JP2000074885A - 軸状磁性部材の磁気探傷装置 - Google Patents

軸状磁性部材の磁気探傷装置

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JP2000074885A
JP2000074885A JP10248500A JP24850098A JP2000074885A JP 2000074885 A JP2000074885 A JP 2000074885A JP 10248500 A JP10248500 A JP 10248500A JP 24850098 A JP24850098 A JP 24850098A JP 2000074885 A JP2000074885 A JP 2000074885A
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Yoshihiro Hayashi
義博 林
Takehiko Omura
丈彦 大村
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Aichi Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】検査装置の構造や検査作業の複雑化を防止しつ
つ被検査部材をなす軸状磁性部材の利用率の向上を実現
した軸状磁性部材の磁気探傷装置を提供すること。 【解決手段】軸状磁性部材1の一端が検出アセンブリ2
に相対回転しつつ軸方向に接近して接触することにより
生じる疑似信号電圧の主要周波数成分を傷に関する信号
電圧から除去することにより、従来、検査不能として利
用できなかった軸状磁性部材の端部を有効利用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軸状磁性部材の磁
気探傷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車用エンジンのシャフトなどに用い
られる軸状磁性部材には高品質が要求されるためその表
面部を磁気探傷装置で探傷検査するのが一般的である。
この種の軸状磁性部材の探傷装置としては、従来より軸
状磁性部材の表面部の傷に起因する軸状磁性部材表面部
の磁気抵抗変化により軸状磁性部材の外周面近傍の漏洩
磁界が変調されるのを検出する漏洩磁束検出方式のもの
(以下、単に磁気探傷装置という)が知られている。
【0003】この磁気探傷装置は、検出アセンブリ、軸
状磁性部材の外周面に対して検出アセンブリを相対面走
査する面走査手段、及び、検出アセンブリの出力電圧か
ら軸状磁性部材の表面部の傷に関連する信号電圧を抽出
する傷信号抽出手段を有している。検出アセンブリは、
一対の磁極端面を有するヨーク並びにこのヨークに巻装
されて両磁極端面を所定周波数(いわゆる搬送周波数)
で交流磁化する励磁コイルを有する励磁ヘッドと、磁極
端面近傍の磁界を検出する磁気検出プローブとがセット
となった検出アセンブリとを有している。面走査手段
は、励磁ヘッドの両磁極面及び前記磁気検出プローブの
磁束検出面を被検査部材としての軸状磁性部材の外周面
に沿って相対回転させつつ軸方向へ相対変位させること
により検出アセンブリにより軸状磁性部材を面走査す
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
軸状磁性部材の磁気探傷装置では、図14に示すように
軸状磁性部材の両端に数十mm程度の検出不能領域をも
ち、このため、軸状磁性部材の利用率が悪く、場合によ
っては両端部の切断などの余分の工程も必要となるとい
う不具合があった。
【0005】本発明は、上記問題点に鑑みなされたもの
であり、検査装置の構造や検査作業の複雑化を防止しつ
つ被検査部材をなす軸状磁性部材の利用率ないし信頼性
の向上を実現した軸状磁性部材の磁気探傷装置を提供す
ることを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の軸状磁性
部材の磁気探傷装置は、軸状磁性部材の一端が検出アセ
ンブリに相対回転しつつ軸方向に接近して接触すること
により生じる疑似信号電圧の主要周波数成分を傷に関す
る信号電圧から除去することにより、従来、検査不能と
して利用できなかった軸状磁性部材の端部を有効利用す
ることができる。
【0007】すなわち、従来、軸状磁性部材の端部にお
いて傷に関する信号電圧が検出できなかったのは、端部
に特有のノイズ電圧が発生するためであったが、本発明
者らの研究によれば、このノイズ電圧は、傷に関する信
号電圧とは異なる周波数帯域に存在する。したがって、
周波数分離することにより、軸状磁性部材の端部の傷を
検出することができ、これにより軸状磁性部材の端部も
有効に利用することができることがわかった。
【0008】請求項2記載の構成によれば請求項1記載
の軸状磁性部材の磁気探傷装置において更に、検出アセ
ンブリを、一対の磁極端面を有するヨーク並びにこのヨ
ークに巻装されて両磁極端面を所定周波数で交流磁化す
る励磁コイルを有する励磁ヘッドと、磁極端面近傍の磁
界を検出する磁気検出プローブとで構成し、励磁ヘッド
の両磁極面及び磁気検出プローブの磁束検出面を軸状磁
性部材の外周面に対面あるいは摺接させる。
【0009】このようにすれば、励磁ヘッドで形成され
る磁力線のうち、軸状磁性部材の表面部の傷により外周
面の外側に漏洩する磁力線を検出することができるの
で、感度すなわちSN比が向上する。請求項3記載の構
成によれば請求項2記載の軸状磁性部材の磁気探傷装置
において更に、疑似信号電圧の主要周波数成分が傷に関
する信号電圧の主要周波数成分と異なるように、面走査
速度(軸方向走査速度及び周方向走査速度(回転速度)
が決定される。
【0010】更に詳しく説明する。 (傷検出原理についての説明)励磁ヘッドの両磁極端面
間を流れる磁束の大部分は高透磁率を有する軸状磁性部
材中を貫通するが、その一部は漏洩磁束として軸状磁性
部材の外周面近傍の空間を流れ、この漏洩磁束を磁気検
出プローブで検出する。
【0011】ここで、軸状磁性部材の表面部に傷がある
と、高周波磁界による表皮効果により軸状磁性部材の表
面部を貫通する磁束が変調されて(この部分における交
流インピーダンスが変化し)、これによりこの傷近傍の
外部空間における漏洩磁界の空間分布及び強度が変化す
るので、軸状磁性部材の相対回転速度を一定とすれば、
磁気検出プローブはこの漏洩磁界の変化に応じた信号電
圧(傷に関する信号電圧)を出力する。したがって、傷
に関する信号電圧は原理的に磁気検出プローブに対する
軸状磁性部材の相対回転速度に比例する周波数成分を有
する。
【0012】通常は、SN比向上のために漏洩磁界は一
定の搬送周波数で変化する交流磁界であるので、傷に関
する信号電圧は、この搬送周波数成分電圧をAM(強度
変調)した電圧となる。更に説明すると、傷があるとこ
の傷を貫通する磁束が減少し、その結果、この傷に隣接
して軸状磁性部材の外周面に沿って延在するリング状磁
束検出空間における磁束密度が増加し、磁気検出プロー
ブはこのリング状磁束検出空間を走査してこの漏洩磁界
変化を検出する。
【0013】更に詳しく説明すると、傷隣接空間におけ
る傷の直前部位にてはこの部分を貫通する漏洩磁束が増
加するが、周知の磁力線の同士の反発として簡単に説明
される現象により、磁力線(磁束)は径外方向へ曲が
る。したがって、磁気検出プローブは、この径方向磁束
成分を検出することにより傷に関する信号電圧を発生す
ることができる。同じく、傷隣接空間における傷の直後
部位にてはこの部分を貫通する漏洩磁束が減少するが、
上記の逆の現象により、磁力線(磁束)は径内方向へ曲
がる。したがって、磁気検出プローブは、この径方向磁
束成分を検出することにより傷に関する信号電圧を発生
することができる。 (端部に特有のノイズ電圧についての説明)次に、磁気
検出プローブにより検出される「端部に特有のノイズ電
圧」について更に詳しく説明する。
【0014】端部に特有のノイズ電圧は、複雑な発生機
構を有するが、推論すれば、この端部に特有のノイズ電
圧もまた、傷に関する信号電圧と同じく、磁気検出プロ
ーブを貫通する漏洩磁束の変化が原因であり、この漏洩
磁束の変化は主に、励磁ヘッドと軸状磁性部材との間の
ギャップの変化すなわちこのギャップの磁気抵抗の変
化、並びに、磁気検出プローブと軸状磁性部材との間の
ギャップの変化すなわちこのギャップの磁気抵抗の変化
に関係する。
【0015】これらギャップ部分の上記空間的な磁気抵
抗の変化は、結局は、軸状磁性部材の端部の外周面に磁
気検出プローブ及び励磁ヘッドが非接触の状態から完全
に接触し終える状態までの接触状態の変化に起因するの
で、検出アセンブリに対する軸状磁性部材の軸方向相対
速度の変化に大きく影響される。これに対して、傷に関
する信号電圧は、上述したように検出アセンブリに対す
る軸状磁性部材の相対回転速度に大きく影響される。し
たがって、両者の設定により傷に関する信号電圧を端部
に特有のノイズ電圧から良好に周波数分離することがで
きる。
【0016】請求項4記載の構成によれば請求項1又は
2記載の軸状磁性部材の磁気探傷装置において、軸状磁
性部材の外周面に近接する漏洩磁界を検出するので、こ
の漏洩磁界の検出により得られる磁気検出プローブの出
力電圧中の軸状磁性部材の表面部の傷に関する信号電圧
と、軸状磁性部材の端部に特有のノイズ電圧とを明瞭に
分離することができる。
【0017】
【発明を実施するための態様】本発明の軸状磁性部材の
磁気探傷装置の好適な態様を以下の実施例を参照して説
明する。
【0018】
【実施例1】本発明の軸状磁性部材の磁気探傷装置の一
実施例を図1〜図6を参照して以下に説明する。この磁
気探傷装置は、被検査部材であり高透磁性を有するシャ
フト(軸状磁性部材)1の外周面をスパイラル状に面走
査する検出アセンブリ2、及び、検出アセンブリ2の出
力電圧を処理してシャフト1の傷の有無を判定する処理
回路300を有している。
【0019】検出アセンブリ2における磁気検出プロー
ブ4の模式正面図を図2に示す。励磁ヘッド3は、図1
に示すように一対の磁極端面30、30を有する軟磁性
のヨーク31と、ヨーク31に巻装される励磁コイル3
2と、励磁コイル32に所定の搬送周波数(ここでは数
k〜数百kHz)の交流電流を給電する搬送電流給電回
路33とを有している。両磁極端面30、30はシャフ
ト1の周方向へ所定間隔を隔てても設けられている。
【0020】励磁ヘッド3は、図示しない励磁ヘッド支
持レバーの先端部に揺動自在に保持され、この励磁ヘッ
ド支持レバーはその枢支点を中心としてシャフト1の軸
直角方向へ揺動自在に保持されている。また、この励磁
ヘッド支持レバーは、励磁ヘッド3の両磁極端面30、
30をシャフト1の外周面に押し付ける方向へ図示しな
いばねにより付勢されている。
【0021】磁気検出プローブ4は、ケース40と、こ
のケース40に収容される多数のマグネチックヘッド4
1の対とを有して、両磁極端面30、30と軸方向同位
置にてそれらから周方向へ等距離の位置に配設されてい
る。マグネチックヘッド41の各対は、図2に示すよう
にシャフト1の外周面に沿って軸方向に等ピッチで一列
に配列されており、各対をなす2つのマグネチックヘッ
ド41は、軸方向同位置にて周方向へ互いに微小距離離
れて配置されている(図1参照)。なお、図1では一対
のマグネチックヘッド41だけが図示されている。
【0022】マグネチックヘッド41は、シャフト1の
径方向へ延設された長尺軟磁性の薄板コア42と、この
薄板コア42に巻装された検出コイル43とからなり、
周方向へ隣接する一対のマグネチックヘッド41は互い
に逆巻きとなるように直列接続され、多数のマグネチッ
クヘッド41の検出コイル43が直列接続されている。
更に説明すると、周方向一方側の多数の検出コイル43
は信号電圧が誘起電圧方向が等しくなるように接続さ
れ、周方向他方側の多数の検出コイル43は信号電圧が
誘起電圧方向が等しくなるように接続され、周方向一方
側の多数の検出コイル43と周方向他方側の多数の検出
コイル43は信号電圧が誘起電圧方向が逆となるように
接続されている。
【0023】このような接続により、周方向一方側の検
出コイル43が、シャフト1の外周面の傷の周方向入り
口端部における磁束増加過程の後期(磁束増加率が減少
する期間)にそれに応じて負の半波交流電圧を誘導する
のと同時に、周方向他方側の検出コイル43が、周方向
一方側の検出コイル43に対する周方向へのずれによ
り、シャフト1の外周面の傷の周方向入り口端部におけ
る磁束増加過程の前期(磁束増加率が増加する期間)と
なってそれに応じて正の半波交流電圧を誘導し、更にこ
れら両コイルが逆に巻装されているので、両半波交流電
圧の合計の振幅の信号電圧を検出することができ、その
上、これら両半波交流電圧に重畳する同相ノイズ電圧や
レベル変動電圧を除去することができる。
【0024】薄板コア42の厚さ方向は周方向とされ、
その幅方向は軸方向とされている。薄板コア42の一端
面は図示しない非磁性のシューを介してシャフト1の外
周面に押し付けられている。磁気検出プローブ4は、図
示しないプローブ支持レバーの先端部に揺動自在に保持
され、このプローブ支持レバーは励磁ヘッド3を保持す
る上記励磁ヘッド支持レバーにその枢支点を中心として
シャフト1の軸直角方向へ揺動自在に保持されている。
また、このプローブ支持レバーは、各マグネチックヘッ
ド41の一端面をシャフト1の外周面に押し付ける方向
へ図示しないばねにより付勢されている。
【0025】更に、この検出アセンブリ2は、図示しな
い回転機構により、シャフト1の外周面の外側をシャフ
ト1と軸心一致状態で回転し、これにより、この検出ア
センブリ2の励磁ヘッド3の両磁極端面30、30およ
び合計10個のマグネチックヘッド41の薄板コア42
の一端面はシャフト1の外周面を周方向へ走査する。ま
た、シャフト1の両端は搬送装置で軸方向に搬送され
る。
【0026】これにより、検出アセンブリ2の磁気検出
プローブ4はシャフト1の外周面の一端に接触し(図3
参照)、ついで、シャフト1が磁気検出プローブ4のケ
ース40の斜面を軸方向へ付勢することにより、磁気検
出プローブ4が径大方向へ変位して、その軸方向一部が
シャフト1の外周面に乗り上げ(図4参照)、各マグネ
チックヘッド41は上記周方向走査時にシャフト1の外
周面の異なる部位を螺旋状に走査し、これによりシャフ
ト1の全外周面が傷検査される。
【0027】この軸状磁性部材の磁気探傷装置の回路図
を図6に示す。処理回路300は、自動ゲイン制御アン
プ310、帯域フィルタ320、位相検波回路330、
帯域フィルタ340、絶対検波回路350、コンパレー
タ360、発振回路370、バッファアンプ380を有
している。回転する検出アセンブリ2は、励磁ヘッド
3、磁気検出プローブ4の他にスリップリング21、2
2、センスアンプ23、パワーアンプ24を有してい
る。
【0028】以下、回路動作を説明する。発振回路37
0は、搬送周波数電源として所定周波数の交流電圧をバ
ッファアンプ380、パワーアンプ24、スリップリン
グ21を通じて励磁ヘッド3の励磁コイル32に出力す
る。磁気検出プローブ4のマグネチックヘッド41の検
出コイル43に誘起された検出電圧は、磁気検出プロー
ブ4内蔵のセンスアンプ23により増幅された後、スリ
ップリング22を通じて処理回路300に入力される。
入力電圧を自動ゲイン制御(AGC)アンプ310で平
均的に一定レベルに電圧増幅し、帯域フィルタ320に
より搬送周波数を中心として傷により変調された側波帯
を含むAM変調周波数成分(9〜11kHz)のみを抽
出し、それを位相検波回路330により発振回路370
からの搬送周波数電圧で位相検波して復調し、得た電圧
から帯域フィルタ320により傷に関する信号電圧に相
当する周波数成分(以下、有効周波数成分という)のみ
を抽出し、この有効周波数成分を絶対検波回路350に
より絶対検波し平滑することにより傷に関する信号電圧
Voを得る。
【0029】この有効周波数成分の抽出について図7、
図8に示すタイミングチャート及び図9に示す周波数ス
ペクトル図を参照して以下に説明する。検出コイル43
は、傷100の近傍においてシャフト1の外周面外側に
形成される径方向磁束密度Bhの変化に応じて傷に関す
る信号電圧Vsを生じ、この径方向磁束密度Bhは搬送
周波数で変化するため、結局、搬送周波数電圧をAM変
調したAM変調電圧Vamとなり、このAM変調電圧V
amを検波することにより信号電圧Voが得られる。明
らかに、この信号電圧Voの周波数は検出アセンブリ2
に対するシャフト1の相対回転速度(シャフト1の軸方向
搬送速度の数倍以上)に比例する。
【0030】次に、シャフト1の端部に特有のノイズ電
圧Vnについて図8を参照して説明する。図3〜図5に
示すように検出アセンブリ2、特にその磁気検出プロー
ブ4の各マグネチックヘッド41の一つがシャフト1の
端部に接近するとこのマグネチックヘッド41に誘導さ
れる搬送電圧が増大し、その外周面上に乗り上げるとそ
れに誘導される搬送電圧の増大はほぼ飽和する。その
後、次のマグネチックヘッド41がシャフト1の端部に
接近するとこのマグネチックヘッド41に誘導される搬
送電圧が増大し、その外周面上に乗り上げるとそれに誘
導される搬送電圧の増大はほぼ飽和する。以下、順次、
残りのマグネチックヘッド41に誘導される搬送電圧が
増大していく。
【0031】したがって、シャフト1の端部通過時に任
意の一個のマグネチックヘッド41の検出コイル43を
貫通する磁束の増加又は減少の速度は、シャフト1の軸
方向搬送速度に比例し、したがって、この磁束変化によ
りマグネチックヘッド41に誘導される電圧(端部に特
有のノイズ電圧)の周波数と、上述した傷に関する信号
電圧の周波数とは、シャフト1の軸方向搬送速度と、相
対回転速度との比に大体一致することがわかる。
【0032】更に、最初のマグネチックヘッド41がシ
ャフト1の端部の外周面に乗り上げる直前から全てのマ
グネチックヘッド41のシャフト1の端部の外周面への
乗り上げが完了するまで、各マグネチックヘッド41の
出力電圧の和を得る場合、一個の出力電圧を一定時間づ
つ遅延して加算した波形形状となるが、この合成電圧の
周波数も結局、シャフト1の軸方向搬送速度に比例する
ことがわかる。
【0033】したがって、シャフト1の相対回転速度と
軸方向搬送速度とに差を設け、帯域フィルタ340が、
傷に関する信号電圧の主要周波数成分だけを抽出(ここ
では600〜1200Hz)とすることにより、端部に
特有のノイズ電圧の周波数成分(300Hz未満)を分
離除去することができる。次に、コンパレータ360に
よる傷有無の判定について説明する。
【0034】傷に関する信号電圧(600〜1200H
z)の全波整流平滑電圧が一定のしきい値電圧Vref
を超えた場合に、傷ありと判定し、そうでない場合に傷
なしと判定する。以上説明した本実施例の軸状磁性部材
の磁気探傷装置によれば、シャフト1の端部に特有のノ
イズ電圧の主要な周波数成分と傷に関する信号電圧の主
要周波数成分とを異なる帯域としているので、端部にお
いても傷の有無を検査することができる。
【0035】
【実験結果】上述した端部に特有のノイズ電圧(ここで
は、シャフト1の搬送方向前方側の端部に特有のノイズ
電圧を先端ノイズと称し、シャフト1の搬送方向後方側
の端部に特有のノイズ電圧を後端ノイズと称する)と搬
送速度との関係を図11に示す。シャフト1の直径は6
0mmである。
【0036】この実験結果は、いままでの推測を裏付け
ている。ただし、先端ノイズと後端ノイズとのレベル差
については不明である。次に、搬送速度115m/mi
nの条件で先端ノイズと後端ノイズの各位相成分(搬送
波に対する)の周波数分析を行った。その結果を図12
と図13とに示す。ただし、図12でしめす210、2
40、270、300、330、360は搬送周波数
(360度)に対する位相角を示す。
【0037】含まれる周波数の多くが300Hz未満で
あることがわかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の励磁ヘッド3及び磁気検出プロー
ブ4を有する検出アセンブリ2の模式正面図である。
【図2】 磁気検出プローブ4の模式平面図である。
【図3】 磁気検出プローブ4がシャフトに乗り上げる
状態の初期を示す模式側面図である。
【図4】 磁気検出プローブ4がシャフトに乗り上げる
状態の中期を示す模式側面図である。
【図5】 磁気検出プローブ4がシャフトに乗り上げる
状態完了時を示す模式側面図である。
【図6】 実施例1の磁気探傷装置の回路図である。
【図7】 シャフト1の傷近傍における磁束密度、検出
コイル43の誘導電圧の変化を示す説明図である。
【図8】 検出コイル43の出力電圧のスペクトル図で
ある。
【図9】 検出コイル43の出力電圧のスペクトル図で
ある。
【図10】端部に特有のノイズ電圧と搬送速度との関係
を示す特性図である。
【図11】先端ノイズの各位相成分(搬送波に対する)
の周波数スペクトル図である。
【図12】後端ノイズの各位相成分(搬送波に対する)
の周波数スペクトル図である。
【図13】従来の軸状磁性部材の磁気探傷装置における
シャフト1の不感帯を示す模式斜視図である。
【符号の説明】
1は軸状磁性部材、2は検出アセンブリ、3は励磁ヘッ
ド、4は磁気検出プローブ、300は処理回路(傷信号
抽出手段)、30は磁極端面、31はヨーク、32は励
磁コイル、6、7は端部ノイズ低減用ダミー部材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被検査部材としての軸状磁性部材の外周面
    を交流磁化するとともに前記軸状磁性部材の外周面の表
    面部の傷による磁界変化を電気的に検出する検出アセン
    ブリ、及び、 前記検出アセンブリの出力電圧から前記軸状磁性部材の
    表面部の傷に関する信号電圧を抽出する傷信号抽出手段
    を備え、 前記検出アセンブリは、前記検出アセンブリを被検査部
    材としての軸状磁性部材の外周面に沿って相対回転させ
    つつ軸方向へ相対変位させることにより前記検出アセン
    ブリにより前記軸状磁性部材の外周面を相対的に面走査
    する軸状磁性部材の磁気探傷装置において、 前記傷信号抽出手段は、前記軸状磁性部材の一端が前記
    検出アセンブリに軸方向に接近して接触することにより
    生じる疑似信号電圧の主要周波数成分を前記傷に関する
    信号電圧から除去することを特徴とする軸状磁性部材の
    磁気探傷装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の軸状磁性部材の磁気探傷装
    置において、 前記検出アセンブリは、一対の磁極端面を有するヨーク
    並びにこのヨークに巻装されて前記両磁極端面を所定周
    波数で交流磁化する励磁コイルを有する励磁ヘッドと、
    前記磁極端面近傍の磁界を検出する磁気検出プローブと
    を備え、 前記励磁ヘッドの両磁極面及び前記磁気検出プローブの
    磁束検出面は、前記軸状磁性部材の外周面に面して相対
    回転しつつ軸方向へ相対変位することを特徴とする軸状
    磁性部材の磁気探傷装置。
  3. 【請求項3】請求項2記載の軸状磁性部材の磁気探傷装
    置において、 前記検出アセンブリは、前記疑似信号電圧の主要周波数
    成分が前記傷に関する信号電圧の主要周波数成分と異な
    る面走査速度を有することを特徴とする軸状磁性部材の
    磁気探傷装置。
  4. 【請求項4】請求項2又は3記載の軸状磁性部材の磁気
    探傷装置において、 前記磁気検出プローブは、前記軸状磁性部材の外周面に
    近接する漏洩磁界を検出することを特徴とする軸状磁性
    部材の磁気探傷装置。
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