JPH10251183A - ビタミンd誘導体のa環部分の合成に有用な合成中間体、その製造方法およびその使用方法 - Google Patents

ビタミンd誘導体のa環部分の合成に有用な合成中間体、その製造方法およびその使用方法

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JPH10251183A
JPH10251183A JP9053316A JP5331697A JPH10251183A JP H10251183 A JPH10251183 A JP H10251183A JP 9053316 A JP9053316 A JP 9053316A JP 5331697 A JP5331697 A JP 5331697A JP H10251183 A JPH10251183 A JP H10251183A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ビタミンD誘導体のA環部分の合成に有用な
新規な中間体化合物を提供し、本化合物を使用するビタ
ミンD誘導体のA環部分の新規な合成方法を確立するこ
と。 【解決手段】 式(1): 【化1】 (式中、R1は、炭素数1から7のアルキル基であり、
これは無置換であるか、あるいは所望により保護された
水酸基、ハロゲン原子、シアノ基またはアシルアミノ基
で置換されている)の化合物、上記化合物の製造方法、
並びに上記化合物を使用するビタミンD誘導体の製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビタミンD誘導体
のA環部分の合成に有用な新規な中間体、その製造方
法、並びに当該中間体を用いるビタミンD誘導体のA環
部分の合成方法に関する。さらに詳細には、本発明は、
2β位に置換基を有するビタミンD誘導体のA環部分の
合成に有用な合成中間体、その製造方法、並びに、当該
中間体を用いる2β位に置換基を有するビタミンD誘導
体のA環部分の合成方法に関する。
【0002】
【従来技術】近年、ビタミンD誘導体の生理活性が明ら
かにされてきている。ビタミンD類の1種である1α,
25−ジヒドロキシビタミンD3はカルシウム代謝調節
作用、腫瘍細胞などの増殖抑制作用や分化誘導作用、免
疫調節作用など広範な生理活性を示すことが知られてい
る。しかしながら、1α,25−ジヒドロキシビタミン
3は、長期的かつ連続的な投与により高カルシウム血
症を起こすという欠点を有しており、例えば、抗腫瘍
剤、抗リウマチ剤としての使用には不適である。このた
め、最近これらのビタミンD誘導体の作用の分離を目的
として多数のビタミンD誘導体が合成され、その生理活
性が検討されている。
【0003】多数のビタミンD3誘導体の中でも、2β
位に置換基を有するビタミンD3誘導体としては、特公
平3−14303号公報に記載の1α,25−ジヒドロ
キシ−2β−フルオロビタミンD3、特開昭61−26
7549号公報に記載の2β位にアミノ基または置換さ
れていてもよい低級アルコキシ基を有するビタミンD3
誘導体、あるいは特開平6−41059号公報に記載の
2β位に置換されていてもよい低級アルキル、アルケニ
ルまたはアルキニル基を有するビタミンD3誘導体など
が知られている。これらの2β位に置換基を有するビタ
ミンD誘導体の中の幾つかは、生体内カルシウムの調節
作用、腫瘍細胞などの分化誘導作用を有し、医薬、例え
ば骨粗鬆症、骨軟化症などのカルシウム代謝異常に基づ
く疾患の治療薬または抗腫瘍剤として有用であることが
知られている。中でも、2β−ヒドロキシプロポキシ−
1α,25−ジヒドロキシビタミンD3は高い血中持続
性を有する骨粗鬆治療薬としてその実用化が期待されて
いる。
【0004】上記のような2位に置換基を有するビタミ
ンD誘導体の合成法の一つとして、ステロイド化合物を
出発化合物として用い、そのA環部分をエポキシ化した
後に開環することによって2位に置換基を導入する方法
が知られている(特開昭61−267549号公報;Ch
em. Pharm. Bull. 41(6) 1111-1113 (1993))。しかし
ながら、この方法は原料の入手が困難であること、最終
工程が収率の低い光照射/熱異性化反応である、などと
いう欠点を有している。
【0005】ビタミンD誘導体のもう一つ別の合成方法
としては、ビタミンD誘導体のA環部分とCD環部分と
を別々に合成した後、これらを結合させる方法が知られ
ている。そして特開平6−25039号公報には、上記
方法で使用するためのビタミンD誘導体のA環部分およ
びその製造方法が記載されている。しかしながら、この
文献に記載されている方法は、出発化合物から所望のビ
タミンD誘導体のA環部分まで合成するために、かなり
多数の反応工程を経る必要があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的の一つ
は、ビタミンD誘導体、特には2位に置換基を有するビ
タミンD誘導体のA環部分の新規な合成方法を確立する
ことである。本発明の別の目的は、ビタミンD誘導体、
特には2位に置換基を有するビタミンD誘導体のA環部
分の合成のために有用な新規な中間体化合物を提供する
ことである。
【0007】本発明のさらに別の目的は、上記の中間体
化合物の合成方法を提供することである。本発明のさら
に別の目的は、上記の新規な中間体化合物を用いてビタ
ミンD誘導体、特には2位に置換基を有するビタミンD
誘導体のA環部分を合成する方法を提供することであ
る。
【0008】本発明のさらに別の目的は、分子内Hec
k反応を利用するビタミンD誘導体、特には2位に置換
基を有するビタミンD誘導体のA環部分の合成方法を提
供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の一つの側面によ
れば、式(1):
【化18】 (式中、R1は、炭素数1から7のアルキル基であり、
これは無置換であるか、あるいは所望により保護された
水酸基、ハロゲン原子、シアノ基またはアシルアミノ基
で置換されている)の化合物が提供される。
【0010】式(1)の化合物において、好ましくはR
1は−(CH23−OR9(式中、R9は水素または保護
基を示す)で表される基である。
【0011】本発明の別の側面によれば、式(1):
【化19】 (式中、R1は、炭素数1から7のアルキル基であり、
これは無置換であるか、あるいは所望により保護された
水酸基、ハロゲン原子、シアノ基またはアシルアミノ基
で置換されている)の化合物の製造方法において、
(a)式(2):
【化20】 の化合物を、式R2Br(式中R2は炭素数1から7のア
ルキル基またはアルケニル基であり、これは無置換であ
るか、あるいは所望により保護された水酸基、ハロゲン
原子、シアノ基またはアシルアミノ基で置換されてい
る)の化合物と反応させ、さらにR2がアルケニル基の
場合にはこれをアルキル基に変換して、式(3):
【化21】 (式中、R1は上記定義の通りであり、R3は水素または
保護基である)の化合物を得る工程;および(b)上記
で得た式(3)の化合物を、必要に応じ保護および/ま
たは脱保護した後、酸化することにより上記式(1)の
化合物を得る工程:を含むことを特徴とする方法が提供
される。
【0012】本発明のさらに別の側面によれば、式
(1):
【化22】 (式中、R1は、炭素数1から7のアルキル基であり、
これは無置換であるか、あるいは所望により保護された
水酸基、ハロゲン原子、シアノ基またはアシルアミノ基
で置換されている)の化合物の製造方法において、
(a)式(4):
【化23】 (式中、R4およびR5は同一または異なって、保護基を
示す)の化合物を、アルコキシドの存在下で式R1OH
(式中、R1は上記定義の通りである)の化合物と反応
させて、式(5):
【化24】 (式中、R1、R4およびR5は上記定義の通りである)
の化合物を得る工程;および(b)式(5)の化合物
を、必要に応じ保護および/または脱保護した後、アセ
トニド化そして酸化することにより上記式(1)の化合
物を得る工程:を含むことを特徴とする方法が提供され
る。
【0013】本発明のさらに別の側面によれば、式
(3):
【化25】 (式中、R1は、炭素数1から7のアルキル基であり、
これは無置換であるか、あるいは所望により保護された
水酸基、ハロゲン原子、シアノ基またはアシルアミノ基
で置換されており、R3は水素または保護基である)の
化合物が提供される。式(3)の化合物において、好ま
しくはR1は−(CH23−OR9(式中、R9は水素ま
たは保護基を示す)で表される基である。
【0014】本発明のさらに別の側面によれば、式
(5):
【化26】 (式中、R1は、炭素数1から7のアルキル基であり、
これは無置換であるか、あるいは所望により保護された
水酸基、ハロゲン原子、シアノ基またはアシルアミノ基
で置換されており、R4およびR5は同一または異なって
水素または保護基を示す)の化合物が提供される。式
(5)の化合物において、好ましくはR1は−(CH2
3−OR9(式中、R9は水素または保護基を示す)で表
される基である。
【0015】本発明のさらに別の側面によれば、式
(6):
【化27】 (式中、R1は、炭素数1から7のアルキル基であり、
これは無置換であるか、あるいは所望により保護された
水酸基、ハロゲン原子、シアノ基またはアシルアミノ基
で置換されており、R6、R7およびR8は同一または異
なって、水素または保護基を示す)の化合物の製造方法
において、 (a)式(1):
【化28】 (式中、R1は、上記定義の通りである)の化合物を式
CH2=CHMgHal(式中、Halはハロゲンを示
す)の化合物と反応させて式(7):
【化29】 (式中、R1は上記定義の通りであり、R6は水素または
保護基を示す)の化合物を得る工程; (b)式(7)の化合物を加水分解およびエポキシ化し
て式(8):
【化30】 (式中、R1およびR6は上記定義の通りである)の化合
物を得る工程; (c)式(8)の化合物を式LiC≡CCH2OR7(式
中、R7は水素または保護基を示す)の化合物と反応さ
せて式(9):
【化31】 (R1、R6、R7およびR8は上記定義の通りである)の
化合物を得る工程: (d)式(9)の化合物をヒドロアルミニウム化および
ヨウ素化して式(10):
【化32】 (R1、R6、R7およびR8は上記定義の通りである)の
化合物を得る工程: (e)式(10)の化合物をPd(O)触媒の存在中で
環化して上記式(6)の化合物を得る工程;を含むこと
を特徴とする方法が提供される。
【0016】本発明のさらに別の側面によれば、式
(6):
【化33】 (式中、R1は、炭素数1から7のアルキル基であり、
これは無置換であるか、あるいは所望により保護された
水酸基、ハロゲン原子、シアノ基またはアシルアミノ基
で置換されており、R6、R7およびR8は同一または異
なって、水素または保護基を示す)の化合物の製造方法
において、式(10):
【化34】 (R1、R6、R7およびR8は上記定義の通りである)の
化合物をPd(O)触媒の存在中でHeck型環化反応
に付することを特徴とする方法が提供される。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に本発明のより詳細な態様、
並びに本発明を実施するための具体的方法を説明する。
【0018】本明細書中において、R1は置換または無
置換の炭素数1から7のアルキル基を示すが、このアル
キル基は直鎖でも分枝でもよく、具体的にはメチル、エ
チル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソ
ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチ
ル、ヘキシル、ヘプチルなどが挙げられる。このアルキ
ル基は任意の位置において置換基を有していてもよく、
置換基としては水酸基、ハロゲン原子(フッ素、塩素、
臭素またはヨウ素など)、シアノ基、アミノ基またはア
シルアミノ基が挙げられる。
【0019】本明細書中において、R2は置換または無
置換の炭素数1から7のアルキル基またはアルケニル基
を示すが、アルキル基としては、R1について上記した
意味を有し、アルケニル基も同様に、直鎖でも分枝でも
よく、また二重結合の位置も特には限定されない。
【0020】本明細書中において、保護基とは水酸基の
保護基を意味する。水酸基の保護基とは、分子の他の部
分に実質的に悪影響を及ぼすことなく、慣用的な保護基
離脱手段(例えば加水分解、加水素分解など)によって
除去することができる任意の保護基である。
【0021】保護基の具体例としては、以下のものが挙
げられる。 (I)RaCO−で表されるアシル基(式中、Raは水素
原子、C1−C6アルキル基、C1−C6ハロアルキル
基、アリール基を示す);例えば、ホルミル、アセチ
ル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリ
ル、イソバレリル、ピバロイル、カプロイル、ベンゾイ
ル、トリフルオロアセチル基など;
【0022】(II)式RbOCO−で表されるアルコキ
シカルボニル基(式中、RbはC1−C6アルキル基、
C1−C6アルケニル基、C7−C9アラルキル基、ア
リール基を表す);例えば、メトキシカルボニル、エト
キシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキ
シカルボニル、アリルオキシカルボニル、ベンジルオキ
シカルボニル、フェノキシカルボニル基など;
【0023】(III)下記式:
【化35】 で表される3置換シリル基(式中、Rd、ReおよびRf
は同一または異なり、C1−C6アルキル基、アリール
基またはC7−C9アラルキル基を示す):例えば、ト
リメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピル
シリル、tert−ブチルジメチルシリル、tert−
ブチルジフェニルシリル、トリベンジルシリル基など:
【0024】(IV)下記式:
【化36】 で表される1−アルコキシアルキル基(式中、Rgは所
望により低級アルコキシ基で置換されていてもよいC1
−C6アルキル基を示し、RgおよびRg’は各々水素ま
たはC1−C6アルキル基を示す);例えば、メトキシ
メチル、メトキシエトキシメチル、1−エトキシエチ
ル、メトキシイソプロピル基など:
【0025】(V)下記式:
【化37】 で表される2−オキサシクロアルキル基(式中、nは3
から6の整数である):例えば、テトラヒドロフラニ
ル、テトラヒドロピラニル基など; (VI)ベンジル基などのアリール基
【0026】本発明の化合物、当該化合物の製造方法、
および当該化合物を使用するビタミンD誘導体のA環部
分の製造方法を、以下の反応スキーム1中に示す。
【0027】反応スキーム1:
【化38】
【0028】本発明の一つの側面によれば、式(1)の
化合物は、式(2)の化合物を出発化合物として合成す
ることができる。ここで出発化合物として用いられる式
(2)のエステル化合物は、公知化合物であるD−アス
コルビン酸から既知の方法(例えば、E. Abushanab et
al., J. Org. Chem., 53, 2598-2602 (1988)などを参
照)に従い合成することができる。なお、D−アスコル
ビン酸は市販品として入手できる。次いで、式(2)の
化合物を、既知の方法に従い、側鎖の導入、LiAlH
4還元、そして所望によりベンジル化などの保護化を行
うことにより式(3)の化合物が得られる。
【0029】上記のようにして得た式(3)の化合物
は、最終目的化合物であるビタミンD誘導体の2位に導
入することを意図する置換基を既に有している場合に
は、そのまま下記に記載するように酸化反応に付して式
(1)の化合物を得ることができる。また、酸化反応に
先立って置換基の変換を行うこともできる。例えば、本
発明の好ましい態様の一つとしては、側鎖に3−ヒドロ
キシプロポキシ基を有する化合物が挙げられるが、この
ような化合物は側鎖にアリル基を導入した後に、そのア
リル基を酸化して、3−ヒドロキシプロピル基に変換す
ることにより得ることができる。アリル基の酸化は、常
法に従い、例えば、ヒドロホウ素化とそれに続く酸化に
よって実施することができる。
【0030】なお、反応条件などを調節しても、3−ヒ
ドロキシプロピル基などのように所望の位置に水酸基な
どの置換基を有するアルキル基を有する式(3)の化合
物を選択的に得ることができない場合には、式(3)の
構造異性体を含む反応混合物(所望の化合物と副生物を
含むもの)からカラムクロマトグラフィーなどの慣用手
段により所望の化合物を単離すればよく、このようにし
て単離された所望の構造を有する式(3)の化合物を次
の反応に用いればよい。
【0031】次いで、式(3)の化合物を酸化すること
により式(1)の化合物を得ることができる。ここで酸
化はSwern酸化により行うことができる。Swer
n酸化とは、塩化オキサリルとジメチルスルホキシド
(DMSO)を用いる酸化反応のことを意味する。
【0032】本発明のもう一つ別の側面によれば、式
(1)の化合物は、式(4)の化合物を出発化合物とし
て合成することができる。ここで出発化合物として用い
られる式(4)の化合物は公知化合物であり、例えば、
K. C. Nicolaou et al., J. Org. Chem., 50, 1440-145
6 (1985)などの文献に記載されている。
【0033】式(4)の化合物を、アルコキシドの存在
下で、最終目的物であるビタミンD誘導体の2β位に導
入すべき所望の置換基に相当するアルキル成分を含む式
1OH(式中、R1は炭素数1から7のアルキル基であ
り、これは無置換であるか、所望により保護された水酸
基、ハロゲン原子、シアノ基またはアシルアミノ基で置
換されている)の化合物と反応させることによって、式
(5)の化合物を得ることができる。ここで用いるアル
コキドの例としては、カリウムt−ブトキシド、ナトリ
ウムエトキシドまたはナトリウムメトキシドなどが挙げ
られる。反応条件としては、0℃〜180℃、好ましく
は100℃〜150℃で加熱することが望ましい。次い
で、式(5)の化合物を、必要に応じ、常法に従い位置
選択的に保護化した後、アセトニド化、および酸化(S
wern酸化など)することにより、式(1)の化合物
を得ることができる。
【0034】以上のように、本発明による式(1)の化
合物は、式(2)の化合物から出発する合成法または式
(4)の化合物から出発する合成法の何れかにより合成
することができるが、これらの合成法は何れも本発明の
範囲内のものである。また、上記合成法の中間体である
式(3)の化合物および式(5)の化合物は何れも式
(1)の化合物の合成のために有用な新規な化合物であ
り、本発明の範囲内のものである。
【0035】式(1)の化合物はビタミンD誘導体のA
環部分の合成において重要な中間体であるが、式(1)
の化合物からビタミンD誘導体のA環部分を合成するた
めの方法もまた、本発明の範囲内のものである。
【0036】ビタミンD誘導体のA環部分を合成するた
めには、式(1)の化合物を先ず、式CH2=CHMg
Hal(式中、Halはハロゲン原子、例えば、フッ
素、塩素、臭素またはヨウ素を示し、特には臭素であ
る)で表されるグリニヤル試薬と反応させて、式(1)
の化合物中のアルデヒド基にヒドロキシアルケニル基に
変換して、式(7)の化合物を得る。次いで、式(7)
の化合物中の水酸基をピバロイル基などの適当な保護基
で保護した後、常法に従い、酸加水分解し、次いで、光
延反応条件下でエポキシ化を行い、式(8)のエポキシ
ド化合物を得る。
【0037】次いで、式(8)の化合物をアセチリドと
反応させて、式(9)のアルキン化合物を得る。さらに
必要に応じて水酸基を保護した後、Red−Alを用い
るヒドロアルミニウム化し、続いてヨウ素化することに
より式(10)の化合物を得る。
【0038】最後に、式(10)の化合物を、Pd
(O)触媒の存在下で、Heck型環化反応を行うこと
により、ビタミンD誘導体のA環部分を構成する式
(6)の化合物が得られる。
【0039】以下の実施例により本発明をより具体的に
例示するが、本発明は実施例により限定されるものでは
ない。
【0040】
【実施例】実施例1:
【化39】 4A MS(2g)、D−酒石酸ジイソプロピル(1
6.7g、0.071mol)およびTi(OiPr)
4(17.5ml、0.059mol)のCH2Cl2
液(300ml)に、−23℃で4−ベンジルオキシ−
2−ブテン−1−オール(21.12g、0.119m
ol)のCH2Cl2溶液(200ml)を加え、得られ
た混合物を30分間撹拌した。反応混合物に2.6Mの
t−BuOOHのCH2Cl2溶液(137ml、0.3
56mol)を加え、得られた混合物を18時間撹拌し
た。次いで、反応混合物に10%NaOH(NaClで
飽和、25ml)およびジエチルエーテル(150m
l)を加え、混合物の温度を徐々に室温に戻し10分間
撹拌した後、さらにMgSO4(38g)およびCel
ite(12.5g)を加え10分間撹拌した。反応混
合物をCelite濾過後、減圧下溶媒を留去した。残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(500g、
ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製し、4−ベンジ
ルオキシ−2,3−エポキシブタン−1−オール(1
8.37g、0.094mol、79.6%)を無色油
状物として得た。
【0041】[α]D+17.41°(c1.31,C
HCl3); IR(neat)3448,1496,1453,13
64,1106,1028cm-11 H NMR(300MHz,CDCl3)δ7.34
(br s,5H),4.61(d,1H,J=11.
5Hz),4.55(d,1H,J=11.5Hz),
3.93(ddd,1H,J=12.8,4.0,2.
3Hz),3.77(dd,1H,J=11.5,2.
8Hz),3.65(ddd,1H,J=12.8,
7.0,4.0Hz),3.52(dd,1H,J=1
1.5,5.5Hz),3.24(dt,1H,J=
5.5,2.8Hz),3.10(dt,1H,J=
4.0,2.8Hz),1.91(br s,1H).
【0042】実施例2:
【化40】 NaH(5.62g、0.140mol)のTHF溶液
(200ml)に氷冷下、4−ベンジルオキシ−2,3
−エポキシブタン−1−オール(18.11g、0.0
93mol)のTHF溶液(200ml)を加え、得ら
れた混合物を1時間撹拌した。反応混合物にn−Bu4
NI(5.18g、0.014mol)およびBnBr
(13.33ml、0.112mol)を加え、混合物
を12時間撹拌した。反応混合物に水50mlを加え、
混合物を30分間撹拌した後、酢酸エチルで抽出し、有
機層を水洗、乾燥(MgSO4)した後、減圧下溶媒を
留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(500g、ヘキサン:酢酸エチル=5:1)で精製
し、1,4−ビスベンジルオキシ−2,3−エポキシブ
タン(22.2g、0.078mol、84.1%)を
無色油状物として得た。
【0043】[α]D+8.87°(c1.06、CH
Cl3); IR(neat)1496,1451,1364,13
15,1272cm-11 H NMR(300MHz,CDCl3)δ7.40−
7.23(m,10H),4.60(d,1H,J=1
2.0Hz),4.54(d,1H,J=12.0H
z),3.75(dd,J=11.6,2.5Hz),
3.50(dd,J=11.6,5.1Hz),3.1
1(dd,J=5.1,2.5Hz).
【0044】実施例3:
【化41】 1,4−ビスベンジルオキシ−2,3−エポキシブタン
(22.2g、0.078mol)の1,3−プロパン
ジオール溶液(60ml)にt−BuOK(29.82
g、0.27mol)を加え、得られた混合物を110
〜130℃で3時間撹拌した。1,3−プロパンジオー
ルを減圧蒸留した後、反応混合物をCH2Cl2で抽出
し、有機層を水洗、乾燥(MgSO4)した後、減圧下
溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(500g、ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で
精製し、1,4−ビスベンジルオキシ−3−(3’−ヒ
ドロキシプロポキシ)ブタン−2−オール(24.2
g、0.067mol,86.0%)を無色油状物とし
て得た。
【0045】[α]D+9.32°(c1.03,CH
Cl3); IR(neat)3448,1496,1453,13
64,1098cm-11 H NMR(300MHz,CDCl3)δ7.41−
7.23(m,10H),4.54(s,4H),3.
89(br q,1H,J=5.0Hz),3.84−
3.51(m,9H),2.70(br s,2H),
1.76(quint,2H,J=5.7Hz).
【0046】実施例4:
【化42】 1,4−ビスベンジルオキシ−3−(3’−ヒドロキシ
プロポキシ)ブタン−2−オール(11.36g、0.
031mol)のCH2Cl2溶液(500ml)にピリ
ジン(20.42ml、0.252mol)および塩化
ピバロイル(15.48ml、0.126mol)を加
え、得られた混合物を室温で4時間撹拌した。反応混合
物をCH2Cl2で抽出し、有機層を水洗、乾燥(MgS
4)した後、減圧下溶媒を留去した。残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(500g、ヘキサン:酢
酸エチル=3:1)で精製し、1,4−ビスベンジルオ
キシ−3−(3’−ピバロイルオキシプロポキシ)ブタ
ン−2−オール(12.26g、0.028mol、8
7.5%)を無色油状物として得た。
【0047】[α]D+6.55°(c1.19,CH
Cl3); IR(neat)3487,1725,1478,14
55,1364,1285,1162,1106c
-11 H NMR(300MHz,CDCl3)δ7.52−
7.16(m,10H),4.54(s,4H),4.
13(dt,2H,J=6.3,1.6Hz),3.9
1(br quint,1H,J=5.2Hz),3.
77−3.46(m,7H),2.64(br d,1
H,J=5.2Hz),1.85(quint,2H,
J=6.3Hz).
【0048】実施例5:
【化43】 1,4−ビスベンジルオキシ−3−(3’−ピバロイル
オキシプロポキシ)ブタン−2−オール(12.26
g、0.028mol)のメタノール溶液(200m
l)にPd(OH)2(1.23g)を加え、混合物を
水素雰囲気下室温で24時間撹拌した。反応混合物をC
elite濾過後、減圧下溶媒を留去し、トリオール体
(7.29g、0.028mol、100%)を無色油
状物として得た。得られたトリオール体(4.79g、
0.017mol)のアセトン溶液(20ml)に2,
2−ジメトキシプロパン(3.2ml、0.026mo
l)およびTsOH・H2O(8.2mg、0.043
mmol)を加え、混合物を室温で4時間撹拌した。反
応混合物を酢酸エチルで抽出し、有機層を水洗、乾燥
(MgSO4)した後、減圧下溶媒を留去した。残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(200g、ヘキ
サン:酢酸エチル=2:1)で精製し、2,2−ジメチ
ル−4−[2’−ヒドロキシ−1’−(3”−ピバロイ
ルオキシプロポキシ)エチル]−1,3−ジオキソラン
(4.79g、0.016mol、86.7%)を無色
油状物として得た。
【0049】[α]D+9.51°(c1.03,CH
Cl3); IR(neat)3499,1725,1480,14
60,1398,1371,1286,1256,12
13,1163,1075cm-11 H NMR(300MHz,CDCl3)δ4.25
(dt,1H,J=11.2,6.1Hz),4.18
−4.02(m,3H),3.87(dd,1H,J=
8.0,5.4Hz),3.79(br d,1H,J
=12.0Hz),3.72−3.53(m,3H),
3.34(dt,1H,J=6.2,4.2Hz),
2.23(br s,1H),1.89(quint,
2H,J=6.3Hz),1.41(s,3H),1.
34(s,3H),1.19(s,9H).
【0050】実施例6:
【化44】 (COCl)2(5.85ml、0.067mol)の
CH2Cl2溶液(100ml)に−60℃でDMSO
(9.44ml、0.133mol)のCH2Cl2溶液
(100ml)を加え、得られた混合物を15分間撹拌
した。反応混合物に2,2−ジメチル−4−[2’−ヒ
ドロキシ−1’−(3”−ピバロイルオキシプロポキ
シ)エチル]−1,3−ジオキソラン(10.02g、
0.033mol)のCH2Cl2溶液(200ml)を
加え、混合物を30分間撹拌した後、トリエチルアミン
(23.28ml、0.167mol)を加え、混合物
の温度を徐々に室温に戻し、30分間撹拌した。反応混
合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加えた後、混合物
を酢酸エチルで抽出し、有機層を水洗、乾燥(MgSO
4)した後、減圧下溶媒を留去した。得られた粗アルデ
ヒド体(10.71g)のTHF溶液(200ml)に
−60℃で0.97Mの臭化ビニルマグネシウムのTH
F溶液(102ml、0.099mol)を加え、得ら
れた混合物を2時間撹拌した。反応混合物に飽和塩化ア
ンモニウム水溶液を加えた後、混合物をCH2Cl2で抽
出し、有機層を水洗、乾燥(MgSO4)した後、減圧
下溶媒を留去した。得られた粗アリルアルコール体(1
1.21g)のCH2Cl2溶液(400ml)にトリエ
チルアミン(18.54ml、0.133mol)、D
MAP(10mg、0.825mmol)および塩化ピ
バロイル(8.25ml、0.067mol)を加え、
混合物を室温で20時間撹拌した。反応混合物をCH2
Cl2で抽出し、有機層を水洗、乾燥(MgSO4)した
後、減圧下溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(300g、ヘキサン:酢酸エチル=
10:1)で精製し、2,2−ジメチル−4−[2’−
ピバロイルオキシ−1’−(3”−ピバロイルオキシプ
ロポキシ)−3−ブテニル]−1,3−ジオキソランの
エピマー混合物(7.89g、0.019mol、5
7.6%、3steps)を無色油状として得た。
【0051】IR(neat)1728,1480,1
373,1284,1214,1160,1058cm
-11 H NMR(500MHz,CDCl3)δ5.95
(m,1H),5.38(dt,0.56H,J=8.
9,1.6Hz),5.35(dt,0.4H,J=
8.9,1.6Hz),5.25(dt,0.6H,J
=3.0,1.6Hz),5.23(dt,0.4H,
J=3.0,1.6Hz),4.34−4.08(m,
3H),3.90(t,0.6H,J=8.2Hz),
4.05(t,0.6H,J=8.5Hz),4.04
(t,0.4H,J=8.5Hz),3.89(t,
0.4H,J=8.2Hz),3.70(m,2H),
3.45(dd,1H,J=5.5,4.3Hz),
3.41(dd,1H,J=6.4,3.6Hz),
2.65(d,0.6H,J=8.2Hz),2.48
(d,0.4H,J=4.1Hz),1.89(qui
nt,0.6H,J=6.3Hz),1.88(qui
nt,0.4H,J=6.3Hz),1.43(s,3
Hx0.4),1.42(s,3Hx0.6),1.3
4(s,3H),1.20(s,9H).
【0052】実施例7:
【化45】 2,2−ジメチル−4−[2’−ピバロイルオキシ−
1’−(3”−ピバロイルオキシプロポキシ)−3−ブ
テニル]−1,3−ジオキソラン(1.83g、4.4
mmol)のメタノール溶液(10ml)に1MのHC
l(10ml)を加え、得られた混合物を室温で10時
間撹拌した。反応混合物をジエチルエーテルで抽出し、
有機層を水洗、乾燥(MgSO4)した後、減圧下溶媒
を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(15g、ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製
し、4−ピバロイルオキシ−3−(3’−ピバロイルオ
キシプロポキシ)−5−ヘキセン−1,2−ジオールの
エピマー混合物(1.67g、4.5mmol、99.
7%)を無色油状物として得た。
【0053】IR(neat)3448,1731,1
480,1285,1170,1108cm-11 H NMR(300MHz,CDCl3)δ6.10−
5.84(m,1H),5.63(m,0.4H),
5.50(m,0.6H),5.41−5.20(m,
2H),4.34−4.00(m,2H),3.90−
3.30(m,6H),2.95(br s,0.6
H),2.68(br s,0.4H),2.50(b
r s,0.4H),2.01(br s,0.6
H),1.89(quint,2H,J=6.0H
z),1.23(s,9H),1.20(s,9H).
【0054】実施例8:
【化46】 4−ピバロイルオキシ−3−(3’−ピバロイルオキシ
プロポキシ)−5−ヘキセン−1,2−ジオール(1.
08g、2.9mmol)のベンゼン溶液(30ml)
をDean−Starkの装置を用い1時間加熱還流し
て完全に水を除去した後、Ph3P(3.04g、1
1.6mmol)をそれに加え、氷冷下アゾジカルボン
酸ジエチル(1.83ml、11.6mmol)を滴下
して反応混合物を7日間還流した。溶媒を減圧下留去
し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(10
0g、ヘキサン:酢酸エチル=10:1)で精製し、
1,2−エポキシ−4−ピバロイルオキシ−3−(3’
−ピバロイルオキシプロポキシ)−5−ヘキセンのエピ
マー混合物(691.9mg、1.94mmol、7
7.0%)を無色油状物として得た。
【0055】IR(neat)1730,1480,1
397,1365,1282,1156,1066cm
-11 H NMR(300MHz,CDCl3)δ5.98−
5.84(m,1H),5.48−5.23(m,3
H),4.12(m,2H),3.73−3.51
(m,2H),3.45(t,0.6H,J=4.7H
z),3.38(t,0.4H,J=4.2Hz),
3.06−2.97(m,1H),2.82−2.70
(m,2H),1.85(quint,2H,J=6.
0Hz),1.23(s,9H),1.20(s,9
H).
【0056】実施例9:
【化47】 p−メトキシベンジル2−プロピニルエーテル(2.4
2g,13.76mmol)のTHF溶液(20ml)
に−60℃で1.56Mのn−BuLiのヘキサン溶液
(8.82ml、13.76mmol)を加え、得られ
た混合物を15分間撹拌した。次いで、BF3・ジエチ
ルエーテル(1.69ml、13.76mmol)を反
応混合物に加え、1,2−エポキシ−4−ピバロイルオ
キシ−3−(3’−ピバロイルオキシプロポキシ)−5
−ヘキセン(490mg、1.38mmol)のTHF
溶液(30ml)を滴下し、混合物を−60〜−10℃
で18時間撹拌した。反応混合物に飽和NaHCO3
溶液を加えた後、混合物をCH2Cl2で抽出し、有機層
を水洗、乾燥(MgSO4)した後、減圧下溶媒を留去
した。p−メトキシベンジル2−プロピニルエーテルを
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(100g、ヘキ
サン:酢酸エチル=10:1)で除き、得られた粗ジピ
バロイル体(786.6mg)のメタノール溶液(10
ml)に10MのNaOH(10ml)を加え、混合物
を室温で18時間撹拌した。反応混合物をCH2Cl2
抽出し、有機層を水洗、乾燥(MgSO4)した後、減
圧下溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(40g、ヘキサン:酢酸エチル=1:1)
で精製し、9−(p−メトキシフェニルメトキシ)−4
−(3’−ヒドロキシプロポキシ)−1−ノネン−7−
イン−3,5−ジオールのエピマー混合物(358.7
mg、0.99mmol、71.4%、2steps)
を無色油状物として得た。
【0057】IR(neat)3394,1612,1
513,1250,1072cm-11 H NMR(200MHz,CDCl3)δ7.28
(d,2H,J=8.8Hz),6.88(d,2H,
J=8.8Hz),6.10−5.85(m,1H),
5.40(br d,1H,J=16.7Hz),5.
25(br d,1H,J=10.4Hz),4.52
(s,2H),4.40(m,1H),4.12(s,
2H),4.01−3.57(m,9H),3.49−
3.29(m,1H),3.16−2.18(br,5
H),1.82(quint,2H,J=6.0H
z).
【0058】実施例10:
【化48】 9−(p−メトキシフェニルメトキシ)−4−(3’−
ヒドロキシプロポキシ)−1−ノネン−7−イン−3,
5−ジオール(242.9mg、0.67mmol)の
CH2Cl2溶液(25ml)にトリエチルアミン(93
0ml、6.67mmol)を加え、氷冷下tert−
ブチルジメチルシリルトリフラート(766ml、3.
34mmol)を加え、混合物を2時間撹拌した。反応
混合物をCH2Cl2で抽出し、有機層を水洗、乾燥(M
gSO4)した後、減圧下溶媒を留去した。残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(100g、ヘキサ
ン:酢酸エチル=10:1)で精製し、3,5−ビス
(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−9−(p−メト
キシフェニルメトキシ)−4−(3’−t−ブチルジメ
チルシリルオキシプロポキシ)−1−ノネン−7−イン
のエピマー混合物(446.5mg、0.63mmo
l、94.4%)を無色油状物として得た。
【0059】IR(neat)1513,1471,1
252,1093cm-11 H NMR(300MHz,CDCl3)δ7.27
(d,2H,J=8.7Hz),6.88(d,2H,
J=8.7Hz),5.96−5.80(m,1H),
5.30−5.08(m,2H),4.51(s,2H
x0.4),4.49(s,2Hx0.6),4.32
−4.04(m,3H),4.01−3.58(m,5
H),3.79(s,3H),3.35(t,0.4
H,J=4.4Hz),3.25(dd,0.6H,J
=2.3,6.5Hz),2.60−2.38(m,2
H),1.86−1.68(m,2H),0.94−
0.84(6xs,27H),0.14−0.02(9
xs,18H).
【0060】実施例11:
【化49】 3,5−ビス(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−9
−(p−メトキシフェニルメトキシ)−4−(3’−t
−ブチルジメチルシリルオキシプロポキシ)−1−ノネ
ン−7−イン(170mg、0.24mmol)のCH
2Cl2/H2O溶液(3.4/0.17ml)にDDQ
(110mg、0.48mmol)を加え、混合物を6
時間撹拌した。反応混合物に飽和NaHCO3水溶液を
加えた後、混合物をCH2Cl2で抽出し、有機層を水
洗、乾燥(MgSO4)した後、減圧下溶媒を留去し
た。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(10
g、ヘキサン:酢酸エチル=10:1)で精製し、5,
7−ビス(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−6−
(3’−t−ブチルジメチルシリルオキシプロポキシ)
−8−ノネン−2−イン−1−オールのエピマー混合物
(110.1mg、0.18mmol、75.0%)を
無色油状物として得た。
【0061】IR(neat)3438,1472,1
258,1095,1024,1009cm-11 H NMR(300MHz,CDCl3)δ5.94−
5.76(m,1H),5.28−5.05(m,2
H),4.28−4.08(m,3H),3.94(b
r t,0.6H,J=7.0Hz),3.83(br
q,0.4H,J=5.5Hz),3.78−3.5
6(m,4H),3.31(t,0.4H,J=4.8
Hz),3.24(dd,0.6H,J=1.8,6.
8Hz),2.54−2.36(m,2H),1.82
−1.62(m,2H),1.00−0.70(m,2
7H),0.15−0.05(m,18H).
【0062】実施例12:
【化50】 5,7−ビス(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−6
−(3’−t−ブチルジメチルシリルオキシプロポキ
シ)−8−ノネン−2−イン−1−オール(89.1m
g、0.15mmol)のエーテル溶液(3ml)に氷
冷下、3.4MのNaAl(OCH2CH2OMe)2
トルエン溶液(220μl、0.75mmol)を加
え、混合物の温度を徐々に室温に戻し、5時間撹拌し
た。氷冷下酢酸エチル(170μl)を加え、続いて−
78℃でI2(77mg、0.3mmol)を加え、混
合物の温度を徐々に室温に戻し、3時間撹拌した。反応
混合物に飽和Na223水溶液および飽和NaHCO3
水溶液を加えた後、混合物をジエチルエーテルで抽出
し、有機層を水洗、乾燥(MgSO4)した後、減圧下
溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(10g、ベンゼン:酢酸エチル=10:1)で
精製し、5,7−ビス(t−ブチルジメチルシリルオキ
シ)−6−(3’−t−ブチルジメチルシリルオキシプ
ロポキシ)−2,8−ノナジエン−1−オールのエピマ
ー混合物(54.9mg、0.077mmol、51.
3%)を無色油状物として得た。
【0063】IR(neat)3352,1472,1
461,1257,1093,1022,1004cm
-11 H NMR(300MHz,CDCl3)δ5.92−
5.70(m,2H),5.33−5.10(m,2
H),4.30−3.88(m,4H),3.62−
3.15(m,4H),2.82−2.47(m,2
H),1.85−1.60(m,2H),1.00−
0.68(m,27H),0.19−0.14(m,1
8H).
【0064】実施例13:
【化51】 5,7−ビス(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−6
−(3’−t−ブチルジメチルシリルオキシプロポキ
シ)−2,8−ノナジエン−1−オール(33.5m
g、0.047mmol)のアセトニトリル溶液(2.
5ml)に、トリエチルアミン(6.54μl、0.0
47mmol)およびPdCl2(PPh32(2.7
mg、0.0023mmol)を加え、混合物を4時間
還流した後、減圧下溶媒を留去した。残渣を分取用薄層
クロマトグラフィー(ベンゼン:酢酸エチル=10:
1)で精製し、1α体の2−[3’,5’−ビス(t−
ブチルジメチルシリルオキシ)−4’−(3”−t−ブ
チルジメチルシリルオキシプロポキシ)−2’−メチレ
ンシクロヘキシリデン]−エタノール(16.0mg、
0.027mmol、57.4%)と1β体の2−
[3’,5’−ビス(t−ブチルジメチルシリルオキ
シ)−4’−(3”−t−ブチルジメチルシリルオキシ
プロポキシ)−2’−メチレンシクロヘキシリデン]−
エタノール(10.5mg、0.018mmol、3
8.1%)とをそれぞれ無色油状物として得た。
【0065】1α体 [α]D+4.17°(c0.24,CHCl3); IR(neat)3426,1469,1386,13
62,1257,1127cm-11 H NMR(500MHz,CDCl3)δ5.51
(t,1H,J=6.9Hz),5.23(br s,
1H),4.83(dd,1H,J=1.1,2.3H
z),4.23(d,1H,J=6.9Hz),4.2
1−4.12(m,3H),3.70−3.63(m,
3H),3.59(dd,1H,J=9.4,6.6H
z),3.17(dd,1H,J=6.6,2.0H
z),2.40(dd,1H,J=13.0,7.3H
z),2.19(dd,1H,J=13.0,3.2H
z),1.76(m,2H),0.88(s,9H),
0.87(s,9H),0.86(s,9H),0.0
7(s,3H),0.05(s,3H),0.04
(s,3H),0.02(s,6H).
【0066】1β体 [α]D+12.00°(c0.15,CHCl3); IR(neat)3446,1463,1260,10
34cm-11 H NMR(500MHz,CDCl3)δ5.52
(tt,1H,J=5.5,2.1Hz),5.33
(t,1H,J=2.3Hz),4.82(t,1H,
J=2.3Hz),4.28(dd,1H,J=8.
0,12.8Hz),4.12(br d,1H,J=
11.2Hz),3.95(dd,1H,J=2.3,
4.8Hz),3.78−3.63(m,5H),3.
51(s,1H),2.64(t,1H,J=12.1
Hz),2.12(dd,1H,J=12.1,4.6
Hz),1.75(m,2H),0.92−0.85
(m,27H),0.05−0.00(m,18H),
0.92(s,9H),0.89(s,9H),0.8
5(s,9H),0.05(s,6H),0.04
(s,6H),0.00(s,6H).
【0067】実施例14:
【化52】 エチル1−(2’,2’−ジメチル−1’,3’−ジオ
キソラン−4−イル)−1−ヒドロキシアセテート(4
0.56g、0.20mol)のジエチルエーテル溶液
(200ml)にAg2O(41.72g、0.18m
ol)を加えた後、室温で臭化アリル(38.08m
l、0.44mol)を滴下し、混合物を5時間撹拌し
た。減圧下で溶媒を留去した後、残渣を減圧蒸留しエチ
ル1−(2’,2’−ジメチル−1’,3’−ジオキソ
ラン−4−イル)−1−アリルオキシアセテート(4
6.75g、0.19mol、96.3%)を無色油状
物として得た。
【0068】bp80−83℃; [α]D+8.20°(c1.00,CHCl3); IR(neat)1723,1495,1453,13
65,1219,1108,1026cm-11 H NMR(500MHz,CDCl3)δ5.89
(dddd,1H,J=17.2,10.3,6.2,
5.2Hz),5.29(dq,1H,J=17.2,
1.6Hz),5.22(ddt,1H,J=10.
3,1.6,1.1Hz),4.34−4.20(m,
3H),4.15(ddt,1H,J=12.8,5.
2,1.1Hz),4.04(d,1H),3.98
(ddt,1H,J=12.8,6.2,1.1H
z),1.43(s,3H),1.34(s,3H),
1.30(t,6H,J=7.1Hz).
【0069】実施例15:
【化53】 LAH(8.32g、0.219mol)のTHF溶液
(200ml)に氷冷下、エチル1−(2’,2’−ジ
メチル−1’,3’−ジオキソラン−4−イル)−1−
アリルオキシアセテート(45g、0.176mol)
のTHF溶液(100ml)を滴下し、混合物を13時
間撹拌した。反応混合物に25%NH3aq(66m
l)を滴下し、Celite濾過後、減圧下溶媒を留去
した。得られたアルコール体(36.47g)のTHF
溶液(200ml)を氷冷下、NaH(12.24g、
0.306mol)のDMF−THF(3:7)溶液
(200ml)に滴下し、混合物を室温で2時間撹拌し
た。次いで、氷冷下BnBr(25.69ml、0.2
16mol)を滴下し、混合物を室温で2時間撹拌し
た。反応混合物に水100mlを加え、混合物を30分
間撹拌した。次いで、混合物を酢酸エチルで抽出し、有
機層を水洗、乾燥(MgSO4)した後、減圧下溶媒を
留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(700g、ヘキサン:酢酸エチル=50:1)で精製
し、2,2−ジメチル−4−(1’−アリルオキシ−
2’−ベンジルオキシエチル)−1,3−ジオキソラン
(49.67g、0.177mol、80.8%,2s
teps)を無色油状物として得た。
【0070】[α]D+4.80°(c0.25,CH
Cl3); IR(neat)1454,1373,1257,12
13,1077cm-11 H NMR(300MHz,CDCl3)δ7.63−
7.11(m,5H),5.81(m,1H),5.2
6(br d,J=14.2Hz),5.17(br
d,J=10.3Hz),4.57(s,2H),4.
40−3.82(m,4H),3.82−3.38
(m,4H),1.40(s,3H),1.36(s,
3H).
【0071】実施例16:
【化54】 2,2−ジメチル−4−(1’−アリルオキシ−2’−
ベンジルオキシエチル)−1,3−ジオキソラン(96
5mg、3.45mmol)のTHF溶液(10ml)
に氷冷下、1.0MのBH3・THFのTHF溶液(3
30μl、0.33mmol)を加え、得られた混合物
を2時間撹拌した。反応混合物に水(0.1ml)、
2.8MのNaOH(0.12ml)および30%H2
2(0.12ml)を加え、混合物を40℃で1時間
撹拌した。反応混合物をジエチルエーテルで抽出し、有
機層を水洗、乾燥(MgSO4)した後、減圧下溶媒を
留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(40g、ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製し、
1級アルコールである2,2−ジメチル−4−[2’−
ベンジルオキシ−1’−(3”−ヒドロキシプロポキ
シ)エチル]−1,3−ジオキソラン(631mg、
2.12mmol、61.4%)と、2級アルコールで
ある2,2−ジメチル−4−[2’−ベンジルオキシ−
1’−(2”−ヒドロキシプロポキシ)エチル]−1,
3−ジオキソラン(128mg、4.30mmol、1
2.5%)とをそれぞれ無色油状物として得た。
【0072】1級アルコール [α]D+8.80°(c1.00,CHCl3); IR(neat)3459,1495,1454,13
75,1257,1216,1106cm-11 H NMR(300MHz,CDCl3)δ7.41−
7.11(m,5H),4.51(s,2H),4.1
8−3.47(m,10H),2.60(brs,1
H),1.81(m,2H Hz),1.40(s,3
H),1.34(s,3H).
【0073】実施例17:
【化55】 2,2−ジメチル−4−[2’−ベンジルオキシ−1’
−(3”−ヒドロキシプロポキシ)エチル]−1,3−
ジオキソラン(1.88g、6.31mmol)のCH
2Cl2溶液(50ml)にトリエチルアミン(1.84
ml、13.2mmol)、DMAP(10mg、0.
825mmol)および塩化ピバロイル(813μl、
6.6mmol)を加え、得られた混合物を室温で14
時間撹拌した。反応混合物をジエチルエーテルで抽出
し、有機層を水洗、乾燥(MgSO4)した後、減圧下
溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(100g、ヘキサン:酢酸エチル=10:1)
で精製し、2,2−ジメチル−4−[2’−ベンジルオ
キシ−1’−(3”−ピバロイルプロポキシ)エチル]
−1,3−ジオキソラン(2.35g、6.14mmo
l、97.3%)を無色油状物として得た。
【0074】[α]D+11.30°(c1.08,C
HCl3); IR(neat)1730,1480,1461,13
73,1284,1214,1159,1059c
-11 H NMR(300MHz,CDCl3)δ7.42−
7.23(m,5H),4.54(s,2H),4.2
1−3.34(m,10H),1.87(m,2H),
1.41(s,3H),1.35(s,3H),1.2
6(s,9H).
【0075】実施例18:
【化56】 2,2−ジメチル−4−[2’−ベンジルオキシ−1’
−(3”−ピバロイルプロポキシ)エチル]−1,3−
ジオキソラン(4.10g、10.74mmol)のメ
タノール溶液(50ml)にPd(OH)2(410m
g)を加え、混合物を水素雰囲気下室温で3時間撹拌し
た。反応混合物をCelite濾過後、減圧下溶媒を留
去し、2,2−ジメチル−4−[2’−ヒドロキシ−
1’−(3”−ピバロイルオキシプロポキシ)エチル]
−1,3−ジオキソラン(3.26g、10.74mm
ol、100%)を無色油状物として得た。この物質の
物性データは実施例5に記載のデータと一致した。
【0076】
【発明の効果】本発明による式(1)の化合物は、ビタ
ミンD誘導体、特には2位に置換基を有するビタミンD
誘導体、例えば2β−ヒドロキシプロポキシ−1α,2
5−ジヒドロキシビタミンD3のA環部分を合成する際
に有用な中間体である。また、本発明による式(3)ま
たは式(5)の化合物は、上記の式(1)の化合物を合
成する際の有用な中間体である。本発明により、ビタミ
ンD誘導体のA環部分を合成するための新規な中間体化
合物および反応経路が提供され、これらは、ビタミンD
誘導体、特には2位に置換基を有するビタミンD誘導体
の合成に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07D 317/26 C07D 317/26 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 C07M 7:00

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(1): 【化1】 (式中、R1は、炭素数1から7のアルキル基であり、
    これは無置換であるか、あるいは所望により保護された
    水酸基、ハロゲン原子、シアノ基またはアシルアミノ基
    で置換されている)の化合物。
  2. 【請求項2】 R1が−(CH23−OR9(式中、R9
    は水素または保護基を示す)で表される基である、請求
    項1に記載の化合物。
  3. 【請求項3】 式(1): 【化2】 (式中、R1は、炭素数1から7のアルキル基であり、
    これは無置換であるか、あるいは所望により保護された
    水酸基、ハロゲン原子、シアノ基またはアシルアミノ基
    で置換されている)の化合物の製造方法において、
    (a)式(2): 【化3】 の化合物を、式R2Br(式中R2は炭素数1から7のア
    ルキル基またはアルケニル基であり、これは無置換であ
    るか、あるいは所望により保護された水酸基、ハロゲン
    原子、シアノ基またはアシルアミノ基で置換されてい
    る)の化合物と反応させ、さらにR2がアルケニル基の
    場合にはこれをアルキル基に変換して、式(3): 【化4】 (式中、R1は上記定義の通りであり、R3は水素または
    保護基である)の化合物を得る工程;および(b)上記
    で得た式(3)の化合物を、必要に応じ保護および/ま
    たは脱保護した後、酸化することにより上記式(1)の
    化合物を得る工程:を含むことを特徴とする方法。
  4. 【請求項4】 式(1): 【化5】 (式中、R1は、炭素数1から7のアルキル基であり、
    これは無置換であるか、あるいは所望により保護された
    水酸基、ハロゲン原子、シアノ基またはアシルアミノ基
    で置換されている)の化合物の製造方法において、
    (a)式(4): 【化6】 (式中、R4およびR5は同一または異なって、保護基を
    示す)の化合物を、アルコキシドの存在下で式R1OH
    (式中、R1は上記定義の通りである)の化合物と反応
    させて、式(5): 【化7】 (式中、R1、R4およびR5は上記定義の通りである)
    の化合物を得る工程;および(b)式(5)の化合物
    を、必要に応じ保護および/または脱保護した後、アセ
    トニド化そして酸化することにより上記式(1)の化合
    物を得る工程:を含むことを特徴とする方法。
  5. 【請求項5】 式(3): 【化8】 (式中、R1は、炭素数1から7のアルキル基であり、
    これは無置換であるか、あるいは所望により保護された
    水酸基、ハロゲン原子、シアノ基またはアシルアミノ基
    で置換されており、R3は水素または保護基である)の
    化合物。
  6. 【請求項6】 R1が−(CH23−OR9(式中、R9
    は水素または保護基を示す)で表される基である、請求
    項5に記載の化合物。
  7. 【請求項7】 式(5): 【化9】 (式中、R1は、炭素数1から7のアルキル基であり、
    これは無置換であるか、あるいは所望により保護された
    水酸基、ハロゲン原子、シアノ基またはアシルアミノ基
    で置換されており、R4およびR5は同一または異なって
    水素または保護基を示す)の化合物。
  8. 【請求項8】 R1が−(CH23−OR9(式中、R9
    は水素または保護基を示す)で表される基である、請求
    項7に記載の化合物。
  9. 【請求項9】 式(6): 【化10】 (式中、R1は、炭素数1から7のアルキル基であり、
    これは無置換であるか、あるいは所望により保護された
    水酸基、ハロゲン原子、シアノ基またはアシルアミノ基
    で置換されており、R6、R7およびR8は同一または異
    なって、水素または保護基を示す)の化合物の製造方法
    において、 (a)式(1): 【化11】 (式中、R1は、上記定義の通りである)の化合物を式
    CH2=CHMgHal(式中、Halはハロゲンを示
    す)の化合物と反応させて式(7): 【化12】 (式中、R1は上記定義の通りであり、R6は水素または
    保護基を示す)の化合物を得る工程; (b)式(7)の化合物を加水分解およびエポキシ化し
    て式(8): 【化13】 (式中、R1およびR6は上記定義の通りである)の化合
    物を得る工程; (c)式(8)の化合物を式LiC≡CCH2OR7(式
    中、R7は水素または保護基を示す)の化合物と反応さ
    せて式(9): 【化14】 (R1、R6、R7およびR8は上記定義の通りである)の
    化合物を得る工程: (d)式(9)の化合物をヒドロアルミニウム化および
    ヨウ素化して式(10): 【化15】 (R1、R6、R7およびR8は上記定義の通りである)の
    化合物を得る工程: (e)式(10)の化合物をPd(O)触媒の存在中で
    環化して上記式(6)の化合物を得る工程;を含むこと
    を特徴とする方法。
  10. 【請求項10】 式(6): 【化16】 (式中、R1は、炭素数1から7のアルキル基であり、
    これは無置換であるか、あるいは所望により保護された
    水酸基、ハロゲン原子、シアノ基またはアシルアミノ基
    で置換されており、R6、R7およびR8は同一または異
    なって、水素または保護基を示す)の化合物の製造方法
    において、式(10): 【化17】 (R1、R6、R7およびR8は上記定義の通りである)の
    化合物をPd(O)触媒の存在中でHeck型環化反応
    に付することを特徴とする方法。
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