JPH10250311A - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

空気入りラジアルタイヤ

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JPH10250311A
JPH10250311A JP9059633A JP5963397A JPH10250311A JP H10250311 A JPH10250311 A JP H10250311A JP 9059633 A JP9059633 A JP 9059633A JP 5963397 A JP5963397 A JP 5963397A JP H10250311 A JPH10250311 A JP H10250311A
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JP
Japan
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pneumatic radial
steel
belt
radial tire
tire
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Application number
JP9059633A
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English (en)
Inventor
Sumuto Nakagawa
澄人 中川
Takazo Osawa
隆蔵 大沢
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Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スチールコードを使用した乗用車用空気入り
タイヤ及びトラックバス用空気入りタイヤ等に関し、特
にタイヤの軽量化及び耐久性の向上を図ることができる
空気入りラジアルタイヤを提供する。 【解決手段】 引張強さが3400N/mm2〜4500
N/mm2の鋼素線をすべてあるいは一部撚り合わせた単
撚り構造、2層撚り構造、3層撚り構造、若しくはさら
にそれらのコードを複数本撚り合わせた複撚り構造のス
チールコードをボディプライ又はベルトに使用し、充填
気体として窒素ガスを全体の92%以上充填することを
特徴とする空気入りラジアルタイヤ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スチールコードを
使用した乗用車用、レジャー用及びトラックバス用空気
入りタイヤ等に関し、特にタイヤの軽量化及び耐久性の
向上を図ることができる空気入りラジアルタイヤに関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、空気入りラジアルタイヤの分野に
おいて、地球環境保全を念頭においた車輌の燃費向上に
寄与させるべく、タイヤの軽量化が進められている。こ
れを実現させるため、タイヤの補強材であるスチールコ
ードにおいても、コード強力を高め、タイヤのベルト総
強力などを保ちながら、ベルト、カーカスなどの総重量
を軽減させるためにコード使用量を減少させる試みがな
されている。
【0003】一般に、スチールコードを構成する鋼素線
の単位断面積当たりの引張強さ(抗張力)を高めると、
タイヤの軽量化が実現される反面、スチールコードをボ
ディプライに使用した空気入りラジアルタイヤにあって
は耐腐食疲労性が悪化することからコードの耐CBU性
(コードへの大曲げ入力が入った場合に、フィラメント
がバラバラになり、局部的に異常圧縮入力がフィラメン
トに加わり、座屈して破断すること)などが低下すると
いう二律背反の問題があり、また、スチールコードをベ
ルトに使用した空気入りラジアルタイヤにあっては耐腐
食疲労性の悪化が、特に長期走行しかつベルトへの入力
が厳しい状況下において、コードの耐ベルト折れ性の低
下などをもたらすという二律背反の問題がある。すなわ
ち、スチールコードを構成する鋼素線の単位断面積当た
りの引張強さを高めるためには、伸線時の減面率を大き
くする必要があるが、その結果、特に、引張強さが34
00N/mm2以上の鋼素線では、鋼素線表面に大きな負
荷をかけながら伸線する影響を大幅に受け、様々なスチ
ールコードの物性値が低下してしまうという問題が生じ
る。特に、スチールコードの表面状態が著しい影響を受
けるため、様々な繰り返し入力に対するコードの耐腐食
疲労性、並びに、ねん回値等の物性が低下する傾向にあ
る。こうした問題に対し、伸線方法の改良ならびに伸線
の後処理としてのスチールコード表面への圧縮応力の残
留処理などの工夫により上記問題を解決しようと試みら
れてきている。
【0004】しかしながら、確かに改良効果はあるもの
の、その本質的解決には未だ至っていないのが現状であ
る。すなわち、スチールコードをボディプライやベルト
コードに使用した空気入りラジアルタイヤにあっては、
タイヤ充填ガスがタイヤゴム中を浸透してボディプライ
コードなどに到達すると、酸素による鋼素線の腐食なら
びに劣化が進行するため、表面状態の高い高強力鋼素線
ほどその悪影響を受け、ボディプライコード等の破断を
生じやすいという本質的問題が依然として残っているか
らである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、引張強さが
3400N/mm2〜4500N/mm2の鋼素線を撚り合わ
せた単撚り構造、2層撚り構造、3層撚り構造、若しく
はさらにそれらのコードを複数本撚り合わせた複撚り構
造のスチールコードをボディプライやベルトに使用した
空気入りラジアルタイヤの耐腐食疲労性の低下をコード
周辺の腐食環境を大幅に改善すること、即ち、従来の空
気充填に換えてコスト的に安く安全面も良好な特定のガ
スをタイヤ内に充填することで、超高強力鋼材のスチー
ルコードを使用した空気入りラジアルタイヤの軽量化と
耐久性に優れた空気入りラジアルタイヤを提供すること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
高強力鋼材からなるスチールコードをベルトコード又は
ボディプライコードに使用した空気入りラジアルタイヤ
において、高強力鋼材のもつ上記の弱点を本質的に改善
しえるという観点から鋭意研究する中で、酸素と水分、
とりわけ酸素が極力少ない環境下においては、高強力鋼
材のもつ上記の弱点を大幅に改善し得ることが判明し、
本発明者らは産業的に、この様な環境を最も効果的かつ
効率的につくり出す手段を検討してきた中で、タイヤ充
填気体としてあらかじめ窒素濃度を特定濃度にすること
で目的の空気入りラジアルタイヤが得られることを見い
出し、本発明を完成するに至ったのである。
【0007】すなわち、本発明の空気入りラジアルタイ
ヤは、次の(1)〜(6)に存する。 (1) 引張強さが3400N/mm2〜4500N/mm2の鋼
素線をすべてあるいは一部撚り合わせた単撚り構造、2
層撚り構造、3層撚り構造、若しくはさらにそれらのコ
ードを複数本撚り合わせた複撚り構造のスチールコード
をボディプライに使用し、充填気体として窒素ガスを全
体の92%以上充填することを特徴とする空気入りラジ
アルタイヤ。 (2) 上記(1)の構造となるスチールコードをベルトに使
用してなる空気入りラジアルタイヤ。 (3) 空気入りラジアルタイヤの充填気体として窒素ガス
を全体の95%以上充填する上記(1)又は(2)記載の空気
入りラジアルタイヤ。 (4) 空気入りラジアルタイヤの充填気体として窒素ガス
を全体の98%以上充填する上記(1)又は(2)記載の空気
入りラジアルタイヤ。 (5) 空気入りラジアルタイヤの充填気体中の水分率が
0.1%以下である上記(1)〜(4)の何れか一つに記載の
空気入りラジアルタイヤ。 (6) 空気入りラジアルタイヤの充填気体中の水分率が
0.01%以下である上記(1)〜(4)の何れか一つに記載
の空気入りラジアルタイヤ。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて詳しく説明する。本発明の空気入りラジアルタイヤ
は、引張強さが3400N/mm2〜4500N/mm2の鋼
素線をすべてあるいは一部撚り合わせた単撚り構造、2
層撚り構造、3層撚り構造、若しくはさらにそれらのコ
ードを複数本撚り合わせた複撚り構造のスチールコード
をボディプライ又はベルトに使用し、充填気体として窒
素ガスを全体の92%以上充填することを特徴とするも
のである。なお、図1は、本発明の空気入りラジアルタ
イヤの一例を示すものであり、この空気入りラジアルタ
イヤAは、カーカス1、該カーカス1のクラウン部を覆
うベルト層2、このベルト層2上に配置したトレッド部
3、ビード部4から構成されている。
【0009】上記引張強さが3400N/mm2〜450
0N/mm2の鋼素線をすべてあるいは一部撚り合わせた
単撚り構造、2層撚り構造、3層撚り構造、若しくはさ
らにそれらのコードを複数本撚り合わせた複撚り構造の
スチールコードをボディプライ又はベルトに使用するこ
とにより、タイヤの軽量化が達成される。従って、ボデ
ィプライ又はベルトに使用するスチールコードの構造と
しては、例えば、上記範囲の引張強さとなる鋼素線をす
べてあるいは一部撚り合わせた単撚り構造のもの、2層
撚り構造のもの、3層撚り構造のもの、若しくは、さら
にそれらのコードを複数本撚り合わせた複撚り構造の少
なくとも一つが目的に応じて使用される。なお、340
0N/mm2以上の引張強さ未満の鋼素線では、タイヤの
軽量化が達成されず、また、4500N/mm2以上の引
張強さを越える鋼素線では、それを伸線する際、さらに
減面率も著しく大きくする必要があり、実際に伸線して
作り込むのが極めて困難となるので、好ましくない。
【0010】上記構造のスチールコードをボディプライ
又はベルトに使用する空気入りラジアルタイヤの充填気
体としては、窒素ガスを全体の92%以上、すなわち、
窒素ガスを全体の92%以上含んだ窒素混合ガスを充填
することが必要である。好ましくは、95%以上含んだ
窒素混合ガス、更に好ましくは98%以上含んだ窒素混
合ガスを充填することが望ましい。充填気体としての窒
素ガスは、一般の不活性ガスに較べコスト的にも有利で
あり、安全面も保証されるていることによる。なお、上
記充填量以上となる窒素ガス以外の充填気体(混合ガ
ス)としては、窒素ガスなどの不活性ガスが好ましい
が、酸素ガスなどであっても構わない。
【0011】上記窒素ガスの充填量が全体の92%以上
を充填することにより、上記物性の超高強力鋼材からな
る構造のスチールコードをボディプライに使用した空気
入りラジアルタイヤにあっては耐腐食疲労性を大幅に改
善することにより、タイヤの軽量化と耐CBU性等に優
れた空気入りラジアルタイヤが得られ、また、上記物性
の超高強力鋼材からなる構造のスチールコードをベルト
に使用した空気入りラジアルタイヤにおいても、特に長
期走行しかつベルトへの入力が厳しい状況下において耐
腐食疲労性を大幅に改善することにより、タイヤの軽量
化と耐ベルト折れ性等に優れた空気入りラジアルタイヤ
が得られることとなる。更に、窒素ガスの充填量を全体
の95%以上、更に好ましくは98%以上の気体を充填
することにより、各々のスチールコードの耐腐食疲労性
の改善効果はさらに著しいこととなる。また、上記充填
量以上となる窒素混合ガス(充填気体)中の水分率が
0.1%以下であるようなドライガスの場合は、酸素抑
制と水分抑制という相乗効果により、スチールコードの
耐腐食疲労性がさらに効果的に改善されることとなり、
充填気体中の水分率が更に0.01%(100ppm)以
下とすることにより上記各々のスチールコードの耐腐食
疲労性又は耐疲労性がさらに効果的に改善されることと
なる。
【0012】上記構造のスチールコード構造を有するボ
ディプライ又はベルトを備えた空気入りラジアルタイヤ
では、上記充填量となる窒素混合ガスを充填することに
より、タイヤ内部からの酸素の侵入を防ぐために、従来
の空気充填に換えて、不活性ガス、中でもコスト的に安
くかつ安全な窒素ガス、すなわち、厳密には窒素混合ガ
ス(窒素92%以上)をタイヤ内に充填することで、空
気入りラジアルタイヤの軽量化と耐久性(耐CBU性や
耐ベルト折れ性など)の二律背反する問題を解決できる
こととなる。
【0013】すなわち、3400〜4500N/mm2
引張強さをもつ鋼素線は、製造時に極めて大きな減面伸
線によって達成されることから組織が不均一になり易
く、表面と内部の抗張力が異なったり、表層に極めて大
きな引張り残留応力が残ったり、微少な不純物が腐食の
核になったりと、耐腐食疲労性低下の原因となる様々な
要素に満ちている。しかし、このような様々な要素が具
体的に腐食発生等、進行の直接的な寄因となるために
は、腐食環境等そのものが支配するのであり、これを除
去、若しくはマイルドにすれば圧倒的にコードの耐腐食
疲労低下を改善し、その結果、上記物性のスチールコー
ドをボディプライに使用したタイヤにあって耐CBU性
などが大幅に改善すること、また、上記物性のスチール
コードをベルトに使用したタイヤにあっては耐ベルト折
れ性などが大幅に改善することが本発明で解明できたの
である(これらの点については、後述する実施例等で更
に詳しく説明する)。
【0014】
【実施例】次に、本発明を実施例及び比較例により更に
詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定され
ものではない。
【0015】(実施例1〜3及び比較例1〜3、高強力
鋼材からなるスチールコードをボディプライに使用した
空気入りラジアルタイヤの評価)下記表1に示すような
抗張力をもつ4種の高強力鋼素線を3+8×0.19と
いう層撚り構造に撚り合わせたコードを製造して、その
ケース強力が同一となるように11R22.5のトラッ
ク・バス(TBR)用空気入りラジアルタイヤを作製し
た。次に、これらの試作タイヤについて、下記に示す試
験方法にて、コードの耐腐食疲労性(指数)、プライ材
の重量(プライ材のみ、指数)の評価を行った。これら
の結果を下記表1に示す。
【0016】(耐腐食疲労性)実施例1〜3及び比較例
1〜3の各試作タイヤに、内圧が8kgf/cm2になるよう
に下記表1に示した割合の窒素混合ガス(他の充填気体
は、酸素ガス)気体を充填し、JIS100%荷重の下
に速度60km/hで20万kmまで走行させた。実地走行
後、図2に示すように、上記条件後のタイヤから取り出
したゴム付きコード10を、直径40mmのプーリー11
の3個に掛け、固定プーリー12を介して新品コード破
断荷重の10%に相当する重り14に引張荷重を掛け、
プーリー12を左右に繰り返し20cm移動させたコード
に繰り返し曲げ歪を与えてコードを疲労破断させ、コー
ド破断に至る繰り返し回数を10本のコードの平均破断
回数として求めた。そして、下記表1に示す耐腐食疲労
性は、前記の値を比較例1のコントロールタイヤを10
0として指数値で示したものであり、値が大きいほど耐
腐食疲労性が良好なことを示す。
【0017】(重量指数)また、合わせてプライ材とし
てのスチールコードの重量指数を下記表1に示した。比
較例1のコントロールタイヤを100として指数値で示
したものであり、値が小さいほど軽量であることを示
す。
【0018】
【表1】
【0019】(表1の考察)上記表1から明らかなよう
に、本発明範囲となる実施例1〜6は、耐腐食疲労性は
いずれも向上しており、軽量化との両立が可能となって
いることが判った。特に、比較例2で明らかなように従
来技術では、抗張力4000N/mm2以上の鋼素線を使
う場合は、腐食疲労性は大幅に低下してしまうが、本発
明範囲となる実施例1〜6、特に3、4、5、6と抗張
力が4000N/mm2以上の場合でも充填ガスの窒素の
割合を大幅に増やしていくこと、さらに望ましくは、充
填ガス中の水分率を0.01%以下に抑えるようにすれ
ば、耐腐食性の大幅なる向上が望めることが判った。ま
た、耐腐食疲労性のみならず、実地走行後に引き抜いた
コードの外観からも腐食性が改良していることは明らか
であった。このように実地走行後のタイヤ中のコードの
残存疲労性の向上、すなわち、タイヤの耐CBU性の向
上が、本発明となる実施例1〜6により、軽量化との両
立をもって達成できることが判明した。
【0020】(実施例7〜10及び比較例4〜5、高強
力鋼材からなるスチールコードをベルトに使用した場合
の空気入りタイヤの評価)下記表2に示すような抗張力
をもつ4種の高強力鋼素線を1×5×0.23という構
造に撚り合わせたコードを製造して、そのベルト強力が
同一となるように185SR14サイズの乗用車(PS
R)用空気入りラジアルタイヤを作製した。次に、これ
らの試作タイヤについて、下記に示す試験方法にて、ベ
ルトの重量(ベルト材のみ、指数)、耐ベルト折れ性
(有無)、コードの耐疲労性(残存疲労性)(指数)、
耐BES性の評価を行った。これらの結果を下記表2に
示す。
【0021】(耐疲労性、耐ベルト折れ性)実施例7〜
10及び比較例4〜5の各試作タイヤに、内圧が2kgf
/cm2になるように下記表2に示した割合の窒素混合ガ
ス(他の充填気体は、酸素ガス)気体を充填し、JIS
100%荷重の下に速度60km/hで3万kmまで走行さ
せた。実地走行後、ベルトコードの耐疲労性を上記実施
例1等の耐腐食疲労性試験(図2に示す試験)と同様に
測定し、指数評価を行った。また、タイヤのベルト折れ
の有無を評価した。耐疲労性は、比較例4をコントロー
ルタイヤ(指数100)として指数値で示したものであ
り、値が大きいほど耐疲労性が良好なことを示す。
【0022】(ベルト材の重量指数)ベルト材としての
スチールコードの重量指数を下記表2に示した。比較例
4のコントロールタイヤを100として指数値で示した
ものであり、値が小さいほど軽量であることを示す。
【0023】(耐BES性、指数)耐BES性(耐ベル
ト端セパレーション性、指数)は、上記耐疲労性で使用
した実地走行3万km後の同じタイヤにて、2ベルト端部
の亀裂をコード長手方向に沿ってミリ単位で測定し、比
較例4をコントロールタイヤ(指数100)とし比較し
て指数にて表示した。指数表示の値が大きい程、耐BE
S性が良好であることを示す。
【0024】
【表2】
【0025】(表2の考察)上記表2から明らかなよう
に 、従来技術となる比較例5において示されているよ
うに鋼素線の抗張力が4000N/mm2という超高強力
コードにおいて、充填ガスが空気であるようなN2=8
0%の場合においては、実地走行時にベルト折れが生じ
てしまう。一方、本発明範囲となる実施例7〜10をか
ら明らかなように、いずれの実施例でも、実地走行時に
ベルト折れは発生しておらず、かつ走行後コードの残存
疲労性は向上しており、軽量化との両立が本発明により
達成できることが判った。また、耐BES性に関して
は、コード打込み間隔が高強力鋼材を使用する場合には
広がるうえ、必然的に亀裂がコード間でつながりにくく
なることに加え、コーティングゴムの酸素による劣化が
抑えられ、ゴムの亀裂進展自体が遅くなるために、タイ
ヤのベルトエンドセパレーション性も向上する効果も認
められる。更には、実施例のみでは説明できない効果と
しては、窒素充填を95%以上行った実施例7〜10の
タイヤにおいては、その内圧保持性が空気対比で優れて
いることが挙げられ、タイヤメンテナンス上も有利であ
るとことが判った。
【0026】
【発明の効果】請求項1及び2の発明では、引張強さが
3400N/mm2〜4500N/mm2の鋼素線を撚り合わ
せた単撚り構造、2層撚り構造、3層撚り構造、若しく
はさらにそれらのコードを複数本撚り合わせた複撚り構
造のスチールコードの耐腐食疲労性の低下を大幅に改善
できることとなるので、超高強力鋼材のスチールコード
をボディプライ又はベルトに使用した空気入りラジアル
タイヤの軽量化と耐久性向上の二律背反する課題を解決
した空気入りラジアルタイヤが提供されることとなる。
請求項3〜6の発明では、更に軽量化と耐久性に優れた
空気入りラジアルタイヤが提供されることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の一例を示す空気入りラジア
ルタイヤの断面図である。
【図2】実施例及び比較例で作製した各試作タイヤの耐
腐食疲労性を評価するための説明図である。
【符号の説明】
A 空気入りラジアル 1 カーカス 2 ベルト層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 引張強さが3400N/mm2〜4500
    N/mm2の鋼素線をすべてあるいは一部撚り合わせた単
    撚り構造、2層撚り構造、3層撚り構造、若しくはさら
    にそれらのコードを複数本撚り合わせた複撚り構造のス
    チールコードをボディプライに使用し、充填気体として
    窒素ガスを全体の92%以上充填することを特徴とする
    空気入りラジアルタイヤ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の構造となるスチールコー
    ドをベルトに使用してなる空気入りラジアルタイヤ。
  3. 【請求項3】 空気入りラジアルタイヤの充填気体とし
    て窒素ガスを全体の95%以上充填する請求項1又は2
    記載の空気入りラジアルタイヤ。
  4. 【請求項4】 空気入りラジアルタイヤの充填気体とし
    て窒素ガスを全体の98%以上充填する請求項1又は2
    記載の空気入りラジアルタイヤ。
  5. 【請求項5】 空気入りラジアルタイヤの充填気体中の
    水分率が0.1%以下である請求項1〜4の何れか一つ
    に記載の空気入りラジアルタイヤ。
  6. 【請求項6】 空気入りラジアルタイヤの充填気体中の
    水分率が0.01%以下である請求項1〜4の何れか一
    つに記載の空気入りラジアルタイヤ。
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