JPH1035082A - 部分ホログラム転写材とその製造方法 - Google Patents

部分ホログラム転写材とその製造方法

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JPH1035082A
JPH1035082A JP20895896A JP20895896A JPH1035082A JP H1035082 A JPH1035082 A JP H1035082A JP 20895896 A JP20895896 A JP 20895896A JP 20895896 A JP20895896 A JP 20895896A JP H1035082 A JPH1035082 A JP H1035082A
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JP
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layer
transfer material
thin film
metal thin
resin
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JP20895896A
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English (en)
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Yuzo Nakamura
祐三 中村
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Nissha Printing Co Ltd
Original Assignee
Nissha Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ホログラム模様とホログラムを有さない金属光
沢模様とを有する部分ホログラム転写材とその製造方法
を得る。 【解決手段】剥離性を有する基体シート1の表面に全面
的または部分的な金属薄膜層5を形成し、次いで金属薄
膜層5表面のホログラムを必要としない部分に緩衝層6
を形成し、次いで表面から全面的にホログラム情報の凹
凸を付与し、次いで接着層8を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ホログラム模様
とホログラムを有さない金属光沢模様とを有する部分ホ
ログラム転写材とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】装飾方法のひとつとして、転写法があ
る。転写法とは、基体シート上に、剥離層、図柄層、接
着層などからなる転写層を形成した転写材を用い、加熱
加圧して転写層を被転写物に密着させた後、基体シート
を剥離して、被転写物面に転写層を転移して装飾を行う
方法である。転写材において部分的なホログラム模様を
表現するために、部分的な金属薄膜層を形成し、ホログ
ラム情報の凹凸を有するロールを用いて全面的にプレス
することにより、金属薄膜層が形成された部分をホログ
ラム模様とする方法があった。金属薄膜層が形成されて
いない部分においてもホログラム情報の凹凸が形成され
るが、接着層をさらにその上に形成することによりホロ
グラム情報の凹凸が埋まり、最終的には金属薄膜層が形
成された部分のみがホログラム模様を呈することとな
る。ホログラム模様は、光の干渉縞を凹凸によって表わ
したものであり、虹色の立体像などの明るく多様な色変
化を表現できるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の方法で
は、金属薄膜層のすべての部分にホログラムが形成さ
れ、ホログラム模様とホログラムを有さない金属光沢模
様とを組み合わせることができないという欠点があっ
た。
【0004】したがって、この発明は、上記のような欠
点を解消し、ホログラム模様とホログラムを有さない金
属光沢模様とを有する部分ホログラム転写材とその製造
方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明の部分ホログラ
ム転写材とその製造方法は、以上の目的を達成するため
に、つぎのように構成した。
【0006】つまり、この発明の部分ホログラム転写材
の製造方法は、剥離性を有する基体シートの表面に全面
的または部分的な金属薄膜層を形成し、次いで金属薄膜
層表面のホログラムを必要としない部分に緩衝層を形成
し、次いで表面から全面的にホログラム情報の凹凸を付
与し、次いで接着層を形成するように構成した。
【0007】また、上記の発明において、基体シートの
表面に金属薄膜層を形成する前に、剥離層を形成するよ
うに構成してもよい。
【0008】また、上記の発明において、基体シートの
表面に金属薄膜層を形成する直前に、前アンカー層を形
成するように構成してもよい。
【0009】また、上記の発明において、ホログラム情
報の凹凸を付与した直後に、後アンカー層を形成するよ
うに構成してもよい。
【0010】また、上記の発明において、緩衝層が、後
アンカー層の機能を有するように構成してもよい。
【0011】また、上記の発明において、剥離層と前ア
ンカー層の間に、図柄層を形成するように構成してもよ
い。
【0012】また、上記の発明において、緩衝層が、金
属薄膜層と後アンカー層との間にあってアンカー層の機
能を有するように構成してもよい。
【0013】また、上記の発明において、緩衝層が、金
属薄膜層と接着層との間にあってアンカー層の機能を有
するように構成してもよい。
【0014】また、上記の発明において、緩衝層が、厚
さ0.5〜50μmであるように構成してもよい。
【0015】また、この発明の部分ホログラム転写材
は、剥離性を有する基体シート上に全面的または部分的
な金属薄膜層を有し、金属薄膜層上に部分的な緩衝層を
有し、その上に接着層を有する転写材であって、緩衝層
が形成された部分の金属薄膜層は平滑であり、緩衝層が
形成されていない部分の金属薄膜層はホログラム情報の
凹凸を有するように構成した。
【0016】また、上記の発明において、基体シートと
金属薄膜層との間に剥離層を有するように構成してもよ
い。
【0017】また、上記の発明において、金属薄膜層の
基体シート側に前アンカー層を有するように構成しても
よい。
【0018】また、上記の発明において、金属薄膜層の
接着層側に後アンカー層を有するように構成してもよ
い。
【0019】また、上記の発明において、剥離層と前ア
ンカー層の間に、図柄層を有するように構成してもよ
い。
【0020】また、上記の発明において、緩衝層が、厚
さ0.5〜50μmであるように構成してもよい。
【0021】
【発明の実施の形態】図面を参照しながらこの発明の実
施の形態について詳しく説明する。
【0022】図1は、この発明の部分ホログラム転写材
の製造方法の一工程における転写材を示す断面図であ
る。図2は、この発明の部分ホログラム転写材の製造方
法によって得ることができる転写材の一実施例を示す断
面図である。図3は、この発明の部分ホログラム転写材
の製造方法によって得ることができる転写材の他の実施
例を示す断面図である。図中、1は基体シート、2は剥
離層、3は図柄層、4は前アンカー層、5は金属薄膜
層、6は緩衝層、7は後アンカー層、8は接着層であ
る。
【0023】この発明の部分ホログラム転写材の製造方
法は、剥離性を有する基体シート1の表面に全面的また
は部分的な金属薄膜層5を形成し、次いで金属薄膜層5
表面のホログラムを必要としない部分に緩衝層6を形成
し、次いで表面から全面的にホログラム情報の凹凸を付
与し、次いで接着層8を形成するものである(図1〜3
参照)。
【0024】基体シート1の材質としては、ポリプロピ
レン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、
ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル
系樹脂などの樹脂シート、アルミニウム箔、銅箔などの
金属箔、グラシン紙、コート紙、セロハンなどのセルロ
ース系シート、あるいは以上の各シートの複合体など、
通常の部分ホログラム転写材の基体シートとして用いる
ものを使用することができる。
【0025】基体シート1からの転写層の剥離性がよい
場合には、基体シート1上に転写層を直接設ければよ
い。基体シート1からの転写層の剥離性を改善するため
には、基体シート1上に転写層を設ける前に、離型層を
全面的に形成してもよい。離型層は、転写後または成形
同時転写後に基体シート1を剥離した際に、基体シート
1とともに転写層から離型する。離型層の材質として
は、メラミン樹脂系離型剤、シリコーン樹脂系離型剤、
フッ素樹脂系離型剤、セルロース誘導体系離型剤、尿素
樹脂系離型剤、ポリオレフィン樹脂系離型剤、パラフィ
ン系離型剤およびこれらの複合型離型剤などを用いるこ
とができる。離型層の形成方法としては、ロールコート
法、スプレーコート法などのコート法、グラビア印刷
法、スクリーン印刷法などの印刷法がある。
【0026】剥離層2は、基体シート1または離型層上
に全面的または部分的に形成する。剥離層2は、転写後
または成形同時転写後に基体シート1を剥離した際に、
基体シート1または離型層から剥離して被転写物の最外
面となる層である。剥離層2の材質としては、アクリル
系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、
セルロース系樹脂、ゴム系樹脂、ポリウレタン系樹脂、
ポリ酢酸ビニル系樹脂などのほか、塩化ビニル−酢酸ビ
ニル共重合体系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体系
樹脂などのコポリマーを用いるとよい。剥離層2に硬度
が必要な場合には、紫外線硬化性樹脂などの光硬化性樹
脂、電子線硬化性樹脂などの放射線硬化性樹脂、熱硬化
性樹脂などを選定して用いるとよい。剥離層2は、着色
したものでも、未着色のものでもよい。剥離層2の形成
方法としては、グラビアコート法、ロールコート法、コ
ンマコート法などのコート法、グラビア印刷法、スクリ
ーン印刷法などの印刷法がある。
【0027】図柄層3は、必要に応じて形成する(図3
参照)。図柄層3は、表現したい図柄に応じて、全面的
に設ける場合や部分的に設ける場合もある。図柄層3の
材質としては、ポリビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、
ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系
樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリエステルウレ
タン系樹脂、セルロースエステル系樹脂、アルキド樹
脂、ビニルアクリル共重合体樹脂などの樹脂をバインダ
ーとし、適切な色の顔料または染料を着色剤として含有
する着色インキを用いるとよい。図柄層3の形成方法と
しては、オフセット印刷法、グラビア印刷法、スクリー
ン印刷法などの通常の印刷法などを用いるとよい。特
に、多色刷りや階調表現を行うには、オフセット印刷法
やグラビア印刷法が適している。また、単色の場合に
は、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート
法などのコート法を採用することもできる。
【0028】金属薄膜層5を設ける際に、他の転写層と
金属薄膜層5との密着性を向上させるために、前アンカ
ー層4や後アンカー層7を設けてもよい。前アンカー層
4および後アンカー層7の材質としては、2液性硬化ウ
レタン樹脂、熱硬化ウレタン樹脂、メラミン系樹脂、セ
ルロースエステル系樹脂、塩素含有ゴム系樹脂、塩素含
有ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ビ
ニル系共重合体樹脂樹脂などを使用するとよい。前アン
カー層4および後アンカー層7の形成方法としては、グ
ラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法など
のコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの
印刷法がある。
【0029】金属薄膜層5は、金属光沢模様またはホロ
グラム模様を表現するためのものであり、真空蒸着法、
スパッターリング法、イオンプレーティング法、鍍金法
などで形成する。表現したい金属光沢色に応じて、アル
ミニウム、ニッケル、金、白金、クロム、鉄、銅、ス
ズ、インジウム、銀、チタニウム、鉛、亜鉛などの金
属、これらの合金または化合物を使用する。金属薄膜層
5は、全面的であっても部分的であってもよい。金属薄
膜層5を部分的に形成するには、金属薄膜層5を必要と
しない部分に溶剤可溶性樹脂層を形成した後、その上に
全面的に金属薄膜を形成し、溶剤洗浄を行って溶剤可溶
性樹脂層と共に不要な金属薄膜を除去する方法がある。
この場合によく用いる溶剤は、水または水溶液である。
また、全面的に金属薄膜を形成し、次に金属薄膜を残し
ておきたい部分にレジスト層を形成し、酸またはアルカ
リでエッチングを行い、レジスト層を除去する方法があ
る。また、必要に応じて、図柄層3を金属薄膜層5の次
に形成してもよい。この図柄層3は、金属薄膜層5の厚
みが薄いハーフ蒸着層である場合に金属光沢を有する図
柄が得られるので有効である。
【0030】緩衝層6は、金属薄膜層5のうち、ホログ
ラム模様を形成しない部分に重ねて形成する(図1参
照)。緩衝層6は、前アンカー層4および後アンカー層
7と同様の樹脂からなるインキを用い、印刷法で形成す
るとよい。緩衝層6は、ホログラム情報の凹凸が消え、
しかもクラックが生じない程度の一定の厚みと柔らかさ
が必要である。具体的には、緩衝層6の厚さは、0.5〜5
0μmとするのが適当である。その理由は、緩衝層6の
厚さが0.5μmに満たないと、ホログラムを形成しない
という機能を発揮できず、緩衝層6の厚さが50μmを越
えると、部分ホログラム転写材を卷き取ったときに部分
的に厚みが大きいため同じ箇所がふくれてしわになりや
すく、また経済的にも問題がある。また、緩衝層6に
は、シリカなどの艶消剤を入れておくと、より効果的で
ある。このように緩衝層6を設けることにより、ホログ
ラム情報の凹凸を転写材に全面的に形成したときに、金
属薄膜層5の緩衝層6が形成された部分にはホログラム
が現れず、通常の金属薄膜層5の金属光沢が現れる。
【0031】次に、ホログラム情報の凹凸を全面的に形
成する。ホログラム情報の凹凸を形成するには、ロール
の全面にホログラム情報の凹凸の型が形成されたロール
を用いるとよい。このようなロールに金属薄膜層5など
が形成された製造途中の転写材を通してプレスすること
により、ホログラム情報の凹凸を全面的に形成すること
ができる。全面的に形成するのは、部分的なホログラム
を形成するのに比べ、汎用的なホログラム情報の凹凸用
ロールを使用できること、見当合わせを必要としないこ
となどの利点がある。
【0032】接着層8は、被転写物面に上記の各層を接
着するものである(図2参照)。接着層8は、接着させ
たい部分に形成する。すなわち、接着させたい部分が全
面的なら全面的に形成し、接着させたい部分が部分的な
ら部分的に形成する。接着層8としては、被転写物の素
材に適した感熱性あるいは感圧性の樹脂を適宜使用す
る。たとえば、被転写物の材質がアクリル系樹脂の場合
はアクリル系樹脂を用いるとよい。また、被転写物の材
質がポリフェニレンオキシド・ポリスチレン系樹脂、ポ
リカーボネート系樹脂、スチレン共重合体系樹脂、ポリ
スチレン系ブレンド樹脂の場合は、これらの樹脂と親和
性のあるアクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリア
ミド系樹脂などを使用すればよい。さらに、被転写物の
材質がポリプロピレン樹脂の場合は、塩素化ポリオレフ
ィン樹脂、塩素化エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、
環化ゴム、クマロンインデン樹脂が使用可能である。接
着層8の形成方法としては、グラビアコート法、ロール
コート法、コンマコート法などのコート法、グラビア印
刷法、スクリーン印刷法などの印刷法がある。
【0033】被転写物としては、樹脂成形品、ゴム製
品、金属製品、木工品、ガラス製品、陶磁器製品もしく
は各種材質からなる複合製品などを挙げることができ
る。被転写物は、透明、半透明、不透明のいずれでもよ
い。また、被転写物は、着色されていても、着色されて
いなくてもよい。樹脂としては、ポリスチレン系樹脂、
ポリオレフィン系樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、AN樹
脂などの汎用樹脂を挙げることができる。また、ポリフ
ェニレンオキシド・ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネ
ート系樹脂、ポリアセタール系樹脂、アクリル系樹脂、
ポリカーボネート変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポ
リブチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタ
レート樹脂、超高分子量ポリエチレン樹脂などの汎用エ
ンジニアリング樹脂やポリスルホン樹脂、ポリフェニレ
ンサルファイド系樹脂、ポリフェニレンオキシド系樹
脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポ
リイミド樹脂、液晶ポリエステル樹脂、ポリアリル系耐
熱樹脂などのスーパーエンジニアリング樹脂を使用する
こともできる。さらに、ガラス繊維や無機フィラーなど
の補強材を添加した複合樹脂も使用できる。
【0034】前記した層構成の部分ホログラム転写材を
用い、転写法を利用して被転写物面に装飾を行う方法に
ついて説明する。まず、被転写物面に、部分ホログラム
転写材の接着層8側を密着させる。次に、耐熱ゴム状弾
性体例えばシリコンラバーを備えたロール転写機、アッ
プダウン転写機などの転写機を用い、温度80〜260℃程
度、圧力50〜200kg/m2程度の条件に設定した耐熱ゴム
状弾性体を介して部分ホログラム転写材の基体シート1
側から熱と圧力とを加える。こうすることにより、接着
層8が被転写物表面に接着する。最後に、冷却後に基体
シート1を剥がすと、基体シート1と剥離層2との境界
面で剥離が起こり、転写が完了する。また、基体シート
1上に離型層を設けた場合は、基体シート1を剥がす
と、離型層と剥離層2との境界面で剥離が起こり、転写
が完了する。
【0035】次に、前記した部分ホログラム転写材を用
い、射出成形による成形同時転写法を利用して被転写物
である樹脂成形品の面に装飾を行う方法について説明す
る。まず、可動型と固定型とからなる成形用金型内に部
分ホログラム転写材を送り込む。その際、枚葉の部分ホ
ログラム転写材を1枚づつ送り込んでもよいし、長尺の
部分ホログラム転写材の必要部分を間欠的に送り込んで
もよい。長尺の部分ホログラム転写材を使用する場合、
位置決め機構を有する送り装置を使用して、部分ホログ
ラム転写材の図柄層3と成形用金型との見当が一致する
ようにするとよい。また、部分ホログラム転写材を間欠
的に送りむ際に、部分ホログラム転写材の位置をセンサ
ーで検出した後に部分ホログラム転写材を可動型と固定
型とで固定するようにすれば、常に同じ位置で部分ホロ
グラム転写材を固定することができ、図柄層3の位置ず
れが生じないので便利である。成形用金型を閉じた後、
固定型に設けたゲートより溶融樹脂を金型内に射出充満
させ、被転写物を形成するのと同時にその面に部分ホロ
グラム転写材を接着させる。被転写物である樹脂成形品
を冷却した後、成形用金型を開いて樹脂成形品を取り出
す。最後に、基体シート1を剥がすことにより、転写が
完了する(図2参照)。
【0036】
【実施例】
実施例1 厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上
に、アクリル系樹脂からなる乾燥膜厚2μmの剥離層
と、ビニルアクリル系樹脂からなる図柄層と、ウレタン
系樹脂からなる乾燥膜厚1μmの前アンカー層を順次グ
ラビア印刷法で形成した。次いで、150℃30秒間の条件
で熱処理をした。次いで、抵抗加熱真空蒸着法により厚
さ600Åのアルミニウムの金属薄膜層を形成した。次い
で、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂からなる乾
燥膜厚4μmの緩衝層をスクリーン印刷法で部分的に形
成した。次いで、汎用的なホログラム情報の凹凸用ロー
ルを使用して、ホログラム情報の凹凸を全面的に形成し
た。次いで、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂か
らなる乾燥膜厚1μmの後アンカー層と、アクリル系樹
脂からなる乾燥膜厚2μmの接着層を順次グラビア印刷
法で形成し、部分ホログラム転写材を得た。
【0037】このようにして得た部分ホログラム転写材
をABS成形品にロール転写したところ、部分的にホロ
グラム情報を有する金属薄膜層と、ホログラム情報を有
しない金属薄膜層とを合わせ持つ成形品を得ることがで
きた。
【0038】実施例2 厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上
に、実施例1と同様にして、剥離層、図柄層、前アンカ
ー層を形成した。次いで、部分的にポリビニルアルコー
ル樹脂をグラビア印刷法で印刷して水溶性樹脂層を形成
した。次いで、実施例1と同様に熱処理し、金属薄膜層
を形成した。次いで、水洗を行って、水溶性樹脂ととも
にその上に形成された金属薄膜層を除去し、部分的な金
属薄膜層を得た。次いで、ウレタン系樹脂からなる乾燥
膜厚1μmの緩衝層をグラビア印刷法で金属薄膜層の一
部に形成した。次いで、実施例1と同様にして、ホログ
ラム情報の凹凸を全面的に形成した。次いで、ウレタン
系樹脂からなる乾燥膜厚1μmの後アンカー層と、ポリ
アミド系樹脂からなる乾燥膜厚2μmの接着層を順次グ
ラビア印刷法で形成し、部分ホログラム転写材を得た。
【0039】このようにして得た部分ホログラム転写材
を射出成型用金型内に配置し、ポリカーボネート樹脂を
射出して成形同時転写を行ったところ、部分的にホログ
ラム情報を有する金属薄膜層と、ホログラム情報を有し
ない金属薄膜層とを合わせ持つ成形品を得ることができ
た。
【0040】実施例3 厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上
に、ウレタンアクリレート系樹脂からなる乾燥膜厚2μ
mの剥離層と、アクリル系樹脂からなる図柄層と、メラ
ミン系樹脂からなる乾燥膜厚1μmの前アンカー層を順
次グラビア印刷法で形成した。次いで、実施例2と同様
にして水溶性樹脂層を形成した。次いで、実施例1と同
様に熱処理し、金属薄膜層を形成した。次いで、実施例
2と同様にして水洗を行って、部分的な金属薄膜層を得
た。次いで、部分的な金属薄膜層の一部に塩化ビニル−
酢酸ビニル共重合体系樹脂からなる乾燥膜厚1μmの緩
衝層をグラビア印刷法で形成した。次いで、実施例1と
同様にして、ホログラム情報の凹凸を全面的に形成し
た。次いで、実施例1と同様にして後アンカー層と接着
層を形成し、部分ホログラム転写材を得た。
【0041】このようにして得た部分ホログラム転写材
を、6MRADの条件で電子線を照射した後、射出成型
用金型内に配置し、アクリル系樹脂を射出して成形同時
転写を行ったところ、図柄層と、ホログラム情報を有す
る金属薄膜層と、ホログラム情報を有しない金属薄膜層
とをそれぞれ部分的に有し、表面が硬い成形品を得るこ
とができた。
【0042】実施例4 厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上
に、ウレタンアクリレート樹脂を主体としたハードコー
ト層を厚さ5μmで形成した後、実施例2と同様にし
て、図柄層、前アンカー層を形成した。次いで、実施例
2と同様にして水溶性樹脂層を形成した。次いで、実施
例1と同様に熱処理した。次いで、スパッタリング法に
より厚さ600Åの硫化亜鉛の金属薄膜層を形成した。次
いで、実施例2と同様にして水洗を行って、部分的な金
属薄膜層を得た。次いで、実施例3と同様にして部分的
な金属薄膜層の一部に緩衝層を形成した。次いで、実施
例1と同様にして、ホログラム情報の凹凸を全面的に形
成した。次いで、実施例1と同様にして後アンカー層と
接着層を形成し、部分ホログラム転写材を得た。
【0043】このようにして得た部分ホログラム転写材
を、射出成型用金型内に配置し、アクリル系樹脂を射出
して成形同時転写した後、成形品に400mjの条件で紫
外線を照射したところ、図柄層と、ホログラム情報を有
する金属薄膜層と、ホログラム情報を有しない金属薄膜
層とをそれぞれ部分的に有し、表面が塗装と同程度の硬
度を有する成形品を得ることができた。
【0044】
【発明の効果】この発明は、前記した構成からなるの
で、次のような効果を有する。
【0045】この発明の部分ホログラム転写材の製造方
法は、剥離性を有する基体シートの表面に全面的または
部分的な金属薄膜層を形成し、次いで金属薄膜層表面の
ホログラムを必要としない部分に緩衝層を形成し、次い
で表面から全面的にホログラム情報の凹凸を付与し、次
いで接着層を形成するので、緩衝層を形成した部分には
ホログラム情報の凹凸が形成されない。したがって、ホ
ログラム模様とホログラムを有さない金属光沢模様とを
有する転写材を容易に得ることができるものである。
【0046】また、この発明の部分ホログラム転写材
は、剥離性を有する基体シート上に全面的または部分的
な金属薄膜層を有し、金属薄膜層上に部分的な緩衝層を
有し、その上に接着層を有する転写材であって、緩衝層
が形成された部分の金属薄膜層は平滑であり、緩衝層が
形成されていない部分の金属薄膜層はホログラム情報の
凹凸を有するので、1回の転写でホログラム模様と、ホ
ログラムを有さない金属光沢模様と同時に形成できるも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の部分ホログラム転写材の製造方法の
一工程における転写材を示す断面図である。
【図2】この発明の部分ホログラム転写材の製造方法に
よって得ることができる転写材の一実施例を示す断面図
である。
【図3】この発明の部分ホログラム転写材の製造方法に
よって得ることができる転写材の他の実施例を示す断面
図である。
【符号の説明】
1 基体シート 2 剥離層 3 図柄層 4 前アンカー層 5 金属薄膜層 6 緩衝層 7 後アンカー層 8 接着層

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 剥離性を有する基体シートの表面に全面
    的または部分的な金属薄膜層を形成し、次いで金属薄膜
    層表面のホログラムを必要としない部分に緩衝層を形成
    し、次いで表面から全面的にホログラム情報の凹凸を付
    与し、次いで接着層を形成することを特徴とする部分ホ
    ログラム転写材の製造方法。
  2. 【請求項2】 基体シートの表面に金属薄膜層を形成す
    る前に、剥離層を形成する請求項1に記載の部分ホログ
    ラム転写材の製造方法。
  3. 【請求項3】 基体シートの表面に金属薄膜層を形成す
    る直前に、前アンカー層を形成する請求項1〜2のいず
    れかに記載の部分ホログラム転写材の製造方法。
  4. 【請求項4】 ホログラム情報の凹凸を付与した直後
    に、後アンカー層を形成する請求項1〜3のいずれかに
    記載の部分ホログラム転写材の製造方法。
  5. 【請求項5】 緩衝層が、後アンカー層の機能を有する
    ものである請求項1〜3のいずれかに記載の部分ホログ
    ラム転写材の製造方法。
  6. 【請求項6】 剥離層と前アンカー層の間に、図柄層を
    形成する請求項3〜5のいずれかに記載の部分ホログラ
    ム転写材の製造方法。
  7. 【請求項7】 緩衝層が、金属薄膜層と後アンカー層と
    の間にあってアンカー層の機能を有するものである請求
    項4に記載の部分ホログラム転写材の製造方法。
  8. 【請求項8】 緩衝層が、金属薄膜層と接着層との間に
    あってアンカー層の機能を有するものである請求項1〜
    6のいずれかに記載の部分ホログラム転写材の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 緩衝層が、厚さ0.5〜50μmである請求
    項1〜8のいずれかに記載の部分ホログラム転写材の製
    造方法。
  10. 【請求項10】 剥離性を有する基体シート上に全面的
    または部分的な金属薄膜層を有し、金属薄膜層上に部分
    的な緩衝層を有し、その上に接着層を有する転写材であ
    って、緩衝層が形成された部分の金属薄膜層は平滑であ
    り、緩衝層が形成されていない部分の金属薄膜層はホロ
    グラム情報の凹凸を有することを特徴とする部分ホログ
    ラム転写材。
  11. 【請求項11】 基体シートと金属薄膜層との間に剥離
    層を有する請求項10に記載の部分ホログラム転写材。
  12. 【請求項12】 金属薄膜層の基体シート側に前アンカ
    ー層を有する請求項10〜11のいずれかに記載の部分
    ホログラム転写材。
  13. 【請求項13】 金属薄膜層の接着層側に後アンカー層
    を有する請求項10〜12のいずれかに記載の部分ホロ
    グラム転写材。
  14. 【請求項14】 剥離層と前アンカー層の間に、図柄層
    を有する請求項12〜13のいずれかに記載の部分ホロ
    グラム転写材。
  15. 【請求項15】 緩衝層が、厚さ0.5〜50μmである請
    求項10〜14のいずれかに記載の部分ホログラム転写
    材。
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