JPH10249405A - 光沢の優れた金属板の製造方法 - Google Patents
光沢の優れた金属板の製造方法Info
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- JPH10249405A JPH10249405A JP5026197A JP5026197A JPH10249405A JP H10249405 A JPH10249405 A JP H10249405A JP 5026197 A JP5026197 A JP 5026197A JP 5026197 A JP5026197 A JP 5026197A JP H10249405 A JPH10249405 A JP H10249405A
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- stand
- roll
- gloss
- rolling
- work rolls
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Abstract
(57)【要約】
【課 題】 被圧延材の表面光沢を従来よりも著しく向
上させうる光沢の優れた金属板の製造方法を提案する。 【解決手段】 上下一対のワークロールを有する冷間圧
延機を直列にNスタンド配列したタンデム圧延機列で金
属板1を圧延するに際し、第1〜第N−2スタンドに表
面粗さが0.15μmRa 以上のワークロールを用い、第N−
1スタンドにその上流側のスタンドのワークロール2A
〜2Cの粗さと同等の範囲の粗さをもつ軸方向研磨ロー
ルを用い、第Nスタンドに超硬合金ワークロールを用い
る。そして、第Nスタンドの上下のワークロール2Eを
被圧延材と平行な面内でクロスさせることが好ましく、
また、第N−1スタンドのワークロール2Dに超硬合金
ロールを用いるのがより好ましく、さらに、これら好適
要件を併用するのが最も好ましい。
上させうる光沢の優れた金属板の製造方法を提案する。 【解決手段】 上下一対のワークロールを有する冷間圧
延機を直列にNスタンド配列したタンデム圧延機列で金
属板1を圧延するに際し、第1〜第N−2スタンドに表
面粗さが0.15μmRa 以上のワークロールを用い、第N−
1スタンドにその上流側のスタンドのワークロール2A
〜2Cの粗さと同等の範囲の粗さをもつ軸方向研磨ロー
ルを用い、第Nスタンドに超硬合金ワークロールを用い
る。そして、第Nスタンドの上下のワークロール2Eを
被圧延材と平行な面内でクロスさせることが好ましく、
また、第N−1スタンドのワークロール2Dに超硬合金
ロールを用いるのがより好ましく、さらに、これら好適
要件を併用するのが最も好ましい。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ステンレス鋼板
など光沢の優れた金属板の製造方法に関する。
など光沢の優れた金属板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、上下一対のワークロールによる金
属板の冷間圧延に際し、例えばステンレス鋼板などの金
属板の表面光沢を向上させるには、例えば、特開平8−
71603号公報、特開平8−39103 号公報などのタングス
テンカーバイド(以下、WC)合金ロールのような超硬
合金ロールを用いるのがよいことが知られている。
属板の冷間圧延に際し、例えばステンレス鋼板などの金
属板の表面光沢を向上させるには、例えば、特開平8−
71603号公報、特開平8−39103 号公報などのタングス
テンカーバイド(以下、WC)合金ロールのような超硬
合金ロールを用いるのがよいことが知られている。
【0003】また、同様に、例えば、特開平5−96309
号公報などに、軸方向に研磨目を付与したワークロール
(以下、軸方向研磨ロール)を用いて圧延することも有
効であることが開示されている。さらに、例えば特開平
4−71701 号公報などに、上下ワークロールの軸心を圧
延板面に平行な面内において互いにクロスさせて圧延す
る(以下、WRクロス圧延)ことも有効であることが開
示されている。
号公報などに、軸方向に研磨目を付与したワークロール
(以下、軸方向研磨ロール)を用いて圧延することも有
効であることが開示されている。さらに、例えば特開平
4−71701 号公報などに、上下ワークロールの軸心を圧
延板面に平行な面内において互いにクロスさせて圧延す
る(以下、WRクロス圧延)ことも有効であることが開
示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うにWC合金ロールをワークロールとして冷間圧延する
場合、例えば、Nスタンドの冷間タンデム圧延機列の最
終(第N)スタンドに該ロールを用いて圧延するとき、
圧延材の表面に、ワークロール研削目の転写によるスク
ラッチと呼ばれる微小欠陥が生じる。このようなスクラ
ッチが板表面に存在すると、冷間圧延の後工程である焼
鈍および調質圧延を施しても、このスクラッチが残存し
て、最終製品の板表面光沢は、通常の鋼系ロールを用い
た場合と比べてわずかしか向上しない問題がある。
うにWC合金ロールをワークロールとして冷間圧延する
場合、例えば、Nスタンドの冷間タンデム圧延機列の最
終(第N)スタンドに該ロールを用いて圧延するとき、
圧延材の表面に、ワークロール研削目の転写によるスク
ラッチと呼ばれる微小欠陥が生じる。このようなスクラ
ッチが板表面に存在すると、冷間圧延の後工程である焼
鈍および調質圧延を施しても、このスクラッチが残存し
て、最終製品の板表面光沢は、通常の鋼系ロールを用い
た場合と比べてわずかしか向上しない問題がある。
【0005】この問題を解決するために、WC合金ロー
ルの表面粗さを小さくして圧延することが考えられる
が、この場合には第N−1スタンドでのスクラッチが残
存して問題となる。さらに、第N−1スタンドでのスク
ラッチを低減するために、この第N−1スタンドでもロ
ールの表面粗さを小さくして圧延すると、母材の表面に
存在する凹凸(以下、母材粗さ)が最終第Nスタンドま
で残存して問題となっていた。
ルの表面粗さを小さくして圧延することが考えられる
が、この場合には第N−1スタンドでのスクラッチが残
存して問題となる。さらに、第N−1スタンドでのスク
ラッチを低減するために、この第N−1スタンドでもロ
ールの表面粗さを小さくして圧延すると、母材の表面に
存在する凹凸(以下、母材粗さ)が最終第Nスタンドま
で残存して問題となっていた。
【0006】そこで、この発明は、上記の板表面光沢に
関する問題点を解消し、被圧延材の表面光沢を従来より
も著しく向上させうる光沢の優れた金属板の製造方法を
提案することを目的とする。
関する問題点を解消し、被圧延材の表面光沢を従来より
も著しく向上させうる光沢の優れた金属板の製造方法を
提案することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、上下一対の
ワークロールを有する冷間圧延機を直列にNスタンド配
列したタンデム圧延機列で金属板を圧延するに際し、第
1〜第N−2スタンドに表面粗さが0.15μmRa 以上のワ
ークロールを用い、第N−1スタンドにその上流側のス
タンドのワークロールの粗さと同等の範囲の粗さをもつ
軸方向研磨ロールを用い、第Nスタンドに超硬合金ワー
クロールを用いることを特徴とする光沢の優れた金属板
の製造方法である。
ワークロールを有する冷間圧延機を直列にNスタンド配
列したタンデム圧延機列で金属板を圧延するに際し、第
1〜第N−2スタンドに表面粗さが0.15μmRa 以上のワ
ークロールを用い、第N−1スタンドにその上流側のス
タンドのワークロールの粗さと同等の範囲の粗さをもつ
軸方向研磨ロールを用い、第Nスタンドに超硬合金ワー
クロールを用いることを特徴とする光沢の優れた金属板
の製造方法である。
【0008】この発明では、第Nスタンドの上下のワー
クロールを被圧延材と平行な面内でクロスさせることが
好ましく、また、第N−1スタンドのワークロールに超
硬合金ロールを用いるのがより好ましく、さらに、これ
ら好適要件を併用するのが最も好ましい。
クロールを被圧延材と平行な面内でクロスさせることが
好ましく、また、第N−1スタンドのワークロールに超
硬合金ロールを用いるのがより好ましく、さらに、これ
ら好適要件を併用するのが最も好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】鋼板表面の光沢度は、表面の粗さ
に左右される。通常、圧延後の鋼板表面にはオイルピッ
トとよばれる数十μm程度の深さのミクロ欠陥と、スク
ラッチと呼ばれるワークロールの研削目が転写すること
により生じる数μm程度の深さのミクロ欠陥が存在す
る。
に左右される。通常、圧延後の鋼板表面にはオイルピッ
トとよばれる数十μm程度の深さのミクロ欠陥と、スク
ラッチと呼ばれるワークロールの研削目が転写すること
により生じる数μm程度の深さのミクロ欠陥が存在す
る。
【0010】WC合金ロールをワークロールとして用い
て圧延した場合には、通常の鋼系ワークロールを用いて
圧延する場合に比べて圧延荷重によるロール偏平が小さ
く、ロールバイト内部の油膜が薄くなり、オイルピット
が減少するが、ロール研削目の転写が顕著となってスク
ラッチが増加するため、光沢の向上代が小さい。また、
タンデム圧延機列入側の母材粗さの影響を圧延により除
去して板表面を平滑にし、光沢を向上させるためには、
前段スタンドで相応の表面粗さのワークロールを用いる
必要があるが、ワークロール表面粗さが大きすぎるとス
クラッチが大きくなり、後段スタンドや後工程での調質
圧延においてこれを除去できなくなる。
て圧延した場合には、通常の鋼系ワークロールを用いて
圧延する場合に比べて圧延荷重によるロール偏平が小さ
く、ロールバイト内部の油膜が薄くなり、オイルピット
が減少するが、ロール研削目の転写が顕著となってスク
ラッチが増加するため、光沢の向上代が小さい。また、
タンデム圧延機列入側の母材粗さの影響を圧延により除
去して板表面を平滑にし、光沢を向上させるためには、
前段スタンドで相応の表面粗さのワークロールを用いる
必要があるが、ワークロール表面粗さが大きすぎるとス
クラッチが大きくなり、後段スタンドや後工程での調質
圧延においてこれを除去できなくなる。
【0011】これらの問題から、前段スタンドでもワー
クロールの表面粗さを大きくできず、その結果、母材粗
さの影響を除去しきれないため、光沢が良好な板を製造
することができなかった。そこで、発明者らは前段スタ
ンドで表面粗さの大きいロール(通常、円周方向に研磨
仕上される)を用いて母材粗さの影響を除去し、それに
ともない鋼板表面に残存する深いスクラッチを、後段ス
タンドでの圧延中に除去して、表面光沢を良好にする方
法について検討した。
クロールの表面粗さを大きくできず、その結果、母材粗
さの影響を除去しきれないため、光沢が良好な板を製造
することができなかった。そこで、発明者らは前段スタ
ンドで表面粗さの大きいロール(通常、円周方向に研磨
仕上される)を用いて母材粗さの影響を除去し、それに
ともない鋼板表面に残存する深いスクラッチを、後段ス
タンドでの圧延中に除去して、表面光沢を良好にする方
法について検討した。
【0012】その結果、軸方向研磨ロールを用いて圧延
することにより鋼板表面が平滑化されることに着目し、
Nスタンドからなるタンデム圧延機列の第1〜第N−2
スタンドで、表面粗さ0.15μmRa 以上、好ましくは 1.5
μmRa 以下の範囲の粗いワークロールを用いて母材粗さ
の影響を除去し、かつ、第N−1スタンドで第1〜第N
−2スタンドと同等の範囲内の表面粗さの軸方向研磨ワ
ークロールを用いて、前段スタンドの圧延により生じた
大きなスクラッチを除去し、最終(第N)スタンドでW
C合金ロールなどの超硬合金ロールを用いて圧延して小
さなオイルピットの発生を防止すれば、従来に比し表面
光沢の格段に良好な金属板を製造できることを知見した
のである。
することにより鋼板表面が平滑化されることに着目し、
Nスタンドからなるタンデム圧延機列の第1〜第N−2
スタンドで、表面粗さ0.15μmRa 以上、好ましくは 1.5
μmRa 以下の範囲の粗いワークロールを用いて母材粗さ
の影響を除去し、かつ、第N−1スタンドで第1〜第N
−2スタンドと同等の範囲内の表面粗さの軸方向研磨ワ
ークロールを用いて、前段スタンドの圧延により生じた
大きなスクラッチを除去し、最終(第N)スタンドでW
C合金ロールなどの超硬合金ロールを用いて圧延して小
さなオイルピットの発生を防止すれば、従来に比し表面
光沢の格段に良好な金属板を製造できることを知見した
のである。
【0013】なお、軸方向研磨ロールと円周方向研磨ロ
ールとが同等の表面粗さであるという意味は、軸方向研
磨ロールにおいて周方向に測定した表面粗さRaと、円周
方向研磨ロールにおいて軸方向に測定した表面粗さがほ
ぼ同等ということである。そして、最終スタンドのワー
クロール表面粗さは 0.1μmRa 未満とするのが好まし
い。
ールとが同等の表面粗さであるという意味は、軸方向研
磨ロールにおいて周方向に測定した表面粗さRaと、円周
方向研磨ロールにおいて軸方向に測定した表面粗さがほ
ぼ同等ということである。そして、最終スタンドのワー
クロール表面粗さは 0.1μmRa 未満とするのが好まし
い。
【0014】また、この発明では、上記基本要件に加え
最終スタンドの上下のワークロールをクロスさせること
が好ましい。そのクロス角度(平面視での上下ワークロ
ール軸心がなす角の二等分角)は 0.2 〜2.0 °とする
のがよい。クロス角度がこれ以上では、著しい腹のび形
状となり安定した圧延が困難であり、これ以下では、ワ
ークロールをクロスすることによる光沢向上効果が充分
得られないためである。
最終スタンドの上下のワークロールをクロスさせること
が好ましい。そのクロス角度(平面視での上下ワークロ
ール軸心がなす角の二等分角)は 0.2 〜2.0 °とする
のがよい。クロス角度がこれ以上では、著しい腹のび形
状となり安定した圧延が困難であり、これ以下では、ワ
ークロールをクロスすることによる光沢向上効果が充分
得られないためである。
【0015】また、第N−1スタンドにも超硬合金ロー
ルを採用すれば、複数本のコイルを継続して圧延しても
ロール摩耗が進行せず、したがって被圧延材の表面光沢
が低下しないので、より好ましい。そして、上記好適要
件の併用、すなわち、第N−1スタンドに超硬合金ロー
ルを採用するとともに、最終第Nスタンドの上下のワー
クロールをクロスさせることが最も好ましい。
ルを採用すれば、複数本のコイルを継続して圧延しても
ロール摩耗が進行せず、したがって被圧延材の表面光沢
が低下しないので、より好ましい。そして、上記好適要
件の併用、すなわち、第N−1スタンドに超硬合金ロー
ルを採用するとともに、最終第Nスタンドの上下のワー
クロールをクロスさせることが最も好ましい。
【0016】
【実施例】図1は、この発明の実施に適したタンデム圧
延機列の例を示す模式図であり、これは4段ミル5スタ
ンドの冷間圧延機列で、第1〜第5スタンドは、それぞ
れ一対のワークロール2A〜2E、バックアップロール
3A〜3Eにより構成され、被圧延材(金属板)1は、
ノズル4A〜4Eで圧延油またはそのエマルジョン5を
噴射されて潤滑・冷却されながら図中左方から右方に冷
間圧延される。
延機列の例を示す模式図であり、これは4段ミル5スタ
ンドの冷間圧延機列で、第1〜第5スタンドは、それぞ
れ一対のワークロール2A〜2E、バックアップロール
3A〜3Eにより構成され、被圧延材(金属板)1は、
ノズル4A〜4Eで圧延油またはそのエマルジョン5を
噴射されて潤滑・冷却されながら図中左方から右方に冷
間圧延される。
【0017】この圧延機列を用い、各スタンドでのワー
クロールの材質・研磨方向・表面粗さ(ロール粗度)を
表1に示す条件(a) 〜(d) の四水準にとり、素材厚4.0m
m のSUS304(オーステナイト系)ステンレス鋼板を2.0m
m まで圧延した。条件(c) がこの発明の要件を満たす実
施例、他の三条件は従来例である。なお、表1に「W
C」と記したWC合金ロール材質はWC−12Co合金であ
る。
クロールの材質・研磨方向・表面粗さ(ロール粗度)を
表1に示す条件(a) 〜(d) の四水準にとり、素材厚4.0m
m のSUS304(オーステナイト系)ステンレス鋼板を2.0m
m まで圧延した。条件(c) がこの発明の要件を満たす実
施例、他の三条件は従来例である。なお、表1に「W
C」と記したWC合金ロール材質はWC−12Co合金であ
る。
【0018】
【表1】
【0019】各条件について母材金属板および第1〜第
5各スタンドで圧延後の金属板の表面光沢度(以下、光
沢度)、ならびに圧延−焼鈍−酸洗−調質圧延後の金属
板の光沢度を調査した。なお、調質圧延後の光沢度はバ
フ研磨(#400)後の製品についてのものであり、光沢度
はJIS Z 8741光沢度測定方法(GS20°)に基づき測定
した。
5各スタンドで圧延後の金属板の表面光沢度(以下、光
沢度)、ならびに圧延−焼鈍−酸洗−調質圧延後の金属
板の光沢度を調査した。なお、調質圧延後の光沢度はバ
フ研磨(#400)後の製品についてのものであり、光沢度
はJIS Z 8741光沢度測定方法(GS20°)に基づき測定
した。
【0020】母材から製品までの各処理段階での光沢度
を圧延条件毎に比較して図2に示す。同図より、従来例
(a) では、母材粗さを除去しきれないため最終スタンド
でロール粗度の低い超硬ロールを用いて圧延しても、従
来例(d) の鋼系ロールに比べて光沢はわずかしか向上し
ない。また、従来例(b) のように第1〜第4スタンドの
ワークロール粗度を大きくすると、深いスクラッチが残
存して、第5スタンドや調質圧延でも除去しきれない。
これら従来例に対し、実施例(c) では第4スタンドで軸
方向研磨ロールを用いたので、第1〜第3スタンドで金
属板表面に付与されるスクラッチを第4スタンドで除去
することができ、製品光沢が増分150 程度と著しく向上
した。
を圧延条件毎に比較して図2に示す。同図より、従来例
(a) では、母材粗さを除去しきれないため最終スタンド
でロール粗度の低い超硬ロールを用いて圧延しても、従
来例(d) の鋼系ロールに比べて光沢はわずかしか向上し
ない。また、従来例(b) のように第1〜第4スタンドの
ワークロール粗度を大きくすると、深いスクラッチが残
存して、第5スタンドや調質圧延でも除去しきれない。
これら従来例に対し、実施例(c) では第4スタンドで軸
方向研磨ロールを用いたので、第1〜第3スタンドで金
属板表面に付与されるスクラッチを第4スタンドで除去
することができ、製品光沢が増分150 程度と著しく向上
した。
【0021】このように、第1〜第3スタンドでロール
粗度の大きいロールを用い、第4(第N−1)スタンド
で軸方向に研磨したロールを用いて圧延し、最終第5ス
タンドで超硬合金ロールを用いることにより、第4スタ
ンド以降での光沢度が顕著に改善される。また、図示し
ないが、実施例(c) において第5スタンドのワークロー
ルを上下でクロスさせると、製品光沢度がさらに増分10
0 強だけ向上した。
粗度の大きいロールを用い、第4(第N−1)スタンド
で軸方向に研磨したロールを用いて圧延し、最終第5ス
タンドで超硬合金ロールを用いることにより、第4スタ
ンド以降での光沢度が顕著に改善される。また、図示し
ないが、実施例(c) において第5スタンドのワークロー
ルを上下でクロスさせると、製品光沢度がさらに増分10
0 強だけ向上した。
【0022】一方、実施例(c) について圧延を10コイル
継続したときの圧延コイル数に伴う製品光沢度の変化を
調査したところ、図3のc-1 のように、光沢度のレベル
は圧延コイル数の増加につれて急速に落ち、圧延初期の
レベルを持続することが難しかった。発明者らの知見に
よれば、この原因は、第4スタンドで軸方向研磨ロール
の研削目が急速に摩耗することにある。
継続したときの圧延コイル数に伴う製品光沢度の変化を
調査したところ、図3のc-1 のように、光沢度のレベル
は圧延コイル数の増加につれて急速に落ち、圧延初期の
レベルを持続することが難しかった。発明者らの知見に
よれば、この原因は、第4スタンドで軸方向研磨ロール
の研削目が急速に摩耗することにある。
【0023】そこで、この発明のより好ましい要件に従
い、第4スタンドの軸方向研磨ロールの材質を鋼系に代
えてWC合金とすると、研削目の摩耗がほとんどなくな
り、図3のc-2 のように、圧延コイル数が継続的に増加
してもそのレベルを持続することができた。さらに、こ
の発明の最も好ましい要件に従い、第4スタンドの軸方
向研磨ロールの材質を鋼系に代えてWC合金とするとと
もに、第5スタンドのワークロールを金属板面に平行な
面内でクロス(クロス角度 0.5°)させると、図3のc-
3 のように、第5スタンドで付与されていたスクラッチ
がさらに減少して、製品光沢度がさらに改善されるとと
もに、圧延コイル数が継続的に増加してもそのレベルを
持続することができた。
い、第4スタンドの軸方向研磨ロールの材質を鋼系に代
えてWC合金とすると、研削目の摩耗がほとんどなくな
り、図3のc-2 のように、圧延コイル数が継続的に増加
してもそのレベルを持続することができた。さらに、こ
の発明の最も好ましい要件に従い、第4スタンドの軸方
向研磨ロールの材質を鋼系に代えてWC合金とするとと
もに、第5スタンドのワークロールを金属板面に平行な
面内でクロス(クロス角度 0.5°)させると、図3のc-
3 のように、第5スタンドで付与されていたスクラッチ
がさらに減少して、製品光沢度がさらに改善されるとと
もに、圧延コイル数が継続的に増加してもそのレベルを
持続することができた。
【0024】なお、この発明が、この実施例での圧延
機、鋼種、板厚、WC合金成分などの開示範囲のみに限
定されるものではないことは自明であり、また、WC合
金については、タングステンカーバイド母合金にコバル
ト、ニッケル、クロム、チタンなどを一種または二種以
上含むものを採用するとよい。
機、鋼種、板厚、WC合金成分などの開示範囲のみに限
定されるものではないことは自明であり、また、WC合
金については、タングステンカーバイド母合金にコバル
ト、ニッケル、クロム、チタンなどを一種または二種以
上含むものを採用するとよい。
【0025】
【発明の効果】この発明によれば、タンデム圧延機列で
の冷間圧延により、従来よりも格段に表面光沢の優れた
金属板を製造することができるという効果を奏する。
の冷間圧延により、従来よりも格段に表面光沢の優れた
金属板を製造することができるという効果を奏する。
【図1】この発明の実施に適したタンデム圧延機列の例
を示す模式図である。
を示す模式図である。
【図2】母材から製品までの各処理段階での光沢度を圧
延条件毎に比較して示すグラフである。
延条件毎に比較して示すグラフである。
【図3】圧延コイル数に伴う製品光沢度の推移を示すグ
ラフである。
ラフである。
1 被圧延材(金属板) 2A〜2E ワークロール 3A〜3E バックアップロール 4A〜4E ノズル 5 圧延油またはそのエマルジョン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 剣持 一仁 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 伊理 正人 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内 (72)発明者 永井 肇 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内
Claims (4)
- 【請求項1】 上下一対のワークロールを有する冷間圧
延機を直列にNスタンド配列したタンデム圧延機列で金
属板を圧延するに際し、第1〜第N−2スタンドに表面
粗さが0.15μmRa 以上のワークロールを用い、第N−1
スタンドにその上流側のスタンドのワークロールの粗さ
と同等の範囲の粗さをもつ軸方向研磨ロールを用い、第
Nスタンドに超硬合金ワークロールを用いることを特徴
とする光沢の優れた金属板の製造方法。 - 【請求項2】 第Nスタンドの上下のワークロールを被
圧延材と平行な面内でクロスさせる請求項1に記載の方
法。 - 【請求項3】 第N−1スタンドのワークロールが超硬
合金ロールである請求項1記載の方法。 - 【請求項4】 第Nスタンドの上下のワークロールを被
圧延材と平行な面内でクロスさせる請求項3に記載の方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5026197A JPH10249405A (ja) | 1997-03-05 | 1997-03-05 | 光沢の優れた金属板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5026197A JPH10249405A (ja) | 1997-03-05 | 1997-03-05 | 光沢の優れた金属板の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10249405A true JPH10249405A (ja) | 1998-09-22 |
Family
ID=12854043
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5026197A Pending JPH10249405A (ja) | 1997-03-05 | 1997-03-05 | 光沢の優れた金属板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10249405A (ja) |
-
1997
- 1997-03-05 JP JP5026197A patent/JPH10249405A/ja active Pending
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