JPH1085370A - ゴルフクラブヘッド - Google Patents
ゴルフクラブヘッドInfo
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- JPH1085370A JPH1085370A JP8249829A JP24982996A JPH1085370A JP H1085370 A JPH1085370 A JP H1085370A JP 8249829 A JP8249829 A JP 8249829A JP 24982996 A JP24982996 A JP 24982996A JP H1085370 A JPH1085370 A JP H1085370A
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- JP
- Japan
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- golf club
- club head
- coating
- metal
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ボールとの間の反発力が大きく、飛距離に優
れ、かつボールに余計な回転力を与えず、ボールの飛行
方向が安定するゴルフクラブヘッドを提供する。 【解決手段】 ゴルフクラブヘッドの、少なくとも金属
製クラブフェース面に、金属元素または半金属元素の炭
化物、窒化物、酸化物およびこれらの相互固溶体からな
る群より選ばれる、１種の単層もしくは２種以上の多重
層からなる被膜が被覆されたゴルフクラブヘッドであっ
て、該被膜は、該金属製クラブフェース面よりも硬質
で、かつ物理蒸着法および／またはプラズマ化学蒸着法
により被覆されたことを特徴とするゴルフクラブヘッ
ド。
れ、かつボールに余計な回転力を与えず、ボールの飛行
方向が安定するゴルフクラブヘッドを提供する。 【解決手段】 ゴルフクラブヘッドの、少なくとも金属
製クラブフェース面に、金属元素または半金属元素の炭
化物、窒化物、酸化物およびこれらの相互固溶体からな
る群より選ばれる、１種の単層もしくは２種以上の多重
層からなる被膜が被覆されたゴルフクラブヘッドであっ
て、該被膜は、該金属製クラブフェース面よりも硬質
で、かつ物理蒸着法および／またはプラズマ化学蒸着法
により被覆されたことを特徴とするゴルフクラブヘッ
ド。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、クラブフェース面
を改良したゴルフクラブヘッドに関し、具体的には、ゴ
ルフ競技におけるボールの飛距離を伸ばし、かつ飛行方
向を安定させることが容易な、飛距離に優れるゴルフク
ラブヘッドに関する。
を改良したゴルフクラブヘッドに関し、具体的には、ゴ
ルフ競技におけるボールの飛距離を伸ばし、かつ飛行方
向を安定させることが容易な、飛距離に優れるゴルフク
ラブヘッドに関する。
【０００２】
【従来の技術】一般にゴルフクラブは、グリップ部分、
シャフト部分およびクラブヘッド部分に大別される。こ
のゴルフクラブは、ボールの飛距離を伸ばし、飛行方向
を安定させるために、グリップ部分、シャフト部分、ク
ラブヘッド部分のぞれぞれについて、種々の改良が行わ
れてきている。これらのうち、ゴルフクラブヘッドは、
クラブフェース面および背面のほか；トー、ソール、ヒ
ールの各部分に分れており、特にクラブフェース面が、
ボールの飛距離と飛行方向の安定化に対して最も重要な
役割を担っている。このために、ゴルフクラブヘッドの
形状および材質については、各種の改良が加えられてき
ている。このうち、ゴルフクラブヘッドの材質について
提案されている代表的なものに、実開昭６１−２１５６
９号公報、特開昭５９−６９０８４号公報および特開昭
６０−１３０７３号公報がある。
シャフト部分およびクラブヘッド部分に大別される。こ
のゴルフクラブは、ボールの飛距離を伸ばし、飛行方向
を安定させるために、グリップ部分、シャフト部分、ク
ラブヘッド部分のぞれぞれについて、種々の改良が行わ
れてきている。これらのうち、ゴルフクラブヘッドは、
クラブフェース面および背面のほか；トー、ソール、ヒ
ールの各部分に分れており、特にクラブフェース面が、
ボールの飛距離と飛行方向の安定化に対して最も重要な
役割を担っている。このために、ゴルフクラブヘッドの
形状および材質については、各種の改良が加えられてき
ている。このうち、ゴルフクラブヘッドの材質について
提案されている代表的なものに、実開昭６１−２１５６
９号公報、特開昭５９−６９０８４号公報および特開昭
６０−１３０７３号公報がある。
【０００３】
【発明が解決しょうとする課題】ゴルフクラブヘッドの
改良に関する従来技術のうち、実開昭６１−２１５６９
号公報には、ウッドクラブヘッドの木部を硬質被膜で被
覆し、木部の保護とクラブヘッドの剛性の向上を図るこ
とが開示されている。しかしながら、同公報に開示され
たゴルフクラブヘッドは、クラブフェース面の改良では
ない。それゆえ、ボールとの間の反発力の向上、ひいて
は飛距離の増大は、あまり期待できない。
改良に関する従来技術のうち、実開昭６１−２１５６９
号公報には、ウッドクラブヘッドの木部を硬質被膜で被
覆し、木部の保護とクラブヘッドの剛性の向上を図るこ
とが開示されている。しかしながら、同公報に開示され
たゴルフクラブヘッドは、クラブフェース面の改良では
ない。それゆえ、ボールとの間の反発力の向上、ひいて
は飛距離の増大は、あまり期待できない。
【０００４】また、特開昭５９−６９０８４号公報に
は、アイアンクラブヘッドのクラブフェース面に、セラ
ミックスと金属とが混在した溶射層を設け、打球時のボ
ールとの間の摩擦係数の向上を図っている。同公報に開
示されたクラブフェース面は、摩擦係数を増大させる
が、その反面、反発力の低下を招くこと、また一部の競
技者にとっては、ボールに回転力を与えすぎるために、
飛行方向が安定しないという問題点がある。
は、アイアンクラブヘッドのクラブフェース面に、セラ
ミックスと金属とが混在した溶射層を設け、打球時のボ
ールとの間の摩擦係数の向上を図っている。同公報に開
示されたクラブフェース面は、摩擦係数を増大させる
が、その反面、反発力の低下を招くこと、また一部の競
技者にとっては、ボールに回転力を与えすぎるために、
飛行方向が安定しないという問題点がある。
【０００５】さらに、特開昭６０−１３０７３号公報に
は、ゴルフクラブヘッドの芝または土砂と接触する金属
部分の表面に、ＣＶＤ法によってＴｉＮやＴｉＣのよう
な窒化物または炭化物の被膜を施し、その後、高周波焼
入れすることが開示されている。同公報に開示されたゴ
ルフクラブヘッドは、芝または土砂との接触による摩擦
摩耗に対する配慮のために、ＣＶＤ法による被膜を施し
たものであるが、ボールの衝撃が直接にかかるクラブフ
ェース面では、被膜の剥離が容易に生じるという問題が
ある。
は、ゴルフクラブヘッドの芝または土砂と接触する金属
部分の表面に、ＣＶＤ法によってＴｉＮやＴｉＣのよう
な窒化物または炭化物の被膜を施し、その後、高周波焼
入れすることが開示されている。同公報に開示されたゴ
ルフクラブヘッドは、芝または土砂との接触による摩擦
摩耗に対する配慮のために、ＣＶＤ法による被膜を施し
たものであるが、ボールの衝撃が直接にかかるクラブフ
ェース面では、被膜の剥離が容易に生じるという問題が
ある。
【０００６】本発明は、上述のような問題点を解決した
もので、具体的には、ボールとクラブヘッドとの間の反
発力をより大きくし、かつボールに余計な回転力を与え
ずに飛行方向を安定させることが容易な、飛距離に優れ
るゴルフクラブヘッドを提供することを目的とする。
もので、具体的には、ボールとクラブヘッドとの間の反
発力をより大きくし、かつボールに余計な回転力を与え
ずに飛行方向を安定させることが容易な、飛距離に優れ
るゴルフクラブヘッドを提供することを目的とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ボールに
反発力を与え、かつ余計な回転力を与えないで飛行方向
を安定させるためのゴルフクラブヘッドの材質について
検討していたところ、ゴルフクラブヘッドの材質は、そ
れ自体を硬質で反発力を大きくし、かつ摩擦係数を適当
なものにすればよいが、硬質物質は一般に靭性に乏し
く、場合によっては競技中に破壊するおそれがあり、ま
た、材質によっては、重量が大きすぎるなどの問題も生
じるという知見を得た。そして、このような問題に対し
て、ボールに反発力を付与するクラブフェース面に、反
発力が大きく、しかも摩擦係数がそれほど大きくない硬
質層を、密着性を高めて被覆することにより、上記の問
題を解決できるという知見を得た。本発明は、このよう
な知見に基づいて完成するに至ったものである。
反発力を与え、かつ余計な回転力を与えないで飛行方向
を安定させるためのゴルフクラブヘッドの材質について
検討していたところ、ゴルフクラブヘッドの材質は、そ
れ自体を硬質で反発力を大きくし、かつ摩擦係数を適当
なものにすればよいが、硬質物質は一般に靭性に乏し
く、場合によっては競技中に破壊するおそれがあり、ま
た、材質によっては、重量が大きすぎるなどの問題も生
じるという知見を得た。そして、このような問題に対し
て、ボールに反発力を付与するクラブフェース面に、反
発力が大きく、しかも摩擦係数がそれほど大きくない硬
質層を、密着性を高めて被覆することにより、上記の問
題を解決できるという知見を得た。本発明は、このよう
な知見に基づいて完成するに至ったものである。
【０００８】すなわち、本発明のゴルフクラブヘッド
は、該ゴルフクラブヘッドの少なくとも金属製クラブフ
ェース面に、金属元素または半金属元素の炭化物、窒化
物、酸化物およびこれらの相互固溶体からなる群より選
ばれる、１種の単層もしくは２種以上の多重層からなる
被膜が被覆されたゴルフクラブヘッドであって、該被膜
は、該金属製クラブフェース面よりも硬質で、かつ物理
蒸着法および／またはプラズマ化学蒸着法により被覆さ
れたことを特徴とするものである。
は、該ゴルフクラブヘッドの少なくとも金属製クラブフ
ェース面に、金属元素または半金属元素の炭化物、窒化
物、酸化物およびこれらの相互固溶体からなる群より選
ばれる、１種の単層もしくは２種以上の多重層からなる
被膜が被覆されたゴルフクラブヘッドであって、該被膜
は、該金属製クラブフェース面よりも硬質で、かつ物理
蒸着法および／またはプラズマ化学蒸着法により被覆さ
れたことを特徴とするものである。
【０００９】
【発明の実施の形態】本発明のゴルフクラブヘッドにお
けるゴルフクラブヘッド自体の材質は、従来より用いら
れている材質であればよく、具体的には、たとえばステ
ンレス合金、チタン合金（代表例：Ｔｉ−Ａｌ−Ｖ合
金）、アルミニウム合金（代表例：ジュラルミン）、銅
合金（代表例：黄銅）、マグネシウム合金（代表例：マ
グノックス）などの金属製ゴルフクラブヘッド；または
カーボンファイバーが含まれたカーボン製ゴルフクラブ
ヘッドを挙げることができる。
けるゴルフクラブヘッド自体の材質は、従来より用いら
れている材質であればよく、具体的には、たとえばステ
ンレス合金、チタン合金（代表例：Ｔｉ−Ａｌ−Ｖ合
金）、アルミニウム合金（代表例：ジュラルミン）、銅
合金（代表例：黄銅）、マグネシウム合金（代表例：マ
グノックス）などの金属製ゴルフクラブヘッド；または
カーボンファイバーが含まれたカーボン製ゴルフクラブ
ヘッドを挙げることができる。
【００１０】本発明において、その表面に硬質被膜を形
成される基材として用いられるクラブフェースの材質
は、上述の金属製ゴルフクラブヘッドに代表される合金
をはじめ、その他の金属または合金であればよく、上記
カーボン製ゴルフクラブヘッドにおいては、クラブフェ
ース面に接合された金属または合金である。
成される基材として用いられるクラブフェースの材質
は、上述の金属製ゴルフクラブヘッドに代表される合金
をはじめ、その他の金属または合金であればよく、上記
カーボン製ゴルフクラブヘッドにおいては、クラブフェ
ース面に接合された金属または合金である。
【００１１】クラブフェースにおいて、ボールに反発力
を付与するクラブフェース面に被覆される硬質被膜とし
ては、たとえば周期律表の４ａ、５ａ、６ａ族元素、Ａ
ｌ、ＢまたはＳｉの炭化物、窒化物、酸化物およびこれ
らの相互固溶体を挙げることができる。該被膜として、
さらに具体的には、ＴｉＣ、ＴａＣ、ＷＣ、Ｂ4 Ｃ、Ｓ
ｉＣ、ＴｉＮ、ＴａＮ、ＣｒＮ、ｃＢＮ、ｈＢＮ、Ｓｉ
3 Ｎ4 、Ａｌ2 Ｏ3 、ＴｉＣＮ、（Ｔｉ，Ａｌ）Ｎ、
（Ｔｉ，Ａｌ）ＣＮおよび（Ｓｉ，Ａｌ）Ｎとして表わ
せる化学量論組成または非化学量論組成の物質を例示す
ることができる。これらの被膜のうち、ＴｉＣ、Ｔｉ
Ｎ、ＴｉＣＮ、（Ｔｉ，Ａｌ）Ｎおよび（Ｔｉ，Ａｌ）
ＣＮに代表される、Ｔｉを含む化合物からなる被膜は、
反発力が大きく、また摩擦係数がそれほど大きくない硬
質被膜であることと、軽量化およびコスト面を考慮し
て、特に好ましい。また、これらのＴｉを含む化合物の
被膜は、黄金色系〜紫色系の色調を呈するために、高級
感を高め、装飾性を向上できることからも好ましい。
を付与するクラブフェース面に被覆される硬質被膜とし
ては、たとえば周期律表の４ａ、５ａ、６ａ族元素、Ａ
ｌ、ＢまたはＳｉの炭化物、窒化物、酸化物およびこれ
らの相互固溶体を挙げることができる。該被膜として、
さらに具体的には、ＴｉＣ、ＴａＣ、ＷＣ、Ｂ4 Ｃ、Ｓ
ｉＣ、ＴｉＮ、ＴａＮ、ＣｒＮ、ｃＢＮ、ｈＢＮ、Ｓｉ
3 Ｎ4 、Ａｌ2 Ｏ3 、ＴｉＣＮ、（Ｔｉ，Ａｌ）Ｎ、
（Ｔｉ，Ａｌ）ＣＮおよび（Ｓｉ，Ａｌ）Ｎとして表わ
せる化学量論組成または非化学量論組成の物質を例示す
ることができる。これらの被膜のうち、ＴｉＣ、Ｔｉ
Ｎ、ＴｉＣＮ、（Ｔｉ，Ａｌ）Ｎおよび（Ｔｉ，Ａｌ）
ＣＮに代表される、Ｔｉを含む化合物からなる被膜は、
反発力が大きく、また摩擦係数がそれほど大きくない硬
質被膜であることと、軽量化およびコスト面を考慮し
て、特に好ましい。また、これらのＴｉを含む化合物の
被膜は、黄金色系〜紫色系の色調を呈するために、高級
感を高め、装飾性を向上できることからも好ましい。
【００１２】この被膜の膜厚は、基材の材質、被膜の材
質および構成により異なるが、ボールへの優れた反発力
を付与すること、ならびに耐摩耗性および耐剥離性か
ら、０．５〜５０μm であることが好ましい。この被膜
の厚さは、１μm 未満では本発明の最大の効果であるボ
ールへの反発力を有効に発揮させるのに不十分であり、
５０μm を越えると基材から剥離しやすくなり、しかも
被膜形成のための処理に時間がかかることから、１〜５
０μm であることがより好ましい。特に好ましい被膜厚
さは、１〜２０μm である。
質および構成により異なるが、ボールへの優れた反発力
を付与すること、ならびに耐摩耗性および耐剥離性か
ら、０．５〜５０μm であることが好ましい。この被膜
の厚さは、１μm 未満では本発明の最大の効果であるボ
ールへの反発力を有効に発揮させるのに不十分であり、
５０μm を越えると基材から剥離しやすくなり、しかも
被膜形成のための処理に時間がかかることから、１〜５
０μm であることがより好ましい。特に好ましい被膜厚
さは、１〜２０μm である。
【００１３】本発明のゴルフクラブヘッドは、ボールと
直接接触する表面が上述のような硬質被膜であればよい
が、さらにこの硬質被膜と基材との間に、接着性を高め
るために、必要に応じて、金属および／または合金の軟
質な被膜、たとえばＴｉ、Ａｌ、Ｃｕ、Ｎｉのような金
属；またはＴｉ−Ａｌ、Ｔｉ−Ｎｉ、Ｔｉ−Ｃｕ、Ｎｉ
−Ｃｕ、Ｃｎ−Ｓｎのような合金の、軟質な被膜の中の
１種の単層または２種以上の多層からなる中間層を介在
させることが好ましい。この中間層は、基材と硬質な被
膜との接着性および密着性を高めることが可能な膜厚さ
であればよく、具体的には、たとえば厚さ０．１〜５μ
m である。
直接接触する表面が上述のような硬質被膜であればよい
が、さらにこの硬質被膜と基材との間に、接着性を高め
るために、必要に応じて、金属および／または合金の軟
質な被膜、たとえばＴｉ、Ａｌ、Ｃｕ、Ｎｉのような金
属；またはＴｉ−Ａｌ、Ｔｉ−Ｎｉ、Ｔｉ−Ｃｕ、Ｎｉ
−Ｃｕ、Ｃｎ−Ｓｎのような合金の、軟質な被膜の中の
１種の単層または２種以上の多層からなる中間層を介在
させることが好ましい。この中間層は、基材と硬質な被
膜との接着性および密着性を高めることが可能な膜厚さ
であればよく、具体的には、たとえば厚さ０．１〜５μ
m である。
【００１４】ゴルフクラブヘッドには、ウッドクラブヘ
ッド、アイアンクラブヘッドおよびパタークラブヘッド
があり、本発明はそのいずれにも適用できるが、ボール
への反発力および摩擦係数を有効に発揮させるには、ウ
ッドクラブヘッドに適用することが好ましい。
ッド、アイアンクラブヘッドおよびパタークラブヘッド
があり、本発明はそのいずれにも適用できるが、ボール
への反発力および摩擦係数を有効に発揮させるには、ウ
ッドクラブヘッドに適用することが好ましい。
【００１５】本発明のゴルフクラブヘッドを作製するに
は、上述の基材からなる金属製クラブフェースの表面
に、物理蒸着法および／またはプラズマ化学蒸着法に代
表される低温蒸着法によって被膜を被覆すればよく、基
材への熱の影響をできるだけ少なくし、かつ被膜の被覆
エリアを広げて被覆効率性を高めるのが容易であるこ
と、および装置自体の経済性から、物理蒸着法が望まし
い。該物理蒸着法としては、スパッター法、イオンプレ
ーティング法などを用いることができるが、基材への被
膜の密接性および処理の容易さから、イオンプレーティ
ング法が最適である。
は、上述の基材からなる金属製クラブフェースの表面
に、物理蒸着法および／またはプラズマ化学蒸着法に代
表される低温蒸着法によって被膜を被覆すればよく、基
材への熱の影響をできるだけ少なくし、かつ被膜の被覆
エリアを広げて被覆効率性を高めるのが容易であるこ
と、および装置自体の経済性から、物理蒸着法が望まし
い。該物理蒸着法としては、スパッター法、イオンプレ
ーティング法などを用いることができるが、基材への被
膜の密接性および処理の容易さから、イオンプレーティ
ング法が最適である。
【００１６】
【作用】本発明のゴルフクラブヘッドは、物理蒸着法お
よび／またはプラズマ化学蒸着法による被膜を用いるこ
とにより、基材とその表面に被覆された被膜との間の熱
応力による歪を最大限に緩和する作用をし、さらに被膜
がボールとの反発力を高めるとともに、ボールとの摩擦
を抑制し、その結果、ボールの飛距離および方向安定性
を著しく改善することができる。
よび／またはプラズマ化学蒸着法による被膜を用いるこ
とにより、基材とその表面に被覆された被膜との間の熱
応力による歪を最大限に緩和する作用をし、さらに被膜
がボールとの反発力を高めるとともに、ボールとの摩擦
を抑制し、その結果、ボールの飛距離および方向安定性
を著しく改善することができる。
【００１７】
実施例１、比較例１、２ Ｔｉ−６Ａｌ−４Ｖ合金からなるウッドクラブヘッドを
基材として、ＨＣＤ型イオンプレーティング装置を用
い、蒸発源をチタン、反応ガスを窒素として、チタン窒
化物（ＴｉＮ）を被覆することにより、実施例１のクラ
ブフェースを得た。この被覆工程中は、基材であるヘッ
ドを回転させ、ヘッドの全体にわたってＴｉＮが被覆さ
れるようにした。被覆後、クラブフェースの断面観察に
より、被覆層が７μm の厚さであることを確認した。こ
のクラブフェースにシャフトを取り付け、ゴルフ試打用
試験機によりボールの試打を行った。その結果、ヘッド
スピード３８m/s の条件で飛距離を測定したところ、上
記のように被覆を施した実施例１のゴルフクラブヘッド
は、５打の平均で２２５ヤードを示した。これに対し
て、上記の基材（Ｔｉ−６Ａｌ−４Ｖ合金）からなり、
被覆を行わない比較例１のゴルフクラブヘッドの飛距離
は、５打の平均で１９１ヤードであった。また、実施例
１のクラブフェースにおけるチタン窒化物（ＴｉＮ）の
被膜を、化学蒸着法（処理条件１，０００℃、ＴｉＣｌ
4 −Ｈ2 −Ｎ2)によって被覆処理した以外は、ほぼ同様
にして作製した比較例２のゴルフクラブヘッドは、５打
の試打後に、クラブフェース面に被膜の微小な剥離が生
じていた。なお、実施例１のクラブフェースは、比較例
１および２のクラブフェースに対比して、繰り返しの試
打において、左右への方向のばらつきが少なかった。
基材として、ＨＣＤ型イオンプレーティング装置を用
い、蒸発源をチタン、反応ガスを窒素として、チタン窒
化物（ＴｉＮ）を被覆することにより、実施例１のクラ
ブフェースを得た。この被覆工程中は、基材であるヘッ
ドを回転させ、ヘッドの全体にわたってＴｉＮが被覆さ
れるようにした。被覆後、クラブフェースの断面観察に
より、被覆層が７μm の厚さであることを確認した。こ
のクラブフェースにシャフトを取り付け、ゴルフ試打用
試験機によりボールの試打を行った。その結果、ヘッド
スピード３８m/s の条件で飛距離を測定したところ、上
記のように被覆を施した実施例１のゴルフクラブヘッド
は、５打の平均で２２５ヤードを示した。これに対し
て、上記の基材（Ｔｉ−６Ａｌ−４Ｖ合金）からなり、
被覆を行わない比較例１のゴルフクラブヘッドの飛距離
は、５打の平均で１９１ヤードであった。また、実施例
１のクラブフェースにおけるチタン窒化物（ＴｉＮ）の
被膜を、化学蒸着法（処理条件１，０００℃、ＴｉＣｌ
4 −Ｈ2 −Ｎ2)によって被覆処理した以外は、ほぼ同様
にして作製した比較例２のゴルフクラブヘッドは、５打
の試打後に、クラブフェース面に被膜の微小な剥離が生
じていた。なお、実施例１のクラブフェースは、比較例
１および２のクラブフェースに対比して、繰り返しの試
打において、左右への方向のばらつきが少なかった。
【００１８】実施例２、比較例３ ステンレス合金からなるウッドクラブヘッドを基材とし
て、実施例１と同様の条件で、蒸発源をチタン、反応ガ
スとして窒素とアセチレンを用いて、下地層としてＴｉ
Ｎ：１μm 、中間層としてＴｉＣＮ：１０μm 、最外層
としてＴｉＮ：２μm の膜厚に順次被覆して、実施例２
のクラブフェースを得た。このゴルフクラブヘッドにシ
ャフトを取り付けた後、実施例１と同様に、ただしヘッ
ドスピードを４３m/s として試打したところ、上記のよ
うに被覆を施した実施例２のゴルフクラブヘッドの飛距
離は、平均２５３ヤードを示した。これに対し、上記の
基材（ステンレス合金）からなり、被覆を行わない比較
例３のゴルフクラブヘッドの飛距離は、平均２３１ヤー
ドであった。なお、実施例２のゴルフクラブヘッドは、
比較例３のゴルフクラブヘッドに対比して、繰り返しの
試打において、左右への方向のばらつきが少なかった。
て、実施例１と同様の条件で、蒸発源をチタン、反応ガ
スとして窒素とアセチレンを用いて、下地層としてＴｉ
Ｎ：１μm 、中間層としてＴｉＣＮ：１０μm 、最外層
としてＴｉＮ：２μm の膜厚に順次被覆して、実施例２
のクラブフェースを得た。このゴルフクラブヘッドにシ
ャフトを取り付けた後、実施例１と同様に、ただしヘッ
ドスピードを４３m/s として試打したところ、上記のよ
うに被覆を施した実施例２のゴルフクラブヘッドの飛距
離は、平均２５３ヤードを示した。これに対し、上記の
基材（ステンレス合金）からなり、被覆を行わない比較
例３のゴルフクラブヘッドの飛距離は、平均２３１ヤー
ドであった。なお、実施例２のゴルフクラブヘッドは、
比較例３のゴルフクラブヘッドに対比して、繰り返しの
試打において、左右への方向のばらつきが少なかった。
【００１９】実施例３ 実施例１で用いたゴルフクラブヘッドを基材として、タ
ーゲットをＴｉ−５０原子％Ａｌ合金、反応ガスを窒素
としたアークイオンプレーティング法により、（Ｔｉ，
Ａｌ）Ｎ化合物を５μm の厚さに被覆した。このように
して被覆した実施例３のゴルフクラブヘッドにシャフト
を取り付けた後、実施例１と同様にして試打したとこ
ろ、飛距離は５打の平均で２３９ヤードであり、上述の
比較例１および２のゴルフクラブヘッドに比較して、球
筋が高く上がり、繰り返しの試打において、左右への方
向のばらつきが少なかった。
ーゲットをＴｉ−５０原子％Ａｌ合金、反応ガスを窒素
としたアークイオンプレーティング法により、（Ｔｉ，
Ａｌ）Ｎ化合物を５μm の厚さに被覆した。このように
して被覆した実施例３のゴルフクラブヘッドにシャフト
を取り付けた後、実施例１と同様にして試打したとこ
ろ、飛距離は５打の平均で２３９ヤードであり、上述の
比較例１および２のゴルフクラブヘッドに比較して、球
筋が高く上がり、繰り返しの試打において、左右への方
向のばらつきが少なかった。
【００２０】
【発明の効果】本発明のゴルフクラブヘッドは、基材と
その表面の被膜との歪が少なく、密着性に優れていると
いう効果がある。そして硬質な被膜によりボールの反発
力が高まり、かつボールに対する摩擦を抑制し、その結
果ボールの飛距離が伸び、飛行方向も安定するという効
果が発揮される。また、高い耐摩耗性および耐損傷性が
得られ、さらに基材とは異なった色調および色彩を有す
る被膜により、装飾性および高級感を高める効果があ
る。
その表面の被膜との歪が少なく、密着性に優れていると
いう効果がある。そして硬質な被膜によりボールの反発
力が高まり、かつボールに対する摩擦を抑制し、その結
果ボールの飛距離が伸び、飛行方向も安定するという効
果が発揮される。また、高い耐摩耗性および耐損傷性が
得られ、さらに基材とは異なった色調および色彩を有す
る被膜により、装飾性および高級感を高める効果があ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 敏行 神奈川県川崎市幸区堀川町580番地ソリッ ドスクエア 東芝タンガロイ株式会社内 (72)発明者 尹 泰昊 東京都目黒区大橋２丁目６番13号 有限会 社泰成内
Claims (5)
- 【請求項１】 ゴルフクラブヘッドの、少なくとも金属
製クラブフェース面に、金属元素または半金属元素の炭
化物、窒化物、酸化物およびこれらの相互固溶体からな
る群より選ばれる、１種の単層もしくは２種以上の多重
層からなる被膜が被覆されたゴルフクラブヘッドであっ
て、該被膜は、該金属製クラブフェース面よりも硬質
で、かつ物理蒸着法および／またはプラズマ化学蒸着法
により被覆されたことを特徴とするゴルフクラブヘッ
ド。 - 【請求項２】 上記ゴルフクラブヘッドが、ウッドクラ
ブヘッドである、請求項１記載のゴルフクラブヘッド。 - 【請求項３】 上記被膜が、Ｔｉを含む化合物からな
る、請求項１または２記載のゴルフクラブヘッド。 - 【請求項４】 上記被膜が、膜厚が１〜２０μm であ
る、請求項１〜３のいずれか１項に記載のゴルフクラブ
ヘッド。 - 【請求項５】 上記被膜が、イオンプレーティング法に
より被覆された、請求項１〜４のいずれか１項に記載の
ゴルフクラブヘッド。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8249829A JPH1085370A (ja) | 1996-09-20 | 1996-09-20 | ゴルフクラブヘッド |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8249829A JPH1085370A (ja) | 1996-09-20 | 1996-09-20 | ゴルフクラブヘッド |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1085370A true JPH1085370A (ja) | 1998-04-07 |
Family
ID=17198815
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8249829A Pending JPH1085370A (ja) | 1996-09-20 | 1996-09-20 | ゴルフクラブヘッド |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH1085370A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2013042964A (ja) * | 2011-08-24 | 2013-03-04 | Dunlop Sports Co Ltd | ゴルフクラブヘッド |
| JP2014132994A (ja) * | 2013-01-10 | 2014-07-24 | ji-hong Su | ゴルフクラブヘッドの表面処理方法 |
| US9127343B2 (en) | 2012-11-16 | 2015-09-08 | Chi-Hung Su | Surface treating method for a golf club head |
-
1996
- 1996-09-20 JP JP8249829A patent/JPH1085370A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2013042964A (ja) * | 2011-08-24 | 2013-03-04 | Dunlop Sports Co Ltd | ゴルフクラブヘッド |
| US9127343B2 (en) | 2012-11-16 | 2015-09-08 | Chi-Hung Su | Surface treating method for a golf club head |
| JP2014132994A (ja) * | 2013-01-10 | 2014-07-24 | ji-hong Su | ゴルフクラブヘッドの表面処理方法 |
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| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A02 | Decision of refusal |
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