JP2500159B2 - ゴルフ用アイアンヘッド - Google Patents

ゴルフ用アイアンヘッド

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JP2500159B2
JP2500159B2 JP3205945A JP20594591A JP2500159B2 JP 2500159 B2 JP2500159 B2 JP 2500159B2 JP 3205945 A JP3205945 A JP 3205945A JP 20594591 A JP20594591 A JP 20594591A JP 2500159 B2 JP2500159 B2 JP 2500159B2
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coating
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golf
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iron head
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邦夫 柏田
孝徳 児玉
裕康 田口
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Showa Denko KK
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐食性、耐摩耗性に優
れ、表面に傷がついたり、腐食が発生したりして外観が
損なわれることの少ないゴルフ用アイアンヘッドに関す
る。
【0002】
【従来の技術】日本において、ゴルフは従来、一部の上
流の人の間で行なわれているスポーツであったが、近年
レジャーが一般の人々の間に浸透するにつれて、日本に
おいてもゴルフ人口は増加し、1000万人を越えると
いわれる程になっている。
【0003】このようにゴルフ人口の増加に伴って、ゴ
ルフ技術の高い人々ばかりでなく、未熟な人々もゴルフ
を楽しむようになっている。そのため、ゴルフ場で球を
打つ際に、土をたたいたりすることがありアイアンに傷
がつき、この傷から腐食や錆が発生するため、傷がつき
にくいアイアンヘッドが求められている。
【0004】従来ゴルフ用アイアンヘッドは、母材とし
て鉄、ステンレスが用いられる。これに第1層目として
ニッケル被膜、第2層目としてクロム被膜を電気メッキ
によって順次形成している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、電気メ
ッキでは均一な膜を形成することは不可能で、膜に多数
のピンホールが発生する。ところでゴルフ場では芝に肥
料や農薬が散布されており、これらが上記ピンホールを
介して母材を侵し、アイアンヘッドに錆や腐食が発生さ
れることが多い。
【0006】上記最上層に電気メッキされるクロム被膜
は、比較的硬い材料であるが、土や砂等にアイアンヘッ
ドが打込まれると面に傷がつき、外観を損なうばかりで
なく、傷から錆や腐食が発生し易くなる。
【0007】本発明者らは上記の問題を解決すべく、鋭
意研究した結果、無電解メッキによって形成されたNi
−P−W膜の表面に薄い酸化膜を形成した2層膜が、耐
食性、耐摩耗性が共に優れていることを発見した。本発
明は上記の発見に基づいてなされたもので、優れた性能
のゴルフ用アイアンヘッドを提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係るゴルフ用ア
イアンヘッドは、表面に向って、電解メッキによるNi
被膜、次いでいずれも無電解メッキによるNi−P被
膜、Ni−P−W被膜を順次積層した積層膜、或いはこ
の積層膜のNi−P−W被膜の上にさらに化学的に生成
密着させたクロメート被膜を施した積層膜を表面に有せ
しめることを問題解決の手段とした。
【0009】
【作用】本発明のゴルフ用アイアンヘッドは、上記の構
成となっているので、表面を被覆する被膜の被膜強度が
高く、耐摩耗性に優れ、またピンホールが極めて少ない
ので、芝布に散布される腐食性の強い肥料や農薬等に対
する耐食性が高い。
【0010】
【実施例】本発明に係るゴルフ用アイアンヘッドの母材
は、その要求される物性から、ステンレス、鉄が適して
いる。このステンレス、鉄の母材の表面には、一般に酸
化膜が形成されていることが多く通常のNi電気メッキ
において行なわれる周知の脱脂、洗浄等の前処理を施し
これにNi電気メッキを施す。
【0011】このNi電気メッキを施すことにより、次
に無電解メッキされるNi−P被膜が強固に密着形成さ
れる。上記Niメッキの厚さは1〜10μm、特に1〜
5μmが好ましい。Niメッキの厚さが1μm未満で
は、Niメッキが施されない部分を生じ10μmを超え
ると、厚さが不均一となってNiメッキ表面に凹凸を生
じる。
【0012】上記Ni−P被膜は、その上面を被覆する
Ni−P−W被膜の硬さによる応力を緩和回避するため
と、耐食性の一助としての機能を有する。このNi−P
被膜を形成するのに用いられる無電解メッキ液として
は、特に制限なく、例えば塩化ニッケル等のニッケル
塩、次亜リン酸塩、クエン酸ソーダ等の錯化剤、安定
剤、その他所望の成分を含有する公知の酸性塩、アルカ
リ性塩が使用でき、それぞれの無電解液による常法に従
ったメッキ条件でメッキすることによってNi−P被膜
が形成される。上記Ni−P被膜の厚さは、1μm、特
に5μm以上が好ましい。厚さが1μm未満では、Ni
−P−W被膜の硬さによって発生する応力を逃がす機能
が不足する。
【0013】また、上記Ni−P−W被膜を形成するの
に用いられる無電解メッキ液も特に制限なく、例えば硫
酸ニッケル等のニッケル塩、タングステン酸ソーダ等の
タングステン酸塩、次亜リン酸塩、クエン酸ソーダ等の
錯化剤、安定剤、その他所望の成分を含有する公知のメ
ッキ液が用いられ、それぞれのメッキ液の常法に従った
条件でメッキすることによりNi−P−W被膜が形成さ
れる。
【0014】このNi−P−W被膜の厚さは1〜20μ
m、特に1〜10μmが好ましい。厚さが1μm未満で
は、耐食性、耐摩耗性が劣り、20μmを超えると、被
膜に割れを発生することがある。上記Ni−P−W被膜
は硬く、耐摩耗性に優れ、またほとんどの薬品に対して
耐食性を有するが、空気中の酸素により表面酸化される
と、若干色調が変化することがある。そのため、さらに
その表面にクロメート被膜を形成して、耐候性を高める
のがよい。
【0015】上記クロメート被膜は、クロム酸液に浸漬
又は電解させ化学的に六価のクロムの化合物を生成密着
させたもので、その被膜はxCr2 3 、yCrO3
πH2 Oで表わされる。このクロメート被膜の厚さは5
0〜100Åの薄い膜でよく、これによってNi−P−
W被膜の酸化等による色調変化が格段に抑制される。
【0016】このように、上記積層膜が表面に形成され
たゴルフ用アイアンヘッドは、積層膜と金属母材との密
着を強固にするために、それぞれの母材金属に応じた前
処理が施される。例えば母材金属が通常最も広く使用さ
れている鉄、ステンレスである場合、これらの表面には
酸化膜が形成されていることが多い。そのため酸洗浄な
どによって酸化膜を除去する前処理をした後、ニッケル
電解メッキを施し、Ni被膜を強度に取付けるととも
に、その上に取付けられるNi−P被膜の取付強度を高
める。このように順次形成される各被膜の積層膜が母材
金属を強固に被覆するようにする。
【0017】次に実施例、比較例を示して本発明を具体
的に説明する。 実施例1 表面を鏡面研磨仕上げした鉄製のゴルフ用アイアンヘッ
ドに通常広く実施されている脱脂、洗浄等のメッキの前
処理を施して表面の酸化被膜を除去した後、電解メッキ
によって厚さ1μmのNi被膜を形成した。さらにその
上に、無電解メッキによって厚さ10μmのNi−P被
膜、厚さ10μmのNi−P−W被膜、厚さ70Åのク
ロメート被膜を順次積層してテストピースとした。
【0018】比較例1 実施例1と同じ前処理を施した鉄製ゴルフ用アイアンヘ
ッドに電気メッキによって厚さ20μmのニッケルクロ
ム被膜を形成してテストピースとした。
【0019】比較例2 実施例1と同じ前処理を施した鉄製ゴルフ用アイアンヘ
ッドに電解メッキにより厚さ1μmのNi被膜、無電解
メッキによって厚さ20μmのNi−P被膜を積層形成
させたものをテストピースとした。
【0020】実施例1、比較例1,2のテストピース
に、5wt%NaCl水溶液を35℃の温度に保持して、
塩水噴霧し、耐食性テスト行なった。結果を表1に示
す。
【0021】
【表1】
【0022】なお、試験条件はJIS−Z−2371に
準じ、フェース面を上向きにして噴霧させ、錆の発生状
況を観察した。錆の発生状況は、レーティングナンバー
によって表示するとともに、変色したものには*印を付
した。
【0023】表1から明らかなように、無電解メッキ法
によって積層形成されたNi−PおよびNi−P−W被
膜は、膜の均一性に優れ、ピンホールは極めて少なく、
これにクロメート被膜を形成したものは、100時間に
及ぶ塩水噴霧試験を行なっても何等変化がない。またN
i−P−W被膜の光沢は琥珀がかった渋い色調で高級品
感を有する。
【0024】また、従来広く行なわれている電解による
ニッケルクロム被膜には多数のピンホールが存在するた
め全面に錆が発生することがわかる。またその外観はギ
ラギラした光沢を有し、重厚感がない。また、Ni−P
被膜の錆の発生は、比較例1より少ないが、変色し易い
ことがわかる。
【0025】上記塩水噴霧試験においては通常48時間
が屋外暴露試験の1年に相当すると言われており100
時間以上にわたって腐食が発生しない本発明品は、実用
上なんら問題はなく、きわめて有用であることがわか
る。
【0026】実施例2 30×50×2mmの鉄板(SS−41)の脱脂、洗浄を
行った後、酸化被膜を除去する前処理を施し、実施例1
と同じにして、Ni、Ni−P、Ni−P−W、クロメ
ート、被膜を積層してテストピースとした。
【0027】比較例3 実施例2に用いた30×50×2mmの鉄板(SS−4
1)をそのままテストピースとした。
【0028】比較例4 比較例3の鉄板の酸化膜を除去した後、電解メッキによ
り表面に20μmの厚さにニッケルクロム被膜を形成し
たものをテストピースとした。
【0029】比較例5 比較例3の鉄板の表面に、カニゼンの複合メッキ処理
(Ni−P+SiC)してテストピースとした。
【0030】上記実施例2、比較例3,4,5のテスト
ピースを、大越式摩耗試験を用い、鋳鉄(FC25)製
の重さ0.5kgの摺動回転層を回転速度1.97m/sec
、回転時間35sec の条件で比摩耗量の測定を行なっ
た。結果を表2に示す。
【0031】
【表2】
【0032】但し、測定条件 ・無潤滑(ドライ) ・最終荷重・・・・2.11kg及び6.30kg ・摩耗距離・・・・69m 表2から明らかなように、本発明による最上層にNi−
P−Wメッキを施したものは、耐摩耗性にも優れている
ことが分かる。
【0033】実施例3、比較例6,7,8 実施例3としては実施例2、比較例6としては比較例
3、比較例7としては比較例4、比較例8としては比較
例5のテストピースをそれぞれ用い、それぞれ、マイク
ロビッカース硬度計を用い、表面被膜の硬度を測定し
た。結果を表3に示す。
【0034】
【表3】
【0035】但し、測定条件:負荷荷重をそれぞれ50
g、25g、10gとして5回づつ測定し、それらの平
均値を示した。 荷重保持時間:15sec
【0036】表3から明らかなように、本発明の被膜は
表面硬度が硬く、傷がつきにくい性質を有し、ゴルフ用
アイアンヘッドの表面処理として実用上極めて有効であ
る。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るゴル
フ用アイアンヘッドは、ステンレス或いは鉄の母材に、
電解メッキによってNi被膜を形成し、次いで、いずれ
も無電解メッキによって順次Ni−PおよびNi−P−
W被膜を形成した積層膜を形成する。或いはさらに上記
積層膜に無電解メッキによってクロメート被膜が形成さ
れている。
【0038】上記積層膜は、上記の構成となっているの
で、Ni−P被膜は、Ni被膜を介して取付けられるの
で母材に対して強固に固定されるとともに耐食性の一助
となり、Ni−P−W被膜は硬く、損傷を受けることが
防止され、しかも硬いことにより発生する応力は、Ni
−Pに吸収される。また、この積層膜の表面にさらにク
ロメート被膜を形成したものは、防錆機能を有し、Ni
−P−W被膜の色調変化を抑制し、かつNi−P−Wの
重厚な色が表われる。また、表面が硬く未熟者が使用し
て、土などをたたいても、損傷をうけにくく、またピー
ホールの発生が少なく、錆の発生が抑制される等の利点
がある。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属を母材とするゴルフ用アイアンヘッ
    ドにおいて、表面に向って、電解メッキによるニッケル
    被膜、次いでいずれも無電解メッキによるニッケル−リ
    ン被膜、ニッケル−リン−タングステン被膜を順次積層
    した層を有することを特徴とするゴルフ用アイアンヘッ
    ド。
  2. 【請求項2】 金属を母材とするゴルフ用アイアンヘッ
    ドにおいて、表面に向って電解メッキによるニッケル被
    膜、次いでいずれも無電解メッキによるニッケル−リン
    被膜、ニッケル−リン−タングステン被膜、クロメート
    被膜を順次積層した層を有することを特徴とするゴルフ
    用アイアンヘッド。
JP3205945A 1991-08-16 1991-08-16 ゴルフ用アイアンヘッド Expired - Lifetime JP2500159B2 (ja)

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JP2546611B2 (ja) * 1993-08-27 1996-10-23 晴文 山中 メッキ処理されたゴルフクラブ
JP6083166B2 (ja) * 2012-09-12 2017-02-22 株式会社金属表面工学舎 アイアン型ゴルフクラブ
JP6620513B2 (ja) * 2015-10-23 2019-12-18 日本製鉄株式会社 ステンレス鋼材の製造方法、及び、ステンレス鋼材の化成処理方法

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