JPH10239281A - 継目無管の磁気探傷装置及びその方法 - Google Patents

継目無管の磁気探傷装置及びその方法

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JPH10239281A
JPH10239281A JP4069497A JP4069497A JPH10239281A JP H10239281 A JPH10239281 A JP H10239281A JP 4069497 A JP4069497 A JP 4069497A JP 4069497 A JP4069497 A JP 4069497A JP H10239281 A JPH10239281 A JP H10239281A
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幸理 飯塚
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俊樹 真鍋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 欠陥検出信号から継目無管の周方向における
肉厚変動に起因する雑音成分を除去してS/N比を向上
させる。 【解決手段】 検査対象の継目無管11が軸方向に走行
する貫通孔が形成され、この継目無管の外周面に対して
所定の隙間を有して回転する回転ヘッド12と、この回
転ヘッドの内周面に取付けられ、走行状態の継目無管に
直流磁界を発生させる磁化器14a,14bと、回転ヘ
ッドの内周面におけるこの回転ヘッドの同一周方向位置
でかつ軸方向に互いに離間した位置に取付けられ、継目
無管に存在する欠陥を検出する一対の磁気センサ15
a,15bと、一対の磁気センサから出力される一対の
検出信号の差信号を求め、この差信号を継目無管に対す
る欠陥検出信号とする減算回路20とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転ヘッドに取付
けられた磁化器で走行中の継目無管を直流励磁して、同
じく回転ヘッドに取付けられた磁気センサで継目無管に
存在する欠陥を検出する継目無管の磁気探傷装置及び継
目無管の磁気探傷方法に関する。
【0002】
【従来の技術】圧延機で製造される周方向に継ぎ目の無
い継目無管の表面や内部に存在する欠陥を精度良くかつ
高速に探傷する技術として、従来から回転式の磁気探傷
手法が実用化されている。
【0003】この回転式の磁気探傷手法においては、図
9に示すように、図示しない搬送機構によって軸方向に
走行されている検査対象としての継目無管1の搬送路に
沿って、一定の回転速度で回転駆動される回転ヘッド2
を配設して、この回転ヘッド2の貫通孔に継目無管1を
貫通させている。そして、回転ヘッド2の貫通孔の内周
面に、継目無管1を直径方向を挟むように磁極3a,3
bを取付け、この磁極3a,3bを用いて継目無管1の
周方向に磁界を発生させ、この磁界の磁束方向に対して
90゜ずれて同じく内周面に取付けた磁気センサ4を用
いて継目無管1の表面又は内部に存在する欠陥を漏洩磁
束法を用いて検出する。
【0004】そして、検査対象としての継目無管1の全
面及び全長を探傷するため継目無管1を軸方向に一定速
度で矢印方向に直進すると共に、回転ヘッド2を矢印方
向に高速回転させる、このような回転式の磁気探傷手法
において継目無管1に対する磁化の方法は2つある。一
つは交流磁化である。この方式の揚合、磁束の表皮効果
により検査対象の継目無管1における外面側の欠陥検出
能は高いが、内面側は探傷できないため、別途、内面側
を探傷するための探傷装置が必要となる。
【0005】もうーつは直流磁化である。この方式の場
合、欠陥検出能は交流磁化方式に比ぺて劣っているが外
面から内面まで内部の欠陥の含めて探傷できる特徴を有
する。なお、回転式の磁気探傷手法でかつ直流磁化方式
を採用した漏洩磁束探傷装置の技術は特開平8−687
78号公報にその一部が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た直流磁化方式を採用した回転式の磁気探傷手法におい
てもまだ次のような課題があった。すなわち、外径が小
さい継目無管1の場合は、磁気センサから出力される欠
陥検出信号に高いレベルの雑音が混入して、S/N比が
低下して、欠陥検出能が低下する問題があった。
【0007】発明者等はこの原因を追求した結果、この
原因は継目無管1の周方向における細かな肉厚変動に起
因するものであることを見い出した。特に検査対象が継
目無管1の場合、一般に外径が例えば60〜70mm以
下の小さい継目無管1は圧延機で製造されるので、圧延
の影響により継目無管1の肉厚が周方向の位置によって
微妙に変動している。
【0008】直流磁化の場合、磁束が継目無管1の肉厚
全部を貫くため、肉厚の変化も漏洩磁束の強度変化とな
る。この周方向の肉厚変動のうち、緩やかに変化する影
響は、磁気センサで検出された欠陥検出信号においては
ベースレベルの緩やかな変化となる。したがって、これ
はハイパスフィルタにより除去することが可能である。
【0009】一方、肉厚が細かく変化する影響は、磁気
センサで検出された欠陥検出信号においては信号レベル
の急激な変化となる。したがって、この急激な変化は欠
陥に起因する信号レベルの変化と周波数領域において区
別できないので、フィルタで除去することができずに、
雑音として残る。特に、小径サイズほど周方向の肉厚の
細かな変動が大きいため、検出された欠陥検出信号のS
/Nが大きく変動する。
【0010】結果として、回転方式を採用した直流磁化
による継目無管の磁気探傷手法においては、検査対象の
継目無管における肉厚変動に起因する雑音が支配的であ
る。また、大きな雑音が現れる周方向位置は一定の周方
向範囲に集中し、かつ管の軸方向に連続的な雑音とな
る。
【0011】このように、従来の継目無管の磁気探傷手
法においては、周方向の肉厚変動に起因する雑音が大き
く、欠陥検出能が低下する懸念がある。本発明はこのよ
うな事情に鑑みてなされたものであり、継目無管におけ
る同一周方向位置の各検出信号の差分をとることによっ
て、継目無管の周方向における肉厚変動に起因する雑音
成分を低減し、継目無管における欠陥の検出能を大幅に
向上できる継目無管の磁気探傷装置及び継目無管の磁気
探傷方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解消するため
に、請求項1の継目無管の磁気探傷装置においては、検
査対象の継目無管が軸方向に走行する貫通孔が形成さ
れ、この継目無管の外周面に対して所定の隙間を有して
回転する回転ヘッドと、この回転ヘッドの内周面に取付
けられ、走行状態の継目無管に直流磁界を発生させる磁
化器と、回転ヘッドの内周面におけるこの回転ヘッドの
同一周方向位置でかつ軸方向に互いに離間した位置に取
付けられ、継目無管に存在する欠陥を検出する一対の磁
気センサと、この一対の磁気センサから出力される一対
の検出信号の差信号を求め、この差信号を継目無管に対
する欠陥検出信号とする減算回路とを備えている。
【0013】また、請求項2の継目無管の磁気探傷方法
においては、検査対象の継目無管が軸方向に走行する貫
通孔が形成され、この継目無管の外周面に対して所定の
隙間を有して回転する回転ヘッドの内周面に走行状態の
継目無管に直流磁界を発生させる磁化器を取付け、か
つ、回転ヘッドの内周面におけるこの回転ヘッドの同一
周方向位置でかつ軸方向に互いに離間した位置に、継目
無管に存在する欠陥を検出する一対の磁気センサを取付
けている。そして、この一対の磁気センサから出力され
る一対の検出信号の差信号を継目無管に対する欠陥検出
信号としている。
【0014】このように構成された請求項1,2の発明
においては、検査対象の継目無管における同一周方向位
置で、かつ異なる軸方向位置における2か所位置に存在
する欠陥の各検出信号が得られる。そして各検出信号の
差信号が得られる。
【0015】検査対象の継目無管は圧延機で製造される
ために、継目無管の肉厚は周方向に細かく変化するが、
圧延方向である軸方向にはさほど変化しない。したがっ
て、軸方向位置が異なり同一周方向位置における二つの
検出信号の差分を取ることにより、各検出信号に含まれ
る周方向における肉厚変動に起因する信号レベル変動を
相殺して抑制することができる。
【0016】一方、欠陥は軸方向にランダムに発生する
ので、たとえ軸方向に異なった位置に設置された磁気セ
ンサの検出信号の差分をとったとしても、この欠陥に起
因する欠陥信号は相殺されない。したがって、この差の
信号を継目無管に対する新たな欠陥検出信号とすること
によって、継目無管に存在する欠陥を精度よく検出でき
る。
【0017】請求項3の継目無管の磁気探傷装置におい
ては、検査対象の継目無管が軸方向に走行する貫通孔が
形成され、この継目無管の外周面に対して所定の隙間を
有して回転する回転ヘッドと、この回転ヘッドの内周面
に取付けられ、走行状態の継目無管に直流磁界を発生さ
せる磁化器と、回転ヘッドの内周面に取付けられ、継目
無管に存在する欠陥を検出する磁気センサと、回転ヘッ
ドの回転位置を検出する回転位置検出手段と、磁気セン
サから出力される検出信号を回転位置検出手段の検出信
号を用いて所定回転数を経過するまで記憶保持する記憶
手段と、この記憶手段から出力された所定回転数前の検
出信号と磁気センサから出力される現在の検出信号との
差信号を求め、この差信号を継目無管に対する欠陥検出
信号とする減算回路とを備えている。
【0018】また、請求項4の継目無管の磁気探傷方法
においては、検査対象の継目無管が軸方向に走行する貫
通孔が形成され、この継目無管の外周面に対して所定の
隙間を有して回転する回転ヘッドの内周面に走行状態の
継目無管に直流磁界を発生させる磁化器を取付け、か
つ、回転ヘッドの内周面におけるこの回転ヘッドの同一
周方向位置でかつ軸方向に互いに離間した位置に、継目
無管に存在する欠陥を検出する磁気センサを取付けてい
る。そして、磁気センサから出力される現在の検出信号
と磁気センサから出力される所定回転数前の検出信号と
の差信号を継目無管に対する欠陥検出信号としている。
【0019】このように構成された請求項3,4の発明
においては、磁気センサから出力される現在の検出信号
と磁気センサから出力される所定回転数前の検出信号と
の差信号を継目無管に対する欠陥検出信号としている。
すなわち、同一周方向位置で軸方向位置が異なる2か所
の検出信号の差信号が得られるので、請求項1,2と同
様の作用効果が得られる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下本発明の各実施形態を図面を
用いて説明する。 (第1実施形態)図1は本発明の磁気探傷方法が採用さ
れた継目無管の磁気探傷装置の概略構成図である。
【0021】搬送ローラ10a,10bで矢印で示す軸
方向に一定速度V(mm/s)で走行されている検査対
象としての継目無管11の搬送路に沿って、一定の回転
速度R(rpm)で回転駆動される円筒状の回転ヘッド
12が配設されている。この回転ヘッド12の貫通孔1
3に継目無管11を貫通させいる。そして、回転ヘッド
12の貫通孔13の内周面に、継目無管11を直径方向
を挟むように磁化器を構成する磁極14a,14bが取
付けられている。この磁極14a,14bは継目無管1
1の周方向に直流磁界を発生させる。
【0022】この磁界の磁束方向に対して90゜ずれて
同じく内周面に一対の磁気センサ15a.15bが取付
けられている。この磁気センサ15a,15bは、回転
ヘッド12の内周面の同一周方向位置でかつ異なる軸方
向位置に取付けられている。磁気センサ15a,15b
の軸方向の離間距離Lは、継目無管11を矢印方向に走
行させる状態において、両方の磁気センサ15a,15
bが同一欠陥を同時に検出しない程度に設定されてい
る。
【0023】図2は磁気探傷装置の回路構成図である。
励磁回路16は各磁極14a,14bの各コイルに直流
励磁電流を供給して磁極14a,14bを直流励磁す
る。各磁気センサ15a,15bから出力された各検出
信号a,bはそれぞれ増幅器17a,17bで信号増幅
された後、フィルタ18a,18bで通過周波数が帯域
制限される。フィルタ18a,18bで通過周波数が帯
域制限された後の各検出信号は例えば全波整流回路から
なる絶対値回路19a,19bで全波整流された後、次
の減算回路20へ入力される。減算回路20は絶対値回
路19a,19bで全波整流された各検出信号a1 ,b
1 の差分を算出して、新たな欠陥検出信号dとして次の
評価部21へ送出する。評価部21は、入力した欠陥検
出信号dの信号レベルが予め設定されたしきい値を越え
ると、欠陥警告を出力する。
【0024】本実施形態装置においては、磁気センサ1
5a,15bの相互間距離Lは4cmに設定している。
また、磁気センサ15a,15bはホール素子を用いて
いるが、他の方式の磁気センサを用いてもよい。
【0025】また、フィルタ18a,18bは、バンド
パスフィルタで構成されており、継目無管11における
肉厚の大きな変動に起因した低周波成分と、外来電気雑
音を除去する。そして、フィルタ18a,18bの通過
周波数範囲は、磁気センサ15a,15bが欠陥部を横
切る時間、すなわち、検査対象としての継目無管11の
外径と磁気センサ15a,15bが取付けられた回転ヘ
ッド12の回転速度R(rpm)と欠陥の大きさで決ま
り、個別の磁気センサ15a,15bの各検出信号a,
bにおいて最もS/N比が高くなるように実験的に定め
る。
【0026】本実施形態装置においては、継目無管11
の外径φ=60.3mm、回転ヘッド12の回転速度R
=1OOOrpmの各条件において、ノッチ状欠陥を最
もS/N比が高く検出できる範囲として、この通過周波
数帯域を200〜600Hzに設定した。
【0027】なお、継目無管11の肉厚は約6mmであ
り、ノッチ状欠陥の深さは0.3mm、欠陥の長さは1
2.5mmのものを用いた。減算器20はオペアンプ等
の差動増幅器を用いて容易に実現できる。
【0028】なお、図2に示す増幅器から評価部21の
各回路構成はアナログ回路のみならずデジタル回路でも
実現できる。次に、図1及び図2に示す構成の第1実施
形態装置を用いて継目無管11の探傷を実施した結果を
説明する。
【0029】継目無管11の搬送速度Vを166mm/
sとした。回転ヘッド12の回転速度Rは1OOOrp
mであるので、磁気センサ15a,15bが継目無管1
1の外周面を1回転すると、継目無管11は軸方向に1
0mm進む。
【0030】図3(a)は減算回路20に入力される前
方の磁気センサ15aの全波整流後の検出信号a1 の波
形図であり、図3(b)は減算回路20に入力される後
方の磁気センサ15bの全波整流後の検出信号b1 の波
形図である。図示するように、各検出信号a1 ,b1
含まれる欠陥信号22は、継目無管11の周方向の微細
な肉厚変動に起因する雑音に埋もれてしまい、S/N比
は低い。
【0031】図4は減算回路20から出力される欠陥検
出信号dの波形図である。図示するように、各検出信号
1 ,b1 に含まれていた肉厚変動に起因する雑音は互
いに相殺されて低減される。その結果、各検出信号a
1 ,b1 に含まれる欠陥信号22のみが大きく現れる。
よって、欠陥検出信号d全体のS/N比が大幅に向上す
る。
【0032】(第2実施形態)図5は本発明の第2実施
形態の継目無管の磁気探傷方法が適用された磁気探傷装
置の回路構成図である。図2に示す第1実施形態装置と
同一部分には同一符号が付してある。したがって、重複
する部分の詳細説明を省略する。
【0033】この第2実施形態装置においては、回転ヘ
ッド12の内周面には磁極14a,14bで発生された
直流磁界の磁束方向に対して90゜ずれた位置に一つの
磁気センサ15cが取付けられている。
【0034】磁気センサ15cから出力された検出信号
cは増幅器17cで信号増幅された後、フィルタ18c
で通過周波数が帯域制限される。フィルタ18cで通過
周波数が帯域制限された後の検出信号は絶対値回路19
cで全波整流された後、次の減算回路20cへ入力され
る。絶対値回路19cから出力された検出信号c1 は減
算回路20cへ入力されるとともに遅延回路25へも入
力される。
【0035】また、回転ヘッド12の回転位置を検出す
るセンサ23が設けられている。具体的には、例えば回
転ヘッド12の周方向の磁気センサ15cの取付位置に
相当する位置に突起を形成して、この突起を小型の磁気
センサで検出して、検出信号を出力する。なお、このセ
ンサ23は上記小型の磁気センサの他に、磁石の通過を
用いる方法、光の遮蔽を用いる方法等が実用化されてい
る。センサ23から出力された検出信号は回転パルス発
生部24へ入力される。回転パルス発生部24は検出信
号の入力に同期してパルス信号pを遅延回路24へ送出
する。
【0036】遅延回路24は図6に示すように構成され
ている。磁気センサ15cの全波整検出信号c1 はA/
D変換器25aでデジタルの検出信号に変換されて、複
数の領域を有する記憶部25bへ印加される。回転パル
ス発生部24から入力されたパルス信号pはカウンタ2
5cへ入力される。カウンタ25cはパルス信号pのパ
ルス数を計数して、計数値が予め定められた回転ヘッド
12の所定回転数NS に対応する上限数値に達すると、
アドレス指定部25dへカウントアップ信号p1 へ送出
する。
【0037】アドレス指定部25dは、カウントアップ
信号p1 が入力されると、図7のタイムチャートに示す
ように、書込アドレスAD1 を記憶部25bの先頭の領
域のアドレスから順番に指定していく。したがって、デ
ジタルの検出信号の各データは記憶部25bの各領域に
順番に書込まれていく。そして、新たなカウントアップ
信号p1 が入力されると、再度書込アドレスAD1 を記
憶部25bの先頭の領域のアドレスから順番に指定して
いくが、図7のタイムチャートに示すように、新たなデ
ータを記憶する直前に、該当領域を読出アドレスAD2
て指定して、該当領域に記憶しているデータを読出し
て、順次D/A変換器25eでアナログ値に変換して、
アナログの検出信号c2 として出力する。
【0038】この動作を繰返すことにより、カウンタ2
5cに設定されている上限数値を適宜設定することによ
って、回転ヘッド12の任意の回転数前の検出信号c2
を得ることができる。
【0039】遅延回路25から出力された回転ヘッド1
2の所定回転数NS 前の磁気センサ15cの検出信号c
2 は次の減算回路20cへ入力される。減算回路20c
は絶対値回路18cから出力された現在時点の検出信号
1 と遅延回路25から出力された所定回転数NS 前の
検出信号c2 との差分を算出して、新たな欠陥検出信号
1 として次の評価部21cへ送出する。評価部21c
は、入力した欠陥検出信号d1 の信号レベルが予め設定
されたしきい値を越えると、欠陥警告を出力する。
【0040】このように構成された第2の実施形態の磁
気探傷装置においては、回転ヘッド12の内周面に取付
けられ1個の磁気センサ15cから出力される現在の検
出信号c1 と同一磁気センサ15cから出力される所定
回転数NS 前の検出信号c2との差信号を継目無管11
に対する欠陥検出信号d1 としている。すなわち、継目
無管11における同一周方向位置で軸方向位置が異なる
2か所の検出信号の差信号が得られるので、図2に示す
第1実施形態の磁気探傷装置の場合と同様に、各検出信
号c1 ,c2 に含まれる継目無管11の径方向の微細な
肉厚変動に起因する雑音成分は互いに相殺されて、欠陥
検出信号d1 において、欠陥信号22と雑音との比を示
すS/N比を大幅に向上できる。
【0041】その結果、継目無管11の表面又は内部に
存在する欠陥の検出精度が大幅に向上する。次に、図5
に示す第2実施形態装置を用いて継目無管11の探傷を
実施した結果を説明する。
【0042】探傷に採用した継目無管11の搬送速度
V、磁気センサ15cが取付けられた回転ヘッド12の
回転数Rは第1実施形態装置の場合と同様である。すな
わち磁気センサ15cが継目無管11の外周面を1回転
すると継目無管11は10mm進む。また、遅延回路2
5においては、検出信号c1 を3回転分(NS =3)遅
延させている。
【0043】図8は第2実施形態装置を用いて継目無管
11の探傷を実施した測定結果を示す図である。すなわ
ち、図8(a)は現在時点における検出信号c1 の波形
図であり、図8(b)は減算回路20cから出力された
欠陥検出信号d1 の波形図である。
【0044】図示するように、検出信号c1 に含まれて
いた肉厚変動に起因する雑音は3回転分前の検出信号c
2 とで互いに相殺されて低減される。その結果、欠陥検
出信号d1 全体のS/N比が大幅に向上する。
【0045】なお、上述した第1,第2の実施形態装置
において、各検出信号の差分を演算する2つの検出信号
間の距離は以下のようにして決定される。欠陥が検出さ
れるための条件は、2つの検出信号のどちらか一方に明
瞭に欠陥信号22が現れる場合である。すなわち、2つ
の検出信号間に欠陥の始点または終点が挟まれればよ
い。このためには、2つの検出信号問の距離は大きい方
がよい。
【0046】一方、継目無管11の周方向の肉厚変動に
起因する雑音は、継目無管11の管軸方向に離れれば離
れるほどその連続性はなくなっていく。そのため、差分
を取ることによる雑音の低減効果を得るためには、2つ
の検出信号間の距離は小さい方がよい。したがって、検
出したい欠陥の大きさと、肉厚変動に起因する雑音の管
軸方向の連続性から、2つの検出信号間の最適な距離が
適宜決められる。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように本発明の継目無管の
磁気探傷装置及びその方法においては、検査対象の継目
無管における同一周方向位置における複数の検出信号相
互間の差分をとることによって、継目無管の周方向にお
ける肉厚変動に起因する雑音成分を両検出信号相互間で
互いに相殺でき、継目無管における欠陥の検出能を大幅
に向上できる。さらに、高い欠陥検出能を有した状態
で、継目無管の外面から内面までをーつの探傷装置で探
傷でき、欠陥検査システム全体の製造費を節減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係る継目無管の磁気
探傷装置の概略構成図
【図2】 同第1実施形態装置の回路構成図
【図3】 同第1実施形態装置における各検出信号を示
す波形図
【図4】 同第1実施形態装置における最終の欠陥検出
信号を示す波形図
【図5】 本発明の第2実施形態に係る継目無管の磁気
探傷装置を示す回路構成図
【図6】 同第2実施形態装置における遅延回路を示す
ブロック図
【図7】 同第2実施形態装置における遅延回路の動作
を示すタイムチャート
【図8】 同第2実施形態装置における検出信号及び最
終の欠陥検出信号を示す波形図
【図9】 従来の磁気探傷装置の概略構成図
【符号の説明】
11…継目無管 12…回転ヘッド 14a,14b…磁極 15a,15b,15c…磁気センサ 16…励磁回路 17a,17b,17c…増幅器 18a,18b,18c…フィルタ 19a,19b,19c…絶対値回路 20,20c…減算回路 21,21c…評価部 24…回転パルス発生部 25a…遅延回路

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検査対象の継目無管が軸方向に走行する
    貫通孔が形成され、この継目無管の外周面に対して所定
    の隙間を有して回転する回転ヘッドと、 この回転ヘッドの内周面に取付けられ、前記走行状態の
    継目無管に直流磁界を発生させる磁化器と、 前記回転ヘッドの内周面におけるこの回転ヘッドの同一
    周方向位置でかつ軸方向に互いに離間した位置に取付け
    られ、前記継目無管に存在する欠陥を検出する一対の磁
    気センサと、 この一対の磁気センサから出力される一対の検出信号の
    差信号を求め、この差信号を前記継目無管に対する欠陥
    検出信号とする減算回路とを備えた継目無管の磁気探傷
    装置。
  2. 【請求項2】 検査対象の継目無管が軸方向に走行する
    貫通孔が形成され、この継目無管の外周面に対して所定
    の隙間を有して回転する回転ヘッドの内周面に前記走行
    状態の継目無管に直流磁界を発生させる磁化器を取付
    け、 前記回転ヘッドの内周面におけるこの回転ヘッドの同一
    周方向位置でかつ軸方向に互いに離間した位置に、前記
    継目無管に存在する欠陥を検出する一対の磁気センサを
    取付け、 この一対の磁気センサから出力される一対の検出信号の
    差信号を前記継目無管に対する欠陥検出信号とすること
    を特徴とする継目無管の磁気探傷方法。
  3. 【請求項3】 検査対象の継目無管が軸方向に走行する
    貫通孔が形成され、この継目無管の外周面に対して所定
    の隙間を有して回転する回転ヘッドと、 この回転ヘッドの内周面に取付けられ、前記走行状態の
    継目無管に直流磁界を発生させる磁化器と、 前記回転ヘッドの内周面に取付けられ、前記継目無管に
    存在する欠陥を検出する磁気センサと、 前記回転ヘッドの回転位置を検出する回転位置検出手段
    と、 前記磁気センサから出力される検出信号を、前記回転位
    置検出手段の検出信号を用いて所定回転数を経過するま
    で記憶保持する記憶手段と、 この記憶手段から出力された所定回転数前の検出信号と
    前記磁気センサから出力される現在の検出信号との差信
    号を求め、この差信号を前記継目無管に対する欠陥検出
    信号とする減算回路とを備えた継目無管の磁気探傷装
    置。
  4. 【請求項4】 検査対象の継目無管が軸方向に走行する
    貫通孔が形成され、この継目無管の外周面に対して所定
    の隙間を有して回転する回転ヘッドの内周面に前記走行
    状態の継目無管に直流磁界を発生させる磁化器を取付
    け、 前記回転ヘッドの内周面におけるこの回転ヘッドの同一
    周方向位置でかつ軸方向に互いに離間した位置に、前記
    継目無管に存在する欠陥を検出する磁気センサを取付
    け、 この磁気センサから出力される現在の検出信号と前記磁
    気センサから出力される所定回転数前の検出信号との差
    信号を前記継目無管に対する欠陥検出信号とすることを
    特徴とする継目無管の磁気探傷方法。
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KR101068148B1 (ko) 2010-04-02 2011-09-27 전남대학교산학협력단 피검체의 원주방향 결함위치를 검출할 수 있는 자기 변형 센서
JP2015179028A (ja) * 2014-03-19 2015-10-08 大阪瓦斯株式会社 欠陥深さ推定方法、及び欠陥深さ推定装置
RU198713U1 (ru) * 2020-01-09 2020-07-23 Акционерное общество "Виматек" (АО "Виматек") Устройство для неразрушающего контроля труб
CN115946097A (zh) * 2022-12-29 2023-04-11 武汉科技大学 一种金属管道质量管外检测机器人

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