JPH10241975A - 内燃機関用点火コイル - Google Patents

内燃機関用点火コイル

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JPH10241975A
JPH10241975A JP9053961A JP5396197A JPH10241975A JP H10241975 A JPH10241975 A JP H10241975A JP 9053961 A JP9053961 A JP 9053961A JP 5396197 A JP5396197 A JP 5396197A JP H10241975 A JPH10241975 A JP H10241975A
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JP
Japan
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primary
coil
holder
terminal
winding
Prior art date
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Pending
Application number
JP9053961A
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English (en)
Inventor
Hikari Kikuta
光 菊田
Toshiro Suzuki
敏郎 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisan Industry Co Ltd
Original Assignee
Aisan Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一次ターミナルを保持するホルダを磁性体の
柱状部材の一端部に設け、弾性材料のモールドを容易に
行なうと共に、一次コイルの巻線を一次ターミナルに確
実に接続する。 【解決手段】 柱状のインナコア10の一端部に嵌合す
る枠体のホルダ14に一次ターミナル16を保持する。
インナコア10に絶縁塗膜11を形成し、ホルダ14を
インナコア10の一端部に嵌合した状態で、絶縁塗膜1
1上に一次コイル12の巻線を巻回して一次ターミナル
16に接続した後に、ホルダ14及び一次コイル12を
含みインナコア10の全長に亘って絶縁性弾性材料(例
えばエラストマー)をモールドして弾性層19を形成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は内燃機関用点火コイ
ルに関し、特に、磁性体の柱状部材に少なくとも一次コ
イルを巻装し、この一次コイルの巻線を接続する一次タ
ーミナルを、柱状部材の一端部に保持する内燃機関用点
火コイルに係る。
【0002】
【従来の技術】近時、小型で配線、組付が容易な内燃機
関用点火コイルの開発が要請されており、軸方向に長尺
の点火コイルが注目されている。例えば、特開平4−8
7311号公報には、磁性体の線材を束ねて中心鉄心を
形成した点火コイルが開示されている。同公報には、中
心鉄心の作成方法として、丸ダイスを介して線材を引き
抜く方法、上型と下型で作られる空間に線材を充填した
後プレス成形する方法、線材を整列させ、金属粉の表面
に樹脂粉末が付着した材料と共に、型によってプレスす
る方法、線材をケイ素鋼管中に設置して加熱しつつ、ケ
イ素鋼管をダイス中で引き抜く方法、更に、ケイ素鋼の
薄板を2〜3重に巻き付け、それをダイス中で引き抜く
方法が開示されている。また、同公報には、実施例とし
て線材を円柱状に束ねたものの両端部を四角にした中心
鉄心も開示されている。
【0003】また、特開平6−325953号公報に
は、回路素子の放熱性を高めると共に、樹脂の注入工数
を軽減するため、点火コイルと電気的に接続する回路素
子をあらかじめフィンを設けた弾性体で封入して回路モ
ジュールを形成し、この回路モジュールと点火コイルと
をケースに収容して一種類の樹脂で同時に注入硬化する
内燃機関用点火コイルが提案されている。そして、その
実施例において、回路モジュールを封入する弾性体とし
て熱可塑性エラストマー等が用いられ、ケース内に注入
する樹脂としてエポキシ樹脂が用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記特開平6−325
953号公報に記載の点火コイルにおいては、内部コア
(インナコア)が軸方向に長尺であり、コアを構成する
鉄と充填用の絶縁樹脂(例えば、エポキシ樹脂)とでは
線膨張係数が大きく異なるので、ケース内に絶縁樹脂が
充填、硬化されるときに、絶縁樹脂の硬化収縮に伴い、
この絶縁樹脂に応力が集中する。また、点火コイル使用
時の温度変化に伴う熱歪みによっても充填絶縁樹脂に応
力が集中することとなる。このような応力集中によって
絶縁樹脂充填部分が損傷しないように対策を講ずる必要
があるが、複雑な構造となり、点火コイルとしても大型
となる。同公報においては、充填用のエポキシ樹脂の他
にエラストマーが用いられているが、後者は回路モジュ
ールを封入するフィンを設けるために用いられたもので
ある。同公報においては、軸方向に長尺のコアと充填樹
脂との関係については配慮されておらず、従ってエラス
トマーはコアとの関係において用いられたものではな
い。
【0005】一方、前掲の特開平4−87311号公報
に記載のように点火コイルを円柱状に形成する場合に
は、中心鉄心、即ちインナコアも円柱状に形成すること
が望ましい。その一手段として、同公報に記載のように
複数の線材を束ねる方法があるが、製造、組付が困難で
あり、コストアップとなる。従って、複数の鋼板を積層
したインナコアを基本とし、これを略円形断面に形成す
ることが適切である。このようなインナコアを製造する
場合には、一般的に両端部に矩形断面部が形成されるこ
とになる。また、漏洩磁束を防止する上でもインナコア
の両端部を矩形断面とし、中間部より断面積を大きくす
る必要がある。
【0006】何れの公報においても、一次コイルの巻線
を一次ターミナルに接続する部分の構成は不明である
が、一次コイルの巻線を一次ボビンに巻回し、この巻線
の接続端部をケースの外部に引き出すようにするのが一
般的である。これに対し、一次ボビンを設けない場合に
は、一次コイルの巻線をケースの外部に引き出す際に固
定する部分がないので、柱状のインナコアの一端部に一
次ターミナルを保持することとし、この一次ターミナル
に一次コイルの巻線を接続するように構成することが望
ましい。
【0007】また、インナコアをそのまま筒状の二次コ
イル内に収容して絶縁樹脂を充填する構成では、充填絶
縁樹脂に割れが生じ易く、電気的絶縁性が問題となる。
特に、両端部に矩形断面部が形成されたインナコアを用
いる場合には、角部において充填絶縁樹脂の割れが生じ
易くなる。これを防止するため、インナコアに絶縁性を
有する弾性材料をモールドして弾性層を形成することが
考えられるが、モールド時における柱状部材の端部の処
理が困難である。このため、インナコアの一端部に一次
ターミナルを保持するホルダを設け、このホルダを堰と
して弾性材料をモールドするように構成することが望ま
しい。
【0008】そこで、本発明は、一次ターミナルを保持
するホルダを磁性体の柱状部材の一端部に設け、弾性材
料のモールドを容易に行ない得ると共に、一次コイルの
巻線を一次ターミナルに確実に接続し得る内燃機関用点
火コイルを提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明は、磁性体の柱状部材に少なくとも一次コイ
ルを巻装し、該一次コイルの巻線を接続する一次ターミ
ナルを、前記柱状部材の一端部に保持する内燃機関用点
火コイルにおいて、前記柱状部材の一端部に嵌合する枠
体を有し該枠体に前記一次ターミナルを保持するホルダ
を備え、前記柱状部材の少くとも中間部に絶縁塗膜を形
成し、前記ホルダを前記柱状部材の一端部に嵌合した状
態で、前記絶縁塗膜上に前記一次コイルの巻線を巻回し
て前記一次ターミナルに接続した後に、前記ホルダ及び
前記一次コイルを含み前記柱状部材の全長に亘って絶縁
性を有する弾性材料をモールドして弾性層を形成するよ
うに構成したものである。
【0010】また、本発明は、磁性体の柱状部材に少な
くとも一次コイルを巻装し、該一次コイルの巻線を接続
する一次ターミナルを、前記柱状部材の一端部に保持す
る内燃機関用点火コイルにおいて、前記柱状部材の一端
部に嵌合する枠体を有し該枠体に前記一次ターミナルを
保持するホルダを備え、該ホルダを含み前記柱状部材の
全長に亘って絶縁性を有する弾性材料をモールドして弾
性層を形成した後に、該弾性層の外面に前記一次コイル
の巻線を巻回して前記一次ターミナルに接続するように
構成してもよい。
【0011】前記内燃機関用点火コイルにおいて、前記
一次ターミナルの前記一次コイルの巻線との接続端部が
前記ホルダの側面に露出するように前記一次ターミナル
を配置し、前記一次コイルの巻線を前記一次ターミナル
の接続端部に接続するように構成するとよい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の内燃機関用点火コ
イルの望ましい実施形態を図面を参照して説明する。図
25は本発明の一実施形態に係る内燃機関用点火コイル
の全体を示すもので、ケース60は、上方に開口部を有
する筐体のイグナイタ部60dと、その底面から下方に
延出する円筒状のコイル部60a及び高圧ターミナル部
60bを有する合成樹脂製の容器状筐体である。これら
の断面を図1乃至図4に示し、図2の各部の断面を図5
乃至図10に示す。
【0013】コイル部60aには図1及び図2に示すよ
うに、本発明の柱状部材たるインナコア10、これに巻
装された一次コイル12、二次コイルアセンブリ20、
アウタコア30、並びに一対の補助コア及び永久磁石
(夫々、代表して40,50で表す)が収容されてい
る。イグナイタ部60dにはイグナイタ8が収容される
と共に、コネクタ部60cが一体的に形成されている。
尚、イグナイタ8は一次コイル12の一次電流を制御す
るもので、イグニッションモジュールとも呼ばれる。イ
グナイタ部60d内にはポスト60eが形成されてお
り、このポスト60eにイグナイタ8が挿通されて位置
決めが行なわれる。図1及び図2の下方の高圧ターミナ
ル部60bには高圧ターミナル7が内蔵されており、絶
縁材料(例えばゴム)によって筒状に形成されたプラグ
キャップ70が、高圧ターミナル部60bの外側に装着
されている。
【0014】本実施形態のインナコア10は、複数の磁
性体の平板、例えば8種類の珪素鋼板が合計26枚積層
されたもので、その外形は、図11乃至図14に示すよ
うに、略円形断面の中間部10aと矩形断面の拡大部1
0bを両端に有する柱体に形成されている。中間部10
aは、図14に示すように、珪素鋼板の幅が漸増する順
に積層する第1の部分P1と、この第1の部分に連続し
て同一幅の珪素鋼板を所定の枚数積層する第2の部分P
2と、この第2の部分P2に連続して珪素鋼板の幅が漸
減する順に積層する第3の部分P3が順次スタッキング
によって接合されて積層体が形成され、直径約8mmの略
円形断面の中間部10aを有する柱状部材となる。この
柱状部材の両端部は、その端面を図12に示すように、
中間部10aの断面積より大の断面積を有する矩形断面
の拡大部10bとなる。尚、図1に表れているインナコ
ア10の珪素鋼板は、上記第2の部分P2に含まれる。
【0015】ここで、スタッキングとは複数の平板の各
々に対しプレス成形時に一方の面に凹部を形成すると共
に他方の面に凸部を形成し、これらの複数の平板を相互
に対向する面の凸部を凹部に圧入し乍ら順次重合して、
積層体を形成する手段をいう。本実施形態では、図1に
示すようにインナコア10の中間部10aには2個の平
面視矩形のスタッキング部Saが形成されると共に、両
端の拡大部10bに、長手方向がスタッキング部Saの
長手方向に直交する各1個の平面視矩形のスタッキング
部Sbが形成されている。尚、図2等において、インナ
コア10の断面のハッチングは判別が困難となるので省
略している。
【0016】以上のようにして、珪素鋼板の積層体から
成るインナコア10が構成された後、インナコア10の
外面に絶縁材料の粉体塗装が施され、図11及び図13
に明らかなように絶縁塗膜11が形成されている。この
絶縁塗膜11はインナコア10の中間部10aの全長に
亘って絶縁塗膜11aが形成されると共に、これに隣接
する拡大部10bにも絶縁塗膜11bが形成される。こ
れにより、インナコア10の各珪素鋼板は剥がれ難く、
十分な接合強度が確保される。また、従来の一次ボビン
に比し大幅に縮径される。
【0017】そして、中間部10aの絶縁塗膜11aの
外周面に一次コイル12の巻線が二層もしくは四層に巻
回される。このとき、拡大部10bの絶縁塗膜11b部
分が従来の一次ボビンの鍔部と同様に機能するので、適
切に巻回することができる。特に、本実施形態では、イ
ンナコア10の中間部10aの断面が略円形であり、そ
の側面には粉体塗装によって絶縁塗膜11が形成されて
いるので、エッジ部分が滑らかな面となる。上述のよう
に、本実施形態では絶縁塗膜11bは拡大部10bの一
部に形成されているが、全側面あるいは全体に形成する
こととしてもよい。また、絶縁塗膜11は、樹脂系の塗
装や接着剤を用いて形成することとしてもよい。
【0018】インナコア10の拡大部10bの両側面に
は一対の凹部10cが形成されており、これらの凹部1
0cには、図1、図2、図15乃至図17、並びに図2
2に示すようにホルダ14が係止されている。このホル
ダ14には一次ターミナル15,16が支持される。一
次ターミナル15は図18に示すように鉤状に屈曲形成
されており、夫々上方及び下方に平行に延出する接続部
15b及び支持部15cを有すると共に、これらと直交
する方向に延出する折曲部15dを有する。この折曲部
15dには孔15a(図20に示す)が形成されてお
り、支持部15cには係止用の歯が形成されている。
【0019】ホルダ14は、図19乃至図21に示すよ
うに、略方形の枠体に形成された樹脂部材で、支持部1
4aの対向する一対の辺に一対の延出部14bが延出形
成されると共に、他の一対の辺に一対の係合部14cが
延出形成されている。一対の係合部14cは夫々インナ
コア10の一対の凹部10cに係止されるように枠体の
内側に若干突出している。各延出部14bは図21に示
すように下方側面が切り欠かれており、下端には巻線案
内用の溝14dが形成されている。
【0020】ホルダ14の各延出部14bに一次ターミ
ナル15,16が圧入されると、図20及び図21に示
すように一体的に支持される。このとき、一次ターミナ
ル15の支持部15cはホルダ14の側面に露出するよ
うに配置される。尚、ホルダ14の成形時に一次ターミ
ナル15,16をインサート成形することとしてもよ
い。そして、図15に示すように、一次コイル12の巻
線の接続端部が溝14d(図21)を介して支持部15
c上に配置され、例えば半田によって支持部15cに接
続される(一次ターミナル16についても同様)。
【0021】而して、図15乃至図17に示すように構
成されたインナコア10、一次コイル12及びホルダ1
4は、弾性材料のエラストマーによってモールドされ
る。このとき、ホルダ14が堰として機能するので、モ
ールド時のバリの形成が阻止され所期の形状となる。而
して、図22に2点鎖線で示すように、インナコア10
及び一次コイル12の周囲に弾性層19が形成され、こ
れらによって一次コイルアセンブリが構成される。尚、
エラストマーとは、高弾性を有する高分子物質であり、
通常は常温付近でゴム弾性を示す。
【0022】一方、インナコア10と共に磁気回路を形
成するアウタコア30は、図1及び図6乃至図9に示す
ように珪素鋼板によって円筒状に形成されており、ケー
ス60のコイル部60aの外側に嵌着されている。更
に、図1及び図2に示すように、インナコア10の軸方
向の両端には夫々矩形の永久磁石50が配置されてお
り、その外側には略矩形の珪素鋼板が積層されて成る補
助コア40が配置されている。両端に配置される永久磁
石50は、発生する磁束の方向が夫々同一の方向であっ
て、一次コイル12通電時にインナコア10内に形成さ
れる磁束の方向と逆向きとなるように配置されている。
而して、上述のインナコア10、永久磁石50、補助コ
ア40、及びアウタコア30によって磁気回路が構成さ
れている。
【0023】インナコア10の軸方向の両端に配置する
補助コア40は、夫々弾性材料のエラストマーによって
モールドされ、ホルダ49,49x(高圧側と低圧側で
外形が若干異なるので、低圧側を49xで表す)が形成
されている。そして、これらのホルダ49,49x内に
夫々永久磁石50が収容され、インナコア10の両端部
に装着されている。
【0024】図1に示すように、高圧ターミナル7側の
ホルダ49には、永久磁石50を収容した状態で更に永
久磁石50の端面から外方に延出する筒体部49aが形
成されており、この筒体部49a内に、弾性層19が形
成されたインナコア10の端部が嵌合される。
【0025】更に、上記一次コイルアセンブリを収容す
るように二次コイルアセンブリ20が配設されている。
二次コイルアセンブリ20は、図1乃至図4に示すよう
に二次ボビン21に二次コイル22が巻装されて成る。
二次ボビン21は軸方向に所定間隔毎に複数の鍔部(代
表して21aで表す)が形成された樹脂製の円筒体であ
り、これらの鍔部21a間に形成される複数の環状溝内
に、二次コイル22の巻線が順次巻回されている。
【0026】二次ボビン21の、高圧ターミナル7に配
置される側の端部の内面には、軸心方向に延出するリブ
21rが形成されており、このリブ21rが弾性層19
に当接し、二次コイル22の巻線がインナコア10及び
一次コイル12に対して所定の間隙を以って離隔するよ
うに保持されている。また、二次コイル22の高圧側の
端部22hは、二次ボビン21に巻回された巻線部分に
おいて径方向の最外側に位置するように、一層に巻回さ
れている。つまり、二次コイル22の巻線を二次ボビン
21に巻回する部分のうち、高圧ターミナル7側のイン
ナコア10の拡大部10bを囲繞する部分の端部22h
が、二次ボビン21の径方向の最外側に位置する一層の
巻線から成る。
【0027】図1乃至図4の上端の鍔部21aには、そ
の外周に沿って環状の溝21eが形成されている。そし
て、二次コイル22の低圧側には二次ターミナル18が
設けられており、その基端部が鍔部21aの溝21eに
嵌合され、その先端部18a(図4)がクランク状に屈
曲されつつ軸方向に延出するように形成されている。而
して、二次コイル22の巻線の低圧側の端部は鍔部21
aの軸方向の溝21f(図3)から導出され、二次ター
ミナル18の基端部に巻き付けられる。一方、図1乃至
図4に示すように二次ボビン21の延出部21c,21
dには二次ターミナル17が装着され、延出部21d側
の脚部17dに二次コイル22の巻線の高圧側の端部が
接続される。
【0028】二次ターミナル17は導電材料の板体がコ
字状に折曲されたもので、その基板部17bの中央に、
係合突起を有する孔17aが形成されており、これに高
圧ターミナル7の先端部が係合される。脚部17cは延
出部21cに、脚部17dは延出部21dに夫々係止さ
れる。二次コイル22の巻線の端部は、脚部17dに形
成された凹部17eを経由して爪17fに係止され、こ
の状態で凹部17eに半田(図3に17gで表す)が付
着される。而して、二次コイル22の巻線は二次ボビン
21に巻回された後、直ちに二次ターミナル17に接続
される。
【0029】ケース60に一体的に形成されたコネクタ
部60cの中には、図2に示すように、第1乃至第4の
コネクタターミナル61乃至64が平行に配置されてい
る。これら第1乃至第4のコネクタターミナル61乃至
64の基端部側にはイグナイタターミナル(図示せず)
が接続されている。更に、コネクタターミナル61,6
3にはイグナイタターミナルと共に一次ターミナル1
5,16が接続され、一次コイル12への通電が断続制
御されるように構成されている。第1のコネクタターミ
ナル61は電源(図示せず)に接続されるもので、この
基端部にはイグナイタターミナルと共に一次ターミナル
15が接続されている。この一次ターミナル15の孔1
5aには、図5に示すように、二次ターミナル18の先
端部18aが挿通され、図4に示す状態で半田接合され
る。
【0030】上記の構成になる点火コイルの製造及び組
付に当たっては、前述のように複数(例えば8種類で2
6枚)の珪素鋼板がスタッキングによって接合されイン
ナコア10が構成される。このインナコア10の中間部
10a及び拡大部10bの外面に図11乃至図14に示
すように絶縁塗膜11が形成され、この中間部の絶縁塗
膜11a上に一次コイル12の巻線が巻回される。そし
て、ホルダ14がインナコア10に装着され、一次コイ
ル12の巻線の両端部が一次ターミナル15,16に接
続された後、図22に2点鎖線で示すように弾性層19
がモールド成形され、一次コイルアセンブリが形成され
る。
【0031】一方、アウタコア30が珪素鋼板によって
円筒状に形成されてケース60のコイル部60aの外側
に圧入され、あるいは珪素鋼板がコイル部60aの外側
に巻回される。また、二次ボビン21に二次コイル22
が巻装されて二次コイルアセンブリ20が形成され、上
記一次コイルアセンブリが二次ボビン21の中空部内に
収容される。続いて、補助コア40を内蔵したホルダ4
9,49xに夫々永久磁石50が収容され、インナコア
10の軸方向の両端部に装着される。更に、二次ボビン
21に二次ターミナル17,18が装着された後、二次
コイル22の巻線が二次ターミナル17,18に電気的
に接続される。このように二次ボビン21に二次ターミ
ナル17,18が装着された状態でケース60内に収容
される。更に、高圧ターミナル部60bに高圧ターミナ
ル7が圧入され、二次ターミナル17と電気的に接続さ
れる。
【0032】そして、ケース60のイグナイタ部60d
にイグナイタ8が収容され、コネクタターミナル61乃
至64に接続されると共に、一次ターミナル15,16
が夫々コネクタターミナル61,63に接続される。而
して、二次コイル22の巻線の一端は二次ターミナル1
8及び一次ターミナル15を介してコネクタターミナル
61に接続され、他端は二次ターミナル17を介して高
圧ターミナル7に接続される。
【0033】この後、コイル部60a及びイグナイタ部
60d内に絶縁材料のエポキシ樹脂が充填、硬化されて
図1及び図2に点描で示すように絶縁部13がコイル部
60a内に形成される(尚、その他の図面では13を省
略している)。これにより、一次コイル12及び二次コ
イル22が含侵固着されると共に、電気的接続部が適切
に絶縁され、更に二次コイル22の出力高電圧に耐え得
る電気的絶縁性が確保される。尚、図25に示すコイル
部60a及び高圧ターミナル部60bとイグナイタ部6
0d及びコネクタ部60cとを、別体として形成し、コ
イル部60aとイグナイタ部60dを接合することとし
てもよい。
【0034】而して、本実施形態の内燃機関用点火コイ
ルは図25に示す外形を呈し、プラグキャップ70がコ
イル部60a及び高圧ターミナル部60bの外側に装着
される。このプラグキャップ70を介して、内燃機関
(図示せず)に装着され、点火プラグ(図示せず)に接
続される。この状態で一次コイル12の一次電流が断続
されると、二次コイル22に逆起電力が誘起され30乃
至40kvの高電圧が発生し、この高電圧は点火プラグ
に出力される。これにより、各点火プラグの電極部に火
花放電が生じ、各燃焼室(図示せず)内の圧縮混合気が
着火される。
【0035】このように、本実施形態の内燃機関用点火
コイルにおいては、インナコア10の中間部10aの全
断面を磁気回路とすることができると共に、これより大
きな断面積を有する拡大部10bによって磁束の漏洩を
防止し、有効磁束密度を大とすることができる。而し
て、所定の点火性能を維持しつつ、装置全体を小型に形
成することができる。特に、本実施形態においては、ホ
ルダ14によって一次ターミナル15,16をインナコ
ア10の一端部に適切に保持することができ、一次コイ
ル12の巻線を容易且つ確実に一次ターミナル15,1
6に接続することができる。しかも、ホルダ14を堰と
して弾性材料をモールドすることができるので、容易且
つ適切に弾性層19を形成することができる。
【0036】図23及び図24は一次コイルアセンブリ
の他の実施形態を示すもので、本実施形態の一次コイル
アセンブリは、インナコア10及びホルダ14がエラス
トマーによってモールドされて弾性層19が形成され、
この弾性層19には鍔部19a,19bが形成されてい
る。そして、これら鍔部19a,19b間、即ち中間部
10aを囲繞する部分の弾性層19に一次コイル12の
巻線が巻回されている。
【0037】而して、本実施形態においては前述の実施
形態の絶縁塗膜11は不要となり、前述の実施形態と同
様に、ホルダ14によって一次ターミナル15,16を
インナコア10の一端部に適切に保持することができる
と共に、ホルダ14を堰として容易且つ適切に弾性層1
9をモールド成形することができる。尚、その他の構成
は前述の実施形態と実質的に同じであるので説明を省略
する。
【0038】
【発明の効果】本発明は上述のように構成されているの
で以下に記載の効果を奏する。即ち、本発明の内燃機関
用点火コイルにおいては、柱状部材の一端部に嵌合する
枠体を有し該枠体に一次ターミナルを保持するホルダを
備え、請求項1に記載のように、柱状部材少くとも中間
部に絶縁塗膜を形成し、ホルダを柱状部材の一端部に嵌
合した状態で、中間部の絶縁塗膜上に一次コイルの巻線
を巻回して一次ターミナルに接続した後に、ホルダ及び
一次コイルを含み柱状部材の全長に亘って絶縁性を有す
る弾性材料をモールドして弾性層を形成するように構成
され、あるいは請求項2に記載のように、ホルダを含み
柱状部材の全長に亘って絶縁性を有する弾性材料をモー
ルドして弾性層を形成した後に、該弾性層の外面に一次
コイルの巻線を巻回して一次ターミナルに接続するよう
に構成されているので、ホルダによって一次ターミナル
を柱状部材の一端部に適切に保持することができると共
に、一次コイルの巻線を容易且つ確実に一次ターミナル
に接続することができる。しかも、ホルダを堰として弾
性材料をモールドすることができるので、容易且つ適切
に弾性層を形成することができる。
【0039】また、請求項3に記載のように、一次ター
ミナルの一次コイルの巻線との接続端部がホルダの側面
に露出するように一次ターミナルを配置し、一次コイル
の巻線を一次ターミナルの接続端部に接続する構成とす
れば、容易且つ確実に一次コイルの巻線の接続端部を一
次ターミナルに接続することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る内燃機関用点火コイ
ルの縦断面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る内燃機関用点火コイ
ルの縦断面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る内燃機関用点火コイ
ルの部分断面図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る内燃機関用点火コイ
ルの部分断面図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る内燃機関用点火コイ
ルのコイル部の横断面図で、図2のA−A線断面図であ
る。
【図6】本発明の一実施形態に係る内燃機関用点火コイ
ルのコイル部の横断面図で、図2のB−B線断面図であ
る。
【図7】本発明の一実施形態に係る内燃機関用点火コイ
ルのコイル部の横断面図で、図2のC−C線断面図であ
る。
【図8】本発明の一実施形態に係る内燃機関用点火コイ
ルのコイル部の横断面図で、図2のD−D線断面図であ
る。
【図9】本発明の一実施形態に係る内燃機関用点火コイ
ルのコイル部の横断面図で、図2のE−E線断面図であ
る。
【図10】本発明の一実施形態に係る内燃機関用点火コ
イルのコイル部の横断面図で、図2のF−F線断面図で
ある。
【図11】本発明の一実施形態におけるインナコアの平
面図である。
【図12】本発明の一実施形態におけるインナコアの側
面図である。
【図13】本発明の一実施形態におけるインナコアの正
面図である。
【図14】本発明の一実施形態におけるインナコアの中
間部の断面図である。
【図15】本発明の一実施形態におけるインナコアに一
次コイルを巻装した状態を示す正面図である。
【図16】本発明の一実施形態におけるインナコアに一
次コイルを巻装した状態を示す平面図である。
【図17】本発明の一実施形態におけるインナコアに一
次コイルを巻装した状態を示す側面図である。
【図18】本発明の一実施形態における一次ターミナル
の正面図である。
【図19】本発明の一実施形態における一次ターミナル
用ホルダの平面図である。
【図20】本発明の一実施形態において一次ターミナル
をホルダに装着した状態を示す平面図である。
【図21】本発明の一実施形態において一次ターミナル
をホルダに装着した状態を示す正面図である。
【図22】本発明の一実施形態において一次コイルを巻
装後インナコアに弾性層を形成する状態を示す正断面図
である。
【図23】本発明の他の実施形態に係り、インナコアに
弾性層を形成した後一次コイルを巻装した実施形態を示
す正断面図である。
【図24】本発明の他の実施形態においてインナコアに
一次コイルを巻装した状態を示す正面図である。
【図25】本発明の一実施形態に係る内燃機関用点火コ
イルの斜視図である。
【符号の説明】
8 イグナイタ 10 インナコア(柱状部材) 10a 中間部 10b 拡大部 11,11a,11b 絶縁塗膜 12 一次コイル 13 絶縁部 14 ホルダ 15,16 一次ターミナル 17,18 二次ターミナル 19 弾性層 20 二次コイルアセンブリ 21 二次ボビン 22 二次コイル 30 アウタコア 40 補助コア 49,49x ホルダ 50 永久磁石 60 ケース

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性体の柱状部材に少なくとも一次コイ
    ルを巻装し、該一次コイルの巻線を接続する一次ターミ
    ナルを、前記柱状部材の一端部に保持する内燃機関用点
    火コイルにおいて、前記柱状部材の一端部に嵌合する枠
    体を有し該枠体に前記一次ターミナルを保持するホルダ
    を備え、前記柱状部材の少くとも中間部に絶縁塗膜を形
    成し、前記ホルダを前記柱状部材の一端部に嵌合した状
    態で、前記絶縁塗膜上に前記一次コイルの巻線を巻回し
    て前記一次ターミナルに接続した後に、前記ホルダ及び
    前記一次コイルを含み前記柱状部材の全長に亘って絶縁
    性を有する弾性材料をモールドして弾性層を形成するこ
    とを特徴とする内燃機関用点火コイル。
  2. 【請求項2】 磁性体の柱状部材に少なくとも一次コイ
    ルを巻装し、該一次コイルの巻線を接続する一次ターミ
    ナルを、前記柱状部材の一端部に保持する内燃機関用点
    火コイルにおいて、前記柱状部材の一端部に嵌合する枠
    体を有し該枠体に前記一次ターミナルを保持するホルダ
    を備え、該ホルダを含み前記柱状部材の全長に亘って絶
    縁性を有する弾性材料をモールドして弾性層を形成した
    後に、該弾性層の外面に前記一次コイルの巻線を巻回し
    て前記一次ターミナルに接続することを特徴とする内燃
    機関用点火コイル。
  3. 【請求項3】 前記一次ターミナルの前記一次コイルの
    巻線との接続端部が前記ホルダの側面に露出するように
    前記一次ターミナルを配置し、前記一次コイルの巻線を
    前記一次ターミナルの接続端部に接続することを特徴と
    する請求項1又は2記載の内燃機関用点火コイル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003017341A (ja) * 2001-06-29 2003-01-17 Diamond Electric Mfg Co Ltd 内燃機関用点火コイル

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