JPH10241574A - カラープラズマディスプレイパネル - Google Patents

カラープラズマディスプレイパネル

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JPH10241574A
JPH10241574A JP4123297A JP4123297A JPH10241574A JP H10241574 A JPH10241574 A JP H10241574A JP 4123297 A JP4123297 A JP 4123297A JP 4123297 A JP4123297 A JP 4123297A JP H10241574 A JPH10241574 A JP H10241574A
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color
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修 種田
Kazuto Tokutome
一人 徳留
Takuo Shinohara
拓男 篠原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カラーフィルタを用いるカラープラズマディ
スプレイパネルに於いてカラーフィルタの亀裂や剥離が
起きず、且つ赤色、緑色、青色の各顔料が混色せずに、
表示面側から見た時にコントラストの低下を防ぐことが
出来るカラープラズマディスプレイパネル。 【解決手段】 全面基板の内側にカラーフィルタ層を設
け、隣り合うカラーフィルタ層の間に位置するように遮
光層としてブラックマスク5を配置して透明電極ととも
に透明誘電体層で被覆している。ブラックマスク5がカ
ラーフィルタ層と同一平面上に配置されるときは、ブラ
ックマスク5にガラスフリットを含ませることで密着力
を高めることができる。また、カラーフィルタ層6をブ
ラックマスク5よりも後面基板11側に形成するとき
は、表示面側から見た時にカラーフィルタ層6がブラッ
クマスク間51に位置するように配置され、カラーフィ
ルタ層6の幅は少なくとも隣り合うブラックマスクの間
隔51の幅と略同一とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は情報表示端末や平面
型テレビなどに用いられるカラープラズマディスプレイ
パネルの、特に高コントラスト、及び色再現性の良いパ
ネル構造に関する。
【0002】
【従来の技術】カラープラズマディスプレイパネルは、
ガス放電によって発生した紫外線によって、蛍光体を励
起発光させ、表示動作させるディスプレイである。放電
の形態からAC型とDC型に分けることが出来る。この
中でAC型は輝度、発光効率、寿命の点でDC型より優
れており、AC型の中でも反射型AC面放電型が輝度、
発光効率の点で優れている。
【0003】図6に従来の反射型AC面放電カラープラ
ズマディスプレイパネルの一例の斜視図を、また、図7
(a)には断面図を示し、図7(b)には表示面側から
見た時の図を示した。透明なガラス板の上に複数のスト
ライプ状の透明電極2を形成する。図7(a)に於いて
この透明電極2は紙面に平行な方向に複数本形成されて
いる。この隣り合う透明電極2の間に、数十kHzから
数百kHzのパルス状AC電圧を印加し放電を発生さ
せ、表示動作を行なう。
【0004】反射型AC面放電カラープラズマディスプ
レイでは、蛍光体からの発光を遮られないように、透明
電極2には酸化錫(SnO2 )やインジウムチンオキサ
イト゛(ITO)などの透明導電膜が通常使用される。し
かし、これらの透明導電膜のシート抵抗は高く、大型パ
ネルや高精細パネルでは電極抵抗が数十kΩ以上にもな
り、印加電圧パルスが十分に立ち上がらなかったり、電
圧降下を起こし駆動が困難になる。そこで透明電極2の
部分に、クロム/銅/クロムの多層薄膜やアルミニウム
薄膜などの金属薄膜、あるいは銀などの金属厚膜による
バス電極3を形成し、抵抗値を下げた透明電極2及びバ
ス電極3からなる面放電電極23が採用されている。
【0005】この面放電電極23の上には、面放電電極
23と直交するようにストライプ状の顔料微粉末層から
成るカラーフィルタ層6R、6G、6Bを形成する。一
般的には、これらのカラーフィルタ層6は、対向する蛍
光体層9の発光色のみを透過する光学特性を有する材料
が選択される。また、このカラーフィルタ層6R、6
G、6Bを形成する際にカラーフィルタ層6R,6G、
6B間に隙間が無いように形成しなければならない。こ
れはカラーフィルタ層6R、6G、6B間に隙間が出来
ると、その部分での外光反射が高くなり明所コントラス
トの低下を引き起こすためである。更にこのカラーフィ
ルタ層6を、透明な誘電体層4で被覆する。この透明誘
電体層4はAC型プラズマディスプレイ特有の電流制限
の機能を有している。透明誘電体層4は絶縁耐圧の確保
と製造のし易さから、通常低融点ガラスを主成分とする
ペーストを厚膜印刷法を用いて塗布し、軟化点温度以上
の高温で焼成することによりリフローさせ、内部に気泡
などを含まない平滑な20μm〜40μm程度の厚さで
形成する。
【0006】次に、透明誘電体層4の全体を被覆するよ
うに形成する保護層7は、蒸着やスパッタリング法によ
って形成されるMgOの薄膜又は印刷やスプレー法等に
よって形成されるMgOの厚膜である。膜厚は0.5ミ
クロンから1ミクロン程度である。この保護層7の役割
は放電電圧の低減と表面スパッタの防止である。
【0007】一方、後面基板11には表示データを書き
込むストライプ状のデータ電極10を形成している。図
7(a)では紙面に垂直な方向にデータ電極10が伸
び、これが後述するストライプ状に形成された赤色、緑
色、青色に放電の紫外線で発光する蛍光体層9とそれぞ
れに対応する位置に形成されている。すなわちデータ電
極10は、前面基板1上に形成された面放電電極23と
直交している。このデータ電極10と重ならないように
隔壁8を通常厚膜印刷法で形成する。隔壁8は、隣接す
る放電セル12間の、誤放電や光学的なクロストークを
防ぐ効果がある。この隔壁は図7(a)では紙面に垂直
に複数本形成する。
【0008】更に隔壁8と前面基板1、及び後面基板1
1で構成される放電セル12には、赤色、緑色、青色の
発光色に対応する蛍光体9R、9G、9Bを色毎に3度
に分けて塗布する。各蛍光体は蛍光体塗布面積を増やし
高輝度を得るために、隔壁8の側面にも形成される。各
蛍光体の成膜には通常スクリーン印刷を用いる。
【0009】この後、前述の前面基板1の面放電電極2
3と後面基板11のデータ電極10とが直交するように
隔壁を介して対向させて周囲を気密封止し、放電セル1
2の内部に放電可能なガス、例えばHeとNeとXeと
の混合ガスを500torr程度の圧力で封入する。
【0010】図7(a)において、各放電セル12には
透明電極2とバス電極3とで構成される面放電電極23
が2本ずつ配置され、この面放電電極23のギャップ部
で面放電が発生し各放電セルにプラズマが生じる。この
とき発生する紫外光で蛍光体9R、9G、9Bを励起し
赤色、緑色、青色の可視光を発生させて前面基板1のカ
ラーフィルタ層6を通して表示発光を得る。
【0011】面放電を発生させる隣り合う面放電電極2
3の一組は、それぞれ走査電極と維持電極の役目を受け
持っている。実際のパネル駆動において、走査電極と維
持電極との間には、維持パルスが印加されている。書き
込み放電を発生させるときは、走査電極とデータ電極1
0との間に電圧を印加して対向放電を発生させ、この放
電が引き続き印加される維持パルスによって面放電電極
間に維持放電が発生する。
【0012】カラープラズマディスプレイパネルで用い
られる蛍光体のボディーカラーは、通常反射率が非常に
高い白色の粉末である。カラープラズマディスプレイパ
ネルでは、室内や屋外の光(外光)がパネルに入射する
と、バス電極3部で外光の一部は吸収されるが、30%
〜50%程度は反射され、コントラストが著しく損なわ
れる。この外光反射を防止してコントラストの良い表示
を得るためにパネル面に透過率40〜80%程度のND
フィルタを配置する方法もあるが、蛍光体からの可視発
光も一部遮られるため、パネル輝度が低下するという欠
点がある。
【0013】パネル輝度をできるだけ減らさずに、外光
の反射を抑える方法として、従来からカラーフィルタ層
6を用いる方法が提案されている。これは赤色、緑色、
青色の各放電セルからの発光色に対応して、前面基板1
に赤色、緑色、青色の光を透過するカラーフィルタ層6
を形成するものである。これによって高コントラストと
同時に高い色再現性を得ることが出来る。
【0014】しかし、カラーフィルタ層6は一般的には
ガラスフリットを入れずに顔料微粒子だけで構成され
る。例えば、赤色、緑色、青色の色光のみ透過可能とす
る顔料として次のような材料が考えられる。
【0015】 赤:Fe2 3 系 緑:CoO−Al2 3 −Cr2 3 系 青:CoO−Al2 3 系 また、カラーフィルタ層6の上に積層する透明誘電体層
4は前述したように、一般的には低融点ガラスを主成分
とするペーストを厚膜印刷法を用いて塗布し、軟化点温
度以上の高温で焼成することによって形成する。この透
明誘電体層4の焼成温度が透明誘電体層4に使用したガ
ラス成分の軟化点に比較的近い場合、カラーフィルタ層
6が顔料微粒子からなる層であることから、透明誘電体
層4に密着することが出来ずカラーフィルタ層6の剥離
が発生する。また、透明誘電体層4の焼成温度が軟化点
よりも高くなる程カラーフィルタ層6の剥離は無くなる
が、カラーフィルタ層6の変色やカラーフィルタ層6の
誘電体層4中への拡散が起き、フィルタ特性を悪くする
という欠点があった。
【発明が解決しようとする課題】前述したように、カラ
ーフィルタ層の上に透明誘電体層を形成した場合、透明
誘電体層の焼成温度が透明誘電体層に使用したガラスの
軟化点に比較的近い時、カラーフィルタ層が顔料微粒子
からなる層であることから、透明誘電体層に密着するこ
とが出来ずカラーフィルタ層の剥離が発生する。また、
透明誘電体層の焼成温度が軟化点よりも高くなる程カラ
ーフィルタ層の剥離は無くなるが、カラーフィルタ層の
変色やカラーフィルタ層の誘電体層中への拡散が起き、
フィルタ特性を悪くする。
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、全面基板の内側にカラーフィルタ層を設け、隣
り合うカラーフィルタ層の間に位置するように遮光層と
してブラックマスクを配置して透明電極とともに透明誘
電体層で被覆している。ブラックマスクがカラーフィル
タ層と同一平面上に配置されるときは、ブラックマスク
にガラスフリットを含ませることで密着力を高めること
ができる。また、カラーフィルタ層をブラックマスクよ
りも後面基板側に形成するときは、表示面側から見た時
にカラーフィルタ層がブラックマスク間に位置するよう
に配置され、カラーフィルタ層6の幅は少なくとも隣り
合うブラックマスクの間隔の幅と略同一とする。
【0016】より具体的な本発明のAC型カラープラズ
マディスプレイパネルによれば、前面基板の構造をガラ
ス板側から面放電電極、第1の透明誘電体層、ブラック
マスク及びブラックマスク間隙に形成されたカラーフィ
ルタ層、第2の透明誘電体層、保護層の順序に形成した
構成を特徴とし、とくにブラックマスクはガラスフリッ
トを含むことをも特徴とする。
【0017】また、前面基板にブラックマスクとカラー
フィルタ層を形成し、且つカラーフィルタ層はブラック
マスクよりも後面基板側に形成し、表示面側から見た時
にカラーフィルタ層はブラックマスクの間に形成され、
カラーフィルタ層の幅は少なくともブラックマスク間隙
の幅と略同一とすることをも特徴とする。
【0018】本発明によれば、前面基板の構造をガラス
板側から面放電電極、第1の透明誘電体層、ブラックマ
スク及びブラックマスク間隙に形成されたカラーフィル
タ層、第2の透明誘電体層、保護層とした時、ブラック
マスクにガラスフリットを含有することによってこれが
第1の透明誘電体層と第2の透明誘電体層との接着層と
なり、カラーフィルタ層が顔料微粒子からなる層であっ
ても、カラーフィルタ層の剥離が発生することは無い。
仮にこのブラックマスクがガラスフリットを全く含まな
い場合、ブラックマスクとカラーフィルタとで形成され
る層には全くガラスフリットが存在しないことになり、
この場合はカラーフィルタ層やブラックマスクに剥離が
発生する。また、カラーフィルタ層の剥離が発生しない
ので、第2の透明誘電体層の焼成温度を第2の透明誘電
体層の軟化点近傍で行なうことが出来、その結果カラー
フィルタ層の変色やカラーフィルタ層の第1の透明誘電
体層または第2の透明誘電体層への拡散が起きない。
【0019】また、前面基板にブラックマスクとカラー
フィルタ層を形成し、且つカラーフィルタ層はブラック
マスクよりも後面基板側に形成し、表示面側から見た時
にカラーフィルタ層はブラックマスクの間に形成され、
カラーフィルタ層の幅はブラックマスク間隙の幅と略同
一とする本発明の場合、隣接するカラーフィルタ層間に
最大でブラックマスクの幅分の隙間を開けることが出来
る。この隣接するカラーフィルタ層間の隙間にカラーフ
ィルタ層の上に積層する透明誘電体が流れ込み、この部
分がカラーフィルタ層の下に形成した透明誘電体層との
接着部となり、やはりカラーフィルタ層が顔料微粒子か
らなる層であってもカラーフィルタ層に剥離が発生しな
いし、透明誘電体層の軟化点近傍で焼成出来ることから
カラーフィルタ層の変色やカラーフィルタ層の透明誘電
体層中への拡散が起きない。また、ブラックマスクを設
けてあることによって、隣接するカラーフィルタ層間に
隙間が出来ても明所コントラストの低下を防ぐことが出
来る。
【発明の実施の形態】以下に本発明のカラープラズマデ
ィスプレイパネルの実施の形態について図を用いて説明
する。 <実施の形態1>この第1の実施の形態では、前面基板
の構造をガラス板側から透明電極、バス電極、第1の透
明誘電体層、ブラックマスク及びブラックマスク間隙に
形成されたカラーフィルタ層、第2の透明誘電体層、保
護層とし、且つブラックマスクはガラスフリットを含む
ことを特徴とした時の前面基板の形成方法を説明する。
ただし、本例ではブラックマスクは透明電極またはバス
電極と直交し、カラーフィルタ層と平行になるようなス
トライプパターンとした。この時のパネルの断面構造を
図1(a)に示し、表示面側から見た時の様子を図1
(b)に示した。また、図1(a)の後面基板は従来例
で示したのと同様にガラス板上にデータ電極10、隔壁
8及び蛍光体9R、9G、9Bを順次形成する。各発光
色を得る放電セル12はデータ電極10と隔壁8を介し
て対向する前面基板1が有する面放電電極23とで構成
した。
【0020】一方、前面基板1は透明電極2、バス電極
3、第1の透明誘電体層41、ブラックマスク5、カラ
ーフィルタ層6R、6G、6B、第2の透明誘電体層4
2及び保護層7を形成する。この時カラーフィルタ層6
R、6G、6Bはブラックマスク間隔(間隙)51に形
成する。
【0021】まず、前面基板1上に透明導電膜をベタで
成膜する。この透明導電膜として酸化錫(SnO2 )や
インジウムチンオキサイド(ITO)などが考えられ
る。本例ではITOを使用した。また成膜方法として、
スパッタリング法やCVD法、またはペースト化された
ものを使用しての印刷法などが考えられるが本例ではス
パッタリング法で成膜した。膜厚は100〜200nm
程度の厚さにした。透明導電膜をベタで成膜した後、レ
ジストを塗布し乾燥、露光、現像の処置をした後エッチ
ングを行ない電極としての形を形成する。これにより透
明電極2を形成する。次に従来例でも述べたように透明
電極2の抵抗値は数十kΩ以上と高いため、抵抗値の低
いバス電極3を形成する。バス電極3の材料としてクロ
ム/銅/クロムやアルミニウムあるいは銀などが考えら
れるが、本例では銀を使用した。また形成方法も、スパ
ッタリング法による薄膜と印刷法による厚膜が考えられ
るが、本例では銀を使用したので厚膜技術である印刷法
で形成した。この時、銀粉末にガラス粉末を混ぜた物に
有機溶剤と樹脂を混ぜペースト化したものを使用したの
で、印刷法でパターンを形成した後、500〜600℃
で焼成することによってペースト中の有機溶剤や樹脂を
燃焼させパターン中に残存しないようにし、また同焼成
によってペースト中のガラスを一度軟化させることによ
ってバス電極3の密着力を得ることが出来た。また、バ
ス電極3の焼成後の膜厚は約6ミクロンであった。
【0022】バス電極3を形成した後、第1の透明誘電
体層41を形成する。第1の透明誘電体層41は低融点
ガラスのペーストをスクリーン印刷法で印刷し、500
〜600℃で焼成することによって形成した。この時焼
成後の膜厚はバス電極3を全て被覆出来る高さが必要で
あり、本例では約10ミクロンとした。
【0023】次にこの上にブラックマスク5を形成す
る。ブラックマスク5は低融点ガラスに黒色顔料を添加
しペースト化したものをスクリーン印刷法で印刷するこ
とによって形成した。また、ブラックマスク5は透明電
極2、またはバス電極3と直交するようにした。
【0024】ブラックマスク5を印刷・乾燥後、このブ
ラックマスク間隙51にカラーフィルタ層6を形成す
る。形成方法はスクリーン印刷法で行なった。
【0025】まず、酸化鉄を主成分とする赤色の微粒子
顔料にバインダーと溶剤を調合したペーストをストライ
プ状に印刷する。印刷に使用したスクリーン版のパター
ン部開口幅は実際に形成する幅に対して狭い物を使用し
た。本例では、カラーフィルタ層6Rの形成幅約250
ミクロンに対して、実際のスクリーン版のパターン幅は
約100ミクロンとし、カラーフィルタ用ペーストのバ
インダー分と溶剤分を多くしたペーストの粘度の低い物
を使用した。これにより、スクリーン版のパターン幅1
00ミクロンから流れ出たペーストはブラックマスク間
隙51に広がり、約250ミクロンの幅に形成される。
しかし、この時ブラックマスク5があるために、カラー
フィルタ用ペーストは、それ以上の幅には広がらない。
ペーストを印刷後、約150℃で溶剤を蒸発させ乾燥し
た。
【0026】次に、コバルト、クロム、アルミニウムの
酸化物を主成分とする緑色の微粒子顔料にバインダーと
溶剤を調合したペーストを用い、既にブラックマスク間
隙51に印刷されている赤色顔料パターンの隣のブラッ
クマスク間隙51に印刷する。この時も、赤色顔料の時
と同様に実際に形成するパターン幅よりも狭いパターン
幅を形成したスクリーン版とバンダー及び溶剤を多く配
合し、粘度を下げたペーストを使用して印刷した。緑色
の顔料を印刷後、約150℃で溶剤を蒸発させ乾燥し
た。
【0027】最後にコバルトとアルミニウムの酸化物を
主成分とする青色の顔料にバインダーと溶剤を調合した
ペーストを用い、既にブラックマスク間隙51に印刷さ
れている緑色顔料パターンと赤色顔料パターンの間のブ
ラックマスク間隙51に印刷する。この時も、赤色顔
料、緑色顔料と同様に実際に形成するパターン幅よりも
狭いパターン幅を形成したスクリーン版とバンダー及び
溶剤を多く配合し、粘度を下げたペーストを使用して印
刷した。緑色の顔料を印刷後、約150℃で溶剤を蒸発
させ乾燥した。
【0028】赤色、緑色、青色の顔料を印刷後500〜
600℃の温度で焼成を行なった。
【0029】次にこの上に第2の透明誘電体層42を形
成する。第2の透明誘電体層42は第1の透明誘電体層
41と同様に低融点ガラスのペーストをスクリーン印刷
法で印刷し、500〜600℃で焼成することによって
形成した。焼成後の膜厚は約20ミクロンとした。この
第2の透明誘電体層42を形成した後に第2の透明誘電
体層42全てを被覆するようにMgOからなる保護層7
を形成する。MgOは蒸着法により成膜し、膜厚は0.
5〜1ミクロンとした。
【0030】このようにして前面基板1を作成し、後面
基板11と組み合わせてパネルを作る。ただし、前面基
板1に作成したカラーフィルタ層6R、6G、6Bの各
色と後面基板11に形成した蛍光体9R、9G、9Bの
発光色が一致するようにしたことは言うまでもない。
【0031】これによって、カラーフィルタ層6には剥
離や変色が発生しなかった。また、このパネルを動作さ
せたところ、カラーフィルタ同士の混色も起きないので
色純度の低下が起きず、且つ明所での良好なコントラス
トを得ることが出来た。
【0032】また、本例ではブラックマスク5を透明電
極2またはバス電極3と直交し、カラーフィルタ層6と
平行になるようなストライプパターンで行なったが、ス
トライプパターン以外のパターン形状でも同様の効果が
得られることは言うまでも無い。 <実施の形態2>この第2の実施の形態では、前面基板
に形成するカラーフィルタ層をブラックマスクよりも後
面基板側に形成した時の構造と形成方法を説明する。具
体的には、前面基板の構造をガラス板側から、透明電
極、バス電極、ブラックマスク、第1の透明誘電体層、
カラーフィルタ層、第2の透明誘電体層及び保護層とし
た。ただし、本例でもブラックマスクは透明電極または
バス電極と直交し、カラーフィルタ層と平行になるよう
なストライプパターンとした。この時のパネルの断面構
造を図2に示す。また、図2の後面基板は従来例で示し
たのと同様にガラス板上にデータ電極10、隔壁8及び
蛍光体9R、9G、9Bを順次形成する。各発光色を得
る放電セル12はデータ電極10と隔壁8を介して対向
する前面基板1が有する面放電電極23とで構成した。
【0033】一方、前面基板1は透明電極2、バス電極
3、ブラックマスク5、第1の透明誘電体層41、カラ
ーフィルタ層6R、6G、6B、第2の透明誘電体層4
2及び保護層7を形成する。この時カラーフィルタ層6
R、6G、6Bはブラックマスク間隙51に形成する。
【0034】まず、前面基板1上に透明電極2、バス電
極3を形成する。形成方法は第1の実施の形態と同様な
ので省略する。
【0035】バス電極3を形成した後にブラックマスク
5を形成する。ブラックマスク5は低融点ガラスに黒色
顔料を添加しペースト化したものをスクリーン印刷法で
印刷することによって形成した。またブラックマスク5
は透明電極2、バス電極3からなる面放電電極23と直
交するようにした。ブラックマスクを印刷後、乾燥を経
て、500〜600℃で焼成した。焼成後の膜厚は約5
ミクロンとした。
【0036】次に、この上に第1の透明誘電体層41を
形成する。第1の透明誘電体層41は低融点ガラスのペ
ーストをスクリーン印刷法で印刷し、500〜600℃
で焼成することによって形成した。この時焼成後の膜厚
はバス電極3、ブラックマスク5を全て被覆出来る高さ
が必要である。本例では約10ミクロンとした。
【0037】第1の透明誘電体層41を形成した後にカ
ラーフィルタ層6を形成する。形成方法はスクリーン印
刷法で行ない、透明電極2、バス電極3からなる面放電
電極23と直交し、且つブラックマスク5と平行になる
ように印刷した。
【0038】まず、酸化鉄を主成分とする赤色の微粒子
顔料にバインダーと溶剤を調合したペーストをストライ
プ状に印刷する。印刷後のパターン幅はブラックマスク
間隙51の幅よりも0〜30ミクロン広いようにした。
印刷後、約150℃で溶剤を蒸発させ乾燥した。
【0039】次に、コバルト、クロム、アルミニウムの
酸化物を主成分とする緑色の微粒子顔料にバインダーと
溶剤を調合したペーストを用い、既に印刷されている赤
色顔料パターンの横に平行に印刷し、乾燥する。この時
も赤色顔料の印刷と同様に、印刷後のパターン幅がブラ
ックマスク間隙51の幅よりも0〜30ミクロン広くし
た。
【0040】最後にコバルトとアルミニウムの酸化物を
主成分とする青色の顔料にバインダーと溶剤を調合した
ペーストを用い、既に印刷されている赤色顔料パターン
と緑色顔料パターンの間に平行に印刷し乾燥する。この
時も赤色顔料、緑色顔料の印刷と同様に、印刷後のパタ
ーン幅がブラックマスク間隙51の幅よりも0〜30ミ
クロン広くした。
【0041】この3回の顔料印刷により表示部に相当す
る部分を全面各色の顔料で覆った後焼成を行なった。焼
成後のカラーフィルタ層の厚さは3色とも約2ミクロン
とした。使用した無機顔料粒子の粒径は0.01〜0.
05ミクロン程度と非常に細かく、緻密な層になってい
る。
【0042】次に、この上に第2の透明誘電体層42を
形成する。第2の透明誘電体層42は第1の透明誘電体
層41と同様に低融点ガラスのペーストをスクリーン印
刷法で印刷し、500〜600℃で焼成することによっ
て形成した。焼成後の膜厚は約20ミクロンとした。こ
の第2の透明誘電体層42を形成した後に第2の透明誘
電体層42全てを被覆するようにMgOからなる保護層
7を形成する。MgOは蒸着法により成膜し、膜厚は
0.5〜1ミクロンとした。
【0043】このようにして前面基板1を作成し、後面
基板11と組み合わせてパネルを作る。ただし、前面基
板1に作成したカラーフィルタ層6R、6G、6Bの各
色と後面基板11に形成した蛍光体9R、9G、9Bの
発光色が一致するようにしたことは言うまでもない。
【0044】これによって、カラーフィルタ層6の混色
を避けることが出来、且つカラーフィルタ層6間に形成
された第2の透明誘電体層42とカラーフィルタ層6の
下に形成した第1の透明誘電体層41が密着したため、
カラーフィルタ層6に剥離が発生せず、また、第2の透
明誘電体層42の焼成温度も軟化点近傍であったのでカ
ラーフィルタ層6の変色が起きず、色純度が良く且つ明
所での良好なコントラストを実現出来るカラープラズマ
ディスプレイパネルを得ることが出来た。
【0045】また、本例ではブラックマスク5を透明電
極2、バス電極3上に形成し、カラーフィルタ層6を第
1の透明誘電体層41と第2の透明誘電体層42の間に
形成したが、同様の効果を得られる前面基板の構造とし
て次のような物が考えられる。まずガラス板側から透明
電極2、バス電極3、第1の透明誘電体層41、ブラッ
クマスク5、第2の透明誘電体層42、カラーフィルタ
層6、第3の透明誘電体層43及び保護層7と積層する
方法(図3)。更に、ガラス板側からブラックマスク
5、第1の透明誘電体層41、透明電極2、バス電極
3、カラーフィルタ層6、第2の透明誘電体層42、及
び保護層7と積層する方法(図4)。また、ガラス板側
からブラックマスク5、第1の透明誘電体層41、透明
電極2、バス電極3、第2の透明誘電体層42、カラー
フィルタ層6、第3の透明誘電体層43、及び保護層7
と積層する方法(図5)も考えられる。いずれの場合も
本実施の形態と同様の効果が得られることは言うまでも
ない。
【0046】更に、本実施の形態ではブラックマスク5
を透明電極2またはバス電極3と直交し、カラーフィル
タ層6と平行になるようなストライプパターンで行なっ
たが、ストライプパターン以外のパターン形状でも同様
の効果が得られることは言うまでも無い。
【発明の効果】以上説明したように、本発明では前面基
板の構造をガラス板側から面放電電極、第1の透明誘電
体層、ブラックマスク及びブラックマスク間隙に形成さ
れたカラーフィルタ層、第2の透明誘電体層、保護層と
した場合、ブラックマスクにガラスフリットが入ってい
ることから、これが第1の透明誘電体層と第2の透明誘
電体層との接着層となり、カラーフィルタ層が顔料微粒
子からなる層であっても、カラーフィルタ層に剥離が発
生することは無い。また、カラーフィルタ層の剥離が発
生しないので、第2の透明誘電体層の焼成温度を第2の
透明誘電体層の軟化点近傍で行なうことが出来、その結
果カラーフィルタ層の変色やカラーフィルタ層の第1の
透明誘電体層または第2の透明誘電体層への拡散が起き
ない。
【0047】更に、前面基板にブラックマスクとカラー
フィルタ層を形成し、且つカラーフィルタ層はブラック
マスクよりも後面基板側に形成し、表示面側から見た時
にカラーフィルタ層はブラックマスクの間に形成され、
カラーフィルタ層の幅はブラックマスク間隙の幅と略同
一とした時、隣接するカラーフィルタ層間に最大でブラ
ックマスクの幅分の隙間を開けることが出来る。この隣
接するカラーフィルタ層間の隙間にカラーフィルタ層の
上に積層する透明誘電体が流れ込み、この部分がカラー
フィルタ層の下に形成した透明誘電体層との接着部とな
り、やはりカラーフィルタ層が顔料微粒子からなる層で
あってもカラーフィルタ層に剥離が発生しないし、透明
誘電体層の軟化点近傍で焼成出来ることからカラーフィ
ルタ層の変色やカラーフィルタ層の透明誘電体層中への
拡散が起きない。また、ブラックマスクを設けてあるこ
とによって、隣接するカラーフィルタ層間に隙間が出来
ても明所コントラストの低下を防ぐことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の第1の実施の形態によるカラー
プラズマディスプレイパネルの断面図である。 (b)本発明の第1の実施の形態によるカラープラズマ
ディスプレイパネルの表示面側から見た図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態によるカラープラズ
マディスプレイパネルの断面図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態によるカラープラス
マディスプレイパネルの断面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態によるカラープラス
マディスプレイパネルの断面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態によるカラープラス
マディスプレイパネルの断面図である。
【図6】従来技術のカラープラズマディスプレイパネル
の斜視図である。
【図7】(a)従来技術のカラープラズマディスプレイ
パネルの断面図である。 (b)従来技術のカラープラズマディスプレイパネルの
表示面側から見た図である。
【符号の説明】
1 前面基板 2 透明電極 3 バス電極 23 面放電電極 4 透明誘電体層 41 第1の透明誘電体層 42 第2の透明誘電体層 43 第3の透明誘電体層 5 ブラックマスク 51 ブラックマスク間隔(間隙) 6 カラーフィルタ層 6R 赤色カラーフィルタ層 6G 緑色カラーフィルタ層 6B 青色カラーフィルタ層 7 保護層 8 隔壁 9 蛍光体層 9R 赤色蛍光体層 9G 緑色蛍光体層 9B 青色蛍光体層 10 データ電極 11 後面基板 12 放電セル

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放電セルを形成する対向電極板の一方の
    前記放電セル側に誘電体で覆われたカラーフィルタ層を
    配置したカラープラズマディスプレイパネルにおいて、
    隣り合う前記カラーフィルタ層の間隙または前記間隙に
    対向する位置に遮光層を介在させたことを特徴とするカ
    ラープラズマディスプレイパネル。
  2. 【請求項2】 前記カラーフィルタ層が配置された側の
    電極基板において、前記遮光層が前記カラーフィルタ層
    と同一面内に形成されており、かつ透明電極を覆う誘電
    体との密着性が高い材料を含有することを特徴とする請
    求項1記載のカラープラズマディスプレイパネル。
  3. 【請求項3】 前記カラーフィルタ層は前記透明電極を
    直接覆う第1の誘電体と前記カラーフィルタ層および遮
    光層を直接覆う第2の誘電体層との間に位置しているこ
    とを特徴とする請求項2記載のカラープラズマディスプ
    レイパネル。
  4. 【請求項4】 前記カラーフィルタ層が配置された側の
    電極基板において、前記遮光層が前記カラーフィルタ層
    が形成された面より前記電極基板側に形成されていると
    ともに透明電極を覆う第1の誘電体層で覆われ、かつ前
    記カラーフィルタ層が前記第1の誘電体層上に形成され
    るとともに第2の誘電体層で覆われていることを特徴と
    する請求項1記載のカラープラズマディスプレイパネ
    ル。
  5. 【請求項5】 前記カラーフィルタ層が配置された側の
    電極基板において、前記遮光層が前記基板上に形成され
    るとともに第1の誘電体層で覆われ、透明電極が前記第
    1の誘電体層上に形成されており、前記透明電極上に前
    記前記カラーフィルタ層が形成されるとともに前記カラ
    ーフィルタ層は第2の誘電体層で覆われていることを特
    徴とする請求項1記載のカラープラズマディスプレイパ
    ネル。
  6. 【請求項6】 前記透明電極と前記カラーフィルタ層と
    の間および前記透明電極と前記第2の誘電体層との間に
    共通する第3の誘電体層を配置していることを特徴とす
    る請求項5記載のカラープラズマディスプレイパネル。
  7. 【請求項7】 透明電極とそれに少なくとも一部が接す
    るように形成されるバス電極とで構成される一対以上の
    面放電電極群と、前記面放電電極群上に形成される透明
    誘電体層とを有する第1の基板と、データ電極と放電空
    間を得るための隔壁と複数色の可視発光を行なう蛍光体
    とを有する第2の基板からなるAC面放電型カラープラ
    ズマディスプレイパネルにおいて、前記第1の基板の構
    造を基板側から、面放電電極群、第1の透明誘電体層、
    ブラックマスク及び前記ブラックマスク間に形成された
    カラーフィルタ層、第2の透明誘電体層の順とし、且つ
    前記ブラックマスクはガラスフリットを含むことを特徴
    とするカラープラズマディスプレイパネル。
  8. 【請求項8】 透明電極とそれに少なくとも一部が接す
    るように形成されるバス電極とで構成される一対以上の
    面放電電極群と、前記面放電電極群上に形成される透明
    誘電体層とを有する第1の基板と、データ電極と放電空
    間を得るための隔壁と蛍光体とを有する第2の基板から
    なるAC面放電型カラープラズマディスプレイパネルに
    おいて、前記第1の基板にブラックマスクとカラーフィ
    ルタ層を形成し、且つ前記カラーフィルタ層は前記ブラ
    ックマスクよりも前記第2の基板側に形成し、表示面側
    から見た時に前記カラーフィルタ層は前記ブラックマス
    クの間に形成され、前記カラーフィルタ層の幅は少なく
    とも前記ブラックマスク間の幅と略同一とすることを特
    徴とするカラープラズマディスプレイパネル。
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