JPH10244588A - シボ加工用金型 - Google Patents

シボ加工用金型

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JPH10244588A
JPH10244588A JP5165397A JP5165397A JPH10244588A JP H10244588 A JPH10244588 A JP H10244588A JP 5165397 A JP5165397 A JP 5165397A JP 5165397 A JP5165397 A JP 5165397A JP H10244588 A JPH10244588 A JP H10244588A
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JP
Japan
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putty
mold
sheet
adhesive
grain
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JP5165397A
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English (en)
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Kaoru Kondo
馨 近藤
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TANAZAWA HATSUKOUSHIYA KK
Toyota Motor Corp
Original Assignee
TANAZAWA HATSUKOUSHIYA KK
Toyota Motor Corp
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Publication date
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  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Shaping Of Tube Ends By Bending Or Straightening (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】シボ模様を有するシートを貼着する型表面に微
小凹部を発生させた場合であっても、微小凹部を簡便な
手段により補修時間および補修コストを低減しつつ、か
つシボ斑などの品質不良の発生を解消し、シボ模様を樹
脂成形品に精度良く転写できるシボ加工用金型を提供す
る。 【解決手段】本発明のシボ加工用金型1Aは、シボ模様
を有するシート5を型表面20aに貼着してシート5の
シボ模様を樹脂成形品に転写するシボ加工用金型であっ
て、型表面20aの微小凹部21はパテ3で埋めて平滑
に整えられた後、シート5が貼着されていることを特徴
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂成形品にシボ
模様を転写するシボ加工用金型に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、樹脂成形品の外観の見栄え(装飾
性)を向上することを目的として、その外観表面に種々
のシボ模様を形成することが知られている。前記樹脂成
形品にシボ模様を形成するには、例えば、シボ模様転写
面をもつシボ加工用金型を用いた樹脂成形時に転写され
る。このシボ加工用金型は、樹脂成形品の外観形状にほ
ぼ相似した形状の型表面に、シボ模様(シボ模様転写
面)を有するシボシートを貼着した構成が用いられてい
る。
【0003】例えば、特公平2ー14173号公告公報
には、樹脂成形品の表面に凹凸模様を形成するために、
転写面として凹凸状型面をもつ樹脂層を、金属製の基体
(基部)の表面に貼着した樹脂成形用型が開示されてい
る。ここで、樹脂成形品の表面に種々の凹凸模様、いわ
ゆるシボ模様を精度良く、形成することが望まれてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、シボシートを
貼着する型表面の状態が悪い場合、すなわち、型表面に
発生した微小凹部(鋳造時に形成されたピンホール、ヒ
ケ、クラックなどの陥没や、鋳造後に施される機械加工
時の加工残り部分および加工面に残った刃跡などで面粗
さが大きい谷部分)が型表面に存在する場合には、シボ
シートによる樹脂成形品表面へのシボ模様の転写時に、
前記状態が反映されるため、精度良くシボ模様を形成す
ることができない。例えば、 (1)図11に示されるように、鋳造後の基部2dの型
表面20dは、ボールエンドミル6を用いた形状仕上げ
機械加工が施され、前記型表面20dの未加工面位置h
1より、数ミクロン〜数十ミクロンの加工深さまで切削
される。
【0005】ところが、形状仕上げ機械加工後の型表面
20dには、ボールエンドミル6の刃部60の径2r
(半径r×2)、ピックフィード〔ボールエンドミル6
の型表面加工間隔(送り幅)〕Pなどの値によって、加
工残りn1および刃部60の加工跡n2などにより山2
00と谷202とで微小凹部が形成され、かつ山頂20
1と谷底203との高低差hが大きい程、表面粗さが大
きくなる。
【0006】そこで、前記加工深さに相当する谷底20
3を正寸位置(基準)h2として、これより高い領域を
砥石によって研磨し、さらにサンドペーパを用い、平滑
に整える後処理を施す必要があり、かつ多大な工数を必
要とする。 (2)また、鋳造後、型表面に形状仕上機械加工を施こ
さずにすむように、精密鋳造法を用い、鋳造時に仕上形
状を備えた型表面を得られるようにすることもできる
が、鋳造時の条件の不具合によって、製造後の型表面
に、ピンホール、ヒケ、クラックなどの微小凹部が発生
することがある。
【0007】この場合には、前記微小凹部を溶接による
肉盛り補修することによって、使用に耐えるシボ加工用
金型として活用することが考えられる。ところが、溶接
によるシボ加工用金型の補修法によると、以下に示す不
具合を発生させる。すなわち、シボ加工用金型の型表面
に微小凹部が全面に発生した場合には、全面に溶接を施
し、肉盛りする必要があること、および前記肉盛りによ
り元の形状が失われるため、復元用の全面形状加工倣い
モデルの製作や、あるいはNC(数値制御)データの作
成、前記データに基づく機械加工(目的とする型表面形
状に整える形状出し作業)および仕上げ加工(熱処理し
て金属組織を均一化する作業)などを必要とする。
【0008】従って、この場合には、経済的ロスおよび
日程的ロスによる損失が大きくなるため、シボ加工用金
型を溶融し、再鋳造することの方が経済的に有利であ
る。一方、シボ加工用金型の型表面に微小凹部が部分的
に発生した場合には、型表面を部分的に溶接して肉盛す
ること、およびこの肉盛部分を補修加工をする必要があ
り、かつ復元用の部分的倣いモデルの製作や、あるいは
NCデータの作成、前記データに基づく機械加工、仕上
げ加工などを必要とする。
【0009】従って、前記全面の補修加工をする場合ほ
どではないが、やはり経済的に不利であり、また補修期
間を必要とする。また、溶接補修したつもりであって
も、例えば、溶接不良による不良面や、ピンホールの未
補修面などの不具合領域が部分的に残っている場合に
は、この不具合領域にシボシートを貼着したシボ加工用
金型を用いると、樹脂成形した成形品の表面の一部に、
シボ斑などの品質不良を発生させる可能性がある。
【0010】本発明は、前記問題点に鑑みなされたもの
で、鋳造後に施す形状仕上げ機械加工による表面粗さが
大きいことにより微小凹部を発生させた場合や、鋳造後
に形状仕上げ機械加工を施さずに済むように精密鋳造し
た後の型表面にピンホール、ヒケ、クラックなどの微小
凹部を発生させた場合であっても、微小凹部をパテで埋
めて平滑に整えた後、シボ模様のシボ表面をもつシート
を貼着する簡便な手段により補修時間および補修コスト
を低減しつつ、かつシボ斑などの品質不良の発生を解消
し、シボ模様を樹脂成型品に精度良く転写できるシボ加
工用金型を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1のシボ加工用金
型は、シボ模様を有するシートを型表面に貼着して該シ
ートの該シボ模様を樹脂成形品に転写するシボ加工用金
型であって、該型表面の微小凹部はパテで埋めて平滑に
整えられた後、該シートが貼着されていることを特徴と
する。
【0012】請求項2のシボ加工用金型は、請求項1の
構成において、パテは、シボ加工用金型の熱伝導率に近
い熱伝導率をもつ材質である。
【0013】
【発明の実施の形態】パテは、シボ加工用金型の型表面
の微小凹部〔鋳造時に形成されたピンホール、ヒケ、ク
ラックなどの陥没や、機械加工残り部分および加工に用
いた刃具の刃跡により形成された凹凸(谷、山)の凹
(谷)部分〕を埋めるために用いられる。
【0014】パテとしては、例えば、硬化収縮率が小さ
く、接着力の高い室温硬化タイプ若しくは加熱硬化タイ
プのエポキシ樹脂や、セラミックスなどを用いることが
できる。パテの材質としては、前記基部の熱伝導率に近
い熱伝導率もつものを用いることが好ましい。
【0015】この場合には、型表面の微小凹部を埋めた
パテの熱伝導率と、型表面の熱伝導率との差異を縮める
ことができ、かつ樹脂成形時に伴う成形後の冷却時に、
型表面とパテ表面からの放熱量がほぼ同じであり、パテ
表面に対向する樹脂成形品の表面領域が均一に冷却され
るため、冷却後の樹脂成形品の表面に冷却ムラによる反
り、歪みおよび光沢差の発生を低減できる。
【0016】パテの熱伝導率を、前記基部の熱伝導率に
近いものとするには、例えば、金型鋳物用亜鉛基合金の
基部を用いた場合、パテとして金属粉末を含有したコロ
イダルシリカまたはアルミナ混入エポキシ樹脂などを用
いたり、あるいは,予め熱伝導率の高い繊維状の物質を
パテに所定量、混入することによって目的とする熱伝導
率に調整したものを用いることができる。
【0017】なお、パテ自体の熱伝導率を、前記基部の
熱伝導率に近いものに調整する場合、熱伝導率の高い物
質として繊維状のものを用いる理由としては、熱伝導率
が高い物質であても、粒子状として用いると、パテに混
入した場合、一つ々が分散するため、それぞれの熱の受
渡しの効率が悪く、かつ充分な熱伝導が得られないから
である。
【0018】前記、熱伝導率が高い繊維状の物質として
は、カーボンファイバーや、グラスファイバー、アル
ミ、銅などの金属繊維などを用いることができる。シボ
模様を有するシート(以下、シボシートと称す)は、予
め、一面側が目的とするシボ模様転写面として形成さ
れ、シボ模様転写面と反対側の裏面が前記基部の型表面
に貼着され、シボ加工用金型により成形される樹脂成形
品の外観表面に、シボ模様転写面のシボ模様を転写させ
得る。前記シボ模様転写面のシボ模様は、予め、目的と
するものを種々設定できる。
【0019】シボシートの材質としては、エポキシ樹
脂、セラミックス、アクリル樹脂、アセタール樹脂、ア
ミド樹脂、イミド樹脂、エステル樹脂、ポリカーボネー
ト樹脂、塩化ビニル樹脂などを用いることができる。シ
ボシートを型表面に貼着するには、接着剤を用いること
ができる。接着剤は、型表面および予め平滑処理された
後のパテ表出面に塗布したり、その逆に、シボシートの
裏面に塗布したり、あるいは互いに対向する双方の接着
対象面に塗布したりした後、型表面およびパテ表出面に
シボシートの裏面を加圧接着することができる。接着剤
としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、セラミックス
などを用いることができる。
【0020】なお、シボシートを型表面に張り付けた後
の接着剤の層は略均一の厚さであるため、接着剤層面だ
けを考慮した場合、いかなる熱伝導率を持った接着剤を
用いても冷却ムラは生じにくいが、熱伝導率のよい接着
剤を用いると溶融樹脂の熱が早く金型に伝わるため冷却
時間が短くなり成形サイクルの短縮が図れる。このよう
な接着剤としては、パテの場合と同じく、金属粉、カー
ボン繊維、金属繊維等の熱伝導率の高い物質を含有した
エポキシ樹脂やアクリル樹脂などを用いることができ
る。
【0021】また、逆に熱伝導性のよくない接着剤を用
いると溶融樹脂が冷えにくくなるため長い流動時間が確
保できるという利点もある。そのため、キャビティ内を
充分に樹脂を充填することができ、充填ムラが生じにく
くなる。これらの熱伝導性の異なる接着剤は、樹脂の材
質や成形品の形状などにより適宜選択される。
【0022】さらに、シボシートも同様に熱伝導性のよ
いシボシートを用いると冷却時間が早くなり成形サイク
ルの短縮が図れる利点があり、逆に熱伝導性のよくない
シボシートを用いると溶融樹脂が冷えにくくなるため長
い流動時間が確保でき、充填ムラが生じにくいという利
点がある。これら熱伝導性による特徴は、樹脂成形品の
樹脂の材質や樹脂成形品の形状などにより適宜選択され
る。
【0023】
【実施例】
(実施例1)本発明、シボ加工用金型の実施例1を、鋳
造時に微小凹部としてピンホールが発生した型表面を補
修し、樹脂成形品の表面にシボ模様を精度良く転写でき
るシボ加工用金型を得る場合に適用し、図1〜図3に基
づいて説明する。
【0024】図3に示す実施例1のシボ加工用金型1A
は、型表面20aにピンホール21が発生した基部2a
と、前記ピンホール21を埋めるとともに、平滑に整え
られて型表面20aと面ーとなった表出面30をもつパ
テ3と、シボ模様のシボ模様転写面50をもちシボ模様
転写面50と反対側の裏面51を接着剤4を介して前記
型表面20aおよびパテ3の表出面30に貼着されたシ
ボシート5と、よりなる。
【0025】次いで、金型鋳物用亜鉛基合金を用いて鋳
造された基部2aの、表面20aに発生したピンホール
21(図1参照)を補修し、シボ加工用金型1A(図3
参照)を得る過程を説明する。図2に示されるように、
型表面20aのピンホール21には、パテ3が埋められ
る。
【0026】このパテ3は、型表面20aより僅かに突
出した盛り上り部S1(図2の点線参照)を形成する。
この場合、パテ3には、それ自身およびピンホール21
内に微小空洞が残らないように所定の大きさの圧力が加
えられる。前記パテ3としては、硬化収縮率が小さく、
接着力が高い、室温硬化タイプであるエポキシ樹脂が用
いられる。なお、パテ3としては、前記エポキシ樹脂に
限定されるものではなく、例えば加熱硬化タイプである
エポキシ樹脂、アクリル樹脂、セラミックスなどを用い
ることができる。
【0027】この後、パテ3は、加熱、硬化処理がなさ
れる。硬化したパテ3は、その型表面20aより突出し
た盛り上がり部S1がサンドペーパーなどで削り取られ
るとともに、平滑に整えられて型表面20aと面ーとな
った表出面30(図2の直線参照)に形成される。な
お、削り取る対象となる盛り上がり部S1領域は、短時
間(100cm2 当たり約30分)での削り取り作業で
終了できる。
【0028】次いで、型表面20aとパテ3の表出面3
0とに接着剤4が塗布される。一方予め、材質エポキシ
樹脂、厚さが100〜500μmで、樹脂成形品の成形
時にその外観表面に当接してシボ模様を転写するシボ模
様転写面50を備えたシボシート5の裏面51にも接着
剤4が塗布される。接着剤4の塗布量合計は、30〜5
0μmである。なお、前記接着剤4としては、エポキシ
樹脂が用いられる。
【0029】シボシート5の裏面51が接着剤4を介し
て前記型表面20aおよびパテ3の表出面30に貼着さ
れる。なおシボシート5の裏面51を接着剤4を介して
型表面20aおよびパテ3の表出面30に接触させ、加
圧接着するとき、図3の二点鎖線で示すように、円弧状
に反らした状態で、その中央部から端部に向かって貼着
し、空気の巻き込みを防止する。
【0030】前記作業手順により図3の示すようなシボ
加工用金型1Aを得ることができる。このように、実施
例1のシボ加工用金型1Aによれば、鋳造後の基部2a
の型表面20aにピンホール21が発生した場合であっ
ても、ピンホール21をパテ3で埋めて平滑に整えた
後、シボシート5を貼着するのみの簡便な手段により短
時間で補修でき、かつ従来の溶接により肉盛りして補修
する場合と較べ、補修時間および補修コストを低減でき
る。
【0031】また、型表面20aは、前記のように補修
されるため、ピンホール21による支障(シボ斑などの
品質不良の発生)を解消でき、シボ模様を樹脂成型品に
精度良く転写できる平面精度の良い型表面を用いた場合
と同じように、樹脂成形品の表面に精度良くシボ模様を
転写できる。 (実施例2)本発明、シボ加工用金型の実施例2を、鋳
造時に微小凹部としてヒケ、クラックなどが発生した型
表面を補修し、樹脂成形品の表面にシボ模様を精度良く
転写できるシボ加工用金型を得る場合に適用し、図4〜
図7に基づいて説明する。
【0032】図7に示す実施例2のシボ加工用金型1B
は、型表面20bにヒケ22、クラック23が発生した
基部2bと、前記ヒケ22、クラック23を埋めるとと
もに、平滑に整えられて型表面20bと面ーとなった表
出面30をもつパテ3と、シボ模様のシボ模様転写面5
0をもちシボ模様転写面50と反対側の裏面51を接着
剤4を介して前記型表面20bおよびパテ3の表出面3
0に貼着されたシボシート5と、よりなる。
【0033】次いで、金型鋳物用亜鉛基合金を用いて鋳
造された基部2aの、型表面20bに発生したヒケ2
2、クラック23(図4および図5参照)を補修し、シ
ボ加工用金型1B(図7参照)を得る過程を説明する。
図6に示されるように、型表面20bのヒケ22、クラ
ック23には、パテ3が埋められる。
【0034】このパテ3は、型表面20bより僅かに突
出した盛り上り部S2(図6の点線参照)を形成する。
この場合、パテ3には、それ自身およびヒケ22、クラ
ック23内に微小空洞が残らないように所定の大きさの
圧力が加えられる。この後、パテ3は、加熱、硬化処理
される。硬化したパテ3は、その型表面20bより突出
した盛り上がり部S2がサンドペーパーなどで削り取ら
れるとともに、平滑に整えられて型表面20bと面ーと
なった表出面30に形成される(図6の直線参照)。な
お、削り取る対象となる盛り上がり部S2領域は、短時
間(100cm2 当たり約30分)での削り取り作業で
終了できる。
【0035】次いで、型表面20bとパテ3の表出面3
0とに接着剤4が塗布される。一方予め、材質エポキシ
樹脂、厚さが100〜500μmで、樹脂成形品の成形
時にその外観表面に当接してシボ模様を転写するシボ模
様転写面50を備えたシボシート5の裏面51にも接着
剤4が塗布される。接着剤4の塗布量合計は、30〜5
0μmである。なお、前記接着剤4としては、エポキシ
樹脂が用いられる。
【0036】シボシート5の裏面51が接着剤4を介し
て前記型表面20bおよびパテ3の表出面30に貼着さ
れる。シボシート5の裏面51を接着剤4を介して型表
面20bおよびパテ3の表出面30に接触させ、加圧接
着するとき、図7の二点鎖線で示すように、円弧状に反
らした状態で、その中央部から端部に向かって貼着し、
空気の巻き込みを防止する。
【0037】前記作業手順により図7の示すようなシボ
加工用金型1Bを得ることができる。このように、実施
例2のシボ加工用金型1Bによれば、鋳造後の基部2b
の型表面20bにヒケ22、クラック23が発生してい
る場合であっても、それらをパテ3で埋めて平滑に整え
た後、シボシート5を貼着するのみの簡便な手段により
短時間で補修でき、かつ従来の溶接により肉盛りして補
修する場合と較べ、補修時間および補修コストを低減で
きる。
【0038】また、型表面20bは、前記のように補修
されるため、ヒケ22、クラック23による支障(シボ
斑などの品質不良の発生)を解消でき、平面精度の良い
型表面を用いた場合と同じように、樹脂成形品の表面に
精度良くシボ模様を転写できる。 (実施例3)本発明、シボ加工用金型の実施例3を、鋳
造後に施される機械加工時に微小凹部として、表面粗さ
の大きな領域(機械加工残り部分および加工に用いた刃
具の刃跡による谷)が残った型表面を補修し、樹脂成形
品の表面にシボ模ぬ様を精度良く転写できるシボ加工用
金型を得る場合に適用し、図8〜図10に基づいて説明
する。
【0039】図10に示す実施例3のシボ加工用金型1
Cは、射出成形用固定型として用いられるものである。
シボ加工用金型1Cは、型表面20cに表面粗さの大き
い谷202が残った基部2cと、前記谷202を埋める
とともに、平滑に整えられて型表面20cと面ーとなっ
た表出面30をもつパテ3と、前記パテ3の表出面30
に塗布された接着剤4と、シボ模様のシボ模様転写面5
0cをもちシボ模様転写面50cと反対側の裏面51c
を前記接着剤4を介して前記パテ3の表出面30に貼着
されたシボシート5cと、よりなる。
【0040】前記基部2cは、鋳造された後の形状仕上
げ機械加工で、倣いモデルあるいはNCデータに基づ
き、型表面20cが従来と同じように、ボールエンドミ
ル6(図11参照)によって所定の加工深さに切削さ
れ、図8に示すように、加工残りn1および刃部60
(図11参照)の加工跡n2などにより山200と谷2
02とで微小凹部が形成され、かつ山頂201と谷底2
03との高低差hによる表面粗さが大きくなる。
【0041】しかし、この場合、図8に示されるように
山頂201を正寸位置(基準)h3として、谷202を
パテ3で埋めることによって、従来のように山200を
削り取る工程を行わずにすみ、かつこの分、コスト面で
有利となる。このパテ3は、型表面20cの山頂201
より僅かに突出した盛り上り部S3(図8の点線h4参
照)を形成する。この場合、パテ3には、それ自身およ
び谷202内に微小空洞が残らないように所定の大きさ
の圧力が加えられる。
【0042】この後パテ3は、加熱、硬化処理される。
硬化したパテ3は、山頂201より僅かに突出した盛り
上り部S3がサンドペーパーなどで削り取られ、かつ正
寸位置h3で平滑に整えられて型表面20cの山頂20
1と面ーとなった表出面30に形成される(図9参
照)。なお、削り取る対象となる盛り上がり部S3領域
は、短時間(100cm2 当たり約30〜60分)での
削り取り作業で終了できる。
【0043】次いで、型表面20cの山頂201とパテ
3の表出面30とに接着剤4が塗布される。一方予め、
材質としてセラミックス、厚さが100〜500μm
で、樹脂成形品の成形時にその外観表面に当接してシボ
模様を転写するシボ模様転写面50cを備えたシボシー
ト5cの裏面51にも接着剤4が塗布される。接着剤4
の塗布量合計は、30〜50μmである。なお、前記接
着剤4としては、エポキシ樹脂が用いられる。
【0044】シボシート5cの裏面51が接着剤4を介
して前記型表面20cの山頂201およびパテ3の表出
面30に貼着される。なおシボシート5cの裏面51を
接着剤4を介して山頂201および表出面30に接触さ
せ、加圧接着するとき、図10の二点鎖線で示すよう
に、円弧状に反らした状態で、その中央部から端部に向
かって貼着し、空気の巻き込みを防止する。
【0045】前記作業手順により同図10の示すような
シボ加工用金型1Cを得ることができる。このように、
実施例3のシボ加工用金型1Cによれば、鋳造された後
の形状仕上げ機械加工でボールエンドミル6を用いて切
削された基部2cの型表面20cに、加工残りn1およ
び刃部60の加工跡n2などにより山200と谷202
とで微小凹部が形成され、かつ山頂201と谷底203
との高低差hによる表面粗さが大きくなって残っていて
も、前記谷202をパテ3で埋めて平滑に整えた後、シ
ボシート5cを貼着するのみの簡便な手段により短時間
で補修でき、かつ従来の溶接により肉盛りして補修する
場合と較べ、補修時間および補修コストを低減できる。
【0046】また、型表面20cは、前記のように補修
されるため、表面粗さが大きいことによる支障(シボ斑
などの品質不良の発生)を解消でき、平面精度の良い型
表面を用いた場合と同じように、樹脂成形品の表面に精
度良くシボ模様を転写できる。 (実施例1、2、3の変形例)なお、前記パテ3として
実施例1の基部2a、実施例2の基部2b、実施例3の
基部2cの材質である亜鉛合金の熱伝導率に近い熱伝導
率をもつカーボンファイバー入りエポキシ樹脂を用いる
ことによって、前記効果に加えて、樹脂成形品表面の放
熱がより均一になる効果を得ることができる。
【0047】この場合には、例えば、パテ3としてエポ
キシ樹脂を用いると、その熱伝導率は、亜鉛合金製の基
部2a、2b、2c熱伝導率に較べて実施例1のピンホ
ール21、実施例2のヒケ22およびクラック23、実
施例3の表面粗さを形成する谷202部分で低くなり、
かつ前記熱伝導率の差によって、樹脂成形後の自然冷却
時における樹脂成形品の表面を均一に冷却できない。こ
のため、樹脂成形品の表面に反りや、歪みおよび光沢差
などを発生させる可能性がある。
【0048】ここで、パテ3としてエポキシ樹脂を用い
る場合、熱伝導率の高いカーボンファイバーを用いるこ
とによって、樹脂成形後の自然冷却時における樹脂成形
品の熱を効率良く、ほぼ均一に放熱でき、かつその表面
を均一に冷却できるため、表面に反りや、歪みおよび光
沢差などが発生しない外観品質の良い製品を得ることが
できる。
【0049】
【効果】
(1)請求項1のシボ加工用金型によれば、鋳造後の型
表面や、形状仕上げ機械加工後の型表面に微小凹部が発
生していても、この微小凹部はパテで埋めて平滑に整え
られた後、シボ模様のシボ表面もつシートを貼着するこ
とによって構成できるため、シボ加工用金型の製造時
に、微小凹部を簡便な手段により短時間で補修でき、か
つ前記微小凹部を従来の溶接により肉盛して補修する場
合と較べ、補修時間の短縮および補修コストの低減がで
きる。
【0050】また、請求項1のシボ加工用金型を用いて
成形された樹脂成形品の外観表面に、前記型表面の微小
凹部に関係なくシボ模様を精度良く転写できる。 (2)請求項2のシボ加工用金型によれば、型表面を形
成する金属面およびパテの熱伝導率に大きな差異がない
ため、シボ表面をもつシートに当接するシボ加工済の樹
脂成形品に対し、金属面領域およびパテ領域から伝達さ
れる熱量がほぼ均一となる。
【0051】従って、シボ加工用金型によって製造され
た樹脂成形品は、請求項1のシボ加工用金型の効果に加
えて、製造された直後からシボ加工用金型とともに冷却
される場合、ほぼ均一に冷却されるため、冷却後の樹脂
成形品に反り、歪みおよび光沢差の発生を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のシボ加工用金型における基部の鋳造
後、その型表面に発生したピンホール(パテにより補修
前の状態)を断面して示す断面図。
【図2】図1におけるピンホールをパテにより補修する
状態を断面して示す断面図。
【図3】図1におけるピンホールをパテにより補修した
後、型表面およびパテ表面に、接着剤によりシボシート
の裏面を貼着した状態を断面して示す断面図。
【図4】実施例2のシボ加工用金型における基部の鋳造
後、その型表面に発生したヒケおよびクラック(パテに
より補修前の状態)の外観を平面側より視認して示す平
面図。
【図5】図4におけるAーA線断面矢視図。
【図6】図5におけるヒケおよびクラックをパテにより
補修する状態を断面して示す断面図。
【図7】図6におけるヒケおよびクラックをパテにより
補修した後、型表面およびパテ表面に、接着剤によりシ
ボシートの裏面を貼着した状態を断面して示す断面図。
【図8】実施例3のシボ加工用金型(射出成形用固定
型)における基部の鋳造後、ボールエンドミルを用い機
械加工して得た型表面に残った表面粗さをパテにより埋
めて型表面より高くした状態を示す断面図。
【図9】図8におけるパテを平滑に整えた状態を示す断
面図。
【図10】図9におけるパ平滑に整えられた後のパテ表
面に、接着剤によりシボシートの裏面を貼着した状態を
断面して示す断面図。
【図11】従来例のシボ加工用金型(射出成形用固定
型)における基部の鋳造後、ボールエンドミルを用い機
械加工して得た型表面に、表面粗さの大きな領域が残っ
た状態を示す断面図。
【符号の説明】
1A、1B、1C…シボ加工用金型 2a、2b、2c…シボ加工用金型の基部 20a、20b、20c…型表面 21…ピンホール 22…ヒケ 23…クラック 3…パテ 30…平滑処理がなされたパテの表
面 4…接着剤 5…シボシート 50…シボ模様転写面 51…裏面 6…ボールエンドミル

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シボ模様を有するシートを型表面に貼着し
    て該シートの該シボ模様を樹脂成形品に転写するシボ加
    工用金型であって、 該型表面の微小凹部はパテで埋めて平滑に整えられた
    後、該シートが貼着されていることを特徴とするシボ加
    工用金型。
  2. 【請求項2】パテは、シボ加工用金型の熱伝導率に近い
    熱伝導率をもつ材質である請求項1記載のシボ加工用金
    型。
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