JPH10251423A - 成形用プリプレグ及びそれから得られる耐熱性シート - Google Patents

成形用プリプレグ及びそれから得られる耐熱性シート

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JPH10251423A
JPH10251423A JP6060997A JP6060997A JPH10251423A JP H10251423 A JPH10251423 A JP H10251423A JP 6060997 A JP6060997 A JP 6060997A JP 6060997 A JP6060997 A JP 6060997A JP H10251423 A JPH10251423 A JP H10251423A
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JP
Japan
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matrix
prepreg
carboxylic acid
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Application number
JP6060997A
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English (en)
Inventor
Nagayasu Kaneshiro
永泰 金城
Toshiro Eguchi
寿史郎 江口
Yoshiaki Echigo
良彰 越後
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 強化繊維が均一に分布しており、ポリイミド
前駆体をマトリックスとして含有している成形用プリプ
レグを提供すること、この成形用プリプレグを加熱して
得られ、加熱時にマトリックス樹脂が熱溶融して、流動
性を示す耐熱性シートを提供する。 【解決手段】 強化繊維とマトリックスとからなり、マ
トリックスが、特定の成分及び成分組成よりなるポリイ
ミド前駆体であり、マトリックスの含有量が20〜90
重量%であある成形用プリプレグ。及びこの成形用プリ
プレグを加熱して得られる耐熱性シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、強化繊維とポリイ
ミド前駆体であるマトリックスからなる成形用プリプレ
グ及びそれから得られる耐熱性シートに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ポリイミド樹脂は、その優れた耐熱性、
機械的特性から、近年、特に電気、電子産業、自動車産
業、宇宙、航空産業などにおいて注目を集めているエン
ジニアリングプラスチックの一つであり、高い需要が見
込まれている。しかしながら、構造部材として用いる場
合、その機械的特性は必ずしも十分ではなかった。機械
的特性を改善する手段としては、各種補強繊維や充填剤
の添加が試みられており、例えば、特開平1−1580
69号公報や特開平5−320505号公報には炭素短
繊維を配合したポリイミド樹脂組成物が開示されてい
る。
【0003】上記特開平1−158069号公報及び特
開平5−320505号公報に開示されているようなポ
リイミド樹脂組成物では、ポリイミド樹脂と補強繊維の
配合はもっぱら乾式で混合する方法が採られており、均
一に混合することが難しく、繊維径や繊維長に限界があ
り、補強効果を充分に発揮できない配合にならざるを得
なかった。
【0004】また、繊維強化複合材のマトリックス樹脂
には主としてエポキシ樹脂が用いられている。これは接
着性、力学的特性、及び成形性に優れているからである
が、大きな吸水性、低い分解温度などの問題点をも有し
ている。そこで近年、マトリックス樹脂としてのポリイ
ミドが注目され始めているが、一般に耐熱性の高いポリ
イミドは成形性が悪いため、成形性の改善に力が注がれ
ている。マトリックスに熱可塑性樹脂を用いる場合、高
強度の複合材を得るには気孔が少なく、高マトリックス
含量のプリプレグが必要であり、かつマトリックス樹脂
の溶融流動性を制御する必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような状況に鑑
み、本発明の課題は、強化繊維が均一に分布しており、
ポリイミド前駆体をマトリックスとして含有し、残存す
る気孔の少ない成形用プリプレグの提供、この成形用プ
リプレグを加熱して得られ、加熱してマトリックス樹脂
を熱溶融させた際、制御された流動性を示す耐熱性シー
トの提供にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討の結果、後述する特定のジア
ミン、特定のカルボン酸から得られるポリイミド前駆体
を特定の溶媒に溶解した溶液を強化繊維に含浸させて得
られるプリプレグ及びこのプリプレグから得られる耐熱
性シートは上記課題を解決するものであることを見出
し、本発明に到達した。
【0007】すなわち、本発明の要旨は、第1に、強化
繊維とマトリックスとからなり、マトリックスが、一般
式(1)に示すジアミンと、一般式(2)に示すカルボ
ン酸と、一般式(3)に示すカルボン酸又はその酸無水
物とから得られるポリイミド前駆体であり、マトリック
スの含有量が20〜90重量%であり、一般式(2)に
示すカルボン酸と一般式(3)に示すカルボン酸又はそ
の酸無水物とのモル比が100:3〜100:30であ
ることを特徴とする成形用プリプレグである。
【0008】
【化5】
【0009】第2に、前記プリプレグを加熱して得ら
れ、マトリックス樹脂が一般式(4)に示すポリイミド
であることを特徴とする耐熱性シートである。
【0010】
【化6】
【0011】第3に、強化繊維とマトリックスとからな
り、マトリックスが、一般式(1)に示すジアミンと、
一般式(2)に示すカルボン酸及び一般式(5)に示す
アミンとから得られるポリイミド前駆体であり、マトリ
ックスの含有量が20〜90重量%であり、一般式
(1)に示すジアミンと、一般式(5)に示すアミンと
のモル比が100:3〜100:50であることを特徴
とする成形用プリプレグである。
【0012】
【化7】
【0013】第4に、前記プリプレグを加熱して得ら
れ、マトリックス樹脂が一般式(6)に示すポリイミド
であることを特徴とする耐熱性シートである。
【0014】
【化8】
【0015】
【発明の実施の形態】本発明においてポリイミド前駆体
は、一般式(1)に示すジアミンと、一般式(2)に示
すカルボン酸と、一般式(3)に示すカルボン酸又はそ
の酸無水物とから得られるモノマーの塩であり、加熱す
るとポリマー化及びイミド化して一般式(4)に示す熱
可塑性ポリイミドを形成するものである。このポリイミ
ド前駆体において、一般式(2)に示すカルボン酸と、
一般式(3)に示すカルボン酸又はその酸無水物とのモ
ル比が100:3〜100:30、好ましくは100:
5〜100:11のものが用いられる。一般式(2)に
示すカルボン酸100に対する一般式(3)に示すカル
ボン酸又は酸無水物のモル比が3未満では熱可塑性ポリ
イミドの溶融流動性が顕著には向上せず、30を越える
と熱可塑性ポリイミドの分子量が小さすぎて、強度の低
い耐熱性シートしか得られない。
【0016】また、ポリイミド前駆体は一般式(1)に
示すジアミン、一般式(2)に示すカルボン酸及び一般
式(5)に示すアミンとから得られるモノマーの塩であ
り、加熱するとポリマー化及びイミド化して一般式
(6)に示す熱可塑性ポリイミドを形成するものであ
る。このポリイミド前駆体において、一般式(1)に示
すジアミンと、一般式(5)に示すアミンとのモル比が
100:3〜100:50であり、好ましくは100:
5〜100:20のものが用いられる。一般式(1)に
示すジアミン100に対する一般式(5)に示すアミン
のモル比が3未満では熱可塑性ポリイミドの溶融流動性
が顕著には向上せず、50を越えると、強度の低い耐熱
性シートしか得られない。
【0017】本発明のプリプレグは強化繊維に前記ポリ
イミド前駆体を溶媒に溶解させた溶液を含浸させた後、
乾燥させて得られ、本発明のプリプレグにおいて、マト
リックスの含有量は20〜90重量%、好ましくは30
〜50重量%である。マトリックスの含有量が20重量
%未満では気孔の少ない複合材を得ることが困難であ
り、90重量%を越えるとマトリックスが剥がれ落ちや
すくなり、取扱いにくくなる。本発明においては、後述
するポリイミド前駆体溶液を用いることにより、マトリ
ックスの含有量を20〜90重量%と広範囲にすること
ができることも本発明の特長である。
【0018】ポリイミド前駆体溶液の溶媒は、上記ポリ
イミド前駆体を溶解するものであればいかなるものも用
いることができるが、例えば、同一分子内にエーテル基
とアルコール性水酸基を有する化合物、あるいは水溶性
エーテル化合物と水溶性アルコール性化合物の混合物を
用いることができる。
【0019】同一分子内にエーテル基とアルコール性水
酸基を有する化合物としては、例えば、2−メトキシエ
タノール、2−エトキシエタノール、2−(メトキシメ
トキシ)エトキシエタノール、2−イソプロポキシエタ
ノール、2−ブトキシエタノール、テトラヒドロフルフ
リルアルコール、ジエチレングリコール、ジエチレング
リコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモ
ノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエ
ーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコ
ールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコール、
1−メトキシー2−プロパノール、1−エトキシ−2−
プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレン
グリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコー
ルモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノ
メチルエーテル、ポリエチレングリコール、ポリプロピ
レングリコール等が挙げられ、これらは単独もしくは2
種以上を混合して用いることができる。これらの中で2
−メトキシエタノール、ジエチレングリコールモノメチ
ルエーテルが特に好ましい。
【0020】水溶性エーテル化合物と水溶性アルコール
性化合物の混合物において、水溶性エーテル系化合物と
しては、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、
1,2−ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメ
チルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル
等が挙げられ、これらは単独もしくは2種以上を混合し
て用いることができる。また、水溶性アルコール系化合
物としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プ
ロパノール、2−プロパノール、tert−ブチルアル
コール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオー
ル、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオー
ル、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオー
ル、1,5−ペンタンジオール、2−ブテン−1,4−
ジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、
1,2,6−ヘキサントリオール等が挙げられ、これら
は単独もしくは2種以上を混合して用いることができ
る。
【0021】水溶性エーテル系化合物と水溶性アルコー
ル系化合物混合溶媒における溶媒の混合比率としては、
水溶性エーテル系化合物と水溶性アルコール系化合物の
混合比(重量比)が90:10〜10:90が好まし
く、特に70:30〜30:70が好ましい。水溶性エ
ーテル系化合物としてテトラヒドロフラン、水溶性アル
コール系化合物としてメタノールを用いることが好まし
い。水溶性エーテル系化合物と水溶性アルコール系化合
物の混合比が90:10〜10:90の範囲内にない場
合には不溶成分が存在することがある。
【0022】本発明で使用するポリイミド前駆体溶液の
ポリイミド前駆体の濃度は、10重量%以上が好まし
く、30重量%以上がさらに好ましい。10重量%未満
の場合にはプリプレグのマトリックス成分の含有量が2
0重量%未満となることがある。
【0023】強化繊維としてはガラス繊維、炭素繊維、
有機系繊維、セラミック系繊維等が挙げられ、これらの
織布、不織布などいかなる形態のものも用いることがで
きる。また、フィブリドを用いてこれらの繊維を短繊維
の状態で混合抄紙した合成紙を用いてもよい。合成紙を
用いる場合、いかなるものも用いることができるが、特
開平6−57529号公報などに開示されているポリイ
ミド複合紙を用いることが好ましい。
【0024】強化繊維にマトリックスを含浸するには、
通常の方法を用いることができ、例えば市販又は自作の
連続含浸装置を用いる方法、ポリイミド前駆体に強化繊
維を浸漬する方法、離型紙、ガラス板、ステンレス板等
の板上に強化繊維をひろげ、ポリイミド前駆体溶液を塗
工する方法等が挙げられる。
【0025】上記のようにして得られた成形用プリプレ
グを200℃以上の温度で1時間以上加熱するとマトリ
ックス成分のポリイミド前駆体がポリマー化及びイミド
化して耐熱性シートとなる。この耐熱性シートはそのま
まで使用することができる。また、この耐熱性シートの
マトリックスであるポリイミドは300℃以上の温度に
加熱すると溶融し流動性を示すので、この耐熱性シート
をそのままあるいは何枚か積層し、加熱プレスすると緻
密化して、より高強度の耐熱性シートが得られる。ま
た、この耐熱性シートは所望の形状に成形することもで
きる。本発明において耐熱性シートとは、成形用プリプ
レグを加熱したままのシート、さらに加熱加圧工程を経
たもの、さらに所望の形状に成形したものを指す。
【0026】
【実施例】以下本発明を実施例により具体的に説明する
が、本発明はこれらの実施例により限定されない。な
お、各測定値は次のようにして測定した。 (1)粘度:トキメック社製、DVL−BII型デジタ
ル粘度計により20℃で測定した。 (2)曲げ強度:JIS K7074に準拠して測定し
た。 (3)曲げ弾性率:JIS K7074に準拠して測定
した。 (4)層間剪断強度:JIS K7078に準拠して測
定した。 (5)空洞率:JIS K7075に準拠して測定し
た。
【0027】参考例1 ポリイミド前駆体溶液の調製 3,4’−オキシジアニリン45.47gを、ジエチレ
ングリコールモノメチルエーテル120gに溶解し、8
℃に保った。これに4,4’−オキシジフタル酸二無水
物35.22g(0.5当量)を30分間にわたり徐々
に加えた。12時間撹拌した後、4,4’−オキシジフ
タル酸39.31g(0.5当量)を加え、さらに5時
間撹拌を続けたところ、均一な茶色透明な溶液が得られ
た(固形分濃度50重量%)。この溶液の粘度は、47
0ポイズであった。
【0028】比較例1 炭素繊維織布(東邦レーヨン社製;W−3101)に、
参考例1で得られたポリイミド前駆体溶液を含浸させ、
100℃で30分乾燥させて、本発明の成形用プリプレ
グを得た。このプリプレグを80℃で5時間、300℃
で5時間加熱してイミド化したところ、マトリックス樹
脂含量が37重量%の耐熱性シートが得られた。この耐
熱性シートを8枚積層した後、350℃、100kg/
cm2 で2時間プレスしたところ、マトリックス樹脂の
流出はなく、マトリックス樹脂含量36.6%、空洞率
2%の炭素繊維強化プラスチック(CFRP)が得られ
た。このCFRPの機械的特性は、曲げ強度84kg/
mm2 、曲げ弾性率4.8t/mm2 、層間剪断強度
7.5kg/mm2 であった。
【0029】参考例2 ポリイミド前駆体溶液の調製 3,4’−オキシジアニリン45.47gを、ジエチレ
ングリコールモノメチルエーテル120gに溶解し8℃
に保った。これに4,4’−オキシジフタル酸二無水物
35.22g(0.5当量)を30分間にわたり徐々に
加えた。12時間撹拌した後、4,4’−オキシジフタ
ル酸39.31g(0.5当量)及びフタル酸を1.8
9g(0.05当量)を加え、さらに5時間撹拌を続け
たところ、均一な茶色透明な溶液が得られた(固形分濃
度50重量%)。この溶液の粘度は480ポイズであっ
た。
【0030】実施例1 炭素繊維織布(東邦レーヨン社製;W−3101)に、
参考例2で得られたポリイミド前駆体溶液を含浸させ、
100℃で30分間乾燥させて、成形用プリプレグを得
た。このプリプレグを80℃で5時間、300℃で5時
間加熱してイミド化したところ、マトリックス樹脂含量
が36重量%の耐熱性シートが得られた。この耐熱性シ
ートを9枚積層した後、350℃、100kg/cm2
で2時間プレスしたところ、マトリックス樹脂が少量流
出し、マトリックス樹脂含量32.4%、空洞率2%の
炭素繊維強化プラスチック(CFRP)が得られた。こ
のCFRPの機械的特性は、曲げ強度116kg/mm
2 、曲げ弾性率5.2t/mm2 、層間剪断強度7.7
kg/mm2 であった。
【0031】参考例3 ポリイミド前駆体溶液の調製 3,4’−オキシジアニリン45.47gを、ジエチレ
ングリコールモノメチルエーテル120gに溶解し8℃
に保った。これに4,4’−オキシジフタル酸二無水物
35.22g(0.5当量)を30分にわたり徐々に加
えた。12時間撹拌した後、4,4’−オキシジフタル
酸39.31g(0.5当量)及びフタル酸を3.78
g(0.1当量)を加え、さらに5時間撹拌を続けたと
ころ、均一な茶色透明な溶液が得られた(固形分濃度5
0重量%)。この溶液の粘度は、450ポイズであっ
た。
【0032】実施例2 炭素繊維織布(東邦レーヨン社製;W−3101)に、
参考例3で得られたポリイミド前駆体溶液を含浸させ、
100℃で30分間乾燥させて、成形用プリプレグを得
た。このプリプレグを80℃で5時間、300℃で5時
間加熱してイミド化したところ、マトリックス樹脂含量
が39重量%の耐熱性シートが得られた。この耐熱性シ
ートを9枚積層した後、350℃、100kg/cm2
で2時間プレスしたところ、マトリックス樹脂が多量に
流出し、マトリックス樹脂含量26.6%、空洞率1%
の炭素繊維強化プラスチック(CFRP)が得られた。
このCFRPの機械的特性は、曲げ強度99kg/mm
2 、曲げ弾性率6.1t/mm2 、層間剪断強度7.6
kg/mm2 であった。
【0033】参考例4 ポリイミド前駆体溶液の調製 3,4’−オキシジアニリン56.90gを、ジエチレ
ングリコールモノメチルエーテル150gに溶解し8℃
に保った。これに4,4’−オキシジフタル酸二無水物
44.07g(0.5当量)を30分にわたり徐々に加
えた。12時間撹拌した後、4,4’−オキシジフタル
酸45.25g(0.46当量)及びフタル酸を3.7
8g(0.08当量)を加え、さらに5時間撹拌を続け
たところ、均一な茶色透明な溶液が得られた(固形分濃
度50重量%)。この溶液の粘度は、400ポイズであ
った。
【0034】実施例3 炭素繊維織布(東邦レーヨン社製;W−3101)に、
参考例4で得られたポリイミド前駆体溶液を含浸させ、
100℃で30分乾燥させて、成形用プリプレグを得
た。このプリプレグを80℃で5時間、300℃で5時
間加熱してイミド化したところ、マトリックス樹脂含量
が40重量%の耐熱性シートが得られた。この耐熱性シ
ートを11枚積層した後、350℃、100kg/cm
2 で2時間プレスしたところ、マトリックス樹脂が少量
流出し、マトリックス樹脂含量36.6%、空洞率2%
の炭素繊維強化プラスチック(CFRP)が得られた。
このCFRPの機械的特性は、曲げ強度85kg/mm
2 、曲げ弾性率6.0t/mm2 、層間剪断強度7.8
kg/mm2 であった。
【0035】参考例5 ポリイミド前駆体溶液の調製 3,4’−オキシジアニリン94.85gを、ジエチレ
ングリコールモノメチルエーテル250gに溶解し8℃
に保った。これに4,4’−オキシジフタル酸二無水物
73.48g(0.5当量)を30分間にわたり徐々に
加えた。12時間撹拌した後、4,4’−オキシジフタ
ル酸73.80g(0.45当量)及びフタル酸を7.
87g(0.1当量)を加え、さらに5時間撹拌を続け
たところ、均一な茶色透明な溶液が得られた(固形分濃
度50重量%)。この溶液の粘度は、390ポイズであ
った。
【0036】実施例4 炭素繊維織布(東邦レーヨン社製;W−3101)に、
参考例5で得られたポリイミド前駆体溶液を含浸させ、
100℃で30分乾燥させて、成形用プリプレグを得
た。このプリプレグを80℃で5時間、300℃で5時
間加熱してイミド化したところ、マトリックス樹脂含量
が40重量%の耐熱性シートが得られた。この耐熱性シ
ートを11枚積層した後、350℃、100kg/cm
2 で2時間プレスしたところ、マトリックス樹脂が多量
に流出し、マトリックス樹脂含量31.6%、空洞率2
%の炭素繊維強化プラスチック(CFRP)が得られ
た。このCFRPの機械的特性は、曲げ強度102kg
/mm2 、曲げ弾性率6.5t/mm2 、層間剪断強度
8.3kg/mm2 であった。
【0037】参考例6 ポリイミド前駆体溶液の調製 3,4’−オキシジアニリン94.85gを、ジエチレ
ングリコールモノメチルエーテル250gに溶解し、8
℃に保った。これに4,4’−オキシジフタル酸二無水
物73.48g(0.5当量)を30分間にわたり徐々
に加えた。12時間撹拌した後、無水フタル酸7.02
g(0.1当量)を加え、5時間撹拌を続けた。ここに
4,4’−オキシジフタル酸73.80g(0.45当
量)を加え、5時間撹拌を続けたところ、均一な茶色透
明な溶液が得られた(固形分濃度重量%)。この溶液の
粘度は、400ポイズであった。
【0038】実施例5 炭素繊維織布(東邦レーヨン社製;W−3101)に、
参考例6で得られたポリイミド前駆体溶液を含浸させ、
100℃で30分乾燥させて、成形用プリプレグを得
た。このプリプレグを80℃で5時間、300℃で5時
間加熱してイミド化したところ、マトリックス樹脂含量
が42重量%の耐熱性シートが得られた。この耐熱性シ
ートを11枚積層した後、350℃、100kg/cm
2 で2時間プレスしたところ、マトリックス樹脂が流出
し、マトリックス樹脂含量32.0%、空洞率1.8%
の炭素繊維強化プラスチック(CFRP)が得られた。
このCFRPの機械的特性は、曲げ強度98kg/mm
2 、曲げ弾性率6.0t/mm2 、層間剪断強度8.2
kg/mm2 であった。
【0039】参考例7 ポリイミド前駆体溶液の調製 3,4’−オキシジアニリン89.23g及び2−アミ
ノナフタリン6.72gを、ジエチレングリコールモノ
メチルエーテル250gに溶解し、8℃に保った。これ
に4,4’−オキシジフタル酸二無水物72.79g
(0.5当量)を30分間にわたり徐々に加えた。12
時間撹拌した後、4,4’−オキシジフタル酸81.2
3g(0.5当量)を加え、さらに5時間撹拌を続けた
ところ、均一な茶色透明な溶液が得られた(固形分濃度
50重量%)。この溶液の粘度は、350ポイズであっ
た。
【0040】実施例6 炭素繊維織布(東邦レーヨン社製;W−3101)に、
参考例7で得られたポリイミド前駆体溶液を含浸させ、
100℃で30分間乾燥させて、成形用プリプレグを得
た。このプリプレグを80℃で5時間、300℃で5時
間加熱してイミド化したところ、マトリックス樹脂含量
が42重量%の耐熱性シートが得られた。この耐熱性シ
ートを11枚積層した後、350℃、100kg/cm
2 で2時間プレスしたところ、マトリックス樹脂が流出
し、マトリックス樹脂含量31.0%、空洞率1%の炭
素繊維強化プラスチック(CFRP)が得られた。この
CFRPの機械的特性は、曲げ強度110kg/m
2 、曲げ弾性率7.0t/mm2 、層間剪断強度8.
1kg/mm2 であった。
【0041】
【発明の効果】以上のように、本発明の成形用プリプレ
グは、強化繊維が均一に分布しており、ポリイミド前駆
体をマトリックスとして含有しており、この成形用プリ
プレグを加熱して得られる耐熱性シートは、加熱時にマ
トリックス樹脂が熱溶融して、流動性を示し、加熱加圧
工程を経ることにより機械的強度の高いものとなる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // B29K 79:00 105:08

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 強化繊維とマトリックスとからなり、マ
    トリックスが、一般式(1)に示すジアミンと、一般式
    (2)に示すカルボン酸と、一般式(3)に示すカルボ
    ン酸又はその酸無水物とから得られるポリイミド前駆体
    であり、マトリックスの含有量が20〜90重量%であ
    り、一般式(2)に示すカルボン酸と、一般式(3)に
    示すカルボン酸又はその酸無水物とのモル比が100:
    3〜100:30であることを特徴とする成形用プリプ
    レグ。 【化1】
  2. 【請求項2】 請求項1記載のプリプレグを加熱して得
    られ、マトリックス樹脂が一般式(4)に示すポリイミ
    ドであることを特徴とする耐熱性シート。 【化2】
  3. 【請求項3】 強化繊維とマトリックスとからなり、マ
    トリックスが、一般式(1)に示すジアミンと、一般式
    (2)に示すカルボン酸及び一般式(5)に示すアミン
    とから得られるポリイミド前駆体であり、マトリックス
    の含有量が20〜90重量%であり、一般式(1)に示
    すジアミンと一般式(5)に示すアミンとのモル比が1
    00:3〜100:50であることを特徴とする成形用
    プリプレグ。 【化3】
  4. 【請求項4】 請求項3記載のプリプレグを加熱して得
    られ、マトリックス樹脂が一般式(6)に示すポリイミ
    ドであることを特徴とする耐熱性シート。 【化4】
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