JPH10250318A - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ

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JPH10250318A
JPH10250318A JP9059293A JP5929397A JPH10250318A JP H10250318 A JPH10250318 A JP H10250318A JP 9059293 A JP9059293 A JP 9059293A JP 5929397 A JP5929397 A JP 5929397A JP H10250318 A JPH10250318 A JP H10250318A
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C11/00Tyre tread bands; Tread patterns; Anti-skid inserts
    • B60C11/03Tread patterns
    • B60C11/12Tread patterns characterised by the use of narrow slits or incisions, e.g. sipes
    • B60C11/1272Width of the sipe
    • B60C11/1281Width of the sipe different within the same sipe, i.e. enlarged width portion at sipe bottom or along its length

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Tires In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 空気入りタイヤの氷上ブレーキ性能を向上さ
せる。 【解決手段】 ブロック18に、タイヤ周方向に沿って
直線状に延びる本体部20Aと、この本体部20Aに連
結されタイヤ周方向に対して傾斜する直線状の枝部20
B,20Cとを有する分岐サイプ20を形成する。な
お、分岐サイプ20は、ブロック18の蹴りだし側で分
岐させる。氷面とブロック18との間の水は分岐サイプ
20に取り込まれ、取り込まれた水は分岐サイプ20内
を流れて横溝16へと排出されるためより多くの水を除
去することが可能となり、ブロック18と路面22との
接触面積が確保され、氷上性能が確保される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トレッドにサイプ
の形成されたブロックを有する空気入りタイヤに関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般的なスノータイヤには、タイヤ周方
向に連続したジグザグ又はストレートな主溝とラグ溝と
を組み合わせた構成に、複数本のサイプを実質平行に配
したブロックパターンが一般的である。
【0003】このサイプは、実質タイヤ周方向に対して
60〜90度の角度を持っており、途中で枝分かれする
ことなく延びている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年の暖冬化による凍
結路面の摩擦係数(μ)の低下により、従来以上にスタ
ッドレスタイヤの氷上ブレーキ性能向上が望まれてい
る。
【0005】特に、最も凍結路面の摩擦係数が低下する
0°C付近の氷上では、接地面にわき出る水膜を除去す
ることが重要であることが分かっている。このために、
タイヤ周方向に延びるサイプを配置して排水することが
有効であると考えられるが、現実には周方向に延びるサ
イプは負荷時(接地時)にサイプが閉じてしまい、接地
面にわき出る水膜の除去効果は減少してしまう。
【0006】本発明は上記事実を考慮し、従来以上に氷
上ブレーキ性能を向上することのできる空気入りタイヤ
を提供することが目的である。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、トレッド踏面部に設けられ実質的にタイヤ周方向に
沿って延びる複数の周溝と実質的にタイヤ幅方向に沿っ
て延びる横溝とによって区画された複数のブロックと、
前記ブロックに設けられ実質的にタイヤ周方向に沿って
延び両端が前記横溝に開口するサイプと、を有し、前記
サイプは前記ブロックの蹴りだし側において複数に分岐
していることを特徴としている。
【0008】次に、請求項1に記載の空気入りタイヤの
作用を説明する。氷上で空気入りタイヤが転動走行し氷
面がブロックで押圧されると、氷面とブロックとの間に
水がわき出る。
【0009】氷面とブロックとの間にわき出た水は、ブ
ロックに形成されたサイプに取り込まれ、サイプ内を流
れて横溝に排出される。
【0010】ここで、サイプが実質的にタイヤ周方向に
延びて配置されているため、タイヤ転動時において流路
を形成し、タイヤ踏面と氷面間にわき出た水をより多く
除去することが可能である。
【0011】このように、タイヤ踏面部にわき出た水
は、常にブロック外へと排出されるため、より多くの水
を除去することが可能となる。
【0012】また、ブロック内には、分岐した枝サイプ
で分割されたサブブロックが蹴りだし側に形成される。
この枝サイプで分割されたサブブロックは、他の部分よ
りも剛性を小さくできるので、ブレーキングによる減速
時にブロック本体から離れる方向に動く。サブブロック
がこのように動くと、枝サイプは開くことになり、水の
排出効率が高まり、氷上ブレーキー性能が向上する。
【0013】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の空気入りタイヤにおいて、前記サイプは前記ブロック
の踏み込み側においても複数に分岐していることを特徴
としている。
【0014】請求項2に記載の空気入りタイヤでは、サ
イプがブロックの蹴りだし側及び踏み込み側の両側で分
岐しているので、タイヤのローテーション等でタイヤの
取り付け方向が逆になっても、常に蹴りだし側に分岐し
たサイプを配置することができ、回転方向性の無いタイ
ヤとすることができる。
【0015】請求項3に記載の発明は、請求項1または
請求項2に記載の空気入りタイヤにおいて、前記サイプ
は2つに分岐しており、前記ブロックには分岐した2つ
の枝サイプで分割されたサブブロックが形成されている
ことを特徴としている。
【0016】サイプを多数に分岐させると、ブロック剛
性が大幅に低下することにつながり、路面からの入力に
よりブロックが倒れ込み易くなる。ブロックが倒れ込む
と、ブロックの接地面が部分的に浮き上がり、接地面積
の減少を招くことになり、氷雪上性能の低下を招く。し
たがって、サイプは2つに分岐させればサブブロックの
数は1個となり、ブロック剛性の低下を防ぐことがで
き、ブロック剛性の低下による氷上性能の低下を防止す
ることができる。
【0017】請求項4に記載の発明は、請求項3に記載
の空気入りタイヤにおいて、前記サブブロックが略三角
形を呈し、前記2つに分岐した枝サイプのなす角度θが
30〜60度であることを特徴としている。
【0018】2つに分岐した枝サイプのなす角度θが3
0未満になると、略三角形状のサブブロックが細長くな
ってサブブロックの剛性が低下し過ぎる。一方、角度θ
が60度を越えると、分岐部分で水がスムーズに流れな
くなり排水効率が低下する。これらの理由により分岐角
度θを30〜60度とする。
【0019】請求項5に記載の発明は、トレッド踏面部
に設けられ実質的にタイヤ周方向に沿って延びる複数の
周溝と実質的にタイヤ幅方向に沿って延びる横溝とによ
って区画された複数のブロックを有し、前記ブロックに
は、実質的にタイヤ周方向に沿って延びるサイプが形成
され、踏み込み側では前記サイプは少なくとも踏み込み
側の横溝に開口し、蹴りだし側では前記サイプは複数に
分岐すると共に前記複数に分岐した枝サイプの一部が蹴
りだし側の前記横溝に開口し、残部が前記周溝に開口し
ていることを特徴としている。
【0020】次に、請求項5に記載の空気入りタイヤの
作用を説明する。氷上で空気入りタイヤが転動走行し氷
面がブロックで押圧されると、氷面とブロックとの間に
水がわき出る。
【0021】氷面とブロックとの間にわき出た水は、ブ
ロックに形成されたサイプに取り込まれる。サイプに取
り込まれた水は、サイプ内を踏み込み側から蹴りだし側
へと流れ、蹴りだし側の横溝と周溝とに分かれて排出さ
れる。このように、タイヤ踏面部にわき出た水は、常に
ブロック外へと排出されるため、より多くの水を除去す
ることが可能となる。
【0022】また、ブロック内には、分岐した枝サイプ
で分割されたサブブロックが蹴りだし側に形成される。
この枝サイプで分割されたサブブロックは、他の部分よ
りも剛性を小さくできるので、ブレーキングによる減速
時にブロック本体から離れる方向に動く。サブブロック
がこのように動くと、枝サイプは開くことになり、水の
排出効率が高まり、氷上ブレーキー性能が向上する。
【0023】請求項6に記載の発明は、請求項1乃至請
求項5の何れか1項に記載の空気入りタイヤにおいて、
前記サイプの全体の周方向投影長さに対する前記枝サイ
プのタイヤ周方向投影長さの割合は、0.2〜0.5で
あることを特徴としている。
【0024】サイプの全体の周方向投影長さに対する枝
サイプのタイヤ周方向投影長さの割合を0.2〜0.5
としたので、サブブロックに最適な剛性を持たせること
が可能となる。
【0025】上記割合が0.2未満になると、サブブロ
ックの剛性が低下し過ぎて負荷時に倒れやすくなり、接
地面積が減少する。
【0026】一方、上記割合が0.5を越えると、サブ
ブロックの剛性が高くなり過ぎ、蹴りだし時にサブブロ
ックが動き難くなり、溝幅が拡大しなくなって排水効率
を向上することができなくなる。
【0027】請求項7に記載の発明は、請求項1乃至請
求項6の何れか1項に記載の空気入りタイヤにおいて、
前記サイプの分岐部分(枝サイプ)の溝幅が0.1〜
1.2mmであることを特徴としている。
【0028】分岐部分の溝幅を0.1〜1.2mmとした
ので、接地時に排水可能な溝幅を確保することができ
る。
【0029】分岐部分の溝幅が0.1mm未満になると排
水効率が大幅に低下し、1.2mmを越えるとブロックの
実接地面積が低下し、氷雪上性能が低下する。
【0030】請求項8に記載の発明は、請求項1乃至請
求項7の何れか1項に記載の空気入りタイヤにおいて、
前記サイプの本体部分の溝幅が0.3〜1.5mmである
ことを特徴としている。
【0031】本体部分の溝幅を0.3〜1.5mmとした
ので、接地時に排水可能な溝幅を確保することができ
る。
【0032】本体部分の溝幅が0.3mm未満になると充
分な排水が不可能となり、1.5mmを越えるとブロック
の実接地面積が低下し、氷雪上性能が低下する。
【0033】
【発明の実施の形態】
[第1の実施形態]以下に本発明の空気入りタイヤの第
1の実施形態を図1乃至図3にしたがって説明する。
【0034】図1に示すように、本実施形態の空気入り
タイヤ10のトレッド12には、タイヤ周方向(矢印A
方向及び矢印B方向)に沿って延びる周方向主溝14と
タイヤ幅方向(矢印W方向)に沿って延びる複数の横溝
16によって区画されたブロック18が複数設けられて
いる。
【0035】図1,2に示すように、ブロック18に
は、分岐サイプ20(サイプ)がタイヤ幅方向中央部に
1本形成されている。
【0036】分岐サイプ20は、タイヤ周方向に沿って
直線状の本体部20A(サイプの本体部分)と、この本
体部20Aに連結されタイヤ周方向に対して傾斜する直
線状の枝部20B,20C(サイプの分岐部分)とを有
し、枝部20Bと枝部20Cとによってブロック18内
に三角形状のサブブロック24を形成している。
【0037】分岐サイプ20は、ブロック18の蹴りだ
し側(図3に示すように、空気入りタイヤ10が路面2
2を転動走行する際のタイヤ回転方向側。矢印A方向
側)で分岐しており、分岐した枝部20B及び枝部20
Cは各々は横溝16に開口しており、本体部20Aは踏
み込み側(空気入りタイヤ10が路面22を転動走行す
る際のタイヤ回転方向と反対方向側。矢印B方向側)の
横溝16に開口している。
【0038】ここで、図2に示すように、枝部20Bと
枝部20Cとのなす角度θは30〜60度の範囲内に設
定されている。
【0039】分岐サイプ20のタイヤ周方向投影長さL
2 に対する枝部20及び枝部20Cのタイヤ周方向投影
長さL1 の割合は、0.2〜0.5の範囲内に設定され
ている。
【0040】枝部20B,20Cの溝幅t2 は接地時に
零とならない寸法とされ、0.1〜1.2mmの範囲内に
設定されている。
【0041】本体部20Aの溝幅t1 は、枝部20B,
20Cの溝幅t2 よりも大きく、0.3〜1.5mmの範
囲内に設定されている。
【0042】次に、本実施形態の空気入りタイヤの作用
を説明する。本実施形態の空気入りタイヤ10において
は、ブロック18の幅方向中心付近に配置された本体部
20Aの溝幅t1 が予め広く設定されているので、負荷
時(接地時)に溝幅t1 が零になること(サイプが閉じ
ること)はない。
【0043】空気入りタイヤ10が転動回転し、ブロッ
ク18が凍結した路面22(氷面)に接地すると、圧力
により氷面から水がわきでる。
【0044】氷面とブロック18との間にわき出た水
は、ブロック18に形成された分岐サイプ20に取り込
まれ、取り込まれた水は分岐サイプ20内を流れて横溝
16へと排出される。
【0045】このように、タイヤ踏面部にわき出た水
は、常にブロック18外へと排出されるため、より多く
の水を除去することが可能となり、ブロック18と路面
22との接触面積が確保され、氷上性能が確保される。
【0046】また、サブブロック24は、そのサブブロ
ック24よりも踏み込み側にあるブロック18の本体部
分(サブブロック24以外の部分)に比較してブロック
剛性が相対的に低く動きやすい。また、ブレーキングに
よる減速時には、路面22と接したブロック18の接地
面には、路面22からの摩擦力が矢印A方向に作用す
る。
【0047】したがって、ブレーキング時には、蹴りだ
し側のサブブロック24がブロック18の本体部分から
離れる方向に動き、この結果、枝部20B,20Cが開
いて水の排出効率が高まり、氷上ブレーキー性能が向上
する。
【0048】なお、枝部20B,20Cは、上記のよう
にブレーキング時に開くため、本体部20Aよりも幅狭
に設定してブロック18の剛性を確保しておくことがで
き、ブロック18の倒れ込みによる接地表面積の低下を
抑制することができる。 [第2の実施形態]本発明の空気入りタイヤの第2の実
施形態を図4にしたがって説明する。
【0049】図4に示すように、本実施形態のブロック
18には、分岐サイプ20が2本形成されている。作用
は第1の実施形態と同様であるが、分岐サイプ20を2
本設けたため第1の実施形態よりも排水性を向上でき、
より多くの水を除去することが可能となる。なお、分岐
サイプ20は3本以上形成しても良い。 [第3の実施形態]本発明の空気入りタイヤの第3の実
施形態を図5にしたがって説明する。
【0050】図5に示すように、本実施形態のブロック
18に形成されている分岐サイプ20には、本体部20
Aの両側に枝部20B,20Cが形成されている。
【0051】作用は第1の実施形態と同様であるが、本
実施形態では、タイヤのローテーション等でタイヤの取
り付け方向が逆になっても、常に蹴りだし側に枝部20
B,20Cを配置することができ、回転方向性の無いタ
イヤとすることができる。
【0052】また、トラクション時には、路面22と接
したブロック18の接地面には、路面22との摩擦力が
矢印B方向に作用する。
【0053】このとき、踏み込み側(矢印B方向側)の
サブブロック24は、ブロック18の本体部分から離れ
る方向に動き、この結果、枝部20B,20Cが開いて
水の排出効率を高めることができ、これによりトラクシ
ョン性能の向上を図ることが可能である。 [第4の実施形態]本発明の空気入りタイヤの第4の実
施形態を図6にしたがって説明する。
【0054】本実施形態では、分岐サイプ20の枝部2
0B,20Cを湾曲させた例である。なお、作用、効果
は前記第3の実施形態と同様である。 [第5の実施形態]本発明の空気入りタイヤの第5の実
施形態を図7にしたがって説明する。
【0055】図7に示すように、本実施形態のブロック
18には、分岐サイプ30,32が形成されている。
【0056】分岐サイプ30と分岐サイプ32とは、ブ
ロック18の幅方向中心線Sを対称軸として左右対称形
状であるため、代表して分岐サイプ30の説明をする。
【0057】分岐サイプ30は、タイヤ周方向に沿って
延びる本体部30Aを有し、本体部30Aの両端部に
は、本体部30Aの延長線上に延びて横溝16に開口す
る枝部30Bと、先端が周方向主溝14(図7では図示
せず)に開口する枝部30Cとが連結している。なお、
枝部30Cは、枝部30Bに対して角度θで傾斜してい
る。
【0058】なお、分岐サイプ30で区画されたタイヤ
周方向両側のサブブロック34のタイヤ周方向長さは、
サブブロック34の間に配置されたサブブロック35の
タイヤ周方向長さよりも短く設定されている。したがっ
て、サブブロック34は、サブブロック35よりも剛性
が低い。
【0059】次に、本実施形態の空気入りタイヤの作用
を説明する。本実施形態の空気入りタイヤ10のブロッ
ク18においても、ブロック18の中心付近に配置され
た本体部30Aの溝幅が予め広く設定されているので、
負荷時(接地時)に本体部30Aが閉じることがない。
【0060】分岐サイプ30,32に取り込まれた水
は、サイプ内を流れ、一部は枝部30Bを介して横溝1
6へと排出され、他の一部は枝部30Cを介して周方向
主溝14へと排出される。
【0061】したがって、本実施形態においてもタイヤ
踏面部にわき出た水は、常にブロック18外へと排出さ
れるため、より多くの水を除去することが可能となり、
ブロック18と路面22との接触面積が確保され、氷上
性能が確保される。
【0062】また、踏み込み側のサブブロック34及び
踏み込み側のサブブロック34は、中央のサブブロック
35に比較してブロック剛性が相対的に低いため、ブレ
ーキング時には、蹴りだし側のサブブロック34がサブ
ブロック35から離れる方向に動き、この結果、枝部3
0Cが開いて水の排出効率が高まり、氷上ブレーキー性
能が向上する。
【0063】一方、トラクション時には、踏み込み側の
サブブロック34がサブブロック35から離れる方向に
動き、この結果、枝部30Cが開いて水の排出効率が高
まり、トラクション性能が向上する。
【0064】なお、本実施形態においても第3の実施形
態と同様に本体部30Aの両側が分岐しているので、回
転方向性の無いタイヤとすることができる。 [試験例]本発明の効果を確かめるために、本発明の適
用された実施例タイヤ4種、従来例タイヤ1種(何れも
タイヤサイズは205/65R15)を用意し、以下の
方法により氷上ブレーキ性能及び氷上トラクション性能
の比較を行った。 (試験方法) 氷上ブレーキ性能:テストタイヤを実車に装着し、氷盤
上を20km/hの速度で走行中に急ブレーキをかけ(ロッ
ク状態)、制動距離を測定した。
【0065】氷上トラクション性能:テストタイヤを実
車に装着し、氷盤上での20mの距離における発進から
の加速時間測定した。
【0066】なお、テストに用いた従来タイヤ、比較例
タイヤ及び実施例タイヤの構造を以下に説明する。
【0067】実施例タイヤ1:第2の実施形態で説明し
たタイヤ(図4参照)である。 実施例タイヤ2:第3の実施形態で説明したタイヤ(図
5参照)である。
【0068】実施例タイヤ3:第5の実施形態で説明し
たタイヤ(図7参照)である。 実施例タイヤ4:第4の実施形態で説明したタイヤ(図
6参照)である。
【0069】従来例タイヤ:図8に示すように、ブロッ
ク100にタイヤ幅方向(矢印W方向)に沿って2本の
ストレートサイプ102を形成したタイヤである。
【0070】なお、ブロックの数及び大きさは(タイヤ
周方向寸法31.4mm、タイヤ幅方向寸法27.4mm、
高さ9.7mm)各タイヤ共に同じである。
【0071】また、サイプの諸元及び評価は、以下の表
1に示す通りである。評価は従来例タイヤを100とす
る指数表示で示しており、数値が大きいほど性能が良い
ことを示す。
【0072】
【表1】
【0073】試験の結果、本発明の適用された実施例タ
イヤ1〜4は、従来例タイヤに比較して氷上ブレーキ性
能が大幅に向上しているのが分かる。
【0074】また、サイプを踏み込み側及び蹴りだし側
の両方で分岐させた実施例タイヤ2は、実施例タイヤ1
よりも氷上トラクション性能が向上している。これは、
トラクション時にサイプの踏み込み側の枝部が開いて排
水性が向上したためである。
【0075】また、実施例タイヤ3のブロックでは、サ
イプの枝部分のタイヤ幅方向に延びるエッジ成分が他の
例よりも長いため氷上トラクション性能が特に向上して
いる。
【0076】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
空気入りタイヤは上記の構成としたので、ブレーキング
による減速時に枝サイプを開かせてタイヤ踏面部にわき
出た水の排出効率を高めることができ、これによって、
氷上ブレーキ性能を向上することができる、という優れ
た効果を有する。
【0077】請求項2に記載の空気入りタイヤは上記の
構成としたので、回転方向性の無いタイヤとすることが
できる、という優れた効果を有する。
【0078】請求項3に記載の空気入りタイヤは上記の
構成としたので、簡単な構造で排水性能を確保し、ま
た、適正なブロック剛性を確保できる、という優れた効
果を有する。
【0079】請求項4に記載の空気入りタイヤは上記の
構成としたので、排水性能を確保し、分岐したサイプで
形成されたサブブロックに適正なブロック剛性を確保で
きる、という優れた効果を有する。
【0080】請求項5に記載の空気入りタイヤは上記の
構成としたので、ブレーキングによる減速時に枝サイプ
を開かせてタイヤ踏面部にわき出た水の排出効率を高め
ることができ、これによって、氷上ブレーキ性能を向上
することができる、という優れた効果を有する。
【0081】請求項6に記載の空気入りタイヤは上記の
構成としたので、排水性能を確保し、サブブロックに最
適な剛性を持たせることが可能となる。
【0082】請求項7に記載の空気入りタイヤは上記の
構成としたので、排水性能を確保し、氷上性能の低下を
抑制することができる、という優れた効果を有する。
【0083】請求項8に記載の空気入りタイヤは上記の
構成としたので、排水性能を確保し、氷上性能の低下を
抑制することができる、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る空気入りタイヤ
のトレッドの平面図である。
【図2】図1に示すブロックの拡大平面図である。
【図3】転動する空気入りタイヤのブロックが路面に接
地する様子を説明する説明図である。
【図4】第2の実施形態に係る空気入りタイヤのブロッ
クの平面図である。
【図5】第3の実施形態に係る空気入りタイヤのブロッ
クの平面図である。
【図6】第4の実施形態に係る空気入りタイヤのブロッ
クの平面図である。
【図7】第5の実施形態に係る空気入りタイヤのブロッ
クの平面図である。
【図8】従来の空気入りタイヤのブロックの平面図であ
る。
【符号の説明】
10 空気入りタイヤ 12 トレッド 14 周方向主溝 16 横溝 18 ブロック 20 分岐サイプ(サイプ) 20B 枝部(枝サイプ) 20C 枝部(枝サイプ) 24 サブブロック 30 分岐サイプ 30B 枝部(枝サイプ) 30C 枝部(枝サイプ) 34 サブブロック

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トレッド踏面部に設けられ実質的にタイ
    ヤ周方向に沿って延びる複数の周溝と実質的にタイヤ幅
    方向に沿って延びる横溝とによって区画された複数のブ
    ロックと、 前記ブロックに設けられ実質的にタイヤ周方向に沿って
    延び両端が前記横溝に開口するサイプと、を有し、 前記サイプは前記ブロックの蹴りだし側において複数に
    分岐していることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 【請求項2】 前記サイプは前記ブロックの踏み込み側
    においても複数に分岐していることを特徴とする請求項
    1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 【請求項3】 前記サイプは2つに分岐しており、前記
    ブロックには分岐した2つの枝サイプで分割されたサブ
    ブロックが形成されていることを特徴とする請求項1ま
    たは請求項2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 【請求項4】 前記サブブロックが略三角形を呈し、前
    記2つに分岐した枝サイプのなす角度θが30〜60度
    であることを特徴とする請求項3に記載の空気入りタイ
    ヤ。
  5. 【請求項5】 トレッド踏面部に設けられ実質的にタイ
    ヤ周方向に沿って延びる複数の周溝と実質的にタイヤ幅
    方向に沿って延びる横溝とによって区画された複数のブ
    ロックを有し、 前記ブロックには、実質的にタイヤ周方向に沿って延び
    るサイプが形成され、踏み込み側では前記サイプは少な
    くとも踏み込み側の横溝に開口し、蹴りだし側では前記
    サイプは複数に分岐すると共に前記複数に分岐した枝サ
    イプの一部が蹴りだし側の前記横溝に開口し、残部が前
    記周溝に開口していることを特徴とする空気入りタイ
    ヤ。
  6. 【請求項6】 前記サイプの全体の周方向投影長さに対
    する前記枝サイプのタイヤ周方向投影長さの割合は、
    0.2〜0.5であることを特徴とする請求項1乃至請
    求項5の何れか1項に記載の空気入りタイヤ。
  7. 【請求項7】 前記サイプの分岐部分の溝幅が0.1〜
    1.2mmであることを特徴とする請求項1乃至請求項6
    の何れか1項に記載の空気入りタイヤ。
  8. 【請求項8】 前記サイプの本体部分の溝幅が0.3〜
    1.5mmであることを特徴とする請求項1乃至請求項7
    の何れか1項に記載の空気入りタイヤ。
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