JP3017175B1 - 部分マットハードコート転写材と部分マットハードコート成形品の製造方法 - Google Patents

部分マットハードコート転写材と部分マットハードコート成形品の製造方法

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JP3017175B1
JP3017175B1 JP10260728A JP26072898A JP3017175B1 JP 3017175 B1 JP3017175 B1 JP 3017175B1 JP 10260728 A JP10260728 A JP 10260728A JP 26072898 A JP26072898 A JP 26072898A JP 3017175 B1 JP3017175 B1 JP 3017175B1
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祐三 中村
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Abstract

【要約】 【課題】 剥離性を有する基体シート2上に、少なくと
も部分マット層3、ハードコート層4、接着層6が積層
され、部分マット層3がエポキシ系樹脂、メラミン系樹
脂、またはこれらの共重合樹脂や混合物を主成分とし、
ハードコート層4がガラス転移温度40〜100℃の樹
脂からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、部分的にマット
部分を有しかつ表面強度の高い成形品を得ることができ
る部分マットハードコート転写材と部分マットハードコ
ート成形品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】被転写物面を装飾する方法として、転写
法がある。転写法とは、基体シート上に、剥離層、図柄
層、接着層などからなる転写層を形成した転写材を用
い、加熱加圧して転写層を被転写物に密着させた後、基
体シートを剥離して、被転写物面に転写層のみを転移し
て装飾を行う方法である。表面強度の高い装飾成形品を
得るための転写材としては、剥離性を有する基体シート
上に、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物からなるハー
ドコート層を形成し、さらにその上に図柄層、接着層な
どを形成したものがあった。
【0003】そして、表面強度が高く、表面がマット状
の装飾成形品を得るための転写材としては、基体シート
上にマット層を形成し、十分に硬化させた後、活性エネ
ルギー線硬化性樹脂組成物からなるハードコート層を形
成し、さらにその上に図柄層、接着層などを形成したも
のがあった。
【0004】このような転写材を被転写体に接着し、基
体シートとともにマット層を剥離すると、マット層の表
面が微細な凹凸を有するため、転写層に凹凸が写し取ら
れ、マット形状を表現することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、マット層から
ハードコート層、図柄層までを一連の印刷機で印刷する
いわゆるインライン印刷の場合、マット層は、通常、ア
ミノアルキッド樹脂からなり乾燥に時間がかかるため、
マット層の印刷からハードコート層の印刷までの間に十
分な乾燥時間を確保することができない。その結果、マ
ット層が十分に硬化しないうちにハードコート層を重ね
て形成せざるを得なくなり、成形品へ転写材を接着した
後に基体シートを剥離する際、マット層とハードコート
層との間で剥離しないという問題がある。
【0006】また、マット層を印刷後、十分に加熱して
乾燥させ、マット層を十分に硬化させてから再び印刷機
に取り付けてハードコート層以下を印刷するいわゆるオ
フライン印刷の場合にも、次のような問題がある。
【0007】すなわち、マット層を印刷してからハード
コート層を印刷するまでの間、インライン印刷の場合よ
りも多くの熱と長い時間をかけるため、基体シートの収
縮が起こり、先に印刷したマット層のパターンと後に印
刷するハードコート層以下、特に図柄層のパターンとを
一致させるのが困難である。
【0008】したがって、この発明は、上記のような問
題点を解消し、部分的にマットを有しかつ表面強度に優
れた装飾を行うことができる部分マットハードコート転
写材と部分マットハードコート成形品の製造方法を提供
することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明の部分マットハ
ードコート転写材は、以上の目的を達成するために、つ
ぎのように構成した。
【0010】つまり、この発明の部分マットハードコー
ト転写材は、剥離性を有する基体シート上に、少なくと
も部分マット層、ハードコート層、接着層が積層され、
部分マット層がエポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、また
はこれらの共重合樹脂や混合物を主成分とし、ハードコ
ート層がガラス転移温度40〜100℃の樹脂からなる
ように構成した。
【0011】また、上記の発明において、部分マット層
が、酸触媒を含有するように構成してもよい。
【0012】また、上記の発明において、酸触媒が、パ
ラトルエンスルフォン酸であるように構成してもよい。
【0013】また、上記の発明において、ハードコート
層が、硬度増加材を含有するように構成してもよい。
【0014】また、上記の発明において、部分マット層
とハードコート層との間に剥離補助層を有するように構
成してもよい。
【0015】また、上記の発明において、ハードコート
層と接着層との間に図柄層を有するように構成してもよ
い。
【0016】また、この発明の部分マットハードコート
成形品の製造方法は、請求項1〜6のいずれかに記載し
た部分マットハードコート転写材を成形品表面に接着
し、部分マット層とともに基体シートを剥離した後、ハ
ードコート層が積層された成形品に対して活性エネルギ
ー線を照射するように構成した。
【0017】また、この発明の部分マットハードコート
成形品の製造方法は、請求項1〜6のいずれかに記載し
た部分マットハードコート転写材を射出成形用金型内に
挟み込み、キャビティ内に成形樹脂を射出し、射出成形
品を得るのと同時にその表面に転写材を接着し、型開き
して部分マット層とともに基体シートを剥離した後、ハ
ードコート層が積層された成形品に対して活性エネルギ
ー線を照射するように構成した。
【0018】
【発明の実施の形態】図面を参照しながらこの発明の実
施の形態について詳しく説明する。
【0019】図1〜2は、この発明の部分マットハード
コート転写材の一実施例を示す断面図である。図3〜4
は、この発明の部分マットハードコート成形品の製造方
法の工程の一実施例を示す断面図である。図中、1は部
分マットハードコート転写材、2は基体シート、3は部
分マット層、4はハードコート層、5は図柄層、6は接
着層、7は金型、8は成形樹脂である。
【0020】この発明の部分マットハードコート転写材
1は、剥離性を有する基体シート2上に、少なくとも部
分マット層3、ハードコート層4、接着層6が積層さ
れ、部分マット層3がエポキシ系樹脂、メラミン系樹
脂、またはこれらの共重合樹脂や混合物を主成分とし、
ハードコート層4がガラス転移温度40〜100℃の樹
脂からなるものである(図1参照)。
【0021】基体シート2の材質としては、ポリプロピ
レン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、
ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル
系樹脂などの樹脂シート、アルミニウム箔、銅箔などの
金属箔、グラシン紙、コート紙、セロハンなどのセルロ
ース系シート、あるいは以上の各シートの複合体など、
通常の転写材の基体シートとして用いるものを使用する
ことができる。また、基体シート2の剥離性を高めるた
めに、基体シート2上に離型層を形成してもよい。離型
層としては、メラミン樹脂系離型剤、シリコーン樹脂系
離型剤、フッ素樹脂系離型剤、セルロース誘導体系離型
剤、尿素樹脂系離型剤、ポリオレフィン樹脂系離型剤な
どを用いることができる。離型層を形成する方法として
は、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、オフセット印
刷法などの印刷法がある。
【0022】部分マット層3は、基体シート2または離
型層上に部分的に形成する。部分マット層3は、被転写
体の表面を部分的にマット状にする層であり、転写後は
基体シート2とともに除去される層である。部分マット
層3としては、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、また
はこれらの共重合樹脂や混合物に、シリカ、アルミナな
どの体質顔料や樹脂ビーズなどを分散させたものを用い
る。樹脂としては、比較的乾燥が速く、ハードコート層
4との剥離性にも優れたエポキシ・メラミン混合樹脂な
どを用いるとよい。また、部分マット層3が酸触媒を含
有するようにしてもよい。酸触媒としては、パラトルエ
ンスルフォン酸などを用いることができる。部分マット
層3の形成方法としては、グラビア印刷法、スクリーン
印刷法、オフセット印刷法などの印刷法がある。
【0023】ハードコート層4は、転写後に基体シート
2を剥離した際に、基体シート2または部分マット層3
から剥離して被転写物の最外面となる層である。被転写
物のハードコート層4としては、ガラス転移温度40〜
100℃の樹脂を用いる。具体的には、紫外線硬化性樹
脂などの光硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂などの放射線
硬化性樹脂、熱硬化性樹脂などを用いるとよい。ガラス
転移温度が40℃に満たないと、ハードコート層4を構
成するインキが乾燥フード内で指触乾燥に至らないた
め、ガイドロールや印刷ロールに付いたり、マット層と
ハードコート層4との剥離がされにくくなる。また、ガ
ラス転移点が100℃を超えるものは、硬化に関与する
低転移点成分の割合が少ないため、表面強度が低くな
る。ハードコート層4の形成方法としては、グラビア印
刷法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法などの印刷
法がある。
【0024】このように構成することにより、マット層
とハードコート層4との間の転写後の剥離性がよくな
り、インライン印刷において、マット層印刷からハード
コート層4印刷までの間のわずかな加熱乾燥であって
も、十分な剥離性を得ることができる。
【0025】また、ハードコート層4の表面強度をさら
に高めるために、ハードコート層4に硬度増加材を加え
てもよい。硬度増加材としては、酸化アルミニウム、酸
化セリウム、炭化ケイ素、酸化クロム、珪藻土などの粉
末を用いるとよい。
【0026】また、ハードコート層4の剥離性を高める
ために、基体シート2および部分マット層3とハードコ
ート層4との間に剥離補助層を設けてもよい。剥離補助
層は、溶剤に熔解させて塗布・形成する剥離層と異な
り、溶剤に分散させて塗布・形成する層である。剥離補
助層の材質としては、バルサム、シェラックなどの天然
樹脂類、モンタンワックス類、キャンデリラワックス
類、パラフィン系ワックス類などを用いることができ
る。剥離補助層の形成方法としては、グラビア印刷法、
スクリーン印刷法、オフセット印刷法などの印刷法があ
る。
【0027】図柄層5は、ハードコート層4の上に、通
常は印刷層として形成する。印刷層の材質としては、ポ
リビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹
脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニル
アセタール系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、セル
ロースエステル系樹脂、アルキド樹脂などの樹脂をバイ
ンダーとし、適切な色の顔料または染料を着色剤として
含有する着色インキを用いるとよい。印刷層の形成方法
としては、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、オフセ
ット印刷法などの通常の印刷法などを用いるとよい。印
刷層は、表現したい図柄に応じて、全面的に設ける場合
や部分的に設ける場合もある。
【0028】また、図柄層5は、金属薄膜層からなるも
の、あるいは印刷層と金属薄膜層との組み合わせからな
るものでもよい。金属薄膜層は、図柄層5として金属光
沢を表現するためのものであり、真空蒸着法、スパッタ
ーリング法、イオンプレーティング法、鍍金法などで形
成する。表現したい金属光沢色に応じて、アルミニウ
ム、ニッケル、金、白金、クロム、鉄、銅、スズ、イン
ジウム、銀、チタニウム、鉛、亜鉛などの金属、これら
の合金または化合物を使用する。部分的な金属薄膜層を
形成する場合の一例としては、金属薄膜層を必要としな
い部分に溶剤可溶性樹脂層を形成した後、その上に全面
的に金属薄膜を形成し、溶剤洗浄を行って溶剤可溶性樹
脂層と共に不要な金属薄膜を除去する方法がある。この
場合によく用いる溶剤は、水または水溶液である。ま
た、別の一例としては、全面的に金属薄膜を形成し、次
に金属薄膜を残しておきたい部分にレジスト層を形成
し、酸またはアルカリでエッチングを行い、レジスト層
を除去する方法がある。
【0029】また、金属薄膜層を設ける際に、他の転写
層と金属薄膜層との密着性を向上させるために、前アン
カー層や後アンカー層を設けてもよい。前アンカー層お
よび後アンカー層の材質としては、2液性硬化ウレタン
系樹脂、熱硬化ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、セル
ロースエステル系樹脂、塩素含有ゴム系樹脂、塩素含有
ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ビニ
ル系共重合体樹脂などを使用するとよい。前アンカー層
および後アンカー層の形成方法としては、グラビア印刷
法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法などの印刷法
がある。
【0030】接着層6は、被転写物面に上記の各層を接
着するものである。接着層6は、接着させたい部分に形
成する。すなわち、接着させたい部分が全面的なら、図
柄層5上に接着層6を全面的に形成する。また、接着さ
せたい部分が部分的なら、図柄層5上に接着層6を部分
的に形成する。接着層6としては、被転写物の素材に適
した感熱圧接着性を有する樹脂を適宜使用する。たとえ
ば、被転写物の材質がアクリル系樹脂の場合はアクリル
系樹脂を用いるとよい。また、被転写物の材質がポリフ
ェニレンオキシド・ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネ
ート系樹脂、スチレン共重合体系樹脂、ポリスチレン系
ブレンド樹脂の場合は、これらの樹脂と親和性のあるア
クリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂
などを使用すればよい。さらに、被転写物の材質がポリ
エチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂の場合は、塩素
化ポリオレフィン系樹脂、塩素化エチレン−酢酸ビニル
共重合体樹脂、環化ゴム、クマロンインデン樹脂が使用
可能である。接着層6の形成方法としては、グラビアコ
ート法、ロールコート法、コンマコート法などのコート
法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、オフセット印
刷法などの印刷法がある。
【0031】転写層の構成は、上記した態様に限定され
るものではなく、たとえば、図柄層5の材質として被転
写物との接着性に優れたものを使用する場合には、接着
層6を省略することができる。
【0032】被転写物としては、樹脂成形品、ゴム製
品、金属製品、木工品、ガラス製品、陶磁器製品もしく
は各種材質からなる複合製品などを挙げることができ
る。被転写物は、透明、半透明、不透明のいずれでもよ
い。また、被転写物は、着色されていても、着色されて
いなくてもよい。樹脂としては、ポリスチレン系樹脂、
ポリオレフィン系樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、AN樹
脂などの汎用樹脂を挙げることができる。また、ポリフ
ェニレンオキシド・ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネ
ート系樹脂、ポリアセタール系樹脂、アクリル系樹脂、
ポリカーボネート変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポ
リエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタ
レート樹脂、超高分子量ポリエチレン樹脂などの汎用エ
ンジニアリング樹脂やポリスルホン樹脂、ポリフェニレ
ンサルファイド系樹脂、ポリフェニレンオキシド系樹
脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポ
リイミド樹脂、液晶ポリエステル樹脂、ポリアリル系耐
熱樹脂などのスーパーエンジニアリング樹脂を使用する
こともできる。さらに、ガラス繊維や無機フィラーなど
の補強材を添加した複合樹脂も使用できる。
【0033】前記した層構成の転写材を用い、転写法を
利用して被転写物面に装飾を行う方法について説明す
る。
【0034】まず、被転写物面に、転写材の接着層6側
を密着させる。次に、シリコンラバーなどの耐熱ゴム状
弾性体を備えたロール転写機、アップダウン転写機など
の転写機を用い、温度80〜260℃程度の条件に設定
した耐熱ゴム状弾性体を介して転写材の基体シート2側
から熱と圧力とを加える。こうすることにより、接着層
6が被転写物表面に接着する。
【0035】次いで、冷却後に基体シート2を剥がす
と、基体シート2または部分マット層3と、ハードコー
ト層4との境界面で剥離が起こり、転写が完了する。ま
た、基体シート2上に剥離補助層を設けた場合は、剥離
補助層が転写時の熱圧により基体シート2および部分マ
ット層3と、ハードコート層4との境界面での剥離を容
易にする。
【0036】次いで、ハードコート層4が積層された成
形品に対して活性エネルギー線を照射する。活性エネル
ギー線としては、紫外線などを用い、400〜4000
mJ/cm程度の条件で照射するとよい。このように
して、部分マットハードコート成形品を得ることができ
る。
【0037】また、被転写物が樹脂成形品である場合
に、転写法をより合理的に行う方法として、成形同時転
写法がある。次に、前記した転写材を用い、成形同時転
写法を利用して被転写物である樹脂成形品の面に装飾を
行う方法について説明する。
【0038】まず、可動型と固定型とからなる成形用金
型7内に転写材を送り込む。その際、枚葉の転写材を1
枚づつ送り込んでもよいし、長尺の転写材の必要部分を
間欠的に送り込んでもよい。長尺の転写材を使用する場
合、位置決め機構を有する送り装置を使用して、転写材
の図柄層5と成形用金型7との見当が一致するようにす
るとよい。また、転写材を間欠的に送り込む際に、転写
材の位置をセンサーで検出した後に転写材を可動型と固
定型とで固定するようにすれば、常に同じ位置で転写材
を固定することができ、図柄層5の位置ずれが生じない
ので便利である。
【0039】成形用金型7を閉じた後、ゲートから溶融
樹脂を金型7内に射出充満させ、被転写物を形成するの
と同時にその面に転写材を接着させる。被転写物である
樹脂成形品を冷却した後、成形用金型7を開いて樹脂成
形品を取り出す。
【0040】次いで、基体シート2を剥がすことによ
り、転写が完了する。次いで、ハードコート層4が積層
された成形品に対して活性エネルギー線を照射する。こ
のようにして、部分マットハードコート成形品を得るこ
とができる。
【0041】
【実施例】実施例1 厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに
離型処理を施したものを基体シートとし、次の各層をイ
ンライン印刷により連続して形成した。
【0042】すなわち、シリカ粒子を含むエポキシ・メ
ラミン樹脂(配合比:エポキシ1重量部、メラミン2.
5重量部)にパラトルエンスルフォン酸などの酸触媒を
5%加えたもののメチルエチルケトン溶液を部分的にグ
ラビア印刷し、100℃の乾燥フードを通して指触乾燥
させて部分マット層を形成した。
【0043】続いて、モンタンワックスのトルエン/メ
チルエチルケトン=3/1溶液をグラビア印刷し、80
℃の乾燥フードを通して剥離補助層を形成した。
【0044】続いて、ウレタンアクリレートタイプの紫
外線硬化性インキをグラビア印刷し、80℃の乾燥フー
ドを通してハードコート層を形成した。
【0045】続いて、着色剤を含むアクリル・ビニル樹
脂からなるインキをグラビア印刷し、80℃の乾燥フー
ドを通して図柄層を形成した。
【0046】続いて、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体樹
脂からなるインキをグラビア印刷し、80℃の乾燥フー
ドを通して接着層を形成し、部分マットハードコート転
写材を得た。ハードコート層のガラス転移温度は50℃
であった。
【0047】部分マットハードコート転写材を射出成形
用金型に固定し、型締めしてアクリル樹脂を射出した。
冷却後、型開きして成形品表面に接着した部分マットハ
ードコート転写材の基体シートを剥離し、高圧水銀灯
(80W/cm)を用いて照射距離10cmで8秒間紫
外線を照射し、ハードコート層を架橋硬化させて部分マ
ットハードコート成形品を得た。
【0048】このようにして得られた部分マットハード
コート成形品は、表面の一部にマット部分を含み、か
つ、表面の耐擦傷性、耐摩擦性、耐溶剤性に優れたもの
であった。
【0049】実施例2 部分マット層としてシリカ粒子に代えてポリエチレンワ
ックスを用い、ハードコート層の紫外線硬化性インキに
硬度増加材として酸化アルミニウムを2重量%含有させ
た他は、実施例1と同様にして部分マットハードコート
転写材を得た。ハードコート層のガラス転移温度は70
℃であった。
【0050】このような部分マットハードコート転写材
を用い、実施例1と同様にして部分マットハードコート
成形品を得た。
【0051】このようにして得られた部分マットハード
コート成形品は、表面の一部にマット部分を含み、か
つ、表面の耐擦傷性、耐摩擦性、耐溶剤性に優れたもの
であった。
【0052】
【発明の効果】この発明は、前記した構成からなるの
で、次のような効果を有する。
【0053】この発明の部分マットハードコート転写材
は、剥離性を有する基体シート上に、少なくとも部分マ
ット層、ハードコート層、接着層が積層され、部分マッ
ト層がエポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、またはこれら
の共重合樹脂や混合物を主成分とし、ハードコート層が
ガラス転移温度40〜100℃の樹脂からなり、転写加
工時に部分マット層とハードコート層との界面で確実に
剥離するので、部分的にマットを有しかつ表面強度に優
れた装飾を行うことができる。また、転写加工時に部分
マット層とハードコート層との界面で確実に剥離するの
で、インライン印刷によって連続的にこの発明の部分マ
ットハードコート転写材を製造することができ、各層の
パターンの見当を合わせることができる。
【0054】また、この発明の部分マットハードコート
成形品の製造方法によれば、上記の部分マットハードコ
ート転写材を用いるので、部分的にマットを有しかつ表
面強度に優れた部分マットハードコート成形品を容易に
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の部分マットハードコート転写材の一
実施例を示す断面図である。
【図2】この発明の部分マットハードコート転写材の他
の実施例を示す断面図である。
【図3】この発明の部分マットハードコート成形品の製
造方法の工程の一実施例を示す断面図である。
【図4】この発明の部分マットハードコート成形品の製
造方法の工程の一実施例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 部分マットハードコート転写材 2 基体シート 3 部分マット層 4 ハードコート層 5 図柄層 6 接着層 7 金型 8 成形樹脂
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B44C 1/165 - 1/17 B29C 45/16

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 剥離性を有する基体シート上に、少なく
    とも部分マット層、ハードコート層、接着層が積層さ
    れ、部分マット層がエポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、
    またはこれらの共重合樹脂や混合物を主成分とし、ハー
    ドコート層がガラス転移温度40〜100℃の樹脂から
    なることを特徴とする部分マットハードコート転写材。
  2. 【請求項2】 部分マット層が、酸触媒を含有する請求
    項1に記載の部分マットハードコート転写材。
  3. 【請求項3】 酸触媒が、パラトルエンスルフォン酸で
    ある請求項2に記載の部分マットハードコート転写材。
  4. 【請求項4】 ハードコート層が、硬度増加材を含有す
    る請求項1〜3のいずれかに記載の部分マットハードコ
    ート転写材。
  5. 【請求項5】 部分マット層とハードコート層との間に
    剥離補助層を有する請求項1〜4のいずれかに記載の部
    分マットハードコート転写材。
  6. 【請求項6】 ハードコート層と接着層との間に図柄層
    を有する請求項1〜5のいずれかに記載の部分マットハ
    ードコート転写材。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載した部分
    マットハードコート転写材を成形品表面に接着し、部分
    マット層とともに基体シートを剥離した後、ハードコー
    ト層が積層された成形品に対して活性エネルギー線を照
    射することを特徴とする部分マットハードコート成形品
    の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜6のいずれかに記載した部分
    マットハードコート転写材を射出成形用金型内に挟み込
    み、キャビティ内に成形樹脂を射出し、射出成形品を得
    るのと同時にその表面に転写材を接着し、型開きして部
    分マット層とともに基体シートを剥離した後、ハードコ
    ート層が積層された成形品に対して活性エネルギー線を
    照射することを特徴とする部分マットハードコート成形
    品の製造方法。
JP10260728A 1998-09-16 1998-09-16 部分マットハードコート転写材と部分マットハードコート成形品の製造方法 Expired - Lifetime JP3017175B1 (ja)

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