JPH10241750A - 電池部材の回収方法および回収システム - Google Patents

電池部材の回収方法および回収システム

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JPH10241750A
JPH10241750A JP36605797A JP36605797A JPH10241750A JP H10241750 A JPH10241750 A JP H10241750A JP 36605797 A JP36605797 A JP 36605797A JP 36605797 A JP36605797 A JP 36605797A JP H10241750 A JPH10241750 A JP H10241750A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 集電体上に活物質層を形成してなる電極を用
いた電池の活物質層と集電体を分離して電池を構成する
部材を回収する方法および回収システムを提供する。 【解決手段】 少なくとも活物質層と集電体から成る電
極を有する電池の構成部材の回収方法において、回収し
た電池のハウジングを開封後、電極を取り出し、電極を
選別し、該電極に少なくとも冷却による熱衝撃を与える
ことによって集電体から活物質層を分離する工程を含む
電池部材の回収方法および回収システム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電池を構成する部
材の回収方法および回収システムに係り、より詳細に
は、電極を構成する部材を分離回収する方法および回収
システムに関する。
【0002】
【従来の技術】最近、大気中に含まれるCO2 ガス量が
増加しつつある為、温室効果により地球の温暖化が生じ
ると予測されている。火力発電所では化石燃料などを燃
焼させて得られる熱エネルギーを電気エネルギーに変換
しているが、燃焼によりCO2ガスを多量に排出する新
たな火力発電所は、建設することが難しくなって来てい
る。したがって、火力発電所などの発電機にて作られた
電力の有効利用として、余剰電力である夜間電力を―般
家庭に設置した二次電池に蓄えて、これを電力消費量が
多い昼間に使用して負荷を平準化する、いわゆるロード
レベリングが提案されている。
【0003】また、COx、NOx、CHなどを含む大気
汚染物質を排出しないという特徴を有する電気自動車用
途では、高エネルギー密度の二次電池の開発が期待され
ている。さらに、ブック型パーソナルコンピューター、
ワードプロセッサー、ビデオカメラ及び携帯電話などの
ポータブル機器の電源用途では、小型・軽量で高性能な
二次電池の開発が急務になっている。
【0004】上記小型・軽量で高性能の具体的な二次電
池としては、いわゆるニッケル−水素(吸蔵合金)蓄電
池やリチウムイオン二次電池が開発されている。
【0005】ニッケル−水素(吸蔵合金)蓄電池は、負
極の活物質層に水素を貯蔵できる水素吸蔵合金を用いて
水素イオンの出し入れを利用した蓄電池である。上記負
極活物質の水素吸蔵合金にミッシュメタルを用いたもの
は、一般的にミッシュメタル粉を樹脂である結着剤で集
電体に結着させて負極が形成されている。正極は多孔質
ニッケルに活物質である水酸化ニッケルを充填して形成
されている。
【0006】リチウムイオン二次電池は、黒鉛などのカ
ーボン材を負極活物質に、リチウムイオンを層間化合物
に導入したものを正極活物質に用い、カーボン材の層間
に充電反応でリチウムを挿入して蓄えるロッキングチェ
アー型蓄電池である。上記負極はカーボン材を樹脂の結
着剤で集電体箔に結着させて形成されている。正極は、
活物質の、リチウムと遷移金属の酸化物の粉に非晶質カ
ーボンの導電補助材を加え樹脂の結着剤で集電体箔上に
結着させて形成されている。
【0007】携帯機器の発展とともに、多くの電池が使
用され、今後環境保全の立場から、廃棄された電池は回
収し再利用することが望まれるようになると予想され
る。
【0008】しかし、上述したように、ニッケル−水素
(吸蔵合金)蓄電池もリチウムイオン二次電池も、特
に、安定な性能を得るために、集電体材上に活物質を強
固に接着させて電極を形成しているために、活物質を集
電体から分離して回収するのが容易ではなく、よい分離
回収方法が求められることになって来ると予想される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、集電体材上
に活物質層を形成してなる電極を用いた電池の部材回収
において、活物質層と集電体を分離して、電池を構成す
る部材を回収する方法及び回収システムを提供すること
を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも活
物質層と集電体から成る電極を有する電池の構成部材の
回収方法において、回収した電池のハウジングを開封
後、電極を取り出し、電極を選別し、該電極に少なくと
も冷却による熱衝撃を与えることによって集電体から活
物質層を分離する工程を含むことを特徴とする電池部材
の回収方法である。
【0011】本発明の電池部材の回収方法において、前
記冷却工程を1回または複数回繰り返して行なうことが
好ましい。前記熱衝撃の工程が少なくとも1回加熱を含
み、前記加熱を少なくとも1回または複数回繰り返して
行なうことが好ましい。
【0012】また、前記集電体から活物質層を分離する
工程において、少なくとも電極に衝撃エネルギー若しく
は振動エネルギーを供与して、集電体から活物質層を剥
離し分離する工程を含むことが好ましい。
【0013】また、少なくとも活物質層と集電体から成
る電極の細孔部に、凝固時に体積膨張する液状物質を充
填した後、急速に冷却して液状物質を凝固及び体積膨張
させて、集電体から活物質層を分離することが好まし
い。
【0014】前記凝固時に体積膨張する液状物質の主成
分が水であることが好ましい。前記凝固時に体積膨張す
る液状物質に界面活性剤が添加してあることが好まし
い。前記回収すべき活物質層の細孔への液状物質の充填
が、減圧下で行われることが好ましい。
【0015】前記部材が回収されるべき電池の電極に少
なくとも結着剤が使用されており、前記冷却温度が、該
結着剤のガラス転移温度以下であることが好ましい。少
なくとも活物質層と集電体の分離後に活物質層を前記結
着剤のガラス転移温度以下に急速に冷却し、粉砕する工
程を含むことが好ましい。前記電極に熱衝撃を与える工
程で、電極を液体窒素に浸すことにより冷却することが
好ましい。
【0016】また、本発明は活物質層と集電体から成る
電極を有する電池の構成部材の回収装置において、少な
くとも電池部材を回収する電池ハウジングを開封する手
段、該ハウジング内の電池構成材料を取り出し洗浄する
手段、電極を選別する手段、電極の冷却による熱衝撃を
加えて集電体から活物質層を剥離分離する手段を具備す
ることを特徴とする電池部材の回収装置である。
【0017】前記熱衝撃印加手段が、少なくとも加熱す
る手段をも有していることが好ましい。前記集電体から
活物質層を剥離分離する手段が、少なくとも電極に衝撃
エネルギー若しくは振動エネルギーを供与して、集電体
から活物質層を剥離分離する手段を含むことが好まし
い。
【0018】電極を選別した後に、活物質層と集電体か
ら成る電極の細孔部に、凝固時に体積膨張する液状物質
を充填する手段と、該液状物質の充填後に該電極を冷却
する手段を有することが好ましい。前記電極の冷却を前
記液状物質の凝固点以下まで冷却することにより行うこ
とが好ましい。
【0019】前記電極の細孔部に液状物質を充填する手
段が、少なくとも液状物質と電極を収納する容器と、該
容器を減圧にするための排気手段を有することが好まし
い。前記液状物質と電極を収納する容器に、前記液状物
質を液状物質貯蔵タンクから供給し、前記液状物質を該
貯蔵タンクに戻す手段が少なくとも設けられていること
が好ましい。
【0020】前記液状物質に、少なくとも水を主成分と
する液体を用いることが好ましい。前記電極に熱衝撃を
与える冷却手段に液体窒素を用いることが好ましい。
【0021】さらに、本発明は、上記の電池部材の回収
方法により回収された電極の活物質の材料及び/又は集
電体を用いて新たな電池を作製することを特徴とする電
池の製造方法である。
【0022】本発明では、少なくとも活物質層と集電体
から成る電極を有した、電池の構成部材の回収方法にお
いて、電極に冷却による、好ましくは急速冷却による熱
衝撃を与えることによって、変性させることなく集電体
から活物質層を容易に分離することが可能になる。ま
た、上記集電体から活物質層を分離剥離する際に、熱衝
撃とともに衝撃エネルギー若しくは振動エネルギーを付
与することによって、さらに剥離が容易になる。
【0023】本発明における冷却による熱衝撃とは、冷
却工程のみ、又は冷却工程と加熱工程を組み合わせた材
料の急激な収縮膨張処理である。前記冷却工程は1回ま
たは複数回繰り返して行なってもよく、また加熱工程も
1回または複数回繰り返して行なってもよい。
【0024】またさらに、前記電池部材の回収方法にお
いて、少なくとも活物質層と集電体から成る電極の細孔
部に、凝固時に体積膨張する液状物質を充填し、冷却し
て、好ましくは急速に冷却して液状物質を凝固させて膨
張させ、活物質層を破壊して、集電体から活物質を剥離
分離することが容易にできる。上記液状物質に界面活性
剤を添加することによって液状物質と活物質層とのぬれ
性をよくして、液状物質の浸入を容易にする。
【0025】本発明は、上述したような電池部材の回収
方法、特に集電体上に形成した活物質層の剥離分離に関
するものであるので、電池が一次電池、二次電池の如何
に係らず、集電体上に活物質層が形成されている構造の
電池であれば、電池を構成する部材の回収方法として有
効である。
【0026】さらに、本発明は、活物質層と集電体から
成る電極を有した、電池の構成部材の回収システム(回
収装置)において、少なくとも、電池部材を回収する電
池ハウジングを開封する手段、該ハウジング内の電池構
成材料を取り出し洗浄する手段、正極と負極の電極を選
別する手段、電極の冷却を主とした熱衝撃を加えて集電
体から活物質を剥離分離する手段を具備することによっ
て、特に電極の集電体に固着した活物質層を容易に剥離
し、電極を構成する集電体、活物質を容易に回収できる
ことになり、電池部材の再利用も容易になる。
【0027】前記電池部材の回収方法において、熱衝撃
手段に、少なくとも急速に加熱することによって、熱衝
撃の度合いを大きくして、集電体に固着した活物質層の
剥離が容易になる。
【0028】また、前記電池部材の回収方法において、
正極と負極を選別した後に、活物質層と集電体から成る
電極の細孔部に、凝固時に体積膨張する液状物質を充填
し、該液状物質の充填後に該電極を該液状物質の凝固点
以下に冷却することによって、いっそう電極の集電体に
固着した活物質層の剥離が容易になる。
【0029】前記電極の細孔部に液状物質を充填する手
段として、少なくとも液状物質と電極を収納する容器
と、該容器を減圧にするための排気手段とから構成する
ことによって、電極の活物質層の細孔の奥まで、十分に
液状物質を充填できるようになり、後の液状物質の凝固
による活物質の集電体からの剥離が極めて容易になる。
【0030】前記液状物質と電極を収納する容器に、前
記液状物質を液状物質貯蔵タンクから供給し、前記液状
物質を該貯蔵タンクに戻す手段を設けることによって、
液状物質の再利用をはかることができる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施態様例を、
図1、図2、図3及び図4を参照して説明する。図4
は、本発明で回収する電池の基本構成を示した概略断面
構成図である。図4において、電池の構成は、負極集電
体上207に負極活物質層208が形成された負極20
1、および正極集電体209上に正極活物質層210が
形成された正極202が、該負極201と正極202の
間に電解質を含んだセパレータ203を挟んで電池ハウ
ジング(電槽)204に挿入され、電池ハウジングの蓋
の負極の出入力端子(負極端子)205と正極の出入力
端子(正極端子)206に、それぞれ、負極集電体20
7と正極集電体209から引き出されたリードが接続さ
れている。尚、本発明では「活物質」とは、電池におけ
る充電及び放電の電気化学的可逆反応(のくり返し)に
関与する物質である。更に、上記の物質であって、自身
で上記反応に関与し、他の上記反応に関与する物質をも
包含する。
【0032】図1は、本発明の電池部材の回収方法の主
要工程によるフローチャートの―例を示す図である。図
1に添って本発明の図4の電池を例として、その部材の
回収方法を説明する。分解回収を効率的に行うために、
先ず、使用済みの電池を形状あるいは型式別に分別する
(第1工程)。次に、電池ハウジング204の開封を行
う(第2工程)。ついで、電池ハウジング内の構成部材
である、負極201、正極202、セパレータ203を
取り出し(第3工程)、溶剤で洗浄して、電解液などの
付着物を除去する(第4工程)。もちろん、別工程で洗
浄液から電解液の回収は行う。その後、負極20l、正
極202、セパレータ203など、各構成部材の選別を
行う(第5工程)。次に、正極202部分と負極201
部分にそれぞれ分けて、冷却、好ましくは急冷、更に必
要に応じて急加熱によって、電極の集電体(207、2
09)と活物質(208、210)に熱衝撃を加える
(第6工程)。このとき、任意に音波などの振動エネル
ギーを加えて剥離を容易にしてもよい(第7工程)。
【0033】さらに、第6、7工程において、あるいは
第5工程後、第6、7工程を行わず、凝固時に体積膨張
する液状物質を電極の活物質層の細孔に充填し(第8工
程)、ついで冷却、好ましくは充填した液状物質の凝固
点以下に冷却し、電極の細孔中の液状物質を体積膨張さ
せ、活物質層の集電体からの剥離を完全にする(第9工
程)。かかる工程においても任意に音波などの振動エネ
ルギーを加えてもよい。続いて、集電体と活物質を実質
的に完全に分離して回収する(第10工程)。尚、好ま
しくは活物質層と集電体を分離した後、活物質層をこれ
に含まれる結着剤のガラス転移温度以下に冷却し粉砕す
ることができる。
【0034】上記の様子を図2に示した。図2は、電極
の細孔中の液状物質を体積膨張させ、活物質層を集電体
から剥離する状態を示す断面概念図である。同図は、本
発明の回収方法において、電極の活物質層の細孔に、凝
固時に体積膨張する液状物質を充填して冷却して、電極
の細孔中の液状物質を体積膨張させ、活物質層の集電体
からの剥離をするための操作での(第7〜9工程)、電
極の状態を説明している。図2(a)は集電体101上
に設けられた活物質層102から成る電極100の模式
断面図、図2(b)は電極の活物質層の細孔に液状物質
103を充填させた模式断面図、図2(c)は電極の活
物質層の細孔の液状物質を凝固させ体積膨張させた時の
模式断面図である。104は凝固点以下に冷却して体積
膨張した液状物質、105は集電体より剥離した活物質
を示す。
【0035】また、図3は、本発明の電池部材の回収シ
ステムの一部である上記第8及び第9工程によって、電
極の活物質層の細孔に凝固時に体積膨張する液状物質を
充填する装置の―例を示す概略構成図である。図3の装
置は、電極100を収納する電極収納容器107、電極
を収納する容器の排気をして減圧にするための真空ポン
プのような排気手段108、液状物質106を貯蔵する
液状物質貯蔵タンク111、真空ポンプによる排気時に
真空ポンプヘの液状物質の到達を防ぐための冷却トラッ
プ109、圧縮ガスの供給源からの圧縮ガス1l0、電
極収納容器とトラップと排気手段を結ぶ排気管112、
電極収納容器と液状物質貯蔵タンクを結ぶ送液管11
3、圧縮ガスを電極収納容器に送るための送ガス管11
4から構成されている。排気管、送ガス管、送液管には
それぞれバルブを設けてある。
【0036】図3に基づいて、より具体的に説明する。
電池ハウジングを開封し、取り出した電極を洗浄後に、
電極の細孔部に凝固時に体積膨張する液状物質を充填す
る手順を説明する。まず、電極を電極収納容器107に
収納し、排気手段108の真空ポンプを作動し、排気バ
ルブ116及び117を開け排気管112、117′を
通して、減圧にし、排気バルブ116,117及び容器
バルブ115を閉める。次に、送液パルブ119及び1
20を開けて、液状物質106を貯蔵タンク111から
電極収納容器107に導入する。この時、電極100の
細孔部に液状物質が挿入される。ついで、送ガスバルブ
118と容器バルブ115を開けて、液状物質106を
貯蔵タンク111に戻す。細孔部に液状物質106を充
填した電極100は、液状物質の凝固点以下に冷却し
て、電極の細孔部に充填した液状物質を凝固させ体積膨
張を起こして、電極の集電体から活物質層を剥離する。
【0037】続いて、上述した電池部材の回収方法にお
ける主要な工程について詳細に説明する。
【0038】[開封](第2工程) 電池ハウジングの開封を行う開封手段の例としては、高
圧水、エネルギービーム、機械切断などが挙げられる。
高圧水による切断は、1,000kg/cm以上、好
ましくは3,000kg/cm以上の超高圧の水をノ
ズルからジェット状にして電池ハウジングに吹きつけて
切断するものである。電池ハウジングの材質に応じて超
高圧水に研磨材を混合し吹きつけて切断することも可能
である。上記開封手段のエネルギービームの例として
は、レーザービーム、電子ビームなどが挙げられる。上
記開封手段の機械的切断の手段としては、円盤状の刃を
高速回転して切断する装置、シェアなどが挙げられる。
【0039】[電池構成部材の洗浄](第4工程) 電池ハウジングの開封後に、電池構成部材を洗浄する。
洗浄後に、各構成部材ごとに選別し、回収工程にまわ
し、回収をする。この洗浄工程によって、電解液の回収
が可能になると同時に、電池ハウジング、電極、セパレ
ータなどの電池構成部材に付着した電解液を取り除き、
後工程での各部材の回収を容易にする。
【0040】洗浄に用いる溶剤には、電解液が水溶液で
あれば水を、非水溶液であれば有機溶剤を使用するのが
好ましい。有機溶剤の具体例としては、メタノール、ア
セトン、1,2−プロパンジオール、ジメチルスルホキ
シド、ブチロラクトン、プロピレンカ−ボネートなどが
挙げられる。
【0041】[正極と負極の選別](第5工程) 特に、電池製造時に、あらかじめ正極と負極の内いずれ
か―方のみに強磁性材料を用いた電極構造を採用した構
成の電池であれば、電池部材の回収時に、電磁石で強磁
性材料を含む電極を引きつけることによって、正極と負
極を容易に選別することが可能になる。
【0042】[熱衝撃の印加](第6工程) 熱衝撃を加える時の冷却及び加熱における操作前後の温
度差は100℃以上であることが好ましく、200℃以
上であることがより好ましい。熱衝撃を加えるための加
熱温度は材料(例えば結着剤等)の変質する温度未満で
あることが必要である。加熱速度は、より好ましくは2
0℃/分以上となるように設定する。
【0043】熱衝撃を加える時の冷却速度は、5℃/秒
以上であることが好ましく、10℃/秒以上であること
が好ましい。電極が集電体に活物質を結着剤で結着させ
て形成されている場合には、結着剤のガラス転移点以下
に冷却することが好ましく、急速に冷却するのがより好
ましい。
【0044】また、電極の活物質層の細孔に、凝固時に
体積膨張する液状物質を充填させた後、該液状物質の凝
固点以下まで冷却、より好ましくは急速に冷却して、電
極の集電体から活物質を剥離分離して活物質と集電体材
を回収する場合(後述する第8、9工程)には、冷却温
度は、該液状物質の凝固点以下である。より具体的な冷
却温度の範囲としては、0℃以下が好ましく、−20℃
以下がより好ましい。
【0045】より具体的な冷却手段としては、不燃性の
圧縮ガスを利用した急速な冷却、液化ガスあるいは寒剤
による冷却などの冷却方法が挙げられる。液化ガスとし
ては、液体窒素、液体ヘリウムなどが挙げられ、直接液
化ガスに電極を浸して急速に冷却するか、電極に液化ガ
スの気化した低温のガスを吹きつけて急速に冷却する方
法を取ることができる。寒剤の具体例としては、ドライ
アイス−メタノールあるいはドライアイス−エタノー
ル、氷などが挙げられる。
【0046】[電極の細孔中への液状物質の充填及び体
積膨張](第8、9工程) 少なくとも活物質層と集電体から成る電極の細孔部に、
凝固時に体積膨張する液状物質を充填した後、冷却して
液状物質を凝固させて、集電体から活物質層を分離する
工程において、凝固時に体積膨張する液状物質として主
成分が水である材料を用いることが好ましい。また、凝
固時に体積膨張する液状物質に界面活性剤が添加してあ
ることが好ましい。
【0047】更に、前述の図3に示すシステムにおいて
も説明したように、回収すべき電極の細孔への凝固時に
体積膨張する液状物質の充填が減圧下で行われることが
好ましい。
【0048】上述したような方法により回収された電極
部材(活物質材料、集電体等)やその他の部材を再度用
いて新たな電池を作製することができる。
【0049】本発明でその構成部材を回収する電池の形
状としては、例えば、扁平形、円筒形、直方体形、シー
ト形などがある。又、電池の構造としては、例えば、単
層式、多層式、スパイラル式などがある。その中でも、
スパイラル式円筒形の電池は、負極と正極の間にセパレ
ータを挟んで巻くことによって、電極面積を大きくする
ことができ、充放電時に大電流を流すことができるとい
う特徴を有する。また、直方体形やシート形の電池は、
複数の電池を収納して構成する機器の収納スペースを有
効に利用することができる特徴を有する。
【0050】以下では、図5、図6および図7を参照し
て、電池の形状と構造についてより詳細な説明を行う。
図5は単層式扁平形(コイン形)電池の断面図であり、
図6はスパイラル式円筒形電池の断面図を、図7は直方
体形電池の断面構造を表している。これらの電池は基本
的には図4と同様な構成で、負極、正極、電解質・セパ
レータ、電池ハウジング、出力端子を有する。
【0051】図5と図6と図7において、301と40
2と501は負極、303と408と503は正極、3
05と405と505は負極端子(負極キャップまたは
負極缶)、306と406と506は正極端子(正極缶
または正極キャップ)、307と407と507はセパ
レータ・電解液、310と410はガスケット、400
と500は負極集電体、404は正極集電体、411は
絶縁板、412は負極リード、413は正極リード、4
14と514は安全弁で、509は電池ハウジング(電
槽)である。
【0052】図5に示す扁平型(コイン型)の二次電池
では、正極材料層を含む正極303と負極材料層を備え
た負極301が少なくとも電解液を保持したセパレータ
307を介して積層されており、この積層体が正極端子
としての正極缶306内に正極側から収容され、負極側
が負極端子としての負極キャップ305により被覆され
ている。そして正極缶内の他の部分にはガスケット31
0が配置されている。
【0053】図6に示すスパイラル式円筒型の二次電池
では、正極集電体404上に形成された正極(材料)層
403を有する正極408と、負極集電体400上に形
成された負極(材料)層401を有した負極402が、
少なくとも電解液を保持したセパレーター407を介し
て対向し、多重に巻回された円筒状構造の積層体を形成
している。当該円筒状構造の積層体が、正極端子として
の正極缶406内に収容されている。また、当該正極缶
406の開口部側には負極端子としての負極キャップ4
05が設けられており、正極缶内の他の部分においてガ
スケット410が配置されている。円筒状構造の電極の
積層体は絶縁板411を介して負極キャップ側と隔てら
れている。負極402については負極リード412を介
して負極キャップ405に接続されている。又正極40
8については正極リード413を介して正極缶406と
接続されている。負極キャップ側には電池内部の内圧を
調整するための安全弁414が設けられている。
【0054】以下では、図5や図6に示した電池の組み
立て方法の一例を説明する。 (1)負極層(301、401)と成形した正極層(3
03、403)の間に、セパレータ(307、407)
を挟んで、正極缶(306、406)に組み込む。 (2)電解質を注入した後、負極キャップ(305、4
05)とガスケット(310、410)を組み立てる。 (3)上記(2)を、かしめることによって、電池は完
成する。
【0055】なお、リチウム電池等の材料調製、および
電池の組立は、水分が十分除去された乾燥空気中、又は
乾燥不活性ガス中で行うのが望ましい。
【0056】図7の直方体電池の例では、負極501/
電極液を含有したセパレーター507/正極503から
なる単位セルをセパレーターを介して複数個重ね、並列
接続されており、これらが電池ケース509(電槽)内
に収容されている。負極501は負極端子505に、正
極503は正極端子506に接続されている。また当該
二次電池には後述するような安全弁514が設けられて
いる以下では、図7に示した電池の組立方法の一例を説
明する。 (1)負極501とセパレーター507と正極503か
らなる単位セルをセパレーターを介して複数個重ね集電
体を通じて並列接続した後、電槽509に組み込む。 (2)負極端子505、正極端子506と夫々の電極の
集電体を接続した後、電解質を注入する。 (3)電槽509の蓋を施し密閉することで電池を完成
する。
【0057】上述した電池の例における部材の態様につ
いて説明する。 (電池ハウジング(電槽))本発明における回収電池
の、ハウジング(電槽)としては、電池の正極缶(30
6、406)、及び負極キャップ(305、405)が
挙げられる。外缶の材料としては、ステンレススチール
が好適に用いられる。特に、チタンクラッドステンレス
板や銅クラッドステンレス板、ニッケルメッキ鋼板など
が多用される。図5と図6では正極缶(306、40
6)が電池ケース(ハウジング)を兼ねているため、上
記のステンレススチールが好ましい。ただし、正極缶が
電池ケースを兼用しない509の場合には、電池ケース
(ハウジング)の材質としては、ステンレススチール以
外にも亜鉛などの金属、ポリプロピレンなどのプラスチ
ック、又は、金属若しくはガラス繊維とプラスチックの
複合材が挙げられる。
【0058】(安全弁)本発明の電池には、電池の内圧
が高まった時の安全対策として、安全弁(414、51
4)が備えられている。安全弁としては、例えば、ゴ
ム、スプリング、金属ボール、破裂箔などが使用でき
る。
【0059】(ガスケツト)本発明におけるガスケット
(310、410)の部材としては、例えば、ポリオレ
フィン樹脂、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスルフ
ォン樹脂、各種ゴムが使用できる。電池の封口方法とし
ては、図5と図6のようにガスケットを用いた「かし
め」以外にも、ガラス封管、接着剤、溶接、半田付けな
どの方法が用いられる。また、図6の絶縁板の材料とし
ては、各種有機樹脂材料やセラミックスが用いられる。
【0060】(負極)本発明における回収する電池とし
ては、高性能な蓄電池である、ニッケル−水素(吸蔵合
金)二次電池と、リチウムイオン電池を含めたリチウム
二次電池を、代表例として、挙げることができる。
【0061】リチウム二次電池の負極としては、放電前
の状態でリチウムを保持しているもの、例えば、リチウ
ム金属、リチウムをインターカレートした炭素材料や遷
移金属酸化物や遷移金属硫化物、リチウム合金、などの
主構成物と、少なくとも、集電体から構成されている、
炭素材料などのリチウムをインタカレートする材料は一
般には結着剤で集電体に結着させて活物質層を形成して
いる。
【0062】ニッケル−水素(吸蔵合金)二次電池の負
極としては、ミッシュメタル系や遷移金属合金系の水素
吸蔵合金粉と集電体から形成され、水素吸蔵合金粉は焼
結もしくは結着剤によって集電体に接着した構造になっ
ている。結着剤としてはポリ塩化ビニルやカルボキシメ
チルセルロースが用いられる。
【0063】(負極の集電体)本発明における回収する
電池の負極の集電体は、充放電時の電極反応で消費する
電流を効率よく供給するあるいは発生する電流を集電す
る役目を担っている。したがって、負極の集電体を形成
する材料としては、電導度が高く、かつ、電池反応に不
活性な材質が望ましい。好ましい材質としては、ニッケ
ル、チタニウム、銅、アルミニウム、ステンレススチー
ル、白金、パラジウム、金、亜鉛、各種合金、及び上記
材料の二種以上の複合金属が挙げられる。集電体の形状
としては、例えば、板状、箔状、メッシュ状、スポンジ
状、繊維状、パンチングメタル、エキスパンドメタルな
どの形状が採用できる。
【0064】(正極)本発明における回収する電池とし
ては、高性能な蓄電池である、ニッケル−水素(吸蔵合
金)二次電池と、リチウムイオン電池を含めたリチウム
二次電池を、代表例として、挙げることができる。
【0065】リチウム二次電池における正極は、集電
体、正極活物質、導電補助材、結着剤などから構成され
る。この正極は、正極活物質、導電補助材を混合したも
のを、結着剤で集電体の表面上に結着させて活物質層が
形成されている。
【0066】正極に使用する導電補助剤としては、黒
鉛、ケッチェンブラックやアセチレンブラックなどのカ
ーボンブラック、ニッケルなどの金属微粉末などが挙げ
られる。正極に使用する結着剤としては、例えば、ポリ
エチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン、又は
ポリフッ化ビニリデンやテトラフルオロエチレンポリマ
ーのようなフッ素樹脂が用いられる。
【0067】正極に使用する集電体としでは、負極に使
用する集電体と同様な材料及び形状が使用できる。正極
活物質としては、遷移金属酸化物、遷移金属硫化物、リ
チウム−遷移金属酸化物、又はリチウム−遷移金属硫化
物が一般に用いられる。遷移金属酸化物や遷移金属硫化
物の遷移金属元素としては、例えば、部分的にd殻ある
いはf殻を有する元素であるところの、Sc,Y,ラン
タノイド,アクチノイド,Ti,Zr,Hf,V,N
b,Ta,Cr,Mo,W,Mn,Tc,Re,Fe,
Ru,Os,Co,Rh,Ir,Ni,Pd,Pt,C
u,Ag,Auが挙げられる。特に、第一遷移系列金属
であるTi,V,Cr,Mn、Fe,Co,Ni,Cu
が好適に用いられる。
【0068】ニッケル−水素(吸蔵合金)二次電池の正
極としては、一般的には正極活物質の水酸化ニッケルを
多孔質集電体に充填して形成されている。多孔質集電体
としては、一般的にはニッケル微粉末の焼結体や発泡状
のニッケルが用いられている。
【0069】(正極の集電体)本発明における正極の集
電体は、充放電時の電極反応で消費する電流を効率よく
供給する、あるいは発生する電流を集電する役目を担っ
ている。したがって、正極の集電体を形成する材料とし
ては、電導度が高く、かつ、電池反応に不活性な材質が
望ましい。好ましい材質としては、ニッケル、チタニウ
ム、アルミニウム、ステンレススチール、白金、パラジ
ウム、金、亜鉛、各種合金、及び上記材料の二種以上の
複合金属が挙げられる。集電体の形状としては、例え
ば、板状、箔状、メッシュ状、スポンジ状、繊維状、パ
ンチングメタル、エキスパンドメタルなどの形状が採用
できる。
【0070】(セパレータ)本発明におけるセパレータ
は、負極と正極の短絡を防ぐ役割がある。また、電解液
を保持する役割を有する場合もある。セパレータは、リ
チウムイオンまたは水素イオンなどの移動できる細孔を
有し、かつ、電解液に不溶で安定である必要がある。し
たがって、セパレータとしては、例えば、ガラス、ポリ
プロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィン、フッ
素樹脂、ポリアミドなどの不織布あるいはミクロポア構
造の材料が好適に用いられる。また、微細孔を有する金
属酸化物フィルム、又は、金属酸化物を複合化した樹脂
フィルムも使用できる。
【0071】(電解質)本発明における電解質の使用法
としては、次の3通りが挙げられる。 (1)そのままの状態で用いる方法。 (2)溶媒に溶解した溶液として用いる方法。 (3)溶液にポリマーなどのゲル化剤を添加することに
よって、固定化したものとして用いる方法。
【0072】一般的には、溶媒に電解質を溶かした電解
液を、多孔性のセパレータに保液させて使用する。
【0073】電解質の導電率は、25℃における値とし
て、好ましくは1×l0-3S/cm以上、より好ましく
は5×10-3S/cm以上であることが必要である。リ
チウム電池では、以下に示す電解質とその溶媒が、好適
に用いられる。
【0074】電解質としては、例えば、H2 SO4 、H
Cl、HNO3 などの酸、リチウムイオン(Li+ )と
ルイス酸イオン(BF4 -、PF6 -、C1O4 -、CF3
3 -、BPh4 -(Ph:フェニル基))から成る塩、お
よびこれらの混合塩、が挙げられる。また、ナトリウム
イオン,カリウムイオン,テトラアルキルアンモニウム
イオン,などの陽イオンとルイス酸イオンからなる塩も
使用できる。上記塩は、減圧下で加熱したりして、十分
な脱水と脱酸素を行っておくことが望ましい。
【0075】電解質の溶媒としては、例えば、アセトニ
トリル、ベンゾニトリル、プロピレンカーボネイト、エ
チレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチル
カーボネート、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフ
ラン、ニトロベンゼン、ジクロロエタン、ジエトキシエ
タン、1,2−ジメトキシエタン、クロロベンゼン、γ
−ブチロラクトン、ジオキソラン、スルホラン、ニトロ
メタン、ジメチルサルファイド、ジメチルサルオキシ
ド、ギ酸メチル、3−メチル−2−オキダゾリジノン、
2−メチルテトラヒドロフラン、3−プロピルシドノ
ン、二酸化イオウ、塩化ホスホリル、塩化チオニル、塩
化スルフリル、又は、これらの混合液が使用できる。上
記溶媒は、例えば、活性アルミナ、モレキュラーシー
ブ、五酸化リン、塩化カルシウムなどで脱水するか、溶
媒によっては、不活性ガス中でアルカリ金属共存下で蒸
留して不純物除去と脱水をも行うのがよい。
【0076】電解液の漏洩を防止するために、ゲル化す
ることもまた好ましく、ゲル化剤としては電解液の溶媒
を吸収して膨潤するようなポリマーが用いられる場合も
ある。このようなポリマーとしては、ポリエチレンオキ
サイド、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミドな
どが用いられる。
【0077】ニッケル−水素(吸蔵合金)二次電池で
は、以下に示す電解質が好適に用いられる。電解質とし
ては、例えば、アルカリ(水酸化カリウム、水酸化ナト
リウム、水酸化リチウムなど)が使用される。溶媒とし
ては水が使用される。電解液の漏洩を防止するために、
ゲル化することもまた好ましく、ゲル化剤としては電解
液の溶媒を吸収して膨潤するようなボリマーが用いられ
る場合もある。このようなポリマーとしては、例えば、
ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコール、ポリ
アクリルアミドなどのポリマーや、デンプンが用いられ
る。
【0078】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明を詳細に説明す
る。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
【0079】実施例1 本実施例では、図6に示した円筒形構造のリチウムイオ
ン二次電池を図1のフローシートに基づき、リチウム電
池ハウジングを開封し、洗浄後に各電池を構成する部材
を取り出し、分別回収した。図3の装置を用いて、各電
極の集電体から活物質層を剥離した。
【0080】ここで用いた使用済みのリチウムイオン二
次電池には、黒鉛粉をポリフッ化ビニリデンの結着剤で
銅箔の両面に結着させて活物質層が形成された負極、リ
チウム−コバルト酸化物の正極活物質に導電補助材のア
セチレンブラックを添加したものを結着剤のポリフッ化
ビニリデンで集電体のアルミニウム箔の両面に結着させ
活物質層が形成された正極、ポリエチレン製の微孔セパ
レータ、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカー
ボネート(DEC)の等量混合溶媒に六フッ化リン酸リ
チウム塩(LiPF6 )をlM(mol/l)溶解した
電解液から構成され、セパレータ/正極/セパレータ/
負極の順に積層したものを巻いて正極缶に挿入し、正極
集電体から引き出した正極リードを正極缶に溶接し、負
極集電体から引き出した負極リードを負極キャップに溶
接し、電解液を注入し、負極キャップを正極缶にかぶせ
かしめて作製されてあるリチウムイオン二次電池を用い
た。
【0081】以下では、図1を参照して、図1のフロー
チャートの電池の開封、電極取り出し、洗浄、電極の急
冷による集電体からの活物質の剥離について順次説明す
る。冷却手段としては、液体窒素を使用した。 まず、電池ハウジングの開封時の安全を確保するため
と、より均―な化合物としての活物質を回収するため
に、使用済みの円筒形リチウムイオン二次電池の残存電
気量を放電させた。 放電させた電池をアルゴンガス雰囲気下で、高圧水に
研削材粉を添加しノズルから3500kg/cm2 の高
圧水を吹きつけて電池の負極キャップ部を切断して電池
ハウジングを開封した(第2工程)。
【0082】開封した電池の正極缶から負極部分と正
極部分とセパレータを取り出し(第3工程)、メタノー
ルで洗浄し、電解液を回収した後、水洗とメタノール洗
浄を施した(第4工程)。 負極部分、正極部分、セパレータに分離した(第5工
程)。
【0083】負極部分を図3の装置の電極収納容器1
07に入れた後、真空ポンプで排気して減圧にした後、
容器バルブ115を閉じて液状物質貯蔵タンク111に
貯蔵してあったメタノールl0重量%水溶液を送液バル
ブ119,120を開けて電極収納容器107内に導入
し、負極の活物質層の細孔にメタノール水溶液を充填し
た(第8工程)。次に、送ガスバルブ118と容器バル
ブ115を開けて電極収納容器107に圧縮空気を入れ
てメタノール10重量%水溶液を貯蔵タンク111に戻
し、送ガスバルブを閉めた後、メタノール水溶液を活物
質の細孔に充填した電極を取り出し、液体窒素に浸し、
15℃の液温からマイナス196℃に10℃/秒の速度
で急冷して、電極の活物質中の細孔に浸入した水を凍ら
せ結着剤をガラス状態にして、ハンマーで衝撃を加え
て、完全に集電体から活物質層を剥離分離し(第9工
程)、集電体の銅箔と活物質層の黒鉛及び結着剤を回収
した(第10工程)。 上記と同様の操作で、正極部分を処理し、完全に集
電体から活物質を剥離分離し、集電体のアルミニウム箔
と活物質層のリチウム−コバルト酸化物、導電補助剤及
び結着剤を回収した。
【0084】実施例2 本実施例では、図6に示した円筒形構造のリチウム一次
電池を図1のフローシートに基づき、リチウム電池ハウ
ジングを開封し、洗浄後に各電池を構成する部材を取り
出し、分別回収した。
【0085】ここで用いた使用済みのリチウム一次電池
には、負極がニッケルのエクスパンドメタルにリチウム
金属箔を圧着して形成されたもの、正極が二酸化マンガ
ンの正極活物質に導電補助材のアセチレンブラックと結
着剤のポリフッ化ビニリデンとを混合し、N−メチルピ
ロリドンを添加して調製したペーストをニッケルメッシ
ュに塗布し乾燥して形成されたもの、電解質がプロピレ
ンカーボネートの溶媒に四フッ化ホウ酸リチウム塩を1
M(mol/l)溶解した電解液から構成され、セパレ
ータ/正極/セパレータ/負極の順に積層したものを巻
いて正極缶に挿入し、正極集電体から引き出した正極リ
ードを正極缶に溶接し、負極集電体から引き出した負極
リードを負極キャップに溶接し、電解液を注入し、負極
キャップを正極缶にかぶせかしめて作製されてあるリチ
ウム一次電池を用いた。
【0086】以下では、図1を参照して、図1のフロー
チャートの電池の開封、電極取り出し、洗浄、電極の急
冷による集電体からの活物質の剥離について順次説明す
る。冷却手段としては、液体窒素を使用した。 まず、電池ハウジングの開封時の安全を確保するため
と、より均一な化合物としての活物質を回収するため
に、使用済みの円筒形リチウム一次電池の残存電気量を
放電させた。 放電させた電池をアルゴンガス雰囲気下で、円盤状の
刃を高速回転したカッターで電池の負極キャップ部を切
断して電池ハウジングを開封した(第2工程)。
【0087】開封した電池の正極缶から負極部分と正
極部分とセパレータを取り出し(第3工程)、アセトン
で洗浄し(第4工程)、電解液を除去した後、負極部
分、正極部分、セパレータに分離した(第5工程)。正
極部分とセパレータには水洗とメタノール洗浄を施し
た。 負極部分は、アルゴンガス雰囲気下で、10℃以下の
冷水を徐々に反応させて、ニッケルの集電体に付着して
いる金属リチウムを水酸化リチウムに変えて、ニッケル
集電体と水酸化リチウムを回収した。また、全属リチウ
ムと水との反応で発生した水素はパラジウム利用の分離
器で分離でき、アルゴンガスと水素ガスを回収できた。
【0088】正極部分を非イオン性界面活性剤を添加
した純水に浸して、37,000〜47,000ヘルツ
の超音波を発生する超音波洗浄器を用いて、集電体から
活物質をある程度剥離した(第7工程)。 非イオン性界面活性剤を添加した純水から取り出した
活物質層の残存している正極部分を液体窒素に浸して、
15℃の水温からマイナス196℃に7℃/秒の速度で
急冷して、ハンマーで衝撃を加えて、完全に集電体から
活物質層を剥離分離し(第8、9工程)、集電体のニッ
ケルと活物質層のリチウムがインターカレートした二酸
化マンガン、導電補助材及び結着剤を回収した(第10
工程)。
【0089】実施例3 本実施例では、図6に示した円筒形構造のニッケル−水
素(吸蔵合金)二次電池を図1のフローシートに基づ
き、電池ハウジングを開封し、洗浄後に各電池を構成す
る部材を取り出し、分別回収した。図3の装置を用い
て、各電極の集電体から活物質層を剥離した。
【0090】ここで用いた使用済みのニッケル−水素
(吸蔵合金)二次電池には、遷移金属合金系水素吸蔵合
金微粉末をニッケルメッシュに加圧し焼結して形成され
た負極、多孔質のニッケル焼結体に硝酸ニッケルを含浸
し化成処理をして形成された正極、親水処理を施された
ポリプロピレン不織布の微孔セパレータ、水酸化リチウ
ムを添加した水酸化カリウム水溶液の電解液から構成さ
れ、セパレータ/正極/セパレータ/負極の順に積層し
たものを巻いて正極缶に挿入し、正極集電体から引き出
した正極リードを正極缶に溶接し、負極集電体から引き
出した負極リードを負極キャップに溶接し、電解液を注
入し、負極キャップを正極缶にかぶせかしめて作製され
てあるニッケル−水素(吸蔵合金)二次電池を用いた。
【0091】以下では、図1を参照して、図1のフロー
チャートの電池の開封、電極取り出し、洗浄、電極の急
冷による集電体からの活物質の剥離について順次説明す
る。冷却手段としては、液体窒素を使用した。 まず、電池ハウジングの開封時の安全を確保するため
と、より均―な化合物としての活物質を回収するため
に、使用済みの円筒形ニッケル−水素(吸蔵合金)二次
電池の残存電気量を放電させた。 放電させた電池に窒素ガスを吹きつけながら、炭酸ガ
スレーザービームで電池の負極キャップ部を切断して電
池ハウジングを開封した(第2工程)。
【0092】開封した電池の正極缶から負極部分と正
極部分とセパレータを取り出し(第3工程)、水洗し、
電解液を回収した(第4工程)後、負極部分、正極部
分、セパレータに分離した(第5工程)。 負極部分を、150℃に急速に加熱した後、液体窒素
に浸し、150℃からマイナス196℃に17℃/秒の
速度で急冷した。この操作を3回繰り返した(第6工
程)。
【0093】ついで、負極部分を図3の装置の電極収
納容器に入れた後、真空ポンプで排気して減圧にした
後、容器バルブ115を閉じて液状物質貯蔵タンク11
1に貯蔵してあった水を送液バルブ119,120を開
けて電極収納容器107に導入し、負極の活物質層の細
孔に水を充填した(第8工程)。次に、送ガスバルブ1
18と容器バルブ115を開けて電極収納容器107内
に圧縮空気を入れて水を貯蔵タンク111に戻し、送ガ
スバルブを閉めた後、水を活物質の細孔に充填した電極
を取り出し、液体窒素に浸し、15℃の水温からマイナ
ス196℃に12℃/秒の速度で急冷して、電極の活物
質中の細孔に浸入した水を凍らせて、ハンマーで衝撃を
加えて、完全に集電体から活物質層を剥離分離し(第9
工程)、集電体のニッケルと活物質層の遷移金属合金系
水素吸蔵合金を回収した(第10工程)。
【0094】上記と同様の操作で、正極部分に熱衝
撃を加えた後(第6工程)、上記の水を活物質層の細
孔に充填する操作を行い(第8工程)、液体窒素に浸
し、15℃の水温からマイナス196℃まで12℃/秒
の速度で急冷して、活物質中の水を凝固させ活物質中の
細孔を広げて活物質層を破壊した後、バイブレーターで
振動を加えながら、集電体から活物質を剥離分離し(第
9工程)、集電体のニッケルと活物質層の水酸化ニッケ
ルを回収した(第10工程)。
【0095】実施例4 本実施例では、図6に示した円筒形のニッケル−水素
(吸蔵合金)二次電池を図1のフローシートに基づき、
電池ハウジングを開封し、洗浄後に各電池を構成する部
材を取り出し、分別回収した。図3の装置を用いて、各
電極の集電体から活物質層を剥離した。
【0096】ここで用いた使用済みのニッケル−水素
(吸蔵合金)二次電池には、ミッシュメタル系水素吸蔵
合金微粉末に導電補助材としてニッケル微粉末を添加し
ポリ塩化ビニルとカルボキシメチルセルロースの結着剤
を混合したものを発泡状ニッケルに充填し加圧して形成
された負極、多孔質のニッケル焼結体に硝酸ニッケルを
含浸し化成処理をして形成された正極、親水処理を施さ
れたポリプロピレン製の微孔セパレータ、水酸化リチウ
ムを添加した水酸化カリウム水溶液の電解液、から構成
され、セパレータ/正極/セパレータ/負極の順に積層
したものを巻いて正極缶に挿入し、正極集電体から引き
出した正極リードを正極缶に溶接し、負極集電体から引
き出した負極リードを負極キャップに溶接し、電解液を
注入し、負極キャップを正極缶にかぶせかしめて作製さ
れてあるニッケル−水素(吸蔵合金)二次電池を用い
た。
【0097】以下では、図1を参照して、図1のフロー
チャートの電池の開封、電極取り出し、洗浄、電極の急
冷による集電体からの活物質の剥離について順次説明す
る。冷却手段としては、液体窒素を使用した。 まず、電池ハウジングの開封時の安全を確保するため
と、より均―な化合物としての活物質を回収するため
に、使用済みの円筒形ニッケル−水素(吸蔵合金)二次
電池の残存電気量を放電終止電圧まで放電させた。 放電させた電池をアルゴンガス雰囲気下で、円盤状の
刃を高速回転したカッターで電池の負極キャップ部を切
断して電池ハウジングを開封した(第2工程)。
【0098】開封した電池の正極缶から負極部分と正
極部分とセパレータを取り出し(第3工程)、水洗し、
電解液を回収した(第4工程)後、負極部分、正極部
分、セパレータに分離した(第5工程)。 負極部分を、液体窒素に浸し、23℃の室温からマイ
ナス196℃に12℃/秒の速度で急冷して、熱衝撃を
与えクラックを発生させた(第6工程)。 ついで、負極部分をテトラヒドロフランに浸して、結
着剤のポリ塩化ビニルを溶解除去した後、水に浸して、
カルボキシメチルセルロースを溶解除去して、乾燥後
に、バイブレーターで振動を与えて(第7工程)、完全
に集電体から活物質層を剥離分離し、集電体のニッケル
と活物質層のミッシュメタル系水素吸蔵合金を回収した
(第10工程)。
【0099】上記と同様の操作で、正極部分に熱衝
撃を加えた後(第6工程)、正極を水に浸し、水を活物
質層の細孔に充填する操作を行い(第8工程)、液体窒
素に浸し、15℃の水温からマイナス196℃に12℃
/秒の速度で急冷して、活物質中の水を凝固させ活物質
中の細孔を広げて活物質層を破壊し、室温まで戻した。
ついで、正極を純水に浸して、37,000〜47,0
00ヘルツの超音波を発生する超音波洗浄器を用いて超
音波振動を加えて、集電体から活物質を剥離し(第9工
程)、集電体のニッケルと活物質層の水酸化ニッケルを
回収した(第10工程)。
【0100】実施例5 実施例3において、の急冷操作の後、ハンマーによる
衝撃を加える操作を追加した。その結果、活物質層の回
収が実施例3より一層容易になった。
【0101】前記、実施例1〜5において活物質と集電
体の回収を中心に行ったが、いずれも、容易に電池部材
の回収を行うことができた。また、上記実施例では、リ
チウムイオン二次電池、リチウム一次電池、ニッケル−
水素(吸蔵合金)二次電池の電池構成部材の回収につい
て説明したが、これらの電池に限定することなく、集電
体に活物質層が設けられて形成された電極を用いた電池
であれば、本発明の電池部材の回収方法を適用できる。
【0102】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
集電体に活物質層が設けられて形成された電極から構成
される電池の部材の回収において、部材の損傷を抑えて
容易に分離回収することができる。また、本発明の電池
の構成部材の回収装置を用いることによって、比較的容
易に、低コストで、構成部材、特に集電体と活物質の回
収が可能になる。これにより、電池の主構成材料の活物
質と集電体を有効に再利用し、これを用いて新たな電池
を作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電池部材の回収方法の主要部分のフロ
ーチャートの―例を示す図である。
【図2】本発明の電池部材の回収方法における電極の細
孔中の液状物質を体積膨張させ、活物質層を集電体から
剥離する状態を示す断面概念図である。
【図3】本発明の電池部材の回収システムの一部であ
る、電極の活物質層の細孔に凝固時に体積膨張する液状
物質を充填する装置の一例を示す概略構成図である。
【図4】本発明で回収する電池の基本構成を示した概略
断面構成図である。
【図5】単層式扁平形電池(コイン形電池)の断面図で
ある。
【図6】スバイラル式円筒形電池の断面図である。
【図7】直方体形電池(角形電池)の断面図である。
【符号の説明】
100 電極(正極または負極) 101 集電体 102 活物質層 103 細孔に充填した液状物質 104 凝固点以下に冷却して体積膨張した液状物質 105 集電体より剥離した活物質 106 液状物質 107 電極収納容器 108 排気手段(真空ポンプ) 109 冷却トラップ 110 圧縮ガス 111 液状物質貯蔵タンク 112 排気管 113 送液管 114 送ガス管 115 容器バルブ 116,117 排気バルブ 117′ 排気管 118 送ガスバルブ 119,120 送液バルブ 201,301,402,501 負極 202,303,408,503 正極 203,307,407,507 電解質・セパレータ 204,509 電池ハウジング(電槽) 205,305,405,505 負極端子 206,306,406,506 正極端子 207,400,500 負極集電体 208,401 負極活物質層 209,404 正極集電体 210,403 正極活物質層 411 絶縁板 412 負極リード 413 正極リード 414,514 安全弁

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも活物質層と集電体から成る電
    極を有する電池の構成部材の回収方法において、回収し
    た電池のハウジングを開封後、電極を取り出し、電極を
    選別し、該電極に少なくとも冷却による熱衝撃を与える
    ことによって集電体から活物質層を分離する工程を含む
    ことを特徴とする電池部材の回収方法。
  2. 【請求項2】 前記冷却工程を1回または複数回繰り返
    して行なうことを特徴とする請求項1記載の電池部材の
    回収方法。
  3. 【請求項3】 前記熱衝撃の工程が少なくとも1回の加
    熱を含むことを特徴とする請求項1記載の電池部材の回
    収方法。
  4. 【請求項4】 前記加熱を1回または複数回繰り返して
    行なうことを特徴とする請求項3記載の電池部材の回収
    方法。
  5. 【請求項5】 前記集電体から活物質層を分離する工程
    において、少なくとも電極に衝撃エネルギー若しくは振
    動エネルギーを供与して、集電体から活物質層を剥離し
    分離する工程を含むことを特徴とする請求項1記載の電
    池部材の回収方法。
  6. 【請求項6】 少なくとも活物質層と集電体から成る電
    極の細孔部に、凝固時に体積膨張する液状物質を充填し
    た後、急速に冷却して液状物質を凝固及び体積膨張させ
    て、集電体から活物質層を分離することを特徴とする請
    求項1記載の電池部材の回収方法。
  7. 【請求項7】 前記凝固時に体積膨張する液状物質の主
    成分が水であることを特徴とする請求項6記載の電池部
    材の回収方法。
  8. 【請求項8】 前記凝固時に体積膨張する液状物質に界
    面活性剤が添加してあることを特徴とする請求項6記載
    の電池部材の回収方法。
  9. 【請求項9】 前記回収すべき活物質層の細孔への液状
    物質の充填が、減圧下で行われることを特徴とする請求
    項6記載の電池部材の回収方法。
  10. 【請求項10】 前記部材が回収されるべき電池の電極
    に少なくとも結着剤が使用されており、前記冷却温度
    が、該結着剤のガラス転移温度以下であることを特徴と
    する請求項1記載の電池部材の回収方法。
  11. 【請求項11】 少なくとも活物質層と集電体の分離後
    に活物質層を前記結着剤のガラス転移温度以下に急速に
    冷却し、粉砕する工程を含むことを特徴とする請求項1
    0記載の電池部材の回収方法。
  12. 【請求項12】 前記電極に熱衝撃を与える工程で、電
    極を液体窒素に浸すことにより冷却することを特徴とす
    る請求項1記載の電池部材の回収方法。
  13. 【請求項13】 活物質層と集電体から成る電極を有す
    る電池の構成部材の回収装置において、少なくとも電池
    部材を回収する電池ハウジングを開封する手段、該ハウ
    ジング内の電池構成材料を取り出し洗浄する手段、電極
    を選別する手段、電極の冷却による熱衝撃を加えて集電
    体から活物質層を剥離分離する手段を具備することを特
    徴とする電池部材の回収装置。
  14. 【請求項14】 前記熱衝撃印加手段が、少なくとも加
    熱する手段をも有していることを特徴とする請求項13
    記載の電池部材の回収装置。
  15. 【請求項15】 前記集電体から活物質層を剥離分離す
    る手段が、少なくとも電極に衝撃エネルギー若しくは振
    動エネルギーを供与して、集電体から活物質層を剥離分
    離する手段を含むことを特徴とする請求項13記載の電
    池部材の回収装置。
  16. 【請求項16】 電極を選別した後に、活物質層と集電
    体から成る電極の細孔部に、凝固時に体積膨張する液状
    物質を充填する手段と、該液状物質の充填後に該電極を
    冷却する手段を有することを特徴とする請求項13記載
    の電池部材の回収装置。
  17. 【請求項17】 前記電極の冷却を前記液状物質の凝固
    点以下まで冷却することにより行う請求項16記載の電
    池部材の回収装置。
  18. 【請求項18】 前記電極の細孔部に液状物質を充填す
    る手段が、少なくとも液状物質と電極を収納する容器
    と、該容器を減圧にするための排気手段を有することを
    特徴とする請求項16記載の電池部材の回収装置。
  19. 【請求項19】 前記液状物質と電極を収納する容器
    に、前記液状物質を液状物質貯蔵タンクから供給し、前
    記液状物質を該貯蔵タンクに戻す手段が少なくとも設け
    られていることを特徴とする請求項18記載の電池部材
    の回収装置。
  20. 【請求項20】 前記液状物質に、少なくとも水を主成
    分とする液体を用いることを特徴とする請求項16記載
    の電池部材の回収装置。
  21. 【請求項21】 前記電極に熱衝撃を与える冷却手段に
    液体窒素を用いることを特徴とする請求項13記載の電
    池部材の回収装置。
  22. 【請求項22】 請求項1〜12のいずれかの項に記載
    の電池部材の回収方法により回収された電極の活物質の
    材料及び/又は集電体を用いて新たな電池を作製するこ
    とを特徴とする電池の製造方法。
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