JPH10250137A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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Publication number
JPH10250137A
JPH10250137A JP6148897A JP6148897A JPH10250137A JP H10250137 A JPH10250137 A JP H10250137A JP 6148897 A JP6148897 A JP 6148897A JP 6148897 A JP6148897 A JP 6148897A JP H10250137 A JPH10250137 A JP H10250137A
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JP
Japan
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electrode
potential
toner
control
image forming
Prior art date
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Pending
Application number
JP6148897A
Other languages
English (en)
Inventor
Shiro Wakahara
史郎 若原
Jinichi Matsuda
甚一 松田
Yoichi Yamamoto
洋一 山本
Iwakazu Honda
岩一 本田
Koichi Fujita
浩一 藤田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP6148897A priority Critical patent/JPH10250137A/ja
Publication of JPH10250137A publication Critical patent/JPH10250137A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良質な画像が得られるとともに、装置の大型
化、複雑化を回避した低コストの画像形成装置を提供す
る。 【解決手段】 トナー15が担持されたトナー担持体1
7から、これに対向配置された対向電極19に対してト
ナー15を飛翔させるための電界が形成されている。こ
れら両者の間に、トナー15の通過部である複数のゲー
ト30…を有し、かつ、該ゲート30…の周囲に設けら
れたリング状電極31…を有する制御電極20が配置さ
れている。この制御電極20に通過制御電位が印加され
て、上記電界が変化することによってトナー15の飛翔
は制御される。このとき、ブレーキ電位が上記制御電極
20に印加されることにより、トナー15の飛翔速度が
減速するため、トナー15と用紙との衝突が抑制され、
トナー15の散乱が防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、デジタル複写機お
よびファクシミリ装置の印字部や、デジタルプリンタな
どに適用され、粒子化させた顕像剤を飛翔させて記録媒
体に付着させるとともに、上記粒子化させた顕像剤の飛
翔を画像データに基づいて制御することにより記録媒体
上に画像を直接形成する画像形成装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、画像データを用紙などの記録
媒体上に可視像として出力する画像形成装置としては、
電気力によって飛翔させた粒子状の顕像剤を記録媒体に
付着させることによって、画像を形成するものが知られ
ている。
【0003】具体的には、たとえば、上記顕像剤として
トナーを用い、画像データに応じて制御電極に電位を印
加して電界を変化させて該トナーの飛翔を制御し、該ト
ナーを記録媒体へ直接付着させることによって画像を記
録媒体状に直接形成する画像形成装置が特開平7−18
6436号公報に開示されている。
【0004】この装置では、上記制御電極は、トナー担
持体とこれに対向する対向電極との間に設けられてい
る。この制御電極に対して画像データに応じた電位が印
加されることによって、トナー担持体と制御電極との間
の電界が変化し、制御電極に形成されている通過口(以
下、ゲートとする)を通じてのトナーの飛翔が制御され
る。この場合、制御電極とトナー担持体との距離が、上
記ゲートのピッチよりも短くなるように形成されている
ため、トナーにおける飛翔の制御は、各ゲート毎に独立
して行うことができる。
【0005】このため、上記方法の画像形成装置は、感
光体や誘電体ドラムなどの顕像体が不要となる。したが
って、上記顕像体から用紙などの記録媒体に対して画像
を転写する転写動作が省略され、画像を直接形成するこ
とになるため、得られる画像は、画像データに応じた良
質なものとすることができる。
【0006】しかし、上記方法では、トナー担持体と対
向電極との間の強電界によってトナーの飛翔速度は加速
されて非常に高速となる。このため、上記トナーが用紙
などの記録媒体の表面に到達した際に、該トナーが記録
媒体の表面に衝突してトナーが跳ね返るリバウンド現象
が発生する。このリバウンド現象によって、トナーは、
画像を形成する画素領域からその周辺部へ飛散すること
になる。
【0007】さらに、上記トナーは帯電しているため、
跳ね返ったトナー同士の間にクーロン力が作用して反発
し、該トナーは画素領域からさらに周辺部へ飛散する。
このような飛散したトナー(以下、飛散トナーとする)
と上記のリバウンドしたトナー(以下、リバウンドトナ
ーとする)が発生した場合、上記トナーによって本来画
素が形成される領域から該トナーの一部が散乱して画素
の輪郭を不鮮明とする。したがって、得られる画像のコ
ントラストが明確とならなくなり、加えて、ハーフトー
ンの再現性が低下して、画像の画質が劣化してしまう。
【0008】さらに、上記のリバウンド現象とそれにと
もなうリバウンドトナーや飛散トナーが、カラー画像形
成装置において発生した場合では、カラーの再現性が得
られないという事態を招来する。
【0009】すなわち、カラー画像形成装置では、用い
られるカラートナーは用紙の表面上に各色毎に順番に飛
翔して画素を形成するが、たとえば、上記カラートナー
として、イエロー、マゼンタなどが用いられたとする
と、先に、たとえばイエローのカラートナーで形成され
たイエローの画素に対して、たとえばマゼンタのカラー
トナーが、上述したような高速で飛翔して上記イエロー
の画素に衝突する現象が発生する。これによって、上記
イエローの画素が破壊されるとともに、上記リバウンド
現象によってマゼンタのカラートナーが散乱し、イエロ
ーおよびマゼンタのカラートナーが混ざり合う混色が発
生する。この混色によってさらにカラーの再現性が得ら
れなくなるとともに、画質の劣化も招来する。
【0010】上述した画像の劣化を回避するためには、
トナーの飛翔速度、特に、記録媒体に到達する際の速度
を減速させて、該トナーが記録媒体の表面に衝突するこ
とを抑制することによって上記リバウンド現象を軽減す
る方法が考えられる。
【0011】上記の飛翔速度を減速させる方法として、
たとえば、トナー担持体と対向電極との間に形成されて
いる、トナーが飛翔するための電界である飛翔電界を小
さくすることが技術的に容易である。
【0012】また、リバウンド現象に伴う飛散トナーの
発生を抑制するためには、トナーの帯電量を小さくする
方法が考えられる。帯電量を小さくすることによって、
飛翔中のトナー同士の間に作用するクーロン力を小さく
することができるため、該トナー同士の反発は軽減さ
れ、飛散トナーの発生が抑制される。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記飛翔電
界を小さくするとトナーの飛翔速度が低下し、該トナー
が制御電極のゲートを通過して記録媒体に達するまでの
飛翔時間が長くなるために、画像を形成する速度が低下
するという問題点を生じている。
【0014】また、トナーの帯電量を小さくすると、ト
ナー担持体に担持されたトナー層の状態が変化してしま
う。すなわち、トナーの帯電量は、上記トナー層の特性
値の一つであり、上記トナー層の他の特性値、たとえ
ば、搬送量や充填率、トナー層の厚さなどから独立して
制御することが困難となっている。したがって、上記ト
ナー層の状態が変化すると、画像形成部におけるトナー
を飛翔させるための諸条件、たとえば、制御電極の形状
や位置、印加される電位、あるいは対向電極の位置や印
加される電位などが、該トナー層の状態に対応するよう
に再調整されなければならない。
【0015】上記の諸条件の再調整は、使用される部品
点数を増加させ、さらに画像形成装置そのものを大型化
させるため、製造コストの上昇を招来する。また、トナ
ー帯電量の低下は、上記トナー層の形成を不安定にする
ため、該トナーの飛翔制御が不安定となって、画像形成
に悪影響を及ぼすおそれがある。
【0016】さらに、以上に述べてきた特開平7−18
6436号公報には、用紙を対向電極と制御電極との間
にではなく、対向電極における制御電極の反対側に配置
する方法が開示されている。つまり、トナーは、トナー
担持体から制御電極を通過して対向電極に達し、さらに
該対向電極を通過して用紙に達する構成となっている。
このため、対向電極そのものの構成が複雑になり、ま
た、対向電極と制御電極との位置は、高い精度で正確に
合わせられることが必要となる。したがって、上記の方
法に基づく画像形成装置は、通常用いられているものよ
りも用いられる部品点数が増加し、製造コストが上昇す
るという問題点を生じている。
【0017】加えて、上記の構成では、トナーの用紙へ
の到達速度は減速されるが、用紙を配置する領域が狭く
なる。このため、用紙の搬送にとって好適でなく、特に
用紙の厚さが大きいとその搬送が困難となるという問題
点を生じている。
【0018】本発明は、以上の問題点に鑑みてなされた
ものであり、その目的は、トナーなどの顕像剤が用紙な
どの記録媒体表面に衝突するために生じる不具合を抑制
することによって、良質な画像が得られるとともに、装
置の大型化、複雑化を回避した低コストの画像形成装置
を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
画像形成装置は、以上の課題を解決するために、少なく
とも1色の粒子化された顕像剤を供給する供給手段と、
この供給手段と対向配置された対向電極と、これら両者
の間に配置され、上記顕像剤の通過部となる複数のゲー
トを有し、各ゲートの周囲に電極部が設けられている制
御電極と、上記供給手段と対向電極との間に所定の電位
差を発生させる電圧を供給する電源部と、上記各ゲート
を通過しての上記供給手段から対向電極方向への顕像剤
の飛翔を制御し、顕像剤をその飛翔方向に配されている
記録媒体に付着させて画像を形成するために、上記制御
電極に対して画像データに応じた通過制御電位を印加し
て上記供給手段と対向電極との間に存在する上記電位差
に基づく電界を変化させる制御手段とを有する画像形成
装置において、上記制御手段は、さらに、上記供給手段
と対向電極との間の領域で、上記供給手段から対向電極
方向への上記顕像剤の飛翔速度を減速させる電界を生じ
させるためのブレーキ電位を上記制御電極に印加するも
のであることを特徴としている。
【0020】上記請求項1の記載によれば、上記制御電
極にブレーキ電位を印加することによって、粒子化され
た顕像剤の記録媒体への到達速度を減速させるため、顕
像剤が記録媒体表面に衝突することは抑制される。これ
によって、顕像剤が形成する画素の輪郭が明確になり、
かつ、ハーフトーンの再現性も向上するため、得られる
画像の画質が向上する。
【0021】また、上記顕像剤の飛翔速度の減速は、上
記供給手段と対向電極の間の領域で、上記制御電極にブ
レーキ電位を印加することのみによって行われるため、
より画像データに対応した精確な制御が可能になるとと
もに、飛翔速度を減速させるための特別な構造を付加す
ることが必要なく、用紙などの記録媒体を配置する領域
を広くとることができる。また、画像形成装置の構造を
簡素化、低コスト化、小型化することも可能となる。
【0022】さらに、カラー画像形成装置の場合では、
記録媒体への顕像剤の衝突が抑制されることによって、
先に飛翔した顕像剤で形成された画素が破壊されたり、
記録媒体の表面で顕像剤のリバウンド現象が発生したり
することは回避される。したがって、異なった色の顕像
剤同士の混色が防止でき、カラー再現性の劣化は防止さ
れる。
【0023】本発明の請求項2記載の画像形成装置は、
以上の課題を解決するために、上記請求項1の構成に加
えて、上記制御手段は、上記通過制御電位として、顕像
剤のゲート通過を可能とするための通過電位と、顕像剤
のゲート通過を阻止するための通過阻止電位とを出力す
るとともに、通過電位出力状態から通過阻止電位出力状
態に切り替わるときに上記ブレーキ電位を出力するもの
であることを特徴としている。
【0024】上記の請求項2記載の構成によれば、通過
電位と通過阻止電位との切り替え時に、ブレーキ電位が
印加されるため、顕像剤の飛翔速度は、上記ゲート近傍
で減速されることになる。つまり、供給手段からゲート
近傍までは顕像剤は所望の飛翔速度で飛翔するために、
飛翔速度が過度に減速されることはなく、画像形成速度
の低下が抑制される。また、上記の位置で減速されるこ
とにより、減速後、顕像剤が記録媒体表面に衝突するま
で、上記供給手段と対向電極との間に形成されている電
界によって再加速されることも抑制することができる。
【0025】本発明の請求項3記載の画像形成装置は、
以上の課題を解決するために、上記請求項2の構成に加
えて、上記制御手段は、上記ブレーキ電位を顕像剤が供
給手段から制御電極に到達するよりも短い時間だけ出力
するものであることを特徴としている。
【0026】上記の請求項3記載の構成によれば、通過
電位と通過阻止電位との切り替え時に、顕像剤が供給手
段から制御電極に到達する時間よりも短い時間でブレー
キ電位が印加されるため、帯電した顕像剤中にある程度
含まれている逆帯電の顕像剤が、上記ブレーキ電位によ
って制御電極に飛翔して付着することが防止される。こ
のため、上記逆帯電の顕像剤の付着に起因する制御電極
の電位の変化と、それに伴う顕像剤の制御不良は防止さ
れるとともに、上記顕像剤がゲートに付着することによ
って生じる該ゲートの目詰まりも防止され、良質の画像
を形成することができる。
【0027】本発明の請求項4記載の画像形成装置は、
以上の課題を解決するために、上記請求項1から3の何
れかに記載の構成に加えて、上記制御電極は、上記供給
手段から対向電極方向へ並ぶ第1および第2電極からな
り、これらの電極のうちの最も対向電極側に配されてい
る電極に上記ブレーキ電位が印加されることを特徴とし
ている。
【0028】上記の請求項4記載の構成によれば、顕像
剤の飛翔速度をより対向電極側で減速できるため、減速
後、顕像剤が記録媒体表面に衝突するまで再加速される
ことをより防止することができる。
【0029】本発明の請求項5記載の画像形成装置は、
以上の課題を解決するために、上記請求項1から3の何
れかに記載の構成に加えて、上記制御電極は上記供給手
段から対向電極方向へ並ぶ第1および第2電極からな
り、これら第1および第2電極は複数の前記電極部を有
し、前記第1および第2電極のうち、前記電極部の数が
最も少ない電極に上記ブレーキ電位が印加されることを
特徴としている。
【0030】上記請求項5記載の構成によれば、前記ブ
レーキ電位は電極部の数が最も少ない電極に印加される
ため、ブレーキ電位を切り替えるための制御回路をより
簡素化でき、部品点数の削減や画像形成装置の小型化、
低コスト化をはかることができる。
【0031】本発明の請求項6記載の画像形成装置は、
以上の課題を解決するために、上記請求項1から3の何
れかに記載の構成に加えて、上記ブレーキ電位が印加さ
れる電極は、前記供給手段から対向電極方向へ前記制御
電極と並び、前記ゲートに対向する開口部を有するもの
であることを特徴としている。
【0032】上記請求項6記載の構成によれば、ブレー
キ電位が印加される電極は、前記制御電極と並んで配置
されているため、飛翔している顕像剤に対する電界の変
化は、より広い対向面積でなされることになる。したが
って、より低い電位の印加で、顕像剤の飛翔速度を減速
させるに十分な電界の変化をもたらすことができる。ま
た、印加される電位が低くなるため、回路に用いられる
トランジスタなどの回路素子の耐圧を低くすることがで
き、回路の低コスト化が可能となる。さらに、ブレーキ
電位の制御において、ブレーキ電位を印加する対象とな
る電極が一つであるため、制御回路部におけるブレーキ
電位を制御する回路を2値の制御回路一つにて構成する
ことができる。これによって、上記制御回路部の構成を
より簡素化することができる。
【0033】本発明の請求項7記載の画像形成装置は、
以上の課題を解決するために、上記請求項1から6の何
れかに記載の構成に加えて、上記ブレーキ電位が印加さ
れる電極は、通過電位が所定の順序で走査されて印加さ
れるものであることを特徴としている。
【0034】上記請求項7記載の構成によれば、上記電
極に対しては、通過電位が画像データに関係なく用紙の
搬送に伴って印加されるため、ブレーキ電位の印加に関
してのパルス制御を行う必要がなく、制御回路部の構成
をより簡素化することができる。
【0035】本発明の請求項8記載の画像形成装置は、
以上の課題を解決するために、上記請求項1から7の何
れかに記載の構成に加えて上記制御手段は、上記ブレー
キ電位を出力する回路として、上記通過電位から通過阻
止電位に切り替えるときにオーバーシュートを生じさせ
る回路を備えていることを特徴としている。
【0036】上記の請求項8記載の構成によれば、通過
電位から通過阻止電位に切り替えるときにオーバーシュ
ートを生じさせることによって、制御手段からの制御信
号の波形とブレーキ電位の波形とを同期させることな
く、ブレーキ電位を印加することができる。このため、
上記波形を同期させるためのパルス制御の値の数を減少
させることができ、これにより、上記制御手段における
回路構成をより簡素化することができる。
【0037】本発明の請求項9記載の画像形成装置は、
以上の課題を解決するために、上記請求項1から8の何
れかに記載の構成に加えて、上記電極部は、前記ゲート
と前記供給手段との位置関係に対応してブレーキ電位の
印加が可変制御されるものであることを特徴としてい
る。
【0038】上記請求項9記載の構成によれば、ゲート
と供給手段との位置関係によって変化する顕像剤の飛翔
状態に対応して、該顕像剤の飛翔速度を適宜減速させる
ことができる。これによって、顕像剤が記録媒体に到達
する際の到達速度をほぼ一定の速度に減速することがで
きる。
【0039】
【発明の実施の形態】
〔実施の形態1〕本発明の実施の一形態について図1か
ら図9に基づいて説明すれば、以下の通りである。な
お、本実施の形態では、本発明の画像形成装置をモノカ
ラーのデジタルプリンタに搭載した場合について説明す
る。また、これによって本発明が限定されるものではな
い。
【0040】本発明の画像形成装置が搭載されたデジタ
ルプリンタ1は、図2および図3に示すように、画像形
成部2、給紙部3、定着部4を備えている。画像形成部
2は、顕像剤の供給手段であるトナー供給部5と印刷部
6とを有している。
【0041】給紙部3は、画像形成部2へ記録媒体とし
ての用紙45を給紙する側に設置されており、詳しく
は、図3に示すように、用紙カセット7、ピックアップ
ローラ8、給紙ガイド9からなる。用紙45は用紙カセ
ット7からピックアップローラ8にて送り出され、給紙
ガイド9によって導かれて画像形成部2に供給される。
このとき、用紙45の供給は、図示しない給紙センサに
よって検出される。また、ピックアップローラ8は図示
しない駆動装置によって回転駆動される。
【0042】定着部4は、画像形成部2からトナー像が
形成された用紙45を搬出する側に設置されており、詳
しくは、加熱ローラ10、ヒータ11、加圧ローラ1
2、温度センサ13、および温度制御回路14からな
る。搬出された用紙45上に形成されているトナー像
は、互いに対向して形成されている加熱ローラ10およ
び加圧ローラ12の間に挟まれて加熱および加圧を受
け、用紙45に定着される。
【0043】上記加熱ローラ10および加圧ローラ12
は、それぞれの軸の両端に、図示しないスプリングなど
によって加圧のための一定の荷重が加えられている。ヒ
ータ11は、加熱ローラ10に内蔵されており、加熱ロ
ーラ10を加熱する。加熱ローラ10の温度は、温度セ
ンサ13によって測定され、温度制御回路14によって
調節される。上記温度制御回路14は、後述する主制御
部によって制御されており、温度センサ13の測定結果
に基づいてヒータ11のON/OFFなどを制御し、加
熱ローラ10の表面温度を一定に保持する。
【0044】また、図示しないが、定着部4からの用紙
45の排紙側には、排紙センサ、排紙ローラ、排紙トレ
イが設けられている。この排紙センサによって上記用紙
45の排紙が検出され、排紙ローラによって用紙45が
排紙トレイ上に排出される。上記加熱ローラ10、加圧
ローラ12および排紙ローラは、図示しない駆動装置に
よって回転駆動される。
【0045】本実施の形態では、上記加熱ローラ10と
して、厚さ2mmのアルミニウム管が用いられ、ヒータ
11として、ハロゲンランプが用いられ、加圧ローラ1
2として、シリコーン樹脂からなるローラが用いられる
が、これらは特に限定されるものではない。また、定着
部4では、トナー画像は加熱および加圧によって定着さ
れているが、加熱のみ、または加圧のみで定着されても
よい。
【0046】画像形成部2のトナー供給部5は、図3に
示すように、トナー収容槽16、トナー担持体17およ
びドクターブレード18からなる。トナー収容槽16内
には顕像剤としての単一色のトナー15が収容されてい
る。トナー担持体17は円筒状であり、内部に図示しな
い磁石を有している。また、トナー担持体17は、図示
しない駆動装置によって回転するとともに、帯電防止の
ために接地されている。上記トナー収容槽16から供給
されたトナー15は、上記磁石の磁気力によりトナー担
持体17の外周面に担持される。
【0047】上記磁石は、トナー担持体17内部に、ド
クターブレード18および後述する制御電極20と対向
するような位置に配置されており、担持されたトナー1
5は、上記磁石の位置に対応するトナー担持体17の外
周面において穂立ちを形成する。ドクターブレード18
は、上記トナー収容槽16の内部に、トナー担持体17
の回転方向における制御電極20の上流側に設けられ、
トナー担持体17の外周面に担持されたトナー15の層
を帯電させるとともに、該トナー15の層の厚さを規制
する。
【0048】本実施の形態では、トナー15として、平
均粒径6μmの磁性トナーが用いられているが特にこれ
に限定されるものではない。また、トナー担持体17
は、図3に示す矢印A方向に、その表面速度が80mm
/secとなるように回転するように設定されている。
ドクターブレード18は、トナー担持体17の外周面か
らの距離が60μmとなるように設けられており、トナ
ー15の帯電量を−4μC/g〜−5μC/gとするよ
うに電荷を付与する。なお、上記トナー担持対17およ
びドクターブレード18の形状などは特に限定されるも
のではない。また、トナー担持体17は、磁気力によっ
てトナー15を担持する代わりに、電気力によって担持
してもよく、または、電気力および磁気力の両方によっ
て担持してもよい。
【0049】画像形成部2の印刷部6は、対向電極1
9、制御電極20、高圧電源21、制御電源22、帯電
電源23、除電電源24、誘電体ベルト25、帯電ブラ
シ26、除電ブラシ27、ベルト支持材28a・28
b、およびクリーナブレード29を備えている。
【0050】対向電極19は、たとえば平板状をなし、
上記トナー担持体17の外周面に対向して配置されてい
る。制御電極20は、対向電極19とトナー担持体17
との間に配置されている。誘電体ベルト25は、ベルト
支持材28a・28bによって支持され、上記対向電極
19のトナー担持体17に対向する表面上にベルト部が
位置するよう配置されている。誘電体ベルト25は、図
示しない駆動装置によって回転するようになっている。
【0051】上記誘電体ベルト25の給紙部3側、すな
わち、誘電体ベルト25の回転方向における上流側に
は、帯電ブラシ26が誘電体ベルト25に圧接するよう
に配置されている。これに対して誘電体ベルト25の定
着部4側、すなわち、誘電体ベルト25の回転方向にお
ける下流側には、除電ブラシ27が誘電体ベルト25に
圧接するように配置されている。また、クリーナブレー
ド29は、誘電体ベルト25の上記下流側において、除
電ブラシ27から若干上流側となるような位置に配置さ
れている。
【0052】上記対向電極19に、電源部である高圧電
源21から所定の高電圧が供給されることによって対向
電極19とトナー担持体17との間に電位差が生じ、こ
の電位差によって、帯電されたトナー15をトナー担持
体17から対向電極19へ飛翔させるための電界が形成
される。制御電極20は、対向電極19の表面と平行を
なし、かつ、対向電極19と対向して2次元的な広がり
を有するように配置され、図示しない支持材によって固
定されている。また、制御電極20は、ゲート30およ
び電極部であるリング状電極31を有している。
【0053】制御電極20は、詳しくは、図4に示すよ
うに、絶縁性基板20a、複数のゲート30…、リング
状電極31…および複数の給電線32…からなってい
る。開口部としてのゲート30は、絶縁性基板20aを
貫通して形成され、リング状電極31は、ゲート30の
周囲に形成されている。リング状電極31は、給電線3
2を通して、制御電源22に接続されている。上記リン
グ状電極31…および給電線32…の表面は、図示しな
い絶縁体層で覆われている。これによって、リング状電
極31…同士、給電線32…同士、および互いに接続さ
れていないリング状電極31…と給電線32…との間に
おける絶縁性が確保されている。
【0054】制御電極20は、上記の構造をとることに
より、ゲート30…を介してトナー担持体17側から対
向電極19側にトナー15が通過できるような構造とな
っている。そして、制御電源22により通過制御電位と
しての、通過電位、通過阻止電位、ブレーキ電位の3種
類の電位が与えられる。これによって、制御電極20
は、トナー担持体17と対向電極19との間に形成され
ている電界に変化を与え、トナー担持体17から対向電
極19へのトナー15の飛翔を制御する。
【0055】具体的には、上記リング状電極31…に制
御電源22から画像データに応じたパルスである所定の
電位が印加される。このとき、トナー担持体17からト
ナー15を対向電極19方向に通過させる場合には、通
過電位であるON電位が印加される。これに対して、ト
ナー15を通過させない場合には、通過阻止電位である
OFF電位が印加される。また、ON電位からOFF電
位への切り替えの際に、後述するトナー15の飛翔速度
を減速させるための電位であるブレーキ電位が印加され
る。なお、制御電源22は図示しない画像形成制御ユニ
ットから送信されてくる制御電極制御信号によって制御
されている。
【0056】上記帯電ブラシ26は、帯電電源23によ
って電位が与えられ、印刷部6に供給される用紙45を
帯電させる。また、除電ブラシ27は、除電電源24に
より電位が与えられ、誘電体ベルト25の表面に存在す
る不要な電荷を取り除く。クリーナブレード29は、た
とえば、印刷時に紙詰まり(ペーパージャム)などの事
態が生じて誘電体ベルト25の表面にトナー15が付着
した場合、このトナー15を除去して用紙45の裏面が
該トナー15によって汚染されることを防止する。
【0057】本実施の形態では、対向電極19は、厚さ
1mmのアルミニウム板からなり、トナー担持体17の
外周面から1.1mmの距離をおいて設置されている。
制御電極20は、厚さ25μmのポリイミド樹脂製の絶
縁性基板20aからなっている。ゲート30…の径は1
60μmとなっている。リング状電極31…は厚さ18
μmの銅板からなり、200μmの内径を有している。
【0058】上記制御電極20は、2560個のゲート
30…を形成しており、その制御方法は、各ゲート30
…近傍における電界が一つのリング状電極31…により
制御されて変化するシングルドライブ制御となってい
る。なお、対向電極19、制御電極20の材質やその形
状などは特に限定されるものではない。
【0059】また、誘電体ベルト25は厚さ75μmの
ポリビニリデンフルオライド(PVDF)からなり、そ
の体積抵抗率は1010Ω・cmとなっているが、その材
質は特に限定されるものではない。
【0060】上述したように、本実施の形態の画像形成
部2は、画像データに応じた画像を、顕像剤としてのト
ナー15を飛翔させて記録媒体である用紙45上に付着
させて顕像化するものである。上記トナー15の飛翔
は、画像データに基づいて制御電極20によって制御さ
れ、これによって、用紙45上に画像が直接形成され
る。なお、上記のトナー15としては、負帯電のものが
用いられているが、これに限定されるものではなく、正
帯電のトナーを用いる場合は、それに応じて適宜、各印
加電位の極性を設定すればよい。
【0061】さらに、図示しないが、上記画像形成部2
は、主制御部、画像処理部、画像メモリおよび画像形成
制御ユニットからなる制御手段としての制御回路部を備
えている。主制御部は画像形成装置全体の動作を制御す
る。画像処理部は、画像読み取り装置などを用いること
によって入力された画像データを、画像形成部2におい
て用いられる画像データの形式に変換する。画像メモリ
は、上記変換された画像データを記憶する。画像形成制
御ユニットは、画像メモリに記憶された、上記変換され
た画像データを、さらに制御電極20に用いられる画像
データの形式に変換し、この画像データを制御電極20
を制御する制御電源22に転送する。
【0062】上記の制御回路部によって、以上に説明し
てきた、画像形成部2、給紙部3、定着部4を含んだ画
像形成装置全体が制御される。
【0063】次に、上記の画像形成装置における画像形
成動作を図1(a)(b)および図5を用いて説明す
る。なお、以下の各ステップで提示されている具体的な
数値は、本発明の実施の形態で用いられたものであっ
て、本発明の画像形成装置において所定の動作が行える
範囲であれば、特に限定されるものではない。
【0064】まず、図5に示すように、画像読み取り部
などによって原稿などから画像が画像データとして読み
取られる(ステップ1、以下、ステップをSと略す)。
読み取られた画像データが画像処理部により画像形成部
2で用いられる形式に変換処理され(S2)、画像メモ
リに記憶される(S3)。記憶された画像データは、画
像形成制御ユニットに転送される(S4)。画像形成制
御ユニットでは、入力された画像データが、さらに制御
電極20を制御するための制御電極制御信号に変換され
る(S5)。
【0065】ここで、上記画像形成制御ユニットにおい
て、上記制御電極制御信号が所定の信号であるか判定さ
れる(S6)。制御電極制御信号が所定の信号でない場
合はエラーが表示される。所定の信号であった場合は、
図1(a)に示す、トナー担持体17が矢印A方向に回
転してトナー収容槽16からトナー15が供給され、ト
ナー担持体17の外周面にトナー層15aが担持される
(S7)。また、制御電極20に対してトナー15の飛
翔を阻止するための電位であるOFF電位(0V)が印
加される(S8)。
【0066】その後、図1(a)に示す、対向電極19
に対し高圧電源21によって2.3kVの電位が、帯電
ブラシ26に対し帯電電源23によって1.2kVの電
位が、除電ブラシ27に対し除電電源24によって2.
5kVの電位がそれぞれ印加されるとともに、誘電体ベ
ルト25が回転して、画像形成動作の準備が終了する
(S9)。
【0067】上記の画像形成動作の準備が終了し、制御
電極制御信号が所定量に達した後、上記画像形成制御ユ
ニットは、駆動装置を作動させてピックアップローラ8
を回転させる(S10)。ピックアップローラ8は、用
紙カセット7内の用紙45を画像形成部2へ給紙し、給
紙センサが正常な給紙状態であるか否かを検出する(S
11)。給紙状態が正常でなければエラーが表示され、
給紙状態が正常であれば、用紙45は画像形成部2の印
刷部6における帯電ブラシ26とベルト支持材28aの
間の誘電体ベルト25に搬送される(S12)。
【0068】上記ベルト支持材28aには高圧電源21
によって対向電極19と同一の電位である2.3kVの
電位が印加され、帯電ブラシ26には上記の通り1.2
kVの電位が印加されている。このため用紙45には、
帯電ブラシ26とベルト支持材28aとの電位差による
負電荷が供給される(S13)。負電荷が供給された用
紙45は、該負電荷の静電気力によって誘電体ベルト2
5に吸着されたまま印刷部6における対向電極19と制
御電極20との間に搬送される。このとき用紙45の表
面における電荷量は、上記対向電極19と制御電極20
との間に到達するまでの間に減衰するが、対向電極19
の電位が2.3kVであるため、誘電体ベルト25に電
荷注入が行われることにより、該表面における電位は約
2kVとなる。
【0069】上記の印刷部6への給紙に同期して、画像
形成制御ユニットは上記制御電極制御信号を制御電源2
2に供給する。制御電源22は、上記制御電極制御信号
に基づいて、制御電極20の各リング状電極31…に印
加される電位を制御する(S14)。すなわち、制御電
源22から制御電極20のリング状電極31…それぞれ
に対して、適宜、ON電位、OFF電位、ブレーキ電位
が印加される。このとき、ON電位としては200V、
OFF電位としては0V、ブレーキ電位としては−10
0Vが印加される。
【0070】リング状電極31…に対する上記各電位の
印加により、制御電極20におけるゲート30…付近の
電界が制御される。つまり、ゲート30…の周囲にリン
グ状電極31…が形成されているため、リング状電極3
1…に画像データに応じた電位が印加されるとゲート3
0…付近の電界が変化する。この電界の変化によって、
適宜、トナー担持体17から対向電極19へのトナー1
5の飛翔の阻止とその解除が行われる。
【0071】上記用紙45が搬送された誘電体ベルト2
5は、対向電極19と制御電極20との間を、図1
(a)に示す矢印Bの方向である排紙側に向かって30
mm/secの回転速度で移動している。その上に静電
気的に吸着している用紙45は、上記の制御電極20へ
の電位の印加によって、画像データに応じたトナー像が
形成される(S15)。トナー像が形成された用紙45
は、ベルト支持材28bが有している曲率によって誘電
体ベルト25から剥離されて、定着部4に排紙される。
【0072】排紙された用紙45上に形成されているト
ナー像は、定着部4において、互いに対向して形成され
ている加熱ローラ10および加圧ローラ12の間に挟ま
れて加熱および加圧を受け、用紙45に定着される(S
16)。このとき、加熱ローラ10の温度は、150℃
となっており、また、加圧ローラ12には、それぞれの
軸の両端に図示しないスプリングなどによって2kgの
荷重が加えられている。トナー像を定着した用紙45
は、排紙ローラにて排紙トレイ上に排紙されるが、この
とき、排紙が正常に行われているかは排紙センサによっ
て検出される。
【0073】上記の画像形成動作の終了は、主制御部に
よって判断される(S17)。連続して画像形成を行う
場合は、ピックアップローラ8を作動させるS10まで
戻り、画像形成が終了した場合は、スタートに戻る。上
記のS1〜S17までの画像形成動作によって、用紙4
5上に画像データに応じた良質な画像が形成される。
【0074】上記制御電極20において、トナー15の
飛翔を制御する方法についてさらに詳しく説明する。上
述の通り、制御電極20には、図4に示すように複数の
ゲート30…が形成されている。この中で、一つのゲー
ト30aに対してのみトナー15を飛翔させる場合につ
いて考える。
【0075】上記ゲート30aの周囲には、上述した通
り、リング状電極31aが形成されており、トナー15
の飛翔は該リング状電極31aに加えられる電位によっ
て制御される。上記のようにゲート30aのみにトナー
15が飛翔する場合、本実施の形態では、図1(b)に
示すように、制御回路部から制御電源22へ出力される
制御電極制御信号のON信号に同期して、上記リング状
電極31aにON電位(200V)が印加される。
【0076】これに対して、ゲート30a以外の他のゲ
ート30…にはトナー15は飛翔しないので、他のゲー
ト30…の周囲に形成されている他のリング状電極31
…には、OFF電位(0V)が印加され続けている。
【0077】ON電位が印加されている時間において、
ゲート30aは、トナー15が良好に飛翔することがで
きる電界となっており、所定量のトナー15が飛翔して
良質な画素が形成される。この後、リング状電極31a
には、制御電極制御信号に応じてOFF電位(0V)が
印加され、ゲート30aにおけるトナー15の飛翔が阻
止される。ここで、リング状電極31aに対しては、O
N電位からOFF電位に移行する際にブレーキ電位(−
100V)が印加される。なお、ブレーキ電位の印加時
間は、トナー15のトナー担持体17からの制御電極2
0への飛翔時間よりも短くなるように設定されている。
【0078】従来の画像形成装置のように、リング状電
極31aにブレーキ電位を印加しない場合では、用紙4
5の表面に到達する際のトナー15の飛翔速度が大きく
なるため、トナー15が高い飛翔速度で用紙表面と衝突
してしまう。この衝突は、図6(a)に示すように、前
述したトナー15のリバウンド現象を招来し、これによ
ってリバウンドトナー15bと飛散トナー15cとが発
生する。
【0079】これらリバウンドトナー15bと飛散トナ
ー15cは、図6(b)に示すように、本来1つの画素
を形成するはずの画素形成トナー15dの領域から、周
辺に飛び散って散乱トナー15eとなる。この散乱トナ
ー15eの発生により、形成される画素の輪郭がぼや
け、この画素から得られる画像のハーフトーンは忠実に
再現されなくなる。また、カラー画像形成装置の場合で
は、上記の問題に加えて、所望の色が再現されにくくな
る。
【0080】これに対して、本発明の画像形成装置で
は、上記のように、ON電位とOFF電位との切り替え
時に、リング状電極31aにブレーキ電位を印加するこ
とによって、ゲート30a近傍に存在するトナー15の
飛翔速度を減速させている。すなわち、上記ブレーキ電
位が印加されることによって生じた電界(以下、ブレー
キ電界とする)は、トナー15に対して、対向電極19
に向かう場合とは反対の方向、つまり、対向電極19か
らトナー担持体17に向かって飛翔させる方向の力を作
用させる。これによって、トナー15がゲート30aを
通過する際、つまりゲート30aの近傍でトナー15の
飛翔速度が減速される。
【0081】上記のように、トナー15は、ゲート30
aの近傍において飛翔速度が減速された状態で、制御電
極20と対向電極19との間の領域に進入する。その
後、この領域に形成されている電界によって、トナー1
5の飛翔速度はある程度加速されるものの、最終的に用
紙45に到達する際のトナー15の到達速度は、ブレー
キ電位を印加しない場合よりも減速される。
【0082】ここで、トナー15の飛翔速度の減速は、
ゲート30aの近傍で行われることが好ましい。トナー
15の飛翔速度がゲート30aの近傍ではなく、ゲート
30aからトナー担持体17側に離れた位置で減速され
たとすると、用紙45に到達するまでの間に、一度減速
されたトナー15の飛翔速度が十分に加速され、用紙4
5の表面へ高速で衝突する可能性があるためである。
【0083】上記のようにして、用紙45の表面へのト
ナー15の衝突は抑制されるため、トナー15のリバウ
ンド現象の発生が抑制される。リバウンド現象の発生の
抑制は、リバウンドトナー15bや飛散トナー15cの
発生を抑制することができるため、用紙45上には、散
乱トナー15eがほとんど見られず、画素形成トナー1
5dのみによって形成された輪郭の明確な画素が形成さ
れ、得られる画像のハーフトーンの再現性もより向上す
る。
【0084】なお、ブレーキ電位の印加に際しては、上
記図1(b)に示すように、リング状電極31aにおけ
るON電位の波形と制御電極制御信号におけるON信号
の波形とが同期し、かつ、ブレーキ電位の印加が開始さ
れるタイミングと上記ON電位の印加が終了するタイミ
ングとが同一となるように、ブレーキ電位の波形も上記
ON信号の波形と同期しなければならない。つまり、ブ
レーキ電位の印加に際しては、上記のような3値のパル
ス制御を行う必要がある。
【0085】このため、制御電極制御信号を出力する上
記制御回路部の構成は複雑となり得る。しかし、ブレー
キ電位の印加が開始されるタイミングを、ON電位から
OFF電位に切り替わるときにオーバーシュートさせる
ことによって、パルス制御の数を3値から2値に減少さ
せることができる。これによって、上記制御回路部の構
成を簡素化することができる。
【0086】なお、上記ブレーキ電位の波形は、トナー
15がゲート30…から、制御電極20と対向電極19
との間の領域に進入する際の進入速度を減速できるので
あれば、特に限定されるものでない。たとえば、図7に
示すように、ON電位からOFF電位に切り替わるとき
にオーバーシュートさせ、その後、周知の微分回路や積
分回路によって、上記OFF電位が形成されるような構
成となっていてもよい。
【0087】ここで、上記のブレーキ電位はON電位か
らOFF電位に切り替わる際に印加され、これによって
トナー15の飛翔速度が減速される。このため、OFF
電位としてブレーキ電位と同一の値が印加されることに
よって、ブレーキ電位の印加が省略できることも考えら
れる。すなわち、ON電位として上記の200Vが印加
された後、ブレーキ電位が印加されずに、OFF電位と
して−100Vが印加されるという方法である。
【0088】しかし、上記OFF電位とトナー担持体1
7の電位との電位差を大きくすると、トナー15の飛翔
を良好に制御することは困難となる。具体的には、図1
(a)の構成において、トナー担持体17は接地されて
いるため、その電位は0Vとなっている。これに対し
て、制御電極20のリング状電極31…におけるOFF
電位は上記の−100Vに設定されている。ここで、ト
ナー担持体17に担持されているトナー15の中には、
所定の帯電極性とは異なる極性のトナー(逆帯電トナ
ー)が、通常数%の割合で存在している。上述した場合
では、トナー担持体17に担持されたトナー15は負帯
電のものであるが、この中に正帯電の逆帯電トナーが数
%含まれている。
【0089】このとき、制御電極20に印加されるOF
F電位が上記の−100Vであるならば、数%の正帯電
した逆帯電トナーがトナー担持体17から制御電極20
に飛翔する。このため、制御電極20に逆帯電トナーが
付着して、制御電極20の電位が所定の値から変化して
しまい、結果として、トナー15の飛翔制御に悪影響を
与える。また、上記逆帯電トナーがゲート30内に付着
するとゲート30の目詰まりを招来するため、画像形成
は困難となる。
【0090】これに対して、本発明の画像形成装置で
は、上記OFF電位として、トナー担持体17の電位と
同一の値の電位である0Vが印加され、ブレーキ電位と
して、ON電位(200V)の極性とは逆の極性の電位
である−100Vが印加されている。さらに、上記ブレ
ーキ電位の印加時間は、トナー15のトナー担持体17
から制御電極20への飛翔時間よりも短くなるように設
定されている。したがって、ブレーキ電位が制御電極2
0に印加されている状態でも、逆帯電トナーが制御電極
20に飛翔することは回避され、これに起因する問題点
を防止することが可能となる。
【0091】上述のブレーキ電位の印加についてさらに
詳しく説明する。上記トナー担持体17の外周面に担持
されているトナー15が、対向電極19側に飛翔して、
制御電極20のゲート30に飛翔速度v0 で到達したと
する。すなわち、図8(a)に示すように、飛翔トナー
15fは飛翔速度v0 でゲート30に到達している。こ
の飛翔トナー15fは、負帯電のものであり、トナー担
持体17から対向電極19側に形成されている電界によ
って飛翔している。
【0092】この状態で、リング状電極31に印加され
た200VのON電位が、−100Vのブレーキ電位に
切り替わったとすると、ゲート30において、ブレーキ
電位によるブレーキ電界が作用して、飛翔トナー15f
の飛翔速度v0 が減速される。このとき、飛翔速度v0
がある程度の大きさであれば、飛翔トナー15fは逆方
向に飛翔してトナー担持体17に戻されることなく、減
速された状態でゲート30を通過する。
【0093】したがって、飛翔トナー15fは、飛翔速
度v0 から減速された飛翔速度v1を初速度として、制
御電極20と対向電極19との間の領域に進入する。そ
して、上記領域に形成されている電界によって加速され
て、用紙45の表面に到達速度v2 で到達する。なお、
飛翔トナー15fがゲート30を通過して上記領域に進
入した後で、リング状電極31に印加されている−10
0Vのブレーキ電位が0VのOFF電位に切り替わるた
め、トナー担持体17に担持されているトナー15に含
まれている逆帯電トナーの飛翔は阻止される。
【0094】ここで、図8(b)に示すように、飛翔速
度v0 の減速が行われず、制御電極20と対向電極19
との間の領域に進入する際の初速度がv0 のままであっ
たとすると、この場合の飛翔トナー15fの用紙45へ
の到達速度v3 は、初速度v0 よりも加速されたものと
なる。
【0095】ブレーキ電界によって減速された飛翔トナ
ー15fの到達速度v2 と、ブレーキ電界によって減速
されなかった飛翔トナー15fの到達速度v3 とを比較
すると、明らかにv3 よりもv2 のほうが小さい速度と
なる。飛翔トナー15fの到達速度v3 からv2 へと小
さくなることは、飛翔トナー15fと用紙45の表面と
の衝突が抑制されることになる。このため、飛翔トナー
15fのリバウンド現象の発生が抑制されて、散乱トナ
ーの発生が抑制される。
【0096】従来の特開平7−186436号公報の画
像形成装置では、対向電極19に対して、制御電極20
と反対側となる位置に用紙45を配置させて画像形成を
行っている。上記構成では、飛翔トナー15fは、トナ
ー担持体17から制御電極20を通過して対向電極19
に達し、さらに対向電極19を通過して用紙45に達す
る。ここで、対向電極19から用紙45までの領域には
トナー15の飛翔のための電界は形成されていない。し
たがって、飛翔トナー15fは、トナー担持体17と対
向電極19との間の領域では、該領域に形成されていた
電界によって飛翔し、対向電極19から用紙45までの
領域では、それまでの飛翔速度の慣性によって飛翔して
いることになる。
【0097】これによって、上記飛翔トナー15fの到
達速度は減速されるが、上記対向電極19から用紙45
に達するまでの領域では、飛翔トナー15fは長距離を
飛翔することはできない。したがって、上記構成では、
対向電極19から用紙45までの領域を狭くする必要が
ある。ところが、この領域は用紙45を配置する領域で
もあるために、用紙45を配置する領域が狭くなること
になり、用紙45が搬送されにくくなる。特に、用紙4
5が封筒や厚紙など通常に用いられるコピー用紙などよ
りも大きな厚さを有している場合、用紙45の搬送は困
難となる。
【0098】これに対して、本発明の画像形成装置で
は、上述したように、トナー15の減速は制御電極20
近傍、または制御電極20に形成されているゲート30
内部で行われるため、用紙45を配置する領域を広くと
ることができる。したがって、用紙45の形状にかかわ
らず用紙45を搬送するために好適なものとなってい
る。また、画像形成される記録媒体としては、用紙45
に限定されず、たとえば、OHPフィルムといった樹脂
製のシートなどを用いることができる。
【0099】ここで、上記ON電位の印加時間とブレー
キ電位の印加時間は、たとえば、次のようにして決定す
ることができる。まず、制御電極20のリング状電極3
1に印加されるON電位の印加時間と、それによって形
成される画素の濃度とは、図9に示すように相関を示
す。
【0100】つまり、ON電位の印加時間が50μse
c以下の場合であるt1 の範囲では、トナー15は飛翔
せず、画素は形成されない。ON電位の印加時間が50
μsecよりも長くなるとトナー15は飛翔するが、印
加時間が130μsecに到るまでのt2 の範囲では、
画素形成に必要な濃度を確保することができない。ON
電位の印加時間が130μsecとなってはじめて画素
形成に必要な濃度が確保される。そして、ON電位の印
加時間が130μsec以上となるt3 の範囲では、印
加時間が長くなるにつれて画素の濃度はある一定の濃度
0 に漸近していき、300μsecで濃度C0 に達す
る。
【0101】本実施の形態では、ON電位の印加時間は
140μsecであり、ブレーキ電位の印加時間は40
μsecである。上記図9に示すように、ON電位の印
加時間を140μsecとすることで画素形成に必要な
濃度が達成されるt3 の範囲に入り、また、ブレーキ電
位の印加時間を40μsecとすることでトナー担持体
17に担持されているトナー15に影響を及ぼすことを
回避するt1 の範囲に入っている。
【0102】なお、ON電位およびブレーキ電位の印加
時間は、上記の値に限定されるものではない。すなわ
ち、ON電位の印加時間が、図9に示す画素の形成に必
要な印加時間t3 の範囲に入っていればよい。また、ブ
レーキ電位の印加時間は、同様に、トナー担持体17に
担持されているトナー15に影響を及ぼさない印加時間
1 の範囲に入っており、かつ、確実に飛翔中のトナー
15を減速できる電位が印加できる時間であればよい。
【0103】以上のように、本発明の画像形成装置で
は、制御電極の電位を変化させることによって、トナー
などの顕像剤が記録媒体への到達する速度を減速させる
ことができる。これによって、顕像剤が記録媒体表面に
達したときの衝突が抑制されることにより、顕像剤のリ
バウンド現象が抑制される。したがって、顕像剤の散乱
が見られない輪郭の明確な画素が形成され、得られる画
像のハーフトーンの再現性も向上する。
【0104】また、本発明の画像形成装置では、画像形
成装置の構造は従来の画像形成措置よりも簡素化されて
いる。さらに、トナーの飛翔を制御するON電位の印加
時間は従来の画像形成装置と同一の時間である。加え
て、ブレーキ電位の印加時間はON電位の印加時間より
も短くなっている。したがって、小型かつ低コストであ
り、高速の画像形成を可能とした画像形成装置とするこ
とができる。
【0105】〔実施の形態2〕本発明の実施の他の形態
について図10および図11に基づいて説明すれば、以
下の通りである。本実施の形態では、上記実施の形態1
と同様に画像形成装置をモノカラーのデジタルプリンタ
に搭載した場合について説明する。なお、同一の機能を
有する部材には同一の符号を付記し、その説明を省略す
る。また、これによって本発明が限定されるものではな
い。
【0106】本実施の形態のデジタルプリンタは、前記
画像形成部2において、制御電極として前述したシング
ルドライブ制御の制御電極20の代わりに、第1および
第2電極の2つの電極を有するマトリクスドライブ制御
の制御電極35が用いられている以外は、実施の形態1
と同一である。
【0107】本実施の形態で用いられる制御電極35
は、図10(a)に示す構成となっている。同図におい
ては、用紙45の搬送方向をC方向、このC方向と直交
する方向をD方向としている。この制御電極35には、
マトリクス状に第1電極37と第2電極38とが配置さ
れ、これら第1電極37および第2電極38とに形成さ
れた開口部によってゲート36…が形成されている。第
1電極37は、4本の帯状電極37a〜37dからなっ
ている。各帯状電極37a〜37dはD方向に延びてお
り、各々平行にC方向に並んでいる。第2電極38は、
帯状電極38a…からなっており、各帯状電極38a
は、それぞれ帯状電極37a〜37dと交差して、各々
平行にD方向に並んでいる。なお、帯状電極38a…の
数は、本デジタルプリンタ1に要求される解像度、すな
わちゲート36…の数に応じて設定される。
【0108】上記制御電極35は、上記実施の形態1の
画像形成装置において、シングルドライブ制御の制御電
極20に代えて配置されている。上記第1電極37は、
図10(a)におけるE−E線矢視断面図である図10
(b)に示すように、絶縁性基板35aの対向電極19
側に配されており、また、第2電極38はトナー担持体
17側に配されている。
【0109】本実施の形態では、上記第1電極37およ
び第2電極38両方に対して、図11に示すように、O
N電位およびOFF電位が印加されるが、ブレーキ電位
は、第1電極37にのみ印加される。この電位の印加に
ついて詳しく説明するために、たとえば、複数のゲート
36…の中で、図10に示す一つのゲート36aに対し
てのみトナー15を飛翔させる場合について考える。な
お、ゲート36aは、帯状電極37aの開口部と、帯状
電極38a…の中の一つである帯状電極38bの開口部
とにより構成されているとする。
【0110】まず、制御電極制御信号のON信号に同期
して帯状電極37aおよび38bに対してON電位が印
加され、他の帯状電極37b〜37dおよび38a…に
はOFF電位が印加される。ここでゲート36…は、第
一電極37と第2電極38との両方の開口部によって構
成されているため、上記の場合では、ゲート36aにの
み、ON電位に基づく電界の変化が生じ、ゲート36a
を通じてのトナー15の飛翔が可能となる。
【0111】トナー15が飛翔してゲート36aに達し
た際、対向電極19側に形成されている帯状電極37a
のみにブレーキ電位が印加され、トナー15の飛翔速度
が減速される。なお、上記のON電位の印加時間は20
0μsecであり、ブレーキ電位の印加時間は40μs
ecである。このように飛翔速度が減速されたトナー1
5は、ゲート36aから、制御電極35と対向電極19
との間の領域に進入し、該領域に形成されている電界に
よってある程度加速されて、用紙45の表面に到達す
る。上記の減速によって、前述のようにトナー15のリ
バウンド現象は回避され、トナー15の散乱は抑制され
る。
【0112】ここで、ブレーキ電位の印加は、第1電極
37ではなく、第2電極38であってもよく、また、第
1電極37と第2電極38の形成位置が逆、つまり、第
1電極37がトナー担持体17側に形成され、第2電極
38が対向電極19側に形成されていてもよい。しかし
ながら、トナー15に対して効果的な減速を行うために
は、上述した設定が最も好ましい。これは、以下の理由
による。
【0113】ブレーキ電位の印加がトナー担持体17側
の第2電極38に対して行われた場合、トナー15は、
ゲート36に到達した直後に減速される。この後、対向
電極19側の第1電極37に印加されるON電位によっ
て、トナー15はゲート36通過中に加速されることに
なる。したがって、この場合では、トナー15の減速が
十分に行われない可能性がある。
【0114】また、上述した設定では、第1電極37で
は、電極部としての帯状電極数が少なく(本実施の形態
では4個)、対して、第2電極38では、帯状電極数が
多く(本実施の形態では例えば640個)なっている。
ここでブレーキ電位を印加するためには、図11に示す
ように、第1電極37に印加されるON電位の波形、第
2電極38に印加されるON電位の波形および制御電極
制御信号のON信号の少なくとも3値を同期させるパル
ス制御が必要となる。しかも、この3値のパルス制御
は、第1電極37および第2電極38を構成している各
帯状電極37a〜37dおよび38a…毎に行われる必
要があるため、たとえば、第2電極38に対してブレー
キ電位を印加したとすると、上記の3値のパルス制御は
640回路必要となり、制御回路部の複雑化と部品点数
の増加とを招来することになる。
【0115】したがって、ブレーキ電位の印加は、電極
部の数が少ない電極に対して行うことが好ましい。たと
えば、上述した設定では、第2電極38は640個の帯
状電極38aからなっているのに対し、第1電極37は
4個の帯状電極37a〜37dからなっている。このた
め、帯状電極37a〜37dに対してブレーキ電位を印
加することで、上記3値のパルス制御は4回路とするこ
とができ、制御回路部の構成が非常に簡素化される。
【0116】なお、本実施の形態では、第1電極37を
構成する帯状電極37a〜37dに対しては、図11に
示すように、ON電位およびブレーキ電位が37a〜3
7dの順序で走査されて印加されるようになっている。
すなわち、第1電極37に印加される電位は、画像デー
タに関係なく用紙45の搬送に伴って印加される。した
がって、ブレーキ電位の印加に関してのパルス制御を行
う必要がないため、制御回路部の構成がより簡素化され
る。
【0117】以上のように、本発明の画像形成装置で
は、制御電極としてマトリクスドライブ制御のものを用
いることによっても、トナーの記録媒体への到達速度を
減速させることができる。したがって、高速の画像形成
を可能とし、画像形成装置の構造の簡素化、低コスト
化、小型化を実現することができる。
【0118】〔実施の形態3〕本発明の実施のさらに他
の形態について図12から図17、および図19に基づ
いて説明すれば、以下の通りである。本実施の形態で
は、上記実施の形態1および2と同様に画像形成装置を
モノカラーのデジタルプリンタに搭載した場合について
説明する。なお、同一の機能を有する部材には同一の符
号を付記し、その説明を省略する。また、これによって
本発明が限定されるものではない。
【0119】本実施の形態のデジタルプリンタは、図3
に示した構成において、制御電極20に代えて、制御電
極40を備えたものとなっている。他の構成は実施の形
態1のデジタルプリンタ1と同一である。
【0120】制御電極40は、たとえば、図12(a)
に示すように、前記制御電極20において、そのトナー
担持体17側の表面にシールド電極41が設けられたも
のとなっている。上記シールド電極41は、通常、制御
電極40へのトナー15の付着を防止するために使用さ
れるものであり、前記制御回路部から出力される制御信
号に基づいて専用の制御電源によって制御される。シー
ルド電極41には、図12(a)における、F−F線矢
視断面図である図12(b)に示すように、ゲート30
およびリング状電極31との対応部分には開口部43が
形成されている。したがって、トナー15がゲート30
を通過することは妨げられない。
【0121】シールド電極41に対しては、トナー担持
体17に担持されているトナー層が有している電位と同
じ値の電位か、または、該トナー層が有している電位に
対してわずかに電位差を有する同極性の電位であるシー
ルド電位が印加される。これによって、制御電極40へ
のトナー15の付着が防止できる。
【0122】上記シールド電極41には、シールド電位
に加えてブレーキ電位を印加することができ、これによ
って、前述の構成と同様、トナー15の飛翔速度を減速
させることができる。たとえば、図13に示すように、
前記制御回路部から出力される制御電極制御信号におけ
るON信号に同期して、リング状電極31に対して印加
されるON電位(200V)がOFF電位(0V)に切
り替わる。これと同時に、前記制御回路部からの制御信
号によって、上記のシールド電極専用の制御電源は、シ
ールド電極41に対してブレーキ電位−80Vを40μ
sec印加する。これによって、前述のリング状電極3
1に印加されるブレーキ電位と同様の減速効果を得るこ
とができる。
【0123】上記シールド電極41は、制御電極40の
ほぼ全面を覆うようにしてトナー担持体17と対向して
配されているので、トナー15に対する対向面積が広く
なる。このため、より低いブレーキ電位の印加であって
も、リング状電極31にブレーキ電位を印加する構成と
同様の電界の変化が生じ、所望のブレーキ電界が形成さ
れる。すなわち、実施の形態1の構成では、ブレーキ電
位として−100Vが印加されたが、本実施の形態の構
成では、−80Vが印加されることで実施の形態1と同
様のブレーキ電界が形成される。このように、印加され
るブレーキ電位を低くすることによって、回路に用いら
れるトランジスタなどの回路素子の耐圧が低くなり、回
路の低コスト化が可能となる。
【0124】さらに、上述したブレーキ電位の制御で
は、ブレーキ電位を印加する対象となる電極がシールド
電極41一つであるため、制御回路部におけるブレーキ
電位を制御する回路を2値の制御回路一つにて構成する
ことができる。加えて、実施の形態1および2のように
3値の波形を同期させるパルス制御が必要でないため、
さらに、上記制御回路部の構成を簡素化することがで
き、部品点数の削減や画像形成装置の小型化、低コスト
化を促進することができる。
【0125】本実施の形態では、上記シールド電極41
として単一の電極板が用いられているが、複数の電極板
が用いられてもよい。また、本実施の形態では、シング
ルドライブ制御の制御電極20に対して上記シールド電
極41を別途設けた場合を例示したが、実施の形態2で
用いたマトリクスドライブ制御の制御電極35に対して
シールド電極41を別途設けてブレーキ電位の印加を行
ってもよい。
【0126】また、より効果的にトナー15の飛翔速度
を減速させるには、図12(a)(b)に示すように、
シールド電極41が、トナー担持体17側でなく対向電
極19側に配されるほうがよい。これは、実施の形態2
で記載したように、対向電極19側に配される電極にブ
レーキ電位が印加されることで、トナー15が、ゲート
36を通過して制御電極20と対向電極19との間の領
域に進入する直前に減速されるためである。
【0127】一方、上記の場合、シールド電極41が、
対向電極19側の位置に配されることによって、制御電
極20へのトナー15の付着を防止する効果が得られに
くくなることがある。このため、シールド電極41とは
別に、ブレーキ電位を印加するための専用の電極として
のブレーキ電極42が、対向電極19側に配置されてい
る構成が好ましい。
【0128】このとき、シールド電極41およびブレー
キ電極42は、制御電極20または35に対して独立し
て配置されてもよいが、ゲート30または36と開口部
43などとの位置合わせなどに高い精度が要求される
上、上記シールド電極41およびブレーキ電極42を制
御電極20または35に取り付ける工程が煩雑になり、
画像形成装置の複雑化と大型化を招来することになる。
したがって、制御電極20または35、シールド電極4
1およびブレーキ電極42は、一体化されて形成される
ことが好ましい。
【0129】具体的には、たとえば、図14に示すよう
に、上記シールド電極41が、シングルドライブ制御の
制御電極20と一体化して形成されており、このときシ
ールド電極41が対向電極19側に配されるようになっ
ている構成である。また、図16に示すように、シール
ド電極41はマトリクスドライブ制御の制御電極35と
一体化してもよい。同図の構成では、第1電極37がト
ナー担持体17側、第2電極38が対向電極19側に配
され、シールド電極41が最も対向電極19側に配され
ている。
【0130】加えて、図15に示すように、トナー担持
体17側から対向電極19側に向かって順番に、シール
ド電極41、制御電極20、ブレーキ電極42と配され
るように一体化されてもよく、または、図17に示すよ
うに、トナー担持体17側から対向電極19側に向かっ
て順番に、シールド電極41、第1電極37、第2電極
38、ブレーキ電極42と配されるように一体化されて
もよい。
【0131】上記の図14〜図17に示すような一体化
では、ブレーキ電位を印加する電極を最も対向電極19
側に配するようにすることが重要であり、このような一
体化を行うことで、部品点数の削減と画像形成装置の小
型化および低コスト化を図ることができる。
【0132】さらに、本実施の形態では、シールド電極
41またはブレーキ電極42全体に対して一括して同一
のブレーキ電位が印加されているが、上記シールド電極
41やブレーキ電極42は複数の領域に分割され、各領
域に対してそれぞれ異なったブレーキ電位が印加されて
もよい。
【0133】たとえば、ブレーキ電極42が曲率のない
平面状に形成されている制御電極20に一体化されてい
るとする。このとき、トナー担持体17が曲率を有して
いると、トナー担持体17と制御電極20との間の距離
は、制御電極20の中央部と偏縁部とで異なることにな
る。すなわち、上記中央部では、トナー担持体17と制
御電極20との距離は小さいが、上記偏縁部側に移動す
るにしたがってその距離は除々に大きくなる。このた
め、偏縁部側では、中央部と比較して、トナー15がよ
り長い距離を飛翔することになる。飛翔距離が大きくな
ると、対向電極19が形成する電界による加速時間が長
くなるため、偏縁部でのトナー15の飛翔速度は、中央
部で飛翔する場合よりも増加することになる。
【0134】このとき、たとえば、図19に示すよう
に、偏縁部のゲート30をゲート30bとし、中央部の
ゲート30をゲート30cとする。これらゲート30b
・30cに対して同一の大きさのブレーキ電位が印加さ
れたとすると、偏縁部では上記飛翔速度が大きいため、
該ブレーキ電位によって形成されるブレーキ電界では、
トナー15を十分に減速することができなくなるという
不具合が生じる。
【0135】ここで、偏縁部と中央部とでブレーキ電極
42を図19に示すように分割する。つまり、上記ブレ
ーキ電極42を、偏縁部では、ゲート30bのリング状
電極31bと近接したブレーキ電極42aとし、中央部
では、ゲート30cのリング状電極31cと離間したブ
レーキ電極42bとする。これによって、上記ゲート3
0bでは、ON電位が印加されるリング状電極31bに
より近接した位置でブレーキ電位が印加されることにな
るため、ゲート30cと比較して、より大きな減速効果
が得られる。
【0136】また、各ブレーキ電極42a・42bに対
しては、同一のブレーキ電位を印加する必要はなく、ト
ナー15の飛翔状態に対応して適宜変化したブレーキ電
位を印加することもできる。このように、リング状電極
31とブレーキ電極42aとの間隔を、トナー担持体1
7の曲率に伴う制御電極20との距離の変化に対応させ
て変化させることによって、トナー15の飛翔速度を該
トナー15の飛翔状態に応じて適宜減速させることがで
き、用紙45への到達速度をほぼ一定の速度とすること
ができる。
【0137】なお、ブレーキ電極42の配置は、上記の
ようにリング状電極31などON電位を印加する電極と
の距離を適宜変化させる方法を用いてもよいが、リング
状電極31との距離は変化させずに、印加するブレーキ
電位の大きさのみを変化させてもよい。また、ブレーキ
電極42の他にシールド電極41を用いてもよい。結果
として、トナー15の飛翔速度に応じて飛翔速度が減速
され、トナー15の用紙45への到達速度がほぼ一定の
速度となればよい。
【0138】以上のように、本発明の画像形成装置で
は、制御電極とは別にブレーキ電位を印加する電極を設
けることによって、トナーの記録媒体への到達速度を減
速させることができ、加えて、ブレーキ電位を印加する
ための制御回路部の構成を簡素化することができる。し
たがって、高速の画像形成を可能とし、画像形成装置の
構造の簡素化、低コスト化、小型化をより促進すること
ができる。
【0139】〔実施の形態4〕本発明の実施のさらに他
の形態について図18に基づいて説明すれば、以下の通
りである。本実施の形態では、本発明の画像形成装置を
フルカラーの複写機に搭載した場合について説明する。
また、これによって本発明が限定されるものではない。
【0140】本発明の画像形成装置が搭載された複写機
51は、図18に示すように、トナー供給部53a〜5
3dと印刷部54とを備えた画像形成部52と、給紙部
55と、定着部56とを備えている。
【0141】給紙部55は、画像形成部52へ記録媒体
としての用紙45を供給する側に設置されており、用紙
カセット57、ピックアップローラ58、給紙ガイド5
9、図示しないピックアップローラ58の駆動装置から
なる。また、定着部56は、画像形成部52からトナー
像が形成された用紙45を搬出する側に設置されてお
り、加熱ローラ60、ヒータ61、加圧ローラ62、温
度センサ63、および温度制御回路64、図示しない加
圧用スプリング、および、図示しない加熱ローラ60と
加圧ローラ62の駆動装置からなる。また、図示しない
が、定着部56からの用紙45の排出側には、排紙セン
サ、排紙ローラ、排紙トレイが設けられている。
【0142】画像形成部52のトナー供給部53a〜5
3dは、図示しないが、それぞれ、トナー収容槽、内部
に磁石を有するトナー担持体、ドクターブレード、駆動
装置からなる。トナー収容槽内には顕像剤としてのそれ
ぞれ異なる色のカラートナーが収容されている。画像形
成部52の印刷部54は、対向電極65、制御電極6
6、高圧電源67、制御電源68、帯電電源69、除電
電源70、誘電体ベルト71、帯電ブラシ72、除電ブ
ラシ73、ベルト支持材74a・74b、およびクリー
ナブレード75、図示しない誘電体ベルト71の駆動装
置を備えている。
【0143】本実施の形態における画像形成部52、給
紙部55および定着部56の構成および機能は、実施の
形態1に示した画像形成部2、給紙部3、定着部4と同
様であるため、その説明は省略する。また、本実施の形
態における画像形成動作についても、実施の形態1で説
明した各ステップと同様であるため、その説明は省略す
る。ただし、画像形成部52のトナー供給部53a〜5
3dにおいて、それぞれ異なるカラートナーが収容され
ている点は、上述した実施の形態1〜3とは異なってい
る。
【0144】本実施の形態では、上記カラートナーとし
て、たとえば、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラ
ックのトナーが用いられている。これら各カラートナー
は画像データに基づいて飛翔して、用紙45に到達する
ことでカラーの画像が形成される。このとき、用紙45
の表面においては、制御電極66に印加されるブレーキ
電位によって、制御電極66近傍の電界が変化してブレ
ーキ電界が形成され、カラートナーの飛翔速度が減速さ
れるため、前述してきたトナーの衝突と、それに伴うト
ナーのリバウンド現象の発生が抑制される。したがっ
て、先に飛翔したカラートナーで形成された画素が、後
から飛翔してくるカラートナーの衝突によって破壊され
たり、リバウンド現象によるカラートナーの散乱のため
にカラートナー同士が混色することが防止される。この
ため、良好なカラー画像の再現が可能となる。
【0145】上記制御電極66としては、本実施の形態
では、前記実施の形態1と同様にシングルドライブ制御
のものが用いられているが、前述したマトリクスドライ
ブ制御のものや、シールド電極、またはブレーキ電極を
別に設けたものであってもよい。いずれもブレーキ電位
を印加してブレーキ電界を形成することによって、カラ
ートナーの飛翔速度を減速させることができるため、良
好なカラー画像を再現することができるとともに、従来
よりも画像形成装置の小型化や低コスト化を可能とす
る。
【0146】以上のように、本発明の画像形成装置は、
カラートナーの飛翔を制御する制御電極に対してブレー
キ電位を印加することによってカラートナーの飛翔速度
を減速させて、用紙などの記録媒体にトナーが衝突する
ことを抑制するものである。このトナーと記録媒体表面
との衝突を抑制することによって、先に飛翔したカラー
トナーで形成された画素が破壊されたり、記録媒体の表
面でカラートナーのリバウンド現象が発生したりするこ
とは抑制される。したがって、異なる色のカラートナー
同士が混色したり、カラートナーが画素の形成領域から
散乱して該画素のコントラストを劣化させることは防止
される。
【0147】また、制御電極にブレーキ電位を印加する
構成は簡素なものであるため、本発明の画像形成装置は
従来の画像形成装置と比較して、部品点数を削減するこ
とができ、小型化、低コスト化が可能となる。
【0148】以上の各実施の形態で例示してきたブレー
キ電位の値や印加時間は、一定である必要はなく、適宜
可変制御を行ってもよい。たとえば、円筒状のトナー担
持体が曲率を有している前記図19に示すような場合
は、該トナー担持体と制御電極との間隔が一定であると
は限らず、制御電極におけるゲートの位置によって異な
ることになる。このような場合では、制御電極全体に形
成されるブレーキ電位が一定の値になるように、印加さ
れるブレーキ電位を各ゲートとトナー担持体との間隔に
応じて可変してもよい。
【0149】また、画像形成装置の使用条件が通常より
も大幅に異なっている場合、たとえば、画像形成装置が
高温多湿の条件下に置かれた場合では、トナーの飛翔条
件は大きく変化することが考えられる。このような場合
でも、上記のように、ブレーキ電位の値や印加時間を適
宜可変することが好適である。
【0150】さらに、使用するトナーやトナー担持体や
ドクターブレードの劣化によって、トナー担持体上にお
けるトナー層の状態が所定の状態から変化する場合があ
るが、このような場合でも、上記のように、ブレーキ電
位の値や印加時間を適宜可変することが望ましい。
【0151】上記のように、トナー担持体から制御電極
へ到達するまでのトナーの飛翔条件に応じてブレーキ電
位を可変させて印加することによって、上記条件に応じ
たブレーキ電界が形成されるため、トナーの飛翔速度は
常に適切に減速される。したがって、たとえば、画像形
成装置の使用条件によってトナーの飛翔条件が変化した
り、画像形成装置が劣化することによってトナーの飛翔
条件が変化した場合でも、常に適切なブレーキ電位が印
加され、得られる画像の画質が劣化することは防止され
る。
【0152】なお、本実施の形態においては、顕像剤と
してトナーが用いられた場合を例示したが、顕像剤とし
てインクが用いられてもよい。さらに、トナー供給部の
構成をイオンフロー法を適用した構成とすることもでき
る。つまり、画像形成部の構成は、コロナ帯電器などの
イオン源を備えた構成となっていてもよい。このような
場合でも、以上の実施の形態に示した場合と同様の作用
および効果を得ることができる。
【0153】また、本実施の形態では、本発明にかかる
画像形成装置をデジタルプリンタおよび複写機に用いた
場合について例示してきたが、これに限定されるもので
はなく、たとえば、アナログプリンタおよび複写機、フ
ァクシミリ、プロッタなどにも好適に用いることができ
る。
【0154】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の画像形成装置
は、以上のように、少なくとも1色の粒子化された顕像
剤を供給する供給手段と、この供給手段と対向配置され
た対向電極と、これら両者の間に配置され、上記顕像剤
の通過部となる複数のゲートを有し、各ゲートの周囲に
電極部が設けられている制御電極と、上記供給手段と対
向電極との間に所定の電位差を発生させる電圧を供給す
る電源部と、上記各ゲートを通過しての上記供給手段か
ら対向電極方向への顕像剤の飛翔を制御し、顕像剤をそ
の飛翔方向に配されている記録媒体に付着させて画像を
形成するために、上記制御電極に対して画像データに応
じた通過制御電位を印加して上記供給手段と対向電極と
の間に存在する上記電位差に基づく電界を変化させる制
御手段とを有する画像形成装置において、上記制御手段
は、さらに、上記供給手段と対向電極との間の領域で、
上記供給手段から対向電極方向への上記顕像剤の飛翔速
度を減速させる電界を生じさせるためのブレーキ電位を
上記制御電極に印加するものである構成である。
【0155】それゆえ、上記構成では、上記制御電極に
ブレーキ電位を印加することによって、粒子化された顕
像剤の記録媒体への到達速度を減速させるため、顕像剤
が記録媒体表面に衝突することは抑制される。これによ
って、顕像剤が形成する画素の輪郭が明確になり、か
つ、ハーフトーンの再現性も向上するため、得られる画
像の画質が向上するという効果を奏する。
【0156】また、上記顕像剤の飛翔速度の減速は、上
記供給手段と対向電極の間の領域で、上記制御電極にブ
レーキ電位を印加することのみによって行われるため、
より画像データに対応した精確な制御が可能になるとと
もに、飛翔速度を減速させるための特別な構造を付加す
ることが必要なく、用紙などの記録媒体を配置する領域
を広くとることができる。また、画像形成装置の構造を
簡素化、低コスト化、小型化することも可能となる。
【0157】さらに、カラー画像形成装置の場合では、
記録媒体への顕像剤の衝突が抑制されることによって、
先に飛翔した顕像剤で形成された画素が破壊されたり、
記録媒体の表面で顕像剤のリバウンド現象が発生したり
することは抑制される。したがって、異なった色の顕像
剤同士の混色が防止でき、カラー再現性の劣化は防止さ
れるという効果を奏する。
【0158】本発明の請求項2記載の画像形成装置は、
以上のように、上記請求項1の構成に加えて、上記制御
手段は、上記通過制御電位として、顕像剤のゲート通過
を可能とするための通過電位と、顕像剤のゲート通過を
阻止するための通過阻止電位とを出力するとともに、通
過電位出力状態から通過阻止電位出力状態に切り替わる
ときに上記ブレーキ電位を出力する構成である。
【0159】それゆえ、上記構成では、通過電位と通過
阻止電位との切り替え時に、ブレーキ電位が印加される
ため、顕像剤の飛翔速度は、上記ゲート近傍で減速され
ることになる。つまり、供給手段からゲート近傍までは
顕像剤は所望の飛翔速度で飛翔するために、飛翔速度が
過度に減速されることはなく、画像形成速度の低下が抑
制される。また、上記の位置で減速されることにより、
減速後、顕像剤が記録媒体表面に衝突するまで、上記供
給手段と対向電極との間の電位差によって再加速される
ことも抑制することができるという効果を奏する。
【0160】本発明の請求項3記載の画像形成装置は、
以上のように、上記請求項2の構成に加えて、上記制御
手段は、上記ブレーキ電位を顕像剤が供給手段から制御
電極に到達するよりも短い時間だけ出力する構成であ
る。
【0161】それゆえ、上記構成では、通過電位と通過
阻止電位との切り替え時に、顕像剤が供給手段から制御
電極に到達する時間よりも短い時間でブレーキ電位が印
加されるため、帯電した顕像剤中にある程度含まれてい
る逆帯電の顕像剤が、上記ブレーキ電位によって、制御
電極に飛翔して付着することが防止される。このため、
上記逆帯電の顕像剤の付着に起因する制御電極の電位の
変化と、それに伴う顕像剤の制御不良は防止されるとと
もに、上記顕像剤がゲートに付着することによって生じ
る該ゲートの目詰まりも防止され、良質の画像を形成す
ることができるという効果を奏する。
【0162】本発明の請求項4記載の画像形成装置は、
以上のように、上記請求項1から3の何れかに記載の構
成に加えて、上記制御電極は、上記供給手段から対向電
極方向へ並ぶ第1および第2電極からなり、これらの電
極のうちの最も対向電極側に配されている電極に上記ブ
レーキ電位が印加される構成である。
【0163】それゆえ、上記構成では、顕像剤の飛翔速
度をより対向電極側で減速できるため、減速後、顕像剤
が記録媒体表面に衝突するまで再加速されることをより
防止することができるという効果を奏する。
【0164】本発明の請求項5記載の画像形成装置は、
以上のように、上記請求項1から3の何れかに記載の構
成に加えて、上記制御電極は上記供給手段から対向電極
方向へ並ぶ第1および第2電極からなり、これら第1お
よび第2電極は複数の前記電極部を有し、前記第1およ
び第2電極のうち、前記電極部の数が最も少ない電極に
上記ブレーキ電位が印加される構成である。
【0165】それゆえ、上記構成では、前記ブレーキ電
位は電極部の数が最も少ない電極に印加されるため、ブ
レーキ電位を切り替えるための制御回路をより簡素化で
き、部品点数の削減や画像形成装置の小型化、低コスト
化をはかることができるという効果を奏する。
【0166】本発明の請求項6記載の画像形成装置は、
以上のように、上記請求項1から3の何れかに記載の構
成に加えて、上記ブレーキ電位が印加される電極は、前
記供給手段から対向電極方向へ前記制御電極と並び、前
記ゲートに対向する開口部を有するものである構成であ
る。
【0167】それゆえ、上記構成では、ブレーキ電位が
印加される電極は、前記制御電極と並んで配置されてい
るため、飛翔している顕像剤に対する電界の変化は、よ
り広い対向面積でなされることになる。したがって、よ
り低い電位の印加で、顕像剤の飛翔速度を減速させるに
十分な電界の変化をもたらすことができる。また、印加
される電位が低くなるため、回路に用いられるトランジ
スタなどの回路素子の耐圧を低くすることができ、回路
の低コスト化が可能となる。さらに、ブレーキ電位の制
御において、ブレーキ電位を印加する対象となる電極が
一つであるため、制御回路部におけるブレーキ電位を制
御する回路を2値の制御回路一つにて構成することがで
きる。これによって、上記制御回路部の構成をより簡素
化することができるという効果を奏する。
【0168】本発明の請求項7記載の画像形成装置は、
以上のように、上記請求項1から6の何れかに記載の構
成に加えて、上記ブレーキ電位が印加される電極は、通
過電位が所定の順序で走査されて印加されるものである
構成である。
【0169】それゆえ、上記構成では、上記電極に対し
ては、通過電位が画像データに関係なく用紙の搬送に伴
って印加されるため、ブレーキ電位の印加に関してのパ
ルス制御を行う必要がなく、制御回路部の構成をより簡
素化することができるという効果を奏する。
【0170】本発明の請求項8記載の画像形成装置は、
以上のように、上記請求項1から7の何れかに記載の構
成に加えて上記制御手段は、上記ブレーキ電位を出力す
る回路として、上記通過電位から通過阻止電位に切り替
えるときにオーバーシュートを生じさせる回路を備えて
いる構成である。
【0171】それゆえ、上記構成では、通過電位から通
過阻止電位に切り替えるときにオーバーシュートを生じ
させることによって、制御手段からの制御信号の波形と
ブレーキ電位の波形とを同期させることなく、ブレーキ
電位を印加することができる。このため、上記波形を同
期させるためのパルス制御の値の数を減少させることが
でき、これにより、上記制御手段における回路構成をよ
り簡素化することができるという効果を奏する。
【0172】本発明の請求項9記載の画像形成装置は、
以上のように、上記請求項1から8の何れかに記載の構
成に加えて、上記電極部は、前記ゲートと前記供給手段
との位置関係に対応してブレーキ電位の印加が可変制御
されるものである構成である。
【0173】それゆえ、上記構成では、ゲートと供給手
段との位置関係によって変化する顕像剤の飛翔状態に対
応して、該顕像剤の飛翔速度を適宜減速させることがで
きる。これによって、顕像剤が記録媒体に到達する際の
到達速度をほぼ一定の速度に減速することができるとい
う効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の実施の一形態であるデジタ
ルプリンタにおける画像形成部の要部の構成を示す説明
図であり、(b)は、(a)に示した画像形成部の制御
電極に印加される電位の波形および制御信号の波形を示
す図である。
【図2】上記のデジタルプリンタの全体構成を示す概略
説明図である。
【図3】上記のデジタルプリンタの構成を示す説明図で
ある。
【図4】上記のデジタルプリンタの画素形成部に用いら
れるシングルドライブ制御の制御電極の平面図である。
【図5】上記のデジタルプリンタの画像形成動作を示す
フローチャートである。
【図6】(a)は、上記のデジタルプリンタの画像形成
の過程におけるトナーのリバウンド現象を示す説明図で
あり、(b)は、(a)に示したリバウンド現象によっ
て生じるトナーの散乱状態を示す説明図である。
【図7】図4の制御電極に印加される電位の他の波形お
よび制御信号の波形を示す図である。
【図8】(a)は、図4の制御電極のゲートにおいて、
ブレーキ電位を印加した場合のトナーの飛翔状態を示す
説明図であり、(b)は、図4の制御電極のゲートにお
いて、ブレーキ電位を印加しなかった場合のトナーの飛
翔状態を示す説明図である。
【図9】上記のデジタルプリンタの画像形成に過程にお
いて、トナーによって形成される画素の濃度と制御電極
に印加されるON電位の印加時間との関係を示すグラフ
である。
【図10】(a)は、本発明の実施の他の形態に用いら
れる、上記デジタルプリンタの画像形成部に用いられる
マトリクスドライブ制御の制御電極の平面図であり、
(b)は、(a)に示した制御電極におけるE−E線矢
視断面図である。
【図11】図10のマトリクスドライブ制御の制御電極
に印加される電位の波形および制御信号の波形を示す図
である。
【図12】(a)は、本発明の実施のさらに他の形態に
用いられる、図4の制御電極の他の例を示す平面図であ
り、(b)は、(a)に示した制御電極におけるF−F
線矢視断面図である。
【図13】図12の制御電極およびシールド電極に印加
される電位の波形および制御信号の波形を示す図であ
る。
【図14】図12の制御電極の他の例を示す縦断面図で
ある。
【図15】図12の制御電極の他の例を示す縦断面図で
ある。
【図16】図12の制御電極の他の例を示す縦断面図で
ある。
【図17】図12の制御電極の他の例を示す縦断面図で
ある。
【図18】本発明の実施のさらに他の形態を示す、カラ
ー複写機の説明図である。
【図19】本発明の制御電極のさらに他の形態を示す縦
断面図である。
【符号の説明】
2 画像形成部 5 トナー供給部 6 印刷部 15 トナー 16 トナー収容槽 17 トナー担持体 19 対向電極 20 制御電極 30 ゲート 31 リング状電極 35 制御電極 36 ゲート 37 第1電極 37a 帯状電極 38 第2電極 38a 帯状電極 40 制御電極 41 シールド電極 42 ブレーキ電極 52 画像形成部 53 トナー供給部 54 印刷部 65 対向電極 66 制御電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 本田 岩一 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 藤田 浩一 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも1色の粒子化された顕像剤を供
    給する供給手段と、 この供給手段と対向配置された対向電極と、 これら両者の間に配置され、上記顕像剤の通過部となる
    複数のゲートを有し、各ゲートの周囲に電極部が設けら
    れている制御電極と、 上記供給手段と対向電極との間に所定の電位差を発生さ
    せる電圧を供給する電源部と、 上記各ゲートを通過しての上記供給手段から対向電極方
    向への顕像剤の飛翔を制御し、顕像剤をその飛翔方向に
    配されている記録媒体に付着させて画像を形成するため
    に、上記制御電極に対して画像データに応じた通過制御
    電位を印加して上記供給手段と対向電極との間に存在す
    る上記電位差に基づく電界を変化させる制御手段とを有
    する画像形成装置において、 上記制御手段は、さらに、上記供給手段と対向電極との
    間の領域で、上記供給手段から対向電極方向への上記顕
    像剤の飛翔速度を減速させる電界を生じさせるためのブ
    レーキ電位を上記制御電極に印加するものであることを
    特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】上記制御手段は、上記通過制御電位とし
    て、顕像剤のゲート通過を可能とするための通過電位
    と、顕像剤のゲート通過を阻止するための通過阻止電位
    とを出力するとともに、通過電位出力状態から通過阻止
    電位出力状態に切り替わるときに上記ブレーキ電位を出
    力するものであることを特徴とする請求項1記載の画像
    形成装置。
  3. 【請求項3】上記制御手段は、上記ブレーキ電位を顕像
    剤が供給手段から制御電極に到達するよりも短い時間だ
    け出力するものであることを特徴とする請求項2記載の
    画像形成装置。
  4. 【請求項4】上記制御電極は、上記供給手段から対向電
    極方向へ並ぶ第1および第2電極からなり、これらの電
    極のうちの最も対向電極側に配されている電極に上記ブ
    レーキ電位が印加されることを特徴とする請求項1から
    3の何れかに記載の画像形成装置。
  5. 【請求項5】上記制御電極は、上記供給手段から対向電
    極方向へ並ぶ第1および第2電極からなり、これら第1
    および第2電極は複数の前記電極部を有し、前記第1お
    よび第2電極のうち、前記電極部の数が最も少ない電極
    に上記ブレーキ電位が印加されることを特徴とする請求
    項1から3の何れかに記載の画像形成装置。
  6. 【請求項6】上記ブレーキ電位が印加される電極は、前
    記供給手段から対向電極方向へ前記制御手段と並び、前
    記ゲートに対向する開口部を有するものであることを特
    徴とする請求項1から3の何れかに記載の画像形成装
    置。
  7. 【請求項7】上記ブレーキ電位が印加される電極は、通
    過電位が所定の順序で走査されて印加されるものである
    ことを特徴とする請求項1から6の何れかに記載の画像
    形成装置。
  8. 【請求項8】上記制御手段は、上記ブレーキ電位を出力
    する回路として、上記通過電位から通過阻止電位に切り
    替えるときにオーバーシュートを生じさせる回路を備え
    ていることを特徴とする請求項1から7の何れかに記載
    の画像形成装置。
  9. 【請求項9】上記電極部は、前記ゲートと前記供給手段
    との位置関係に対応してブレーキ電位の印加が可変制御
    されるものであることを特徴とする請求項1から8の何
    れかに記載の画像形成装置。
JP6148897A 1997-03-14 1997-03-14 画像形成装置 Pending JPH10250137A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6447101B1 (en) 1998-05-07 2002-09-10 Sharp Kabushiki Kaisha Image forming device

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US6447101B1 (en) 1998-05-07 2002-09-10 Sharp Kabushiki Kaisha Image forming device

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