JPH10245462A - ポリ塩化ビニル系樹脂組成物 - Google Patents

ポリ塩化ビニル系樹脂組成物

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JPH10245462A
JPH10245462A JP5005897A JP5005897A JPH10245462A JP H10245462 A JPH10245462 A JP H10245462A JP 5005897 A JP5005897 A JP 5005897A JP 5005897 A JP5005897 A JP 5005897A JP H10245462 A JPH10245462 A JP H10245462A
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JP
Japan
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pigment
polyvinyl chloride
pts
weight
acid
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JP5005897A
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English (en)
Inventor
Fumio Endo
文郎 遠藤
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Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 ポリ塩化ビニル系樹脂用のマスターバッチと
して好適なポリ塩化ビニル系樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 このポリ塩化ビニル系樹脂組成物は、平
均重合度が、300〜700のポリ塩化ビニル系樹脂1
00重量部、可塑剤15〜75重量部、帯電防止剤0.
1〜5重量部、の混合物に対して、顔料を添加してな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリ塩化ビニル系
樹脂組成物、さらに詳しくいえば、自動車の内装・外
装、日用雑貨あるいは電線の被覆等に用いられるポリ塩
化ビニル系樹脂を着色するマスターバッチペレットとし
て好適なポリ塩化ビニル系樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】高度成長期以後、市場では、規格品的な
量産品ではなく、個性化した製品が求められるようにな
った。すなわち、それまでの、いわゆる少品種大量生産
の時代は終わり、多品種少量生産の時代へと市場は移行
した。それに伴って、各メーカーでは、従前のように、
大量生産によるスケールメリットを享受することができ
なくなったため、生産の合理化が経営上、重要な課題と
なってきた。ポリ塩化ビニル系樹脂の成形、加工メーカ
ーもその例外ではなく、多様化した市場ニーズに応える
ため、多品種少量生産を余儀なくされているのが現状で
ある。実際、同様の基本組成をもった製品の種類は多岐
に渡っており、求められる製品の色彩、色調も多様化し
ている。しかしながら、製品の色彩、色調を変更するに
は、原料の計量、配合から混練に至るまでの各工程で使
用した機械や設備等を充分に洗浄して、元の着色剤が残
っていないようにする必要があり、いわゆる、この色替
作業が生産の合理化を著しく疎外する要因となってい
た。
【0003】ポリ塩化ビニル系樹脂に使用される着色剤
には、金属石けんやポリエチレンワックス等の分散剤中
に顔料を混合した粉末状のドライカラー、常温で液状の
分散剤中に顔料を分散したリキッドカラーおよびペース
トカラー、ポリ塩化ビニル系樹脂に高濃度の顔料を混合
したペレット状、フレーク状あるいはビーズ状のマスタ
ーバッチ等がある。これらのうち、ドライカラーは、微
粉末状で飛散性が高いため、自動計量が困難であり、ま
た、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、リボン
ブレンダー等の混合器の器壁を汚染しやすく、作業環境
悪化の原因ともなる。さらに、ペレット状にした場合、
分散剤と顔料が分離しやすいため、所望の色調が得られ
にくい。リキッドカラーとペーストカラーは高粘度の液
体であるため、取り扱いが困難であり、また、混合器の
器壁への汚染も激しいことから、ポリ塩化ビニルペース
トレジン用の着色剤として用途が限定される場合が多
い。
【0004】これらに対し、マスターバッチは、取扱い
が容易で自動計量性に優れており、作業の自動省力化、
作業時間の短縮化、作業環境の保全化等を図ることがで
きるため広く使用されている。そして、現在、ポリ塩化
ビニル系樹脂用のマスターバッチペレットに求められて
いる性能は、顔料濃度が高いこと、着色するポリ塩化ビ
ニル系樹脂成形品の耐熱性や機械的強度等の諸物性に与
える影響が小さいこと、顔料の解膠性、分散性が優れて
いることの三点である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ポリ塩化ビニル系樹脂用のマスターバッチは、そのほと
んどが、顔料メーカーの生産によるものであるため、生
産効率の点から、需要の多い色彩のマスターバッチへの
対応が中心となっている。そのため、ポリ塩化ビニル系
樹脂の成形、加工メーカーが需要の少ない色彩のものを
購入する場合、顔料メーカーの対応が遅いため多くの時
間を必要とし、また、かなりのコストアップになった。
さらに、カラーバッチの色調の微妙な修正作業は容易で
はないため、多様化した色調の要求に対して充分に応え
ることは出来なかった。
【0006】一方、ポリ塩化ビニル系樹脂の成形、加工
メーカー自らが、所望する色彩、色調のマスターバッチ
を生産する場合、マスターバッチ内の顔料濃度が高いほ
ど、使用時の添加量が少なくて済み、経済的であること
から、顔料濃度を高目に設定することが多い。ただし、
あまり顔料濃度を高くすると、顔料の解膠性、分散性が
低下し、使用時の希釈を均一かつ高速に行うことが困難
となる。そこで、低分子量の樹脂や可塑剤を添加するこ
とにより、マスターバッチ内の顔料の解膠性、分散性を
確保していた。しかしながら、上記マスターバッチを混
合攪拌すると、顔料等に静電気が徐々に蓄積されてい
く。そして、静電気を帯びた顔料等は、混合機の器壁面
等に付着するため汚染が激しく、また、分散が不均一と
なり、その結果、所望するマスターバッチを得ることは
困難であった。
【0007】そこで、本発明は、ポリ塩化ビニル系樹脂
用のマスターバッチペレットとして好適なポリ塩化ビニ
ル系樹脂組成物、すなわち、マスターバッチを製造する
時、混合攪拌しても、顔料等に静電気が蓄積されず、ま
た、着色するポリ塩化ビニル系樹脂成形品の耐熱性や機
械的強度等の諸物性に与える影響が小さく、かつ、顔料
の解膠性、分散性に優れたポリ塩化ビニル系樹脂組成物
を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために、鋭意検討した結果、特定のポリ塩化ビ
ニル系樹脂に、可塑剤、帯電防止剤、および顔料を、そ
れぞれ所定の割合で配合した組成物により、その目的を
達成しうることを見いだし、この知見に基づいて本発明
を完成するに至った。すなわち、本発明は、(A)平均
重合度が、300〜700のポリ塩化ビニル系樹脂10
0重量部、(B)可塑剤15〜75重量部、(C)帯電
防止剤0.1〜5重量部、の混合物に対して、(D)顔
料を添加してなることを特徴とするポリ塩化ビニル系樹
脂組成物である。
【0009】
【発明の実施の形態】上記のように、本発明のポリ塩化
ビニル系樹脂組成物(以下、「マスターバッチ」とす
る)は、(A)〜(D)の四つの成分から構成される。
(A)成分であるポリ塩化ビニル系樹脂は、従来より公
知のものの中から任意に選択して用いることができる。
例えば、塩化ビニル単独重合体、塩化ビニル単量体とビ
ニル系単量体との共重合体、塩化ビニル単量体と重合体
とのグラフト共重合体が挙げられる。また、ポリ塩化ビ
ニル系樹脂が50重量部より多く含まれる限り、他の樹
脂、例えば、アクリル系樹脂や塩素化ポリエチレン系樹
脂とのポリマーブレンドであってもよい。
【0010】塩化ビニル単量体との共重合が可能なビニ
ル系単量体としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル、ラウリル酸ビニル等の脂肪酸ビニルエステル類、メ
チルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリ
レート等のアクリル酸アルキルエステル類、メチルメタ
クリレート、エチルメタクリレート等のメタクリル酸ア
ルキルエステル類、アクリロニトリル、メタクリロニト
リル等のシアン化ビニル類、ビニルメチルエーテル、ビ
ニルブチルエーテル、ビニルオクチルエーテル等のアル
キルビニルエーテル類、エチレン、プロピレン、スチレ
ン等のα−オレフィン類、アクリル酸、メタクリル酸、
無水マレイン酸等の不飽和カルボン酸又はその酸無水物
類、塩化ビニリデン、臭化ビニル、各種ウレタン等が挙
げられる。これらのビニル系単量体は、それぞれ単独で
用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。
【0011】塩化ビニル単量体とのグラフト重合が可能
な重合体としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エ
チレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体、エチレン−
エチルアクリレート共重合体、エチレン−エチルアクリ
レート−一酸化炭素共重合体、エチレン−メチルメタク
リレート共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、ア
クリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリウレタン、
塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、メチルメ
タクリレート−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリ
ロニトリル−ブタジエン−α−メチルスチレン共重合
体、ポリブチルアクリレート、ブチルゴム、ポリスチレ
ン、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリルゴム等が
挙げられる。これらの重合体はそれぞれ単独で用いても
よいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、
これらの重合体は、塩化ビニル単量体との共重合が可能
な不飽和基を1個以上有する単量体と併用してもよい。
【0012】前記した塩化ビニル単量体との共重合体の
うち、特に好ましいものとしては、塩化ビニル−エチレ
ン共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビ
ニル−エチレン−酢酸ビニル三元共重合体、塩化ビニル
−アクリル酸共重合体および塩化ビニル−ウレタン共重
合体が挙げられる。
【0013】上記のポリ塩化ビニル系樹脂の平均重合度
は、300〜700の範囲にあることが好ましく、低温
加工性の点を考慮すると400〜500が好ましい。平
均重合度が300未満になると、溶融時の粘度が小さす
ぎて十分な剪断力を与えることができないため、マスタ
ーバッチを混練してペレットを形成する際、顔料を練り
込み、分散させることが困難で所望のマスターバッチが
得られなくなり、700を超えると、逆に、溶融時の粘
度が高くなりすぎて、着色された塩化ビニル系樹脂成形
品の顔料の分散性が損なわれるからである。
【0014】本発明の(B)成分である可塑剤は、ポリ
塩化ビニル系樹脂に慣用されているものの中から任意に
選択して用いることができる。このような可塑剤として
は、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジ
ブチル、フタル酸ジ−n−オクチル(以下、「DOP」
とする)、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ブチルベン
ジル等のフタル酸エステル類、アジピン酸ジブチル、ア
ジピン酸ジ−n−ヘキシル、セバシン酸ジブチル等の脂
肪族二塩基酸エステル類、リン酸トリブチル、リン酸ト
リ−2−n−エチルヘキシル、リン酸トリクレシル、リ
ン酸トリフェニル等のリン酸エステル類、トリメリット
酸−トリ−2−エチルヘキシル、トリメリット酸トリブ
チル等のトリメリット酸エステル類、ペンタエリスリト
ールエステル、ジエチレングリコールベンゾエート等の
グリコールエステル類、エポキシ化大豆油、エポキシ化
アマニ油等のエポキシ化エスエル類、アセチルトリブチ
ルシトレート、アセチルトリオクチルシトレート、トリ
−n−ブチルシトレート等のクエン酸エステル類、テト
ラ−n−オクチルピロメリテート、ポリプロピレンアジ
ペート、ポリエステル系可塑剤、塩素化パラフィン等が
挙げられる。これらの可塑剤は、それぞれ単独で用いて
もよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。さら
に、必要に応じて、帯電防止可塑剤を用いてもよい。
【0015】上記の可塑剤は、前記した塩化ビニル系樹
脂100重量部に対して、15〜75重量部、好ましく
は30〜60重量部の範囲で添加する。15重量部未満
になると、溶融時の粘度が高くなるため、着色された塩
化ビニル系成形品の顔料の分散性が損なわれ、75重量
部を超えると、マスターバッチの混合時間が長くなり、
また、器壁の汚染や混合物のブロッキングが生じやすく
なって混合作業に支障を来たすからである。
【0016】本発明の(C)成分である帯電防止剤は、
アニオン活性剤、カチオン活性剤、非イオン活性剤、両
性活性剤の中から任意に選択して用いることができる。
アニオン活性剤としては、脂肪酸塩類、高級アルコール
硫酸エステル塩類、液体脂肪油硫酸エステル塩類、脂肪
族アミン、アミドの硫酸塩類、二塩基性脂肪酸エステル
のスルホン塩類、脂肪酸アミドスルホン酸塩類、アルキ
ルアリールスルホン酸塩類、ホルマリン縮合のナフタレ
ンスルホン酸塩類およびこれらの混合物等が挙げられ
る。カチオン活性剤としては、脂肪族アミン塩類、第四
級アンモニウム塩類、アルキルピリジウム塩およびこれ
らの混合物等が挙げられる。非イオン活性剤としては、
ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエ
チレンアルキルフェノールエステル類、ポリオキシエチ
レンアルキルエステル類、ソルビタンアルキルエステル
類、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル類
およびこれらの混合物等が挙げられる。また、非イオン
活性剤とアニオン活性剤あるいはカチオン活性剤との混
合物でもよい。両性活性剤としては、イミダゾリン型、
高級アルキルアミノ型(ベタイン型)、硫酸エステル、
リン酸エステル型、スルホン酸型等が挙げられる。
【0017】上記の帯電防止剤は、前記したポリ塩化ビ
ニル系樹脂100重量部に対して、0.1〜5重量部、
好ましくは1〜4重量部の範囲で添加する。0.1重量
部未満になると、帯電防止効果が十分に得られず、マス
ターバッチを混合する時、混合機内での攪拌性が損なわ
れ、また、器壁等の汚染も著しくなり、5重量部を超え
ると、マスターバッチの熱安定性が低下し、配合コスト
も高価になるからである。
【0018】本発明の(D)成分である顔料は、ポリ塩
化ビニル樹脂に慣用されているものの中から任意に選択
して用いることができる。このような顔料としては、キ
ナクリドン系顔料等の多環式顔料、縮合アゾ系顔料、ペ
リレン系顔料、ジブロムアンサンスロン系顔料、イソイ
ンドリノン系顔料、ベンゾイミダゾロン系顔料、フタロ
シアニン系顔料、スレン系顔料、ジオキサジン系顔料、
黄鉛等のクロム酸塩類、クロムバーミリオン、弁柄、酸
化チタン、亜鉛華等の酸化物類、カーボンブラック等の
炭素塩類、群青等のケイ酸塩類、コバルトブルー等のア
ルミン酸塩類、紺青等のフェロシアン化合物類、蛍光顔
料類等の有機顔料、沈降性硫酸バリウム等の硫酸塩類、
アルミニウム粉、ブロンズ粉等の金属粉類等が挙げられ
る。これらの顔料は、それぞれ単独で用いてもよいし、
2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0019】さらに、具体的に挙げると、キナクリドン
系顔料としては、レッド122(C.I.ピグメントナ
ンバーによる、以下同様)、レッド122、レッド19
2、レッド206、レッド207、レッド209、バイ
オレット19、バイオレット30、バイオレット42
等、縮合アゾ系顔料としては、イエロー93、イエロー
95、イエロー128、オレンジ31、レッド144、
レッド166、ブラウン23等が例示される。ペリレン
系顔料としては、レッド123、レッド149、レッド
178、レッド179、レッド190、レッド203、
レッド224、レッド228、バイオレット45等が例
示される。ジブロムアンサンスロン系顔料としては、レ
ッド168等、イソインドリノン系顔料としては、イエ
ロー109、イエロー110、イエロー137、イエロ
ー177、イエロー178、イエロー17等、ベンゾノ
ミダゾロン系顔料としては、ブラウン25、レッド17
1、レッド175、レッド176、レッド183、レッ
ド185、レッド208、バイオレット32等、フタロ
シアニン系顔料としては、ブルー15、ブルー15:
1、ブルー15:2、ブルー15:3、ブルー15:
4、ブルー15:5、ブルー15:6、ブルー16、ブ
ルー68、ブルー70、グリーン7、グリーン36、グ
リーン37等が例示される。スレン系顔料としては、ブ
ルー21、ブルー22、ブルー60、ブルー64、レッ
ド177、バイオレット20、バイオレット26、バイ
オレット46等、ジオキサジン系顔料としては、バイオ
レット23、バイオレット34、バイオレット35、バ
イオレット37等が例示される。なお、これらの顔料
は、分散性や耐熱性、耐候性を向上させるために、他の
樹脂、可塑剤、滑剤、安定剤等を混合又は混練したもの
であってもよい。
【0020】上記の顔料は、前記した(A)、(B)、
(C)の混合物に添加すれば本発明のマスターバッチが
得られるが、例えば、ポリ塩化ビニル系樹脂100重量
部に対して、1〜200重量部、好ましくは60〜10
0重量部の範囲で添加する。
【0021】本発明のマスターバッチには、上記4成分
に加えて、塩化ビニル系樹脂に対して一般的に使用され
る、安定剤、滑剤、改質剤、充填剤等の各種添加剤を、
本発明の目的を損なわない範囲で添加配合することがで
きる。安定剤としては、三塩基性硫酸鉛、二塩基性亜リ
ン酸鉛、塩基性亜硫酸鉛、二塩基性フタル酸鉛、ケイ酸
鉛、鉛白、鉛のラウレートまたはステアレート等の鉛系
安定剤、カリウム、マグネシウム、バリウム、亜鉛、カ
ドミウム、鉛等の金属と、2−エチルヘキサン酸、ラウ
リル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、
ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、リシノール酸、
ベヘン酸等の脂肪酸から誘導される金属石けん系安定
剤、ブチル錫マレート、オクチル錫マレート、ジ−n−
アルキル錫メルカプチド、ジ−n−アルキル錫ジラウレ
ート、ジブチル錫ジマレート、ジブチル錫ラウリルメル
カプチド、ジオクチル錫S,S´−ビス−(イソオクチ
ル−メルカプトアセテート)、ジブチル錫ビス−イソオ
クチルチオグリコレート、ジ−(n−オクチル)錫マレ
ート重合体、ジブチル錫メルカプトプロピオナート等の
錫系安定剤、Ba−Zn系、Ca−Zn系、Ba−Ca
−Sn系、Ca−Mg−Sn系、Ca−Zn−Sn系、
Pb−Ba系、Pb−Ba−Ca系等の複合金属石けん
系安定剤、バリウム、亜鉛等の金属基と、2−エチルヘ
キサン酸、イソデカン酸、トリアルキル酢酸等の分岐脂
肪酸、オレイン酸、リシノール酸、リノール酸等の不飽
和脂肪酸、ナフテン酸等の脂環族酸、石炭酸、安息香
酸、サリチル酸およびそれらの置換誘導体等の芳香族酸
の中から選ばれる通常2種以上の有機酸とから誘導され
る金属塩系安定剤、これら安定剤を石油系炭化水素、ア
ルコール、グリセリン誘導体等の有機溶剤に溶解し、さ
らに亜リン酸エステル、エポキシ化合物、発色防止剤、
透明性改良剤、光安定剤、酸化防止剤、プレートアウト
防止剤、滑剤等の安定化助剤を配合した金属塩液状安定
剤等の金属系安定剤、エポキシ樹脂、エポキシ化植物
油、エポキシ化脂肪酸アルキルエステル、エポキシ化芳
香族アルキルエステル等のエポキシ化合物、リンがアル
キル基、アリール基、シクロアクリル基、アルコキシル
基等で置換され、かつプロピレングリコール等の二価ア
ルコール、ヒドロキノン、ビスフェノールA等の芳香族
化合物を有する有機亜リン酸エステル、BHTや硫黄や
メチレン基等で二量体化したビスフェノール等のヒンダ
ードフェノール、サリチル酸エステル、ベンゾフェノ
ン、ベンゾトリアゾール等の紫外線吸収剤、ヒンダード
アミンまたはニッケル錯塩の光安定剤、トリメチロール
プロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、マン
ニトール等の多価アルコール、β−アミノクロトン酸エ
ステル、2−フェニルインドール、ジフェニルチオ尿
素、ジシアンジアミド等の含窒素化合物、ジアルキルチ
オジブロピオン酸エステル等の含硫黄化合物、アセト酢
酸エチル、デヒドロ酢酸、β−ジケトン等のケト化合
物、有機ケイ素化合物、ホウ酸エステル等の非金属系安
定剤等が挙げられる。これらの安定剤は、それぞれ単独
で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。
【0022】滑剤としては、流動パラフィン、天然パラ
フィン、マイクロワックス、合成パラフィン、低分子量
ポリエチレン等の純炭化水素系、塩素化炭化水素系、フ
ルオロカーボン等のフッ素化炭化水素系、高級脂肪酸、
オキシ脂肪酸等の脂肪酸系、脂肪酸アミド、ビス脂肪酸
アミド等の脂肪酸アミド系、脂肪酸の低級アルコールエ
ステル、グリセリド等の脂肪酸の多価アルコールエステ
ル、脂肪酸ポリグリコールエステル、脂肪酸の脂肪族ア
ルコールエステル(エステルワックス)等のエステル
系、金属石けん、脂肪族アルコール、多価アルコール、
ポリグリコール、ポリグリセロース、脂肪酸と多価アル
コールの部分エステル、脂肪酸とポリグリコール、ポリ
グリセロースの部分エステル等が挙げられる。これらの
滑剤は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組
み合わせて用いてもよい。
【0023】改質剤は、ポリ塩化ビニル樹脂に慣用され
ているものの中から、任意に選択して用いることができ
る。このような改質剤としては、ポリメチルメタクリレ
ート−アクリロニトリル等のゲル化促進剤、塩素化ポリ
エチレン、メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレ
ン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン
共重合体、アクリルゴム等の衝撃強化剤、水酸化アルミ
ニウム、三酸化アンチモン、リン酸エステルおよびリン
酸化合物、塩素化パラフィン、ヘキサブロモベンゼン、
塩素化オレフィン等の難燃剤等が挙げられる。
【0024】充填剤としては、重質炭酸カルシウム、軽
質炭酸カルシウム、沈降性炭酸カルシウム、炭酸マグネ
シウム、ドーソナイト等の炭酸塩系、シリカ、ケイ藻
土、酸化チタン等の酸化物系、水酸化アルミニウム、水
酸化マグネシウム等の水酸化物系、硫酸カルシウム、硫
酸バリウム等の(亜)硫酸塩系、タルク、クレー、マイ
カ、ケイ酸カルシウム等のケイ酸塩系、カーボンブラッ
ク、グラファイト等の炭素系、中空又は中実ガラスビー
ズ、ガラス短繊維、金属繊維、カーボン短繊維、カーボ
ン繊維等の無機繊維系、鉄粉、銅粉等の金属粉系等が挙
げられる。これらの充填剤は、それぞれ単独で用いても
よいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0025】本発明のマスターバッチは、以下のように
して製造される。前記(A)成分、(B)成分、(C)
成分および必要に応じて各種添加剤を、それぞれ所定の
割合で混合して全体を均一にする。混合は、スーパーミ
キサー、リボンブレンダー等の混合機を使用して行えば
よい。スーパーミキサーで混合する場合、回転数を10
00rpmにして、混合物の温度を100℃にまで昇温
させ、ドライアップした後、回転数を500rpmにし
て混合物の温度を60℃にまで冷却する。得られた混合
物に前記(D)成分を添加して、回転数500rpmで
4〜5分混合する。次に、単軸または二軸押出機、バン
バリーミキサー、ミキシングロール、加圧ニーダー等を
用いて均一に混練分散し、造粒、成形することにより、
本発明のマスターバッチが得られる。本発明のマスター
バッチの好適な成形条件を例示すると、異方向二軸押出
機「GTR−65」(池貝社製、商品名)を用いた場
合、シリンダー部温度120〜140℃、ヘッド部温度
120〜140℃、ダイ部温度120〜140℃、スク
リュー回転数20〜50rpm、フィーダー回転数5〜
15rpmの範囲で選ばれる。このようにして得られた
マスターバッチは、スーパーミキサー、リボンブレンダ
ー、タンブラー等の混合機によって、基材となる軟質ポ
リ塩化ビニル系樹脂造粒物(ペレット)100重量部に
対し、3重量部の比率で混合し、常用の押出成形機や射
出成形機等により適宜成形することにより、着色された
塩化ビニル系樹脂成形品が得られる。
【0026】
【実施例】以下、本発明の具体的態様を実施例および比
較例により説明する。なお、本発明はこれらの記載に限
定されるものではない。表1に示した各処方(実施例1
〜11、比較例1〜5)に従い、まず、顔料を除く各種
成分を、容量20リットルのスーパーミキサー混合機に
投入し、回転数を1000rpmにして混合し、混合物
の温度を100℃にまで昇温させて、ドライアップした
後、回転数を500rpmにして混合物の温度を60℃
にまで冷却した。そして、得られた混合物に顔料を添加
して、回転数500rpmで4〜5分混合し、その混合
物を異方向二軸押出機「GTR−65」(前出)で造粒
して、ポリ塩化ビニル系樹脂組成物からなるペレット状
のマスターバッチ(MB)を得た。このMBについて、
下記の方法で試験を行い、その結果を表1に示した。ま
た、使用した基材および顔料の成分明細を下記に示し
た。
【0027】(試験方法) (1)MBの攪拌性および器壁汚染性の評価 上記MBを調製する際における、混合機内のMB混合物
の攪拌状態と器壁への汚染状態を観察し、下記の基準で
評価した。 ○:混合物の全体が十分に攪拌され、器壁への付着が軽
微である。 △:混合物の一部が器壁へ若干の膜を作り、攪拌性はや
や悪い。 ×:混合物の一部が器壁へ膜を作り、攪拌性は悪い。 (2)MBペレット調製時の加工性の評価 上記MBペレットを造粒して得る際における、押出混練
時の負荷状態およびMBペレットのブロッキング状態
を、下記の基準で評価した。 ○:押出混練時の負荷は、通常押し出されるものと比べ
遜色なく、あるいはMBペレットのブロッキングもな
い。 △:押出混練時の負荷は、通常押し出されるものと比べ
若干高く、あるいはMBペレットのブロッキングが若干
認められる。 ×:押出混練時の負荷は、通常押し出されるものと比べ
かなり高く、あるいはMBペレットのブロッキングが認
められる。 (3)MBペレットの顔料の分散性の評価 上記MBペレットを、5g採取し、2mm厚の鏡面仕上
げの鋼板で狭持し、プレス成形機で、170℃、100
kg/cm2 、加熱3分、冷却5分の条件でシート状サ
ンプルを得た。このサンプルにおける顔料の分散状態を
観察し、下記の基準で評価した。 ○:全く均一に分散したサンプルが得られる。 △:僅かに分散不良が認められる。 ×:ひどい分散不良が認められる。 (4)MBペレットの熱安定性の評価 MBペレットを、3.5inchテストロールにより、
ロール温度150℃で5分混練し、厚さ約0.5mmの
ロールシートを作製した。得られたロールシートを18
0℃のギヤオープン中に保持して、10分毎にサンプリ
ングして熱安定性試験を実施し、黒化時間の変化率につ
いて評価した。 (5)基材/MB混合物成形品の分散性の評価 基材となる軟質ポリ塩化ビニル系樹脂造粒物100重量
部に対し、上記MBペレットを3重量部の比率で混合
し、単軸押出機「GS65−25」( 池貝社製、商品
名)、スクリュー(フルフライト:L/D=25、圧縮
比3.5)、およびダイ(フラットダイ:厚み2mm、
幅60mm)を使用し、シリンダー温度140〜150
℃、アダプター温度150℃、ダイ温度160℃に調整
し、異形押出成形品を押し出した。この成形品の顔料の
分散状態を観察し、下記の基準で評価した。 ○:全く均一に分散した成形品が得られる。 △:僅かに分散不良が認められる。 ×:ひどい分散不良が認められる。 (6)基材/MB混合物成形品の機械強度の保持率の評
価 基材となる軟質ポリ塩化ビニル系樹脂造粒物100重量
部に対し、上記MBペレットを3重量部の比率で混合
し、3.5inchテストロールによりロール温度15
0℃で5分混練し、厚さ約0.5mmのロールシートを
作製した。得られたロールシートを240mm×120
mm×2mmのシート状にプレス成形した(プレス条件
170℃、100kg/cm2 、予熱4分、加圧4分、
冷却5分)。その後、JIS K 6723に準拠した
試験片に打ち抜き調製したものを試験片として引張試験
を実施した。そして、標準の試料と比較した引張強度お
よび伸びの変化率について、下記の基準で評価した。評
価の標準となる試料には、基材となる軟質ポリ塩化ビニ
ル系樹脂に直接、顔料を添加して調製したものを使用し
た。 ○:変化率が5%未満のもの。 △: 〃 5%以上10%未満のもの。 ×: 〃 10%以上のもの。
【0028】 (基材成分の明細) ・塩化ビニル系樹脂:「TK−1300」(信越化学工業社製、商品名、平均重 合度1300の塩化ビニル単独重合体)100重量部 ・可塑剤:DOP 70重量部 ・エポキシ化大豆油:「O−130P」(旭電化工業社製、商品名)3重量部 ・Ba−Zn系安定剤:「RUP−14」(旭電化工業社製、商品名)1重量部 ・Ba−Zn系安定剤:「AC−186」(旭電化工業社製、商品名)1重量部 ・滑剤:ステアリン酸 0.5重量部
【0029】・帯電防止剤(A):カチオン活性剤 ・帯電防止剤(B):非イオン活性剤 (顔料成分の明細) ・「DAP−4050:ディスコールカラー」(大日精化工業社製、商品名) …65重量部 ・「DAP−4710:ディスコールカラー」(大日精化工業社製、商品名) …10重量部 ・「DAP−4446:ディスコールカラー」(大日精化工業社製、商品名) … 3重量部 ・「DAP−4510:ディスコールカラー」(大日精化工業社製、商品名) … 2重量部
【0030】
【表1】
【0031】この表から明らかなように、実施例に係る
本発明のマスターバッチは、比較例に係るものとは異な
り、優れた性能を示した。
【0032】
【発明の効果】本発明のマスターバッチは、帯電防止性
を持つため、混合機の器壁への汚染も著しく少なく、造
粒時に発生する微細な切粉等も容易に除去できる。その
ため、色替作業の省力化、作業時間の短縮化、生産の合
理化を図ることができる。また、顔料の分散性に優れて
いるので、所望する色調が得られやすい。さらに、着色
するポリ塩化ビニル系樹脂成形品の耐熱性や機械的強度
に与える影響が小さいため、種々の製品に適用が可能で
あり、その実用性は極めて大きい。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年3月13日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】
【表1】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)平均重合度が、300〜700のポ
    リ塩化ビニル系樹脂100重量部、(B)可塑剤15〜
    75重量部、(C)帯電防止剤0.1〜5重量部、の混
    合物に対して、(D)顔料、を添加してなることを特徴
    とするポリ塩化ビニル系樹脂組成物。
JP5005897A 1997-03-05 1997-03-05 ポリ塩化ビニル系樹脂組成物 Pending JPH10245462A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20230083391A (ko) * 2021-12-02 2023-06-12 채무병 차량내 대전방지용 전선 케이블 조성물

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