JPH10244613A - ガス遮断性プラスチック包材とその製造方法 - Google Patents

ガス遮断性プラスチック包材とその製造方法

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JPH10244613A
JPH10244613A JP9127297A JP9127297A JPH10244613A JP H10244613 A JPH10244613 A JP H10244613A JP 9127297 A JP9127297 A JP 9127297A JP 9127297 A JP9127297 A JP 9127297A JP H10244613 A JPH10244613 A JP H10244613A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガス遮断性に優れた透明な包材を提供する。 【解決手段】 プラスチックからなる基材の少なくとも
片面に、Siアルコキシドの加水分解物と、Ti、Z
r、Al、から選んだ1種類または2種以上の金属アル
コキシドの加水分解物の混合物を被覆し、該加水分解物
を縮重合して形成した被膜を配置したガス遮断性プラス
チック包材とその製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はガスの透過を遮断した透
明な包材とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチック基材に次の一般式に示され
るアルコキシシランの加水分解物を被覆してガス遮断性
被膜を形成した包材は、例えば特開昭62−11263
5号、特開平7−205365号公報等で提案されてい
る。 一般式 SiR(OR (R、Rは炭素数1〜4の飽和あるいは不飽和の炭
化水素基又はアルコキシ残基であり、Rは炭素数1〜
5の飽和あるいは不飽和の炭化水素残基である。) 従来アルコキシシランの加水分解物の焼成により得られ
る被覆は一種のガラス的被膜であってガス遮断性が大き
いが焼成時に膜の収縮が大きいのでクラックが発生する
傾向が大きい欠点があった。前述の特開昭62−112
635号公報の提案はアルコキシシランの加水分解物の
Si原子に結合するR基を炭素数1〜4とすることで
焼成時のクラックの発生を防止したものである。このよ
うなR基が結合したアルコキシシランの加水分解物は
焼成時のクラックの発生は防止できるが形成された被膜
のガス遮断性を低下することがわかった。また特開平3
−6275号公報、特開平6−192454号公報等に
は金属アルコキシドにポリマーやイソシアネートを加え
た塗布材が示されているが、ガスバリヤ性が低い問題が
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明はクラックの発
生を防止し、またガス遮断性の優れたシリコン酸化物と
Ti、Zr、Alの酸化物の縮重合した被覆を設けた包
材とその製造方法を提供する。
【0004】
【課題を解決した手段】本発明は、 「1. プラスチックからなる基材の少なくとも片面
に、一般式Iで示されるSiアルコキシドの加水分解物
と、一般式IIおよび/または一般式IIIで示される
Ti、Zr、Al、から選んだ1種類または2種以上の
金属アルコキシドの加水分解物の混合物を被覆し、該加
水分解物を縮重合して形成した被膜を配置したガス遮断
性プラスチック包材。 一般式I R−Si−(OR (Rは炭素数が1〜20の飽和または不飽和の炭化水
素残基、Rは炭素数が1〜4のアルキル基) 一般式II R −Al−(OR (Rは炭素数1〜4のアルキル基であり、R は酸
素を介してAlに結合する炭素数1〜20の炭化水素残
基であり、夫々0≦n≦3、0≦x≦3、x+n=3で
ある) 一般式III R −M−(OR (MはTi、Zrから選んだ1または2以上であり、R
は炭素数1〜4のアルキル基であり、Rは酸素を介
してMに結合する炭素数1〜20の炭化水素残基であ
り、夫々0≦m≦3、0≦y≦3、m+y=4である) 2. 加水分解物中のSiアルコキシドの加水分解物の
含有量が50〜95mol%である、1項に記載されれ
たガス遮断性プラスチック包材。 3. 被膜が、炭素数が1〜20の飽和または不飽和の
炭化水素残基を含むSiアルコキシドの加水分解物と、
炭素数が1〜20の飽和または不飽和の炭化水素残基を
含むTi、Zr、Al、から選んだ1種類または2種以
上の金属アルコキシドの加水分解物の混合物を低温プラ
ズマ処理あるいはイオン照射処理あるいは電子線照射処
理で縮重合を行って得た被膜である、1項または2項に
記載されれたガス遮断性プラスチック包材。 4. 被膜の膜厚が0.01乃至2.0umである、1
項ないし3項のいずれか1項に記載されれたガス遮断性
プラスチック包材。 5. プラスチックからなる基材の少なくとも片面に、
一般式Iで示されるSiアルコキシドをアルコール系溶
剤に溶解し酸触媒で加水分解した加水分解物と、一般式
IIおよび/または一般式IIIで示されるTi、Z
r、Al、から選んだ1種類または2種以上の金属アル
コキシドとを夫々アルコール系溶剤に溶解し、酸触媒を
用いて加水分解して生成した加水分解生成物の混合物を
塗布し、乾燥後低温プラズマ処理して、該加水分解物を
縮重合し被覆層を形成することを特徴とするガス遮断性
プラスチック包材の製造方法。 一般式I R−Si−(OR (Rは炭素数が1〜20の飽和または不飽和の炭化水
素残基、Rは炭素数が1〜4のアルキル基) 一般式II R −Al−(OR (Rは炭素数1〜4のアルキル基であり、Rは酸素
を介してAlに結合する炭素数1〜20の炭化水素残基
であり、0≦n≦3、0≦x≦3、x+n=3である) 一般式III R −M−(OR (MはTi、Zrから選んだ1または2以上であり、R
は炭素数1〜4のアルキル基であり、Rは酸素を介
してMに結合する炭素数1〜20の炭化水素残基であ
り、0≦m≦3、0≦y≦3、m+y=4である) 6. プラスチックからなる基材の少なくとも片面に、
一般式Iで示されるSiアルコキジドをアルコール系溶
剤に溶解し、酸触媒を用いて加水分解を行って生成した
加水分解生成物に、一般式IIおよび/または一般式I
II示されるTi、Zr、Al、から選んだ1種類また
は2種以上の金属アルコキシドを添加し、該金属アルコ
キシドを加水分解した加水分解生成物の混合物を塗布
し、乾燥後低温プラズマ処理して、該加水分解物を縮重
合し被覆層を形成することを特徴とするガス遮断性プラ
スチック包材の製造方法。 一般式I R−Si−(OR (Rは炭素数が1〜20の飽和または不飽和の炭化水
素残基、Rは炭素数が1〜4のアルキル基) 一般式II R −Al−(OR (Rは炭素数1〜4のアルキル基であり、Rは酸素
を介してAlに結合する炭素数1〜20の炭化水素残基
であり、0≦n≦3、0≦x≦3、x+n=3である) 一般式III R −M−(OR (MはTi、Zrから選んだ1または2以上であり、R
は炭素数1〜4のアルキル基であり、Rは酸素を介
してMに結合する炭素数1〜20の炭化水素残基であ
り、0≦m≦3、0≦y≦3、m+y=4である) 7. プラスチックからなる基材の少なくとも片面に、
一般式Iで示されるSiアルコキシドのアルコール溶液
と、一般式IIおよび/または一般式IIIで示される
Ti、Zr、Al、から選んだ1種類または2種以上の
金属アルコキシドをアルコール系溶剤に溶解し、この両
アルコール溶液の混合溶液に酸触媒を加えて加水分解を
行って生成した加水分解生成物の混合物を塗布し、乾燥
後低温プラズマ処理して、該加水分解物を縮重合し被覆
層を形成することを特徴とするガス遮断性プラスチック
包材の製造方法。 一般式I R−Si−(OR (Rは炭素数が1〜20の飽和または不飽和の炭化水
素残基、Rは炭素数が1〜4のアルキル基) 一般式II R −Al−(OR (Rは炭素数1〜4のアルキル基であり、Rは酸素
を介してAlに結合する炭素数1〜20の炭化水素残基
であり、0≦n≦3、0≦x≦3、x+n=3である) 一般式III R −M−(OR (MはTi、Zrから選んだ1または2以上であり、R
は炭素数1〜4のアルキル基であり、Rは酸素を介
してMに結合する炭素数1〜20の炭化水素残基であ
り、0≦m≦3、0≦y≦3、m+y=4である)8.
プラスチックからなる基材の少なくとも片面に、一般
式Iで示されるSiアルコキシドのアルコール溶液と、
一般式IIおよび/または一般式IIIで示されるT
i、Zr、Al、から選んだ1種類または2種以上の金
属アルコキシドをアルコール系溶剤に溶解した溶液の混
合物に酸触媒を加えて塗布し、次いで水分蒸気雰囲気中
を通してアルコキシドを加水分解した後乾燥して溶剤を
除去してから低温プラズマ処理して、該加水分解物を縮
重合することを特徴とするガス遮断性プラスチック包材
の製造方法。 一般式I R−Si−(OR (Rは炭素数が1〜20の飽和または不飽和の炭化水
素残基、Rは炭素数が1〜4のアルキル基) 一般式II R −Al−(OR (Rは炭素数1〜4のアルキル基であり、Rは酸素
を介してAlに結合する炭素数1〜20の炭化水素残基
であり、0≦n≦3、0≦x≦3、x+n=3である) 一般式III R −M−(OR (MはTi、Zrから選んだ1または2以上であり、R
は炭素数1〜4のアルキル基であり、Rは酸素を介
してMに結合する炭素数1〜20の炭化水素残基であ
り、0≦m≦3、0≦y≦3、m+y=4である) 9. 縮重合をイオン照射処理で行うことを特徴とす
る、5項ないし8項のいずれか1項に記載されたガス遮
断性プラスチック包材の製造方法。 10. 縮重合を電子線照射処理で行うことを特徴とす
る、5項ないし8項のいずれか1項に記載されたガス遮
断性プラスチック包材の製造方法。 11. 膜厚が0.01乃至2.0umの被膜を形成す
ることを特徴とする、5項ないし10項のいずれか1項
に記載されれたガス遮断性プラスチック包材の製造方
法。」に関する。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の第1の特徴は、プラスチ
ックからなる基材の少なくとも片面に、次の一般式Iで
示されるSiアルコキシドを加水分解した加水分解物
と、 一般式I R−Si−(OR (Rは炭素数が1〜20の飽和または不飽和の炭化水
素残基、Rは炭素数が1〜4のアルキル基) 次の一般式IIおよび/または一般式IIIで示される
Ti、Zr、Alから選んだ1種または2種以上の金属
アルコキシドを加水分解した加水分解物の混合物を縮重
合して形成した被膜を配置したことである。 一般式II R −Al−(OR (Rは炭素数1〜4のアルキル基であり、Rは酸素
を介してAlに結合する炭素数1〜20の炭化水素残基
であり、0≦n≦3、0≦x≦3、x+n=3である) 一般式III R −M−(OR (MはTi、Zrから選んだ1または2以上であり、R
は炭素数1〜4のアルキル基であり、Rは酸素を介
してMに結合する炭素数1〜20の炭化水素残基であ
り、0≦m≦3、0≦y≦3、m+y=4である) この被膜は、R−SiOp(pは1〜2)とR−M
Oq(qは1〜2)の結合により形成された被膜であっ
て、クラック防止性とガス遮断性に非常に優れている。
【0006】本発明者は何故アルコキシシラン加水分解
物を縮重合させた被膜に炭素数1〜4の炭化水素基を導
入するとクラックが防止され、またガス遮断性が低下す
るのかを研究した結果、アルコキシシランにSiに直線
結合する炭化水素基を導入するとこの基はOを介してS
iに結合するアルコキシ基とは異なり加水分解されず、
加水分解後もSiに結合して残っており縮重合時に被膜
の熱収縮を少なくしてクラックの発生を防止しているこ
とがわかった。そしてこのクラック防止作用はSiに直
接結合している炭化水素基に含まれる炭素原子の総数に
関係し、炭素原子の総数が少ないほどクラックの発生の
防止効果は低下する。
【0007】さらに研究を行った結果Siに直接結合す
る炭化水素基を有するアルコキシシランの加水分解物を
縮重合させると縮重合後もこの基が生成した被膜に残存
することがわかった。そしてSiに直接結合する炭化水
素基の数によって生成した被膜のガス遮断性が大きく変
化することがわかった。焼成被膜に残存するSiに直接
結合する炭化水素基の数が多いとガス遮断性は大きく低
下する。このように、Siに直接結合する炭化水素基
は、焼成被膜のクラック発生防止と、ガス遮断性におい
て相反する作用があることがわかった。
【0008】本発明者はこの相反する問題を解決するた
めに種々研究した結果Siに直接結合する炭化水素基を
有するアルコキシド単独でなく、Ti、Zr、Alに炭
素原子が酸素を介して結合する炭化水素基を有するT
i、Zr、Alのアルコキシドを併用することによりク
ラックの発生を防ぎつつ、焼成被膜のガス遮断性を向上
することに成功した。これが本発明の第1の特徴であ
る。これ等のアルコキシドは酸触媒を用いて加水分解す
るとR−Si−OH、R−Zr−OH、R−Al−O
H、R−Ti−OHに加水分解され、この加水分解生成
物を混合して縮重合すると、珪素、チタン、ジルコニウ
ム、アルミニウムの酸化物が結合した一種のガラス状の
被覆層が形成される。この縮重合物はクラックの発生が
なく、ガス遮断性が非常に優れている。さらにTi、Z
r、Alのアルコキシドの加水分解物が存在すると縮重
合反応が促進され、焼成皮膜が緻密化する効果が奏され
る。予め加水分解物を別々に製造して生成物を混合して
縮重合してもよく、先にSiだけを加水分解して、その
加水分解物にTi、Zr、Alのアルコキシドを混合し
て該金属アルコキシドを加水分解させた生成物を縮重合
してもよく、SiとTi、Zr、Alのアルコキシドを
混合して同時に加水分解してこの加水分解物を縮合して
もよい。また、SiとTi、Zr、Alのアルコキシド
を混合して酸触媒を加えた物をプラスチック基材に塗布
し、これに水を接触させて基材上で加水分解し、生成し
た加水分解物を縮重合することもできる。本発明におい
てSi、Ti、Zr、Alに炭素原子が直接結合する炭
化水素基とは、含まれる炭素原子数が1〜20であれば
直鎖状の基でも分枝を有する基でも環状の基でも良く、
またエポキシ基などの置換基を有していても良い。さら
に基中にエーテル結合、エステル結合を有していても良
い。アルコキシドに炭化水素基が存在しないと製膜時の
クラックの発生が防止できなくなり、炭化水素基の炭素
数が20以上ではガス遮断性が著しく低下する。
【0009】本発明の第2の特徴は、プラスチック材の
表面に被覆して縮重合を行う加水分解物中にSiアルコ
キシドの加水分解物が50〜95mol%含まれている
ことである。Siアルコキシドの加水分解物が50mo
l%以下では、焼成被膜の基材との密着性が著しく低下
し、95mol%以上ではガス遮断性の向上は望めな
い。本発明の第3の特徴は、加水分解物の縮重合を低温
プラズマ処埋またはイオン照射処理または電子線照射処
理で行うことである。低温プラズマ処理およびイオン照
射処理および電子線照射により縮重合を行うと、低温で
被膜の表層部分の縮重合反応が促進され緻密化が起こ
り、ガス遮断性が向上するという利点がある。本発明の
第4の特徴は、プラスチック材の表面に配置する加水分
解物の縮重合により形成される被膜の厚さを0.01〜
2.0μmとしたことである。被膜の厚さが0.01μ
m以下ではピンホールが多くなりガス遮断性は付与でき
ない。2.0μm以上では製膜時のクラックの発生が防
止できない。本発明の第5の特徴は、プラスチックから
なる基材の少なくとも片面に、次の一般式Iで示される
Siアルコキシドの加水分解物と、一般式IIおよび/
または一般式IIIで示されるTi、Zr、Al、から
選んだ1種類または2種以上の金属アルコキシドとを夫
々アルコール系溶剤に溶解し、酸触媒を用いて加水分解
して生成した加水分解生成物の混合物を塗布し、乾燥後
低温プラズマ処理して、該加水分解物を縮重合し被覆層
を形成するガス遮断性プラスチック包材の製造方法であ
る。 一般式I R−Si−(OR (Rは炭素数が1〜20の飽和または不飽和の炭化水
素残基、Rは炭素数が1〜4のアルキル基) 一般式II R −Al−(OR (Rは炭素数1〜4のアルキル基であり、Rは酸素
を介してAlに結合する炭素数1〜20の炭化水素残基
であり、0≦n≦3、0≦x≦3、x+n=3である) 一般式III Ry−M−(OR2)m (MはTi、Zrから選んだ1または2以上であり、R
は炭素数1〜4のアルキル基であり、Rは酸素を介
してMに結合する炭素数1〜20の炭化水素残基であ
り、0≦m≦3、0≦y≦3、m+y=4である)。ま
たSiアルコキシドを酸触媒を用いて加水分解し、この
中にTi、Zr、Alから選んだ1種または2種以上の
アルコキシドを加えて加水分解して得た混合物を用いて
もよい。この他炭素数が1〜20の炭化水素基を含むS
iアルコキシドと炭素数が1〜20の炭化水素基を含む
Ti、Zr、Alのアルコキシドから選んだ1または2
以上のアルコキシドをアルコール系溶剤に溶解して混合
し、この混合物に酸触媒を加えて加水分解することによ
り加水分解物の混合物としてもよい。加水分解を終了し
てから縮重合を行うので均一な重合体を生成することが
できる。こうしてプラスチック材表面にガス遮断性透明
被覆を設けることができる。
【0010】またプラスチック材にアルコキシシランと
Ti、Zr、Alから選んだ1種または2種以上のアル
コキシドの加水分解物の混合物を塗布するのにかえて、
アルコキシシランやTi、Zr、Alの酸性溶液をプラ
スチック材に塗布し、水蒸気雰囲気中を通してプラスチ
ック材上で加水分解を行ってもよい。この方法は連続加
工性が良い利点がある。
【0011】本発明で使用する、Siに直接炭素原子が
結合したR−Si基を有するアルコキシシランを次に
例示する。アミルトリエトキシシラン、3,3−ジメト
キシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシ
シラン、フェニルトリエトキシシラン、5−ビシクロヘ
プテニルトリエドキシシラン、3−メタクリロキシプロ
ピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピル
トリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリ
プロポキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリブ
トキシシラン、ベンジルトリエトキシシラン、n−オク
チルトリエトキシシラン、2−(3−シクロヘキセニ
ル)エチルトリメトキシシラン、3−シクロペンタジエ
ニルプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポ
キシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、フェ
ネチルトリエトキシシラン、n−ノニルトリエトキシシ
ラン、n−デシルトリエトキシシラン、ジエチルトリメ
チルシリルメチルマロネート、スチリルエチルトリメト
キシシラン等がある。
【0012】本発明で使用されるTiアルコキシドを例
示する。チタンアリルアセトアセテートトリイソプロポ
キシド、チタン−n−ブトキシド、チタンジ−n−ブド
キシド(ビス−2,4−ペンタンジオネート)、チタン
ジイソプロポキシド(ビス−2,4−ペンタンジオネー
ト)、チタンジイソプロポキシドビス(テトラメチルヘ
プタンジオネート)、チタンジイソプロポキシドビス
(エチルアセトアセテート)、チタンエトキシド、チタ
ンイソブトキシド、チタンイソプロポキシド、チタンメ
タクリレートトリイソプロポキシド、チタンメタクリル
オキシエチルアセトアセテートトリイソプロポキシド、
(2−メタクリルオキシエトキシ)トリイソプロポキシ
チタネート、チタンメトキシド、チタン−n−プロポキ
シド等がある。
【0013】本発明で使用されるZrアルコキシドを例
示する。ジルコニウム−n−ブトキシド、ジルコニウム
−t−ブトキシド、ジルコニムジ−n−ブトキシド(ビ
ス−2,4−ペンタンジオネート)ジルコニウムジメタ
クリレートジブトキシド、ジルコニウムエトキシド、ジ
ルコニウムイソプロポキシド、ジルコニウムメタクリル
オキシエチルアセトアセテートトリ−n−プロポキシ
ド、ジルコニウム−n−プロポキシド等がある。
【0014】本発明で使用されるAlアルコキシドを例
示する。アルミニウム−n−ブトキシド、アルミニウム
−s−ブトキシド、アルミニウム−s−ブトキシドビス
(エチルアセテート)、アルミニウム−t−ブトキシ
ド、アルミニウムジ−s−ブトキシドエチルアセトアセ
テート、アルミニウムジイソプロポキシドエチルアセト
アセテート、アルミニウムエトキシド、アルミニウムイ
ソプロポキシド等がある。
【0015】酸触媒としては加水分解生成段階で酸性に
するものであれば特に限定されないが、具体的には塩
酸、硝酸、リン酸、酢酸などが好ましい。
【0016】溶剤としては次のようなものが使用され
る。R−Si基を有するアルコキシシラン及びR
Ti、R−Zr、R−Al基を有するアルコキシド
が溶解するものであれば特に限定されないが、メタノー
ル、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノー
ル、ブタノール等のアルコール類、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
プロピレングリコール等の多価アルコール類、エチレン
グリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコール
モノブチルエーテル、メトキシメトキシエタノール、プ
ロピレングリコール、プロピレングリコールモノエチル
エーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル
などが好ましい。
【0017】基材のプラスチックスとしてはPET等の
ポリエステル、PP、PE等のポリオレフィン、ナイロ
ン、ポリビニルアルコール、塩化ビニリデン、ポリカー
ボネート等である。これ等のプラスチックスは、被膜と
の密着性を補うために予めコロナ処理、紫外線照射処
理、シランカップリング剤等の前処理や、被膜の乾燥後
に紫外線照射処理などを行うことが好ましい。
【0018】低温プラズマ処理は次の通りである。低温
プラズマ処理としては、高周波プラズマ法、交流プラズ
マ法、直流プラズマ法、マイクロ波プラズマ法のいずれ
でも良い。またプラズマ処理に使用するガスは、酸素、
窒素、ヘリウム、アルゴンなどが好ましい。またイオン
照射処理は次の通りである。イオン照射処理におけるイ
オン形成法としては、高周波放電型、マイクロ波放電
型、熱陰極型、冷陰極型のいずれでもよい。またイオン
照射処理に使用するガスは、酸素、窒素、ヘリウム、ア
ルゴンなどが好ましい。また電子線照射処理は次の通り
である。電子線照射処理は真空中でフィラメントの加熱
により熱電子を発生させ、フィラメント基板間に加速電
圧をかけて基板に電子を照射するか、あるいは真空室に
設けられた金属箔製窓を通過させるための大きな加速電
圧をかけて大気圧下で電子を基板に照射させる方法であ
る。
【0019】
【実施例】使用した低温プラズマ処理装置について説明
する。
【0020】図1は本発明でプラズマ処理に使用する高
周波プラズマ処理装置である。ガス導入口6、7を備え
た直径60cmのステンレス製ベルジャー型真空チャン
バー1と日本電子株式会社製、高周波電源5(13.5
6MHz、1.5KW、JEH−01B)及びマッチン
グボックス4、直径13mの円盤状高周波電極3、直径
20cm、高さ1.5cmの円筒状アース電極2、両極
電極間に設置した試料用治具8等からなる。真空ポンプ
は油回転ポンプと油拡散ポンプを使用し処理中は常にポ
ンプを引き続けた。得られた被覆フイルムは酸素透過量
をモダンコントロール社製、OX−TRAN 2/20
にて25℃80%RHの条件で、また水蒸気透過量をモ
ダンコントロール社製、PERAMATRANW3/3
0にて40℃90%RHの条件で測定した。また得られ
た被覆フイルムの薄膜の膜厚は蛍光X線装置及びエリプ
ソメーター装置にて測定した。耐クラック性は、製膜後
に膜表面をレーザー顕微鏡にて400倍の倍率でクラッ
クの有無を観察し、クラックがなければ○、あれば×で
評価した。密着性は、製膜後にテープ剥離試験を行っ
て、剥がれなければ○、剥がれた箇所があれば△、完全
に剥がされたら×で評価した。イオン照射処理について
説明する。イオン照射処理はヒラノ光音株式会社製、マ
ルチイオンコーター MIC−200のイオン照射処理
を用いて行った。電子線照射処理について説明する。図
2は本発明で使用した電子線照射処理装置である。直径
60cmのステンレス製べルジャー型真空チャンバー9
と直流電子加速電源10とタングステンフィラメント1
1及び金属製基板ホルダー等からなる。真空ポンプは油
回転ポンプと油拡散ポンプを使用し処理中は常にポンプ
を引き続けた。
【0021】実施例1 ポリメトキシシロキサン(三菱化学株式会社製、MKC
シリケート MS51)をSi量に換算して0.25モ
ルとメチルトリエトキシシランをSi量に換算して0.
3モルをプロピレングリコールモノプロピルエーテル3
モルに溶解し1時間撹拌した。この溶液に、水2モル、
硝酸0.05モルをプロピレングリコールモノプロピル
エーテル2モルに溶解した溶液を1時間かけて徐々に滴
下し、24時間撹拌してSiの加水分解生成物を得た。
このSiの加水分解生成物に、チタンイソプロポキシド
をTi量に換算して0.45モルをプロピレングリコー
ルモノプロピルエーテル3モルに溶解し1時間撹拌した
溶液を、1時間かけて徐々に滴下してさらに24時間撹
拌し、SiとTiの加水分解生成物の混合物を得た。P
ET25μmフイルムにこの加水分解混合物をディップ
コート法により塗布し、70℃、1時間の熱処理により
乾燥した後、酸素ガスにより真空度0.05Torr、
出力200Wにて3分間プラズマ処理を施し、被膜フイ
ルムを得た。得られた被膜の膜厚は約0.12μmであ
った。得られた被覆材の酸素透過量及び水蒸気透過量を
表1に示した。
【0022】実施例2 実施例のポリメトキシシロキサン(三菱化学株式会社
製、MKCシリケートMS51)をSi量に換算して
0.4モルにし、チタンイソプロポキシドをTi量に換
算して0.3モルにして同様の操作を行った。得られた
被膜の膜厚は約0.15μmであった。得られた被覆材
の酸素透過量及び水蒸気透過量を表1に示した。
【0023】実施例3 実施例のポリメトキシシロキサン(三菱化学株式会社
製、MKCシリケートMS51)をSi量に換算して
0.62モルにし、チタンイソプロポキシドをTi量に
換算して0.08モルにして同様の操作を行った。得ら
れた被膜の膜厚は約0.17μmであった。得られた被
覆材の酸素透過量及び水蒸気透過量を表1に示した。
【0024】
【表1】
【0025】実施例4 実施例2のメチルトリエトキシシランを3−メタクリロ
キシプロピルトリメトキシシランに変更して同様の操作
を行った。得られた被膜の膜厚は約0.30μmであっ
た。得られた被覆材の酸素透過量及び水蒸気透過量を表
2に示した。
【0026】実施例5 実施例2のメチルトリエトキシシランをn−オクタデシ
ルトリエトキシシランに変更して同様の操作を行った。
得られた被膜の膜厚は約1.0μmであった。得られた
被覆材の酸素透過量及び水蒸気透過量を表2に示した。
【0027】実施例6 実施例2のチタンイソプロポキシドをチタンジイソプロ
ポキシド(ビス−2,4−ペンタジオネート)に変更し
て同様の操作を行った。得られた被膜の膜厚は約0.2
0μmであった。得られた被覆材の酸素透過量及び水蒸
気透過量を表2に示した。
【0028】
【表2】
【0029】実施例7 実施例2のチタンイソプロポキシドをジルコニウム−n
−ブトキシドに変更して同様の操作を行った。得られた
被膜の膜厚は約0.15μmであった。得られた被覆材
の酸素透過量及び水蒸気透過量を表3に示した。
【0030】実施例8 実施例2のチタンイソプロポキシドをアルミニウムイソ
プロポキシドに変更して同様の操作を行った。得られた
被膜の膜厚は約0.15μmであった。得られた被覆材
の酸素透過量及び水蒸気透過量を表3に示した。
【0031】
【表3】
【0032】実施例9 ポリメトキシシロキサン(三菱化学株式会社製、MKC
シリケート MS51)をSi量に換算して0.4モル
と、メチルトリエトキシシランをSi量に換算して0.
3モルをプロピレングリコールモノプロピルエーテル3
モルに溶解し1時間撹拌した。この溶液に、水1.9モ
ル、硝酸0,045モルをプロピレングリコールモノプ
ロピルエーテル1モルに溶解した溶液を1時間かけて徐
々に滴下し、24時間撹拌してSiの加水分解生成物を
得た。チタンイソプロポキシドをTi量に換算して0.
3モルをプロピレングリコールモノプロピルエーテル3
モルに溶解し1時間撹拌した。この溶液に、水0.1モ
ル、硝酸0.005モルをプロピレングリコールモノプ
ロピルエーテル1モルに溶解した溶液を1時間かけて徐
々に滴下し、1時間撹拌してTiの加水分解生成物を得
た。このSiとTiの加水分解生成物を混合し、48時
間撹拌してSiとTiの加水分解生成物の混合物を得
た。PET25μmフイルムにこの加水分解混合物をデ
ィップコート法により塗布し、70℃、1時間の熱処理
により乾燥した後、酸素ガスにより真空度0.05To
rr、出力200Wにて3分間プラズマ処理を施し、被
膜フイルムを得た。得られた被膜の膜厚は約0.15μ
mであった。得られた被覆材の酸素透過量及び水蒸気透
過量を表4に示した。
【0033】実施例10 テトラエトキシシランをSi量に換算して0.4モル
と、メチルトリエトキシシランをSi量に換算して0.
3モルと、チタンイソプロポキシドをTi量に換算して
0.3モルをイソプロパノール6モルに溶解し、85℃
にて24時間加熱還流して混合溶液を得た。この混合溶
液に、水2モル、硝酸0.05モルをプロピレングリコ
ールモノプロピルエーテル2モルに溶解した溶液を1時
間かけて徐々に滴下し、24時間撹拌してSiとTiの
加水分解生成物の混合物を得た。PET25μmフイル
ムにこの加水分解混合物をディップコート法により塗布
し、70℃、1時間の熱処理により乾燥した後、酸素ガ
スにより真空度0.05Torr、出力200Wにて3
分間プラズマ処理を施し、被膜フイルムを得た。得られ
た被膜の膜厚は約0.13μmであった。得られた被覆
材の酸素透過量及び水蒸気透過量を表4に示した。
【0034】実施例11 テトラエトキシシランをSi量に換算して0.4モル
と、メチルトリエトキシシランをSi量に換算して0.
3モルと、チタンイソプロポキシドをTi量に換算して
0.3モルをイソプロパノール6モルに溶解し、85℃
にて24時間加熱還流して混合溶液を得た。この混合溶
液に、硝酸0.05モルをプロピレングリコールモノプ
ロピルエーテル2モルに溶解した溶液を加えて1時間撹
拌した。PET25μmフイルムにこの溶液混合物をス
プレーコート法により塗布し、70℃、100%RHの
水蒸気雰囲気中に2分間置いた。70℃、1時間の熱処
埋により乾燥した後、酸素ガスにより真空度0.05T
orr、出力200Wにて3分間プラズマ処理を施し、
被膜フイルムを得た。得られた被膜の膜厚は約1.0μ
mであった。得られた被覆材の酸素透過量及び水蒸気透
過量を表4に示した。
【0035】
【表4】
【0036】実施例12 実施例2の加水分解混合物をPET25μmフイルムに
よりディップコート法により塗布し、70℃、1時間の
熱処理により乾燥した後、真空度0.001Torr、
出力100Wにて3分間イオン照射処理を施し、被膜フ
イルムを得た。得られた被膜の膜厚は約0.15μmで
あった。得られた被覆材の酸素透過量及び水蒸気透過量
を表5に示した。
【0037】実施例13 実施例2の加水分解混合物をPET25μmフイルムに
よりディップコート法により塗布し、70℃、1時間の
熱処理により乾燥した後、Arガスにより真空度10
−10Torr、加速電圧1000Vにて5分間電子線
照射処理を施し、被膜フイルムを得た。得られた被膜の
膜厚は約0.15μmであった。得られた被覆材の酸素
透過量及び水蒸気透過量を表5に示した。
【0038】
【表5】
【0039】比較例1 実施例1のポリメトキシシロキサン(三菱化学株式会社
製、MKCシリケートMS51)をSi量に換算して
0.7モルにして、チタンイソプロポキシドは使わずS
iの加水分解生成物のみを得て、以下同様の操作を行っ
た。得られた被膜の膜厚は約0.20μmであった。得
られた被覆材の酸素透過量及び水蒸気透過量を表1に示
した。この例は、Ti、Zr、Alから選んだ1種類ま
たは2種類以上の金属アルコキシドの加水分解物を含ま
ない例である。
【0040】比較例2 実施例1メチルトリエトキシシランを使わずに、ポリメ
トキシシロキサン(三菱化学株式会社製、MKCシリケ
ート MS51)をSi量に換算して0.7モルにし
て、チタンイソプロポキシドをTi量に換算して0.3
モルにして同様の操作を行った。得られた被膜の膜厚は
約0.15μmであった。得られた被覆材の酸素透過量
及び水蒸気透過量を表2に示した。この例は、一般式I
のRの部分を持たないSiアルコキシドを使った例で
ある。
【0041】比較例3 実施例4のチタンイソプロポキシドをO−アリルオキシ
(ポリエチレンオキシ)トリイソプロポキシチタネート
に変更して同様の操作を行った。得られた被膜の膜厚は
約1.5μmであった。得られた被覆材の酸素透過量及
び水蒸気透過量を表2に示した。この例は、一般式Iの
の炭素数が20を超える例である。
【0042】
【発明の効果】本発明の包材及び包材の製造方法はガス
遮断性が優れており、またクラックの発生を防止する効
果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用する高周波プラズマ処理装置の説
明図でる。
【図2】本発明で使用する電子線照射装置の説明図であ
る。
【符号の説明】
1 チャンバー 2 アース電極 3 高周波電極 4 マッチングボックス 5 電源 6 ガス導入口 7 ガス導入口 8 試料用治具 9 電子線照射装置のチャンバー 10 直流電子加速電源 11 フィラメント 12 PETフイルム 13 真空ポンプ側開口

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチックからなる基材の少なくとも
    片面に、一般式Iで示されるSiアルコキシドの加水分
    解物と、一般式IIおよび/または一般式IIIで示さ
    れるTi、Zr、Al、から選んだ1種類または2種以
    上の金属アルコキシドの加水分解物の混合物を被覆し、
    該加水分解物を縮重合して形成した被膜を配置したガス
    遮断性プラスチック包材。 一般式I R−Si−(OR (Rは炭素数が1〜20の飽和または不飽和の炭化水
    素残基、Rは炭素数が1〜4のアルキル基) 一般式II R −Al−(OR (Rは炭素数1〜4のアルキル基であり、Rは酸素
    を介してAlに結合する炭素数1〜20の炭化水素残基
    であり、夫々0≦n≦3、0≦x≦3、x+n=3であ
    る) 一般式III R −M−(OR (MはTi、Zrから選んだ1または2以上であり、R
    は炭素数1〜4のアルキル基であり、Rは酸素を介
    してMに結合する炭素数1〜20の炭化水素残基であ
    り、夫々0≦m≦3、0≦y≦3、m+y=4である)
  2. 【請求項2】 加水分解物中のSiアルコキシドの加水
    分解物の含有量が50〜95mol%である、請求項1
    に記載されれたガス遮断性プラスチック包材。
  3. 【請求項3】 被膜が、炭素数が1〜20の飽和または
    不飽和の炭化水素残基を含むSiアルコキシドの加水分
    解物と、炭素数が1〜20の飽和または不飽和の炭化水
    素残基を含むTi、Zr、Al、から選んだ1種類また
    は2種以上の金属アルコキシドの加水分解物の混合物を
    低温プラズマ処理あるいはイオン照射処理あるいは電子
    線照射処理で縮重合を行って得た被膜である、請求項1
    または2に記載されれたガス遮断性プラスチック包材。
  4. 【請求項4】 被膜の膜厚が0.01乃至2.0umで
    ある、請求項1ないし3のいずれか1項に記載されれた
    ガス遮断性プラスチック包材。
  5. 【請求項5】 プラスチックからなる基材の少なくとも
    片面に、一般式Iで示されるSiアルコキシドをアルコ
    ール系溶剤に溶解し酸触媒で加水分解した加水分解物
    と、一般式IIおよび/または一般式IIIで示される
    Ti、Zr、Al、から選んだ1種類または2種以上の
    金属アルコキシドとを夫々アルコール系溶剤に溶解し、
    酸触媒を用いて加水分解して生成した加水分解生成物の
    混合物を塗布し、乾燥後低温プラズマ処理して、該加水
    分解物を縮重合し被覆層を形成することを特徴とするガ
    ス遮断性プラスチック包材の製造方法。 一般式I R−Si−(OR (Rは炭素数が1〜20の飽和または不飽和の炭化水
    素残基、Rは炭素数が1〜4のアルキル基) 一般式II R −Al−(OR (Rは炭素数1〜4のアルキル基であり、Rは酸素
    を介してAlに結合する炭素数1〜20の炭化水素残基
    であり、0≦n≦3、0≦x≦3、x+n=3である) 一般式III R −M−(OR (MはTi、Zrから選んだ1または2以上であり、R
    は炭素数1〜4のアルキル基であり、Rは酸素を介
    してMに結合する炭素数1〜20の炭化水素残基であ
    り、0≦m≦3、0≦y≦3、m+y=4である)
  6. 【請求項6】 プラスチックからなる基材の少なくとも
    片面に、一般式Iで示されるSiアルコキシドをアルコ
    ール系溶剤に溶解し、酸触媒を用いて加水分解を行って
    生成した加水分解生成物に、一般式IIおよび/または
    一般式IIIで示されるTi、Zr、Al、から選んだ
    1種類または2種以上の金属アルコキシドを添加し、該
    金属アルコキシドを加水分解した加水分解生成物の混合
    物を塗布し、乾燥後低温プラズマ処理して、該加水分解
    物を縮重合し被覆層を形成することを特徴とするガス遮
    断性プラスチック包材の製造方法。 一般式I R−Si−(OR (Rは炭素数が1〜20の飽和または不飽和の炭化水
    素残基、Rは炭素数が1〜4のアルキル基) 一般式II R −Al−(OR)n (Rは炭素数1〜4のアルキル基であり、Rは酸素
    を介してAlに結合する炭素数1〜20の炭化水素残基
    であり、0≦n≦3、0≦x≦3、x+n=3である) 一般式III R −M−(OR (MはTi、Zrから選んだ1または2以上であり、R
    は炭素数1〜4のアルキル基であり、Rは酸素を介
    してMに結合する炭素数1〜20の炭化水素残基であ
    り、0≦m≦3、0≦y≦3、m+y=4である)
  7. 【請求項7】 プラスチックからなる基材の少なくとも
    片面に、一般式Iで示されるSiアルコキシドのアルコ
    ール溶液と、一般式IIおよび/または一般式IIIで
    示されるTi、Zr、Al、から選んだ1種類または2
    種以上の金属アルコキシドをアルコール系溶剤に溶解
    し、この両アルコール溶液の混合溶液に酸触媒を加えて
    加水分解を行って生成した加水分解生成物の混合物を塗
    布し、乾燥後低温プラズマ処理して、該加水分解物を縮
    重合し被覆層を形成することを特徴とするガス遮断性プ
    ラスチック包材の製造方法。 一般式I R−Si−(OR (Rは炭素数が1〜20の飽和または不飽和の炭化水
    素残基、Rは炭素数が1〜4のアルキル基) 一般式II Rn−Al−(OR2)n (Rは炭素数1〜4のアルキル基であり、Rは酸素
    を介してAlに結合する炭素数1〜20の炭化水素残基
    であり、0≦n≦3、0≦x≦3、x+n=3である) 一般式III R −M−(OR (MはTi、Zrから選んだ1または2以上であり、R
    は炭素数1〜4のアルキル基であり、Rは酸素を介
    してMに結合する炭素数1〜20の炭化水素残基であ
    り、0≦m≦3、0≦y≦3、m+y=4である)
  8. 【請求項8】 プラスチックからなる基材の少なくとも
    片面に、一般式Iで示されるSiアルコキシドのアルコ
    ール溶液と、一般式IIおよび/または一般式IIIで
    示されるTi、Zr、Al、から選んだ1種類または2
    種以上の金属アルコキシドをアルコール系溶剤に溶解し
    た溶液の混合物に酸触媒を加えて塗布し、次いで水分蒸
    気雰囲気中を通してアルコキシドを加水分解した後乾燥
    して溶剤を除去してから低温プラズマ処理して、該加水
    分解物を縮重合することを特徴とするガス遮断性プラス
    チック包材の製造方法。 一般式I R−Si−(OR (Rは炭素数が1〜20の飽和または不飽和の炭化水
    素残基、Rは炭素数が1〜4のアルキル基) 一般式II R −Al−(OR (Rは炭素数1〜4のアルキル基であり、Rは酸素
    を介してAlに結合する炭素数1〜20の炭化水素残基
    であり、0≦n≦3、0≦x≦3、x+n=3である) 一般式III R −M−(OR (MはTi、Zrから選んだ1または2以上であり、R
    は炭素数1〜4のアルキル基であり、Rは酸素を介
    してMに結合する炭素数1〜20の炭化水素残基であ
    り、0≦m≦3、0≦y≦3、m+y=4である)
  9. 【請求項9】 縮重合をイオン照射処理で行うことを特
    徴とする、請求項5ないし8のいずれか1項に記載され
    たガス遮断性プラスチック包材の製造方法。
  10. 【請求項10】 縮重合を電子線照射処理で行うことを
    特徴とする、請求項5ないし8のいずれか1項に記載さ
    れたガス遮断性プラスチック包材の製造方法。
  11. 【請求項11】 膜厚が0.01乃至2.0umの被膜
    を形成することを特徴とする、請求項5ないし10のい
    ずれか1項に記載されれたガス遮断性プラスチック包材
    の製造方法。
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