとることができる金属原子であれば、いず
れの金属原子を用いることも可能であるが、特に、チタ
ン、バナジウム、クロム、モリブデン、タングステン、
ガリウム、インジウム、ケイ素、及びゲルマニウムの少
なくとも1種であることが望ましい。
【0036】上記金属フタロシアニン誘導体及び無金属
フタロシアニン誘導体の水素原子以外の置換原子又は置
換基の具体例として、以下のものを挙げることができ
る。すなわち、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲ
ン原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、
sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、
ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ステアリル基、
トリクロロメチル基、トリフロロメチル基、シクロプロ
ピル基、シクロヘキシル基、1,3−シクロヘキサジエ
ニル基、2−シクロペンテン−1−イル基、2,4−シ
クロペンタジエン−1−イリデニル基等の置換もしくは
未置換のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポ
キシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、ter
t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ
基、ステアリルオキシ基、トリフロロメトキシ基等の置
換もしくは未置換のアルコキシ基、メチルチオ基、エチ
ルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基、sec−ブ
チルチオ基、tert−ブチルチオ基、ペンチルチオ
基、ヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチルチオ基
等の置換もしくは未置換のチオアルコキシ基、ニトロ
基、シアノ基、カルボニル基、カルボキシル基、エステ
ル基、水酸基、スルホン酸基、ビニル基、メチルアミノ
基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミ
ノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基等のアル
キル基置換アミノ基、ジフェニルアミノ基、ジトリルア
ミノ基等の炭素環式芳香族アミノ基、ビス(アセトオキ
シメチル)アミノ基、ビス(アセトオキシエチル)アミ
ノ基、ビス(アセトオキシプロピル)アミノ基、ビス
(アセトオキシブチル)アミノ基、ジベンジルアミノ基
等のモノまたはジ置換アミノ基、フェノキシ基、p−t
ert−ブチルフェノキシ基、3−フルオロフェノキシ
基等の置換もしくは未置換のアリールオキシ基、フェニ
ルチオ基、3−フルオロフェニルチオ基等の置換もしく
は未置換のアリールチオ基、フェニル基、ビフェニル
基、トリフェニル基、テトラフェニル基、3−ニトロフ
ェニル基、4−メチルチオフェニル基、3,5−ジシア
ノフェニル基、o−、m−、及びp−トリル基、キシリ
ル基、o−、m−、及びp−クメニル基、メシチル基、
ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニ
ル基、ヘプタレニル基、アセナフチレニル基、フェナレ
ニル基、フルオレニル基、アントリル基、アントラキノ
ニル基、3−メチルアントリル基、フェナントリル基、
トリフェニレン基、ピレニル基、クリセニル基、2−エ
チル−1−クリセニル基、ピセニル基、ペリレニル基、
6−クロロペリレニル基、ペンタフェニル基、ペンタセ
ニル基、テトラフェニレン基、ヘキサフェニル基、ヘキ
サセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、トリナフチ
レニル基、ヘプタフェニル基、ヘプタセニル基、ピラン
トレニル基、オバレニル基等の置換もしくは未置換の芳
香族環基等である。
フタロシアニン誘導体の水素原子以外の置換原子又は置
換基の具体例として、以下のものを挙げることができ
る。すなわち、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲ
ン原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、
sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、
ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ステアリル基、
トリクロロメチル基、トリフロロメチル基、シクロプロ
ピル基、シクロヘキシル基、1,3−シクロヘキサジエ
ニル基、2−シクロペンテン−1−イル基、2,4−シ
クロペンタジエン−1−イリデニル基等の置換もしくは
未置換のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポ
キシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、ter
t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ
基、ステアリルオキシ基、トリフロロメトキシ基等の置
換もしくは未置換のアルコキシ基、メチルチオ基、エチ
ルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基、sec−ブ
チルチオ基、tert−ブチルチオ基、ペンチルチオ
基、ヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチルチオ基
等の置換もしくは未置換のチオアルコキシ基、ニトロ
基、シアノ基、カルボニル基、カルボキシル基、エステ
ル基、水酸基、スルホン酸基、ビニル基、メチルアミノ
基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミ
ノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基等のアル
キル基置換アミノ基、ジフェニルアミノ基、ジトリルア
ミノ基等の炭素環式芳香族アミノ基、ビス(アセトオキ
シメチル)アミノ基、ビス(アセトオキシエチル)アミ
ノ基、ビス(アセトオキシプロピル)アミノ基、ビス
(アセトオキシブチル)アミノ基、ジベンジルアミノ基
等のモノまたはジ置換アミノ基、フェノキシ基、p−t
ert−ブチルフェノキシ基、3−フルオロフェノキシ
基等の置換もしくは未置換のアリールオキシ基、フェニ
ルチオ基、3−フルオロフェニルチオ基等の置換もしく
は未置換のアリールチオ基、フェニル基、ビフェニル
基、トリフェニル基、テトラフェニル基、3−ニトロフ
ェニル基、4−メチルチオフェニル基、3,5−ジシア
ノフェニル基、o−、m−、及びp−トリル基、キシリ
ル基、o−、m−、及びp−クメニル基、メシチル基、
ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニ
ル基、ヘプタレニル基、アセナフチレニル基、フェナレ
ニル基、フルオレニル基、アントリル基、アントラキノ
ニル基、3−メチルアントリル基、フェナントリル基、
トリフェニレン基、ピレニル基、クリセニル基、2−エ
チル−1−クリセニル基、ピセニル基、ペリレニル基、
6−クロロペリレニル基、ペンタフェニル基、ペンタセ
ニル基、テトラフェニレン基、ヘキサフェニル基、ヘキ
サセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、トリナフチ
レニル基、ヘプタフェニル基、ヘプタセニル基、ピラン
トレニル基、オバレニル基等の置換もしくは未置換の芳
香族環基等である。
【0037】本発明において、金属フタロシアニン誘導
体及び無金属フタロシアニン誘導体としては、前述の金
属フタロシアニン及び無金属フタロシアニンの分子中の
ベンゼン環の1〜8個の水素原子が、ハロゲン原子、炭
素数1〜6のアルキル基、ニトロ基、シアノ基、水酸
基、スルホン酸基で置換された誘導体であることが望ま
しい。
体及び無金属フタロシアニン誘導体としては、前述の金
属フタロシアニン及び無金属フタロシアニンの分子中の
ベンゼン環の1〜8個の水素原子が、ハロゲン原子、炭
素数1〜6のアルキル基、ニトロ基、シアノ基、水酸
基、スルホン酸基で置換された誘導体であることが望ま
しい。
【0038】本発明に使用されるアゾメチン金属錯体と
は、一般にシッフ塩と呼ばれる化合物と金属との錯体の
ことであるが、特に、下記一般式(2)又は一般式
(3)で表される化合物であることが望ましい。 一般式(2)
は、一般にシッフ塩と呼ばれる化合物と金属との錯体の
ことであるが、特に、下記一般式(2)又は一般式
(3)で表される化合物であることが望ましい。 一般式(2)
【0039】
【化5】
【0040】一般式(3)
【0041】
【化6】 〔式中、Mは2価の金属イオンを、R1 はアルキレン基
又はアリーレン基を、R 2 、R3 はそれぞれ水素原子、
アルキル基又はアリール基を表す。〕
又はアリーレン基を、R 2 、R3 はそれぞれ水素原子、
アルキル基又はアリール基を表す。〕
【0042】上記一般式(2)又は一般式(3)で表さ
れるアゾメチン金属錯体において、Mで示される2価の
金属イオンとしては、例えば、マンガン、鉄、コバル
ト、ニッケル、銅、亜鉛、ロジウム、パラジウム、カド
ミウム、スズ、水銀、鉛の2価のイオンなどを挙げるこ
とができる。
れるアゾメチン金属錯体において、Mで示される2価の
金属イオンとしては、例えば、マンガン、鉄、コバル
ト、ニッケル、銅、亜鉛、ロジウム、パラジウム、カド
ミウム、スズ、水銀、鉛の2価のイオンなどを挙げるこ
とができる。
【0043】上記一般式(2)で表されるアゾメチン金
属錯体において、R1 で示されるアルキレン基又はアリ
ーレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレ
ン基、ブチレン基等の炭素数1〜20のアルキレン基、
及びフェニレン基、ナフチレン基、アントラニレン基、
ピレニレン基、ビフェニレン基等の炭素数6〜20のア
リーレン基を挙げることができる。
属錯体において、R1 で示されるアルキレン基又はアリ
ーレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレ
ン基、ブチレン基等の炭素数1〜20のアルキレン基、
及びフェニレン基、ナフチレン基、アントラニレン基、
ピレニレン基、ビフェニレン基等の炭素数6〜20のア
リーレン基を挙げることができる。
【0044】上記一般式(3)で表されるアゾメチン金
属錯体において、R2 、R3 で示されるアルキル基又は
アリール基としては、メチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基等の炭素数1〜20のアルキル基、及びフ
ェニル基、ナフチル基、アントラニル基、ピレニル基、
ビフェニル基等の炭素数6〜20のアリール基を挙げる
ことができる。
属錯体において、R2 、R3 で示されるアルキル基又は
アリール基としては、メチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基等の炭素数1〜20のアルキル基、及びフ
ェニル基、ナフチル基、アントラニル基、ピレニル基、
ビフェニル基等の炭素数6〜20のアリール基を挙げる
ことができる。
【0045】本発明におけるアゾメチン金属錯体の誘導
体とは、上記一般式(2)又は一般式(3)で表される
アゾメチン金属錯体の分子中のベンゼン環に置換原子も
しくは置換基を有する化合物である。置換原子もしくは
置換基の具体例として、以下のものを挙げることができ
る。即ち、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原
子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、se
c−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキ
シル基、ヘプチル基、オクチル基、ステアリル基、トリ
クロロメチル基、トリフロロメチル基、シクロプロピル
基、シクロヘキシル基、1,3−シクロヘキサジエニル
基、2−シクロペンテン−1−イル基、2,4−シクロ
ペンタジエン−1−イリデニル基等の置換もしくは未置
換のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ
基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−
ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ス
テアリルオキシ基、トリフロロメトキシ基等の置換もし
くは未置換のアルコキシ基、メチルチオ基、エチルチオ
基、プロピルチオ基、ブチルチオ基、sec−ブチルチ
オ基、tert−ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキ
シルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチルチオ基等の置換
もしくは未置換のチオアルコキシ基、ニトロ基、シアノ
基、カルボニル基、カルボキシル基、エステル基、水酸
基、スルホン酸基、ビニル基、メチルアミノ基、ジメチ
ルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプ
ロピルアミノ基、ジブチルアミノ基等のアルキル基置換
アミノ基、ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基等の
炭素環式芳香族アミノ基、ビス(アセトオキシメチル)
アミノ基、ビス(アセトオキシエチル)アミノ基、ビス
(アセトオキシプロピル)アミノ基、ビス(アセトオキ
シブチル)アミノ基、ジベンジルアミノ基等のモノまた
はジ置換アミノ基、フェノキシ基、p−tert−ブチ
ルフェノキシ基、3−フルオロフェノキシ基等の置換も
しくは未置換のアリールオキシ基、フェニルチオ基、3
−フルオロフェニルチオ基等の置換もしくは未置換のア
リールチオ基、フェニル基、ビフェニル基、トリフェニ
ル基、テトラフェニル基、3−ニトロフェニル基、4−
メチルチオフェニル基、3,5−ジシアノフェニル基、
o−、m−、及びp−トリル基、キシリル基、o−、m
−、及びp−クメニル基、メシチル基、ペンタレニル
基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタ
レニル基、アセナフチレニル基、フェナレニル基、フル
オレニル基、アントリル基、アントラキノニル基、3−
メチルアントリル基、フェナントリル基、トリフェニレ
ン基、ピレニル基、クリセニル基、2−エチル−1−ク
リセニル基、ピセニル基、ペリレニル基、6−クロロペ
リレニル基、ペンタフェニル基、ペンタセニル基、テト
ラフェニレン基、ヘキサフェニル基、ヘキサセニル基、
ルビセニル基、コロネニル基、トリナフチレニル基、ヘ
プタフェニル基、ヘプタセニル基、ピラントレニル基、
オバレニル基等の置換もしくは未置換の芳香族環基等で
ある。
体とは、上記一般式(2)又は一般式(3)で表される
アゾメチン金属錯体の分子中のベンゼン環に置換原子も
しくは置換基を有する化合物である。置換原子もしくは
置換基の具体例として、以下のものを挙げることができ
る。即ち、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原
子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、se
c−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキ
シル基、ヘプチル基、オクチル基、ステアリル基、トリ
クロロメチル基、トリフロロメチル基、シクロプロピル
基、シクロヘキシル基、1,3−シクロヘキサジエニル
基、2−シクロペンテン−1−イル基、2,4−シクロ
ペンタジエン−1−イリデニル基等の置換もしくは未置
換のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ
基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−
ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ス
テアリルオキシ基、トリフロロメトキシ基等の置換もし
くは未置換のアルコキシ基、メチルチオ基、エチルチオ
基、プロピルチオ基、ブチルチオ基、sec−ブチルチ
オ基、tert−ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキ
シルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチルチオ基等の置換
もしくは未置換のチオアルコキシ基、ニトロ基、シアノ
基、カルボニル基、カルボキシル基、エステル基、水酸
基、スルホン酸基、ビニル基、メチルアミノ基、ジメチ
ルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプ
ロピルアミノ基、ジブチルアミノ基等のアルキル基置換
アミノ基、ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基等の
炭素環式芳香族アミノ基、ビス(アセトオキシメチル)
アミノ基、ビス(アセトオキシエチル)アミノ基、ビス
(アセトオキシプロピル)アミノ基、ビス(アセトオキ
シブチル)アミノ基、ジベンジルアミノ基等のモノまた
はジ置換アミノ基、フェノキシ基、p−tert−ブチ
ルフェノキシ基、3−フルオロフェノキシ基等の置換も
しくは未置換のアリールオキシ基、フェニルチオ基、3
−フルオロフェニルチオ基等の置換もしくは未置換のア
リールチオ基、フェニル基、ビフェニル基、トリフェニ
ル基、テトラフェニル基、3−ニトロフェニル基、4−
メチルチオフェニル基、3,5−ジシアノフェニル基、
o−、m−、及びp−トリル基、キシリル基、o−、m
−、及びp−クメニル基、メシチル基、ペンタレニル
基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタ
レニル基、アセナフチレニル基、フェナレニル基、フル
オレニル基、アントリル基、アントラキノニル基、3−
メチルアントリル基、フェナントリル基、トリフェニレ
ン基、ピレニル基、クリセニル基、2−エチル−1−ク
リセニル基、ピセニル基、ペリレニル基、6−クロロペ
リレニル基、ペンタフェニル基、ペンタセニル基、テト
ラフェニレン基、ヘキサフェニル基、ヘキサセニル基、
ルビセニル基、コロネニル基、トリナフチレニル基、ヘ
プタフェニル基、ヘプタセニル基、ピラントレニル基、
オバレニル基等の置換もしくは未置換の芳香族環基等で
ある。
【0046】本発明に使用されるβ−ジケトン系金属錯
体とは、β−ジケトンを基本骨格とする配位子に金属原
子を配位させた化合物である。β−ジケトンの化学構造
を下記一般式(4)に示す。 一般式(4)
体とは、β−ジケトンを基本骨格とする配位子に金属原
子を配位させた化合物である。β−ジケトンの化学構造
を下記一般式(4)に示す。 一般式(4)
【0047】
【化7】
【0048】〔式中、R1 及びR2 は、それぞれ独
立に、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは
未置換のシクロアルキル基、置換もしくは未置換のアリ
ール基、置換もしくは未置換の複素環基を表す。〕
立に、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは
未置換のシクロアルキル基、置換もしくは未置換のアリ
ール基、置換もしくは未置換の複素環基を表す。〕
【0049】上記一般式(4)中のR1 及びR2 で
示される置換もしくは未置換のアルキル基の具体的な例
としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル
基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ステアリル
基、トリクロロメチル基、トリフロロメチル基等があ
る。
示される置換もしくは未置換のアルキル基の具体的な例
としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル
基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ステアリル
基、トリクロロメチル基、トリフロロメチル基等があ
る。
【0050】置換もしくは未置換のシクロアルキル基の
具体的な例としては、シクロプロピル基、シクロヘキシ
ル基等がある。置換もしくは未置換のアリール基の具体
的な例としては、フェニル基、ビフェニル基、トリフェ
ニル基、テトラフェニル基、ナフチル基、アントラニル
基、フェナントリル基、ピレニル基、フルオレニル基、
アズレニル基、インデニル基等がある。
具体的な例としては、シクロプロピル基、シクロヘキシ
ル基等がある。置換もしくは未置換のアリール基の具体
的な例としては、フェニル基、ビフェニル基、トリフェ
ニル基、テトラフェニル基、ナフチル基、アントラニル
基、フェナントリル基、ピレニル基、フルオレニル基、
アズレニル基、インデニル基等がある。
【0051】置換もしくは未置換の複素環基の具体的な
例としては、フラニル基、ピロリル基、ピラゾリル基、
イミダゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、オキ
サジアゾリル基、トリアゾリル基、チアジアゾリル基、
ピラニル基、ピリジニル基、ピリダジニル基、ピリミジ
ニル基、ピラジニル基、トリアジニル基、ベンゾフラニ
ル基、インドリル基、チオナフチル基、ベンゾイミダゾ
リル基、デンゾチアゾリル基、プリニル基、キノリル
基、イソキノリル基、クマリニル基、シノリニル基、キ
ノキサニル基、フラニル基、チオフェニル基、ベンゾフ
ラニル基、カルバゾリル基、アクリジル基、フェナンス
ロニル基、フェノチアゾリル基、ピロリジニル基、1,
3−ジオキソラニル基、2−ピラゾリジニル基、ピペリ
ジニル基、p−ジオキサニル基、モリフォリニル基、ピ
レラジニル基、s−トリチアニル基等がある。
例としては、フラニル基、ピロリル基、ピラゾリル基、
イミダゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、オキ
サジアゾリル基、トリアゾリル基、チアジアゾリル基、
ピラニル基、ピリジニル基、ピリダジニル基、ピリミジ
ニル基、ピラジニル基、トリアジニル基、ベンゾフラニ
ル基、インドリル基、チオナフチル基、ベンゾイミダゾ
リル基、デンゾチアゾリル基、プリニル基、キノリル
基、イソキノリル基、クマリニル基、シノリニル基、キ
ノキサニル基、フラニル基、チオフェニル基、ベンゾフ
ラニル基、カルバゾリル基、アクリジル基、フェナンス
ロニル基、フェノチアゾリル基、ピロリジニル基、1,
3−ジオキソラニル基、2−ピラゾリジニル基、ピペリ
ジニル基、p−ジオキサニル基、モリフォリニル基、ピ
レラジニル基、s−トリチアニル基等がある。
【0052】上記の置換もしくは未置換のアルキル基、
置換もしくは未置換のシクロアルキル基、置換もしくは
未置換のアリール基、置換もしくは未置換の複素環基に
置換しても良い置換基としては、フッ素、塩素、臭素、
ヨウ素等のハロゲン原子、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル
基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル
基、ステアリル基、トリクロロメチル基、トリフロロメ
チル基、シクロプロピル基、シクロヘキシル基、1,3
−シクロヘキサジエニル基、2−シクロペンテン−1−
イル基、2,4−シクロペンタジエン−1−イリデニル
基等の置換もしくは未置換のアルキル基、メトキシ基、
エトキシ基、プロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−
ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ
基、ヘキシルオキシ基、ステアリルオキシ基、トリフロ
ロメトキシ基等の置換もしくは未置換のアルコキシ基、
メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチル
チオ基、sec−ブチルチオ基、tert−ブチルチオ
基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、ヘプチルチオ
基、オクチルチオ基等の置換もしくは未置換のチオアル
コキシ基、ニトロ基、シアノ基、カルボニル基、エステ
ル基、水酸基、スルホン酸基、ビニル基、メチルアミノ
基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミ
ノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基等のアル
キル基置換アミノ基、ジフェニルアミノ基、ジトリルア
ミノ基等の炭素環式芳香族アミノ基、ビス(アセトオキ
シメチル)アミノ基、ビス(アセトオキシエチル)アミ
ノ基、ビス(アセトオキシプロピル)アミノ基、ビス
(アセトオキシブチル)アミノ基、ジベンジルアミノ基
等のモノまたはジ置換アミノ基、フェノキシ基、p−t
ert−ブチルフェニキシ基、3−フルオロフェニキシ
基等の置換もしくは未置換のアリールオキシ基、フェニ
ルチオ基、3−フルオロフェニルチオ基等の置換もしく
は未置換のアリールチオ基等がある。
置換もしくは未置換のシクロアルキル基、置換もしくは
未置換のアリール基、置換もしくは未置換の複素環基に
置換しても良い置換基としては、フッ素、塩素、臭素、
ヨウ素等のハロゲン原子、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル
基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル
基、ステアリル基、トリクロロメチル基、トリフロロメ
チル基、シクロプロピル基、シクロヘキシル基、1,3
−シクロヘキサジエニル基、2−シクロペンテン−1−
イル基、2,4−シクロペンタジエン−1−イリデニル
基等の置換もしくは未置換のアルキル基、メトキシ基、
エトキシ基、プロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−
ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ
基、ヘキシルオキシ基、ステアリルオキシ基、トリフロ
ロメトキシ基等の置換もしくは未置換のアルコキシ基、
メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチル
チオ基、sec−ブチルチオ基、tert−ブチルチオ
基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、ヘプチルチオ
基、オクチルチオ基等の置換もしくは未置換のチオアル
コキシ基、ニトロ基、シアノ基、カルボニル基、エステ
ル基、水酸基、スルホン酸基、ビニル基、メチルアミノ
基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミ
ノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基等のアル
キル基置換アミノ基、ジフェニルアミノ基、ジトリルア
ミノ基等の炭素環式芳香族アミノ基、ビス(アセトオキ
シメチル)アミノ基、ビス(アセトオキシエチル)アミ
ノ基、ビス(アセトオキシプロピル)アミノ基、ビス
(アセトオキシブチル)アミノ基、ジベンジルアミノ基
等のモノまたはジ置換アミノ基、フェノキシ基、p−t
ert−ブチルフェニキシ基、3−フルオロフェニキシ
基等の置換もしくは未置換のアリールオキシ基、フェニ
ルチオ基、3−フルオロフェニルチオ基等の置換もしく
は未置換のアリールチオ基等がある。
【0053】上記一般式(4)中のR1 及びR2 と
しては、具体的には、メチル基、tert−ブチル基、
トリフロロメチル基、フェニル基、フラニル基、チオフ
ェニル基等であることが望ましい。
しては、具体的には、メチル基、tert−ブチル基、
トリフロロメチル基、フェニル基、フラニル基、チオフ
ェニル基等であることが望ましい。
【0054】上記β−ジケトン系金属錯体の金属原子と
しては、亜鉛、銅、鉛、コバルト、ニッケル、クロム、
マンガン、パラジウム、白金、アルミニウム、鉄、ガリ
ウム、インジウム、チタン、バナジウム及びスカンジウ
ムの少なくとも一種であることが望ましい。
しては、亜鉛、銅、鉛、コバルト、ニッケル、クロム、
マンガン、パラジウム、白金、アルミニウム、鉄、ガリ
ウム、インジウム、チタン、バナジウム及びスカンジウ
ムの少なくとも一種であることが望ましい。
【0055】本発明において、これらの金属錯体は、コ
ンクリート又はモルタルと容易に且つ均一に混合できる
ように、微粉末状であることが望ましい。また、これら
の金属錯体の微粉末の平均粒子径は0.001μm〜1
mmであることが好ましく、0.01μm〜0.1mm
であることがより好ましい。これらの金属錯体は、単独
で用いても、2種類以上を併用して用いてもよいが、硫
黄酸化細菌に対する生育阻害作用はフタロシニン化合物
が優れるため、フタロシニン化合物を用いることが好ま
しい。
ンクリート又はモルタルと容易に且つ均一に混合できる
ように、微粉末状であることが望ましい。また、これら
の金属錯体の微粉末の平均粒子径は0.001μm〜1
mmであることが好ましく、0.01μm〜0.1mm
であることがより好ましい。これらの金属錯体は、単独
で用いても、2種類以上を併用して用いてもよいが、硫
黄酸化細菌に対する生育阻害作用はフタロシニン化合物
が優れるため、フタロシニン化合物を用いることが好ま
しい。
【0056】本発明のコンクリート又はモルタル用腐食
防止剤は、上記の金属錯体と、金属原子がチタン、バナ
ジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、
銅、亜鉛、モリブデン、パラジウム、銀、インジウム、
スズ、白金、及び鉛からなる群より選ばれた少なくとも
1種である金属及び/又は金属酸化物との混合物を有効
成分とする。これらの金属及び/又は金属酸化物は、単
独で用いても、2種類以上を併用して用いてもよい。
防止剤は、上記の金属錯体と、金属原子がチタン、バナ
ジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、
銅、亜鉛、モリブデン、パラジウム、銀、インジウム、
スズ、白金、及び鉛からなる群より選ばれた少なくとも
1種である金属及び/又は金属酸化物との混合物を有効
成分とする。これらの金属及び/又は金属酸化物は、単
独で用いても、2種類以上を併用して用いてもよい。
【0057】本発明において、金属及び/又は金属酸化
物は、コンクリート又はモルタルと容易に且つ均一に混
合できるように、微粉末状であることが望ましい。ま
た、金属及び/又は金属酸化物の微粉末の平均粒子径は
0.001μm〜1mmであることが好ましく、0.0
1μm〜0.1mmであることがより好ましい。
物は、コンクリート又はモルタルと容易に且つ均一に混
合できるように、微粉末状であることが望ましい。ま
た、金属及び/又は金属酸化物の微粉末の平均粒子径は
0.001μm〜1mmであることが好ましく、0.0
1μm〜0.1mmであることがより好ましい。
【0058】本発明のコンクリート又はモルタル用腐食
防止剤において、金属錯体と混合する金属及び/又は金
属酸化物の量は、金属錯体100重量部に対し、金属及
び/又は金属酸化物1〜1000重量部であることが好
ましく、10〜500重量部であることがより好まし
い。
防止剤において、金属錯体と混合する金属及び/又は金
属酸化物の量は、金属錯体100重量部に対し、金属及
び/又は金属酸化物1〜1000重量部であることが好
ましく、10〜500重量部であることがより好まし
い。
【0059】本発明のコンクリート又はモルタル用腐食
防止剤は、金属錯体と金属及び/又は金属酸化物との混
合物の他に、公知のコンクリート又はモルタル用混和剤
を含むことができる。このような混和剤としては、例え
ば、流動性等のワーカビリティーを向上させるために用
いられるAE剤・減水剤、高性能AE減水剤、材料分離
防止のために用いられる増粘剤等を挙げることができ
る。AE剤・減水剤、高性能AE減水剤としては、ナフ
タリン系、ポリカルボン酸系、メラミン系、アミノスル
ホン酸系等の高分子が挙げられ、また、増粘剤として
は、デンプン、グアーガム、メチルセルロース、カルボ
キシメチルセルロース、キサンタンガム、カードラン等
の多糖類及びその誘導体や、ポリアクリルアミド、ポリ
アクリル酸ナトリウム、ポリビニルアルコール等の合成
高分子が挙げられる。本発明のコンクリート又はモルタ
ル用腐食防止剤が、上記の混和剤を含む場合には、金属
錯体と金属及び/又は金属酸化物との混合物の混和剤へ
の添加量は、混和剤のコンクリート又はモルタルへの添
加量にもよるが、混和剤100重量部に対して5〜50
0重量部であることが好ましく、10〜100重量部で
あることがより好ましい。
防止剤は、金属錯体と金属及び/又は金属酸化物との混
合物の他に、公知のコンクリート又はモルタル用混和剤
を含むことができる。このような混和剤としては、例え
ば、流動性等のワーカビリティーを向上させるために用
いられるAE剤・減水剤、高性能AE減水剤、材料分離
防止のために用いられる増粘剤等を挙げることができ
る。AE剤・減水剤、高性能AE減水剤としては、ナフ
タリン系、ポリカルボン酸系、メラミン系、アミノスル
ホン酸系等の高分子が挙げられ、また、増粘剤として
は、デンプン、グアーガム、メチルセルロース、カルボ
キシメチルセルロース、キサンタンガム、カードラン等
の多糖類及びその誘導体や、ポリアクリルアミド、ポリ
アクリル酸ナトリウム、ポリビニルアルコール等の合成
高分子が挙げられる。本発明のコンクリート又はモルタ
ル用腐食防止剤が、上記の混和剤を含む場合には、金属
錯体と金属及び/又は金属酸化物との混合物の混和剤へ
の添加量は、混和剤のコンクリート又はモルタルへの添
加量にもよるが、混和剤100重量部に対して5〜50
0重量部であることが好ましく、10〜100重量部で
あることがより好ましい。
【0060】本発明のコンクリート又はモルタル用腐食
防止剤が上記混和剤を含む場合には、金属錯体と金属及
び/又は金属酸化物との混合物は混和剤に分散されてい
ることが望ましい。金属錯体と金属及び/又は金属酸化
物との混合物を混和剤に分散させるには、公知の種々な
粉砕機又は分散機を用いることができる。具体的には、
せん断応力により分散させる3本ロールミル、2本ロー
ルミル、ガラスビーズやジルコニアビーズ、メノー球な
どのメディアとの衝突による衝撃力により分散させるボ
ールミル、アトライター、サンドミル、コボールミル、
バスケットミル、振動ミル、ペイントコンディショナ
ー、また、せん断応力、キャビテーション、衝突力、ポ
テンシャルコアなどを発生させるような回転羽根により
分散させるディスパーサー、ホモジナイザー、クレアミ
ックス(R)などの装置を用いることができる。さら
に、ニーダー、エクストルーダー、ジェットミル、超音
波分散機等も使用可能である。
防止剤が上記混和剤を含む場合には、金属錯体と金属及
び/又は金属酸化物との混合物は混和剤に分散されてい
ることが望ましい。金属錯体と金属及び/又は金属酸化
物との混合物を混和剤に分散させるには、公知の種々な
粉砕機又は分散機を用いることができる。具体的には、
せん断応力により分散させる3本ロールミル、2本ロー
ルミル、ガラスビーズやジルコニアビーズ、メノー球な
どのメディアとの衝突による衝撃力により分散させるボ
ールミル、アトライター、サンドミル、コボールミル、
バスケットミル、振動ミル、ペイントコンディショナ
ー、また、せん断応力、キャビテーション、衝突力、ポ
テンシャルコアなどを発生させるような回転羽根により
分散させるディスパーサー、ホモジナイザー、クレアミ
ックス(R)などの装置を用いることができる。さら
に、ニーダー、エクストルーダー、ジェットミル、超音
波分散機等も使用可能である。
【0061】本発明のコンクリート又はモルタル用腐食
防止剤では、コンクリート又はモルタル中のセメント成
分100重量部に対して、金属錯体と金属及び/又は金
属酸化物との混合物の添加量が0.001〜30重量部
であることが好ましく、0.01〜5重量部であること
がより好ましい。金属錯体と金属及び/又は金属酸化物
との混合物の添加量が0.001重量部未満の場合は、
硫黄酸化細菌に対する生育阻害作用を長時間持続させる
ことが困難である。一方、30重量部を越えると、硫黄
酸化細菌に対する生育阻害作用のさらなる向上は期待で
きず、コスト高になり好ましくない。さらに、コンクリ
ート又はモルタルの強度も著しく低下する。
防止剤では、コンクリート又はモルタル中のセメント成
分100重量部に対して、金属錯体と金属及び/又は金
属酸化物との混合物の添加量が0.001〜30重量部
であることが好ましく、0.01〜5重量部であること
がより好ましい。金属錯体と金属及び/又は金属酸化物
との混合物の添加量が0.001重量部未満の場合は、
硫黄酸化細菌に対する生育阻害作用を長時間持続させる
ことが困難である。一方、30重量部を越えると、硫黄
酸化細菌に対する生育阻害作用のさらなる向上は期待で
きず、コスト高になり好ましくない。さらに、コンクリ
ート又はモルタルの強度も著しく低下する。
【0062】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例により詳細
に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0063】(実施例1〜26)表1に示したフタロシ
アニン化合物(平均粒子径1.0μm)100重量部
に、同じく表1に示した金属又は金属酸化物(平均粒子
径0.5μm)を20重量部混合した。セメント100
重量部、砂200重量部、及び水50重量部からなるコ
ンクリート組成物に、上記の混合物をそれぞれ2.5重
量部添加し、コンクリートミキサーを用いて充分練り混
ぜた。これを型枠に入れて成形後、28日間(湿気箱中
24時間、水中27日間)養生を行い、コンクリート供
試体を得た。
アニン化合物(平均粒子径1.0μm)100重量部
に、同じく表1に示した金属又は金属酸化物(平均粒子
径0.5μm)を20重量部混合した。セメント100
重量部、砂200重量部、及び水50重量部からなるコ
ンクリート組成物に、上記の混合物をそれぞれ2.5重
量部添加し、コンクリートミキサーを用いて充分練り混
ぜた。これを型枠に入れて成形後、28日間(湿気箱中
24時間、水中27日間)養生を行い、コンクリート供
試体を得た。
【0064】(実施例27〜52)表1に示したフタロ
シアニン化合物(平均粒子径1.0μm)100重量部
に、同じく表1に示した金属又は金属酸化物(平均粒子
径0.5μm)を20重量部混合した。セメント120
重量部、及び水80重量部からなるモルタル組成物に、
上記の混合物をそれぞれ3.0重量部添加し、モルタル
ミキサーを用いて充分練り混ぜた。これを型枠に入れて
成形後、28日間(湿気箱中24時間、水中27日間)
養生を行い、モルタル供試体を得た。
シアニン化合物(平均粒子径1.0μm)100重量部
に、同じく表1に示した金属又は金属酸化物(平均粒子
径0.5μm)を20重量部混合した。セメント120
重量部、及び水80重量部からなるモルタル組成物に、
上記の混合物をそれぞれ3.0重量部添加し、モルタル
ミキサーを用いて充分練り混ぜた。これを型枠に入れて
成形後、28日間(湿気箱中24時間、水中27日間)
養生を行い、モルタル供試体を得た。
【0065】 表1 ────────────────────────────────── 実施例 フタロシアニン化合物 金属又は金属酸化物 ────────────────────────────────── 1,27 CuPc Ni 2,28 FePc Ni 3,29 CoPc Ni 4,30,53 NiPc Ni 5,31 MoPc Ni 6,32 PdPc Ni 7,33 SnPc Ni 8,34 WPc Ni 9,35 PtPc Ni 10,36 H2 Pc Ni 11,37 WOPc Ni 12,38 WO2 Pc Ni 13,39 Al(OH)Pc Ni 14,40,54 NiPc−Cl4 Ag 15,41,55 NiPc−(t−Bu)4 Ag 16,42,56 NiPc−(CN)4 Ag 17,43,57 NiPc−(NO2 )4 Ag 18,44,58 NiPc−(CN)8 Ag 19,45,59 NiPc Mo 20,46,60 SnPc Mo 21,47,61 WPc Mo 22,48,62 NiPc−Cl4 Mo 23,49,63 NiPc MoO3 24,50,64 SnPc MoO3 25,51,65 WPc MoO3 26,52,66 NiPc−Cl4 MoO3 ────────────────────────────────── ※フタロシアニン化合物において、CuPc、FeP
c、CoPc、NiPc、MoPc、PdPc、SnP
c、WPc、PtPcは、それぞれ、金属原子が銅、
鉄、コバルト、ニッケル、モリブデン、パラジウム、ス
ズ、タングステン、及び白金である金属フタロシアニン
を表し、H2 Pcは無金属フタロシアニンを表す。ま
た、WOPc、WO2 Pc、Al(OH)Pcは、前述
の一般式(1)において、金属原子Mがタングステンあ
るいはアルミニウムで、Xが酸素原子あるいは水酸基で
ある金属フタロシアニンを表す。更に、Cl、t−B
u、CN、及び NO2 はそれぞれ置換原子もしくは置
換基が塩素原子、tert−ブチル基、シアノ基、及び
ニトロ基であることを表す。また、金属又は金属酸化物
において、Ni、Ag、Mo、及びMoO3 は、それぞ
れ、ニッケル、銀、モリブデン、及び酸化モリブデンを
表す。
c、CoPc、NiPc、MoPc、PdPc、SnP
c、WPc、PtPcは、それぞれ、金属原子が銅、
鉄、コバルト、ニッケル、モリブデン、パラジウム、ス
ズ、タングステン、及び白金である金属フタロシアニン
を表し、H2 Pcは無金属フタロシアニンを表す。ま
た、WOPc、WO2 Pc、Al(OH)Pcは、前述
の一般式(1)において、金属原子Mがタングステンあ
るいはアルミニウムで、Xが酸素原子あるいは水酸基で
ある金属フタロシアニンを表す。更に、Cl、t−B
u、CN、及び NO2 はそれぞれ置換原子もしくは置
換基が塩素原子、tert−ブチル基、シアノ基、及び
ニトロ基であることを表す。また、金属又は金属酸化物
において、Ni、Ag、Mo、及びMoO3 は、それぞ
れ、ニッケル、銀、モリブデン、及び酸化モリブデンを
表す。
【0066】(実施例53〜66)表1に示したフタロ
シアニン化合物(平均粒子径1.0μm)100重量部
に、同じく表1に示した金属又は金属酸化物(平均粒子
径0.5μm)を20重量部混合した。これに、ポリカ
ルボン酸系の高分子を主成分とするコンクリート用混和
剤(高性能AE減水剤)120重量部を添加し、振動ミ
ルを用いて分散させた。セメント100重量部、砂20
0重量部、上記のフタロシアニン化合物と金属又は金属
酸化物との混合物を分散させた混和剤2重量部、及び水
40重量部を混合し、コンクリートミキサーを用いて充
分練り混ぜた。これを型枠に入れて成形後、28日間
(湿気箱中24時間、水中27日間)養生を行い、コン
クリート供試体を得た。
シアニン化合物(平均粒子径1.0μm)100重量部
に、同じく表1に示した金属又は金属酸化物(平均粒子
径0.5μm)を20重量部混合した。これに、ポリカ
ルボン酸系の高分子を主成分とするコンクリート用混和
剤(高性能AE減水剤)120重量部を添加し、振動ミ
ルを用いて分散させた。セメント100重量部、砂20
0重量部、上記のフタロシアニン化合物と金属又は金属
酸化物との混合物を分散させた混和剤2重量部、及び水
40重量部を混合し、コンクリートミキサーを用いて充
分練り混ぜた。これを型枠に入れて成形後、28日間
(湿気箱中24時間、水中27日間)養生を行い、コン
クリート供試体を得た。
【0067】(アゾメチン金属錯体もしくはその誘導体
の調製)下記一般式(5)において、M、R2 、R3 、
R6 、R7 、及びR9 が、表2に示した組合わせである
アゾメチン金属錯体もしくはその誘導体(1)〜(1
8)を調製して供試した。なお、全てのアゾメチン金属
錯体もしくはその誘導体において、R1 、R4 、R5 、
及びR8 は水素原子である。また、下記一般式(6)に
おいて、M、R2 、R3 、R6 、R7 、R10、及びR
1 1 が、表3に示した組合わせであるアゾメチン金属錯
体もしくはその誘導体(19)〜(27)を調製して供
試した。なお、全てのアゾメチン金属錯体もしくはその
誘導体において、R1 、R4 、R5 、及びR8 は水素原
子である。 一般式(5)
の調製)下記一般式(5)において、M、R2 、R3 、
R6 、R7 、及びR9 が、表2に示した組合わせである
アゾメチン金属錯体もしくはその誘導体(1)〜(1
8)を調製して供試した。なお、全てのアゾメチン金属
錯体もしくはその誘導体において、R1 、R4 、R5 、
及びR8 は水素原子である。また、下記一般式(6)に
おいて、M、R2 、R3 、R6 、R7 、R10、及びR
1 1 が、表3に示した組合わせであるアゾメチン金属錯
体もしくはその誘導体(19)〜(27)を調製して供
試した。なお、全てのアゾメチン金属錯体もしくはその
誘導体において、R1 、R4 、R5 、及びR8 は水素原
子である。 一般式(5)
【0068】
【化8】
【0069】一般式(6)
【0070】
【化9】
【0071】 表2 ────────────────────────────────── アゾメチン金属錯体 M R2 R3 R6 R7 R9 もしくは誘導体 ────────────────────────────────── 1 Fe H H H H エチレン基 2 Ni H H H H エチレン基 3 Cu H H H H エチレン基 4 Fe H Cl H Cl エチレン基 5 Ni H Cl H Cl エチレン基 6 Cu H Cl H Cl エチレン基 7 Fe OH H OH H エチレン基 8 Ni OH H OH H エチレン基 9 Cu OH H OH H エチレン基 10 Fe H H H H o−フェニレン基 11 Ni H H H H o−フェニレン基 12 Cu H H H H o−フェニレン基 13 Fe H Cl H Cl o−フェニレン基 14 Ni H Cl H Cl o−フェニレン基 15 Cu H Cl H Cl o−フェニレン基 16 Fe OH H OH H o−フェニレン基 17 Ni OH H OH H o−フェニレン基 18 Cu OH H OH H o−フェニレン基 ──────────────────────────────────
【0072】 表3 ────────────────────────────────── アゾメチン金属錯体 M R2 R3 R6 R7 R10 R11 もしくは誘導体 ────────────────────────────────── 19 Fe H H H H メチル基 メチル基 20 Ni H H H H メチル基 メチル基 21 Cu H H H H メチル基 メチル基 22 Fe H Cl H Cl メチル基 メチル基 23 Ni H Cl H Cl メチル基 メチル基 24 Cu H Cl H Cl メチル基 メチル基 25 Fe OH H OH H メチル基 メチル基 26 Ni OH H OH H メチル基 メチル基 27 Cu OH H OH H メチル基 メチル基 ──────────────────────────────────
【0073】(実施例67〜93)表2及び表3に示し
たアゾメチン金属錯体もしくはその誘導体(1)〜(2
7)(平均粒子径1.0μm)100重量部に、金属ニ
ッケル(平均粒子径0.5μm)を20重量部混合し
た。セメント100重量部、砂200重量部、及び水5
0重量部からなるコンクリート組成物に、上記の混合物
をそれぞれ2.5重量部添加し、コンクリートミキサー
を用いて充分練り混ぜた。これを型枠に入れて成形後、
28日間(湿気箱中24時間、水中27日間)養生を行
い、コンクリート供試体を得た。
たアゾメチン金属錯体もしくはその誘導体(1)〜(2
7)(平均粒子径1.0μm)100重量部に、金属ニ
ッケル(平均粒子径0.5μm)を20重量部混合し
た。セメント100重量部、砂200重量部、及び水5
0重量部からなるコンクリート組成物に、上記の混合物
をそれぞれ2.5重量部添加し、コンクリートミキサー
を用いて充分練り混ぜた。これを型枠に入れて成形後、
28日間(湿気箱中24時間、水中27日間)養生を行
い、コンクリート供試体を得た。
【0074】(実施例94〜103)表4に示したβ−
ジケトン系金属錯体(平均粒子径1.0μm)100重
量部に、金属ニッケル(平均粒子径0.5μm)を20
重量部混合した。セメント100重量部、砂200重量
部、及び水50重量部からなるコンクリート組成物に、
上記の混合物をそれぞれ2.5重量部添加し、コンクリ
ートミキサーを用いて充分練り混ぜた。これを型枠に入
れて成形後、28日間(湿気箱中24時間、水中27日
間)養生を行い、コンクリート供試体を得た。
ジケトン系金属錯体(平均粒子径1.0μm)100重
量部に、金属ニッケル(平均粒子径0.5μm)を20
重量部混合した。セメント100重量部、砂200重量
部、及び水50重量部からなるコンクリート組成物に、
上記の混合物をそれぞれ2.5重量部添加し、コンクリ
ートミキサーを用いて充分練り混ぜた。これを型枠に入
れて成形後、28日間(湿気箱中24時間、水中27日
間)養生を行い、コンクリート供試体を得た。
【0075】 表4 ────────────────────────────────── 一般式(4)の配位子 実施例 金属 ──────────────────── R1 R2 ────────────────────────────────── 94 Zn メチル基 チオフェニル基 95 Cu メチル基 チオフェニル基 96 Pb メチル基 チオフェニル基 97 Co メチル基 チオフェニル基 98 Ni メチル基 チオフェニル基 99 Cr メチル基 チオフェニル基 100 Mn メチル基 チオフェニル基 101 Pt メチル基 チオフェニル基 102 Fe メチル基 チオフェニル基 103 Ti メチル基 チオフェニル基 ────────────────────────────────── ※R1 及びR2 は、それぞれ独立に、前記の一般式
(4)に示された置換もしくは未置換のアルキル基、置
換もしくは未置換のシクロアルキル基、置換もしくは未
置換のアリール基、置換もしくは未置換の複素環基を表
す。
(4)に示された置換もしくは未置換のアルキル基、置
換もしくは未置換のシクロアルキル基、置換もしくは未
置換のアリール基、置換もしくは未置換の複素環基を表
す。
【0076】(実施例104〜108)表4のβ−ジケ
トン系金属錯体に代えて、表5に示したβ−ジケトン系
金属錯体(平均粒子径1.0μm)を使用した以外は、
実施例94と同様な方法でコンクリート供試体を得た。
トン系金属錯体に代えて、表5に示したβ−ジケトン系
金属錯体(平均粒子径1.0μm)を使用した以外は、
実施例94と同様な方法でコンクリート供試体を得た。
【0077】 表5 ────────────────────────────────── 一般式(4)の配位子 実施例 金属 ───────────────────── R1 R2 ────────────────────────────────── 104 Ni メチル基 メチル基 105 Ni トリフロロメチル基 チオフェニル基 106 Ni トリフロロメチル基 フラニル基 107 Ni tert−ブチル基 tert−ブチル基 108 Ni トリフロロメチル基 フェニル基 ────────────────────────────────── ※R1 及びR2 は、それぞれ独立に、前記の一般式
(4)に示された置換もしくは未置換のアルキル基、置
換もしくは未置換のシクロアルキル基、置換もしくは未
置換のアリール基、置換もしくは未置換の複素環基を表
す。
(4)に示された置換もしくは未置換のアルキル基、置
換もしくは未置換のシクロアルキル基、置換もしくは未
置換のアリール基、置換もしくは未置換の複素環基を表
す。
【0078】(比較例1)本発明のコンクリート又はモ
ルタル用腐食防止剤を添加しない以外は、実施例1と同
様な操作を行ってコンクリート供試体を得た。
ルタル用腐食防止剤を添加しない以外は、実施例1と同
様な操作を行ってコンクリート供試体を得た。
【0079】(比較例2)本発明のコンクリート又はモ
ルタル用腐食防止剤の代わりに有機窒素硫黄系抗菌剤
(東京ファインケミカル社製「ファインサンドA−
3」)を添加した以外は、実施例1と同様な操作を行っ
てコンクリート供試体を得た。
ルタル用腐食防止剤の代わりに有機窒素硫黄系抗菌剤
(東京ファインケミカル社製「ファインサンドA−
3」)を添加した以外は、実施例1と同様な操作を行っ
てコンクリート供試体を得た。
【0080】(比較例3)本発明のコンクリート又はモ
ルタル用腐食防止剤を添加しない以外は、実施例27と
同様な操作を行ってモルタル供試体を得た。
ルタル用腐食防止剤を添加しない以外は、実施例27と
同様な操作を行ってモルタル供試体を得た。
【0081】(比較例4)本発明のコンクリート又はモ
ルタル用腐食防止剤の代わりに有機窒素硫黄系抗菌剤
(東京ファインケミカル社製「ファインサンドA−
3」)を添加した以外は、実施例27と同様な操作を行
ってモルタル供試体を得た。
ルタル用腐食防止剤の代わりに有機窒素硫黄系抗菌剤
(東京ファインケミカル社製「ファインサンドA−
3」)を添加した以外は、実施例27と同様な操作を行
ってモルタル供試体を得た。
【0082】実施例及び比較例で得られた供試体を、下
水処理場の汚泥施設の壁内に曝し、9ヶ月間汚泥に暴露
して硫黄酸化細菌の付着状況及び供試体の石膏化状況
を、以下のようにして評価した。結果を表6に示した。
水処理場の汚泥施設の壁内に曝し、9ヶ月間汚泥に暴露
して硫黄酸化細菌の付着状況及び供試体の石膏化状況
を、以下のようにして評価した。結果を表6に示した。
【0083】(硫黄酸化細菌の付着状況)供試体の表面
を、歯磨き用のブラシを用いて、滅菌した水道水(オー
トクレーブで20分間滅菌)50mlで洗浄し、その洗
浄液を超音波破砕した後、希釈した。これを、酵母エキ
スを添加しゲランガムで固化させた固体ONM培地(今
井・和民・片桐、“硫黄細菌の生化学的研究(第2報)
菌の生育条件について”、醗酵工学、42巻、762
頁、1964年)を用いて、培養温度30℃で11日間
培養し、生じたコロニーを計数した。この値から、洗浄
液1ml当たりの硫黄酸化細菌の数(cell/ml)
を求め、以下に示す評価基準から硫黄酸化細菌の付着状
況を評価した。
を、歯磨き用のブラシを用いて、滅菌した水道水(オー
トクレーブで20分間滅菌)50mlで洗浄し、その洗
浄液を超音波破砕した後、希釈した。これを、酵母エキ
スを添加しゲランガムで固化させた固体ONM培地(今
井・和民・片桐、“硫黄細菌の生化学的研究(第2報)
菌の生育条件について”、醗酵工学、42巻、762
頁、1964年)を用いて、培養温度30℃で11日間
培養し、生じたコロニーを計数した。この値から、洗浄
液1ml当たりの硫黄酸化細菌の数(cell/ml)
を求め、以下に示す評価基準から硫黄酸化細菌の付着状
況を評価した。
【0084】(石膏化状況)供試体の表面を10gサン
プリングし、X線回折装置を用いて硫酸カルシウムの量
を測定した。この値から、供試体表面のカルシウムのう
ち硫酸による腐食生成物である硫酸カルシウムに変化し
た割合(%)を求め、以下に示す評価基準から供試体の
石膏化状況を評価した。
プリングし、X線回折装置を用いて硫酸カルシウムの量
を測定した。この値から、供試体表面のカルシウムのう
ち硫酸による腐食生成物である硫酸カルシウムに変化し
た割合(%)を求め、以下に示す評価基準から供試体の
石膏化状況を評価した。
【0085】硫黄酸化細菌の付着状況の評価基準 評価 1:106 cell/ml以上 評価 2:104 〜106 cell/ml 評価 3:102 〜104 cell/ml 評価 4:102 cell/ml未満 評価 5:付着は全く認められず
【0086】供試体の石膏化状況の評価基準 評価 1:80%以上 評価 2:50〜80% 評価 3:30〜50% 評価 4:1〜30% 評価 5:石膏化は全く認められず
【0087】 表6 ────────────────────────────────── 実施例及び比較例 硫黄酸化細菌の付着状況 石膏化状況 ────────────────────────────────── 実施例1 評価 4 評価 4 実施例2 評価 4 評価 4 実施例3 評価 4 評価 4 実施例4 評価 5 評価 5 実施例5 評価 4 評価 5 実施例6 評価 5 評価 5 実施例7 評価 5 評価 5 実施例8 評価 5 評価 5 実施例9 評価 4 評価 5 実施例10 評価 4 評価 4 実施例11 評価 4 評価 5 実施例12 評価 4 評価 4 実施例13 評価 4 評価 4 実施例14 評価 5 評価 5 実施例15 評価 5 評価 5 実施例16 評価 5 評価 5 実施例17 評価 5 評価 5 実施例18 評価 5 評価 5 実施例19 評価 5 評価 5 実施例20 評価 5 評価 5 実施例21 評価 5 評価 5 実施例22 評価 5 評価 5 実施例23 評価 5 評価 5 実施例24 評価 5 評価 5 実施例25 評価 5 評価 5 実施例26 評価 5 評価 5 実施例27 評価 4 評価 4 実施例28 評価 4 評価 4 実施例29 評価 4 評価 4 実施例30 評価 5 評価 5 実施例31 評価 4 評価 5 実施例32 評価 5 評価 5 実施例33 評価 5 評価 5 実施例34 評価 5 評価 5 実施例35 評価 4 評価 5 実施例36 評価 4 評価 4 実施例37 評価 4 評価 5 実施例38 評価 4 評価 4 実施例39 評価 4 評価 4 実施例40 評価 5 評価 5 実施例41 評価 5 評価 5 実施例42 評価 5 評価 5 実施例43 評価 5 評価 5 実施例44 評価 5 評価 5 実施例45 評価 5 評価 5 実施例46 評価 5 評価 5 実施例47 評価 5 評価 5 実施例48 評価 5 評価 5 実施例49 評価 5 評価 5 実施例50 評価 5 評価 5 実施例51 評価 5 評価 5 実施例52 評価 5 評価 5 実施例53 評価 5 評価 5 実施例54 評価 5 評価 5 実施例55 評価 5 評価 5 実施例56 評価 5 評価 5 実施例57 評価 5 評価 5 実施例58 評価 5 評価 5 実施例59 評価 5 評価 5 実施例60 評価 5 評価 5 実施例61 評価 5 評価 5 実施例62 評価 5 評価 5 実施例63 評価 5 評価 5 実施例64 評価 5 評価 5 実施例65 評価 5 評価 5 実施例66 評価 5 評価 5 実施例67 評価 4 評価 4 実施例68 評価 4 評価 4 実施例69 評価 4 評価 4 実施例70 評価 4 評価 4 実施例71 評価 4 評価 4 実施例72 評価 4 評価 4 実施例73 評価 4 評価 4 実施例74 評価 4 評価 4 実施例75 評価 4 評価 4 実施例76 評価 4 評価 4 実施例77 評価 4 評価 4 実施例78 評価 4 評価 4 実施例79 評価 4 評価 4 実施例80 評価 4 評価 4 実施例81 評価 4 評価 4 実施例82 評価 4 評価 4 実施例83 評価 4 評価 4 実施例84 評価 4 評価 4 実施例85 評価 4 評価 4 実施例86 評価 4 評価 4 実施例87 評価 4 評価 4 実施例88 評価 4 評価 4 実施例89 評価 4 評価 4 実施例90 評価 4 評価 4 実施例91 評価 4 評価 4 実施例92 評価 4 評価 4 実施例93 評価 4 評価 4 実施例94 評価 4 評価 4 実施例95 評価 4 評価 4 実施例96 評価 4 評価 4 実施例97 評価 4 評価 4 実施例98 評価 4 評価 4 実施例99 評価 4 評価 4 実施例100 評価 4 評価 4 実施例101 評価 4 評価 4 実施例102 評価 4 評価 4 実施例103 評価 4 評価 4 実施例104 評価 4 評価 4 実施例105 評価 4 評価 4 実施例106 評価 4 評価 4 実施例107 評価 4 評価 4 実施例108 評価 4 評価 4 比較例1 評価 1 評価 1 比較例2 評価 1 評価 1 比較例3 評価 1 評価 1 比較例4 評価 1 評価 2 ──────────────────────────────────
【0088】本発明のコンクリート又はモルタル用腐食
防止剤を含有する供試体では、硫黄酸化細菌の付着状
況、石膏化状況とも評価4〜5であったが、コンクリー
ト又はモルタル用腐食防止剤を含有しない供試体、及び
コンクリート又はモルタル用腐食防止剤の代わりに有機
窒素硫黄系抗菌剤を含有する供試体では、硫黄酸化細菌
の付着が著しく、表面は石膏化して腐食が進んでいた。
このことから、本発明のコンクリート又はモルタル用腐
食防止剤は、コンクリート又はモルタルの腐食防止に有
効であることが認められた。
防止剤を含有する供試体では、硫黄酸化細菌の付着状
況、石膏化状況とも評価4〜5であったが、コンクリー
ト又はモルタル用腐食防止剤を含有しない供試体、及び
コンクリート又はモルタル用腐食防止剤の代わりに有機
窒素硫黄系抗菌剤を含有する供試体では、硫黄酸化細菌
の付着が著しく、表面は石膏化して腐食が進んでいた。
このことから、本発明のコンクリート又はモルタル用腐
食防止剤は、コンクリート又はモルタルの腐食防止に有
効であることが認められた。
【0089】
【発明の効果】下水や土壌中に存在し、且つコンクリー
ト又はモルタルの腐食の原因となる硫黄酸化細菌の体内
には、スルフィドオキシダーゼ、サルファジオキシダー
ゼ等の硫黄の酸化還元に関与するいくつかの酵素が存在
し、これらの相互作用で硫酸が生成する(小泉,“イオ
ウ酸化細菌の生理生態と生物工学”,用水と廃水,31
巻,307頁,1989年)。また、硫黄酸化細菌は、
硫黄粒子等の固体物質を基質にすることができるという
生態学的な特徴を有している。このため、コンクリート
又はモルタルに含有された金属錯体や金属及び/又は金
属酸化物も、硫黄酸化細菌の菌体内に容易に取り込まれ
る。硫黄酸化細菌の菌体内に取り込めれたこれらの物質
は、硫黄酸化細菌の菌体内の酵素反応を阻害することに
よって、硫黄酸化細菌の生育を阻害することができる。
本発明の腐食防止剤では、金属錯体と金属及び/又は金
属酸化物混合して用いることにより、後者の有する硫酸
への易溶解性に起因する問題(効果の持続性の低下や水
質汚染の可能性)を解決するとともに、両者の相互作用
により、コンクリートやモルタルへの添加量の低減を図
ることが可能である。さらに、金属錯体と金属及び/又
は金属酸化物との混合物は、コンクリート又はモルタル
用混和剤に含まれる高分子成分中に容易に分散するた
め、混和剤中で金属錯体や金属及び/又は金属酸化物が
凝集・沈澱することなく、これらが均一に分散したコン
クリート又はモルタルを調製することが可能である。し
たがって、本発明のコンクリート又はモルタル用腐食防
止剤、及びコンクリート又はモルタルの腐食防止方法
は、水質を汚染することなく、少量でコンクリート又は
モルタルの腐食を長期に渡って防止することができるの
で、コンクリート又はモルタルが使用される下水道施設
の構造物等、広い用途に利用される。
ト又はモルタルの腐食の原因となる硫黄酸化細菌の体内
には、スルフィドオキシダーゼ、サルファジオキシダー
ゼ等の硫黄の酸化還元に関与するいくつかの酵素が存在
し、これらの相互作用で硫酸が生成する(小泉,“イオ
ウ酸化細菌の生理生態と生物工学”,用水と廃水,31
巻,307頁,1989年)。また、硫黄酸化細菌は、
硫黄粒子等の固体物質を基質にすることができるという
生態学的な特徴を有している。このため、コンクリート
又はモルタルに含有された金属錯体や金属及び/又は金
属酸化物も、硫黄酸化細菌の菌体内に容易に取り込まれ
る。硫黄酸化細菌の菌体内に取り込めれたこれらの物質
は、硫黄酸化細菌の菌体内の酵素反応を阻害することに
よって、硫黄酸化細菌の生育を阻害することができる。
本発明の腐食防止剤では、金属錯体と金属及び/又は金
属酸化物混合して用いることにより、後者の有する硫酸
への易溶解性に起因する問題(効果の持続性の低下や水
質汚染の可能性)を解決するとともに、両者の相互作用
により、コンクリートやモルタルへの添加量の低減を図
ることが可能である。さらに、金属錯体と金属及び/又
は金属酸化物との混合物は、コンクリート又はモルタル
用混和剤に含まれる高分子成分中に容易に分散するた
め、混和剤中で金属錯体や金属及び/又は金属酸化物が
凝集・沈澱することなく、これらが均一に分散したコン
クリート又はモルタルを調製することが可能である。し
たがって、本発明のコンクリート又はモルタル用腐食防
止剤、及びコンクリート又はモルタルの腐食防止方法
は、水質を汚染することなく、少量でコンクリート又は
モルタルの腐食を長期に渡って防止することができるの
で、コンクリート又はモルタルが使用される下水道施設
の構造物等、広い用途に利用される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A01N 59/16 A01N 59/16 Z C04B 28/02 C04B 28/02 C07F 15/00 C07F 15/00 //(C04B 28/02 24:12) 103:69 111:26
Claims (15)
- 【請求項1】 金属錯体と、金属原子がチタン、バナジ
ウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、
銅、亜鉛、モリブデン、パラジウム、銀、インジウム、
スズ、白金、及び鉛からなる群より選ばれた少なくとも
1種である金属及び/又は金属酸化物との混合物を有効
成分とすることを特徴とするコンクリート又はモルタル
用腐食防止剤。 - 【請求項2】 金属錯体が、フタロシアニン化合物であ
ることを特徴とする請求項1記載のコンクリート又はモ
ルタル用腐食防止剤。 - 【請求項3】 フタロシアニン化合物が、金属フタロシ
アニンもしくはその誘導体であることを特徴とする請求
項1又は2いずれか記載のコンクリート又はモルタル用
腐食防止剤。 - 【請求項4】 金属フタロシアニンもしくはその誘導体
の金属原子が、クロム、鉄、コバルト、ニッケル、モリ
ブデン、パラジウム、スズ、タングステン、及び白金か
らなる群より選ばれた少なくとも1種であることを特徴
とする請求項3記載のコンクリート又はモルタル用腐食
防止剤。 - 【請求項5】 金属フタロシアニンもしくはその誘導体
の金属原子が、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグ
ネシウム、アルミニウム、ケイ素、カルシウム、マンガ
ン、銅、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、ジルコニウ
ム、銀、カドミウム、インジウム、水銀、及び鉛からな
る群より選ばれた少なくとも1種であることを特徴とす
る請求項3記載のコンクリート又はモルタル用腐食防止
剤。 - 【請求項6】 金属フタロシアニンもしくはその誘導体
の金属原子が、希土類原子であることを特徴とする請求
項3記載のコンクリート又はモルタル用腐食防止剤。 - 【請求項7】 フタロシアニン化合物が、下記の一般式
(1)で示される金属フタロシアニンもしくはその誘導
体であることを特徴とする請求項1又は2いずれか記載
のコンクリート又はモルタル用腐食防止剤。 MXn Pc (1) 〔式中、Mは金属原子、Xは酸素原子、ハロゲン原子も
しくは水酸基、Pcはフタロシアニン骨格、nは1〜5
の整数をそれぞれ表す。〕 - 【請求項8】 金属フタロシアニンもしくはその誘導体
の金属原子の価数が3〜7であることを特徴とする請求
項7記載のコンクリート又はモルタル用腐食防止剤。 - 【請求項9】 金属フタロシアニンもしくはその誘導体
の金属原子が、チタン、バナジウム、クロム、モリブデ
ン、タングステン、ガリウム、インジウム、ケイ素、及
びゲルマニウムからなる群より選ばれた少なくとも1種
であることを特徴とする請求項7又は8いずれか記載の
コンクリート又はモルタル用腐食防止剤。 - 【請求項10】 フタロシアニン化合物が無金属フタロ
シアニンもしくはその誘導体であることを特徴とする請
求項1又は2いずれか記載のコンクリート又はモルタル
用腐食防止剤。 - 【請求項11】 金属錯体が、アゾメチン金属錯体もし
くはその誘導体であることを特徴とする請求項1記載の
コンクリート又はモルタル用腐食防止剤。 - 【請求項12】 アゾメチン金属錯体が、下記一般式
(2)又は一般式(3)で示される化合物であることを
特徴とする請求項1又は11記載のコンクリート又はモ
ルタル用腐食防止剤。 一般式(2) 【化1】 一般式(3) 【化2】 〔式中、Mは2価の金属イオンを、R1 はアルキレン基
又はアリーレン基を、R 2 、R3 はそれぞれ水素原子、
アルキル基又はアリール基を表す。〕 - 【請求項13】 金属錯体が、β−ジケトン系金属錯体
であることを特徴とする請求項1記載のコンクリート又
はモルタル用腐食防止剤。 - 【請求項14】 β−ジケトン系金属錯体の金属原子
が、亜鉛、銅、鉛、コバルト、ニッケル、クロム、マン
ガン、パラジウム、白金、アルミニウム、鉄、ガリウ
ム、インジウム、チタン、バナジウム、及びスカンジウ
ムからなる群より選ばれた少なくとも1種であることを
特徴とする請求項1又は13記載のコンクリート又はモ
ルタル用腐食防止剤。 - 【請求項15】 コンクリート又はモルタルに請求項1
〜14いずれか記載の腐食防止剤を含有させることを特
徴とするコンクリート又はモルタルの腐食防止方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9359495A JPH11189449A (ja) | 1997-12-26 | 1997-12-26 | コンクリート又はモルタル用腐食防止剤、及びコンクリート又はモルタルの腐食防止方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9359495A JPH11189449A (ja) | 1997-12-26 | 1997-12-26 | コンクリート又はモルタル用腐食防止剤、及びコンクリート又はモルタルの腐食防止方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11189449A true JPH11189449A (ja) | 1999-07-13 |
Family
ID=18464802
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9359495A Pending JPH11189449A (ja) | 1997-12-26 | 1997-12-26 | コンクリート又はモルタル用腐食防止剤、及びコンクリート又はモルタルの腐食防止方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11189449A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003087009A1 (de) * | 2002-04-15 | 2003-10-23 | Labor Grieder | Zusatzstoff zur verbesserung der bioenergetischen eigenschaften von mineralischen baustoffen |
KR100810027B1 (ko) | 2006-10-27 | 2008-03-07 | (주)대우건설 | 콘크리트 방식 혼화제 |
KR101176774B1 (ko) | 2007-11-20 | 2012-08-23 | (주)대우건설 | 콘크리트용 방식 혼화제 |
JP2013095760A (ja) * | 2011-10-27 | 2013-05-20 | Ihi Corp | ラジカル抑制剤 |
-
1997
- 1997-12-26 JP JP9359495A patent/JPH11189449A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003087009A1 (de) * | 2002-04-15 | 2003-10-23 | Labor Grieder | Zusatzstoff zur verbesserung der bioenergetischen eigenschaften von mineralischen baustoffen |
KR100810027B1 (ko) | 2006-10-27 | 2008-03-07 | (주)대우건설 | 콘크리트 방식 혼화제 |
KR101176774B1 (ko) | 2007-11-20 | 2012-08-23 | (주)대우건설 | 콘크리트용 방식 혼화제 |
JP2013095760A (ja) * | 2011-10-27 | 2013-05-20 | Ihi Corp | ラジカル抑制剤 |
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