JP3247906B2 - 転写箔及び転写方法 - Google Patents

転写箔及び転写方法

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JP3247906B2
JP3247906B2 JP28231292A JP28231292A JP3247906B2 JP 3247906 B2 JP3247906 B2 JP 3247906B2 JP 28231292 A JP28231292 A JP 28231292A JP 28231292 A JP28231292 A JP 28231292A JP 3247906 B2 JP3247906 B2 JP 3247906B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、転写箔及び転写方法に
関し、更に詳しくは任意の物品の表面に深みと触感に優
れ、更に耐久性等にも優れた絵柄を付与することが出来
る転写箔及び転写方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、物品に絵柄を簡単に付与する方法
として転写方法がある。この転写方法では、離型処理し
た基材シートの表面に絵柄印刷層を設け、その絵柄印刷
層の上に粘着剤層やヒートシール層を設けた転写箔を使
用し、これを絵柄を付与すべき物品の表面に重ね、基材
シートの背面から圧力又は熱圧をかけた後、基材シート
を剥離して所望の絵柄が被転写材に付与される。
【0003】
【発明が解決しようとしている問題点】上記転写方法
は、被転写材を選ばず、又、極めて簡単な操作で絵付け
が可能であるという大きな利点があるが、絵付けされた
絵柄は一般の印刷と同様であり、視覚的に平面的で奥行
感や立体感に欠けるという問題がある。この様な問題を
解決する方法としては、特開平2−310051号公報
に開示されているような転写箔の絵柄転写層を多層構成
にして絵柄が転写層中に浮いている状態にする方法等各
種の方法が知られているが、これらの方法では転写箔の
作成において多数の印刷及び塗工工程が要求され、製品
がコスト高になる等の問題がある。
【0004】この様な問題を解決する為、絵柄を昇華性
染料インキで形成し、熱可塑性樹脂からなる層中に染料
を拡散させて絵柄に深みを出すことも考えられている
が、この場合には経時的に絵柄が滲んだり、褪色する等
の問題がある。更に従来の転写箔によって転写された絵
柄の表面は平滑であって、その為指紋が付着したり、手
指の皮脂でベタついたり、手指に触れたときに冷たい感
じがする等の触感にも問題があった。従って、本発明の
目的は、任意の物品の表面に深みと温かみがあり、且つ
耐久性に優れた絵柄を簡便に付与することが出来る転写
箔及び転写方法を提供することである。
【0005】
【問題点を解決する為の手段】上記目的は以下の本発明
によって達成される。即ち、本発明は、基材シートの一
方の面に、熱拡散性染料を含むインキからなる絵柄印刷
層と熱可塑性樹脂中にコラーゲンから成る粉末状の天然
蛋白質繊維を含む染料染着性樹脂層とをこの記載の順序
に積層してなることを特徴とする転写箔、及び該転写箔
を被転写材に重ね、基材シートの背面から加熱加圧し、
更に必要に応じて電離放射線を照射して転写された樹脂
層を架橋硬化させることを特徴とする転写方法である。
【0006】
【作用】転写箔の転写層を、熱拡散性染料を含むインキ
からなる絵柄印刷層とコラーゲンから成る粉末状の天然
蛋白質繊維を含む樹脂層をこの記載の順序に積層して形
成し、該転写箔を被転写材に重ね、基材シートの背面か
ら加熱加圧することによって、熱拡散性染料が上記熱可
塑性樹脂層の深さ方向に拡散して転写され、従って任意
の物品の表面に深みのある絵柄を簡便に付与することが
出来る。又、上記樹脂層にはコラーゲンから成る粉末状
天然蛋白質繊維が含有されているので、表面が柔らか
い皮革の様なマット感があり、該コラーゲンから成る粉
末状の天然蛋白質繊維は吸油性や吸放出性を持つ為、手
指で触った時にも指紋が付かず、又、しっとりとした温
かい触感が得られる。更に夏場の高温多湿の季節にも表
面に結露したり、ベトツキが生じたりしない。更に上記
樹脂層を常温で非流動性の電離放射線硬化性樹脂で形成
しておき、転写後架橋硬化させることによって、表面の
耐摩耗性、耐擦傷性、表面硬度等に優れ、更に染料画像
の経時的滲みや耐久性等の問題が解決される。
【0007】
【好ましい実施態様】次に好ましい実施態様を挙げて本
発明を更に詳細に説明する。本発明の転写箔の基本的構
成の1例は、図1aに図解的に示す様に、基材シート1
の一方の面に、熱拡散性染料を含むインキからなる絵柄
印刷層2とコラーゲンから成る粉末状の天然蛋白質繊維
を含む熱可塑性樹脂(染料染着性樹脂)からなる層3と
をこの記載の順序に積層してなることを特徴としてい
る。又、好ましい実施態様では上記樹脂層3をコラーゲ
ンから成る粉末状の天然蛋白質繊維を含む常温で非流動
性の電離放射線硬化性樹脂から形成する。かかる転写箔
は、図1bに図解的に示す様に任意の物品10の表面に
重ね、基材シート1の背面から適当な熱及び圧力をか
け、熱可塑性樹脂層3を物品10に接着させた後、基材
シート1を剥離すると、絵柄層2を構成している熱拡散
性染料が上記の加熱によって樹脂層3中に拡散する。こ
の場合、樹脂層3を透明としておくことによって、樹脂
層3中に拡散した染料からなる絵柄は奥行感と立体感に
優れた絵柄となる。
【0008】又、上記樹脂層中にはコラーゲンから成る
粉末状の天然蛋白質繊維が含有されており、上記の様に
転写絵柄に優れた触感を与える。天然蛋白質繊維は、
「トリアゼット」の商品名(昭和電工製)等として市場
から入手することが出来るコラーゲンの粉末である。こ
れらのコラーゲンから成る粉末状の天然蛋白質繊維が熱
可塑性樹脂100重量部当たり約30〜150重量部の
範囲で使用することが好ましく、これより少ない量であ
ると、転写絵柄に触感等の改善効果が不十分であり、一
方、多すぎると層の形成が困難であったり、被膜強度が
不十分となる。
【0009】又、本発明の好ましい実施態様では、上記
熱可塑性樹脂又はその一部として、常温で非流動性の電
離放射線硬化性樹脂を使用する。この様な電離放射線硬
化性樹脂としては、好ましくは、アクリレート系の官能
基を有するもの、例えば、比較的低分子量のポリエステ
ル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹
脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール
樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹
脂、多価アルコール等の多官能化合物の(メタ)アクリ
レート等のオリゴマー又はプレポリマー及び反応性希釈
剤としてエチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル
(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、N
−ビニルピロリドン等の単官能モノマー並びに多官能モ
ノマー、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)
アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレー
ト、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペ
ンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペン
タエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6
−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペン
チルグリコールジ(メタ)アクリレート等を比較的多量
に含有するものが使用出来る。
【0010】更に、上記の電離放射線硬化性樹脂を紫外
線硬化型樹脂とするには、この中に光重合開始剤とし
て、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベ
ンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、テ
トラメチルチウラムモノサルファイド、チオキサントン
類や、光増感剤としてn−ブチルアミン、トリエチルア
ミン、トリーn−ブチルホスフィン等を混合して用いる
ことが出来る。特に本発明では、オリゴマーとしてウレ
タンアクリレート、モノマーとしてジペンタンエリスリ
トールヘキサアクリレート等を混合するのが好ましい。
【0011】上記の電離放射線硬化性樹脂が常温で液状
である場合には、この中に熱可塑性樹脂を混練して流動
性をなくすればよい。この様な熱可塑性樹脂は電離放射
線硬化性樹脂と相溶性を有するものであれば何ら限定さ
れない。具体的には、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹
脂、ポリスチレン樹脂等が挙げられるが、特に転写絵柄
の強度や硬度を高く保つ為にはポリメチルメタクリレー
ト、ポリブチルメタクリレート等の熱可塑性樹脂が好適
に使用することが出来る。電離放射線硬化型樹脂に対す
る熱可塑性樹脂の混合割合は、電離放射線硬化型樹脂が
100重量部に対して、熱可塑性樹脂50重量部以下が
好ましい。上記の樹脂組成物は未硬化の状態では常温で
非流動性であり、且つ熱可塑性及び溶剤溶解性を有して
いながら、塗膜及び乾燥によって見かけ上、又は手で触
ったときにも非流動性(指触乾燥性)であり、且つ非粘
着性である塗膜を与えることが出来る。又、未硬化状態
では、熱可塑性である為、熱拡散染料の拡散性及び染着
性も比較的良好である。尚、電離放射線としては、電子
線、紫外線、可視光線等を使用することが出来る。
【0012】図2の例は他の実施例を図解的に示してお
り、図2aの例では、樹脂層の表面に予め他の装飾層、
例えば、ベタ印刷層、金属蒸着層、他の絵柄印刷層等を
形成し、その表面にヒートシール層を設けた構成を示し
ており、図1の場合と同様に転写することによって、上
記装飾層が、転写された染料からなる絵柄のバックグラ
ウンドとなり、一層優れた絵柄が物品表面に付与され
る。図3の例は更に他の実施例を図解的に示しており、
図3aの例では、基材シート1と染料絵柄層との間に図
示の様な順序で剥離層及び装飾層が設けられており、図
1の場合と同様に物品に転写することにより、転写絵柄
の表面に剥離層と装飾層とが表面にくる染料絵柄層が付
与される。この場合、剥離層及び装飾層が透明であるこ
とが好ましい。転写後転写層の最表面にくる剥離層は絵
柄全体の保護層として機能し、耐擦過性、耐薬品性、耐
摩耗性等の各種の優れた物性を付与することが出来る。
装飾層は染料からなる絵柄とマッチして優れた装飾性を
付与することが出来る。
【0013】本発明の転写箔で用いる基材シートとして
は、従来の転写箔に使用されていると同じ基材シートが
そのまま用いることが出来ると共に、その他のものも使
用することが出来、特に制限されない。好ましい基材シ
ートの具体例としては、例えば、グラシン紙、コンデン
サ紙、パラフィン紙等の薄葉紙、ポリエステル、ポリプ
ロピレン、セロハン、ポリカーボネート、酢酸セルロー
ス、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ナ
イロン、ポリイミド、ポリ塩化ビニリデン等のプラスチ
ック或いはこれらと前記紙とを複合した基材シート等が
挙げられる。この基材シートの厚さは、その強度及び耐
熱性等が適切になる様に、材料に応じて適宜変更するこ
とが出来るが、その厚さは、好ましくは、12〜200
μmである。又、基材シートの表面には、必要に応じて
剥離層7、絵柄印刷層2等に対して離型性を持つ離型層
を設けてもよい。又、基材シート表面にヘアライン、砂
目、皮絞等の適当な凹凸模様を形成しておくことによ
り、転写された熱可塑性樹脂層3等の面に所望の凹凸模
様や光沢を付与することが出来る。
【0014】染料絵柄層の形成に先立って、基材シート
の面に剥離層7を形成することも好ましい。かかる剥離
層7は水溶性樹脂、親水性樹脂、ワックス類、シリコー
ンワックス、シリコーン樹脂、弗素樹脂、アクリル樹脂
等の剥離剤から形成する。形成方法は、例えば、グラビ
ア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバ
ースロールコーティング法等の任意の形成方法でよく、
その厚みは0.5〜10μm程度で十分である。又、転
写後に艶消し絵柄が望ましい場合には、剥離層中に透明
性を害さない程度に各種の粒子を包含させるか或はマッ
ト処理した基材シートを使用することにより表面マット
状にすることも出来る。又、該剥離層の表面に形成する
装飾層は、一般印刷、部分金属蒸着層等、転写後に染料
絵柄を完全には隠蔽しない層であればよい。
【0015】前記な基材シート上又は剥離層又は装飾層
の面に染料絵柄を形成する熱拡散性染料としては、従来
公知のいずれの熱拡散性染料でも使用可能であるが、好
ましい染料は昇華性(熱移行性)染料であり、例えば、
マゼンタ染料として、MS RedG、 Macrolex Red Violet
R、 Ceres Red7B、 Samaron Red HBSL、 Resolin Red F
3BS等が挙げられ、又、イエローの染料としては、ホロ
ンブリリアントイエロー6GL、 PTY-52、マクロレックス
イエロー6G等が挙げられ、又、シアン染料としては、カ
ヤセットブルー714、ワクソリンブルーAP-FW、ホロンブ
リリアントブルーS-R、MSブルー100 等が挙げられる。
【0016】これらの染料をインキ化する場合には、適
当なバインダーを溶解した適当な有機溶剤に、染料を溶
解又は分散させてグラビアタイプのインキとすればよ
く、好ましいバインダー樹脂としては、例えば、エチル
セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒド
ロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メ
チルセルロース、酢酸セルロース、酢酪酸セルロース等
のセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸
ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセター
ル、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、塩化
ビニル/酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂、ポリエ
ステル、アクリル等が挙げられる。これらのバインダー
は単独で用いてもよいが、所望の印刷適性、染料の分散
性、転写後の表面物性等の点から2種以上混合して使用
してもよい。上記インキによる絵柄印刷は、例えば、グ
ラビア印刷方法、オフセットグラビア印刷方法、平版印
刷方法、静電印刷方法、インキジェット印刷方法等、従
来公知の任意の印刷方法でよく、又、形成される絵柄の
種類も何ら限定されない。
【0017】上記染料絵柄層の表面に形成する熱可塑性
樹脂層は、熱による転写時に染料絵柄層から拡散してく
る染料を層中に受容し、形成された絵柄を維持する為の
ものであり、例えば、ポリプロピレン等のポリオレフィ
ン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化
ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化ポリマー、
ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルエステル等のビニルポリ
マー、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレ
フタレート等のポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹
脂、ポリアミド系樹脂、エチレンやプロピレン等のオレ
フィンと他のビニルモノマーとの共重合体系樹脂、アイ
オノマー、セルロースジアセテート等のセルロース系樹
脂、ポリカーボネート等が挙げられ、特に好ましいもの
は、ビニル系樹脂及びポリエステル系樹脂である。熱可
塑性樹脂としてはTgが40〜150℃の範囲のものが
好適であり、Tgが低過ぎると染料の拡散性は良好であ
るものの、画像が経時的に滲んだり、各種耐久性が不十
分であり、一方、Tgが高過ぎると染料の拡散性が不十
分で本発明の目的達成が容易ではない。以上の如く形成
される熱可塑性樹脂層は任意の厚さでよいが、一般的に
は5〜50μmの厚さであり、薄すぎると立体感や奥行
感が不十分であり、一方、厚すぎると転写時に箔切れが
不十分となる。
【0018】更に上記の熱可塑性樹脂層の表面には、前
記図示した様に、転写後染料絵柄のバックグラウンドと
なる装飾層やヒートシール層を設けることが出来る。こ
の場合の装飾層は、前記装飾層と同様であるが、少なく
とも一部が透明である必要はなく、物品表面を完全に隠
蔽するものであってもよい。又、物品そのものが透明で
あって、転写絵柄を物品側から観察する場合には少なく
とも一部が透明であることが必要である。接着剤は従来
公知のヒートシール剤がそのまま使用可能であり、例え
ば、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、
エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂、塩化ビニル・酢酸ビ
ニル共重合樹脂、ポリエステル樹脂等の如く熱時接着性
の良好な樹脂の溶液を塗布及び乾燥することによって、
好ましくは0.1〜10μm程度の厚みに形成する。
【0019】又、本発明の転写方法は、上記本発明の転
写箔を使用することを特徴としており、使用する被転写
材は、特に限定されず、例えば、金属製品、木材製品、
紙製品、合成樹脂成形品等何ら限定されない。又、転写
方法としては、転写箔用のホットスタンパー、熱ロール
等、特公平2−42080号公報等に開示される射出成
形同時転写方法、特開昭51−139416号公報等に
開示される真空プレス同時転写方法等、熱可塑性樹脂層
又は接着剤層が活性化される温度に加熱可能ないずれの
加熱加圧手段でもよい。加熱加圧条件は使用する各材料
によって変化し一概には決定出来ないが、一般的には8
0〜250℃の温度で1〜10Kg/cm2 程度の圧力
で且つ1〜200秒程度の時間である。又、樹脂層の成
分として電離放射線硬化性樹脂を用いた場合には、絵柄
層を被転写物品に転写後に電離放射線によって樹脂層を
架橋硬化させる。本発明で使用される電離放射線硬化性
樹脂の硬化方法は、通常の電離放射線硬化性樹脂の硬化
方法、即ち、電子線又は紫外線の照射によって硬化する
ことが出来る。例えば、電子線硬化の場合にはコックロ
フトワルトン型、バンデグラフ型、共振変圧型、絶縁コ
ア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の
各種電子線加速器から放出される50〜1000Ke
V、好ましくは100〜300KeVのエネルギーを有
する電子線等が使用され、紫外線硬化の場合には超高圧
水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キ
セノンアーク、メタルハライドランプ等の光線から発す
る紫外線等が利用出来る。
【0020】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説
明する。尚、文中、部又は%とあるのは特に断りの無い
限り重量基準である。 実施例1 ポリエステルフイルム(X45、東レ製)の表面に、昭
和インク製の剥離層用インキを固形分2g/m2 の割合
でグラビア印刷方法で塗工及び乾燥して剥離層を形成し
た。次に該剥離層の表面に下記組成の染料インキを用い
てグラビア印刷方法でフルカラー画像を形成した。イエロー染料インキ組成 : 分散染料(Macrolex Yellow 6G) 4.0部 メチルエチルケトン/トルエン(重量比1/1) 80.0部 ジオキサン 10.0部 分散染料(カヤセットブルー714、日本化薬製) 4.0部マゼンタ染料インキ組成 : 分散染料(C.I.Disperse Red60) 4.0部 エチルヒドロキシセルロース(ハーキュレス社製) 5.0部 メチルエチルケトン/トルエン(重量比1/1) 80.0部 ジオキサン 10.0部シアン染料インキ組成 : 分散染料(カヤセットブルー714、日本化薬製) 4.0部 エチルヒドロキシセルロース(ハーキュレス社製) 5.0部 メチルエチルケトン/トルエン(重量比1/1) 80.0部 ジオキサン 10.0部
【0021】次に下記の組成の熱可塑性樹脂層用塗工液
及び接着剤層用塗工液を順次バーコーターにより乾燥時
5.0g/m2 及び3g/m2 になる割合で塗布し、ド
ライヤーで仮乾燥後、100℃のオーブン中で30分間
乾燥して熱可塑性樹脂層及び接着剤層を形成し、本発明
の転写箔を得た。熱可塑性樹脂層用塗工液組成; 塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体(VAGH、ユニオンカーバイド社製) 100部 天然蛋白質繊維(コラーゲン粉末、昭和電工製トリアゼット) 40部 メチルエチルケトン/トルエン(重量比1/1) 400部接着剤層用塗工液組成; ポリメチルメタクリレート樹脂(BR−106、三菱レイヨン製)100部 メチルエチルケトン/トルエン(重量比1/1) 300部
【0022】実施例2 実施例1で得られた転写箔をABS樹脂成形品の表面に
重ね200℃、1Kg/cm2及び5分間の熱プレス転
写方法で転写後基材シートを剥離した。得られた絵柄は
染料が熱可塑性樹脂層に深く拡散しおり、奥行感、立体
感、ソフト感及び触感に優れた美麗な絵柄であった。実
施例3 実施例1で使用した熱可塑性樹脂層用塗工液を下記組成
とし、他は実施例1と同様にして本発明の転写箔を得
た。熱可塑性樹脂層用塗工液組成; 電離性放射線硬化型樹脂SP−1519X−2(日本合成化学製) 60部 ポリメチルメタクリレート樹脂(BR−106、三菱レイヨン製) 40部 天然蛋白質繊維(コラーゲン粉末、昭和電工製トリアゼット) 40部 メチルエチルケトン/トルエン(重量比1/1) 300部
【0023】実施例4 実施例1で得られた転写箔をABS樹脂成形品の表面に
重ね200℃及び5分間の熱プレス転写方法で転写後基
材シートを剥離した。その後転写面から低エネルギー型
電子線照射装置(日新ハイボルテージ社製 EBC−2
00AA−2)を用い架橋硬化させた。サンプルの搬送
速度は10m/min.、加速電圧180kV、照射線
量は10Mradとした。以上の如くして得られた絵柄
は、染料が熱可塑性樹脂層に深く拡散しおり、奥行感、
立体感、ソフト感及び触感に優れた美麗な絵柄であり、
60℃で1週間保存試験後にも絵柄に滲みが認められな
かった。
【0024】
【効果】以上の如き本発明によれば、転写箔の転写層
を、熱拡散性染料を含むインキからなる絵柄印刷層と
ラーゲンから成る粉末状の天然蛋白質繊維を含む樹脂層
をこの記載の順序に積層して形成し、該転写箔を被転写
材に重ね、基材シートの背面から加熱加圧することによ
って、熱拡散性染料が上記熱可塑性樹脂層の深さ方向に
拡散して転写され、従って任意の物品の表面に深みのあ
る絵柄を簡便に付与することが出来る。又、上記樹脂層
にはコラーゲンから成る粉末状の天然蛋白質繊維が含有
されているので、表面が柔らかい皮革の様なマット感が
あり、手指で触った時にも指紋が付かず、夏場でも表面
に結露やベトツキが生じにくく、又、しっとりとした温
かい触感が得られる。更に上記樹脂層を常温で非流動性
の電離放射線硬化性樹脂で形成しておき、転写後架橋硬
化させることによって、表面の耐摩耗性、耐擦傷性、表
面硬度等に優れ、更に染料画像の滲みや耐久性等の問題
が解決される。
【0025】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の転写箔と転写方法の断面を図解的に説
明する図。
【図2】本発明の転写箔と転写方法の断面を図解的に説
明する図。
【図3】本発明の転写箔と転写方法の断面を図解的に説
明する図。
【符号の説明】
1:基材シート 2:染料絵柄層 3:熱可塑性樹脂層 4:剥離層 5:装飾層 6:接着剤層 10:被転写材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−45186(JP,A) 特開 平4−128039(JP,A) 特開 平4−5100(JP,A) 特開 平4−119181(JP,A) 特開 平4−257378(JP,A) 特開 平3−241077(JP,A) 特開 平1−266238(JP,A) 特開 平4−153381(JP,A) 特開 平4−185782(JP,A) 特開 昭52−107376(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B44C 1/165 - 1/17 B41M 5/38 - 5/40

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材シートの一方の面に、熱拡散性染料
    を含むインキからなる絵柄印刷層と熱可塑性樹脂中にコ
    ラーゲンから成る粉末状の天然蛋白質繊維を含む染料染
    着性樹脂層とをこの記載の順序に積層してなることを特
    徴とする転写箔。
  2. 【請求項2】 樹脂層が常温で非流動性の電離放射線硬
    化性樹脂からなる請求項1に記載の転写箔。
  3. 【請求項3】 基材シートと絵柄印刷層との間に剥離層
    及び/又は装飾層が設けられている請求項1に記載の転
    写箔。
  4. 【請求項4】 樹脂層の表面に剥離層及び/又は装飾層
    が設けられている請求項1に記載の転写箔。
  5. 【請求項5】 最表面にヒートシール層が設けられてい
    る請求項1に記載の転写箔。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5に記載の転写箔を被転写材
    に重ね、基材シートの背面から加熱加圧し、更に必要に
    応じて電離放射線を照射して転写された樹脂層を架橋硬
    化させることを特徴とする転写方法。
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