JPH10250295A - 図柄模様を有する熱硬化性樹脂含浸化粧板または熱硬化性樹脂成形品の製造方法 - Google Patents
図柄模様を有する熱硬化性樹脂含浸化粧板または熱硬化性樹脂成形品の製造方法Info
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- JPH10250295A JPH10250295A JP9057835A JP5783597A JPH10250295A JP H10250295 A JPH10250295 A JP H10250295A JP 9057835 A JP9057835 A JP 9057835A JP 5783597 A JP5783597 A JP 5783597A JP H10250295 A JPH10250295 A JP H10250295A
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 感熱転写記録方式を用い、図柄の模様紙用台
紙への転写性、接着性が良好で、熱処理による模様紙用
台紙の黄変がなく、第1回加熱圧縮成形時に図柄が崩れ
ず、さらに第2回加熱圧縮成形後にグレーズ剥離が発生
しない熱硬化性樹脂含浸化粧板または熱硬化性樹脂成形
品の製造方法を提供する。 【解決手段】 感熱転写記録材料を用い、感熱転写方法
を利用して、とくに2段階転写方法により樹脂含浸性の
シート状被転写体20上にインクの図柄Aを形成し、該
図柄を形成したシート状被転写体に120℃以下の温度
で熱処理を施して、該図柄のインクを硬化させ、ついで
該シート状被転写体に熱硬化性樹脂を含浸させた後、基
体の表面に配置し、加熱圧縮成形することを特徴とする
図柄模様を有する熱硬化性樹脂含浸化粧板または熱硬化
性樹脂成形品の製造方法。
紙への転写性、接着性が良好で、熱処理による模様紙用
台紙の黄変がなく、第1回加熱圧縮成形時に図柄が崩れ
ず、さらに第2回加熱圧縮成形後にグレーズ剥離が発生
しない熱硬化性樹脂含浸化粧板または熱硬化性樹脂成形
品の製造方法を提供する。 【解決手段】 感熱転写記録材料を用い、感熱転写方法
を利用して、とくに2段階転写方法により樹脂含浸性の
シート状被転写体20上にインクの図柄Aを形成し、該
図柄を形成したシート状被転写体に120℃以下の温度
で熱処理を施して、該図柄のインクを硬化させ、ついで
該シート状被転写体に熱硬化性樹脂を含浸させた後、基
体の表面に配置し、加熱圧縮成形することを特徴とする
図柄模様を有する熱硬化性樹脂含浸化粧板または熱硬化
性樹脂成形品の製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、図柄模様を有する
熱硬化性樹脂含浸化粧板または熱硬化性樹脂成形品の製
造方法に関する。
熱硬化性樹脂含浸化粧板または熱硬化性樹脂成形品の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、メラミン樹脂、ユリア樹脂等
の熱硬化性樹脂含浸化粧板や熱硬化性樹脂成形品への絵
付けの方法として、模様紙を用いる図柄の一体成形が行
われている。その方法はおよそ次の手順で行われる。
の熱硬化性樹脂含浸化粧板や熱硬化性樹脂成形品への絵
付けの方法として、模様紙を用いる図柄の一体成形が行
われている。その方法はおよそ次の手順で行われる。
【0003】(1)チタン紙、オーバーレイ紙等と呼ば
れている所定の被転写体(以下、模様紙用台紙という場
合がある)に図柄を形成し、模様紙を作製する。
れている所定の被転写体(以下、模様紙用台紙という場
合がある)に図柄を形成し、模様紙を作製する。
【0004】(2)熱硬化性樹脂を溶解した溶液(以
下、含浸液という)を模様紙に含浸、乾燥させたもの
(以下、フォイルという場合がある)を作製する。
下、含浸液という)を模様紙に含浸、乾燥させたもの
(以下、フォイルという場合がある)を作製する。
【0005】(3)熱硬化性樹脂含浸化粧板もしくは熱
硬化性樹脂成形品の基体の表面にフォイルを配置し、加
熱圧縮成形(以下、第1回加熱圧縮成形という場合があ
る)を行うことによって、絵付けを行う。
硬化性樹脂成形品の基体の表面にフォイルを配置し、加
熱圧縮成形(以下、第1回加熱圧縮成形という場合があ
る)を行うことによって、絵付けを行う。
【0006】(4)前記(3)の工程でえられた化粧板
もしくは成形品の表面に熱硬化性樹脂粉末(以下、グレ
ーズ材料という)を振り掛け、加熱圧縮成形(以下、第
2回加熱圧縮成形という場合がある)を行うことによっ
て絵付けが完了する。なお、第2回加熱圧縮成形は省略
するばあいがある。
もしくは成形品の表面に熱硬化性樹脂粉末(以下、グレ
ーズ材料という)を振り掛け、加熱圧縮成形(以下、第
2回加熱圧縮成形という場合がある)を行うことによっ
て絵付けが完了する。なお、第2回加熱圧縮成形は省略
するばあいがある。
【0007】前記模様紙の作製では、オフセット印刷、
グラビア印刷、スクリーン印刷などの方法で図柄を形成
するのが一般的である。
グラビア印刷、スクリーン印刷などの方法で図柄を形成
するのが一般的である。
【0008】しかしながら、これら印刷方法は同一図柄
を有する模様紙を大量生産するには適しているが、多品
種少量生産には適さないという欠点があった。
を有する模様紙を大量生産するには適しているが、多品
種少量生産には適さないという欠点があった。
【0009】一方、陶磁器等に焼付図柄を形成するのに
用いる転写紙の分野では、無機顔料とワックスを主体と
するバインダーからなる感熱転写性インク層を有する感
熱転写記録材料を用いて感熱転写方法で図柄を形成する
ことが行われており、この方法は多品種少量生産に適す
るものである。
用いる転写紙の分野では、無機顔料とワックスを主体と
するバインダーからなる感熱転写性インク層を有する感
熱転写記録材料を用いて感熱転写方法で図柄を形成する
ことが行われており、この方法は多品種少量生産に適す
るものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、前記感
熱転写記録材料を用いる図柄形成方法を前記熱硬化性樹
脂含浸化粧板および熱硬化性樹脂成形品の製造方法に適
用することを試みた。しかし、従来の感熱転写記録材料
を用いた場合、種々の不具合が生じることが判明した。
たとえば、感熱転写記録材料を用いて模様紙用台紙上
に感熱転写方法により図柄を形成する際に、感熱転写性
インクからなる図柄の台紙に対する転写性、接着性がわ
るい、第1回加熱圧縮成形の際に、図柄が軟化し崩れ
易い、第2回加熱圧縮成形を行う場合、成形直後また
は経時的にグレーズ材料の硬化層(以下、グレーズとい
う)が剥離する。
熱転写記録材料を用いる図柄形成方法を前記熱硬化性樹
脂含浸化粧板および熱硬化性樹脂成形品の製造方法に適
用することを試みた。しかし、従来の感熱転写記録材料
を用いた場合、種々の不具合が生じることが判明した。
たとえば、感熱転写記録材料を用いて模様紙用台紙上
に感熱転写方法により図柄を形成する際に、感熱転写性
インクからなる図柄の台紙に対する転写性、接着性がわ
るい、第1回加熱圧縮成形の際に、図柄が軟化し崩れ
易い、第2回加熱圧縮成形を行う場合、成形直後また
は経時的にグレーズ材料の硬化層(以下、グレーズとい
う)が剥離する。
【0011】そこで本発明の課題は、低コストで多品種
少量生産が可能な感熱転写方法を利用して、前記不具合
が生じることのない熱硬化性樹脂含浸化粧板および熱硬
化性樹脂成形品の製造方法を提供することにある。
少量生産が可能な感熱転写方法を利用して、前記不具合
が生じることのない熱硬化性樹脂含浸化粧板および熱硬
化性樹脂成形品の製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1)基材上
に着色材料とバインダー材料からなる感熱転写性インク
層が設けられ、前記バインダー材料中にエポキシ樹脂と
フェノール樹脂が合計25〜85重量%含有され、エポ
キシ樹脂とフェノール樹脂の合計量に対するそれぞれの
割合が25〜85重量%および15〜75重量%である
感熱転写記録材料を用い、感熱転写方法を利用して樹脂
含浸性のシート状被転写体上に前記インクの図柄を形成
し、該図柄を形成したシート状被転写体に120℃以下
の温度で熱処理を施して、該図柄のインクを硬化させ、
ついで該シート状被転写体に熱硬化性樹脂を含浸させた
後、基体の表面に配置し、加熱圧縮成形することを特徴
とする図柄模様を有する熱硬化性樹脂含浸化粧板または
熱硬化性樹脂成形品の製造方法に関する。
に着色材料とバインダー材料からなる感熱転写性インク
層が設けられ、前記バインダー材料中にエポキシ樹脂と
フェノール樹脂が合計25〜85重量%含有され、エポ
キシ樹脂とフェノール樹脂の合計量に対するそれぞれの
割合が25〜85重量%および15〜75重量%である
感熱転写記録材料を用い、感熱転写方法を利用して樹脂
含浸性のシート状被転写体上に前記インクの図柄を形成
し、該図柄を形成したシート状被転写体に120℃以下
の温度で熱処理を施して、該図柄のインクを硬化させ、
ついで該シート状被転写体に熱硬化性樹脂を含浸させた
後、基体の表面に配置し、加熱圧縮成形することを特徴
とする図柄模様を有する熱硬化性樹脂含浸化粧板または
熱硬化性樹脂成形品の製造方法に関する。
【0013】さらに本発明は、(2)前記バインダー材
料中に、さらにブチラール樹脂および/またはポリアミ
ド樹脂が含有されてなることを特徴とする前記(1)項
記載の製造方法に関する。
料中に、さらにブチラール樹脂および/またはポリアミ
ド樹脂が含有されてなることを特徴とする前記(1)項
記載の製造方法に関する。
【0014】さらに本発明は、(3)前記感熱転写記録
材料と、少なくとも一方の表面が水溶性または水膨潤性
の物質で構成されているシート状仮被転写体を使用し、
感熱転写方法により、前記感熱転写記録材料の感熱転写
性インク層を選択的に転写して前記仮被転写体の当該水
溶性または水膨潤性の表面上にインクの図柄を形成する
第1工程と、前記仮被転写体を前記樹脂含浸性のシート
状被転写体と重ね、熱と圧力の作用により仮被転写体上
の図柄を被転写体に熱接着せしめる第2工程と、前記仮
被転写体と被転写体との一体化物を水中に浸漬し、前記
仮被転写体上の水溶性または水膨潤性の物質を溶解また
は膨潤せしめて、仮被転写体と図柄を有する被転写体と
を分離する第3工程とからなる方法(以下、2段階転写
方法という場合がある)により、前記図柄を有するシー
ト状被転写体をうることを特徴とする前記(1)または
(2)項記載の製造方法に関する。
材料と、少なくとも一方の表面が水溶性または水膨潤性
の物質で構成されているシート状仮被転写体を使用し、
感熱転写方法により、前記感熱転写記録材料の感熱転写
性インク層を選択的に転写して前記仮被転写体の当該水
溶性または水膨潤性の表面上にインクの図柄を形成する
第1工程と、前記仮被転写体を前記樹脂含浸性のシート
状被転写体と重ね、熱と圧力の作用により仮被転写体上
の図柄を被転写体に熱接着せしめる第2工程と、前記仮
被転写体と被転写体との一体化物を水中に浸漬し、前記
仮被転写体上の水溶性または水膨潤性の物質を溶解また
は膨潤せしめて、仮被転写体と図柄を有する被転写体と
を分離する第3工程とからなる方法(以下、2段階転写
方法という場合がある)により、前記図柄を有するシー
ト状被転写体をうることを特徴とする前記(1)または
(2)項記載の製造方法に関する。
【0015】さらに本発明は、(4)前記シート状被転
写体が、繊維質または多孔質のシート状物であることを
特徴とする前記(3)項記載の製造方法に関する。
写体が、繊維質または多孔質のシート状物であることを
特徴とする前記(3)項記載の製造方法に関する。
【0016】さらに本発明は、(5)前記繊維質のシー
ト状物が紙類または布類であることを特徴とする前記
(4)項記載の製造方法に関する。
ト状物が紙類または布類であることを特徴とする前記
(4)項記載の製造方法に関する。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明においては、感熱転写記録
材料の感熱転写性インク層におけるバインダー材料とし
てエポキシ樹脂とフェノール樹脂を特定割合で併用する
ことにより、図柄の模様紙用台紙に対する転写性および
接着性が共に良好である。また、第1回加熱圧縮成形時
前の熱処理により図柄のインクが充分に硬化されるの
で、第1回加熱圧縮成形の際に、図柄が軟化して崩れた
りすることがない。さらに第2回加熱圧縮成形の際に図
柄とグレーズ材料との反応性が良好であるため、グレー
ズ剥離が生じない。このように、本発明においては前記
〜の不具合がいずれも解消されている。
材料の感熱転写性インク層におけるバインダー材料とし
てエポキシ樹脂とフェノール樹脂を特定割合で併用する
ことにより、図柄の模様紙用台紙に対する転写性および
接着性が共に良好である。また、第1回加熱圧縮成形時
前の熱処理により図柄のインクが充分に硬化されるの
で、第1回加熱圧縮成形の際に、図柄が軟化して崩れた
りすることがない。さらに第2回加熱圧縮成形の際に図
柄とグレーズ材料との反応性が良好であるため、グレー
ズ剥離が生じない。このように、本発明においては前記
〜の不具合がいずれも解消されている。
【0018】さらに前記2段階転写方法によるときは、
模様紙用台紙の表面平滑性の如何を問わず、模様紙台紙
上に良好な品質の図柄を形成できる。
模様紙用台紙の表面平滑性の如何を問わず、模様紙台紙
上に良好な品質の図柄を形成できる。
【0019】つぎに本発明を詳細に説明する。
【0020】本発明に用いる感熱転写記録材料の感熱転
写性インク層は、着色材料とバインダー材料からなり、
前記バインダー材料中にエポキシ樹脂とフェノール樹脂
が合計25〜85重量%含有され、エポキシ樹脂とフェ
ノール樹脂の合計量に対するそれぞれの割合が25〜8
5重量%および15〜75重量%であるものである。
写性インク層は、着色材料とバインダー材料からなり、
前記バインダー材料中にエポキシ樹脂とフェノール樹脂
が合計25〜85重量%含有され、エポキシ樹脂とフェ
ノール樹脂の合計量に対するそれぞれの割合が25〜8
5重量%および15〜75重量%であるものである。
【0021】前記エポキシ樹脂としては次のものが挙げ
られる。
られる。
【0022】(1)グリシジルエーテル型 ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノー
ルFジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールAジ
グリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールAジグリ
シジルエーテル、ノボラックポリグリシジルエーテル、
グリセリントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリト
ールジグリシジルエーテル、テトラフェノールエタンテ
トラグリシジルエーテル、フルオレン系ポリグリシジル
エーテルなど (2)グリシジルエーテル・エステル型 p−オキシ安息香酸グリシジルエーテル・エステルなど (3)グリシジルエステル型 フタル酸ジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸
ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシ
ジルエステル、ダイマー酸ジグリシジルエステルなど (4)グリシジルアミン型 グリシジルアミン、トリグリシジルイソシアヌレートな
ど (5)線状脂肪酸エポキシ型 エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化大豆油など (6)脂環族エポキシ型 3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル
3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボキ
シレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル
3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートなど
ルFジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールAジ
グリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールAジグリ
シジルエーテル、ノボラックポリグリシジルエーテル、
グリセリントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリト
ールジグリシジルエーテル、テトラフェノールエタンテ
トラグリシジルエーテル、フルオレン系ポリグリシジル
エーテルなど (2)グリシジルエーテル・エステル型 p−オキシ安息香酸グリシジルエーテル・エステルなど (3)グリシジルエステル型 フタル酸ジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸
ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシ
ジルエステル、ダイマー酸ジグリシジルエステルなど (4)グリシジルアミン型 グリシジルアミン、トリグリシジルイソシアヌレートな
ど (5)線状脂肪酸エポキシ型 エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化大豆油など (6)脂環族エポキシ型 3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル
3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボキ
シレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル
3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートなど
【0023】前記エポキシ樹脂は単独でまたは2種以上
を混合して使用できる。インク層の転写性(インク層の
切れ)の点からは、前記グリシジルエーテル型のエポキ
シ樹脂が好適である。
を混合して使用できる。インク層の転写性(インク層の
切れ)の点からは、前記グリシジルエーテル型のエポキ
シ樹脂が好適である。
【0024】前記フェノール樹脂としては、フェノー
ル、m−クレゾール、p−アルキルフェノールなどのフ
ェノール類とホルムアルデヒドなどのアルデヒド類を付
加、縮合させてえられるレゾール型またはノボラック型
のフェノール樹脂がいずれも使用できる。これらフェノ
ール樹脂は単独でまたは2種以上を混合して使用でき
る。
ル、m−クレゾール、p−アルキルフェノールなどのフ
ェノール類とホルムアルデヒドなどのアルデヒド類を付
加、縮合させてえられるレゾール型またはノボラック型
のフェノール樹脂がいずれも使用できる。これらフェノ
ール樹脂は単独でまたは2種以上を混合して使用でき
る。
【0025】フェノール樹脂はバインダーであると共
に、インクの硬化時にはエポキシ樹脂の硬化剤として機
能するものである。
に、インクの硬化時にはエポキシ樹脂の硬化剤として機
能するものである。
【0026】前記エポキシ樹脂とフェノール樹脂の合計
量がバインダー材料の25〜85重量%を占めるのが好
ましい。エポキシ樹脂とフェノール樹脂の合計量が25
重量%未満ではインク層の転写性が劣り、また85重量
%を超えるとインク層が脆くなる傾向になり、模様紙上
の硬化前の図柄が擦られると崩れやすくなる。
量がバインダー材料の25〜85重量%を占めるのが好
ましい。エポキシ樹脂とフェノール樹脂の合計量が25
重量%未満ではインク層の転写性が劣り、また85重量
%を超えるとインク層が脆くなる傾向になり、模様紙上
の硬化前の図柄が擦られると崩れやすくなる。
【0027】またエポキシ樹脂とフェノール樹脂の合計
量に対するそれぞれの割合がエポキシ樹脂25〜85重
量%および15〜75重量%であるのが好ましい。エポ
キシ樹脂またはフェノール樹脂の割合が前記範囲外の場
合は、模様紙の熱処理工程でインクの硬化が不充分とな
り、第1回加熱圧縮成形時に図柄の崩れが発生する。
量に対するそれぞれの割合がエポキシ樹脂25〜85重
量%および15〜75重量%であるのが好ましい。エポ
キシ樹脂またはフェノール樹脂の割合が前記範囲外の場
合は、模様紙の熱処理工程でインクの硬化が不充分とな
り、第1回加熱圧縮成形時に図柄の崩れが発生する。
【0028】本発明において、エポキシ樹脂とフェノー
ル樹脂に加えて使用されるバインダー材料としては模様
紙用台紙へのインクの接着性、インクの皮膜強度向上、
含浸液の含浸性の点で、ブチラール樹脂および/または
ポリアミド樹脂が有用である。ブチラール樹脂および/
またはポリアミド樹脂を併用する場合は、バインダー材
料中に、エポキシ樹脂とフェノール樹脂の合計量を25
〜85重量%、ブチラール樹脂および/またはポリアミ
ド樹脂を15〜75重量%含有させるのが好ましい。ブ
チラール樹脂および/またはポリアミド樹脂の含有量が
前記範囲未満では、併用効果が充分でなく、一方前記範
囲より多いと、インク層の転写性が劣る。
ル樹脂に加えて使用されるバインダー材料としては模様
紙用台紙へのインクの接着性、インクの皮膜強度向上、
含浸液の含浸性の点で、ブチラール樹脂および/または
ポリアミド樹脂が有用である。ブチラール樹脂および/
またはポリアミド樹脂を併用する場合は、バインダー材
料中に、エポキシ樹脂とフェノール樹脂の合計量を25
〜85重量%、ブチラール樹脂および/またはポリアミ
ド樹脂を15〜75重量%含有させるのが好ましい。ブ
チラール樹脂および/またはポリアミド樹脂の含有量が
前記範囲未満では、併用効果が充分でなく、一方前記範
囲より多いと、インク層の転写性が劣る。
【0029】前記バインダー材料としてはその他、アク
リル系樹脂、オレフィン系共重合樹脂、ポリエステル系
樹脂、ポリウレタン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、セルロ
ース系樹脂、スチレン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、天然
ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、イソプレンゴムなど
の熱可塑性樹脂(エラストマーを含む)が使用でき、こ
れらの1種または2種以上で前記ブチラール樹脂および
/またはポリアミド樹脂の一部または全部を置き換える
ことができる。
リル系樹脂、オレフィン系共重合樹脂、ポリエステル系
樹脂、ポリウレタン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、セルロ
ース系樹脂、スチレン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、天然
ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、イソプレンゴムなど
の熱可塑性樹脂(エラストマーを含む)が使用でき、こ
れらの1種または2種以上で前記ブチラール樹脂および
/またはポリアミド樹脂の一部または全部を置き換える
ことができる。
【0030】前記バインダー材料を混合して使用する場
合は、該混合系の軟化点が60〜120℃の範囲に入る
ことが好ましい。軟化点が60℃未満では基材へのイン
ク塗布後にロール状とした場合にブロッキングが生じ、
使用しにくくなる。一方軟化点が120℃を超えると感
熱転写プリンタの印加エネルギーではインクが熱転写し
にくくなり、良好な図柄を有する模様紙を作製すること
が困難になる。
合は、該混合系の軟化点が60〜120℃の範囲に入る
ことが好ましい。軟化点が60℃未満では基材へのイン
ク塗布後にロール状とした場合にブロッキングが生じ、
使用しにくくなる。一方軟化点が120℃を超えると感
熱転写プリンタの印加エネルギーではインクが熱転写し
にくくなり、良好な図柄を有する模様紙を作製すること
が困難になる。
【0031】前記着色材料としては、従来の感熱転写記
録材料に用いられているカーボンブラックをはじめアゾ
系顔料、フタロシアニン系顔料、ニトロ系顔料、ニトロ
ソ系顔料、アントラキノン系顔料、ニグロシン系顔料、
キナクリドン系顔料、ペリレン系顔料、イソインドリノ
ン系顔料、ジオキサジン系顔料、チタンホワイト、炭酸
カルシウム、硫酸バリウム等の各種有機顔料、無機顔
料、アルミニウム等の金属粉末が使用できる。インク層
中における着色材料の含有量は5〜60重量%の範囲が
適当である。したがってインク層中におけるバインダー
材料の含有量は40〜95重量%が好ましい。着色材料
の含有量が5重量%未満では図柄の着色濃度が低く、一
方60重量%を超えるとインク層の転写性が劣り、良好
な図柄を有する模様紙を作製することが困難になる。
録材料に用いられているカーボンブラックをはじめアゾ
系顔料、フタロシアニン系顔料、ニトロ系顔料、ニトロ
ソ系顔料、アントラキノン系顔料、ニグロシン系顔料、
キナクリドン系顔料、ペリレン系顔料、イソインドリノ
ン系顔料、ジオキサジン系顔料、チタンホワイト、炭酸
カルシウム、硫酸バリウム等の各種有機顔料、無機顔
料、アルミニウム等の金属粉末が使用できる。インク層
中における着色材料の含有量は5〜60重量%の範囲が
適当である。したがってインク層中におけるバインダー
材料の含有量は40〜95重量%が好ましい。着色材料
の含有量が5重量%未満では図柄の着色濃度が低く、一
方60重量%を超えるとインク層の転写性が劣り、良好
な図柄を有する模様紙を作製することが困難になる。
【0032】本発明におけるインク層には前記成分の他
に、必要に応じて、分散剤、三フッ化ホウ素アミン系触
媒等の硬化触媒等の添加剤を適宜配合することができ
る。
に、必要に応じて、分散剤、三フッ化ホウ素アミン系触
媒等の硬化触媒等の添加剤を適宜配合することができ
る。
【0033】これらバインダー材料、着色材料および必
要に応じてその他の添加剤を適宜の溶剤に溶解、分散さ
せて塗工液を調製し、基材上に塗布し、乾燥することに
よって感熱転写性インク層を形成することができる。
要に応じてその他の添加剤を適宜の溶剤に溶解、分散さ
せて塗工液を調製し、基材上に塗布し、乾燥することに
よって感熱転写性インク層を形成することができる。
【0034】インク層の厚さは含浸液の模様紙への含浸
性、図柄と基体との密着性、耐煮沸性等の点から、0.
5〜3μmが適当である。
性、図柄と基体との密着性、耐煮沸性等の点から、0.
5〜3μmが適当である。
【0035】前記基材としては、ポリエチレンテレフタ
レートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィル
ム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリアリレー
トフィルムなどのポリエステルフィルム、ポリカーボネ
ートフィルム、ポリアミドフィルム、アラミドフィル
ム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリスルホンフィ
ルム、ポリフェニレンスルフィドフィルム、ポリエーテ
ルエーテルケトンフィルム、ポリエーテルイミドフィル
ム、変性ポリフェニレンエーテルフィルム、ポリアセタ
ールフィルム、その他この種のインクリボンの基材用フ
ィルムとして一般に使用されている各種プラスチックフ
ィルムが使用できる。また、コンデンサーペーパーのよ
うな高密度の薄い紙も使用できる。基材の厚さは通常1
〜10μm程度であり、熱拡散を小さくして解像度を高
める点から1〜6μmの範囲が好ましい。
レートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィル
ム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリアリレー
トフィルムなどのポリエステルフィルム、ポリカーボネ
ートフィルム、ポリアミドフィルム、アラミドフィル
ム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリスルホンフィ
ルム、ポリフェニレンスルフィドフィルム、ポリエーテ
ルエーテルケトンフィルム、ポリエーテルイミドフィル
ム、変性ポリフェニレンエーテルフィルム、ポリアセタ
ールフィルム、その他この種のインクリボンの基材用フ
ィルムとして一般に使用されている各種プラスチックフ
ィルムが使用できる。また、コンデンサーペーパーのよ
うな高密度の薄い紙も使用できる。基材の厚さは通常1
〜10μm程度であり、熱拡散を小さくして解像度を高
める点から1〜6μmの範囲が好ましい。
【0036】感熱転写記録材料を感熱転写プリンタに用
いる場合は、基材の表面(インク層と反対側のサーマル
ヘッドと摺接する面)にスティック防止層を設けるのが
好ましい。
いる場合は、基材の表面(インク層と反対側のサーマル
ヘッドと摺接する面)にスティック防止層を設けるのが
好ましい。
【0037】本発明においては転写性向上の目的のため
に、基材と感熱転写性インク層との間に感熱離型層を設
けてもよい。
に、基材と感熱転写性インク層との間に感熱離型層を設
けてもよい。
【0038】感熱離型層の材料としては従来から用いら
れているワックス類を主体とするものが好ましく、含浸
液の模様紙への含浸性、図柄と基体との密着性、耐煮沸
性等の点から、該感熱離型層の厚さは1μm以下が好ま
しい。
れているワックス類を主体とするものが好ましく、含浸
液の模様紙への含浸性、図柄と基体との密着性、耐煮沸
性等の点から、該感熱離型層の厚さは1μm以下が好ま
しい。
【0039】前記のごとき感熱転写記録材料と熱的印像
形成手段を用いて樹脂含浸性の被転写体(模様紙用台
紙)に図柄を形成して模様紙を作製する。模様紙用台紙
としては、当該分野で使用されている、チタン紙、オー
バーレイ紙等がいずれも使用可能である。
形成手段を用いて樹脂含浸性の被転写体(模様紙用台
紙)に図柄を形成して模様紙を作製する。模様紙用台紙
としては、当該分野で使用されている、チタン紙、オー
バーレイ紙等がいずれも使用可能である。
【0040】前記熱的印像形成手段としては、サーマル
ヘッドを備えた感熱転写プリンタが好適に使用される
が、熱ペン、アイロンなど各種のものが使用できる。ま
た本発明で図柄とは、文字、記号、図柄、模様、微細パ
ターンなどのすべてを含む概念である。
ヘッドを備えた感熱転写プリンタが好適に使用される
が、熱ペン、アイロンなど各種のものが使用できる。ま
た本発明で図柄とは、文字、記号、図柄、模様、微細パ
ターンなどのすべてを含む概念である。
【0041】つぎに、模様紙に熱処理を施してインクか
らなる図柄を硬化せしめる。本発明においては、模様紙
に含浸液を含浸させる前に熱処理を施して図柄のインク
を硬化せしめることによって、第1回加熱圧縮成形時に
インクが軟化せず、そのため図柄の崩れが防止できる。
熱処理は120℃以下の温度で行うのが好ましい。熱処
理の温度が120℃を超えると、模様紙用台紙が黄変
し、製品の仕上り品質が劣化するので好ましくない。熱
処理温度の下限値はインク中のエポキシ樹脂とフェノー
ル樹脂の硬化反応が充分な速度で起る温度であればよ
く、通常は100℃程度が好ましい。
らなる図柄を硬化せしめる。本発明においては、模様紙
に含浸液を含浸させる前に熱処理を施して図柄のインク
を硬化せしめることによって、第1回加熱圧縮成形時に
インクが軟化せず、そのため図柄の崩れが防止できる。
熱処理は120℃以下の温度で行うのが好ましい。熱処
理の温度が120℃を超えると、模様紙用台紙が黄変
し、製品の仕上り品質が劣化するので好ましくない。熱
処理温度の下限値はインク中のエポキシ樹脂とフェノー
ル樹脂の硬化反応が充分な速度で起る温度であればよ
く、通常は100℃程度が好ましい。
【0042】エポキシ樹脂の潜在性硬化触媒として三フ
ッ化ホウ素アミン系触媒などが知られているが、このよ
うな硬化触媒だけでエポキシ樹脂を硬化させる場合、1
50℃以上に加熱する必要があり、模様紙用台紙の黄変
を招来するので好ましくない。
ッ化ホウ素アミン系触媒などが知られているが、このよ
うな硬化触媒だけでエポキシ樹脂を硬化させる場合、1
50℃以上に加熱する必要があり、模様紙用台紙の黄変
を招来するので好ましくない。
【0043】本発明で使用するエポキシ樹脂/フェノー
ル樹脂の硬化系では、常温付近では実質的に硬化反応が
起らず、100〜120℃の温度範囲で大きな速度で硬
化反応が起るので好ましい。なお、本発明で使用するエ
ポキシ樹脂/フェノール樹脂の硬化系に三フッ化ホウ素
アミン系触媒を併用してもよい。
ル樹脂の硬化系では、常温付近では実質的に硬化反応が
起らず、100〜120℃の温度範囲で大きな速度で硬
化反応が起るので好ましい。なお、本発明で使用するエ
ポキシ樹脂/フェノール樹脂の硬化系に三フッ化ホウ素
アミン系触媒を併用してもよい。
【0044】前記の点から、本発明における熱処理は1
00〜120℃の温度で1〜6時間行うのが好ましい。
00〜120℃の温度で1〜6時間行うのが好ましい。
【0045】熱処理の終了した前記模様紙を含浸液に浸
して充分含浸した後に引き上げ乾燥させ、フォイルを作
製する。
して充分含浸した後に引き上げ乾燥させ、フォイルを作
製する。
【0046】含浸液に使用する熱硬化性樹脂としては特
に限定するものではないが、密着性の点から化粧板、成
形品に用いられている熱硬化性樹脂と同種を用いるのが
好ましく、たとえばメラミン樹脂、変性メラミン樹脂、
ユリア樹脂、変性ユリア樹脂、フェノール樹脂などが使
用できる。
に限定するものではないが、密着性の点から化粧板、成
形品に用いられている熱硬化性樹脂と同種を用いるのが
好ましく、たとえばメラミン樹脂、変性メラミン樹脂、
ユリア樹脂、変性ユリア樹脂、フェノール樹脂などが使
用できる。
【0047】このようにして作製したフォイルを化粧
品、成形品の基体表面に配置し、所定の温度および時間
で第1回加熱圧縮成形することにより絵付けできる。前
記基体としては、加熱圧縮成形により図柄を一体成形し
うるものであれば、いずれも使用できる。化粧板の基体
としては、合板に熱硬化性樹脂を含浸させたものがあげ
られ、成形品の基体としては熱硬化性樹脂の各種成形品
があげられる。
品、成形品の基体表面に配置し、所定の温度および時間
で第1回加熱圧縮成形することにより絵付けできる。前
記基体としては、加熱圧縮成形により図柄を一体成形し
うるものであれば、いずれも使用できる。化粧板の基体
としては、合板に熱硬化性樹脂を含浸させたものがあげ
られ、成形品の基体としては熱硬化性樹脂の各種成形品
があげられる。
【0048】本発明においては、必要に応じて、第1回
加熱圧縮成形の終了した化粧板または成形品の表面にグ
レーズ材料を振り掛け、第2回加熱圧縮成形を行い、グ
レーズ層を形成する。グレーズ材料としては、含浸液に
使用する熱硬化性樹脂と同様なものが粉末状態で使用で
きる。本発明においては、インク層のバインダー材料と
して、エポキシ樹脂とフェノール樹脂を併用することに
より、図柄とグレーズ材料の反応性が良好であるため、
グレーズ剥離が発生しないという特徴がある。
加熱圧縮成形の終了した化粧板または成形品の表面にグ
レーズ材料を振り掛け、第2回加熱圧縮成形を行い、グ
レーズ層を形成する。グレーズ材料としては、含浸液に
使用する熱硬化性樹脂と同様なものが粉末状態で使用で
きる。本発明においては、インク層のバインダー材料と
して、エポキシ樹脂とフェノール樹脂を併用することに
より、図柄とグレーズ材料の反応性が良好であるため、
グレーズ剥離が発生しないという特徴がある。
【0049】本発明において使用するチタン紙、オーバ
ーレイ紙などの模様紙用台紙は一般に表面平滑性が良好
でないので、前記感熱転写記録材料を用い、感熱転写プ
リンタでインク層を選択転写してインクの図柄を模様紙
用台紙上に形成する場合に、鮮明な図柄がえられない場
合がある。
ーレイ紙などの模様紙用台紙は一般に表面平滑性が良好
でないので、前記感熱転写記録材料を用い、感熱転写プ
リンタでインク層を選択転写してインクの図柄を模様紙
用台紙上に形成する場合に、鮮明な図柄がえられない場
合がある。
【0050】このような場合には、つぎに述べる2段階
転写方法により模様紙用台紙上に図柄を形成するのが好
ましい。
転写方法により模様紙用台紙上に図柄を形成するのが好
ましい。
【0051】前記2段階転写方法を図面を参照して説明
する。
する。
【0052】図1〜図5は2段階転写方法を工程順に示
す概略断面図である。
す概略断面図である。
【0053】図1〜2は2段階転写方法の第1工程を示
し、1は感熱転写記録材料であり、熱転写記録材料1
は、基材2上に感熱転写性インク層3が設けられた構成
のものである。10は少なくとも一方の表面が水溶性ま
たは水膨潤性の物質で構成されているシート状仮被転写
体である。図示の実施例では該仮被転写体10は透水性
基材11の片面上に水溶性または水膨潤性の物質の層
(以下、単に水溶性物質層という場合がある)12が設
けられた構成のものである。図1に示すごとく、感熱転
写プリンタなどの熱的印像形成手段で感熱転写記録材料
1の感熱転写性インク層2をシート状仮被転写体10の
水溶性物質層12上に選択的に転写して、図2に示すご
とくインクの図柄Aを形成する。
し、1は感熱転写記録材料であり、熱転写記録材料1
は、基材2上に感熱転写性インク層3が設けられた構成
のものである。10は少なくとも一方の表面が水溶性ま
たは水膨潤性の物質で構成されているシート状仮被転写
体である。図示の実施例では該仮被転写体10は透水性
基材11の片面上に水溶性または水膨潤性の物質の層
(以下、単に水溶性物質層という場合がある)12が設
けられた構成のものである。図1に示すごとく、感熱転
写プリンタなどの熱的印像形成手段で感熱転写記録材料
1の感熱転写性インク層2をシート状仮被転写体10の
水溶性物質層12上に選択的に転写して、図2に示すご
とくインクの図柄Aを形成する。
【0054】図3は第2工程を示し、シート状仮被転写
体10の図柄Aが形成された側に樹脂含浸性のシート状
被転写体20を重ね、熱プレスなどで熱と圧力を作用さ
せて、仮被転写体10の図柄Aを被転写体(模様紙用台
紙)20に熱接着せしめ、仮被転写体10と被転写体2
0が図柄Aを介して接着された一体化物をうる。
体10の図柄Aが形成された側に樹脂含浸性のシート状
被転写体20を重ね、熱プレスなどで熱と圧力を作用さ
せて、仮被転写体10の図柄Aを被転写体(模様紙用台
紙)20に熱接着せしめ、仮被転写体10と被転写体2
0が図柄Aを介して接着された一体化物をうる。
【0055】図4は第3工程を示し、前記仮被転写体1
0と被転写体20の一体化物を水中Bに浸漬し、仮被転
写体10の水溶性物質層12を溶解または膨潤させるこ
とによって、仮被転写体10と図柄Aを有する被転写体
20とを分離する。
0と被転写体20の一体化物を水中Bに浸漬し、仮被転
写体10の水溶性物質層12を溶解または膨潤させるこ
とによって、仮被転写体10と図柄Aを有する被転写体
20とを分離する。
【0056】図柄Aを有する被転写体20を水中から出
し、乾燥することによって、図5に示される図柄Aを有
する模様紙30がえられる。
し、乾燥することによって、図5に示される図柄Aを有
する模様紙30がえられる。
【0057】前記2段階転写方法によるときは、つぎの
作用効果が奏される。
作用効果が奏される。
【0058】第1工程に用いる仮被転写体10として
は、可撓性の良好なシート状物であって、しかも水溶性
物質層12の表面の平滑なものが容易にえられるから、
通常の感熱転写プリンタを用いて、この仮被転写体10
の水溶性物質層12の表面に鮮明な図柄を形成すること
ができる。
は、可撓性の良好なシート状物であって、しかも水溶性
物質層12の表面の平滑なものが容易にえられるから、
通常の感熱転写プリンタを用いて、この仮被転写体10
の水溶性物質層12の表面に鮮明な図柄を形成すること
ができる。
【0059】第2工程において、図柄を有する仮被転写
体10と被転写体20とを重ね、熱プレスなどにより熱
と圧力を作用させることにより、仮被転写体10上の印
像を確実に被転写体に熱接着せしめ、ついで第3工程に
おいて、仮被転写体10と被転写体20の一体化物を水
中に浸漬し、水溶性物質層12を溶解または膨潤させる
ことによって、仮被転写体10上の鮮明な図柄をそのま
ま確実に被転写体20上に転写することができる。
体10と被転写体20とを重ね、熱プレスなどにより熱
と圧力を作用させることにより、仮被転写体10上の印
像を確実に被転写体に熱接着せしめ、ついで第3工程に
おいて、仮被転写体10と被転写体20の一体化物を水
中に浸漬し、水溶性物質層12を溶解または膨潤させる
ことによって、仮被転写体10上の鮮明な図柄をそのま
ま確実に被転写体20上に転写することができる。
【0060】2段階転写方法は、このように、仮被転写
体10の平滑な水溶性物質層12上に一旦鮮明な図柄を
形成し、ついでこれを熱プレスなどの手段により被転写
体に熱接着し、その後水溶性物質層12を溶解または膨
潤させることによって、仮被転写体10上の鮮明な図柄
をそのまま確実に被転写体20上に転写させる方法であ
るため、被転写体20の表面平滑性等に左右されずに、
被転写体20上に鮮明な転写図柄をうることができる。
体10の平滑な水溶性物質層12上に一旦鮮明な図柄を
形成し、ついでこれを熱プレスなどの手段により被転写
体に熱接着し、その後水溶性物質層12を溶解または膨
潤させることによって、仮被転写体10上の鮮明な図柄
をそのまま確実に被転写体20上に転写させる方法であ
るため、被転写体20の表面平滑性等に左右されずに、
被転写体20上に鮮明な転写図柄をうることができる。
【0061】とくに被転写体20として繊維質シート状
物などを用いる場合は、仮被転写体10上の図柄を前記
熱プレスなどにより熱と圧力を作用させて繊維質シート
状物に熱接着させる際に、図柄のインクが繊維質シート
状物に浸透するため、図柄の繊維質シート状物への転写
がより確実に行なえるという効果が奏される。
物などを用いる場合は、仮被転写体10上の図柄を前記
熱プレスなどにより熱と圧力を作用させて繊維質シート
状物に熱接着させる際に、図柄のインクが繊維質シート
状物に浸透するため、図柄の繊維質シート状物への転写
がより確実に行なえるという効果が奏される。
【0062】2段階転写方法においては、模様紙用台紙
として、従来のチタン紙、オーバーレイ紙に限らず、広
く繊維質または多孔質のシート状物を使用できる。
として、従来のチタン紙、オーバーレイ紙に限らず、広
く繊維質または多孔質のシート状物を使用できる。
【0063】このような繊維質または多孔質のシート状
物としては、紙、合成紙、有機繊維または無機繊維の織
布、不織布、多孔質フイルター材料(濾過用などに使用
されているもの)など可撓性のあるものがあげられる。
さらにセラミックスシート(セラミックス粉末とバイン
ダー樹脂との混合物のシート状物で、セラミックス紙と
も称されている。未焼成のグリーンシートと焼成シート
がある)などがあげられる。また繊維質または多孔質の
シート状物は緻密な組織の可撓性シート状物を積層した
ものであってもよい。
物としては、紙、合成紙、有機繊維または無機繊維の織
布、不織布、多孔質フイルター材料(濾過用などに使用
されているもの)など可撓性のあるものがあげられる。
さらにセラミックスシート(セラミックス粉末とバイン
ダー樹脂との混合物のシート状物で、セラミックス紙と
も称されている。未焼成のグリーンシートと焼成シート
がある)などがあげられる。また繊維質または多孔質の
シート状物は緻密な組織の可撓性シート状物を積層した
ものであってもよい。
【0064】従来より使用されているオーバーレイ紙や
チタン紙などを使用する場合は従来技術におけるよりも
より鮮明な図柄を形成できる。
チタン紙などを使用する場合は従来技術におけるよりも
より鮮明な図柄を形成できる。
【0065】2段階転写方法に用いる仮被転写体は、少
なくとも一方の表面が水溶性または水膨潤性の物質で構
成されている可撓性シート状物である。
なくとも一方の表面が水溶性または水膨潤性の物質で構
成されている可撓性シート状物である。
【0066】前記仮被転写体は、通常透水性基材の片面
上に、水溶性または水膨潤性物質の層(水溶性物質層)
を設けた構成のものである。
上に、水溶性または水膨潤性物質の層(水溶性物質層)
を設けた構成のものである。
【0067】前記水溶性または水膨潤性物質の好適な具
体例としては、たとえばポリビニルアルコールをはじ
め、デキストリン、ゼラチン、にかわ、カゼイン、セラ
ック、アラビアゴム、でん粉、蛋白、ポリアクリル酸ア
ミド、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルメチルエーテ
ル、メチルビニルエーテルと無水マレイン酸の共重合
体、酢酸ビニルとイタコン酸の共重合体、ポリビニルピ
ロリドン、あるいはカルボキシメチルセルロース、メチ
ルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセル
ロース誘導体、アルギン酸ソーダなどの1種または2種
以上が使用できる。
体例としては、たとえばポリビニルアルコールをはじ
め、デキストリン、ゼラチン、にかわ、カゼイン、セラ
ック、アラビアゴム、でん粉、蛋白、ポリアクリル酸ア
ミド、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルメチルエーテ
ル、メチルビニルエーテルと無水マレイン酸の共重合
体、酢酸ビニルとイタコン酸の共重合体、ポリビニルピ
ロリドン、あるいはカルボキシメチルセルロース、メチ
ルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセル
ロース誘導体、アルギン酸ソーダなどの1種または2種
以上が使用できる。
【0068】水溶性物質層の厚さは、図柄の剥離性など
の点から、0.1〜50μm程度、なかんづく1〜20
μm程度が適当である。
の点から、0.1〜50μm程度、なかんづく1〜20
μm程度が適当である。
【0069】前記透水性基材としては繊維質シートまた
は多孔質シートがあげられ、繊維質シートとしては、た
とえば紙類、布類などが、多孔質シートとしては、たと
えばミリポア(商品名)、ニュークリポア(商品名)な
どの濾過用フイルターに用いられるシート状多孔質プラ
スチック材などがあげられる。透水性基材の厚さは、一
般の感熱転写プリンタで印像を形成するのが容易である
点、取扱いが容易である点などから、10〜200μm
程度、なかんづく25〜100μm程度が適当である。
は多孔質シートがあげられ、繊維質シートとしては、た
とえば紙類、布類などが、多孔質シートとしては、たと
えばミリポア(商品名)、ニュークリポア(商品名)な
どの濾過用フイルターに用いられるシート状多孔質プラ
スチック材などがあげられる。透水性基材の厚さは、一
般の感熱転写プリンタで印像を形成するのが容易である
点、取扱いが容易である点などから、10〜200μm
程度、なかんづく25〜100μm程度が適当である。
【0070】なお、仮被転写体全体を前記水溶性または
水膨潤性物質で構成してもよい。
水膨潤性物質で構成してもよい。
【0071】第1工程においては、前記感熱転写記録材
料と仮被転写体を使用し、前述した熱的印像形成手段に
より感熱転写記録材料の感熱転写性インク層を選択的に
熱転写して前記仮被転写体の水溶性物質層上に図柄を形
成する。なお、仮被転写体上に形成される図柄は鏡像で
ある。
料と仮被転写体を使用し、前述した熱的印像形成手段に
より感熱転写記録材料の感熱転写性インク層を選択的に
熱転写して前記仮被転写体の水溶性物質層上に図柄を形
成する。なお、仮被転写体上に形成される図柄は鏡像で
ある。
【0072】第2工程においては、第1工程でえられた
図柄を有する仮被転写体を被転写体(模様紙用台紙)と
重ね、熱と圧力の作用により仮被転写体上の印像を被転
写体に熱接着せしめ、仮被転写体と被転写体とを一体化
せしめる。
図柄を有する仮被転写体を被転写体(模様紙用台紙)と
重ね、熱と圧力の作用により仮被転写体上の印像を被転
写体に熱接着せしめ、仮被転写体と被転写体とを一体化
せしめる。
【0073】前記熱と圧力を作用せしめる手段として
は、熱プレス機、加熱加圧ローラー、アイロンなどがあ
げられる。
は、熱プレス機、加熱加圧ローラー、アイロンなどがあ
げられる。
【0074】熱接着時の加熱温度としては60〜300
℃、なかんづく100〜200℃程度、圧力としては1
〜50kg/cm2、なかんづく3〜30kg/cm2程
度が適当である。被転写体が繊維質または多孔質シート
状物である場合、このような処理条件で印像のインクを
充分に浸透せしめることができる。
℃、なかんづく100〜200℃程度、圧力としては1
〜50kg/cm2、なかんづく3〜30kg/cm2程
度が適当である。被転写体が繊維質または多孔質シート
状物である場合、このような処理条件で印像のインクを
充分に浸透せしめることができる。
【0075】第3工程においては、前記仮被転写体と被
転写体との一体化物を水中に浸漬せしめ、仮被転写体上
の水溶性または水膨潤性の物質を溶解または膨潤せしめ
て、仮被転写体と図柄を有する被転写体とを分離する。
転写体との一体化物を水中に浸漬せしめ、仮被転写体上
の水溶性または水膨潤性の物質を溶解または膨潤せしめ
て、仮被転写体と図柄を有する被転写体とを分離する。
【0076】前記浸漬処理は、通常常温で行なえばよい
が、水溶性または水膨潤性物質の溶解または膨潤が遅い
場合は加熱してもよい。また水に、アルコールなどの水
混和性溶剤を加えたものを使用してもよい。
が、水溶性または水膨潤性物質の溶解または膨潤が遅い
場合は加熱してもよい。また水に、アルコールなどの水
混和性溶剤を加えたものを使用してもよい。
【0077】第3工程でえられた図柄(この段階では正
像となる)を有する被転写体を乾燥し、模様紙をうる。
像となる)を有する被転写体を乾燥し、模様紙をうる。
【0078】その後前述したように、前記転写図柄を有
する模様紙を含浸液に浸して充分含浸した後に引き上げ
乾燥させてフォイルを作製し、熱硬化性樹脂化粧板また
は熱硬化性樹脂成形品の絵付けに使用する。
する模様紙を含浸液に浸して充分含浸した後に引き上げ
乾燥させてフォイルを作製し、熱硬化性樹脂化粧板また
は熱硬化性樹脂成形品の絵付けに使用する。
【0079】本発明において、マルチカラーないしフル
カラーの転写図柄を所望する場合は、被転写体上にマル
チカラーないしフルカラーの図柄を形成する。マルチカ
ラーないしフルカラーの図柄を形成するには、イエロー
の感熱転写性インク層、マゼンタの感熱転写性インク層
およびシアンの感熱転写性インク層、要すればさらにブ
ラックの感熱転写性インク層を別々の基材上に設けた感
熱転写記録材料、またはこれらの感熱転写性インク層を
同一の基材上に並べて設けた感熱転写記録材料を用い、
インクの重ね合せによる減法混色を利用して、所望のマ
ルチないしフルカラー像を形成する。2段階転写方法に
よるときは仮被転写体上にマルチカラーないしフルカラ
ーの図柄を形成し、それを被転写体上に転写する。
カラーの転写図柄を所望する場合は、被転写体上にマル
チカラーないしフルカラーの図柄を形成する。マルチカ
ラーないしフルカラーの図柄を形成するには、イエロー
の感熱転写性インク層、マゼンタの感熱転写性インク層
およびシアンの感熱転写性インク層、要すればさらにブ
ラックの感熱転写性インク層を別々の基材上に設けた感
熱転写記録材料、またはこれらの感熱転写性インク層を
同一の基材上に並べて設けた感熱転写記録材料を用い、
インクの重ね合せによる減法混色を利用して、所望のマ
ルチないしフルカラー像を形成する。2段階転写方法に
よるときは仮被転写体上にマルチカラーないしフルカラ
ーの図柄を形成し、それを被転写体上に転写する。
【0080】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を具体的に説明す
る。
る。
【0081】実施例1〜7および比較例1〜6 厚さ4.5μmのポリエチレンテレフタレートフィルム
の片面にシリコーン樹脂からなる厚さ0.3μmのステ
ィック防止層を設けたものを基材として用いた。
の片面にシリコーン樹脂からなる厚さ0.3μmのステ
ィック防止層を設けたものを基材として用いた。
【0082】次に前記基材の表面(スティック防止層を
設けた側と反対の表面をいう、以下同様)上に表1に示
される処方の感熱転写性インク層を形成した。
設けた側と反対の表面をいう、以下同様)上に表1に示
される処方の感熱転写性インク層を形成した。
【0083】表1に示される組成の感熱転写性インク層
用の塗工液は、表1記載のバインダー成分をメチルエチ
ルケトン、トルエンおよびイソプロピルアルコールの混
合溶剤に溶解し、これに着色材料としてマゼンタ色であ
るキナクリドン系顔料を投入し、均一に混合分散して調
製した。この塗工液を前記基材の表面上にバーコーター
にて塗布し、乾燥して、厚さが1μmのインク層を形成
し、感熱転写記録材料を作製した。
用の塗工液は、表1記載のバインダー成分をメチルエチ
ルケトン、トルエンおよびイソプロピルアルコールの混
合溶剤に溶解し、これに着色材料としてマゼンタ色であ
るキナクリドン系顔料を投入し、均一に混合分散して調
製した。この塗工液を前記基材の表面上にバーコーター
にて塗布し、乾燥して、厚さが1μmのインク層を形成
し、感熱転写記録材料を作製した。
【0084】このようにして作製した感熱転写記録材料
を用い、つぎの工程からなる2段階転写方法でメラミン
食器用オーバーレイ紙上に図柄を形成し、模様紙を作製
した。
を用い、つぎの工程からなる2段階転写方法でメラミン
食器用オーバーレイ紙上に図柄を形成し、模様紙を作製
した。
【0085】[第1工程]前記感熱転写記録材料を用
い、(株)テック製バーコードプリンタB−30で、仮
被転写体(厚さ150μmの紙の片面に厚さ2μmの合
成糊のコーティング層を形成したもの)の合成糊層上に
図柄(鏡像)を形成した。
い、(株)テック製バーコードプリンタB−30で、仮
被転写体(厚さ150μmの紙の片面に厚さ2μmの合
成糊のコーティング層を形成したもの)の合成糊層上に
図柄(鏡像)を形成した。
【0086】[第2工程]第1工程で図柄を作成した仮
被転写体の図柄側にメラミン食器用オーバーレイ紙(厚
さ90μm、ベック平滑度10秒)を重ね合せ、小型ホ
ットプレス機にて温度200℃、圧力10kg/c
m2、1分間の条件で加熱加圧して、仮被転写体上の図
柄をオーバーレイ紙に熱接着させた。
被転写体の図柄側にメラミン食器用オーバーレイ紙(厚
さ90μm、ベック平滑度10秒)を重ね合せ、小型ホ
ットプレス機にて温度200℃、圧力10kg/c
m2、1分間の条件で加熱加圧して、仮被転写体上の図
柄をオーバーレイ紙に熱接着させた。
【0087】[第3工程]第2工程でえられた仮被転写
体とオーバーレイ紙の一体化物を水中に浸漬して合成糊
層を溶解させ、両者を自然剥離させることによって、図
柄(正像)を有するオーバーレイ紙をえ、このオーバー
レイ紙を60℃で1時間乾燥させて模様紙をえた。
体とオーバーレイ紙の一体化物を水中に浸漬して合成糊
層を溶解させ、両者を自然剥離させることによって、図
柄(正像)を有するオーバーレイ紙をえ、このオーバー
レイ紙を60℃で1時間乾燥させて模様紙をえた。
【0088】えられた模様紙の図柄について転写性およ
び接着性をつぎのようにして評価した。
び接着性をつぎのようにして評価した。
【0089】<転写性の評価>オーバーレイ紙上に形成
された図柄について元の図柄の面積(バーコードプリン
タで転写されるべき図柄の面積)に対する未転写部分の
面積を求め、つぎの基準で評価した。
された図柄について元の図柄の面積(バーコードプリン
タで転写されるべき図柄の面積)に対する未転写部分の
面積を求め、つぎの基準で評価した。
【0090】評点5・・・未転写部分の面積<1% 評点4・・・1%≦未転写部分の面積<10%未満 評点3・・・10%≦未転写部分の面積<20%未満 評点2・・・20%≦未転写部分の面積<30%未満 評点1・・・30%≦未転写部分の面積
【0091】<接着性の評価>図柄のオーバーレイ紙と
の接着性を、図柄のベタ部を綿棒で10回擦り、ボイド
(未接着部分)の発生具合を調べ、つぎの基準で評価し
た。
の接着性を、図柄のベタ部を綿棒で10回擦り、ボイド
(未接着部分)の発生具合を調べ、つぎの基準で評価し
た。
【0092】 評点5・・・ベタ部のボイドの面積率<5% 評点4・・・5%≦ベタ部のボイドの面積率<15% 評点3・・・15%≦ベタ部のボイドの面積率<30% 評点2・・・30%≦ベタ部のボイドの面積率<50% 評点1・・・50%≦ベタ部のボイドの面積率
【0093】つぎに前記模様紙を120℃×3時間の条
件で熱処理した。ただし、比較例6では150℃×3時
間の条件で熱処理した。熱処理によるオーバーレイ紙の
黄変の有無を調べた。
件で熱処理した。ただし、比較例6では150℃×3時
間の条件で熱処理した。熱処理によるオーバーレイ紙の
黄変の有無を調べた。
【0094】熱処理した模様紙をメラミン樹脂水溶液
(日本カーバイト工業(株)製、メチロールメラミン樹
脂50重量%、水50重量%からなるもの)中に浸し、
模様紙に充分含浸させ、その後約60℃で乾燥してフォ
イルを作製した。
(日本カーバイト工業(株)製、メチロールメラミン樹
脂50重量%、水50重量%からなるもの)中に浸し、
模様紙に充分含浸させ、その後約60℃で乾燥してフォ
イルを作製した。
【0095】前記フォイルを圧縮成形用金型内に置かれ
ているメラミン樹脂製成形品(食器)の表面に配置し
(フォイルの台紙側を成形品表面に積層)、温度170
℃、40秒の条件で第1回加熱圧縮成形を行い、ついで
この上にメチロールメラミン樹脂の粉末を約300g/
m2の割合で振り掛け、温度170℃、40秒の条件で
第2回加熱圧縮成形を行い、絵付け成形品を得た。
ているメラミン樹脂製成形品(食器)の表面に配置し
(フォイルの台紙側を成形品表面に積層)、温度170
℃、40秒の条件で第1回加熱圧縮成形を行い、ついで
この上にメチロールメラミン樹脂の粉末を約300g/
m2の割合で振り掛け、温度170℃、40秒の条件で
第2回加熱圧縮成形を行い、絵付け成形品を得た。
【0096】絵付け成形品の評価は次の三段階で実施し
た。
た。
【0097】<図柄の崩れ>第1回加熱圧縮成形後にお
ける図柄端面よりインクが流れ出している距離を測定す
ることにより、第1回加熱圧縮成形における図柄の崩れ
具合いを評価した。評価基準は次のように設定した。
ける図柄端面よりインクが流れ出している距離を測定す
ることにより、第1回加熱圧縮成形における図柄の崩れ
具合いを評価した。評価基準は次のように設定した。
【0098】 評点5・・・インクが流れている距離<0.1mm 評点4・・・0.1mm≦インクが流れている距離<
0.3mm 評点3・・・0.3mm≦インクが流れている距離<
0.5mm 評点2・・・0.5mm≦インクが流れている距離<
1.0mm 評点1・・・1.0mm≦インクが流れている距離
0.3mm 評点3・・・0.3mm≦インクが流れている距離<
0.5mm 評点2・・・0.5mm≦インクが流れている距離<
1.0mm 評点1・・・1.0mm≦インクが流れている距離
【0099】<グレーズ剥離>第2回加熱圧縮成形後
のグレーズ剥離の発生の有無を調べた。
のグレーズ剥離の発生の有無を調べた。
【0100】<グレーズ剥離>連続煮沸16時間後の
グレーズ剥離の発生の有無を調べた。
グレーズ剥離の発生の有無を調べた。
【0101】実施例1〜7および比較例1〜6の評価結
果を表1にまとめて示す。
果を表1にまとめて示す。
【0102】
【表1】
【0103】表1の結果から明らかなように、実施例1
〜7では、オーバーレイ紙へのインクの転写性、接着性
が良好で、また熱処理によるオーバーレイ紙の黄変が起
らず、さらに第1回加熱圧縮成形時に図柄の崩れが生じ
ず、第2回加熱圧縮成形後にグレーズ剥離が発生しなか
った。
〜7では、オーバーレイ紙へのインクの転写性、接着性
が良好で、また熱処理によるオーバーレイ紙の黄変が起
らず、さらに第1回加熱圧縮成形時に図柄の崩れが生じ
ず、第2回加熱圧縮成形後にグレーズ剥離が発生しなか
った。
【0104】これに対して、比較例1のように、バイン
ダー材料中におけるエポキシ樹脂とフェノール樹脂の合
計量が85重量%を超えると図柄のオーバーレイ紙との
接着性が乏しく、図柄が擦れ落ちやすく、満足できるも
のではなかった。比較例2のように、エポキシ樹脂とフ
ェノール樹脂の合計量が25重量%未満になるとインク
の転写性が劣り、良好な図柄を形成することができなか
った。比較例3または4のように、エポキシ樹脂とフェ
ノール樹脂の合計量に対するフェノール樹脂の割合が1
5重量%未満または75重量%を超えると、エポキシ樹
脂とフェノール樹脂の硬化が不充分となり、図柄の崩れ
が発生した。さらに比較例3ではフェノール樹脂の量が
少ないため連続煮沸試験においてグレーズ剥離が生じ
た。比較例5のようにフェノール樹脂を配合しないとグ
レーズ剥離が生じ、また三フッ化ホウ素アミン系触媒を
用いても熱処理温度が120℃では硬化が不充分で図柄
の崩れが発生した。比較例6のように、フェノール樹脂
を使用せず三フッ化ホウ素アミン系触媒を用いて熱処理
温度を150℃にした場合は、オーバーレイ紙の黄変が
生じ、またグレーズ剥離が発生する。
ダー材料中におけるエポキシ樹脂とフェノール樹脂の合
計量が85重量%を超えると図柄のオーバーレイ紙との
接着性が乏しく、図柄が擦れ落ちやすく、満足できるも
のではなかった。比較例2のように、エポキシ樹脂とフ
ェノール樹脂の合計量が25重量%未満になるとインク
の転写性が劣り、良好な図柄を形成することができなか
った。比較例3または4のように、エポキシ樹脂とフェ
ノール樹脂の合計量に対するフェノール樹脂の割合が1
5重量%未満または75重量%を超えると、エポキシ樹
脂とフェノール樹脂の硬化が不充分となり、図柄の崩れ
が発生した。さらに比較例3ではフェノール樹脂の量が
少ないため連続煮沸試験においてグレーズ剥離が生じ
た。比較例5のようにフェノール樹脂を配合しないとグ
レーズ剥離が生じ、また三フッ化ホウ素アミン系触媒を
用いても熱処理温度が120℃では硬化が不充分で図柄
の崩れが発生した。比較例6のように、フェノール樹脂
を使用せず三フッ化ホウ素アミン系触媒を用いて熱処理
温度を150℃にした場合は、オーバーレイ紙の黄変が
生じ、またグレーズ剥離が発生する。
【0105】なお、前記実施例では、フォイルを成形品
の表面に配置させる場合に、台紙側を成形品の表面に積
層しているが、図柄側を成形品の表面に積層した場合も
同様に良好な結果がえられた。
の表面に配置させる場合に、台紙側を成形品の表面に積
層しているが、図柄側を成形品の表面に積層した場合も
同様に良好な結果がえられた。
【0106】
【発明の効果】本発明においては、感熱転写記録材料の
インクにおけるバインダー材料としてエポキシ樹脂とフ
ェノール樹脂を特定割合で併用することにより、模様紙
用台紙に対する転写性、接着性が良好であり、さらに図
柄の熱処理を120℃以下で行うことによって模様紙用
台紙の黄変が生じず、しかもこのように低い熱処理温度
によってもインクが充分に硬化するから、第1回加熱圧
縮成形時に図柄の崩れが生じず、さらに図柄とグレーズ
材料との反応性が良好であるため、グレーズ剥離が生じ
ない。
インクにおけるバインダー材料としてエポキシ樹脂とフ
ェノール樹脂を特定割合で併用することにより、模様紙
用台紙に対する転写性、接着性が良好であり、さらに図
柄の熱処理を120℃以下で行うことによって模様紙用
台紙の黄変が生じず、しかもこのように低い熱処理温度
によってもインクが充分に硬化するから、第1回加熱圧
縮成形時に図柄の崩れが生じず、さらに図柄とグレーズ
材料との反応性が良好であるため、グレーズ剥離が生じ
ない。
【0107】さらに2段階転写方法を用いるときは、模
様紙用台紙上により高品位な図柄を形成できる。
様紙用台紙上により高品位な図柄を形成できる。
【図1】本発明における2段階転写方法の第1工程を示
す概略断面図である。
す概略断面図である。
【図2】第1工程で図柄の形成された仮被転写体を示す
概略断面図である。
概略断面図である。
【図3】第2工程を示す概略断面図である。
【図4】第3工程を示す概略断面図である。
【図5】第3工程でえられた転写図柄を有する模様紙を
示す概略断面図である。
示す概略断面図である。
1 感熱転写記録材料 2 基材 3 感熱転写性インク層 10 仮被転写体 11 透水性基材 12 水溶性物質層 20 被転写体 30 模様紙 A 図柄 B 水
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 買手 良一 大阪府大阪市西淀川区御幣島五丁目4番14 号 フジコピアン株式会社技術センター内 (72)発明者 可児 康之 愛知県名古屋市西区則武新町三丁目1番36 号 株式会社ノリタケカンパニーリミテド 内 (72)発明者 都築 義忠 愛知県名古屋市西区則武新町三丁目1番36 号 株式会社ノリタケカンパニーリミテド 内
Claims (5)
- 【請求項1】 基材上に着色材料とバインダー材料から
なる感熱転写性インク層が設けられ、前記バインダー材
料中にエポキシ樹脂とフェノール樹脂が合計25〜85
重量%含有され、エポキシ樹脂とフェノール樹脂の合計
量に対するそれぞれの割合が25〜85重量%および1
5〜75重量%である感熱転写記録材料を用い、感熱転
写方法を利用して樹脂含浸性のシート状被転写体上に前
記インクの図柄を形成し、該図柄を形成したシート状被
転写体に120℃以下の温度で熱処理を施して、該図柄
のインクを硬化させ、ついで該シート状被転写体に熱硬
化性樹脂を含浸させた後、基体の表面に配置し、加熱圧
縮成形することを特徴とする図柄模様を有する熱硬化性
樹脂含浸化粧板または熱硬化性樹脂成形品の製造方法。 - 【請求項2】 前記バインダー材料中に、さらにブチラ
ール樹脂および/またはポリアミド樹脂が含有されてな
ることを特徴とする請求項1記載の製造方法。 - 【請求項3】 前記感熱転写記録材料と、少なくとも一
方の表面が水溶性または水膨潤性の物質で構成されてい
るシート状仮被転写体を使用し、感熱転写方法により、
前記感熱転写記録材料の感熱転写性インク層を選択的に
転写して前記仮被転写体の当該水溶性または水膨潤性の
表面上にインクの図柄を形成する第1工程と、 前記仮被転写体を前記樹脂含浸性のシート状被転写体と
重ね、熱と圧力の作用により仮被転写体上の図柄を被転
写体に熱接着せしめる第2工程と、 前記仮被転写体と被転写体との一体化物を水中に浸漬
し、前記仮被転写体上の水溶性または水膨潤性の物質を
溶解または膨潤せしめて、仮被転写体と図柄を有する被
転写体とを分離する第3工程とからなる方法により、前
記図柄を有するシート状被転写体をうることを特徴とす
る請求項1または2記載の製造方法。 - 【請求項4】 前記シート状被転写体が、繊維質または
多孔質のシート状物であることを特徴とする請求項3記
載の製造方法。 - 【請求項5】 前記繊維質のシート状物が紙類または布
類であることを特徴とする請求項4記載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9057835A JPH10250295A (ja) | 1997-03-12 | 1997-03-12 | 図柄模様を有する熱硬化性樹脂含浸化粧板または熱硬化性樹脂成形品の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9057835A JPH10250295A (ja) | 1997-03-12 | 1997-03-12 | 図柄模様を有する熱硬化性樹脂含浸化粧板または熱硬化性樹脂成形品の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10250295A true JPH10250295A (ja) | 1998-09-22 |
Family
ID=13067018
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9057835A Pending JPH10250295A (ja) | 1997-03-12 | 1997-03-12 | 図柄模様を有する熱硬化性樹脂含浸化粧板または熱硬化性樹脂成形品の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10250295A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106994846A (zh) * | 2015-10-01 | 2017-08-01 | 阿尔卑斯电气株式会社 | 图像形成方法、图像形成物的制造方法、及面板的制造方法 |
-
1997
- 1997-03-12 JP JP9057835A patent/JPH10250295A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106994846A (zh) * | 2015-10-01 | 2017-08-01 | 阿尔卑斯电气株式会社 | 图像形成方法、图像形成物的制造方法、及面板的制造方法 |
CN106994846B (zh) * | 2015-10-01 | 2019-03-29 | 阿尔卑斯阿尔派株式会社 | 图像形成方法、图像形成物的制造方法、及面板的制造方法 |
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