JPH0598475A - 鉄製品または鉄合金などの鉄分を含む金属製品 - Google Patents
鉄製品または鉄合金などの鉄分を含む金属製品Info
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- JPH0598475A JPH0598475A JP28564991A JP28564991A JPH0598475A JP H0598475 A JPH0598475 A JP H0598475A JP 28564991 A JP28564991 A JP 28564991A JP 28564991 A JP28564991 A JP 28564991A JP H0598475 A JPH0598475 A JP H0598475A
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Abstract
(57)【要約】 （修正有）
【目的】 細菌・黴・藻などの微生物、黒い寒天状物お
よび鉄錆により汚染されない鉄製品または鉄合金などの
鉄分を含む金属製品を提供することを目的とする。 【構成】 抗菌性能をもつイオンを溶出する銀、銅、亜
鉛およびそれら金属の化合物の抗菌イオン源と、上記抗
菌イオン源を担持する炭酸カルシウム、リン酸カルシウ
ム、セラミックスなどの担持体と、単結晶テトラポット
状の三次元構造をもつ酸化亜鉛ウイスカの三者を主体と
する抗菌・防錆兼用剤を付着させた鉄製品または鉄合金
などの鉄分を含む金属製品。
よび鉄錆により汚染されない鉄製品または鉄合金などの
鉄分を含む金属製品を提供することを目的とする。 【構成】 抗菌性能をもつイオンを溶出する銀、銅、亜
鉛およびそれら金属の化合物の抗菌イオン源と、上記抗
菌イオン源を担持する炭酸カルシウム、リン酸カルシウ
ム、セラミックスなどの担持体と、単結晶テトラポット
状の三次元構造をもつ酸化亜鉛ウイスカの三者を主体と
する抗菌・防錆兼用剤を付着させた鉄製品または鉄合金
などの鉄分を含む金属製品。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、鉄製品または鉄合金な
どの鉄分を含む金属製品に関するものである。
どの鉄分を含む金属製品に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】鉄製品または鉄合金などの鉄分を含む金
属製品は、プレス機などの生産機械、鋼管などの産業用
輸送パイプ、鉄道車輌、自動車、自転車、船舶などの輸
送機具、鉄筋などの建築材、鉄骨、橋梁、ガードレール
などの建造材、家庭内の釘、金槌などの大工道具および
錠、炊事用具などの日用品に至るまで、実に多くの分野
において使用されている。そしてこれらの製品に共通し
ていることは、水や湿度の高い空気に触れると鉄錆の発
生ならびに細菌、黴、藻などの微生物および俗にヌメヌ
メと言われている黒い寒天状物の付着によって汚染さ
れ、脆弱化したり不衛生で環境上好ましくなかったりす
る問題点があった。そこで鉄錆に対しては防錆塗料の塗
着によって対処し、微生物に対しては防黴剤を塗着して
対処することが一般的に行われていた。
属製品は、プレス機などの生産機械、鋼管などの産業用
輸送パイプ、鉄道車輌、自動車、自転車、船舶などの輸
送機具、鉄筋などの建築材、鉄骨、橋梁、ガードレール
などの建造材、家庭内の釘、金槌などの大工道具および
錠、炊事用具などの日用品に至るまで、実に多くの分野
において使用されている。そしてこれらの製品に共通し
ていることは、水や湿度の高い空気に触れると鉄錆の発
生ならびに細菌、黴、藻などの微生物および俗にヌメヌ
メと言われている黒い寒天状物の付着によって汚染さ
れ、脆弱化したり不衛生で環境上好ましくなかったりす
る問題点があった。そこで鉄錆に対しては防錆塗料の塗
着によって対処し、微生物に対しては防黴剤を塗着して
対処することが一般的に行われていた。
【０００３】しかしながら、これらの防錆および防黴剤
のなかには夫々公害上の問題があるものがあったり、ま
た完成品の価格アップの原因になる様な高価なものがあ
るなどの欠点があった。
のなかには夫々公害上の問題があるものがあったり、ま
た完成品の価格アップの原因になる様な高価なものがあ
るなどの欠点があった。
【０００４】とくに鉄錆の発生、拡がりと、微生物の付
着との両方を抑制する様な機能をもった鉄製品または鉄
合金などの鉄分を含む金属製品は市場で見当らないのが
過去の状況であった。
着との両方を抑制する様な機能をもった鉄製品または鉄
合金などの鉄分を含む金属製品は市場で見当らないのが
過去の状況であった。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する従来の鉄製品または鉄合金などの鉄分を含む金属製
品の問題点は、鉄錆と微生物の両方によって汚染され、
不衛生または脆弱化されると言う点である。本発明は、
このような従来の問題点を解決した鉄製品または鉄合金
などの鉄分を含む金属製品を提供することを課題とし、
しかも無公害でかつ廉価に本課題を解決しようとするも
のである。
する従来の鉄製品または鉄合金などの鉄分を含む金属製
品の問題点は、鉄錆と微生物の両方によって汚染され、
不衛生または脆弱化されると言う点である。本発明は、
このような従来の問題点を解決した鉄製品または鉄合金
などの鉄分を含む金属製品を提供することを課題とし、
しかも無公害でかつ廉価に本課題を解決しようとするも
のである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記する課題
を解決するために、抗菌性能（細菌、黴、藻などの微生
物の増殖を阻止または抑制する機能を以下抗菌性能と言
い、抗菌性能をもつものを抗菌剤と言う）をもつイオン
を溶出する銀、銅、亜鉛およびそれら金属の化合物から
なる群のうちから選ばれた１つまたは複数の抗菌イオン
源と、上記抗菌イオン源を吸着担持する炭酸カルシウ
ム、リン酸カルシウム、セラミックス材料からなる群の
うちから選ばれた１つまたは複数の担持体と、単結晶テ
トラポット状の三次元構造の酸化亜鉛ウイスカの三者を
主体として配合した抗菌・防錆兼用剤を付着した鉄製品
または鉄合金などの鉄分を含む金属製品を提供しようと
するものである。
を解決するために、抗菌性能（細菌、黴、藻などの微生
物の増殖を阻止または抑制する機能を以下抗菌性能と言
い、抗菌性能をもつものを抗菌剤と言う）をもつイオン
を溶出する銀、銅、亜鉛およびそれら金属の化合物から
なる群のうちから選ばれた１つまたは複数の抗菌イオン
源と、上記抗菌イオン源を吸着担持する炭酸カルシウ
ム、リン酸カルシウム、セラミックス材料からなる群の
うちから選ばれた１つまたは複数の担持体と、単結晶テ
トラポット状の三次元構造の酸化亜鉛ウイスカの三者を
主体として配合した抗菌・防錆兼用剤を付着した鉄製品
または鉄合金などの鉄分を含む金属製品を提供しようと
するものである。
【０００７】
【作用】本発明は、前記構成により、一般に無公害で飲
用浄水器などにも使用されている銀イオン、銅イオンま
たは亜鉛イオンを抗菌性能をもつ抗菌イオンとして使用
し、その抗菌イオン源を担持する物質として炭酸カルシ
ウム、リン酸カルシウム〔天然にはヒドロキシアパタイ
トとしてＣａ10（ＰＯ4)6(ＯＨ)2の化学式で表わされる
リン灰石とも呼ばれ、普遍的に多産されるリン酸塩鉱物
群〕、セラミックス材料（天然には酸性白土、童仙傍な
どの陶磁器原料）など無公害物質でかつ安価で十分広い
表面積になり易い材料を使用し、さらにこの担持体に単
結晶テトラポット状の三次元構造をもつ酸化亜鉛ウイス
カを配合した抗菌・防錆兼用剤を直接または間接的に塗
着などにより付着した鉄または鉄合金など鉄分を含む金
属製品であるため、使用中は勿論、廃棄した後でも細
菌、黴、藻などの微生物や黒い寒天状物の付着、増殖は
抑制できる。また同時に鉄錆の発生を抑制し、従来品に
較べて衛生的でかつ鉄錆による変質などのない強固な鉄
製品または鉄合金などの鉄分を含む金属製品を得ること
ができる。
用浄水器などにも使用されている銀イオン、銅イオンま
たは亜鉛イオンを抗菌性能をもつ抗菌イオンとして使用
し、その抗菌イオン源を担持する物質として炭酸カルシ
ウム、リン酸カルシウム〔天然にはヒドロキシアパタイ
トとしてＣａ10（ＰＯ4)6(ＯＨ)2の化学式で表わされる
リン灰石とも呼ばれ、普遍的に多産されるリン酸塩鉱物
群〕、セラミックス材料（天然には酸性白土、童仙傍な
どの陶磁器原料）など無公害物質でかつ安価で十分広い
表面積になり易い材料を使用し、さらにこの担持体に単
結晶テトラポット状の三次元構造をもつ酸化亜鉛ウイス
カを配合した抗菌・防錆兼用剤を直接または間接的に塗
着などにより付着した鉄または鉄合金など鉄分を含む金
属製品であるため、使用中は勿論、廃棄した後でも細
菌、黴、藻などの微生物や黒い寒天状物の付着、増殖は
抑制できる。また同時に鉄錆の発生を抑制し、従来品に
較べて衛生的でかつ鉄錆による変質などのない強固な鉄
製品または鉄合金などの鉄分を含む金属製品を得ること
ができる。
【０００８】本発明の特筆すべき作用は、上記に加え
て、 （１）配合される酸化亜鉛ウイスカが単結晶テトラポッ
ト状であるため、４方向に成長していると言う他の結晶
にはない特異な形状であるため、 （イ）活性ならびに、安定性が強く、銀イオン、銅イオ
ン、亜鉛イオンなどの抗菌性能を著るしく増大するもの
である。従って抗菌・防錆兼用剤の抗菌性能・防錆性能
が大きいのみならず高価な銀または銅はその含有量を著
るしく少量にして、コストを廉価にしても抗菌・防錆性
能の優れた鉄製品または鉄合金などの鉄分を含む金属製
品を実現できるものである。
て、 （１）配合される酸化亜鉛ウイスカが単結晶テトラポッ
ト状であるため、４方向に成長していると言う他の結晶
にはない特異な形状であるため、 （イ）活性ならびに、安定性が強く、銀イオン、銅イオ
ン、亜鉛イオンなどの抗菌性能を著るしく増大するもの
である。従って抗菌・防錆兼用剤の抗菌性能・防錆性能
が大きいのみならず高価な銀または銅はその含有量を著
るしく少量にして、コストを廉価にしても抗菌・防錆性
能の優れた鉄製品または鉄合金などの鉄分を含む金属製
品を実現できるものである。
【０００９】（ロ）銀イオン、銅イオン、亜鉛イオンな
どの抗菌性能を酸化亜鉛ウイスカの混入によって増進す
るために、銀、銅、亜鉛などを、従来の酸化亜鉛ウイス
カを混入しない抗菌剤に比較して１／１０〜１／１００
０に低減することができる。
どの抗菌性能を酸化亜鉛ウイスカの混入によって増進す
るために、銀、銅、亜鉛などを、従来の酸化亜鉛ウイス
カを混入しない抗菌剤に比較して１／１０〜１／１００
０に低減することができる。
【００１０】従って当然水中に溶出したとしてもその金
属イオンは公害上の排出基準よりも遙かに少なくするこ
とができる。このため環境保存、人体への影響にとって
も安全な抗菌・防錆機能をもった鉄製品または鉄合金な
どの鉄分を含む金属製品を実現できるものである。
属イオンは公害上の排出基準よりも遙かに少なくするこ
とができる。このため環境保存、人体への影響にとって
も安全な抗菌・防錆機能をもった鉄製品または鉄合金な
どの鉄分を含む金属製品を実現できるものである。
【００１１】（ハ）酸化亜鉛ウイスカは、繊維長が２〜
３μｍから数１００μｍ迄と長く、比重は５.7（空気透
過法による）、昇華温度１７２０℃、引張強さ２７０〜
２８０kgｆ／cm2 、曲げ強度４４０kgｆ／cm2 、曲げ弾
性率２０,0００〜２１,0００kgｆ／cm2 などの特性をも
っており、この酸化亜鉛ウイスカが配合された抗菌・防
錆兼用剤を含有するペイントを表面に付着した鉄製品ま
たは鉄合金などの鉄分を含む金属製品の場合には、通常
の従来のペイントを表面に付着させたものに比し強固で
あるという利点がある。 （２）吸着担持体は炭酸カルシウム、リン酸カルシウ
ム、セラミックスなどいずれも一般に使用されている安
価な無公害物質であり、抗菌イオン源として硝酸銀、硫
酸銅、硫酸亜鉛のような水溶性金属塩溶液を使用した場
合、単にこれらの溶液に担持体を浸漬するのみで、抗菌
イオン源を吸着担持ができる簡便なものである。そして
いずれも十分に広い表面積が得られるものである。
３μｍから数１００μｍ迄と長く、比重は５.7（空気透
過法による）、昇華温度１７２０℃、引張強さ２７０〜
２８０kgｆ／cm2 、曲げ強度４４０kgｆ／cm2 、曲げ弾
性率２０,0００〜２１,0００kgｆ／cm2 などの特性をも
っており、この酸化亜鉛ウイスカが配合された抗菌・防
錆兼用剤を含有するペイントを表面に付着した鉄製品ま
たは鉄合金などの鉄分を含む金属製品の場合には、通常
の従来のペイントを表面に付着させたものに比し強固で
あるという利点がある。 （２）吸着担持体は炭酸カルシウム、リン酸カルシウ
ム、セラミックスなどいずれも一般に使用されている安
価な無公害物質であり、抗菌イオン源として硝酸銀、硫
酸銅、硫酸亜鉛のような水溶性金属塩溶液を使用した場
合、単にこれらの溶液に担持体を浸漬するのみで、抗菌
イオン源を吸着担持ができる簡便なものである。そして
いずれも十分に広い表面積が得られるものである。
【００１２】
（実施例１）本実施例１では、本発明を適用した自動車
について以下述べる。
について以下述べる。
【００１３】まず、５％の硝酸溶液１２０ｇに銀１ｇを
溶解させて硝酸銀溶液を作り、水を加えて水溶性金属塩
溶液１リットルを作り、８.5％のアンモニア水溶液を加
えて、錯イオン化した硝酸銀錯イオン溶液として抗菌イ
オン源とする。この抗菌イオン源の溶液を加熱冷却可能
な高温オイル循環槽を備えた容器中に粒径０.5μｍ、比
表面積４０ｍ2 ／ｇの炭酸カルシウム粉末１０kgと共に
投入して１１０℃に保持し、よく攪拌しつつ十分に吸着
担持させる。このとき上記溶液中の水分とアンモニアは
完全に気化され、銀が均一に炭酸カルシウム粒子表面上
に担持される。さらに粒度１５０メッシュ、比表面積６
０ｍ2 ／ｇのヒドロキシアパタイトの粉末１０kgとバイ
ンダーの役目をする樹脂を前述の銀−炭酸カルシウム粉
末と酸化亜鉛ウイスカと共に１１０℃に加熱保持しなが
ら各々の原材料が、互いに十分分散されるまで擂潰機で
攪拌した後、８０〜１００℃で約４時間乾燥させて白色
粉体を得た。
溶解させて硝酸銀溶液を作り、水を加えて水溶性金属塩
溶液１リットルを作り、８.5％のアンモニア水溶液を加
えて、錯イオン化した硝酸銀錯イオン溶液として抗菌イ
オン源とする。この抗菌イオン源の溶液を加熱冷却可能
な高温オイル循環槽を備えた容器中に粒径０.5μｍ、比
表面積４０ｍ2 ／ｇの炭酸カルシウム粉末１０kgと共に
投入して１１０℃に保持し、よく攪拌しつつ十分に吸着
担持させる。このとき上記溶液中の水分とアンモニアは
完全に気化され、銀が均一に炭酸カルシウム粒子表面上
に担持される。さらに粒度１５０メッシュ、比表面積６
０ｍ2 ／ｇのヒドロキシアパタイトの粉末１０kgとバイ
ンダーの役目をする樹脂を前述の銀−炭酸カルシウム粉
末と酸化亜鉛ウイスカと共に１１０℃に加熱保持しなが
ら各々の原材料が、互いに十分分散されるまで擂潰機で
攪拌した後、８０〜１００℃で約４時間乾燥させて白色
粉体を得た。
【００１４】そして不飽和結合のあるポリエステル樹脂
と、燐原子を含有するビニール系単量体と、その他のビ
ニール系共重合性単量体とからなる塗料組成物中に、前
述した抗菌・防錆兼用剤の白色粉体を混入してペイント
を得た。このペイントを車体の鉄製部分に塗布した自動
車は、前記の抗菌・防錆兼用剤によって、水が付着した
り、湿度の高い空気中に触れても、黴などの微生物や黒
い寒天状物および鉄錆によって汚染されることがないも
のである。上記の抗菌・防錆の両機能をもった自動車で
あることを確認するため抗菌・防錆兼用剤の抗菌・防錆
効果について以下に述べる。
と、燐原子を含有するビニール系単量体と、その他のビ
ニール系共重合性単量体とからなる塗料組成物中に、前
述した抗菌・防錆兼用剤の白色粉体を混入してペイント
を得た。このペイントを車体の鉄製部分に塗布した自動
車は、前記の抗菌・防錆兼用剤によって、水が付着した
り、湿度の高い空気中に触れても、黴などの微生物や黒
い寒天状物および鉄錆によって汚染されることがないも
のである。上記の抗菌・防錆の両機能をもった自動車で
あることを確認するため抗菌・防錆兼用剤の抗菌・防錆
効果について以下に述べる。
【００１５】まず、図１に示す酸化亜鉛ウイスカの配合
量を上記実施例１において作製した抗菌・防錆兼用剤と
は全く別に重量比で０％〜３０％となるように比率をか
えた試料Ａ、Ｂ、Ｃ、Ｄの組成について、（表１）に示
す。
量を上記実施例１において作製した抗菌・防錆兼用剤と
は全く別に重量比で０％〜３０％となるように比率をか
えた試料Ａ、Ｂ、Ｃ、Ｄの組成について、（表１）に示
す。
【００１６】
【表１】 そして（表１）に示した試料について抗菌機能試験を行
い（表２）にその結果を示した。
い（表２）にその結果を示した。
【００１７】
【表２】 （表２）に示す試験に用いたカビは、ＪＩＳ２９１１
「カビ抵抗試験方法」による第一群アスペルギルス ニ
ゲル（Aspergillus Niger)、第２群ペニシリウムシトリ
ヌム（Penisillium Citrinum 青カビ）、第４群クラド
スポリウム クラドスポリオィデス（Cladosporium Cla
dosporiodes)、第５群ケトミウム グロボスム（Chaeto
mium Globosum)、更に真菌であるカンジダ アルビカン
ス（Candida Albicans）の５種である。試験方法はサブ
ロウ−寒天培地（Sabouraud-agarmedium)をシャーレに
流し込み、表面に抗菌性組成物を均一に薄く並べる。試
験菌を全面均一に塗布後ウェザーメータ内に置き、温度
２８℃、湿度７０〜７５％に条件を設定した後、１５０
時間放置し試験菌の繁殖の状態を調べたものである。
「カビ抵抗試験方法」による第一群アスペルギルス ニ
ゲル（Aspergillus Niger)、第２群ペニシリウムシトリ
ヌム（Penisillium Citrinum 青カビ）、第４群クラド
スポリウム クラドスポリオィデス（Cladosporium Cla
dosporiodes)、第５群ケトミウム グロボスム（Chaeto
mium Globosum)、更に真菌であるカンジダ アルビカン
ス（Candida Albicans）の５種である。試験方法はサブ
ロウ−寒天培地（Sabouraud-agarmedium)をシャーレに
流し込み、表面に抗菌性組成物を均一に薄く並べる。試
験菌を全面均一に塗布後ウェザーメータ内に置き、温度
２８℃、湿度７０〜７５％に条件を設定した後、１５０
時間放置し試験菌の繁殖の状態を調べたものである。
【００１８】次に上記（表１）に示した試料について防
錆機能試験を行った。即ち５００mlの水道水を入れたビ
ーカーを用意し、試料Ａ〜Ｄまでの４種類を重量比０.4
％となるように投入した後、０.5φの鋼線を２０cm同じ
要領で十分水中に浸漬されるよう投入する。日数の経過
によっては鋼線は発錆し茶色の鉄錆は水中に浮遊もしく
は沈澱する。常温で５０日間放置した鋼線を水中より取
り出し、試験前後の重量を測定する。鋼線重量の減少量
の百分率で発錆の割合を比較した結果を（表３）に示
す。
錆機能試験を行った。即ち５００mlの水道水を入れたビ
ーカーを用意し、試料Ａ〜Ｄまでの４種類を重量比０.4
％となるように投入した後、０.5φの鋼線を２０cm同じ
要領で十分水中に浸漬されるよう投入する。日数の経過
によっては鋼線は発錆し茶色の鉄錆は水中に浮遊もしく
は沈澱する。常温で５０日間放置した鋼線を水中より取
り出し、試験前後の重量を測定する。鋼線重量の減少量
の百分率で発錆の割合を比較した結果を（表３）に示
す。
【００１９】
【表３】 以上、（表１）、（表２）、（表３）により酸化亜鉛ウ
イスカの配合量が１０重量％以上の試料Ｂ、Ｃ、Ｄのも
のが特に抗菌・防錆機能が高く、全く酸化亜鉛ウイスカ
の配合のない試料Ａは抗菌・防錆の両機能が他の試料と
比較して少ないことがよく判る。なお、普通市販されて
いる銀イオンを抗菌機能の主体として使用するものは銀
が重量比で全体の５〜１０％程度のものが多い。従って
酸化亜鉛ウイスカの配合のない試料Ａに抗菌機能をもた
せるためには、含有する銀イオンを１００〜１０００倍
もの大量にすることが必要であると考えられる。
イスカの配合量が１０重量％以上の試料Ｂ、Ｃ、Ｄのも
のが特に抗菌・防錆機能が高く、全く酸化亜鉛ウイスカ
の配合のない試料Ａは抗菌・防錆の両機能が他の試料と
比較して少ないことがよく判る。なお、普通市販されて
いる銀イオンを抗菌機能の主体として使用するものは銀
が重量比で全体の５〜１０％程度のものが多い。従って
酸化亜鉛ウイスカの配合のない試料Ａに抗菌機能をもた
せるためには、含有する銀イオンを１００〜１０００倍
もの大量にすることが必要であると考えられる。
【００２０】なお、以上の実施例１では抗菌イオン源と
して硝酸銀を使用したものであるが、銀、銅、亜鉛また
はそれらの化合物を抗菌イオン源として使用しても抗菌
・防錆効果は同様であり、また担持体としては、炭酸カ
ルシウム、ヒドロキシアパタイトのようなリン酸カルシ
ウム、酸性白土や童仙傍などのセラミックス材のいづれ
を使用しても抗菌・防錆効果は同じであった。
して硝酸銀を使用したものであるが、銀、銅、亜鉛また
はそれらの化合物を抗菌イオン源として使用しても抗菌
・防錆効果は同様であり、また担持体としては、炭酸カ
ルシウム、ヒドロキシアパタイトのようなリン酸カルシ
ウム、酸性白土や童仙傍などのセラミックス材のいづれ
を使用しても抗菌・防錆効果は同じであった。
【００２１】（実施例２）本実施例２では、本発明を適
用したガードレールについて以下に述べる。
用したガードレールについて以下に述べる。
【００２２】前記した実施例１における抗菌・防錆兼用
剤を混入した塗料を白色のガードレールの上から吹き付
けによって固着する。このガードレールは山中など水分
の多い所に取り付けた場合であっても細菌・黴・藻など
の微生物、黒い寒天状物、鉄錆によって汚染されること
がないものである。その抗菌・防錆機能については実施
例１において述べた試験結果によって理解できるもので
ある。また同時に図１に示す酸化亜鉛ウイスカの存在に
よって抗菌効果は増進され、防錆効果をも発揮するもの
である。
剤を混入した塗料を白色のガードレールの上から吹き付
けによって固着する。このガードレールは山中など水分
の多い所に取り付けた場合であっても細菌・黴・藻など
の微生物、黒い寒天状物、鉄錆によって汚染されること
がないものである。その抗菌・防錆機能については実施
例１において述べた試験結果によって理解できるもので
ある。また同時に図１に示す酸化亜鉛ウイスカの存在に
よって抗菌効果は増進され、防錆効果をも発揮するもの
である。
【００２３】
【発明の効果】以上の実施例の説明からも明らかなよう
に、本発明の鉄製品または鉄合金などの鉄分を含む金属
製品は、細菌・黴・藻などの微生物や黒い寒天状物およ
び鉄錆の発生や増殖を阻止または抑制するもので、抗菌
機能の中枢を行う銀、銅、亜鉛などのイオンは極めて少
なくてその機能を酸化亜鉛ウイスカによって増進してい
るもので、廃棄されても環境的に安全であり、担体も酸
化亜鉛ウイスカも共に全て無公害かつコストが低いなど
優れた特徴がある。
に、本発明の鉄製品または鉄合金などの鉄分を含む金属
製品は、細菌・黴・藻などの微生物や黒い寒天状物およ
び鉄錆の発生や増殖を阻止または抑制するもので、抗菌
機能の中枢を行う銀、銅、亜鉛などのイオンは極めて少
なくてその機能を酸化亜鉛ウイスカによって増進してい
るもので、廃棄されても環境的に安全であり、担体も酸
化亜鉛ウイスカも共に全て無公害かつコストが低いなど
優れた特徴がある。
【図１】本発明の実施例１における抗菌・防錆兼用剤中
に含まれる単結晶テトラポット状の三次元構造をもつ酸
化亜鉛ウイスカの電子顕微鏡写真
に含まれる単結晶テトラポット状の三次元構造をもつ酸
化亜鉛ウイスカの電子顕微鏡写真
Claims (4)
- 【請求項１】 抗菌性能をもつイオンを溶出する銀、
銅、亜鉛およびそれらの金属の化合物からなる群のうち
から選ばれた１つまたは複数の抗菌イオン源と、上記抗
菌イオン源を吸着担持する炭酸カルシウム、リン酸カル
シウム、セラミックス材料からなる群のうちから選ばれ
た１つまたは複数の担持体と、単結晶テトラポット状の
三次元構造の酸化亜鉛ウイスカの三者を主体として配合
した抗菌・防錆兼用剤を付着した鉄製品または鉄合金な
どの鉄分を含む金属製品。 - 【請求項２】 請求項１における抗菌・防錆兼用剤を混
入した樹脂塗料を塗着した鉄製品または鉄合金などの鉄
分を含む金属製品。 - 【請求項３】 抗菌性能をもつイオンを溶出する金属
を、抗菌イオン源を吸着担持する担持体と酸化亜鉛ウイ
スカとの総重量の１％を上限として含有する抗菌・防錆
兼用剤を付着した請求項１または２記載の鉄製品または
鉄合金などの鉄分を含む金属製品。 - 【請求項４】 酸化亜鉛ウイスカを、抗菌イオンを吸着
担持する担持体に対し重量比で１／９を下限として含有
させた抗菌・防錆兼用剤を付着した請求項１、２または
３記載の鉄製品または鉄合金などの鉄分を含む金属製
品。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP28564991A JPH0598475A (ja) | 1991-10-05 | 1991-10-05 | 鉄製品または鉄合金などの鉄分を含む金属製品 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP28564991A JPH0598475A (ja) | 1991-10-05 | 1991-10-05 | 鉄製品または鉄合金などの鉄分を含む金属製品 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0598475A true JPH0598475A (ja) | 1993-04-20 |
Family
ID=17694271
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP28564991A Pending JPH0598475A (ja) | 1991-10-05 | 1991-10-05 | 鉄製品または鉄合金などの鉄分を含む金属製品 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0598475A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN101974740A (zh) * | 2010-10-29 | 2011-02-16 | 北京矿冶研究总院 | 一种氧化锌晶须负载铜银的制备方法 |
| US9381588B2 (en) | 2013-03-08 | 2016-07-05 | Lotus BioEFx, LLC | Multi-metal particle generator and method |
| JP2016536459A (ja) * | 2013-09-02 | 2016-11-24 | サンーゴバン パム | 埋設鉄系配管要素のための外部被覆、被覆されている配管要素、及び被覆を被着させる方法 |
-
1991
- 1991-10-05 JP JP28564991A patent/JPH0598475A/ja active Pending
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN101974740A (zh) * | 2010-10-29 | 2011-02-16 | 北京矿冶研究总院 | 一种氧化锌晶须负载铜银的制备方法 |
| US9381588B2 (en) | 2013-03-08 | 2016-07-05 | Lotus BioEFx, LLC | Multi-metal particle generator and method |
| JP2016536459A (ja) * | 2013-09-02 | 2016-11-24 | サンーゴバン パム | 埋設鉄系配管要素のための外部被覆、被覆されている配管要素、及び被覆を被着させる方法 |
| EP3041971B1 (fr) | 2013-09-02 | 2018-11-14 | Saint-Gobain PAM | Revetement exterieur pour element de tuyauterie enterre a base de fer, element de tuyauterie revetu et procede de depot du revetement |
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