JPH10238042A

JPH10238042A - 軒樋の支持構造

Info

Publication number: JPH10238042A
Application number: JP4794897A
Authority: JP
Inventors: Shingo Sudo; 新吾須藤
Original assignee: Sekisui Chemical Co Ltd
Current assignee: Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date: 1997-03-03
Filing date: 1997-03-03
Publication date: 1998-09-08

Abstract

(57)【要約】【課題】支持レール材に、軒樋支持具の取付部を安定
した状態で取り付けることができ、取付施工後、がたつ
きやずれが生じず、しかも、積雪荷重や強風などが作用
しても軒樋が脱落しない軒樋の支持構造を提供するこ
と。【解決手段】鼻隠し板１の前面に固定された支持レー
ル２と、この支持レール２に取り付けられる軒樋支持具
３とを備え、この軒樋支持具３の取付部４が支持レール
２の前面に設けられた係止溝２１に取り付けられ、取付
部４の前方に配設された軒樋支持部５にて軒樋７が支持
される軒樋の支持構造において、軒樋支持具３の取付部
４が上取付部４１と下取付部４２とに２分割されるとと
もに相対的に回動可能に軸着され、この上下取付部４
１，４２の裏面から上下対称に一体に突設された断面Ｌ
字状の両係止片４１ａ，４２ａが係止溝２１に係合係止
されている軒樋の支持構造。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は破風板、垂木などの
建造物の被固定面、あるいはこの被固定面に固定される
支持レールに取り付けられて、軒樋を支持する軒樋の支
持構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、レール方式の軒樋の支持構造とし
ては、たとえば実開昭５３−３６５２２号公報におい
て、長手方向の両端を相対して折り曲げてなる嵌合部を
備えた所定幅で長尺の軒樋レールと、長短２枚の長方形
板状の固定板を先端が該軒樋レールの幅よりも広くなる
ようＹ形に固着し、該先端を嵌合部に嵌合するよう外方
にＬ形状に折り曲げた嵌挿部を設けた軒樋ハンガーとか
らなる軒樋支持装置が記載されている。

【０００３】この場合、Ｙ形の軒樋ハンガーは固定板の
バネ弾性を利用してその嵌挿部を軒樋レールの嵌合部に
嵌合するわけであるが、施工者が手で嵌合作業を行うこ
とから、軒樋ハンガーの固定板の厚みは制限されること
になる。このため、Ｙ形の固定板の上部に積雪荷重が作
用したり、あるいは、強風が軒樋の下側から吹き上げた
りした場合、軒樋ハンガーが軒樋レールから外れるとい
う問題があった。

【０００４】このような問題点を解消するレール方式の
軒樋の支持構造として、たとえば実開平２−２３６３０
号公報において、建物の躯体側に取り付けられる樋受レ
ールと、この樋受レールに装着される樋受とを備え、樋
受レールには係止部が形成され、樋受は樋受レールの係
止部に係止される係止板とこの係止板に固着された樋受
金物とからなる樋受装置が記載されている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】この従来の樋受装置に
おいては、樋受の係止板の高さが、樋受レールの係止部
である上下溝間の幅より低いので、強い横風が樋の下側
から当たった場合、取付施工後、係止板の上面と上側溝
間の隙間の存在に起因してガタが生じたり、あるいは軒
樋の取付施工の際に、係止板が樋受レールの長手方向に
沿ってずれる可能性がある。

【０００６】本発明の目的は、被固定面に軒樋支持具の
取付部を安定した状態で取り付けることができ、取付施
工後、がたつきやずれが生じず、しかも、積雪荷重が作
用しても、軒樋が脱落しない軒樋の支持構造を提供する
ことである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の本発明の
軒樋の支持構造は、建造物の被固定面と、この被固定面
に取り付けられる軒樋支持具とを備え、この軒樋支持具
の取付部が前記被固定面に設けられた係止溝に取り付け
られ、この取付部の前方に配設された軒樋支持部にて軒
樋が支持される軒樋の支持構造において、前記軒樋支持
具の取付部が上取付部と下取付部とに二分割されるとと
もに相対的に回動可能に軸着され、この上下取付部の裏
面から断面Ｌ字状の係止片が上下対称に一体に突設さ
れ、この上下一対の係止片が前記係止溝に係合係止され
ているものである。

【０００８】請求項２記載の本発明の軒樋の支持構造
は、建造物の被固定面と、この被固定面に取り付けられ
る軒樋支持具とを備え、この軒樋支持具の取付部が前記
被固定面に設けられた係止突条に取り付けられ、この取
付部の前方に配設された軒樋支持部にて軒樋が支持され
る軒樋の支持構造において、前記軒樋支持具の取付部が
上取付部と下取付部とに二分割されるとともに相対的に
回動可能に軸着され、この上下取付部の裏面から断面Ｌ
字状の係止片が上下対称に一体に突設され、この上下一
対の係止片が前記係止突条に係合係止されているもので
ある。

【０００９】請求項３記載の本発明の軒樋の支持構造
は、請求項１または２において、被固定面を建造物の鼻
隠し板の前面に固定された長尺の支持レール材としたも
のである。

【００１０】本発明における建造物の被固定面は、破風
板、垂木、鼻隠し板などの他、建造物の外壁などの他、
これらの被固定面に固定される支持レールである。この
支持レールとしては長尺のものであればよく、金属製あ
るいは合成樹脂製のいずれでもよい。金属製のものとし
ては、たとえば引抜成形されたアルミニウム製のもの
を、また、合成樹脂製のものとしては、硬質塩化ビニル
樹脂やプロピレン樹脂により、たとえば押出成形された
ものを使用できる。これらの被固定面にはその長手方向
にわたって所定断面形状の係止溝あるいは係止突条が設
けられている。

【００１１】本発明における軒樋支持具は取付部の前方
に軒樋支持部を有するものであればよく、吊り具でも受
け具でもよい。吊り具の場合、内吊り方式または外吊り
方式のどちらでもよい。また、取付部と軒樋支持部が一
体でも別体でもよい。取付部と軒樋支持部は同一材料で
も、異なった材料でもよい。

【００１２】本発明においては、軒樋支持具の取付部は
上取付部と下取付部とに２分割され、上取付部の下端部
と下取付部の上端部とが適宜手段にて軸着されて相対的
に回動可能とされている。そして、この上下取付部の裏
面側には上下一対の係止片が屋内側に向かって突設され
ている。上下の係止片は上記分割面に対してほぼ対称と
されている。係止片の形状や寸法は上記被固定面に設け
られた係止溝または係止突条の形状や寸法に応じて決め
ればよい。

【００１３】軒樋支持具の材質は、硬質塩化ビニル樹
脂、ポリカーボネート樹脂、ＡＥＳ樹脂などの合成樹脂
が使用できる。また、ステンレスなどの金属材料であっ
てもよい。軒樋支持具の形状は適用される軒樋の形状に
応じて決めればよい。

【００１４】（作用）請求項１記載の本発明の軒樋の支
持構造においては、軒樋支持具の取付部が上取付部と下
取付部とに２分割されるとともに相対的に回動可能に軸
着され、この上下取付部の裏面から断面Ｌ字状の係止片
が、上下対称に一体に突設され、この上下一対の係止片
が係止溝に係合係止されているので、軒樋支持具の取付
部を支持レールの係止溝に、がたつきやずれが生じるこ
となく安定した状態で取り付けることができる。

【００１５】請求項２記載の本発明の軒樋の支持構造に
おいては、軒樋支持具の取付部が上取付部と下取付部と
に２分割されるとともに相対的に回動可能に軸着され、
この上下取付部の裏面から断面Ｌ字状の係止片が、上下
対称に一体に突設され、この上下一対の係止片が係止突
条に係合係止されているので、軒樋支持具の取付部を支
持レールの係止突条に、がたつきやずれが生じることな
く安定した状態で取り付けることができる。

【００１６】請求項３記載の本発明の軒樋の支持構造
は、被固定面が建造物の鼻隠し板の前面に固定された長
尺の支持レール材であるので、軒樋支持具の取付施工を
容易に行える。

【００１７】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。

【００１８】図１は本発明の軒樋の支持構造の第１実施
例を使用状態とともに示す縦断面図、図２（ａ）〜
（ｃ）は支持レールへの軒樋支持具の取付状態を示す説
明図である。

【００１９】まず、図１に基づいて、軒樋の支持構造の
構成を説明する。被固定面である支持レール２と、この
支持レール２に取り付けられた軒樋支持具３とから構成
されている。支持レール２は鼻隠し板１の前面に複数の
釘６にて固定されている。

【００２０】支持レール２は引抜成形されたアルミ製の
ものであり、図に示すように、係止溝２１が長手方向に
わたって連続して形成されている。係止溝２１は前面側
に開口している。この開口の上下幅は、係止片２２，２
３が設けられることにより奥部より狭くなっている。

【００２１】軒樋支持具３はポリカーボネート樹脂製の
内吊りタイプのものであり、図に示すように、支持レー
ル２に取り付けられる板状の取付部４と、この取付部４
の前方に一体に突設された軒樋支持部５とで構成されて
いる。取付部４は上下方向のほぼ中央にて、上取付部４
１と下取付部４２に２分割されている。

【００２２】上取付部４１の下端部と下取付部４２の上
端部とは曲面胴付きほぞ嵌合され、かつ、軸４３にて軸
着されることにより、軸４３を中心にして相対的に回動
可能とされている。そして、上取付部４１および下取付
部４２の裏面から断面Ｌ字状の係止片４１ａ，４２ａが
それぞれ屋内側に一体に突設されている。係止片４１
ａ，４２ａは上下対称とされている。下取付部４２の前
面には突起４４が屋外側に突設されている。この突起４
４は軒樋７の後耳７１近傍の外面を押圧するものであ
る。

【００２３】５１は軒樋７の後耳を支持する係止突起で
あり、軒樋７の後耳７１の脱落を防止するものである。
なお、軒樋支持部５の屋外側の先端には、軒樋７の前耳
を支持する係止突起（図示せず）が立設されている。

【００２４】つぎに、上記第１実施例の使用態様を図２
（ａ）〜（ｃ）に基づいて説明する。まず、支持レール
２を釘６，６・・・にて鼻隠し板１の前面に固定する。
つぎに、図２（ａ）に示すように、軒樋支持具３の取付
部４を軸４３を中心にして、くの字状に回動させる。

【００２５】そして、上取付部４１の係止片４１ａと下
取付部４２の係止片４２ａを係止溝２１内に挿入し、取
付部４をくの字状の状態から元の状態に戻し、図２
（ｂ）に示すように、係止片４１ａ，４２ａをそれぞれ
係止溝２１の開口側の係止片２２，２３に係止させるこ
とにより、取付部４の支持レール２への取り付けを完了
する。

【００２６】そして、図２（ｃ）に示すように、軒樋７
の前耳を軒樋支持部の係止突起に係止させ、軒樋７を屋
内側に回動させて軒樋７の後耳７１を係止突起５１に係
止させることにより、軒樋支持具３に軒樋７を取り付
け、軒樋の配設施工を完了する。

【００２７】上記実施例においては、係止片４１ａの上
面が係止溝２１の上内面に当接し、また、係止片４２ａ
の下面が係止溝２１の下内面に当接しているので、取付
施工後、軒樋支持具３が上下方向にずれたりガタつか
ず、取付状態は安定している。

【００２８】また、取付部４の係止片４１ａ，４２ａが
係止溝２１の係止片２２，２３に当接して係止され、し
かも、取付部４の前面に突設された突起４４が軒樋７の
後耳７１近傍の外面を押圧しているので、上取付部４１
と下取付部４２の相対的な回動は防止される。この結
果、強い横風が軒樋の下側から当たっても、取付部４が
係止溝２１から外れることがない。また、積雪荷重に対
しても耐えうる構造である。

【００２９】つぎに、本発明の軒樋の支持構造の第２実
施例を図３および図４に基づいて説明する。第２実施例
では、支持レールには係止溝に代えて係止突条を設け、
これに対応させて、取付部の一対の係止片の先端を逆方
向にした以外は、基本的には上記第１実施例における支
持レールおよび軒樋支持具とほぼ同一であるので、同一
部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。

【００３０】すなわち、図３に示すように、支持レール
２の前面には水平片と垂直片を有する断面Ｔ字状の係止
突条２１Ａが長手方向にわたって連続して形成されてい
る。この係止突条２１Ａの垂直片の上下が係止片２２
Ａ，２３Ａとされている。

【００３１】軒樋支持具３の取付部４の上取付部４１お
よび下取付部４２の裏面から断面Ｌ字状の係止片４１
Ａ，４２Ａがそれぞれ屋内側に一体に突設されている。
係止片４１Ａ，４２Ａの先端はともに上記係止突条２１
Ａ側に屈曲されている。

【００３２】つぎに、上記第２実施例の使用態様を図４
（ａ）〜（ｃ）に基づいて説明する。まず、支持レール
２を釘６，６・・・にて鼻隠し板１の前面に固定した
後、図４（ａ）に示すように、軒樋支持具３の取付部４
を軸４３を中心にして、逆くの字状に回動させる。つぎ
に、上取付部４１の係止片４１Ａの先端を係止突条２１
Ａの垂直片の上端に係止させた後、取付部４を逆くの字
状の状態から元の状態に戻し、図４（ｂ）に示すよう
に、係止片４２Ａの先端を係止突条２１Ａの垂直片の下
端に係止させて取付部４の支持レール２への取り付けを
完了する。

【００３３】そして、図４（ｃ）に示すように、軒樋７
の前耳を軒樋支持部の係止突起に係止させ、軒樋７を屋
内側に回動させて軒樋７の後耳７１を係止突起５１に係
止させることにより、軒樋支持具３に軒樋７を取り付
け、軒樋の配設施工を完了する。

【００３４】上記第２実施例においては、係止片４１Ａ
の下面が係止突条２１Ａの水平片の上面に当接し、ま
た、係止片４２Ａの上面が係止突条２１Ａの水平片の下
面に当接しているので、取付施工後、軒樋支持具３が上
下方向にずれたりガタつかず、取付状態は安定してい
る。

【００３５】また、取付部４の係止片４１Ａ，４２Ａが
係止突条２１Ａの垂直片の係止片２２Ａ，２３Ａに当接
して係止され、しかも、取付部４の前面に突設された突
起４４が軒樋７の後耳７１近傍の外面を押圧しているの
で、上取付部４１と下取付部４２の相対的な回動は防止
される。この結果、軒樋７の前耳および軒樋支持具３に
積雪荷重が作用しても、取付部４が係止突条２１Ａから
外れることがない。また、強い横風が軒樋の下側から当
たっても、取付部４が係止突条２１Ａから外れることが
ない。

【００３６】

【発明の効果】請求項１記載の本発明においては、軒樋
支持具の取付部が上下方向に上取付部と下取付部とに２
分割されるとともに相対的に回動可能に軸着され、この
上下取付部の裏面から断面Ｌ字状の係止片が上下対称に
一体に突設され、この上下一対の係止片が係止溝に係合
係止されているので、取付施工後、軒樋支持具が上下方
向にずれたりガタつかず、積雪荷重に対しても耐えうる
安定した取付状態を得ることができる。

【００３７】また、取付部の前方に軒樋が存在すること
により、取付部の上取付部と下取付部の相対的な回動が
防止され、強い横風が軒樋の下側から当たっても、取付
部が係止溝から外れることがなく、軒樋の脱落が防止さ
れる。

【００３８】請求項２記載の本発明においては、軒樋支
持具の取付部が上取付部と下取付部とに２分割されると
ともに相対的に回動可能に軸着され、この上下取付部の
裏面から断面Ｌ字状の係止片が上下対称に一体に突設さ
れ、この上下一対の係止片が係止突条に係合係止されて
いるので、取付施工後、軒樋支持具が上下方向にずれた
りガタつかず、強い横風が軒樋の下側から当たっても、
取付部が係止突条から外れることがなく、安定した取付
状態を得ることができる。

【００３９】また、取付部の前方に軒樋が存在すること
により、取付部の上取付部と下取付部の相対的な回動が
防止され、軒樋の前耳および軒樋支持具に積雪荷重が作
用しても、取付部が係止突条から外れることがなく、軒
樋の脱落が防止される。

【００４０】請求項３記載の本発明においては、被固定
面が建造物の鼻隠し板の前面に固定された長尺の支持レ
ール材であるので、軒樋支持具の取付施工が容易であ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例を示す縦断面図である。

【図２】支持レールへの軒樋支持具の取り付け状態を示
す説明図である。

【図３】本発明の第２実施例を示す縦断面図である。

【図４】支持レールへの軒樋支持具の取り付け状態を示
す説明図である。

【符号の説明】

１鼻隠し板２支持レール（被固定面）２１係止溝２１Ａ係止突条２２，２３係止片２２Ａ，２３Ａ係止片３軒樋支持具４取付部４１上取付部４１ａ，４２ａ係止片４１Ａ，４２Ａ係止片４２下取付部４３軸４４突起５軒樋支持部５１係止突起６ビス７軒樋７１後耳

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】建造物の被固定面と、この被固定面に取
り付けられる軒樋支持具とを備え、この軒樋支持具の取
付部が前記被固定面に設けられた係止溝に取り付けら
れ、この取付部の前方に配設された軒樋支持部にて軒樋
が支持される軒樋の支持構造において、前記軒樋支持具の取付部が上取付部と下取付部とに２分
割されるとともに相対的に回動可能に軸着され、この上
下取付部の裏面から断面Ｌ字状の係止片が上下対称に一
体に突設され、この上下一対の係止片が前記係止溝に係
合係止されてなることを特徴とする軒樋の支持構造。
【請求項２】建造物の被固定面と、この被固定面に取
り付けられる軒樋支持具とを備え、この軒樋支持具の取
付部が前記被固定面に設けられた係止突条に取り付けら
れ、この取付部の前方に配設された軒樋支持部にて軒樋
が支持される軒樋の支持構造において、前記軒樋支持具の取付部が上取付部と下取付部とに２分
割されるとともに相対的に回動可能に軸着され、この上
下取付部の裏面から断面Ｌ字状の係止片が上下対称に一
体に突設され、この上下一対の係止片が前記係止突条に
係合係止されてなることを特徴とする軒樋の支持構造。
【請求項３】被固定面が建造物の鼻隠し板の前面に固
定された長尺の支持レール材である請求項１または２記
載の軒樋の支持構造。