JPH07246768A - 艶面と凹凸面とを有する成形品の製造方法 - Google Patents

艶面と凹凸面とを有する成形品の製造方法

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JPH07246768A
JPH07246768A JP6570594A JP6570594A JPH07246768A JP H07246768 A JPH07246768 A JP H07246768A JP 6570594 A JP6570594 A JP 6570594A JP 6570594 A JP6570594 A JP 6570594A JP H07246768 A JPH07246768 A JP H07246768A
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molded product
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JP6570594A
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Takuji Shibata
卓治 柴田
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Nissha Printing Co Ltd
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Nissha Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 艶面と凹凸面とを表現する成形品を容易に製
造する方法を得る。 【構成】 成形品9の面に、凹凸転写材10を用いて凹
凸面を形成し、次いで艶面を形成する透明転写材11を
用いて凹凸面の凹凸を部分的に埋める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、艶面と凹凸面とを有
する成形品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】成形品の表面を装飾する方法として、転
写法がある。転写法とは、基体シート上に、剥離層、図
柄層、接着層などからなる転写層を形成した転写材を用
い、加熱加圧して転写層を成形品の表面に密着させた
後、基体シートを剥離して、成形品の表面に転写層のみ
を転移して装飾を行う方法である。
【0003】転写法により、艶面と凹凸面とを有する図
柄、たとえば、艶面とヘアライン表面やスピン表面とが
共存する図柄、あるいは艶面と艶消し表面とが共存する
図柄などを表現するには、次のような転写材を用いてい
る(図5および図6参照)。
【0004】すなわち、サンドペーパーや不織布などで
表面を引っかくことによって全面的にヘアライン加工や
スピン加工を施した基体シート1、あるいは、サンドブ
ラストやケミカルエッチングなどの加工により表面を艶
消し状態にした基体シート1を用い、基体シート1の艶
面を形成しようとする部分に印刷インキからなる樹脂層
12を形成して部分的に基体シート1の凹凸を埋めて平
滑にし、さらにその上に剥離層3、着色層4、接着層8
などを順次積層した転写材である(図5参照)。
【0005】また、艶面を有するプラスチックフィルム
上の艶消し表面を形成しようとする部分に、体質顔料な
どの添加物を混合したインキからなる艶消層13を印刷
法により部分的に形成し、さらにその上に剥離層3、着
色層4、接着層8などを順次積層した転写材である(図
6参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の転写材
を用いる方法には、次のような欠点があった。
【0007】前者の転写材を用いる方法においては、凹
凸の深度が比較的浅いものに限定されるものであった。
つまり、樹脂層12は基体シート1の凹凸の深度より厚
くなければならないが、樹脂層12を形成する印刷イン
キは流動性を有するので、凹凸の深度が深い場合には印
刷インキによって基体シート1の凹凸を完全に埋めるこ
とが困難であり、どうしても凹凸が残るものであった。
したがって、前者の転写材では凹凸の深度が比較的浅い
ものに限定され、ヘアライン表面や艶消し表面であるべ
き部分のデザイン的効果が少ないものであった。
【0008】後者の転写材を用いる方法においては、艶
消層13に混入する体質顔料などの粒径によって凹凸の
深度が限定される。そして、印刷インキに混入して印刷
するのに適した体質顔料などは、比較的粒径の小さいも
のに限られる。したがって、後者の転写材においても艶
消し表面であるべき部分の凹凸の程度が小さく、デザイ
ン的効果の少ないものであった。また、凹凸形状として
は、ヘアライン模様やスピン模様などはできず、艶消模
様しか表現できないものであった。
【0009】したがって、この発明は、上記のような問
題を解決することにあり、艶面と凹凸面とを表現する成
形品を容易に製造する方法を提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明は、以上の目的
を達成するために、艶面と凹凸面とを有する成形品の製
造方法を、成形品の面に、凹凸転写材を用いて凹凸面を
形成し、次いで艶面を形成する透明転写材を用いて凹凸
面の凹凸を部分的に埋めるように構成した。
【0011】また、艶面と凹凸面とを有する成形品の製
造方法を、成形品の面に、少なくとも金属薄膜層が部分
的に形成された凹凸転写材を用いて凹凸面を形成し、次
いで艶面を形成する透明転写材を用いて凹凸面の凹凸を
全面的に埋めるように構成した。
【0012】図面を参照しながらこの発明をさらに詳し
く説明する。
【0013】図1は、この発明の艶面と凹凸面とを有す
る成形品の製造方法の一実施例を示す断面図である。図
2は、この発明に用いる凹凸転写材の一実施例を示す断
面図である。図3は、この発明に用いる透明転写材の一
実施例を示す断面図である。図4は、この発明の艶面と
凹凸面とを有する成形品の製造方法の他の実施例を示す
断面図である。
【0014】1は基体シート、2は離型層、3は剥離
層、4は着色層、5は前アンカー層、6は金属薄膜層、
7は後アンカー層、8は接着層、9は成形品、10は凹
凸転写材、11は透明転写材をそれぞれ示す。
【0015】この発明は、成形品9の面に、凹凸転写材
10を用いて凹凸面を形成し、次いで艶面を形成する透
明転写材11を用いて凹凸面の凹凸を部分的に埋めるも
のである(図1参照)。
【0016】また、この発明は、成形品9の面に、少な
くとも金属薄膜層6が部分的に形成された凹凸転写材1
0を用いて凹凸面を形成し、次いで艶面を形成する透明
転写材11を用いて凹凸面の凹凸を全面的に埋めるもの
である(図1Aおよび図4参照)。
【0017】凹凸転写材10としては、剥離性を有する
基体シート1上に、剥離層3、着色層4や金属薄膜層
6、接着層8などを順次積層したものを用いる(図2参
照)。
【0018】基体シート1としては、表面に微細な凹凸
を形成したものを用いる。たとえば、ヘアライン模様の
型となる微細な溝を有するものを用いることができる。
また、ヘアライン模様のような平行な直線状のもののほ
か、同心円状のスピン模様などであってもよい。また、
全体に砂目などを形成した抽象柄模様であってもよい。
また、全体に均一的な凹凸を形成した艶消し模様であっ
てもよい。基体シート1の材質としては、ポリプロピレ
ン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポ
リエステル系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニ
ル系樹脂などの樹脂シート、アルミニウム箔、銅箔など
の金属箔、グラシン紙、コート紙、セロハンなどのセル
ロース系シート、あるいは上記の各シートを積層したも
のなど、通常の転写材の基体シート1として用いるもの
を使用するとよい。
【0019】また、基体シート1に剥離性を付与するた
めに、離型層2を基体シート1上に全面的に形成しても
よい。離型層2は、基体シート1を剥離した際に、基体
シート1とともに転写層から離型して除かれるか、ある
いは、層間離型を起こして離型層2の一部が転写層の最
外面に残存する。離型層2の材質としては、メラミン樹
脂系離型剤、シリコーン樹脂系離型剤、フッ素樹脂系離
型剤、セルロース誘導体系離型剤、尿素樹脂系離型剤、
ポリオレフィン樹脂系離型剤、パラフィン系離型剤、あ
るいはこれらの複合型離型剤などを用いるとよい。離型
層2の形成方法としては、グラビア印刷法、スクリーン
印刷法などの印刷方法や、グラビアコート法、ロールコ
ート法、スプレーコート法などのコート法がある。
【0020】剥離層3は、基体シート1上に全面的また
は部分的に形成する。また、離型層2があるときは、離
型層2上に剥離層3を形成する。剥離層3は、転写後ま
たは後述する成形同時転写後に、基体シート1から剥離
する層である。剥離層3の材質としては、ポリアクリル
系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、
セルロース系樹脂、ゴム系樹脂、ポリウレタン系樹脂、
ポリ酢酸ビニル系樹脂などのほか、塩化ビニル−酢酸ビ
ニル共重合体系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体系
樹脂などのコポリマーを用いるとよい。剥離層3に硬度
が要求される場合には、紫外線硬化性樹脂などの光硬化
性樹脂、電子線硬化性樹脂などの放射線硬化性樹脂、熱
硬化性樹脂などを選定して用いるとよい。剥離層3は、
着色したものでも、未着色のものでもよい。剥離層3の
形成方法としては、グラビア印刷法、スクリーン印刷法
などの印刷方法や、グラビアコート法、ロールコート
法、スプレーコート法などのコート法がある。なお、金
属薄膜層6の光沢を活かしたきれいなヘアライン模様な
どを得るためには、剥離層3が優れた透明性を有するこ
とが必要である。
【0021】次に、着色層4と金属薄膜層6を形成す
る。透明転写材11を部分的に転写する場合は、着色層
4または金属薄膜層6のいずれか一方、あるいは両方を
形成する。着色層4と金属薄膜層6を形成する箇所は限
定されず、全面的であっても部分的であってもよい。透
明転写材11を全面的に転写する場合は、金属薄膜層6
のみ、あるいは着色層4と金属薄膜層6の両方を形成す
る。金属薄膜層6を形成する箇所は部分的であることが
必要である。
【0022】着色層4は、剥離層3の上に形成する。着
色層4の材質としては、ポリビニル系樹脂、ポリアミド
系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポ
リウレタン系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリ
エステルウレタン系樹脂、セルロースエステル系樹脂、
アルキド樹脂などの樹脂をバインダーとし、適切な色の
顔料または染料を着色剤として含有する着色インキを用
いるとよい。着色層4の形成方法としては、オフセット
印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷
方法や、グラビアコート法、ロールコート法、スプレー
コート法などのコート法がある。特に、多色刷りや階調
表現を行うには、オフセット印刷法やグラビア印刷法が
適している。
【0023】金属薄膜層6は、剥離層3上に形成する。
着色層4があるときは、着色層4上に形成する。金属薄
膜層6は、金属光沢を有するヘアライン模様などを表現
するために設ける。金属薄膜層6は、真空蒸着法、スパ
ッターリング法、イオンプレーティング法、鍍金法など
で形成する。金属薄膜層6には、表現したい金属光沢色
に応じて、アルミニウム、ニッケル、金、白金、クロ
ム、鉄、銅、スズ、インジウム、銀、チタニウム、鉛、
亜鉛などの金属、これらの合金または化合物を使用す
る。金属薄膜層6は、全面的あるいは部分的に形成する
ことができる。金属薄膜層6を部分的に形成する方法と
しては、金属薄膜層6を必要としない部分に溶剤可溶性
樹脂層を形成した後、その上に全面的に金属薄膜を形成
し、溶剤で洗浄して溶剤可溶性樹脂層とともに不要な金
属薄膜を除去する方法がある。溶剤としてよく用いられ
るのは、水または水溶液である。また、金属薄膜層6を
部分的に形成する別の方法としては、全面的に金属薄膜
を形成し、次に金属薄膜を残したい部分にレジスト層を
形成し、酸またはアルカリでエッチングを行い、レジス
ト層を除去する方法がある。
【0024】また、剥離層3または着色層4と、金属薄
膜層6との密着性を向上させるために、前アンカー層5
を形成してもよい。また、金属薄膜層6と接着層8との
密着性を向上させるために、後アンカー層7を形成して
もよい。前アンカー層5および後アンカー層7の材質と
しては、2液性硬化ウレタン樹脂、熱硬化ウレタン樹
脂、メラミン系樹脂、セルロースエステル系樹脂、塩素
含有ゴム系樹脂、塩素含有ビニル系樹脂、ポリアクリル
系樹脂、エポキシ系樹脂、ビニル系共重合体樹脂などを
用いるとよい。前アンカー層5および後アンカー層7の
形成方法としては、グラビア印刷法、スクリーン印刷法
などの印刷方法や、グラビアコート法、ロールコート
法、スプレーコート法などのコート法がある。
【0025】また、ヘアライン模様などを、金属薄膜層
6の金属光沢そのものの色ではなく、着色したように表
現するには、さらに、金属薄膜層6に重ねて透明着色層
4を形成するか、剥離層3、前アンカー層5、後アンカ
ー層7などを透明着色するとよい。
【0026】接着層8は、成形品9の表面に上記の各層
を接着するものである。接着層8は、金属薄膜層6ある
いは後アンカー層7の上に全面的に形成する。接着層8
としては、成形品9と強固に接着するものが必要であ
る。接着層8としては、成形品9の素材に適した感熱性
あるいは感圧性の樹脂を適宜使用する。たとえば、成形
品9の材質がポリアクリル系樹脂の場合は、ポリアクリ
ル系樹脂を用いるとよい。また、成形品9の材質がポリ
フェニレンオキシド・ポリスチレン系樹脂、ポリカーボ
ネート系樹脂、スチレン共重合体系樹脂、ポリスチレン
系ブレンド樹脂の場合は、これらの樹脂と親和性のある
ポリアクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド
系樹脂などを用いるとよい。また、成形品9の材質がポ
リプロピレン樹脂の場合は、塩素化ポリオレフィン樹
脂、塩素化エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、環化ゴ
ム、クマロンインデン樹脂などを用いるとよい。接着層
8の形成方法としては、グラビア印刷法、スクリーン印
刷法などの印刷方法や、グラビアコート法、ロールコー
ト法、スプレーコート法などのコート法がある。
【0027】透明転写材11としては、剥離性を有する
基体シート1に、剥離層3、接着層8を順次積層したも
のを用いる(図3参照)。
【0028】基体シート1としては、表面が平滑なもの
を用いる。基体シート1の材質としては、凹凸転写材1
0と同様のものを用いるとよい。また、基体シート1に
剥離性を付与するために、離型層2を基体シート1上に
形成してもよい。
【0029】剥離層3は、基体シート1上あるいは離型
層2上に全面的に形成する。剥離層3の材質としては、
凹凸転写材10と同様のものを用い、凹凸転写材10と
同様の方法で形成するとよい。
【0030】接着層8は、成形品9の表面に転写した凹
凸転写材10の転写層の上に、上記の各層を接着するも
のである。接着層8は、剥離層3の上に全面的または部
分的に形成する。接着層8を部分的に形成するのは、透
明転写材11を部分的に転写できるようにするためであ
る。接着層8としては、凹凸転写材10の剥離層3と強
固に接着するものが必要である。接着層8の材質として
は、凹凸転写材10と同様の観点で選定したものを用
い、凹凸転写材10と同様の方法で形成するとよい。
【0031】このような構成の凹凸転写材10と透明転
写材11とを用いて成形品9の表面に艶面を有する部分
と凹凸部を有する部分とを形成することができる。
【0032】成形品9としては、樹脂製品のほか、ゴム
製品、金属製品、木製品、ガラス製品、陶磁器製品ある
いは各種材質からなる複合製品などを用いることができ
る。成形品9は、透明、半透明、不透明のいずれでもよ
い。また、成形品9は、着色したものでも、未着色のも
のでもよい。樹脂としては、ポリスチレン系樹脂、ポリ
オレフィン系樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、AN樹脂な
どの汎用樹脂を用いることができる。また、ポリフェニ
レンオキシド・ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート
系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリアクリル系樹脂、
ポリカーボネート変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポ
リブチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタ
レート樹脂、超高分子量ポリエチレン樹脂などの汎用エ
ンジニアリング樹脂を用いることができる。また、ポリ
スルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、ポ
リフェニレンオキシド系樹脂、ポリアリレート樹脂、ポ
リエーテルイミド樹脂、ポリイミド樹脂、液晶ポリエス
テル樹脂、ポリアリル系耐熱樹脂などのスーパーエンジ
ニアリング樹脂を用いることができる。また、ガラス繊
維や無機フィラーなどの補強材を添加した複合樹脂を用
いることができる。
【0033】次に、凹凸転写材10を用いた転写法につ
いて説明する(図1A参照)。
【0034】成形品9の表面に、凹凸転写材10の接着
層8側を密着させる。次に、シリコンラバーなどの耐熱
ゴム状弾性体を備えたロール転写機、アップダウン転写
機などの転写機を用い、温度80〜260℃程度、圧力50〜2
00kg/m2程度の条件に設定した耐熱ゴム状弾性体を介し
て凹凸転写材10の基体シート1側から熱と圧力とを加
える。加熱・加圧により、接着層8が成形品9の表面に
接着する。冷却後に基体シート1を剥がすと、基体シー
ト1と剥離層3との境界面で剥離が起こり、転写が完了
する。また、基体シート1上に離型層2を設けた場合
は、基体シート1を剥がすと、離型層2と剥離層3との
境界面で剥離が起こり、転写が完了する。なお、基体シ
ート1を剥がす際に、剥離層3が層間剥離を起こした
り、離型層2が層間離型を起こしたりすることがある。
【0035】また、凹凸転写材10を成形品9に転写す
る方法として、成形品9の成形と同時に成形品9の表面
に装飾を行う成形同時転写法を用いてもよい。成形同時
転写法は、インモールド法とも呼ばれている。成形同時
転写法は、射出成形、押し出し成形などの金型内に、あ
らかじめ転写材を挟み込み、成形品9の成形と同時に成
形による熱と圧力により転写を行う方法である。
【0036】次に、凹凸転写材10を用いた射出成形法
を利用する成形同時転写法について説明する(図示せ
ず)。
【0037】成形用の金型は、可動型と固定型とからな
り、両金型を閉じることによってキャビティを形成す
る。
【0038】まず、凹凸転写材10を、金型内に固定す
る。この際、枚葉の凹凸転写材10を1枚づつ送り込ん
でもよいし、長尺の凹凸転写材10を間欠的に送り込ん
でもよい。また、凹凸転写材10の位置をセンサーで検
出する位置決め機構を備えたフィルム送り装置を使用し
て、凹凸転写材10の図柄と金型との見当が一致するよ
うにするとよい。
【0039】次いで、金型を閉じて固定型に設けたゲー
トから溶融樹脂をキャビティ内に射出し、成形品9を形
成するのと同時に成形品9の表面に凹凸転写材10の接
着層8を接着する。
【0040】成形品9を冷却した後、金型を開いて成形
品9を取り出し、凹凸転写材10の基体シート1を剥離
することにより転写が完了する。
【0041】このようにして凹凸転写材10を用いて転
写を行った後、さらに透明転写材11を、部分的または
全面的に転写する(図1Bおよび図4参照)。
【0042】次に、透明転写材11を用いて、成形品9
の表面に形成された凹凸面の凹凸を部分的に埋める場合
について説明する(図1B参照)。透明転写材11を転
写した部分が艶面となり、透明転写材11を転写しなか
った部分が凹凸面となる。
【0043】透明転写材11を部分的に転写する方法と
しては、アップダウン転写法において任意の形状のシリ
コンラバーを用い、透明転写材11の任意の部分を加熱
・加圧することにより、加熱・加圧した部分のみを転写
する方法がある。また、接着層8が部分的に形成された
透明転写材11を用い、加熱・加圧を全面的に行って、
接着層8が形成された部分のみを転写する方法がある。
【0044】透明転写材11が転写されない部分によっ
て表現される態様としては、次のような場合がある。着
色層4を形成した部分が、着色層4の色のヘアライン模
様や艶消し模様となる。金属薄膜層6を形成した部分
が、金属光沢を有するヘアライン模様や艶消し模様とな
る。着色層4と金属薄膜層6のいずれも形成しなかった
部分が、成形品9が透明であるときは透明なヘアライン
模様や艶消し模様となり、成形品9が不透明であるとき
は成形品9の色のヘアライン模様や艶消し模様となる。
【0045】また、透明転写材11が転写された部分に
よって表現される態様としては、次のような場合があ
る。着色層4を形成した部分が、着色層4の色の艶模様
となる。金属薄膜層6を形成した部分が、視覚的に、金
属光沢を有するヘアライン模様や艶消し模様となる。こ
れは、透明転写材11で凹凸が埋められても金属薄膜層
6自体の形状は平滑でなく凹凸であり、金属薄膜層6は
光の反射率が高いので、平滑な艶を表現することはない
からである。着色層4と金属薄膜層6のいずれも形成し
なかった部分が、成形品9が透明であるときは透明な艶
模様となり、成形品9が不透明であるときは成形品9の
色の艶模様となる。
【0046】このように、凹凸転写材10の各層と透明
転写材11の転写の有無とを組み合わせることにより、
種々の表面状態を表現することができる。
【0047】次に、さらに具体例として、透明な艶面を
有する部分と、不透明な凹凸面を有する部分とを形成す
る例について説明する。この例によれば、ヘアライン加
工された金属板の一部分に穴をあけ、透明プラスチック
からなる透明窓を穴にはめ込んだものを模した成形品9
を容易に得ることができる。
【0048】まず、不透明な着色層4や金属薄膜層6が
存在しない部分である透明窓部を有する凹凸転写材10
を用いて、透明な成形品9の面に転写層を転写し、次
に、透明窓部と位置合わせして透明転写材11を部分的
に転写する。この場合、成形品9の転写層を転写した面
からみると、透明窓部上に透明転写材11の転写層が転
写されて平滑な艶面となり、その他の部分は凹凸転写材
10により凹凸模様を形成した凹凸面となる(図1B参
照)。また、成形品9の転写層を転写した面の反対面か
らみると、金属薄膜層6が凹凸状に形成されるので、成
形品9の表面は、物理的には全面的に平滑であっても、
視覚的には金属薄膜層6の転写された部分が凹凸面とな
り、透明窓部が艶面となる(図1B参照)。
【0049】次に、透明転写材11を用いて、成形品9
の表面に形成された凹凸面の凹凸を全面的に埋める場合
について説明する(図4参照)。
【0050】透明転写材11を全面的に転写する前に、
少なくとも金属薄膜層6が部分的に形成された凹凸転写
材10を用いて、成形品9の面に凹凸面を形成する。
【0051】透明転写材11を全面的に転写するには、
凹凸転写材10の転写と同様に行うとよい。
【0052】透明転写材11が転写された部分によって
表現される態様としては、次のような場合がある。金属
薄膜層6を形成した部分が、金属薄膜層6は凹凸形状に
形成されるので、視覚的に、金属光沢を有するヘアライ
ン模様や艶消し模様となる。着色層4と金属薄膜層6の
いずれも形成しなかった部分が、成形品9が透明である
ときは透明な艶模様となり、成形品9が不透明であると
きは成形品9の色の艶模様となる。なお、着色層4を形
成した場合には、着色層4を形成した部分が、着色され
た艶模様となる。
【0053】このように、凹凸転写材10の各層を組み
合わせることにより、種々の表面状態を表現することが
できる。
【0054】次に、さらに具体例として、透明な艶面を
有する部分と、視覚的に凹凸面を有する部分とを形成す
る例について説明する。
【0055】まず、不透明な着色層4や金属薄膜層6が
存在しない部分である透明窓部を有する凹凸転写材10
を用いて、透明な成形品9の面に転写層を転写し、次
に、透明転写材11を全面的に転写する。この場合、成
形品9の転写層を転写した面からみると、金属薄膜層6
が形成された部分は、金属薄膜層6が凹凸形状に形成さ
れるので、成形品9の表面は、物理的には全面的に平滑
であっても、視覚的には凹凸模様を形成した凹凸面とな
り、透明窓部は艶面となる(図4参照)。また、成形品
9の転写層を転写した面の反対面からみると、金属薄膜
層6が凹凸状に形成されるので、成形品9の表面は、物
理的には全面的に平滑であっても、視覚的には金属薄膜
層6の転写された部分が凹凸面となり、透明窓部が艶面
となる(図4参照)。
【0056】
【作用】この発明は、成形品の面に、凹凸転写材を用い
て凹凸面を形成し、次いで艶面を形成する透明転写材を
用いて凹凸面の凹凸を部分的に埋めるものであるので、
次の作用を有する。
【0057】凹凸転写材の基体シートの表面には凹凸が
形成されているので、凹凸転写材を成形品の面に転写し
た場合、転写後に最外表面層となる剥離層も凹凸に形成
される。
【0058】次に、透明転写材を部分的に転写すること
によって、凹凸が部分的に埋められる。透明転写材が転
写される際に、透明転写材の接着層が溶融して凹凸転写
材の剥離層に融着するのに十分な熱と圧力とが加えられ
るので、透明転写材が転写された部分の凹凸は埋めら
れ、その表面は平滑な艶面となる。透明転写材が転写さ
れない部分は、凹凸転写材により形成された凹凸の状態
が保たれ、凹凸面となる。
【0059】また、この発明は、成形品の面に、少なく
とも金属薄膜層が部分的に形成された凹凸転写材を用い
て凹凸面を形成し、次いで艶面を形成する透明転写材を
用いて凹凸面の凹凸を全面的に埋めるものであるので、
次の作用を有する。
【0060】凹凸転写材の基体シートの表面には凹凸が
形成されているので、凹凸転写材を成形品の面に転写し
た場合、転写後に最外表面層となる剥離層も凹凸に形成
される。凹凸転写材は、金属薄膜層を部分的に有するの
で、金属薄膜層が、成形品の面に部分的に形成される。
金属薄膜層は、凹凸転写材上において、基体シート上に
形成された凹凸に沿って形成されるので、剥離層の表面
と同様に凹凸形状となる。
【0061】次に、透明転写材を全面的に転写すること
によって、凹凸が全面的に埋められる。透明転写材が転
写される際に、透明転写材の接着層が溶融して凹凸転写
材の剥離層に融着するのに十分な熱と圧力とが加えられ
るので、透明転写材が転写された部分の凹凸は埋めら
れ、その表面は平滑な艶面となる。
【0062】金属薄膜層が形成された部分は、透明転写
材で凹凸が埋められても金属薄膜層自体の形状は平滑で
なく凹凸であり、金属薄膜層は光の反射率が高いので、
視覚的には、平滑な艶ではなく凹凸状態に見える。ま
た、金属薄膜層が形成されなかった部分は、凹凸形状に
形成された金属薄膜層がないので、成形品の表面は、物
理的にも視覚的にも平滑な艶状態に見える。したがっ
て、艶面と凹凸面とを表現することができる。
【0063】
【発明の効果】この発明は、以上のとおりの構成であ
り、透明転写材が転写されない部分は、凹凸転写材によ
り形成された凹凸の状態が保たれるという作用を有する
ので、デザイン的効果が大きい艶面と凹凸面とを有する
成形品を容易に得ることができる。
【0064】また、この発明は、以上のとおりの構成で
あり、金属薄膜層は、凹凸転写材上において、基体シー
ト上に形成された凹凸に沿って形成されるという作用を
有するので、デザイン的効果が大きい艶面と凹凸面とを
有する成形品を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の艶面と凹凸面とを有する成形品の製
造方法の一実施例を示す断面図である。
【図2】この発明に用いる凹凸転写材の一実施例を示す
断面図である。
【図3】この発明に用いる透明転写材の一実施例を示す
断面図である。
【図4】この発明の艶面と凹凸面とを有する成形品の製
造方法の他の実施例を示す断面図である。
【図5】従来の艶面と凹凸面とを有する成形品の製造方
法の一実施例を示す断面図である。
【図6】従来の艶面と凹凸面とを有する成形品の製造方
法の一実施例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 基体シート 2 離型層 3 剥離層 4 着色層 5 前アンカー層 6 金属薄膜層 7 後アンカー層 8 接着層 9 成形品 10 凹凸転写材 11 透明転写材 12 樹脂層 13 艶消層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成形品の面に、凹凸転写材を用いて凹凸
    面を形成し、次いで艶面を形成する透明転写材を用いて
    凹凸面の凹凸を部分的に埋めることを特徴とする艶面と
    凹凸面とを有する成形品の製造方法。
  2. 【請求項2】 成形品の面に、少なくとも金属薄膜層が
    部分的に形成された凹凸転写材を用いて凹凸面を形成
    し、次いで艶面を形成する透明転写材を用いて凹凸面の
    凹凸を全面的に埋めることを特徴とする艶面と凹凸面と
    を有する成形品の製造方法。
JP6570594A 1994-03-08 1994-03-08 艶面と凹凸面とを有する成形品の製造方法 Withdrawn JPH07246768A (ja)

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