JPH1024223A - 分離膜及びその製造方法 - Google Patents

分離膜及びその製造方法

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JPH1024223A
JPH1024223A JP8183868A JP18386896A JPH1024223A JP H1024223 A JPH1024223 A JP H1024223A JP 8183868 A JP8183868 A JP 8183868A JP 18386896 A JP18386896 A JP 18386896A JP H1024223 A JPH1024223 A JP H1024223A
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shape memory
separation membrane
memory polymer
membrane
hollow fiber
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JP8183868A
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Hisao Hachisuga
久雄 蜂須賀
Hitoshi Takano
均 高野
Yoshihiko Kondo
善彦 近藤
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Nitto Denko Corp
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  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 形状記憶高分子を分離膜に用い、形状記憶高
分子の可逆的な形態変化を利用することにより、その分
離透過性を制御し、且つ孔部位の目詰まり等を膜の可逆
的な形態変化を利用し容易に洗浄できる分離膜とその製
法を提供する。 【解決手段】 ポリウレタン系の形状記憶高分子をN-メ
チル-2-ピロリドン/N,N-ジメチルホルムアミド=10/7
溶液に溶解し、15wt%のドープ溶液を調整し、得られた
ドープおよび純水を2重管ノズルを用いて、外径直径約
110μm、内径直径約100μmの中空糸膜を作成する。この
中空糸膜の性能は純水Flux460L/m2h・kgf/cm2・at25℃
で、電子顕微鏡による膜面観察では孔径0.3-0.5μmであ
る。この中空糸膜を機械的応力により1.5-1.7倍まで延
伸し、純水Flux約600L/m2h・kgf/cm2・at25℃で、電子
顕微鏡による膜面積では、孔径0.5-0.8μmである。この
延伸した中空糸膜は約60℃の温水中で延伸前の性能に戻
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、形状記憶高分子を
膜素材とした物質分離膜に関するものである。さらに詳
しくは、気体、液体、蒸気等の分離精製や粒子、不純物
等である懸濁質、コロイド蛋白質、高分子等を除去、電
池膜セパレータ等の分離膜用途に用いられる分離膜に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】形状記憶高分子としては従来から様々な
ものが知られている。例えば、高分子材料の形状をpH
調整、キレート形成、酸化還元反応等の化学エネルギー
を利用して等温的に可逆変形させる方法、高分子材料に
光感能基の光反応を利用して等温的に可逆変化させる方
法、熱を利用する方法等が知られている。特に感熱性の
形状記憶性能を有する高分子も既に種類の高分子が公知
になっている。これらは構造上、常温を越える適度な融
点もしくはガラス転移温度をもつ重合体の架橋物、また
は常温を越える適度な融点もしくはガラス転移温度と著
しく高い分子量を有する重合体の冷間加工物とに分類で
きる。一般にガラス転移温度もしくは融点以下の温度域
にある高分子材料は分子鎖の熱運動が拘束されていて、
硬い高分子としての性質を示す。しかし、これをガラス
転移温度以上もしくは融点以上に加熱すると、いわゆる
ゴム状物質になる。この種の温度依存性は全ての高分子
材料に共通の性質である。実用性という観点からは、ガ
ラス転移温度もしくは融点の温度領域、塑性変形のし易
さなどの考慮すべき点は種々あるものの、歪みが緩和さ
れない程度に何らかの実質的な架橋点を持つほとんどの
高分子材料はある程度の形状記憶性を持つといえる。す
なわち、各種の成形法により、ある種の高分子の樹脂成
形物を作製し、成形後に形状を記憶させるために架橋反
応を行う。この成形物をそのガラス転移温度もしくは融
点以上に昇温し、変形を与え、変形を与えたまま温度を
ガラス転移温度もしくは融点以下に降下させると、その
歪みが保持される。これはガラス転移温度もしくは融点
以下の温度において、分子鎖の熱運動が拘束を受け、歪
みが固定されてしまうためである。この変形した成形物
を再度、分子鎖の熱運動が可能になるガラス転移温度も
しくは融点以上の温度に加熱すると、歪みが解放されて
元の形状に回復することになる。この種の形状記憶高分
子として、結晶性ポリオレフィンの架橋物(米国特許3,
086,242号)、結晶性トランスポリイソプレンの架橋物
(特開昭61-16956号)、結晶性トランスポリブタジエン
の架橋物(米国特許3,139,468号)等が公知である。ポ
リオレフィンの中でも、特に結晶性ポリエチレンの架橋
物は、熱収締性チューブ等の用途に実用化されている。
しかし、これらの結晶性重合体においては架橋により結
晶化を阻害されないため、重合体が結晶化した状態で低
温可硫もしくは放射線照射などにより架橋を行わさせる
必要がある等の形状記憶特性を発現させるための特殊な
操作が必要なものである。また、重合体が著しく高分子
量の場合、ガラス転移温度以下の温度においても、重合
体分子鎖のからみ合いが実質的な架橋点となって歪みが
緩和されず、形状記憶機能を発現する。この種の形状記
憶高分子の特性を用いた用途例として、ポリノルボルネ
ン(特開昭59-53528号)、ポリ塩化ビニル、ポリメタク
リル酸メチル、ポリカーボネート、AB樹脂等が知られ
ている。これらの形状記憶高分子の具体的な用途として
は玩具、異形パイプ接合剤、パイプ内部のラミネート
材、ライニング材、締め付けピン、医療用材、文具教
材、造花、自動車バンパー等の衝撃吸収後の変形回復を
必要とする部材、機械的デバイス、各種熱収縮チューブ
等が考えられてきた。しかしながら、この形状記憶高分
子を用いた分離膜も開示されているが(特開平2-645
号)、形状記憶高分子の可逆的性質を分離膜に応用した
ものはなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一方、分離膜に着目し
た場合、従来の高分子材料、及び、その製膜技術では任
意の孔径コントロール、即ち、各種の分画能を有する多
孔質膜の設計は困難であった。又、従来の分離膜、特に
多孔質膜には、目詰まりによる透過性の低下問題点もあ
る。目詰まりによる透水性の低下を回復させるための一
手法として透過側より圧力を通常の反対側よりかけ目詰
まり物質を除去する、いわゆる逆洗といった手法が取ら
れているが、膜の破損を防ぐために処理圧力を十分に高
く設定できず、従って、十分な洗浄回復性が得られなか
った。
【0004】本発明は、前記従来の問題を解決するた
め、形状記憶高分子の可逆的な形態変化を利用すること
により、その分離透過性を制御し、且つ孔部位の目詰ま
り等を膜の可逆的な形態変化を利用し容易に洗浄するこ
とが可能になる分離膜及びその製造方法を提供すること
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の分離膜は形状記憶高分子を用いたという構
成を有する。ここで形状記憶高分子とは、ある形状Aを
別の形状Bに塑性変形でき、例えば冷却してその形状を
固定化することができ、かつ再加熱によって元の状態A
に戻すことのできる高分子をいう。
【0006】前記分離膜においては、形状記憶高分子膜
が多孔質膜であり、その孔径が5.0×10-4μm以上15μ
m以下であることが好ましい。また前記分離膜において
は、形状記憶高分子を用いた膜の孔径が、温度、圧力、
湿度、溶剤、pH、光反応、電気、キレート形成、酸化
・還元反応の少なくとも一つの因子により可逆的に変化
することが好ましい。また前記分離膜においては、形状
記憶高分子を用いた膜の孔径が、温度と圧力の少なくと
も一つの因子により可逆的に変化することが好ましい。
また前記分離膜においては、形状記憶高分子を用いた分
離膜が、中空糸状、チューブ状及び平膜状から選ばれる
少なくとも一つであることが好ましい。また前記分離膜
においては、形状記憶高分子を用いた分離膜が、少なく
とも1種の多孔質支持体と複合化して成ることが好まし
い。また前記分離膜においては、分離膜の孔径が、多孔
質膜支持体の孔径の1.1倍以上であることが好まし
い。
【0007】次に本発明の第1番目の製造方法は、形状
記憶高分子樹脂を有機溶媒(A)に溶解し、前記製膜溶
液を少なくとも一つのノズルから中空糸状に押し出し、
形状記憶高分子溶解しないが、上記有機溶媒(A)と相
溶性を有する溶剤(B)中に浸漬するという構成からな
る。
【0008】次に本発明の第2番目の製造方法は、形状
記憶高分子樹脂を有機溶媒(A)に溶解し、前記製膜溶
液を適宜の多孔質支持体に塗布し、次いで形状記憶高分
子樹脂を溶解しないが、上記有機溶媒と相溶性を有する
溶剤(B)中に浸漬するという構成からなる。ここで、
適宜の多孔質支持体とは、不織布、ポリスルホン等の通
常当業界で使用されている多孔質支持体をいう。
【0009】次に本発明の第3番目の製造方法は、形状
記憶高分子樹脂を溶融し、少なくとも一つのノズルから
中空糸状、又はシート状に押し出して成形するという構
成からなる。
【0010】次に本発明の第4番目の製造方法は、形状
記憶高分子樹脂を溶融し、適宜の多孔質支持体に流延し
て成形するという構成からなる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明は、形状記憶高分子を膜素
材とした分離膜に関するものであり、形状記憶高分子の
形態変化特性を利用しその分離透過性を制御でき、且
つ、孔部位の目詰まり等により膜性能が低下した場合に
膜の可逆的な形態変化を利用し容易に洗浄することが可
能になることを見出し本発明に至ったものである。
【0012】即ち、本発明の分離膜素材として用いられ
る形状記憶高分子とは温度、圧力、湿度、溶剤、pH、
光反応、電気、キレート形成、酸化・還元反応などの少
なくとも一つの因子により可逆的に変化する高分子であ
れば特に限定されない。
【0013】例えば、温度に関して形状記憶能を有する
高分子としては常温でガラス状態、常温以上でゴム状態
であるような樹脂であれば特に限定されないが、好まし
くは、ポリノルボルネン、スチレン−ブタジエン共重合
体、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリル酸
メチル、ポリカーボネート、結晶性ポリオレフィンの架
橋物、結晶性トランス−1,4−ポリイソプレンの架橋
物、結晶性トランスポリブタジエン架橋物等を主とした
高分子が好適に用いられる。
【0014】圧力に関して形状記憶能を有する高分子と
してはゴム状態であるような樹脂であれば特に限定され
ず、上記高分子が好適に用いられる。湿度に関して形状
記憶能を有する高分子としては湿度による膨潤と収縮、
ガラス状態とゴム状態転移といった性質を利用し形状記
憶するものであれば特に限定されないが、好ましくは、
三次元架橋した構造単位を有するものが良く、架橋ポリ
ビニルアルコール、架橋ポリアミド等が挙げられる。
【0015】溶剤に関して形状記憶能を有する高分子と
しては溶剤による膨潤と収縮、ガラス状態とゴム状態転
移といった性質を利用し形状記憶するものであれば特に
限定されないが、好ましくは、前述の感熱性の形状記憶
高分子や三次元架橋した構造単位に有するものが良く、
架橋ポリビニルアルコール、架橋ポリアミド等が挙げら
れる。
【0016】pHに関して形状記憶能を有する高分子と
してはpH変化により解離する官能基を有するものであ
れば特に限定されない。これらは、解離に伴う荷電反
発、親水性の付与等に起因する膜構造変化をpHにより
可逆的に起こし膨潤と収縮、ガラス状態とゴム状態転移
といった性質を利用し形状記憶するものであり、好まし
くは等の官能基を有する高分子が好ましく用いられる。
【0017】光反応に関して形状記憶能を有する高分子
としては、例えば光反応による電荷分離やシス−トラン
ス転移等の構造変化に起因する親水化や荷電反発を利用
し、膨潤と収縮、ガラス状態ゴム状態転移といった性質
を利用し形状記憶するものである。特定波長領域の光に
より電荷分離する官能基シス−トランス転移等の構造変
化を起こす官能基が高分子側鎖、及び、主鎖に含まれる
ものであれば特に限定されないが、好ましくはスピロピ
ラン、アゾベンゼン、パラローズアニリン等の官能基が
高分子側鎖、及び、主鎖に含まれるものが良い。
【0018】その他、電気、キレート形成、酸化・還元
反応などの因子により可逆的に変化する高分子であれば
膜素材として特に限定されない。これらの形状記憶樹脂
は単独で用いられても良く、少なくとも2種の混合物や
共重合体、ポリスルホン、ポリイミド、ポリアミド、ポ
リオレフィン等の形状記憶能を有しない少なくとも2種
の他の樹脂との混合物や共重合体であっても良い。形状
記憶能を有しない少なくとも2種の他の樹脂との混合物
や共重合体の場合、その比率は特に限定されないが、形
状記憶能を有する高分子1mol%以上含まれることが
好ましい。
【0019】これらの高分子を用いた分離膜の製膜法に
関し以下に述べる。製膜法は膜形態が成形できれば特に
限定されないが、好ましくは、湿式相転換法、乾式製膜
法が用いられる。
【0020】湿式相転換による製膜に関し以下に説明す
る。前記の膜素材を有機溶媒(A)に溶解して製膜用ド
ープを調整する。この場合の溶液濃度は30〜50重量
%、好ましくは10〜30重量%である。また、製膜用
ドープを調整する場合に、必要に応じて、膨潤剤、分散
剤、増粘剤等を加えてもよい。本発明で用いられる有機
溶媒(A)としてはN,N−ジメチルアセトアミド,N
−メチル−2−ピロリドン,N,N−ジメチルホルムア
ミド,ジメチルスルホキシド,ジエチレングリコールジ
メチルエーテル,ジエチレングルコールジエチルエーテ
ル,ジエチレングリコールジブチルエーテル,トリエチ
レングルコールジエチルエーテル,1,2−ジメトキシ
エタン,1,2−ジエトキシエタン,1,2−ジブトキ
シエタン等が挙げられる。これらは単独で用いられる以
外に、2種以上の混合溶媒としても用いられる。得られ
たドープを押し出し法、流延法等で凝固液即ち溶剤
(B)中に浸漬させるとでチューブ状(中空糸状を含
む)平膜状等の非対象膜が得られる。多孔質支持体上に
ドープをキャスティングやディッピング等の方法で塗布
し、凝固液、即ち溶剤(B)に浸漬し、複合膜形態で得
ることも機会的強度を高める点で好適である。本発明に
用いられる適宜の支持体としては平滑な表面を有する有
機、無機、金属の多孔体、織布、不織布等を挙げること
ができる。これらの多孔質支持体の孔径は分離膜自体の
孔径の1.1倍以上であることが形状変化を起こさせる
のに好適である。これら多孔質支持体上へのドープと塗
布厚は25〜400μm、好ましくは30〜200μm
である。この際、ドープは多孔質支持体の片面、もしく
は両面に塗布される。本発明で用いられる有機溶媒
(A)を用いたドープは−80〜80℃好ましくは20
〜50℃の温度範囲で製膜される。
【0021】上記有機溶媒(A)を浸漬除去する際に用
いられる凝固液、即ち溶剤(B)としては用いる前述の
高分子を溶解しないが、上記有機溶媒(A)と相溶性を
有するものであれば、限定されないが、水やメタノー
ル、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコー
ル類及びこれらの混合液が用いられ、特に水が好適に用
いられる。上記有機溶媒(A)を浸漬除去する時の凝固
液、即ち溶剤(B)の温度は特に限定されないが、好ま
しくは0〜100℃の温度で行われる。
【0022】乾式製膜法に関し以下に説明する。前記高
分子を溶融し、少なくとも一つのノズルから中空糸状、
又は、シート状に押し出して成形することにより製膜さ
れる。この際、適宜の多孔質支持体に流延して成形する
ことも好適である。又、孔径を調整する一手法として製
膜時、又は、得られた膜を一軸、及び/又は二軸に延伸
し、孔径等を製膜することも好適である。又、孔を開け
る手法として形状記憶高分子の溶融時に添加剤を入れる
ことも好適である。かかる添加剤としては特に限定され
ないが、耐熱性のあるフッ素系モノマーや塩化ナトリウ
ム、塩化カルシウム、炭酸カルシウム等の無機塩等の無
機塩等が好ましく用いられる。又、その添加量は高分子
の重量に対して、0.2〜3倍、好ましくは0.5〜
1.5倍である。
【0023】以上のとおり、本発明は形状記憶高分子の
可逆的な形態変化を利用することにより、その分離透過
性を制御し、且つ孔部位の目詰まり等を膜の可逆的な形
態変化を利用し容易に洗浄することが可能になる分離膜
及びその製造方法を実現できる。
【0024】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
【0025】(実施例1)ポリウレタン系の形状記憶高
分子(ダイアリィ:三菱重工業社製)をN−メチル−2
−ピロリドン/N,N−ジメチルホルムアミド=2/1
溶液に溶解し、8重量%のドープ溶液を調整した。得ら
れたドープをアプリケータを用いてギャップ200μm
にてガラス板上に塗布し、50℃の温水に浸漬し、湿式
相転換法にて平膜状の多孔質膜を得た。分離性能を表1
に示す。
【0026】
【表1】
【0027】分離性能特性評価に用いた透水性が低下し
た膜を形状記憶樹脂の特性を利用して60℃にて、逆洗
(圧力:0.5kgf/cm2)した結果、元の透水性
に回復し、洗浄性が良好であることが確認できた。
【0028】(実施例2)実施例1に記載のドープをガ
ラス板上に置いた織布(E100H:荻原工業社製、坪
量52.5g/m2,強力(縦・横):各々51kg/
5cm,伸度(縦・横):各々20%、22%)に塗布
し、50℃の温水に浸漬し、湿式相転換法にて平膜状の
多孔質膜を得た。
【0029】この膜の純水Fluxは300(l/m2
h)(at0.2kgf/cm2)であった。分離性能
は実施例1と同様であった。又、実施例1と同様にコロ
イダルシリカを評価後洗浄を実施したところ、初期純水
Fluxに対して100%の回復性が確認できた。
【0030】(実施例3)実施例1に記載のドープを準
備し、ポリウレタン系の形状記憶高分子(ダイアリィ:
三菱重工業社製)と同重量の塩化カルシウムを混合し1
70℃にて十分に混合した後、二重管ノズル(温度18
0℃)より中心部に窒素を流しながら射出圧力500k
gf/cm2で中空糸状に射出し冷却し、外径直径:約
100μm、内径直径:約90μmの中空糸を作成し
た。得られた中空糸を水中に浸漬し塩化カルシウムを溶
出させ多孔質膜とした。この中空糸膜の性能は純水Fl
ux200L/m2h・kgf/cm2(at25℃)で
あった。分離性能は実施例1と同様であった。又、実施
例1と同様にコロイダルシリカを評価後逆洗浄を実施し
たところ、初期純水Fluxに対して100%の回復性
が確認された。
【0031】(実施例4)ポリウレタン系の形状記憶高
分子(ダイアリィ:三菱重工業社製)をN−メチル−2
−ピロリドン/N,N−ジメチルホルムアミド=10/
7溶液に溶解し、15重量%のドープ溶液を調整した。
得られたドープおよび純水(芯板)を2重管ノズルを用
いて35℃の温水浴に浴面上30mmより吐出して、外
径直径約110μm、内径直径約100μmの中空糸膜
を作成した。この中空糸膜の性能は純水Flux460
L/m2h・kgf/cm2・at25℃で、電子顕微鏡
による膜面観察では孔径0.3〜0.5μmであった。
【0032】この中空糸膜を機械的応力により1.5〜
1.7倍まで延伸したところ、純水Flux約600L
/m2h・kgf/cm2・at25℃で、電子顕微鏡に
よる膜面積では孔径0.5〜0.8μmとなっているこ
とが確認できた。さらにこの延伸した中空糸膜を約60
℃の温水中に浸漬したところ、純水Flux458L/
2h・kgf/cm2・at25℃で、電子顕微鏡によ
る膜面観察から孔径0.3〜0.5μmとほぼ延伸前の
性能に戻っていることが確認できた。
【0033】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明の形状記憶高
分子を用いた分離膜によれば、形状記憶高分子の可逆的
な形態変化を利用することにより、その分離透過性を制
御し、且つ孔部位の目詰まり等を膜の可逆的な形態変化
を利用し容易に洗浄することが可能になる。また本発明
の製造方法によれば、前記形状記憶高分子を用いた分離
膜を効率良く合理的に製造することができる。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 形状記憶高分子を用いた分離膜。
  2. 【請求項2】 形状記憶高分子膜が多孔質膜であり、そ
    の孔径が5.0×10-4μm以上15μm以下である請求項1
    に記載の分離膜。
  3. 【請求項3】 形状記憶高分子を用いた膜の孔径が、温
    度、圧力、湿度、溶剤、pH、光反応、電気、キレート
    形成、及び酸化・還元反応から選ばれる少なくとも一つ
    の因子により可逆的に変化する請求項1に記載の分離
    膜。
  4. 【請求項4】 形状記憶高分子を用いた膜の孔径が、温
    度及び圧力から選ばれる少なくとも一つの因子により可
    逆的に変化する請求項1に記載の分離膜。
  5. 【請求項5】 形状記憶高分子を用いた分離膜が、中空
    糸状、チューブ状及び平膜状から選ばれる少なくとも一
    つである請求項1に記載の分離膜。
  6. 【請求項6】 形状記憶高分子を用いた分離膜が、少な
    くとも1種の多孔質支持体と複合化して成る請求項1に
    記載の分離膜。
  7. 【請求項7】 分離膜の孔径が、多孔質膜支持体の孔径
    の1.1倍以上である請求項6に記載の分離膜。
  8. 【請求項8】 形状記憶高分子樹脂を有機溶媒(A)に
    溶解し、前記製膜溶液を少なくとも一つのノズルから中
    空糸状に押し出し、形状記憶高分子溶解しないが、上記
    有機溶媒(A)と相溶性を有する溶剤(B)中に浸漬す
    る分離膜の製造方法。
  9. 【請求項9】 形状記憶高分子樹脂を有機溶媒(A)に
    溶解し、前記製膜溶液を適宜の多孔質支持体に塗布し、
    次いで形状記憶高分子樹脂を溶解しないが、上記有機溶
    媒と相溶性を有する溶剤(B)中に浸漬する分離膜の製
    造方法。
  10. 【請求項10】 形状記憶高分子樹脂を溶融し、少なく
    とも一つのノズルから中空糸状、又はシート状に押し出
    して成形する分離膜の製造方法。
  11. 【請求項11】 形状記憶高分子樹脂を溶融し、適宜の
    多孔質支持体に流延して成形する分離膜の製造方法。
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