JPH10250A - ゴルフクラブヘッド - Google Patents
ゴルフクラブヘッドInfo
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- JPH10250A JPH10250A JP8175818A JP17581896A JPH10250A JP H10250 A JPH10250 A JP H10250A JP 8175818 A JP8175818 A JP 8175818A JP 17581896 A JP17581896 A JP 17581896A JP H10250 A JPH10250 A JP H10250A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 この発明は、ゴルフクラブヘッドのヘッド本
体を金属により形成し、該ヘッド本体にＰＶＤ（Physic
al Vapor Deposition ）被覆法により二層構造の表面処
理層を形成することにより、ヘッド本体の耐摩耗性及び
フィーリングを改良するものである。 【構成】 ゴルフクラブヘッドのヘッド本体を金属材料
により形成し、該ヘッド本体に窒化チタン（ＴｉＮ）、
又は、炭化チタン（ＴｉＣ）を主成分とする内層と炭化
窒化チタン（ＴｉＣＮ）を主成分とする外層の二層構造
の表面処理層よりなることを特徴とするゴルフクラブヘ
ッドである。
体を金属により形成し、該ヘッド本体にＰＶＤ（Physic
al Vapor Deposition ）被覆法により二層構造の表面処
理層を形成することにより、ヘッド本体の耐摩耗性及び
フィーリングを改良するものである。 【構成】 ゴルフクラブヘッドのヘッド本体を金属材料
により形成し、該ヘッド本体に窒化チタン（ＴｉＮ）、
又は、炭化チタン（ＴｉＣ）を主成分とする内層と炭化
窒化チタン（ＴｉＣＮ）を主成分とする外層の二層構造
の表面処理層よりなることを特徴とするゴルフクラブヘ
ッドである。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本願発明は、ゴルフクラブヘ
ッドのヘッド本体を金属により形成し、該ヘッド本体に
ＰＶＤ（Physical Vapor Deposition ）被覆法により、
内層と外層の二層構造の表面処理層を形成することによ
り、ヘッド本体の耐摩耗性及びフィーリングを改良する
ものである。
ッドのヘッド本体を金属により形成し、該ヘッド本体に
ＰＶＤ（Physical Vapor Deposition ）被覆法により、
内層と外層の二層構造の表面処理層を形成することによ
り、ヘッド本体の耐摩耗性及びフィーリングを改良する
ものである。
【０００２】
【従来の技術】従来より、アイアンヘッドやメタルウッ
ドヘッドやパター等の金属製のヘッドとしては、鋼、ス
テンレス、銅合金、チタン、チタン合金、タングステン
合金、その他の素材を使用し、ヘッド本体そのものを鍛
造やロストワックス鋳造により製造している。そして、
これらヘッド本体の表面処理として、金属の素材により
表面研磨をして生地出しのまま使用するケースや、ニッ
ケル−クロム鍍金を施したり、焼き付け塗装を施すこと
が一般的であった。又、特開昭５９−６９０８４号に開
示されているように、打球時にゴルフボールとの摩擦抵
抗を大きくして、ゴルフボールのスピン数を増加させ、
飛距離を向上させる目的で、ヘッド本体の表面にセラミ
ックス粉末及び金属粉末を同時に溶射することにより５
０〜２００μｍの厚さの溶射皮膜を施したヘッドも既に
公知となっている。
ドヘッドやパター等の金属製のヘッドとしては、鋼、ス
テンレス、銅合金、チタン、チタン合金、タングステン
合金、その他の素材を使用し、ヘッド本体そのものを鍛
造やロストワックス鋳造により製造している。そして、
これらヘッド本体の表面処理として、金属の素材により
表面研磨をして生地出しのまま使用するケースや、ニッ
ケル−クロム鍍金を施したり、焼き付け塗装を施すこと
が一般的であった。又、特開昭５９−６９０８４号に開
示されているように、打球時にゴルフボールとの摩擦抵
抗を大きくして、ゴルフボールのスピン数を増加させ、
飛距離を向上させる目的で、ヘッド本体の表面にセラミ
ックス粉末及び金属粉末を同時に溶射することにより５
０〜２００μｍの厚さの溶射皮膜を施したヘッドも既に
公知となっている。
【０００３】これら従来から公知のヘッド本体の表面処
理においては、打球時にヘッド本体が地面等と接触する
ため、砂や砂利等によりどうしてもヘッド本体の表面処
理層が削り取られるため、傷が付いたり、錆が生じると
言った欠点があった。又、特開昭５９−６９０８４号に
開示されている溶射皮膜の表面処理を施したヘッドにお
いては、溶射皮膜の厚みが厚いため表面粗さが粗くなる
ため、ゴルフボールの表面に傷が付き易く耐久性を低下
させると言った点や、溶射皮膜自体が剥れ落ち易いと言
った問題点を有していた。
理においては、打球時にヘッド本体が地面等と接触する
ため、砂や砂利等によりどうしてもヘッド本体の表面処
理層が削り取られるため、傷が付いたり、錆が生じると
言った欠点があった。又、特開昭５９−６９０８４号に
開示されている溶射皮膜の表面処理を施したヘッドにお
いては、溶射皮膜の厚みが厚いため表面粗さが粗くなる
ため、ゴルフボールの表面に傷が付き易く耐久性を低下
させると言った点や、溶射皮膜自体が剥れ落ち易いと言
った問題点を有していた。
【０００４】又、最近では、比重の軽いチタン製やチタ
ン合金製のアイアンヘッドやメタルウッドヘッドが市場
に流通しており、これらのヘッド本体の場合には、耐摩
耗性をより向上するために、例えば図４に示すように、
チタン合金製のヘッド本体５Ａに、窒化チタン（Ｔｉ
Ｎ）をＰＶＤ被覆法の一種であるイオンプレーティング
法により窒化チタン（ＴｉＮ）被覆層６を形成し、更に
該窒化チタン（ＴｉＮ）被覆層６の上に、アルカリ珪酸
塩を被覆して、一種のガラス被覆層７を形成したヘッド
５も公知となっている。
ン合金製のアイアンヘッドやメタルウッドヘッドが市場
に流通しており、これらのヘッド本体の場合には、耐摩
耗性をより向上するために、例えば図４に示すように、
チタン合金製のヘッド本体５Ａに、窒化チタン（Ｔｉ
Ｎ）をＰＶＤ被覆法の一種であるイオンプレーティング
法により窒化チタン（ＴｉＮ）被覆層６を形成し、更に
該窒化チタン（ＴｉＮ）被覆層６の上に、アルカリ珪酸
塩を被覆して、一種のガラス被覆層７を形成したヘッド
５も公知となっている。
【０００５】同様に、図５に示すように、耐摩耗性をよ
り向上するために鋼製のヘッド本体８Ａの上に、ニッケ
ル−クロム鍍金層９を形成し、該ニッケル−クロム鍍金
層９の上に窒化チタン（ＴｉＮ）をイオンプレーティン
グ法により窒化チタン（ＴｉＮ）被覆層１０を形成した
ヘッド８も公知となっている。
り向上するために鋼製のヘッド本体８Ａの上に、ニッケ
ル−クロム鍍金層９を形成し、該ニッケル−クロム鍍金
層９の上に窒化チタン（ＴｉＮ）をイオンプレーティン
グ法により窒化チタン（ＴｉＮ）被覆層１０を形成した
ヘッド８も公知となっている。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これら公知の
チタン合金製や鋼製のヘッド本体においては、従来の表
面処理に比較して、耐摩耗性は改善されたが、まだ以下
のような改善点があった。即ち、前者のチタン合金製の
ヘッド本体５Ａの上に、窒化チタン（ＴｉＮ）被覆層６
を形成し、該窒化チタン（ＴｉＮ）被覆層６の上にアル
カリ珪酸塩を被覆して、一種のガラス被覆層７を形成し
たヘッドにおいては、初期の耐摩耗性は良好であるが、
アルカリ珪酸塩を被覆して形成したガラス被覆層７が、
打球時にやはり砂や砂利との接触により削り取られてし
まい、次に窒化チタン（ＴｉＮ）被覆層６も砂や砂利と
の接触により削り取られることになり、前記ガラス被覆
層７と、その下の窒化チタン（ＴｉＮ）被覆層６及びヘ
ッド本体５Ａの素地面との境界面で色調の差異が目立
ち、ゴルファーに違和感を生じると言った問題点を有し
ていた。
チタン合金製や鋼製のヘッド本体においては、従来の表
面処理に比較して、耐摩耗性は改善されたが、まだ以下
のような改善点があった。即ち、前者のチタン合金製の
ヘッド本体５Ａの上に、窒化チタン（ＴｉＮ）被覆層６
を形成し、該窒化チタン（ＴｉＮ）被覆層６の上にアル
カリ珪酸塩を被覆して、一種のガラス被覆層７を形成し
たヘッドにおいては、初期の耐摩耗性は良好であるが、
アルカリ珪酸塩を被覆して形成したガラス被覆層７が、
打球時にやはり砂や砂利との接触により削り取られてし
まい、次に窒化チタン（ＴｉＮ）被覆層６も砂や砂利と
の接触により削り取られることになり、前記ガラス被覆
層７と、その下の窒化チタン（ＴｉＮ）被覆層６及びヘ
ッド本体５Ａの素地面との境界面で色調の差異が目立
ち、ゴルファーに違和感を生じると言った問題点を有し
ていた。
【０００７】一方、後者の鋼製のヘッド本体８Ａの上
に、ニッケル−クロム鍍金層９を形成し、該ニッケル−
クロム鍍金層９の上に窒化チタン（ＴｉＮ）被覆層１０
を形成したヘッドにおいては、耐摩耗性が良好である
が、窒化チタン（ＴｉＮ）被覆層１０の厚みが薄い場合
やニッケル−クロム鍍金層９の厚みが薄い場合に、水分
が窒化チタン（ＴｉＮ）被覆層１０とニッケル−クロム
鍍金層９に浸透し、これら二層を透過して鋼製ヘッド本
体に到達して、該鋼製のヘッド本体８Ａを腐食し錆が発
生する可能性を有していた。又、窒化チタン（ＴｉＮ）
被覆層１０が打球時にやはり砂や砂利との接触により削
り取られて、内層のニッケル−クロム鍍金層９が一部露
出するため、ゴルファーにアドレス時違和感を生じさせ
ると言った問題点を有していた。そのため、ヘッドの耐
摩耗性をより改善すると共に、ヘッドの外観が良好に維
持できるものが望まれていた。
に、ニッケル−クロム鍍金層９を形成し、該ニッケル−
クロム鍍金層９の上に窒化チタン（ＴｉＮ）被覆層１０
を形成したヘッドにおいては、耐摩耗性が良好である
が、窒化チタン（ＴｉＮ）被覆層１０の厚みが薄い場合
やニッケル−クロム鍍金層９の厚みが薄い場合に、水分
が窒化チタン（ＴｉＮ）被覆層１０とニッケル−クロム
鍍金層９に浸透し、これら二層を透過して鋼製ヘッド本
体に到達して、該鋼製のヘッド本体８Ａを腐食し錆が発
生する可能性を有していた。又、窒化チタン（ＴｉＮ）
被覆層１０が打球時にやはり砂や砂利との接触により削
り取られて、内層のニッケル−クロム鍍金層９が一部露
出するため、ゴルファーにアドレス時違和感を生じさせ
ると言った問題点を有していた。そのため、ヘッドの耐
摩耗性をより改善すると共に、ヘッドの外観が良好に維
持できるものが望まれていた。
【０００８】
【課題を解決するための手段】本願発明は、上記目的を
達成するために発明されたものである。即ち、ゴルフク
ラブヘッドのヘッド本体を金属材料により形成し、該ヘ
ッド本体に窒化チタン（ＴｉＮ）、又は、炭化チタン
（ＴｉＣ）を主成分とする内層と炭化窒化チタン（Ｔｉ
ＣＮ）を主成分とする外層の二層構造の表面処理層より
なることを特徴とするゴルフクラブヘッドである。
達成するために発明されたものである。即ち、ゴルフク
ラブヘッドのヘッド本体を金属材料により形成し、該ヘ
ッド本体に窒化チタン（ＴｉＮ）、又は、炭化チタン
（ＴｉＣ）を主成分とする内層と炭化窒化チタン（Ｔｉ
ＣＮ）を主成分とする外層の二層構造の表面処理層より
なることを特徴とするゴルフクラブヘッドである。
【０００９】
【発明の実施の形態】なお、本願発明の実施形態として
は、即ち、ゴルフクラブヘッドのヘッド本体を金属材料
により形成し、該ヘッド本体にＰＶＤ法により窒化チタ
ン（ＴｉＮ）、又は、炭化チタン（ＴｉＣ）を主成分と
する内層を形成し、次に同様にＰＶＤ法により炭化窒化
チタン（ＴｉＣＮ）を主成分とする外層を形成し、内外
二層構造の表面処理層よりなることを特徴とするゴルフ
クラブヘッドである。
は、即ち、ゴルフクラブヘッドのヘッド本体を金属材料
により形成し、該ヘッド本体にＰＶＤ法により窒化チタ
ン（ＴｉＮ）、又は、炭化チタン（ＴｉＣ）を主成分と
する内層を形成し、次に同様にＰＶＤ法により炭化窒化
チタン（ＴｉＣＮ）を主成分とする外層を形成し、内外
二層構造の表面処理層よりなることを特徴とするゴルフ
クラブヘッドである。
【００１０】
【実施例】本願発明の実施例を図面に基づいて説明すれ
ば、図１乃至図２に示すように、ゴルフクラブヘッド１
のヘッド本体１Ａを金属材料により形成し、該ヘッド本
体１Ａの表面にイオンプレーティング法により、窒化チ
タン（ＴｉＮ）、又は、炭化チタン（ＴｉＣ）を主成分
とする被膜を形成して内層２とし、更に該内層２の上に
炭化窒化チタン（ＴｉＣＮ）を主成分とする被膜を形成
して外層３として二層構造の表面処理層４を有するゴル
フクラブヘッド１を構成するものである。
ば、図１乃至図２に示すように、ゴルフクラブヘッド１
のヘッド本体１Ａを金属材料により形成し、該ヘッド本
体１Ａの表面にイオンプレーティング法により、窒化チ
タン（ＴｉＮ）、又は、炭化チタン（ＴｉＣ）を主成分
とする被膜を形成して内層２とし、更に該内層２の上に
炭化窒化チタン（ＴｉＣＮ）を主成分とする被膜を形成
して外層３として二層構造の表面処理層４を有するゴル
フクラブヘッド１を構成するものである。
【００１１】更に、本願発明の実施例を図面に基づいて
説明すれば、図３に示すように、ヘッド本体１Ａを金属
材料により形成し、該ヘッド本体１Ａの表面にイオンプ
レーティング法により窒化チタン（ＴｉＮ）、又は炭化
チタン（ＴｉＣ）を主成分とする厚みが１．２μｍ〜
４．５μｍの被膜を形成し内層２とし、更に該内層２の
上に炭化窒化チタン（ＴｉＣＮ）を主成分とする被膜を
形成して外層３として二層構造の表面処理層４を有する
ゴルフクラブヘッド１を構成するものである。
説明すれば、図３に示すように、ヘッド本体１Ａを金属
材料により形成し、該ヘッド本体１Ａの表面にイオンプ
レーティング法により窒化チタン（ＴｉＮ）、又は炭化
チタン（ＴｉＣ）を主成分とする厚みが１．２μｍ〜
４．５μｍの被膜を形成し内層２とし、更に該内層２の
上に炭化窒化チタン（ＴｉＣＮ）を主成分とする被膜を
形成して外層３として二層構造の表面処理層４を有する
ゴルフクラブヘッド１を構成するものである。
【００１２】更に、前記ヘッド本体１Ａの表面にイオン
プレーティング法により窒化チタン（ＴｉＮ）、又は炭
化チタン（ＴｉＣ）を主成分とする被膜の厚みは、製造
コストや密着性や耐摩耗性や色調の安定性を考慮して、
厚みとして、１．５μｍ〜２．５μｍ程度が最も好まし
いものであるが、特に、ヘッド本体１Ａの表面処理の実
用的な厚みとしては、２．２μｍ程度あれば密着性や耐
摩耗性や耐傷性や耐食性の点で充分に効果を発揮できる
ものである。なお、被膜の厚みが増せば、耐傷性はほぼ
比例して増加するが、被膜厚みが４．５μｍ以上になる
と製造コストが高くなり過ぎ、且つ特性値の向上率が少
なくなるため、被膜厚みが厚ければ良いというものでは
ない。又、逆に、被膜厚みが、１．０μｍ程度では、耐
摩耗性や耐傷性の点で問題が残るものである。
プレーティング法により窒化チタン（ＴｉＮ）、又は炭
化チタン（ＴｉＣ）を主成分とする被膜の厚みは、製造
コストや密着性や耐摩耗性や色調の安定性を考慮して、
厚みとして、１．５μｍ〜２．５μｍ程度が最も好まし
いものであるが、特に、ヘッド本体１Ａの表面処理の実
用的な厚みとしては、２．２μｍ程度あれば密着性や耐
摩耗性や耐傷性や耐食性の点で充分に効果を発揮できる
ものである。なお、被膜の厚みが増せば、耐傷性はほぼ
比例して増加するが、被膜厚みが４．５μｍ以上になる
と製造コストが高くなり過ぎ、且つ特性値の向上率が少
なくなるため、被膜厚みが厚ければ良いというものでは
ない。又、逆に、被膜厚みが、１．０μｍ程度では、耐
摩耗性や耐傷性の点で問題が残るものである。
【００１３】又、前記ヘッド本体１Ａの炭化窒化チタン
（ＴｉＣＮ）を主成分とする外層３の被膜の厚みとして
は、０．５μｍ〜１．０μｍであればよい。なお、前記
炭化窒化チタン（ＴｉＣＮ）を主成分とする外層３の被
膜の厚みは、製造コストや密着性や耐摩耗性や色調の安
定性を考慮して、最も好ましい厚みとして、０．６μｍ
〜０．９μｍ程度あれば、ゴルフクラブヘッドとしての
性能を維持できるものである。
（ＴｉＣＮ）を主成分とする外層３の被膜の厚みとして
は、０．５μｍ〜１．０μｍであればよい。なお、前記
炭化窒化チタン（ＴｉＣＮ）を主成分とする外層３の被
膜の厚みは、製造コストや密着性や耐摩耗性や色調の安
定性を考慮して、最も好ましい厚みとして、０．６μｍ
〜０．９μｍ程度あれば、ゴルフクラブヘッドとしての
性能を維持できるものである。
【００１４】なお、本願発明のヘッド本体（アイアンヘ
ッド、メタルウッドヘッド、パター等）を構成する金属
素材としては、鋼、ステンレス鋼、炭素鋼、銅、銅合
金、ベリリウム銅合金、純チタン、チタン合金、タング
ステン合金、マグネシュウム合金、タンタル合金、アモ
ルファス合金等から必要に応じて選択することが出来
る。
ッド、メタルウッドヘッド、パター等）を構成する金属
素材としては、鋼、ステンレス鋼、炭素鋼、銅、銅合
金、ベリリウム銅合金、純チタン、チタン合金、タング
ステン合金、マグネシュウム合金、タンタル合金、アモ
ルファス合金等から必要に応じて選択することが出来
る。
【００１５】更に、本願発明に係るヘッド本体に形成す
る表面処理層は、ＰＶＤ被覆法を用いて行うことができ
る。ＰＶＤ被覆法としては、真空蒸着法やイオンプレー
ティング法やスパッタリング法がある。これらの内、特
にイオンプレーティング法（Ｍａｔｔｏｘ法）を用いる
ことにより、蒸発物質であるチタン（Ｔｉ）と窒素（Ｎ
2 ）やエチレン（Ｃ2 Ｈ4 ）やアセチレン（Ｃ2 Ｈ2 ）
等の反応性ガスの種類を選択することにより、窒化チタ
ン（ＴｉＮ）や炭化チタン（ＴｉＣ）や炭化窒化チタン
（ＴｉＣＮ）の各種の色調を出すことが可能となり、且
つ、色調の再現性に優れ、皮膜の均一性も良好であるた
め、色調の安定性に優れている。
る表面処理層は、ＰＶＤ被覆法を用いて行うことができ
る。ＰＶＤ被覆法としては、真空蒸着法やイオンプレー
ティング法やスパッタリング法がある。これらの内、特
にイオンプレーティング法（Ｍａｔｔｏｘ法）を用いる
ことにより、蒸発物質であるチタン（Ｔｉ）と窒素（Ｎ
2 ）やエチレン（Ｃ2 Ｈ4 ）やアセチレン（Ｃ2 Ｈ2 ）
等の反応性ガスの種類を選択することにより、窒化チタ
ン（ＴｉＮ）や炭化チタン（ＴｉＣ）や炭化窒化チタン
（ＴｉＣＮ）の各種の色調を出すことが可能となり、且
つ、色調の再現性に優れ、皮膜の均一性も良好であるた
め、色調の安定性に優れている。
【００１６】例えば、窒化チタン（ＴｉＮ）では、ゴー
ルド〜イエローの色調が可能であり、炭化チタン（Ｔｉ
Ｃ）では、シルバー〜グレーの色調が可能となる。又、
炭化窒化チタン（ＴｉＣＮ）では、ピンク、ブルー、イ
エロー、ゴールド等の各種の色調が反応性ガス濃度や混
合比率の差異等により可能となるものである。
ルド〜イエローの色調が可能であり、炭化チタン（Ｔｉ
Ｃ）では、シルバー〜グレーの色調が可能となる。又、
炭化窒化チタン（ＴｉＣＮ）では、ピンク、ブルー、イ
エロー、ゴールド等の各種の色調が反応性ガス濃度や混
合比率の差異等により可能となるものである。
【００１７】又、ヘッド本体の表面状態が、例えば鏡面
仕上げ、ヘアーライン仕上げ、ホーニング仕上げ等の場
合であっても、これらヘッド本体の表面状態を維持する
ように緻密な表面処理層を形成することが可能となるた
め、ヘッド本体の外観を自由に設定できる。更に、ステ
ンレスやチタンやチタン合金等の素材への密着性も良好
で、表面硬度や耐食性も極めて良好となるほか、ヘッド
本体の細部に渡って被膜を二層に形成するため、従来の
ものよりもヘッド本体の耐摩耗性が向上し、且つ防錆効
果も生じるものである。
仕上げ、ヘアーライン仕上げ、ホーニング仕上げ等の場
合であっても、これらヘッド本体の表面状態を維持する
ように緻密な表面処理層を形成することが可能となるた
め、ヘッド本体の外観を自由に設定できる。更に、ステ
ンレスやチタンやチタン合金等の素材への密着性も良好
で、表面硬度や耐食性も極めて良好となるほか、ヘッド
本体の細部に渡って被膜を二層に形成するため、従来の
ものよりもヘッド本体の耐摩耗性が向上し、且つ防錆効
果も生じるものである。
【００１８】更に、本願発明の他の実施例として、ヘッ
ド本体に純チタンやチタン合金を使用し、本願発明の表
面処理をすることにより、これらヘッド本体の素材が軽
量で且つ比弾性、比強度が高い素材であるため、球離れ
の良いコントロールし易い打球が可能となるほか、耐摩
耗性が向上し、色調の自由度も向上するため、中級者や
上級者にも適合したゴルフクラブを提供することができ
るものである。
ド本体に純チタンやチタン合金を使用し、本願発明の表
面処理をすることにより、これらヘッド本体の素材が軽
量で且つ比弾性、比強度が高い素材であるため、球離れ
の良いコントロールし易い打球が可能となるほか、耐摩
耗性が向上し、色調の自由度も向上するため、中級者や
上級者にも適合したゴルフクラブを提供することができ
るものである。
【００１９】更に、本願発明のイオンプレーティングに
よる二層構造の表面処理層を有するゴルフクラブヘッド
と、比較例として、未処理のゴルフクラブヘッドと従来
のイオンプレーティングによる一層構造の表面処理層を
有するゴルフクラブヘッドとで、耐食性と耐傷性につい
てのテストを行った結果を表１に示す。
よる二層構造の表面処理層を有するゴルフクラブヘッド
と、比較例として、未処理のゴルフクラブヘッドと従来
のイオンプレーティングによる一層構造の表面処理層を
有するゴルフクラブヘッドとで、耐食性と耐傷性につい
てのテストを行った結果を表１に示す。
【００２０】
【表１】
【００２１】即ち、表１より明らかなように、塩水噴霧
テスト（濃度３％の塩水を２４時間噴霧）では、未処理
品の鏡面仕上げのものでは、錆が発生したが、本願発明
のイオンプレーティングによる二層構造の表面処理層の
ものと、未処理品の塗装仕上げのもの及び従来のイオン
プレーティングによる一層構造の表面処理層のもので
は、錆は生じなかった。更に、耐傷性テストにおいて、
ゴルフボールの実打テスト（３０００球）及びスチール
ウールで擦った場合による研磨テストでは、未処理品の
塗装仕上げのもの以外では、傷は発生しなかった。しか
し、最も過酷な砂付きボールの実打テスト（５０球）で
は、本願発明のイオンプレーティングによる二層構造の
表面処理層のものには傷が生じなかったが、未処理品で
は、鏡面仕上げのものも塗装仕上げのものも共に傷が生
じ、又、従来のイオンプレーティングによる一層構造の
表面処理層のものにも、傷が生じた。
テスト（濃度３％の塩水を２４時間噴霧）では、未処理
品の鏡面仕上げのものでは、錆が発生したが、本願発明
のイオンプレーティングによる二層構造の表面処理層の
ものと、未処理品の塗装仕上げのもの及び従来のイオン
プレーティングによる一層構造の表面処理層のもので
は、錆は生じなかった。更に、耐傷性テストにおいて、
ゴルフボールの実打テスト（３０００球）及びスチール
ウールで擦った場合による研磨テストでは、未処理品の
塗装仕上げのもの以外では、傷は発生しなかった。しか
し、最も過酷な砂付きボールの実打テスト（５０球）で
は、本願発明のイオンプレーティングによる二層構造の
表面処理層のものには傷が生じなかったが、未処理品で
は、鏡面仕上げのものも塗装仕上げのものも共に傷が生
じ、又、従来のイオンプレーティングによる一層構造の
表面処理層のものにも、傷が生じた。
【００２２】
【発明の効果】このように、本願発明のゴルフクラブヘ
ッドにおいては、ヘッド本体にＰＶＤ法により窒化チタ
ン（ＴｉＮ）、又は、炭化チタン（ＴｉＣ）を主成分と
する被膜を形成して内層とし、次に同様にＰＶＤ法によ
り炭化窒化チタン（ＴｉＣＮ）を主成分とする被膜を形
成して外層とし、内外二層構造の表面処理層よりなるこ
とを特徴とするゴルフクラブヘッドであるため、特に、
イオンプレーティング法（Ｍａｔｔｏｘ法）を用いるこ
とにより、蒸発物質であるチタン（Ｔｉ）と窒素（Ｎ
2 ）やエチレン（Ｃ2 Ｈ4 ）やアセチレン（Ｃ2 Ｈ2 ）
等の反応性ガスの種類を選択することにより、窒化チタ
ン（ＴｉＮ）や炭化チタン（ＴｉＣ）や炭化窒化チタン
（ＴｉＣＮ）のゴールド〜イエロー〜ピンク〜ブルー〜
グレー等の各種の色調を出すことが可能となり、且つ、
色調の再現性に優れ、被膜の均一性も良好であるため、
色調の安定性に優れている。
ッドにおいては、ヘッド本体にＰＶＤ法により窒化チタ
ン（ＴｉＮ）、又は、炭化チタン（ＴｉＣ）を主成分と
する被膜を形成して内層とし、次に同様にＰＶＤ法によ
り炭化窒化チタン（ＴｉＣＮ）を主成分とする被膜を形
成して外層とし、内外二層構造の表面処理層よりなるこ
とを特徴とするゴルフクラブヘッドであるため、特に、
イオンプレーティング法（Ｍａｔｔｏｘ法）を用いるこ
とにより、蒸発物質であるチタン（Ｔｉ）と窒素（Ｎ
2 ）やエチレン（Ｃ2 Ｈ4 ）やアセチレン（Ｃ2 Ｈ2 ）
等の反応性ガスの種類を選択することにより、窒化チタ
ン（ＴｉＮ）や炭化チタン（ＴｉＣ）や炭化窒化チタン
（ＴｉＣＮ）のゴールド〜イエロー〜ピンク〜ブルー〜
グレー等の各種の色調を出すことが可能となり、且つ、
色調の再現性に優れ、被膜の均一性も良好であるため、
色調の安定性に優れている。
【００２３】又、ヘッド本体の表面状態が、例えば鏡面
仕上げ、ヘアーライン仕上げ、ホーニング仕上げ等の場
合であっても、これらヘッド本体の表面状態を維持する
ように緻密な表面処理層を形成することが可能となるた
め、ヘッド本体の外観を自由に設定できる。更に、ステ
ンレスやチタンやチタン合金等の素材への密着性も良好
で、表面硬度や耐食性も極めて良好となるほか、ヘッド
本体の細部に渡って被膜を二層に形成するため、従来の
ものよりもヘッド本体の耐摩耗性が向上し、且つ防錆効
果も生じるものである。
仕上げ、ヘアーライン仕上げ、ホーニング仕上げ等の場
合であっても、これらヘッド本体の表面状態を維持する
ように緻密な表面処理層を形成することが可能となるた
め、ヘッド本体の外観を自由に設定できる。更に、ステ
ンレスやチタンやチタン合金等の素材への密着性も良好
で、表面硬度や耐食性も極めて良好となるほか、ヘッド
本体の細部に渡って被膜を二層に形成するため、従来の
ものよりもヘッド本体の耐摩耗性が向上し、且つ防錆効
果も生じるものである。
【００２４】更に、本願発明の他の実施例として、ヘッ
ド本体に純チタンやチタン合金を使用し、本願発明の表
面処理をすることにより、これらヘッド本体の素材が軽
量で且つ比弾性、比強度が高い素材であるため、球離れ
の良いコントロールし易い打球が可能となるほか、耐摩
耗性が向上し、色調の自由度も向上するため、中級者や
上級者にも適合したゴルフクラブを提供することができ
るものである。
ド本体に純チタンやチタン合金を使用し、本願発明の表
面処理をすることにより、これらヘッド本体の素材が軽
量で且つ比弾性、比強度が高い素材であるため、球離れ
の良いコントロールし易い打球が可能となるほか、耐摩
耗性が向上し、色調の自由度も向上するため、中級者や
上級者にも適合したゴルフクラブを提供することができ
るものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】本願発明に係るゴルフクラブヘッドの１実施例
を示す斜視図。
を示す斜視図。
【図２】本願発明に係るゴルフクラブヘッドの表面処理
を示す要部拡大図。
を示す要部拡大図。
【図３】本願発明に係るゴルフクラブヘッドの表面処理
を示す要部拡大図。
を示す要部拡大図。
【図４】従来のゴルフクラブヘッドの表面処理を示す要
部拡大図。
部拡大図。
【図５】従来のゴルフクラブヘッドの表面処理を示す要
部拡大図。
部拡大図。
１ ゴルフクラブヘッド １Ａ ヘッド本体 ２ 内層 ３ 外層 ４ 表面処理層 ５ ヘッド ５Ａ ヘッド本体 ６ 窒化チタン（ＴｉＮ）被覆層 ７ ガラス被覆層 ８ ヘッド ８Ａ ヘッド本体 ９ ニッケル−クロム鍍金層 １０ 窒化チタン（ＴｉＮ）被覆層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三代崎 洋昭 岐阜県養老郡養老町高田3877−８ 美津濃 株式会社養老工場内 (72)発明者 池田 信二 岩手県北上市北工業団地２番25号 上尾精 密株式会社北上工場内
Claims (5)
- 【請求項１】ゴルフクラブヘッドのヘッド本体を金属材
料により形成し、該ヘッド本体に窒化チタン（Ｔｉ
Ｎ）、又は、炭化チタン（ＴｉＣ）を主成分とする内層
を形成し、該内層の上に炭化窒化チタン（ＴｉＣＮ）を
主成分とする外層を形成することにより、二層構造の表
面処理層を有することを特徴とするゴルフクラブヘッ
ド。 - 【請求項２】前記ヘッド本体の窒化チタン（ＴｉＮ）、
又は、炭化チタン（ＴｉＣ）を主成分とする内層は、厚
みが１．２μｍ〜４．５μｍであることを特徴とする請
求項１記載のゴルフクラブヘッド。 - 【請求項３】前記ヘッド本体の窒化チタン（ＴｉＮ）、
又は、炭化チタン（ＴｉＣ）を主成分とする内層は、厚
みが１．５μｍ〜２．５μｍであることを特徴とする請
求項１記載のゴルフクラブヘッド。 - 【請求項４】前記ヘッド本体の炭化窒化チタン（ＴｉＣ
Ｎ）を主成分とする外層は、厚みが０．５μｍ〜１．０
μｍであることを特徴とする請求項１、２又は３記載の
ゴルフクラブヘッド。 - 【請求項５】前記ヘッド本体の炭化窒化チタン（ＴｉＣ
Ｎ）を主成分とする外層は、厚みが０．６μｍ〜０．９
μｍであることを特徴とする請求項１、２又は３記載の
ゴルフクラブヘッド。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8175818A JPH10250A (ja) | 1996-06-14 | 1996-06-14 | ゴルフクラブヘッド |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8175818A JPH10250A (ja) | 1996-06-14 | 1996-06-14 | ゴルフクラブヘッド |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10250A true JPH10250A (ja) | 1998-01-06 |
Family
ID=16002771
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8175818A Pending JPH10250A (ja) | 1996-06-14 | 1996-06-14 | ゴルフクラブヘッド |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH10250A (ja) |
Cited By (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7819756B2 (en) | 2008-04-01 | 2010-10-26 | Bridgestone Sports Co., Ltd. | Golf club head |
| US7985146B2 (en) * | 2007-06-27 | 2011-07-26 | Taylor Made Golf Company, Inc. | Golf club head and face insert |
| US8113965B2 (en) | 2009-06-16 | 2012-02-14 | Bridgestone Sports Co., Ltd. | Golf club head |
| JP2013042964A (ja) * | 2011-08-24 | 2013-03-04 | Dunlop Sports Co Ltd | ゴルフクラブヘッド |
| US8608592B2 (en) | 2007-05-16 | 2013-12-17 | Taylor Made Golf Company, Inc. | Coated golf club head/component |
| US8758162B2 (en) | 2010-04-30 | 2014-06-24 | Bridgestone Sports Co., Ltd. | Golf club head |
| JP2021106675A (ja) * | 2019-12-27 | 2021-07-29 | 美津濃株式会社 | ゴルフクラブヘッドおよびゴルフクラブ |
-
1996
- 1996-06-14 JP JP8175818A patent/JPH10250A/ja active Pending
Cited By (11)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US8608592B2 (en) | 2007-05-16 | 2013-12-17 | Taylor Made Golf Company, Inc. | Coated golf club head/component |
| US9440121B2 (en) | 2007-05-16 | 2016-09-13 | Taylor Made Golf Company, Inc. | Coated golf club head/component |
| US7985146B2 (en) * | 2007-06-27 | 2011-07-26 | Taylor Made Golf Company, Inc. | Golf club head and face insert |
| US8684864B2 (en) | 2007-06-27 | 2014-04-01 | Taylor Made Golf Company, Inc. | Golf club head and face insert |
| US9409066B2 (en) | 2007-06-27 | 2016-08-09 | Taylor Made Golf Company, Inc. | Golf club head and face insert |
| US7819756B2 (en) | 2008-04-01 | 2010-10-26 | Bridgestone Sports Co., Ltd. | Golf club head |
| US8113965B2 (en) | 2009-06-16 | 2012-02-14 | Bridgestone Sports Co., Ltd. | Golf club head |
| US8758162B2 (en) | 2010-04-30 | 2014-06-24 | Bridgestone Sports Co., Ltd. | Golf club head |
| JP2013042964A (ja) * | 2011-08-24 | 2013-03-04 | Dunlop Sports Co Ltd | ゴルフクラブヘッド |
| CN102949824A (zh) * | 2011-08-24 | 2013-03-06 | 邓禄普体育用品株式会社 | 高尔夫球具杆头 |
| JP2021106675A (ja) * | 2019-12-27 | 2021-07-29 | 美津濃株式会社 | ゴルフクラブヘッドおよびゴルフクラブ |
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