JPH10250109A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JPH10250109A
JPH10250109A JP6119897A JP6119897A JPH10250109A JP H10250109 A JPH10250109 A JP H10250109A JP 6119897 A JP6119897 A JP 6119897A JP 6119897 A JP6119897 A JP 6119897A JP H10250109 A JPH10250109 A JP H10250109A
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fresnel lens
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ultrasonic wave
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千秋 田沼
Shiro Saito
史郎 斉藤
Isao Amamiya
功 雨宮
Noriko Yamamoto
紀子 山本
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均 八木
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    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/14Structure thereof only for on-demand ink jet heads
    • B41J2/14008Structure of acoustic ink jet print heads

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
  • Ink Jet (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】微妙なインク液面の制御を行うことなく安定に
インク液滴を超音波を用いて飛翔させることができるイ
ンクジェット記録装置を提供する。 【解決手段】圧電素子から放射される超音波をインク液
面の所定の位置に集束させるためのフレネルレンズ(1
8)を設けたインクジェット記録装置であって、フレネ
ルレンズの溝(18n)の底部に所定の曲率Rで曲面を
設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体インクを液滴
化して被記録体上に飛翔させることにより画像を記録す
るインクジェット記録装置に係り、特に圧電素子により
放射される超音波ビームの圧力によりインク滴を吐出さ
せて被記録体上に飛翔させるインクジェット記録装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】液体インクを液滴と呼ばれる小さな粒状
にして記録媒体上に飛翔させることにより画点を形成し
て記録する装置は、インクジェットプリンタとして実用
化されている。このインクジェットプリンタは、他の記
録方法と比べて騒音が少なく、現像や定着などの処理が
不要であるという利点を有し、普通紙記録技術として注
目されている。
【0003】現在までに、数多くのインクジェットプリ
ンタの方式が考案されているが、特に発熱体の熱により
発生する蒸気の圧力でインク滴を飛翔させる方式(例え
ば特公昭56−9429号公報や特公昭61−5991
1号公報参照)、圧電体の変位による圧力パルスにより
インク滴を飛翔させる方式(例えば特公昭53−121
38号公報等参照)が代表的なものである。
【0004】これらのインクジェットプリンタは、ノズ
ルの先端からインクを飛翔させているため、インク液中
の溶媒の蒸発によって局部的なインクの濃縮が生じ、ノ
ズルに目詰まりが生じるという問題がある。さらに、従
来のインクジェットプリンタは、飛翔させるインク滴の
粒径を小さくする(直径20μm以下)ことが困難であ
り、解像度を上げることが困難であった。
【0005】これらの問題点を克服するため、薄膜圧電
体層により構成された圧電素子によって発生する超音波
ビームの圧力を用いてインク液面からインク滴を飛翔さ
せる方式が提案されている(IBM TDB,Vol .1
6,No.4,pp.1168(1973−10)、米国特
許第4,308,547号、特開昭63−166548
号公報、特開昭63−312157号公報参照)。しか
し、この方式のインクジェット記録装置は、発生する超
音波ビームの深度が浅いため微妙なインク液面の制御が
必要であり、それに伴い装置が複雑になる問題があっ
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、超
音波ビームの集束深度を容易に深くすることができ、も
って装置を複雑化することなくインク液面の微細な制御
が不要なインクジェット記録装置を提供することを課題
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、第1に、インク液を保持するインク保持
室と、前記インク液と音響的に接続されるた圧電素子か
らなる超音波発生手段と、前記圧電素子を駆動する駆動
手段と、前記超音波発生手段上に形成され、前記超音波
発生手段から発生される超音波を前記インク液の液面近
傍に集束させる超音波集束手段とを具備するインクジェ
ット記録装置において、前記超音波集束手段は、フレネ
ル輪帯理論に基づいて形成された溝を有するフレネルレ
ンズにより構成され、該フレネルレンズは、前記溝の深
さをdとしたとき、底部に2μm<R<dの曲率Rで凹
曲面を設けたことを特徴とするインクジェット記録装置
を提供する。
【0008】本発明は、第2に、インク液を保持するイ
ンク保持室と、前記インク液と音響的に接続された圧電
素子からなる超音波発生手段と、前記圧電素子を駆動す
る駆動手段と、前記超音波発生手段上に形成され、前記
超音波発生手段から発生される超音波を前記インク液の
液面近傍に集束させる超音波集束手段とを具備するイン
クジェット記録装置において、前記超音波集束手段は、
フレネル輪帯理論に基づいて形成された溝を有するフレ
ネルレンズにより構成され、該フレネルレンズは、前記
溝の幅が、溝の開口部の方向に向って拡大する部分を有
することを特徴とするインクジェット記録装置を提供す
る。
【0009】本発明者等は、超音波発生手段から発生さ
れた超音波を集束させる超音波集束手段としてフレネル
レンズを有するインクジェット記録装置において、フレ
ネルレンズは、シリンドリカルレンズと同様、焦点距離
の短いレンズでは深度が浅くなるため、インク液面を精
度よく一定に保つことが必要であり、焦点距離が長くな
ると深度は深くなるが超音波の減衰が起こり超音波の集
束効率が悪くなることを見い出した。これについて、さ
らに研究した結果、超音波集束効率と、インク液面制御
の簡素化の両者を同時に実現するためには、近焦点レン
ズの深度を深くすることが不可欠であるとの考えに至っ
た。そして、深度を深くするためには、焦点距離のほん
のわずか異なるレンズを重ね合わせることで達成される
と考え、フレネルレンズの凹凸の一部に遅延時間の異な
る部分を設ける試みを行ったところ、溝の底部に特定の
曲率の凹曲面を形成することにより、または溝の側壁を
傾斜させることにより、音波集束効率を低下させること
なく深度が深くなるフレネルレンズが得られることを見
い出し本発明を完成するに至った。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して詳しく説明する。図1は、本発明の第1の実
施の形態に係るインクジェット記録装置を示す斜視図で
ある。この記録装置において、超音波発生手段を構成す
る平板状圧電体12が、支持部材(バッキング部材)1
1上に設けられている。圧電体12は、これに印加され
た所定の駆動信号により超音波を発生し得る材料で形成
される。具体的には、圧電体12は、ジルコン・チタン
酸鉛(PZT)やチタン酸鉛(PT)等のセラミック圧
電材料、フッ化ビニリデンと三フッ化エチレンとの共重
合体等の高分子圧電材料、ニオブ酸リチウムなどの単結
晶圧電材料、酸化亜鉛などの圧電性半導体材料で形成す
ることができる。
【0011】圧電体12の下面には、複数の個別電極1
3が、圧電体12の長さ方向に相互に離間して配列され
ている。圧電体12は、これら個別電極13により、機
能的にアレイ状に区分され、圧電素子アレイを構成す
る。すなわち、これら複数の個別電極13のうちの一部
複数の個別電極に対応する圧電素子群を以下述べる駆動
回路により同時に駆動させインク液滴を飛翔させる。他
方、圧電体12の上面には、共通電極が14が形成され
ている。これら電極13および14は、通常、Ti、N
i、Al、Cu、Au等の金属材料を蒸着やスパッタ法
により薄膜として形成される。あるいは、これら電極1
3および14は、ガラスフリットを銀ペースト等に混合
したものをスクリーン印刷法により所定形状に印刷し、
これを焼き付けることによっても形成することができ
る。
【0012】支持部材11の一端部側には、圧電体12
の下面に形成された個別電極13と同じ間隔で複数のア
レイ電極15が形成されており、この支持部材11上の
各アレイ電極15と圧電体12の下面に形成された各個
別電極13とは、導電性接着剤(図示せず)を介して整
合して圧着され、電気的に接続されている。また、支持
部材11上のアレイ電極15は、支持部材11の端部領
域に配置された各駆動回路16にボンディングワイヤ1
7によって接続され、他方、圧電体12の上面に形成さ
れた共通電極14も、図示しない配線により、駆動回路
16に接続されている。
【0013】共通電極14を介して圧電体12の上に
は、音響マッチング層を兼ねた音響レンズとしての一次
元フレネルレンズ18( これについては、以後さらに説
明する)が設けられている。フレネルレンズ18は、フ
レネルの輪帯理論に基づいて所定のピッチで少なくとも
2つの溝18a〜18fを設けることにより形成され
る。これら溝18a〜18fは、個別電極13により区
分された圧電素子の配列方向(主走査方向)に平行に形
成されている。この溝18a〜18fが形成される位置
は、下記式(1)または式(2)によるフレネル輪帯の
半径r(a)により求められる。
【0014】 r(a)=[(2a−1)λi /2×{F+(2a−1)λi /8}]1/2 (1) r(a)=(aλi F)1/2 (2) 式(1)および式(2)において、λi はインク液中で
の超音波の波長、Fは焦点距離(インク液の深さ)、a
は0以上の整数である。
【0015】そして、フレネルレンズ18の溝18a〜
18fの各深さdは、下記式(3)によって与えられ
る。 d=n・λm /2 (3) 式(3)において、nは、0以上の整数、λm は、超音
波周波数で決まるフレネルレンズ内の波長である。
【0016】ところで、圧電素子とインク液との音響マ
ッチングを取るために、フレネルレンズ18は音響マッ
チング層としても作用することが望ましい。音響マッチ
ング層としてのフレネルレンズ18の音響インピーダン
スは、圧電素子の音響インピーダンスZp とインクZi
との積の平方根に近いものを用いる。そのような音響マ
ッチング材料として、エポキシ樹脂やポリイミド、それ
らに音響インピーダンスを変化させるために繊維などを
混入したもの、もしくはアルミナ粉末やタングステンな
どの粉末との混合物などが用いられる。さらに二酸化ケ
イ素膜等をスパッタ法やCVD法などで形成してもよ
い。
【0017】音響マッチング層としてのフレネルレンズ
18の厚さtm 、すなわちフレネルレンズ18の下面か
ら上面までの厚さ、および溝底面からフレネルレンズ1
8の下面までの厚さは、それぞれ式:tm =(2n+
1)λm /4(ここでnは0以上の整数、λm は超音波
周波数で決まる音響マッチング層内の超音波の波長)を
満足することが好ましい。実際上、この計算値の±20
%以内の厚さは許容される。
【0018】なお、マッチング層としてのフレネルレン
ズ18の上記厚さtm は、それぞれ、式:t=1/(1
/λink −1/λm )=(2n+1)λm /2(ここで
λink インク液中での超音波の波長)をも満足すること
がより好ましい。
【0019】再び図1を参照すると、支持部材11上に
は、フレネルレンズ18に接してインク液20を収容す
るインク保持室19設けられている。このインク保持室
19は、その上面に圧電体12の長さ方向に延びるスリ
ット19aが形成されている。インク滴はスリット19
aにあるインク液面から吐出する。
【0020】さて、本発明において、フレネルレンズの
溝は、溝の深さをdとしたとき、底部に2μm<R<d
の曲率Rで凹曲面が設けられている。図2には、フレネ
ルレンズ18の溝18a〜18fのそれぞれ(これを総
括して符号18nで示す)の拡大断面図である。図2に
示されているフレネルレンズ18は、垂直な側壁31、
32と水平な底面33を有し、これら側壁31、32と
底面33とによって構成される隅部33a、33bに上
記曲率でRが設けられている。
【0021】図3は、凹曲面を有するフレネルレンズの
溝の別の形態を示す断面図である。このフレネルレンズ
18の溝18nは、その底面全体が上記曲率で凹曲面3
3’を構成している。
【0022】図4は、凹曲面を有するフレネルレンズの
溝のさらに別の形態を示す断面図である。このフレネル
レンズ18の溝18nは、その底面の中央部のみが上記
曲率で凹曲面を構成している。
【0023】さて、図2〜図4に示すようにフレネルレ
ンズの底面に上記曲率で凹曲面部を設けることにより、
音波集束効率を低下させることなく深度が深くなるレン
ズを提供することができる。
【0024】本発明において、同様の効果は、フレネル
レンズの溝の側壁に溝の開口部に向かう方向に溝が拡大
するように傾斜部を設けることによっても得られる。す
なわち、図5に示すように、フレネルレンズ18の溝1
8nの側壁31’、32’を溝開口に向かって溝が拡大
するように(すなわち、溝の開口部の幅b1が底面の幅
b2よりも大きくなるように)傾斜させる。
【0025】図6は、傾斜部を有するフレネルレンズの
別の形態を示す断面図である。図6に示すフレネルレン
ズ18は、溝18nを構成する垂直な側壁31、32と
水平な底面33とにより作られる隅部に傾斜部33a、
33bを設けている。
【0026】なお、図1に示すインクジェット記録装置
は、超音波発生手段が、圧電素子アレイにより構成され
たものであるが、本発明の超音波発生手段は、これに限
らず、いわゆるシングルヘッドタイプのインクジェット
記録装置に使用されるものであってもよい。その場合、
フレネルレンズは、図7に示すように、円盤状に形成さ
れ、溝40a〜40cは、この円盤40に対し、同心円
上に形成される。各溝の断面は、図2〜図6に示す構造
を取ることができる。
【0027】本発明のインクジェット記録装置におい
て、駆動回路により駆動された圧電素子から放射された
音波は、音響マッチング層を兼ねるフレネルレンズを介
してインク液中に伝搬され、あらかじめ焦点距離とほぼ
同じ深さになるように形成されたインク保持室の表面近
傍で集束し大きな圧力を発生してインク滴を飛翔させ
る。このときフレネルレンズの表面からは、溝の凹凸に
従って、位相が180度異なる音波が放射され、焦点近
傍では各々の波の位相が一致するように溝の凹凸が形成
る。フレネルレンズはシリンドリカルレンズなどと同じ
ように、焦点距離の短いレンズでは深度が浅くなるた
め、インク液面を制御よく一定に保つことが必要であ
り、焦点距離が長くなると深度は深くなるが音波の減衰
が起こり効率が悪くなるが、本発明に従って溝の底面に
凹曲面を設けるか、溝の側壁を傾斜させることにより、
フレネルレンズの集束深度が深くなり、超音波ビームが
極小となる領域が広くなる結果、インク液面の高さがあ
る程度変動してもインク滴の飛翔効率は低下せず、安定
なインク滴の飛翔を行わせることができる。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明はそれらに限定されるものではない。 実施例1 本実施例では、図1に示す構造のインクジェット記録装
置を作製した。フレネルレンズの溝は、図2に示す構造
を有するものであった。
【0029】すなわち、圧電体として比誘導率200の
PbTi03 系圧電セラミックを用い、周波数は50M
Hz(厚さ50μm)とした。この圧電体の両面にTi
/Au積層電極をスパッタ法により、各層の厚さが0.
05μm/0.3μmになるように形成し、2kV/m
mの電界を印加して分極処理を行った。その後、エッチ
ングにより、1圧電素子の幅が65μm、電極間隔が2
0μm(個別電極の配列ピッチ85μm)となるよう個
別電極を形成した。
【0030】副走査方向の電極幅、すなわち口径は2m
mとした。この圧電素子を電子ビーム蒸着法によりTi
/Au積層電極を各層の厚さが0.05μm/0.3μ
mとなるように形成した後、エッチングにより形成され
たアレイ電極を設けたバッキング部材を兼ねた厚さ1.
1mmのガラス基板上にエポキシ系接着剤で貼り合わせ
た。圧電体の個別電極と反対側の面には音響マッチング
層を兼ねたフレネルレンズを形成するために、エポキシ
樹脂とアルミナ粉末の混合物を用い、密度2.20×1
3 kg/m3 、音速2.95m×103 /sで、厚さ
45μmになるように前記電極上に塗布、硬化させ、焦
点距離が3.3mmになるように溝を切削加工するが、
音波ビームの深度を考慮して、凹部の底には曲率が10
μmとなるような曲面の加工を施した。このとき溝の深
さは30μmとした。この素子にインク液面の高さが
3.3mmになるようにインク保持室を設け、駆動回路
を接続してインクジェット記録ヘッドを完成させた。こ
の記録ヘッドにおいて、圧電体に印加する高周波電圧が
25Vでインク滴の飛翔を確認した。この条件で、焦点
距離3.3mmに対して、20%程度インク液面を徐々
に変化させたところ、いずれも安定にインク滴が飛翔す
ることを確認した。このとき、平均インクドット径は、
約70μmであり、インク液面の変動に対しても均一な
ドットが形成され、従来のフレネルレンズを用いたヘッ
ドと同じドット径であった。
【0031】実施例2 本実施例では、図7に示すフレネルレンズを有するイン
クジェット記録装置を作製した。フレネルレンズの溝
は、図2に示す断面形状を有するものであった。
【0032】すなわち、圧電体として比誘導率200の
PbTi03 系圧電セラミックを用い、周波数は50M
Hz(厚さ50μm)とした。この圧電体の両面にTi
/Au積層電極をスパッタ法により、各層の厚さが0.
05μm/0.3μmになるように形成し、2kV/m
mの電界を印加して分極処理を行った。その後、エッチ
ングにより信号引き出し線と有効部分の直径が2mmの
電極を両面に形成した。この圧電素子をEB蒸着により
Ti/Au積層電極を各層の厚さが0.05μm/0.
3μmとなるように形成した後にエッチングにより形成
された電極を設けたバッキング部材を兼ねた1.1mm
厚のガラス基板上にエポキシ系接着剤で貼り合わせた。
圧電体の電極と反対側の面にはフレネルレンズを形成す
るために、Al薄膜のマスクの同心円状のパターンを形
成し、RIEにてガラスをエッチングしてフレネルレン
ズを形成した。凹部の底には曲率が5μmとなるような
曲面の加工ができるようガスの組成、圧力等のエッチン
グ条件の最適化をした。溝の深さは20μmとした。こ
の素子にインク液面の高さが5.4mmになるようにイ
ンク保持室を設け、駆動回路を接続してインクジェット
記録ヘッドを完成させた。この記録ヘッドにおいて、圧
電体に加える高周波電圧が35Vでインク滴の飛翔を確
認した。この条件で、焦点距離5.4mmにたいして、
10%程度インク液面を徐々に変化させたところ、いず
れも安定にインク滴が飛翔することを確認した。
【0033】実施例3 本実施例では、図1に示す構造のインクジェット記録装
置を作製した。フレネルレンズの溝は、図5に示す断面
形状を有するものであった。
【0034】すなわち、圧電体として比誘導率200の
PbTi03 系圧電セラミックを用い、周波数は50M
Hz(厚さ50μm)とした。この圧電体の両面にTi
/Au積層電極をスパッタで、各層の厚さが0.05μ
m/0.3μmになるように形成し、2kV/mmの電
界を印加して分極処理を行った。その後、エッチングに
より個別電極を形成し、1素子の幅65μm、電極間隔
20μm(個別電極の配列ピッチ85μm)になるよう
にした。
【0035】副走査方向の電極幅、すなわち口径は2m
mとした。この圧電素子をEB蒸着法によりTi/Au
積層電極を各層の厚さが0.05μm/0.3μmとな
るように形成した後にエッチングにより形成された個別
電極を設けたバッキング材を兼ねた1.1mm厚のガラ
ス基板上にエポキシ系接着剤で貼り合わせた。圧電体の
個別電極と反対側の面には音響マッチング層を兼ねたフ
レネルレンズを形成するために、エポキシ樹脂とアルミ
ナ粉末の混合物を用い、密度2.20×103kg/m3
、音速2.95×103 m/sで、厚さ45μmにな
るように前記電極上に塗布、硬化させ、焦点距離が2.
5mmになるように溝を切削加工するが、音波ビームの
深度を考慮して、凹部には最上部の幅が底部より10μ
m広くなるように傾斜をつける加工を施した。溝の深さ
は30μmとした。この素子にインク液面の高さが2.
5mmになるようにインク保持室を設け、駆動回路を接
続してインクジェット記録ヘッドを完成させた。この条
件で、焦点距離2.5mmに対して、10%程度インク
液面を徐々に変化させたところ、いずれも安定にインク
滴が飛翔するこを確認した。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のインクジ
ェット記録装置によれば、圧電素子から放射される超音
波をインク液面の所定の位置に集束させるためのフレネ
ルレンズの溝の底部に曲面を設けるか、または溝の側壁
を傾斜させることにより、音波ビームの深度を深くする
ことが可能となり、インク液面の微妙な制御をすること
なく、安定にインク滴を飛翔させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェット記録装置の一例のを示
す概略斜視図。
【図2】本発明のインクジェット記録装置に使用される
フレネルレンズの第1の形態を示す断面図。
【図3】本発明のインクジェット記録装置に使用される
フレネルレンズの第2の形態を示す断面図。
【図4】本発明のインクジェット記録装置に使用される
フレネルレンズの第3の形態を示す断面図。
【図5】本発明のインクジェット記録装置に使用される
フレネルレンズの第4の形態を示す断面図。
【図6】本発明のインクジェット記録装置に使用される
フレネルレンズの第5の形態を示す断面図。
【図7】本発明のインクジェット記録装置に使用される
フレネルレンズの第6の形態を示す平面図。
【符号の説明】
11…支持部材 12…圧電体、 13…個別電極 14…共通電極 18…フレネルレンズ 18a〜18f、18n、40a〜40c…フレネルレ
ンズの溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 紀子 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 八木 均 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インク液を保持するインク保持室と、前
    記インク液と音響的に接続されるた圧電素子からなる超
    音波発生手段と、前記圧電素子を駆動する駆動手段と、
    前記超音波発生手段上に形成され、前記超音波発生手段
    から発生される超音波を前記インク液の液面近傍に集束
    させる超音波集束手段とを具備するインクジェット記録
    装置において、前記超音波集束手段は、フレネル輪帯理
    論に基づいて形成された溝を有するフレネルレンズによ
    り構成され、該フレネルレンズは、前記溝の深さをdと
    したとき、底部に2μm<R<dの曲率Rで凹曲面を設
    けたことを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 【請求項2】 インク液を保持するインク保持室と、前
    記インク液と音響的に接続された圧電素子からなる超音
    波発生手段と、前記圧電素子を駆動する駆動手段と、前
    記超音波発生手段上に形成され、前記超音波発生手段か
    ら発生される超音波を前記インク液の液面近傍に集束さ
    せる超音波集束手段とを具備するインクジェット記録装
    置において、前記超音波集束手段は、フレネル輪帯理論
    に基づいて形成された溝を有するフレネルレンズにより
    構成され、該フレネルレンズは、前記溝の幅が、溝の開
    口部の方向に向って拡大する部分を有することを特徴と
    するインクジェット記録装置。
  3. 【請求項3】 前記超音波発生手段は、主走査方向に圧
    電素子を配列した圧電素子アレイであることを特徴とす
    る請求項1または2記載のインクジェット記録装置。
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