JP2000227420A - マルチプローブ型渦流探傷方法及び装置 - Google Patents

マルチプローブ型渦流探傷方法及び装置

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JP2000227420A
JP2000227420A JP11027141A JP2714199A JP2000227420A JP 2000227420 A JP2000227420 A JP 2000227420A JP 11027141 A JP11027141 A JP 11027141A JP 2714199 A JP2714199 A JP 2714199A JP 2000227420 A JP2000227420 A JP 2000227420A
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eddy current
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signal
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Akira Murayama
章 村山
Hiroji Okawa
洋児 大川
Yoshihiro Murakami
美廣 村上
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JFE Engineering Corp
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N D R KK
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の貫通型サーチコイルを用いた渦流探傷
法よりも高感度で且つ高いSN比が得られる渦流探傷
法。 【解決手段】 被検査材1に近接する周方向に、各プロ
ーブが励磁コイルM及び検出コイルDを含む2つのプロ
ーブS1 ,S2 を一定間隔で配置し、前記2つのプロー
ブS1 ,S2 の各励磁コイルM1 ,M2 に交流電流を発
振器3より供給して被検査材1に渦電流を発生させ、前
記2つのプローブS1 ,S2 の各検出コイルD1 ,D2
による誘起電圧e1 ,e2 の差分値e0 を求め、このe
0 により欠陥を検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、円筒状又は丸棒状
導電体に存在する欠陥をマルチプローブを用いた渦流探
傷により検出する方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、鋼管や丸棒鋼等の導電体に存在す
る欠陥を検査する方法として一般に知られているもの
に、超音波探傷法、磁気探傷法、渦流探傷法等がある。
超音波探傷法では、被検査材に対して、水や油等の接触
媒質を介して探触子を接触させて超音波を加え、欠陥部
からのエコー信号を測定することで、間接的に欠陥を検
出する。磁気探傷法では、磁性体の被検査材を強力な磁
石で磁化し、欠陥部における磁気抵抗の増加に起因し
て、外部に漏洩する磁束を磁気センサで検出し、この検
出値から間接的に欠陥を検出する。
【0003】渦流探傷法では、導電体の被検査材に交流
磁界を交差させ、この交流磁界によって被検査材に渦電
流を発生させる。そして被検査材の欠陥部における電気
抵抗又は磁気抵抗の変化によって、前記渦電流も変化す
る。この変化を電磁誘導法を用いて検出し、この検出値
から間接的に被検査材に存在する欠陥を検出することが
できる。この渦流探傷法は、被検査材と非接触で検査が
可能であるので、オンラインでの高速探傷に適した方法
である。
【0004】図6は従来の貫通型サーチコイルを用いた
渦流探傷法の説明図である。図6において、1は鋼管や
丸棒鋼等の被検査材、2は貫通型サーチコイルである。
貫通型サーチコイル2は、被検査材1の軸方向に所定距
離隔てて設けられた第1のサーチコイル2aと第2のサ
ーチコイル2bを含む。3は交流信号を発生する発振
器、4は移相器、5は交流ブリッジ、6は信号増幅器、
7は同期検波器、8は高域濾波器(以下HPFと記す)
である。図7は図6の第1、第2のサーチコイルの構造
を示す図であり、各サーチコイルは、それぞれ、貫通穴
22を有するリング状ボビン21の外周の溝に巻かれた
励磁コイルMと検出コイルDを有している。即ち第1の
サーチコイル2aは励磁コイルMaと検出コイルDaを
有し、第2のサーチコイル2bは励磁コイルMbと検出
コイルDbを有している。従ってこの第1,第2のサー
チコイル2a,2bを含む貫通型サーチコイル2は、被
検査材1の軸方向に所定距離隔てた2箇所を周方向に同
時に交流励磁し、同時に渦電流の信号検出を行うことが
できる。
【0005】図6を用い、従来の貫通型サーチコイルを
用いた渦流探傷法を説明する。被検査材1は図6の矢印
方向に搬送され、貫通型サーチコイル2の貫通穴内に挿
入される。発振器3は、交流信号を発生し、貫通型サー
チコイル2内の第1、第2のサーチコイル2a,2b内
の各励磁コイルMa,Mbにそれぞれ交流電流を供給し
て、交流磁界を発生させる。この交流磁界により被検査
材1の2箇所に周方向の渦電流が流れ、この電流値は、
被検査材1の電気的特性、磁気的特性、外径及び欠陥の
有無等によって変化する。従って、いま電気的特性、磁
気的特性及び外径が一定であり、2つの渦電流のうちの
一方は正常箇所から得られた電流で、他方は欠陥箇所か
ら得られた電流である場合に、2つのサーチコイル2
a,2bの各検出コイルDa,Dbが検出した2つの電
流値の差分値を抽出して渦電流の変化を検出することに
より、間接的に被検査材1に存在する欠陥を検出でき
る。
【0006】図6では、貫通型サーチコイル2内の2つ
のサーチコイル2a、2bの各検出コイルDa,Dbの
出力を交流ブリッジ5に入力させ、この交流ブリッジ5
により2つの渦電流の差分値を抽出し、この抽出出力を
信号増幅器6に加える。信号増幅器6は、入力信号を所
定の増幅率(例えば10〜100倍程度)で増幅しその
出力を同期検波器7の一方の入力端に加える。この同期
検波器7の他方の入力端には、発振器3の出力が移相器
4により、信号増幅器6の出力位相と同位相となる分だ
け移相された基準位相信号が供給され、この基準位相信
号を用いて信号増幅器6の出力信号の同期検波がなされ
る。同期検波器7の検波出力はHPF8に印加され、H
PF8は低周波成分のノイズを除去して高周波成分であ
る欠陥信号を出力する。そしてこの出力信号の振幅を測
定することにより欠陥の大きさを判別できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
貫通型サーチコイルを用いた渦流探傷法においては、被
検査材の外径よりも大きい貫通穴を有するサーチコイル
内に搬送される被検査材を挿入して探傷を行うため下記
の問題点があった。 (1)貫通型サーチコイルの励磁コイルは被検査材の外
周より周方向に励磁を行うため、渦電流と交差する軸方
向欠陥の検出は容易であるが、渦電流と同一方向である
周方向欠陥の検出には適していないという欠点があっ
た。 (2)被検査材の外径が増加すると、サーチコイルの貫
通穴及び外径を増加させる必要があるので、被検査材の
外径の増加に伴って欠陥に対する検出感度が低下し、所
期の検出能が得られなくなる。 (3)被検査材の局部的な漏肉や磁気的特性の変化によ
り大きなノイズが発生し、探傷性能が著しく悪化する。 (4)オンラインで被検査材の搬送時に、被検査材の振
動によるノイズが発生し、SN(信号対雑音)比が悪化
する。 (5)このため現在のJIS規格での欠陥検出能に比べ
て、実用上の検出性能が不足しており、さらに高い検出
能とSN比の向上が要望されていた。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
マルチプローブ型渦流探傷方法は、円筒状又は丸棒状導
電体に近接する周方向に、各プローブが励磁コイル及び
検出コイルを含む偶数のプローブを一定間隔で配置し、
また前記偶数の各プローブには、その配置に基づきそれ
ぞれ対となる相手方のプローブを決めておき、前記偶数
のプローブの各励磁コイルに交流電流を供給して前記導
電体に渦電流を発生させ、前記偶数のプローブのうちで
対と決められた2つのプローブ毎に、その2つの検出コ
イルによる検出信号の差分値をそれぞれ求め、この各差
分値により前記導電体の欠陥を検出するものである。
【0009】本発明の請求項2に係るマルチプローブ型
渦流探傷方法は、円筒状又は丸棒状導電体の周方向の周
囲に、前記導電体が貫通できるリング状の励磁コイルを
設け、この励磁コイルの内側で前記導電体に近接する周
方向に偶数の検出コイルを一定間隔で配置し、また前記
偶数の各検出コイルには、その配置に基づきそれぞれ対
となる相手方の検出コイルを決めておき、前記励磁コイ
ルに交流電流を供給して前記導電体に渦電流を発生さ
せ、前記偶数の検出コイルのうちで対と決められた2つ
の検出コイル毎に、この2つの検出コイルによる検出信
号の差分値をそれぞれ求め、この各差分値により前記導
電体の欠陥を検出するものである。
【0010】本発明の請求項3に係るマルチプローブ型
渦流探傷方法は、前記請求項1又は2に係るマルチプロ
ーブ型渦流探傷方法において求めた2つの検出コイルに
よる検出信号の各差分値は、それぞれ信号増幅後、前記
交流電流と同期させて個別に検波し、この各検波信号を
個別に入力して、高域濾波した信号をそれぞれ出力する
と共に低域濾波した信号もそれぞれ出力し、また前記高
域濾波とする際のカットオフ周波数及び低域濾波をする
際のカットオフ周波数を前記導電体を搬送する際の搬送
速度に対応してそれぞれ設定するようにしたものであ
る。
【0011】本発明の請求項4に係るマルチプローブ型
渦流探傷方法は、前記請求項1又は2に係るマルチプロ
ーブ型渦流探傷方法において求めた2つの検出コイルに
よる検出信号の各差分値は、それぞれ信号増幅後、前記
交流電流と同期させて個別に検波し、この各検波信号を
前記導電体を搬送する際の搬送速度に対応する変換速度
で個別にデジタル信号に変換し、この各デジタル信号を
所定数だけ順次更新しながらそれぞれ記憶し、この記憶
した各所定数のデジタル信号のうちの前記導電体の所定
距離を隔てた2つのデジタル信号の差分値をそれぞれ求
め、この各差分値により導電体の欠陥を検出するもので
ある。
【0012】本発明の請求項5に係るマルチプローブ型
渦流探傷装置は、円筒状又は丸棒状導電体に近接する周
方向に一定間隔で配置される偶数のプローブであって、
この偶数の各プローブは、それぞれ励磁コイル及び検出
コイルを含むと共に、その配置に基づきそれぞれ対とな
る相手方のプローブが決められている前記偶数のプロー
ブと、交流信号を発生し、この発生した交流信号を前記
偶数のプローブの各励磁コイルに供給して前記導電体に
渦電流を発生させる交流発振器と、前記偶数のプローブ
のうちで対と決められた2つのプローブ毎に、この2つ
の検出コイルの出力端を逆相に直列接続し、その2つの
検出コイルによる検出信号の差分値をそれぞれ出力する
前記偶数の半数の差分値出力手段とを備えたものであ
る。
【0013】本発明の請求項6に係るマルチプローブ型
渦流探傷装置は、円筒状又は丸棒状導電体の周方向の周
囲に設けられ、前記導電体が貫通できるリング状の励磁
コイルと、前記励磁コイルの内側で前記導電体に近接す
る周方向に一定間隔で配置される偶数の検出コイルであ
って、この偶数の各検出コイルには、その配置に基づき
それぞれ対となる相手方の検出コイルが決められている
前記偶数の検出コイルと、交流信号を発生し、この発生
した交流信号を前記リング状の励磁コイルに供給して前
記導電体に渦電流を発生させる交流発振器と、前記偶数
の検出コイルのうちで対と決められた2つの検出コイル
毎に、この2つの検出コイルの出力端を逆相に直列接続
し、その2つの検出コイルによる検出信号の差分値をそ
れぞれ出力する前記偶数の半数の差分値出力手段とを備
えたものである。
【0014】本発明の請求項7に係るマルチプローブ型
渦流探傷装置は、前記請求項5又は6に係るマルチプロ
ーブ型渦流探傷装置において、前記偶数の半数の各差分
値出力手段が出力する差分値をそれぞれ入力して個別に
信号増幅して出力する前記偶数の半数の信号増幅器と、
前記偶数の半数の各信号増幅器の出力信号をそれぞれ個
別に前記交流電流と同期させて検波する前記偶数の半数
の同期検波器と、前記偶数の半数の各同期検波器の出力
信号をそれぞれ入力して、前記導電体を搬送する際の搬
送速度に対応して設定されたカットオフ周波数により個
別に高域濾波した信号を出力する前記偶数の半数の高域
濾波器と、前記偶数の半数の各同期検波器の出力信号を
それぞれ入力して、前記導電体を搬送する際の搬送速度
に対応して設定されたカットオフ周波数により個別に低
域濾波した信号を出力する前記偶数の半数の低域濾波器
とを有するものである。
【0015】本発明の請求項8に係るマルチプローブ型
渦流探傷装置は、前記請求項5又は6に係るマルチプロ
ーブ型渦流探傷装置において、前記偶数の半数の各差分
値出力手段が出力する差分値をそれぞれ入力して個別に
信号増幅して出力する前記偶数の半数の信号増幅器と、
前記偶数の半数の各信号増幅器の出力信号をそれぞれ個
別に前記交流電流と同期させて検波する前記偶数の半数
の同期検波器と、前記偶数の半数の各同期検波器の出力
信号をそれぞれ入力して、前記導電体を搬送する際の搬
送速度に対応する変換速度で個別にデジタル信号に変換
する前記偶数の半数のアナログ・デジタル変換器と、前
記偶数の半数の各アナログ・デジタル変換器の出力する
デジタル信号をそれぞれ入力して、この各デジタル信号
を所定数だけ順次更新しながら記憶し、この記憶した各
所定数のデジタル信号のうちの前記導電体の所定距離を
隔てた2つのデジタル信号の差分値をそれぞれ求め、こ
の各差分値により導電体の欠陥を検出する欠陥検出手段
とを有するものである。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を説明する前
に、本発明に係るマルチプローブ型渦流探傷法の原理を
説明する。従来技術における貫通型サーチコイルは、被
検査材外面の全周を1個のリング状サーチコイルで検査
するため、前記の発明が解決しようとする課題に記載の
諸問題が未解決のままであった。
【0017】図2は本発明に係るマルチプローブの構成
及び配置を説明する図である。図2において、1は被検
査材、S1 〜SN は複数N(但しNは偶数とする)個の
プローブであり、各プローブSi (i=1,2,3,…
N)は、それぞれ“コ”の字型ボビンBi と、このボビ
ンBi の一方の開口端に設けられた励磁コイルMi と、
その他方の開口端に設けられた検出コイルDi とにより
構成される。偶数N個のプローブは、図2の(a)に示
すように、被検査材1に近接する周方向に一定間隔で、
その向きは、図2の(b)に示すように、励磁コイルM
i から検出コイルDi への方向が被検査材1の軸方向と
一致するようにそれぞれ配置される。またこの偶数N個
の各プローブには、その配置に基づきそれぞれ対となる
相手方のプローブが予め決められている。従ってこの偶
数N個のプローブによって、従来の貫通型サーチコイル
1個分の機能を行うことになる。
【0018】即ち、図2のように被検査材1の外周に一
定間隔で配置された偶数N個の各プローブの励磁コイル
i に発振器(図示せず)から交流電流をそれぞれ供給
して、各プローブSi 毎に局部的に交流磁界を発生させ
る。この交流磁界によって、被検査材1には、局部的な
渦電流がそれぞれ流れる。この渦電流の変化を抽出する
方法として、前記予め対として決められた2つのプロー
ブの検出コイルの検出信号の差分値を求める。
【0019】ここでは、図2の(a)のように、被検査
材1の外周に一定間隔で配置された偶数N個の各プロー
ブについて、1つ置いた隣り毎のプローブを対とした例
を示す。即ちプローブのS1 とS3 ,S2 とS4 ,S5
とS7 ,S6 とS8 ,…をそれぞれ対として、これらの
対となった2つのプローブの検出コイルの検出信号の差
分値を求める。いまプローブS1 〜SN の各検出信号を
1 〜sn とすると、検出信号の差分値(s1
3 ),(s2 〜s4 ),(s5 〜s7 ),…(sn-2
〜sn )を求めることになる。
【0020】これは、前記の対となる2箇所のプローブ
で、同時に欠陥が検出される確率はきわめて小さく、一
方のプローブで欠陥を検出した場合、他方のプローブで
は正常を検出していることがきわめて多いという経験に
基いている。例えば、いま被検査材1の周方向又は軸方
向の欠陥がプローブS1 の下側に存在したとすると、プ
ローブS3 の下側は健全部である場合が多いので、2つ
の検出信号の差分値(s1 〜s3 )を求めることで、プ
ローブS1 の下側の欠陥を検出することができる。
【0021】この偶数N個のプローブを用いることで、
1個のプローブの探傷範囲は、被検査材1の外径の1/
Nに限定され、被検査材1の周方向には、局部的なN個
の渦電流が流れ、この各渦電流は被検査材1の周方向に
も、軸方向にも流れるから、被検査材1の軸方向欠陥も
周方向欠陥も共に検出することができる。また1個のプ
ローブの探傷範囲が限定されることにより、各プローブ
が検出する、被検査材1の周方向に存在する局部的な電
気的、磁気的特性の変化や、外径、肉厚の変化等に基づ
くノイズが大幅に減少する。さらに被検査材1の周方向
に設けられた1つ置いた隣り毎の2つのプローブの検出
信号の差分値を抽出することで、ノイズの同相成分は除
去されるから、被検査材の搬送時に生じる振動に起因す
るノイズの大部分は除去され、高いSN比が達成でき
る。
【0022】実施形態1 図1は本発明の実施形態1に係るマルチプローブ型渦流
探傷法を説明する図であり、図の1は例えば鋼管や丸棒
鋼等の被検査材、S1 ,S2 は一対のプローブであり、
各プローブは図2で説明したプローブSi と同一のもの
である。また3は交流信号を発生する発振器である。図
1の(a)は、被検査材1と一対のプローブS1 ,S2
の相互の位置関係を示しており、プローブS1 ,S
2 は、被検査材1の周方向にほぼ1/4周の間隔を設け
て、被検査材1に対してそれぞれ近接して配置される。
【0023】図1の(b)は、各プローブの構成を示し
ており、プローブS1 ,S2 は、“コ”の字型ボビンB
1 ,B2 と、このボビンの一方の開口端に巻かれた励磁
コイル(1次コイルともいう)M1 ,M2 と、その他方
の開口端に巻かれた検出コイル(2次コイルともいう)
1 ,D2 とにより構成される。なお、このプローブS
1 ,S2 の向きは、図2の(b)に示したように、励磁
コイルから検出コイルへの方向が被検査材1の軸方向と
一致するように配置される。
【0024】図1の(c)は、一対のプローブS1 ,S
2 の励磁と信号検出の方法を示す回路図であり、図の
(c)により実施形態1の動作を説明する。図1の
(b)の構成による一対のプローブS1 ,S2 を、図の
(a)の配置図のように被検査材1に近接させて配置
し、各プローブS1 ,S2 の励磁コイルM 1 ,M2 に、
発振器3から交流電流を並列に供給する。この交流励磁
によって、2つの交流磁界が発生し、この2つの交流磁
界により被検査材1の2個所に渦電流が流れる。この2
箇所の渦電流をプローブS1 ,S 2 の検出コイルD1
2 がそれぞれ検出する。
【0025】いま被検査材1のプローブS1 の下側部分
とプローブS2 の下側(図1の(a)では横側)部分の
いずれにも欠陥が存在しない場合には、2つの検出コイ
ルD 1 ,D2 に誘起する電圧e1 ,e2 の値は相等し
い。(かりに、e1 ,e2 の値が等しくない場合には、
プローブS1 ,S2 と被検査材1との間の間隔等を調整
し、両電圧が等しくなるようにする)。そこで2つの検
出コイルD1 ,D2 の出力端を、その誘起電圧e1 ,e
2 が逆相として加算されるように(即ち差し引くよう
に)、直列に接続し、この直列接続回路の両端より出力
電圧e0 を取り出すと、e0 =e1 −e2 となり、この
場合に出力電圧e0 は零ボルトになる(なお、初期調整
時には、e0 が零ボルトになるように調整する)。
【0026】このように初期調整がなされた後の探傷
で、被検査材1のプローブS1 の下側部分またはプロー
ブS2 の下側部分のいずれかに欠陥が存在すると、2つ
の検出コイルD1 ,D2 に誘起される電圧値及び位相に
差が生じるため、この差分値に相当する出力電圧e0
検出される。この出力電圧e0 は、後述する図4又は図
5の計測回路により計測され、欠陥が高感度で且つ高い
SN比で検出される。
【0027】実施形態2 本発明の渦流探傷法を用いて高炭素系や特殊鋼等の強磁
性体の被検査材を検査する場合、被検査材の磁気的特性
の変化が大きいので、まず被検査材を飽和域まで磁化し
ないように、また検出コイルの誘起信号も飽和させない
ようにする必要がある。この場合の渦流探傷法を実施形
態2として図3に示す。図3は本発明の実施形態2に係
るマルチプローブ型渦流探傷法を説明する図であり、図
の1は強磁性体の被検査材、D1 ,D2 ,D3 …D
N (但しNは偶数とする)は空芯型の検出コイル、11
は貫通型励磁コイル、3は発振器である。またこの偶数
N個の各検出コイルには、その配置に基づき対となる相
手方の検出コイルが予め決められており、ここでは図2
の場合と同様に、1つ置いた隣り毎の検出コイルを対と
した例を示す。
【0028】図3の(a)は、被検査材1と、偶数個の
検出コイルD1 ,D2 ,D3 …DNと、貫通型励磁コイ
ル11との相互の位置関係を示しており、各検出コイル
1,D2 ,D3 …DN は貫通型励磁コイル11の内側
で、被検査材1に近接する周方向に一定間隔を設けて配
置される。そして各検出コイルD1 ,D2 ,D3 …D N
により形成されるリングの内側に被検査材1を挿入す
る。図3の(b)は、貫通型励磁コイルの励磁と信号検
出の方法を示す回路図であり、同図により実施形態2の
動作を説明する。
【0029】発振器3から貫通型励磁コイル11に交流
電流を供給して、被検査材1の周方向に一様な渦電流を
流す。被検査材1に欠陥が存在しない場合は、この励磁
状態において、各空芯型検出コイルD1 ,D2 ,D3
N がそれぞれ検出する電圧e1 ,e2 ,e3 …eN
値は、等しい値になる。そして予め対として決められた
1つ置いた隣りの2つの検出コイル毎に、その誘起電圧
が逆相として加算されるように直列に接続し、この直列
接続回路の両端より出力電圧を取り出すと(図3の
(a)では、出力電圧e0 =e1 −e3 として示す)、
この欠陥が存在しない場合の出力電圧は零ボルトになる
(かりに零ボルトでない場合には、各検出コイルの取付
位置等を調整して、零ボルトになるようにする。)。
【0030】このように初期調整がなされた後の探傷
で、被検査材1の検出コイルD1 またはD3 のいずれか
の下側部分に欠陥が存在すると、検出コイルD1 とD3
がそれぞれ検出する渦電流に基づく検出電圧e1 とe3
が等しくなくなるので、この2つの検出電圧の差分値で
ある出力電圧e0 を抽出し、この抽出電圧e0 を、後述
する図4又は図5の計測回路により計測し、欠陥の検出
を行うことができる。
【0031】図4は本発明の実施形態1、2に係る検出
部を除く第1の計測回路を示す図であり、図の3,4及
び6〜8は図6と同一のものである。図4において、9
は低域濾波器(以下LPFと書す)、12は制御信号発
生器であり、検査ラインに設置され、被検査材の移動速
度に対応したパルス数を発生するエンコーダの出力を入
力し、HPF8及びLPF9のカットオフ周波数を制御
する信号を発生するものである。
【0032】図4の計測回路と図1の(c)の検出部と
を接続した場合について説明する。図4の発振器3は図
1の励磁コイルM1 及びM2 に交流電流を供給し、各励
磁コイルM1 ,M2 は、それぞれ交流磁界を発生して、
被検査材1に渦電流を発生させる。検出コイルD1 及び
2 を図1の(c)に示したように、各誘起電圧を逆相
で加算するように直列接続し、この直列接続回路の出力
電圧e0 を図4の信号増幅器6に入力して所定振幅値と
なるまで増幅する。信号増幅器6の出力電圧は、図6で
説明したように、移相器4の出力する基準位相信号を用
いて同期検波器7により同期検波される。この同期検波
器7の検波出力はHPF8とLPF9に供給される。ま
たHPF8とLPF9には、制御信号発生器12からの
制御信号により、各々のカットオフ周波数が、ライン速
度に追従して設定される。
【0033】HPF8は、入力信号から前記設定された
カットオフ周波数以上の成分を抽出して第1出力として
出力するので、この第1出力では高周波信号成分の多い
ホール性欠陥や周方向欠陥を効率よく検出することがで
きる。またLPF9は、入力信号から前記設定されたカ
ットオフ周波数以下の成分を抽出して第2出力として出
力するので、この第2出力では低周波数信号成分の多い
被検査材1の軸方向に長い欠陥を効率良く検出すること
ができる。
【0034】なお図4の計測回路は、一対のサーチコイ
ルS1 ,S2 で探傷をする場合のものとして説明したの
で、複数M対のサーチコイルで並列探傷を行う場合に
は、信号増幅器6、同期検出器7、HPF8及びLPF
9はM個だけ必要となる。さらに図4では、同期検出出
力に対してHPF8及びLPF9を用いた処理理方法を
説明したが、一対の帯域濾波器(以下BPFと書す)を
用いて、一方のBPFは、ホール性欠陥や周方向欠陥を
検出するために高域のBPFとし、他方のBPFは、軸
方向性欠陥を検出対象とする低域のBPFとしても、同
様の目的を達することができる。
【0035】図5は本発明の実施形態1,2に係る検出
部を除く第2の計測回路を示す図であり、図の3,4,
6及び7は図4と同一のものである。また図5の13は
制御信号発生器、14はA/D変換器、15はコンピュ
ータである。図5においては、制御信号発生器13に
は、被検査材の移動速度に対応したパルス数を発生する
エンコーダの出力が入力され、被検査材が一定距離移動
する毎に制御信号をA/D変換器14及びコンピュータ
15に出力する。同期検波器7の出力電圧は、A/D変
換器14に供給され、A/D変換器14は、制御信号発
生器13から供給される制御信号(前記移動速度に同期
した制御信号)毎に、入力アナログ信号をデジタルデー
タに変換して、コンピュータ15に供給する。
【0036】コンピュータ15は、入力されるデジタル
データを所定数だけ順次更新しながら内蔵メモリに記憶
し、この記憶した所定数のデジタルデータのうちの被検
査材の所定距離を隔てた2つのデジタルデータの差分値
をそれぞれ算出する。そして被検査材に欠陥がない場合
には、前記差分値は零に近い値であるが、被検査材に欠
陥があると前記差分値が大きくなるので、この差分値
を、所定の閾値と比較して、閾値を越える場合に欠陥と
して検出することができる。このようにしてアナログ信
号のHPFやLPFを用いずに欠陥を検出することがで
きる。
【0037】さらにコンピュータ15による他の処理法
としては、逐次入力するデータにより被検査材の単位距
離毎に所定数データの移動平均値を求めて、その値を前
回の移動平均値と比較する方法や、デジタル型フィルタ
を用いたHPFやLPFの処理を行い、不要なノイズ成
分を除去して欠陥検出を行うことも可能である。またコ
ンピュータ15を用いた場合には、生産ラインにおい
て、被検査材の外径、電気的特性、磁気的特性、搬送速
度等が変更された場合に、コンピュータ15の動作プロ
グラムを変えるのみで前記変更に柔軟に対応して渦流探
傷を行うことができる。なお図5の計測回路では、予め
対と決められた2つの検出コイルによる検出信号の差分
値を入力して、信号増幅器6、同期検波器7及びA/D
変換器14を介してコンピュータ15へデジタルデータ
を入力する例を示したが、各検出コイルによる検出信号
をそれぞれ独立の信号増幅器6、同期検波器7及びA/
D変換器14を介してコンピュータ15へ各検出コイル
毎のデジタルデータを入力するようにしてもよい。この
後者の場合には、コンピュータ15は、対となる2つの
デジタルデータの組み合せを任意に決定・変更し、導電
体の欠陥を検出するのに最適な2つのデジタルデータの
差分値を求めることができる利点がある。
【0038】以上のように本実施形態1,2によれば、
下記の効果が得られる。 (1)被検査材の外径が増加した場合に、実施形態1で
は、励磁コイルと検出コイルを含むプローブの数を増加
させることにより、また実施形態2では検出コイルの数
を増加させることにより、各検出コイルの探傷領域が一
定となり、外径に関係なく、また欠陥の方向性に関係な
く、高感度で欠陥の検出ができる。 (2)各検出コイルの探傷領域が限定されることにな
り、各検出コイルに誘起される被検査材の磁気特性、電
気特性の変化や、局部的な外径、肉厚の変化等に基づく
ノイズが大幅に減少する。 (3)被検査材の搬送時に生じる振動等に基づくノイズ
については、前記2つの検出コイルの検出信号の差分値
を抽出することで、同一時刻に生じる類似波形のものは
除去され、さらにHPF,LPFのカットオフ周波数を
搬送速度に応じて変化させることにより有効な帯域制限
がなされることで、ノイズの検出量が少い。 (4)実施形態1では、複数の励磁コイルを用いること
により、被検査材の単位面積当たりの渦電流密度を大き
くすることができるので、微小欠陥に対する検出感度の
向上が容易となる。 (5)実施形態2では、単一の貫通型励磁コイルによっ
て、被検査材に磁気飽和を生じない程度の渦電流を流
し、各探傷領域毎に設けられた検出コイルにより誘起電
圧をそれぞれ検出し、予め対として決められた2つの検
出電圧の差分値を抽出することで、被検査材が強磁性の
場合でも欠陥を高感度で検出できる。
【0039】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、円筒状又
は丸棒状導電体に近接する周方向に、各プローブが励磁
コイル及び検出コイルを含む偶数のプローブを一定間隔
で配置し、また前記偶数の各プローブには、その配置に
基づきそれぞれ対となる相手方のプローブを決めてお
き、前記偶数のプローブの各励磁コイルに交流電流を供
給して前記導電体に渦電流を発生させ、前記偶数のプロ
ーブのうちで対と決められた2つのプローブ毎に、その
2つの検出コイルによる検出信号の差分値をそれぞれ求
め、この各差分値により前記導電体の欠陥を検出するよ
うにしたので、前記導電体の外径に関係なく、また欠陥
の方向性に関係なく、高感度で且つ高いSN比で欠陥を
検出することができる。
【0040】また本発明によれば、円筒状又は丸棒状導
電体の周方向の周囲に、前記導電体が貫通できるリング
状の励磁コイルを設け、この励磁コイルの内側で前記導
電体に近接する周方向に偶数の検出コイルを一定間隔で
配置し、また前記偶数の各検出コイルには、その配置に
基づきそれぞれ対となる相手方の検出コイルを決めてお
き、前記励磁コイルに交流電流を供給して前記導電体に
渦電流を発生させ、前記偶数の検出コイルのうちで対と
決められた2つの検出コイル毎に、この2つの検出コイ
ルによる検出信号の差分値をそれぞれ求め、この各差分
値により前記導電体の欠陥を検出するようにしたので、
前記導電体が強磁性の場合にも、前記導電体に磁気飽和
を生じさせない状態において、欠陥を高感度で且つ高い
SN比で検出することができる。
【0041】また本発明によれば、前記求めた2つの検
出コイルによる検出信号の各差分値は、それぞれ信号増
幅後、前記交流電流と同期させて個別に検波し、この各
検波信号を個別に入力して、高域濾波した信号をそれぞ
れ出力すると共に低域濾波した信号もそれぞれ出力し、
また前記高域濾波をする際のカットオフ周波数及び低域
濾波をする際のカットオフ周波数を前記導電体を搬送す
る際の搬送速度に対応してそれぞれ設定するようにした
ので、前記導電体の搬送速度に応じた検波信号の帯域制
限が有効になされ、その結果、高周波信号成分の多いホ
ール性欠陥や周方向欠陥及び低周波信号成分の多い軸方
向に長い欠陥を効率良く検出することができる。
【0042】また本発明によれば、前記求めた2つの検
出コイルによる検出信号の各差分値は、それぞれ信号増
幅後、前記交流電流と同期させて個別に検波し、この各
検波信号を前記導電体を搬送する際の搬送速度に対応す
る変換速度で個別にデジタル信号に変換し、この各デジ
タル信号を所定数だけ順次更新しながらそれぞれ記憶
し、この記憶した各所定数のデジタル信号のうちの前記
導電体の所定距離を隔てた2つのデジタル信号の差分値
をそれぞれ求め、この各差分値により導電体の欠陥を検
出するようにしたので、前記導電体の外径、電気的、磁
気的特性、搬送速度等が変更された場合に、動作プログ
ラムを変えるのみで、前記変更に柔軟に対応して渦流探
傷を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係るマルチプローブ型渦
流探傷法を説明する図である。
【図2】本発明に係るマルチプローブの構成及び配置を
説明する図である。
【図3】本発明の実施形態2に係るマルチプローブ型渦
流探傷法を説明する図である。
【図4】本発明の実施形態1、2に係る検出部を除く第
1の計測回路を示す図である。
【図5】本発明の実施形態1、2に係る検出部を除く第
2の計測回路を示す図である。
【図6】従来の貫通型サーチコイルを用いた渦流探傷法
の説明図である。
【図7】図6の第1、第2のサーチコイルの構造を示す
図である。
【符号の説明】
1 被検査材 2 貫通型サーチコイル 3 発振器 4 移相器 5 交流ブリッジ 6 信号増幅器 7 同期検波器 8 HPF 9 LPF 11 貫通型励磁コイル 12,13 制御信号発生器 B1 〜BN ボビン D1 〜DN 検出コイル M1 〜MN 励磁コイル P1 〜PN プローブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大川 洋児 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 村上 美廣 埼玉県戸田市大字新曽2447番地2 エヌデ ィアール株式会社内 Fターム(参考) 2G053 AA11 AB21 BA13 BB03 BC02 BC07 CA03 CB17 CB21 DA01 DA06 DB04

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒状又は丸棒状導電体に近接する周方
    向に、各プローブが励磁コイル及び検出コイルを含む偶
    数のプローブを一定間隔で配置し、また前記偶数の各プ
    ローブには、その配置に基づきそれぞれ対となる相手方
    のプローブを決めておき、前記偶数のプローブの各励磁
    コイルに交流電流を供給して前記導電体に渦電流を発生
    させ、前記偶数のプローブのうちで対と決められた2つ
    のプローブ毎に、その2つの検出コイルによる検出信号
    の差分値をそれぞれ求め、この各差分値により前記導電
    体の欠陥を検出することを特徴とするマルチプローブ型
    渦流探傷方法。
  2. 【請求項2】 円筒状又は丸棒状導電体の周方向の周囲
    に、前記導電体が貫通できるリング状の励磁コイルを設
    け、この励磁コイルの内側で前記導電体に近接する周方
    向に偶数の検出コイルを一定間隔で配置し、また前記偶
    数の各検出コイルには、その配置に基づきそれぞれ対と
    なる相手方の検出コイルを決めておき、前記励磁コイル
    に交流電流を供給して前記導電体に渦電流を発生させ、
    前記偶数の検出コイルのうちで対と決められた2つの検
    出コイル毎に、この2つの検出コイルによる検出信号の
    差分値をそれぞれ求め、この各差分値により前記導電体
    の欠陥を検出することを特徴とするマルチプローブ型渦
    流探傷方法。
  3. 【請求項3】 前記求めた2つの検出コイルによる検出
    信号の各差分値は、それぞれ信号増幅後、前記交流電流
    と同期させて個別に検波し、この各検波信号を個別に入
    力して、高域濾波した信号をそれぞれ出力すると共に低
    域濾波した信号もそれぞれ出力し、また前記高域濾波を
    する際のカットオフ周波数及び低域濾波をする際のカッ
    トオフ周波数を前記導電体を搬送する際の搬送速度に対
    応してそれぞれ設定するようにしたことを特徴とする請
    求項1又は2記載のマルチプローブ型渦流探傷方法。
  4. 【請求項4】 前記求めた2つの検出コイルによる検出
    信号の各差分値は、それぞれ信号増幅後、前記交流電流
    と同期させて個別に検波し、この各検波信号を前記導電
    体を搬送する際の搬送速度に対応する変換速度で個別に
    デジタル信号に変換し、この各デジタル信号を所定数だ
    け順次更新しながらそれぞれ記憶し、この記憶した各所
    定数のデジタル信号のうちの前記導電体の所定距離を隔
    てた2つのデジタル信号の差分値をそれぞれ求め、この
    各差分値により導電体の欠陥を検出することを特徴とす
    る請求項1又は2記載のマルチプローブ型渦流探傷方
    法。
  5. 【請求項5】 円筒状又は丸棒状導電体に近接する周方
    向に一定間隔で配置される偶数のプローブであって、こ
    の偶数の各プローブは、それぞれ励磁コイル及び検出コ
    イルを含むと共に、その配置に基づきそれぞれ対となる
    相手方のプローブが決められている前記偶数のプローブ
    と、 交流信号を発生し、この発生した交流信号を前記偶数の
    プローブの各励磁コイルに供給して前記導電体に渦電流
    を発生させる交流発振器と、 前記偶数のプローブのうちで対と決められた2つのプロ
    ーブ毎に、この2つの検出コイルの出力端を逆相に直列
    接続し、その2つの検出コイルによる検出信号の差分値
    をそれぞれ出力する前記偶数の半数の差分値出力手段と
    を備えたことを特徴とするマルチプローブ型渦流探傷装
    置。
  6. 【請求項6】 円筒状又は丸棒状導電体の周方向の周囲
    に設けられ、前記導電体が貫通できるリング状の励磁コ
    イルと、 前記励磁コイルの内側で前記導電体に近接する周方向に
    一定間隔で配置される偶数の検出コイルであって、この
    偶数の各検出コイルには、その配置に基づきそれぞれ対
    となる相手方の検出コイルが決められている前記偶数の
    検出コイルと、 交流信号を発生し、この発生した交流信号を前記リング
    状の励磁コイルに供給して前記導電体に渦電流を発生さ
    せる交流発振器と、 前記偶数の検出コイルのうちで対と決められた2つの検
    出コイル毎に、この2つの検出コイルの出力端を逆相に
    直列接続し、その2つの検出コイルによる検出信号の差
    分値をそれぞれ出力する前記偶数の半数の差分値出力手
    段とを備えたことを特徴とするマルチプローブ型渦流探
    傷装置。
  7. 【請求項7】 前記偶数の半数の各差分値出力手段が出
    力する差分値をそれぞれ入力して個別に信号増幅して出
    力する前記偶数の半数の信号増幅器と、 前記偶数の半数の各信号増幅器の出力信号をそれぞれ個
    別に前記交流電流と同期させて検波する前記偶数の半数
    の同期検波器と、 前記偶数の半数の各同期検波器の出力信号をそれぞれ入
    力して、前記導電体を搬送する際の搬送速度に対応して
    設定されたカットオフ周波数により個別に高域濾波した
    信号を出力する前記偶数の半数の高域濾波器と、 前記偶数の半数の各同期検波器の出力信号をそれぞれ入
    力して、前記導電体を搬送する際の搬送速度に対応して
    設定されたカットオフ周波数により個別に低域濾波した
    信号を出力する前記偶数の半数の低域濾波器とを有する
    ことを特徴とする請求項5又は6記載のマルチプローブ
    型渦流探傷装置。
  8. 【請求項8】 前記偶数の半数の各差分値出力手段が出
    力する差分値をそれぞれ入力して個別に信号増幅して出
    力する前記偶数の半数の信号増幅器と、 前記偶数の半数の各信号増幅器の出力信号をそれぞれ個
    別に前記交流電流と同期させて検波する前記偶数の半数
    の同期検波器と、 前記偶数の半数の各同期検波器の出力信号をそれぞれ入
    力して、前記導電体を搬送する際の搬送速度に対応する
    変換速度で個別にデジタル信号に変換する前記偶数の半
    数のアナログ・デジタル変換器と、 前記偶数の半数の各アナログ・デジタル変換器の出力す
    るデジタル信号をそれぞれ入力して、この各デジタル信
    号を所定数だけ順次更新しながら記憶し、この記憶した
    各所定数のデジタル信号のうちの前記導電体の所定距離
    を隔てた2つのデジタル信号の差分値をそれぞれ求め、
    この各差分値により導電体の欠陥を検出する欠陥検出手
    段とを有することを特徴とする請求項5又は6記載のマ
    ルチプローブ型渦流探傷装置。
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Cited By (6)

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