JPH10241623A - 電子管 - Google Patents

電子管

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JPH10241623A
JPH10241623A JP3811397A JP3811397A JPH10241623A JP H10241623 A JPH10241623 A JP H10241623A JP 3811397 A JP3811397 A JP 3811397A JP 3811397 A JP3811397 A JP 3811397A JP H10241623 A JPH10241623 A JP H10241623A
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JP
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sealing
metal
side tube
tube
crushing
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Application number
JP3811397A
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English (en)
Inventor
Yasuharu Negi
康晴 根木
Toshimitsu Nagai
俊光 永井
Atsushi Kibune
淳 木舩
Hiroshi Hasegawa
寛 長谷川
Shigeru Ichikawa
繁 市川
Hitoshi Kinoshita
仁志 木下
Norio Asakura
憲夫 朝倉
Motohiro Suyama
本比呂 須山
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Hamamatsu Photonics KK
Original Assignee
Hamamatsu Photonics KK
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  • Manufacture Of Electron Tubes, Discharge Lamp Vessels, Lead-In Wires, And The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、気密性が良く、大量生産に適した
電子管を提供することを目的とする。 【解決手段】 本発明による電子管においては、封止用
金属支持体24の内周面に接着させたインジウム23を
側管10と入力面板21との間に配置させ、側管10に
対して入力面板21を押し付けると、インジウム23
は、側管10の端面に設けられた封止用金属押潰し面7
0により押し潰される。このとき、封止用金属押潰し面
70は、内側から外側に向けて切り下げられた形状をも
っているので、インジウム23は、封止用金属支持体2
4に向けて外側に逃げながら変形する。従って、封止用
金属押潰し面70にインジウム23が確実に圧着され、
入力面板21と側管10の端面との間をインジウム23
で確実に封止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、融点以下の温度状
態(例えば常温)に維持された封止用金属(例えばイン
ジウムを主成分とする金属)によって、側管と入力面板
とを接着固定した電子管に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から存在する電子管として、特開平
4−58444号公報がある。この公報に開示された電
子管は、コールドインジウム法によって製造されたもの
である。このコールドインジウム法とは、トランスファ
ー装置と呼ばれる真空装置内で側管と入力面板とをイン
ジウムを介して接続する際に、インジウムを融点以下の
温度状態(例えば常温)に維持し、インジウムを固体の
ままで利用する技術である。そこで、側管と入力面板と
を接合させる際、側管に入力面板を押し付けるようにし
てインジウムを変形させ、インジウムを側管及び入力面
板に圧着させることで、電子管の真空気密封止を達成し
ている。また、電子管にコールドインジウム法を適用し
た例として、特開昭57−136748号公報、特開昭
54−16167号公報や特開昭61−211941号
公報等がある。
【0003】また、電子管にホットインジウム法を適用
した例として、特開平6−318439号公報や特開平
3−133037号公報等がある。ホットインジウム法
とは、トランスファー装置内において、加熱器で溶融さ
せたインジウムにより、側管と入力面板とを接合させる
技術であり、側管側には、溶けたインジウムが流れ出さ
ないためのインジウム溜まり凹部が設けられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
コールドインジウム法を適用する電子管は、上述したよ
うに構成されているため、次のような課題が存在してい
た。すなわち、側管の端面は、入力面板の内側表面に対
して平行で且つ略平坦な面として形成されているので、
たとえ入力面板及び側管をインジウムに力強く押し付け
るようにしても、インジウムとの接触面でなじみ性が悪
く、その結果、十分な真空気密が要求される電子管に気
密不良が発生する場合があった。そして、この気密不良
に起因して、大気中の酸素や水分が電子管内に入り込
み、光電面感度の劣化を招来していた。特に、側管の接
合端部が金属材料で形成されている場合には、インジウ
ムとのなじみ性が悪くなる。
【0005】本発明は、上述の課題を解決するためにな
されたもので、特に、気密性が良く、大量生産に適した
電子管を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る本発明の
電子管は、第1の開口と第1の開口と反対側に位置する
第2の開口とを有する側管と、側管の第1の開口側に設
けられて、入射した光に応じて電子を放出する光電面を
もった入力面板と、側管の第2の開口側に設けられて、
入力面板と共に真空領域を規定するステムとを備え、入
力面板と側管の端面とを対峙させ、加圧変形自在な封止
用金属で入力面板と側管の端面との間を封止し、封止用
金属で封止した部分を環状の封止用金属支持体で外側か
ら包囲した電子管において、側管の端面には、封止用金
属を押し潰して変形させると共に端面の内側から外側に
向けて切り下げられた環状の封止用金属押潰し面が設け
られたことを特徴とする。
【0007】この電子管においては、側管と入力面板と
の間を加圧変形自在な封止用金属(例えばインジウム又
はインジウムの合金)で接合させるにあたって、封止用
金属支持体の内周面に接着させた封止用金属を、側管と
入力面板との間に配置させ、側管に対して入力面板を押
し付けると、封止用金属は、側管の端面に設けられた封
止用金属押潰し面により押し潰される。このとき、封止
用金属押潰し面は、内側から外側に向けて切り下げられ
た形状をもっているので、封止用金属は、封止用金属支
持体に向けて外側に逃げながら変形する。従って、封止
用金属押潰し面に封止用金属が確実に圧着され、入力面
板と側管の端面との間を封止用金属で確実に封止するこ
とができる。更に、封止用金属押潰し面は、内側から外
側に向けて切り下げられた形状をもつことで、封止用金
属押潰し面において、その内側に位置する部分は、入力
面板の内側表面に近づくことになり、側管内部に封止用
金属が必要以上に流入するのを適切に阻止することがで
きる。また、封止用金属押潰し面において、その外側に
位置する部分は、入力面板の内側表面から遠ざかること
になるが、側管の外周に位置する環状の封止用金属支持
体により、側管外に封止用金属が必要以上にはみ出すの
を適切に阻止することができる。そして、側管の端面に
封止用金属押潰し面を設けることで、側管の端面の表面
積が大きくなり、このことが、封止用金属と側管の端面
との接合性を向上させる一因になっている。
【0008】この場合、封止用金属押潰し面は、階段状
をなすと好ましい。このような構成を採用した場合、封
止用金属押潰し面の段数を変えるだけで、封止用金属押
潰し面の表面積を変更することができ、封止用金属と側
管の端面との圧着性や封止用金属の流動性を考慮した設
計変更が可能になる。
【0009】また、封止用金属押潰し面は、傾斜状をな
すと好ましい。このような構成を採用した場合、封止用
金属押潰し面の加工が容易となり、しかも、封止用金属
押潰し面の傾斜角度を変えるだけの簡単な設計変更で、
種々の製品に対応させることができる。
【0010】更に、側管の外周壁面に、封止用金属支持
体を収容する環状の切欠き部を形成すると好ましい。こ
のような構成を採用した場合、封止用金属支持体の外周
壁面と側管の外周壁面とを略面一にすることができ、電
子管における外周壁面の凹凸を可能な限り少なくするこ
とができ、引っ掛かりの極めて少ないシンプルな形状の
電子管が可能になる。従って、多数本の電子管を密に配
列する際に好適であり、電子管の汎用性や取り扱い性が
向上する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面と共に本発明による電
子管の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0012】図1は、本発明に係る電子管の第1実施形
態を示す断面図である。同図に示すように、電子管1は
円筒状の側管10を有し、この側管10は、導電性の良
いコバール金属を利用して、プレス成形又は射出成形又
は切削加工等の様々な一体成形方法により作り出された
リング状のカソード電極11と、電気絶縁性材料(例え
ばセラミック)からなるリング状のバルブ12と、コバ
ール金属からなるリング状の溶接電極13と、バルブ1
2を2分割することで形成された第1バルブ12Aと第
2バルブ12Bとの間で、挟むようにして固定させたコ
バール金属製のリング状中間電極50とから構成され、
これら部材11,12,13及び50は互いに同心状に
積層配置されている。
【0013】また、中間電極50をもったバルブ12
は、カソード電極11と溶接電極13との間に設けら
れ、バルブ12の一端は、カソード電極11のフラット
な内端面11aに突き合わせた後、ろう付け等で固定さ
れ、バルブ12の他端は、溶接電極13のフラットな内
端面13aに突き合わせた後、ろう付け等で固定されて
いる。また、バルブ12は、第1バルブ12Aと第2バ
ルブ12Bとで中間電極50の外周端部を挟み、接合部
分にろう付け作業を施すことで形成される。従って、ろ
う付け作業により、側管10は簡単に一体化が図られる
ことになる。
【0014】更に、カソード電極11とバルブ12と溶
接電極13の筒状本体13Aとは略同じ外形(この場合
「例えば直径14mmの円形」)に形成されている。従
って、側管10の外面から凹凸を無くすことができ、引
っ掛かりの無いシンプルな形状にすることができる。そ
の結果、狭い空間においても多数本の電子管を密に配列
させることができ、取り扱い易い電子管が可能になり、
しかも高圧に耐え得る構造を可能にしている。なお、リ
ング体をなすカソード電極11、バルブ12、中間電極
50及び溶接電極13の外形は多角形であってもよい。
【0015】カソード電極11の内周壁面11bはバル
ブ12の内周壁面12aより内側に位置し、バルブ12
の内径に対してカソード電極11の内径を小さくしてい
る。従って、後述する光電面22側の意図しない場所で
生じた迷走電子が、バルブ12に衝突するのを防止で
き、迷走電子の衝突により発生するバルブ12の帯電
や、これに起因する電子軌道への影響を無くすことがで
きる。この場合、カソード電極11は、電子管1のフォ
ーカス電極を兼ねているので、所定の電圧を電子管1に
印加したとき、有効径8mmの光電面22から放出した
電子は2mm程度の径に収束しながら、半導体素子40
に入射する必要がある。そこで、カソード電極11は、
内径10mm、長さ3mmが好適であり、セラミック製
の第1及び第2バルブ12A,12Bは、内径11m
m、長さ3mmが好適である。
【0016】前述した中間電極50は、バルブ12の内
周壁面12aから内方に突出し、中間電極50の開口部
50aの内径は、電子軌道に干渉しない範囲内で極力小
さくなっている(好適には7mmである)。従って、迷
走電子によるバルブ12の帯電が防止されると共に、仮
に何らかの理由でバルブ12が帯電しても、電子軌道に
近い空間の電位を中間電極50により固定させているの
で、バルブ12の帯電が電子軌道に悪影響を与えるのを
防止することができる。なお、中間電極50の厚さは、
0.5mmが好適である。
【0017】側管10の溶接電極13には導電性材料
(例えばコバール金属)よりなる円盤状のステム31が
固設され、このステム31は、側管10の第2の開口1
5側に配置されている。ここで、溶接電極13の筒状本
体13Aの外端には、ステム31との接合に利用するた
めに外方に突出した円形の第1フランジ部13Bが形成
され、筒状本体13Aの内端には、バルブ12との接合
に利用するために内方に突出した円形の第2フランジ部
13Cが形成されている。また、ステム31の外周に
は、第1フランジ部13Bに嵌合させるための円形の切
欠き縁部31aが形成されている。従って、溶接電極1
3の第1フランジ部13Bをステム31の切欠き縁部3
1aに嵌合させ、抵抗溶接を施すだけの簡単な組立て作
業で、溶接電極13とステム31とを簡単に接合させる
ことができる。また、抵抗溶接中において、ステム31
に対する側管10の着座性は極めて良い。なお、ステム
31にはガラス34で絶縁した貫通ピン32が固定され
ている。
【0018】また、ステム31における真空側の面上に
は、APD(アバランシェ・フォトダイオード)として
動作する半導体素子40が導電性の接着剤を介して固着
されている。半導体素子40の電子入射面44aの直径
は3mm程度であり、半導体素子40の所定の部位は、
ステム31と絶縁させた貫通ピン32に対してワイヤー
33により接続されている。更に、半導体素子40と中
間電極50との間には板状のアノード電極60が配置さ
れ、アノード電極60の外周端部は溶接電極13の第2
フランジ部13Cに固定されている。このアノード電極
60は、半導体素子40に近い側に位置すると共に、厚
さ0.3mmのステンレス製の薄板をプレス加工するこ
とで形成されている。なお、アノード電極60と半導体
素子40との間隔は1mmが好適である。
【0019】このアノード電極60の中央には、半導体
素子40の電子入射面44aに対峙させた開口部61が
形成されている。このアノード電極60には、開口部6
1を包囲するように突出した円筒状のコリメーター部
(コリメーター電極)62が一体に形成され、このコリ
メーター部62は、光電面22に向けて突出すると共
に、開口部61に対して同心的に配置されている。ま
た、コリメーター部62の内径は3.0mmが好適であ
り、この高さは1.3mmが好適である。なお、アノー
ド電極60は、溶接電極13の第2フランジ部13Cの
延長上に予め形成させておいて、溶接電極13がアノー
ド電極60を兼ねるように構成することも可能である。
【0020】図2に示すように、側管10におけるカソ
ード電極11には、光を透過させるガラス製の入力面板
21が固設され、この入力面板21は、内側に光電面2
2を有すると共に、側管10の第1の開口14側に配置
されている。そして、この入力面板21は、光電面22
を作製した後、封止用金属として利用する加圧変形自在
な低融点金属(例えば、取り扱い容易で加工し易いイン
ジウムそれ自体、インジウムを主成分とする合金、鉛又
は鉛合金)23を介してカソード電極11に一体化さ
れ、その結果、入力面板21と側管10の端面との間は
低融点金属23で封止される。また、低融点金属23で
封止した部分は、コバール金属からなる環状の封止用金
属支持体24で外側から包囲されている。更に、光電面
22の周辺部分には、光電面22と低融点金属23とを
電気的に接続するように、クロムの薄膜よりなる光電面
電極25が配置されている。この光電面電極25の内径
8mmは光電面22の有効径を規定している。なお、封
止用金属として、加圧変形可能な金(Au)が利用され
ることもある。
【0021】ここで、側管10におけるカソード電極1
1の端面は、低融点金属23を変形させて押し潰すため
の環状な封止用金属押潰し面70として形成されてい
る。この封止用金属押潰し面70は、側管10の端面の
内側から外側に向けて切り下げられた形状をなし、階段
状に形成されている。すなわち、封止用金属押潰し面7
0の外側に位置する部分には、側管10におけるカソー
ド電極11の外周壁面11cから内側に切り込まれた第
1の押潰し面71が設けられ、封止用金属押潰し面70
の内側に位置する部分には、第1の押潰し面71から一
段高くなるように、連結面73を介して入力面板21に
近づけられた第2の押潰し面72が設けられている。そ
して、第1及び第2の押潰し面71,72は、入力面板
21の内側表面に対して平行な面として環状に形成さ
れ、連結面73は押潰し面71,72に対して垂直な面
として環状に形成されている。この場合、第1の押潰し
面71の幅W1は1.5mm程度が好適であり、第2の
押潰し面72の幅W2は0.5mm程度、連結面73の
高さHは0.5mm程度が好適である。なお、第2の押
潰し面72は、入力面板21に向けて膨出する断面半球
面であってもよい。
【0022】次に、トランスファー装置と呼ばれる真空
装置(図示せず)内で、側管10と入力面板21との間
を低融点金属23で封止する手順について簡単に説明す
る。なお、封止の際、トランスファー装置の内部は、低
融点金属23が溶融しない融点以下の温度(例えば常
温)状態に維持されている。
【0023】図3に示すように、カソード電極11の上
に低融点金属23、入力面板21の順に配置し、それぞ
れを同軸上に位置決めする。この場合、低融点金属23
は、環状の封止用金属支持体24の内周壁面に接着固定
されると共に、断面がおよそ二等辺三角形になるような
リング体に形成されている。なお、低融点金属23の外
形は、内径13.5mm、外形14.5mm、高さ2m
mが好適である。この状態で、カソード電極11と入力
面板21とを150kg程度の高圧で互いに押し付ける
ことにより、低融点金属23が押し潰されて変形するこ
とで接着剤として機能し、入力面板21は側管10と一
体化する。
【0024】この一体化に際して、低融点金属23は、
第1の押潰し面71及び第2の押潰し面72で押し潰さ
れながら、封止用金属支持体24に向けて外側に逃げる
ように変形する。従って、第1及び第2の押潰し面7
1,72と連結面73に低融点金属23が確実に圧着さ
れ、入力面板21と封止用金属押潰し面70との間を低
融点金属23で確実に封止することができ、電子管1内
の気密性が向上する。
【0025】更に、低融点金属23が押し潰される際、
封止用金属押潰し面70の第2の押潰し面72は、入力
面板21の内側表面に近づくことになるので、側管10
内部に低融点金属23が必要以上に流入するのを適切に
阻止することができ、低融点金属23が光電面22に付
着するのを回避することができる。また、封止用金属押
潰し面70の第1の押潰し面71は、入力面板21の内
側表面から遠ざかってはいるが、側管10の外周に配置
した環状の封止用金属支持体24を利用することで、側
管10外に低融点金属23が必要以上にはみ出すのを適
切に阻止している。また、低融点金属23は、第1の押
潰し面71と連結面73と入力面板21の内側表面と封
止用金属支持体24の内側表面とで形成された領域内に
閉じ込められるように変形する。また、側管10の端面
に封止用金属押潰し面70を設けることで、側管10の
端面の表面積が大きくなり、このことが、低融点金属2
3と側管10の端面との接合性を向上させ、電子管1の
気密性をアップさせている。
【0026】本発明は、前述した実施形態に限定される
ものではなく、例えば、図4に示すように、側管10に
おけるカソード電極11の外周壁面11cには、環状の
封止用金属支持体24を収容する環状の切欠き部74が
形成されている。この切欠き部74によって、封止用金
属支持体24の外周壁面24aとカソード電極11の外
周壁面11cとを略面一にすることができ、電子管1に
おける側管10の外周壁面の凹凸を可能な限り少なくす
ることができ、引っ掛かりの極めて少ないシンプルな形
状が達成される。従って、多数本の電子管1を密に配列
する際に好適であり、電子管1の汎用性や取り扱い性が
向上する。すなわち、限られたスペースに1000本〜
1万本の電子管1を並べて利用する高エネルギ分野や医
療機器分野からの要望に応えることができる。
【0027】また、図5に示すカソード電極11A
は、、コバール金属製の板材をプレス加工して、所定の
形状に折り曲げられたものであり、製造コストの低減を
可能にしている。このカソード電極11Aの端面には環
状な封止用金属押潰し面75が形成され、この封止用金
属押潰し面75は、側管10の端面の内側から外側に向
けて切り下げられた形状をなし、階段状に形成されてい
る。すなわち、封止用金属押潰し面75の外側に位置す
る部分には、板状のカソード電極11Aを内側に折り曲
げることで形成された第1の押潰し面76が設けられ、
封止用金属押潰し面75の内側に位置する部分には、板
状のカソード電極11Aの端部を入力面板21に向けて
立ち上がらせることで形成された第2の押潰し面77が
設けられている。
【0028】この第1の押潰し面76と第2の押潰し面
77とは連結面78を介して連続し、第2の押潰し面7
7は、第1の押潰し面76から一段高くなるように形成
されて、入力面板21に近づけられている。そして、カ
ソード電極11Aの外周壁面11Acを内側に窪ませる
ように加工した場合、カソード電極11Aには、環状の
封止用金属支持体24を収容するための環状の切欠き部
79が形成される。この切欠き部79によって、封止用
金属支持体24の外周壁面24aとカソード電極の外周
壁面11Acとを面一にすることができる。
【0029】前述した封止用金属押潰し面70,75の
段数は一段であるが、必要に応じてこの段数を増やして
もよい。この場合、低融点金属23と封止用金属押潰し
面70,75との圧着性や低融点金属23の逃げ性を考
慮することが肝要である。また、封止用金属押潰し面7
0,75において、第1の押潰し面71,76及び第2
の押潰し面72,77は、外側に向けて切り落とすよう
に傾斜させてもよい。次に、図6に示すカソード電極1
1Bの端面には、傾斜状の封止用金属押潰し面80が形
成され、この封止用金属押潰し面80は約25°の傾斜
角度αをもって環状に形成され、側管10の端面の内側
から外側に向けて切り下げられている。そこで、カソー
ド電極11Bと入力面板21とを150kg程度の高圧
で互いに押し付けることにより、低融点金属23が押し
潰されて変形し、結果的に低融点金属23が接着剤とし
て機能し、入力面板21は側管10と一体化する。この
一体化に際して、低融点金属23は、封止用金属押潰し
面80で押し潰されながら、封止用金属支持体24に向
けて外側に逃げるように変形する。従って、封止用金属
押潰し面80に低融点金属23が確実に圧着され、入力
面板21と封止用金属押潰し面80との間を低融点金属
23で確実に封止することができ、電子管1内の気密性
が向上する。このような封止用金属押潰し面80は加工
が容易であり、しかも、封止用金属押潰し面80の傾斜
角度αを変えるだけの簡単な設計変更で、種々の製品に
対応させることができる。
【0030】図7に示すように、側管10におけるカソ
ード電極11Cの外周壁面11Ccには、環状の封止用
金属支持体24を収容する環状の切欠き部81が形成さ
れている。この切欠き部81によって、封止用金属支持
体24の外周壁面24aとカソード電極11Cの外周壁
面10Ccとを面一にすることができ、電子管1におけ
る側管10の外周壁面の凹凸を可能な限り少なくするこ
とができ、引っ掛かりの極めて少ないシンプルな形状が
達成される。この場合、封止用金属押潰し面80の傾斜
角度αは25°程度が好適である。
【0031】図8に示すように、カソード電極11Dの
端面において、その中央には、25°の傾斜角度αをも
つ環状の封止用金属押潰し面82が設けられている。ま
た、端面の外側には、環状の封止用金属支持体24を収
容するための環状の切欠き部83が形成され、この切欠
き部83は、カソード電極11Dの外周壁面11Dcを
切り込むことで形成されている。そして、端面の内側に
は、封止用金属押潰し面82から溢れ出た余剰の低融点
金属23を受け止めるための封止用金属受入れ部84が
環状に形成されている。この封止用金属受入れ部84
は、カソード電極11Dの内周壁面11Ddを切り込む
ことで、Lアングル状に形成され、封止用金属押潰し面
82に連続する。従って、側管10内部に向けて低融点
金属23が必要以上に流入した場合でも、余剰な低融点
金属23を封止用金属受入れ部84内に流し込むことが
でき、低融点金属23が光電面22に付着するのを適切
に回避することができる。
【0032】図9に示すカソード電極11Eは、、コバ
ール金属製の板材をプレス加工して、所定の形状に折り
曲げられたものであり、製造コストの低減を可能にして
いる。このカソード電極11Eの端面には環状な封止用
金属押潰し面85が形成され、封止用金属押潰し面85
は約25°の傾斜角度αをもって形成され、側管10の
端面の内側から外側に向けて切り下げられている。ま
た、カソード電極11Eの外周壁面11Ecを内側に窪
ませるように加工した場合、カソード電極11Eには、
環状の封止用金属支持体24を収容するための環状の切
欠き部86が形成される。この切欠き部86によって、
封止用金属支持体24の外周壁面24aとカソード電極
の外周壁面11Ecとを面一にすることができる。
【0033】図10に示した光電子増倍管90は、TO
−8型のパッケージサイズを有している。この光電子増
倍管90は、コバール金属からなる円筒状の側管91を
有し、この側管91は、板厚0.3mmのコバール金属
をプレス加工にて筒状に形成し、その全長は約10mm
に達する。側管91の一端には、光を透過させるガラス
製の入力面板92が固設され、この入力面板92は、そ
の内側にGaAs結晶の光電面93を有すると共に、側
管91の第1の開口94側に配置されている。
【0034】この入力面板92は、光電面93をCs蒸
気と酸素で活性化した後、封止用金属として利用する低
融点金属(例えば、インジウムそれ自体、インジウムを
主成分とする加圧変形自在な合金、鉛又は鉛合金)95
を介して側管91の端面に一体化され、その結果、入力
面板92と側管91の端面との間は低融点金属95で封
止される。また、低融点金属95で封止した部分は、コ
バール金属からなる環状の封止用金属支持体24で外側
から包囲されている。更に、光電面93の周辺部分に
は、光電面93と低融点金属95とを電気的に接続する
ように、クロムの薄膜よりなる光電面電極96が配置さ
れている。この光電面電極96の内径は光電面93の有
効径を規定している。なお、封止用金属として、加圧変
形可能な金(Au)が利用される場合もある。
【0035】更に、側管91の他端には、導電性材料
(例えばコバール金属)よりなる円盤状のステム97が
抵抗溶接により固定されている。このステム97は、側
管96の第2の開口98側に配置されると共に、ガラス
99で絶縁した複数の貫通ピン100を有している。ま
た、側管91内には、光電面93から放出した電子を増
倍させる積層型ダイノード101が配置され、ダイノー
ド101の各ダイノード部101a〜101hは抵抗溶
接により8段に亙って組付けられている。そして、各ダ
イノード部101a〜101hを各貫通ピン100の先
端に抵抗溶接で固定することで、ダイノード101は側
管91内で固定されることになる。また、最終段ダイノ
ード部101hの上方には、増倍した電子を収集して検
出する陽極部102が配置されている。
【0036】ここで、側管91の端部は、0.8mm程
度の長さに亙って内側に折曲げられることで折曲げ部1
03をなし、折曲げ部103には、低融点金属95を変
形させて押し潰すための環状な封止用金属押潰し面10
4が形成されている。この封止用金属押潰し面104は
約25°の傾斜角度αをもって形成され、側管91の端
面の内側から外側に向けて切り下げられている。そこ
で、側管91の端部と入力面板92とを150kg程度
の高圧で互いに押し付けることにより、インジウム95
が押し潰されて変形し、結果的に低融点金属95が接着
剤として機能し、入力面板92は側管91と一体化す
る。
【0037】この一体化に際して、低融点金属95は、
封止用金属押潰し面104で押し潰されながら、封止用
金属支持体24に向けて外側に逃げるように変形する。
従って、封止用金属押潰し面104に低融点金属95が
確実に圧着され、入力面板92と封止用金属押潰し面1
04との間を低融点金属95で確実に封止することがで
き、光電子増倍管90内の気密性が向上する。このよう
な封止用金属押潰し面104は加工が容易であり、しか
も、封止用金属押潰し面104の傾斜角度αを変えるだ
けの簡単な設計変更で、種々の製品に対応させることが
できる。
【0038】
【発明の効果】本発明による電子管は、以上のように構
成されているため、次のような効果を得る。すなわち、
側管の端面には、低融点金属を押し潰して変形させると
共に端面の内側から外側に向けて切り下げられた環状の
封止用金属押潰し面が設けられているので、電子管の気
密性が良好になる。そして、側管に対して入力面板を所
定の圧力をもって押し付けるだけで、低融点金属を介在
させた側管と入力面板との接合が達成されるので、電子
管の大量生産が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電子管の第1実施形態を示す断面
図である。
【図2】図1に示した電子管の要部を示す拡大断面図で
ある。
【図3】図1に示した電子管の組立て要領を示す要部拡
大断面図である。
【図4】本発明に係る電子管の第2実施形態を示す要部
拡大断面図である。
【図5】本発明に係る電子管の第3実施形態を示す要部
拡大断面図である。
【図6】本発明に係る電子管の第4実施形態を示す要部
拡大断面図である。
【図7】本発明に係る電子管の第5実施形態を示す要部
拡大断面図である。
【図8】本発明に係る電子管の第6実施形態を示す要部
拡大断面図である。
【図9】本発明に係る電子管の第7実施形態を示す要部
拡大断面図である。
【図10】本発明に係る電子管の第8実施形態を示す断
面図である。
【図11】図10に示した電子管の要部を示す拡大断面
図である。
【符号の説明】
1,90…電子管、10,91…側管、14,94…第
1の開口、15,98…第2の開口、21,92…入力
面板、22,93…光電面、23,95…低融点金属
(封止用金属)、24…封止用金属支持体、31,97
…ステム、70,75,80,82,85,104…封
止用金属押潰し面、74,79,81,83,86…切
欠き部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長谷川 寛 静岡県浜松市市野町1126番地の1 浜松ホ トニクス株式会社内 (72)発明者 市川 繁 静岡県浜松市市野町1126番地の1 浜松ホ トニクス株式会社内 (72)発明者 木下 仁志 静岡県浜松市市野町1126番地の1 浜松ホ トニクス株式会社内 (72)発明者 朝倉 憲夫 静岡県浜松市市野町1126番地の1 浜松ホ トニクス株式会社内 (72)発明者 須山 本比呂 静岡県浜松市市野町1126番地の1 浜松ホ トニクス株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の開口と前記第1の開口と反対側に
    位置する第2の開口とを有する側管と、 前記側管の前記第1の開口側に設けられて、入射した光
    に応じて電子を放出する光電面をもった入力面板と、 前記側管の前記第2の開口側に設けられて、前記入力面
    板と共に真空領域を規定するステムとを備え、 前記入力面板と前記側管の端面とを対峙させ、加圧変形
    自在な封止用金属で前記入力面板と前記側管の前記端面
    との間を封止し、前記封止用金属で封止した部分を環状
    の封止用金属支持体で外側から包囲した電子管におい
    て、 前記側管の前記端面には、前記封止用金属を押し潰して
    変形させると共に前記端面の内側から外側に向けて切り
    下げられた環状の封止用金属押潰し面が設けられたこと
    を特徴とする電子管。
  2. 【請求項2】 前記封止用金属押潰し面は、階段状をな
    すことを特徴とする請求項1記載の電子管。
  3. 【請求項3】 前記封止用金属押潰し面は、傾斜状をな
    すことを特徴とする請求項1記載の電子管。
  4. 【請求項4】 前記側管の外周壁面に、前記封止用金属
    支持体を収容する環状の切欠き部を形成したことを特徴
    とする請求項1〜3のいずれか一項記載の電子管。
JP3811397A 1997-01-27 1997-02-21 電子管 Pending JPH10241623A (ja)

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