JPH10131432A - 軒樋の支持構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 固定板の前面に、軒樋支持具の取付部を釘や
ビスなどの固着具を使用することなく取り付けることが
でき、取付施工の際あるいは取付施工後、がたつきやず
れが生じない、施工性に優れた軒樋の支持構造を提供す
ること。 【解決手段】 鼻隠し板１の前面に長尺の固定板２が固
定され、この固定板２に軒樋支持具３の取付部４が取り
付けられ、この取付部４の前方に設けられた軒樋支持部
にて軒樋６が支持される軒樋の支持構造において、固定
板２の上下端に長手方向にわたって被係止部２１１、２
１２が設けられ、一方、軒樋支持具３の取付部４の上下
端に固定板２の被係止部２１１、２１２に係止される係
止部４１、４２が設けられ、固定板２の前板部２１の前
面に断面半円形状の突出部２４が一体に突出して設けら
れている軒樋の支持構造。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は破風板、垂木などの
建造物の被固定面に固定され、軒樋を支持する軒樋の支
持構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の軒樋の支持構造としては、たとえ
ば特公平４−３６２２７号公報に記載されたものが知ら
れている。この従来の軒樋の支持構造は、建造物の被固
定面に固定される長尺帯状の固定板と、この固定板に取
り付けられる軒樋支持具とを備え、前記固定板の前面に
は、溝開口部が、溝上面から下方に突設された突出片と
溝下面とで形成された底広溝が固定板の長手方向に形成
されており、前記軒樋支持具は、軒樋を支持する支持部
と、段部を有する板状の取付板部とで構成され、この取
付板部は段部を境に上側が前記底広溝に挿着される差込
板部であって、下側が前記帯状固定板の前面に当接する
当接板部であって、前記底広溝の底上下幅が差込板部の
上下幅より広く形成され、前記当接板部が固定板に対し
て固定部材で固着されているものである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の軒樋の支持
構造においては、取付施工後、固定板の底広溝と軒樋支
持具の取付板部との寸法のばらつきに起因してガタが生
じたり、あるいは軒樋の取付施工の際に、軒樋支持具の
取付板部が固定板の長手方向に沿ってずれる可能性があ
る。このがたつきやずれを防止するためには、釘やビス
などの固着具にて取付板部を帯状固定板に固定しなけれ
ばならず、かえって施工工数が増大することになる。

【０００４】本発明の目的は、固定板の前面に、軒樋支
持具の取付部を釘やビスなどの固着具を使用することな
く取り付けることができ、取付施工後、がたつきやずれ
が生じない、施工性に優れた軒樋の支持構造を提供する
ことである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の本発明の
軒樋の支持構造は、建造物の被固定面に長尺の固定板が
固定され、この固定板に軒樋支持具の取付部が取り付け
られ、この取付部の前方に配設された軒樋支持部にて軒
樋が支持される軒樋の支持構造において、前記固定板の
上下端部に長手方向にわたって被係止部が設けられ、一
方、前記軒樋支持具の取付部の上下端部に前記固定板の
被係止部に係止される係止部が設けられ、前記固定板の
前面もしくは前記取付部の後面のいずれか一方に凸部が
一体に突出して設けられているものである。

【０００６】本発明における建造物の被固定面は、破風
板、垂木、鼻隠し板などの他、建造物の外壁そのもので
ある。これらの被固定面に固定される固定板は長尺のも
のであり、金属製あるいは合成樹脂製のいずれでもよ
い。金属製のものとしては、たとえば引抜成形されたア
ルミニウム製のものを使用できる。また、合成樹脂製の
ものとしては、硬質塩化ビニル樹脂やプロピレン樹脂に
より、たとえば押出成形されたものを使用できる。

【０００７】本発明においては、固定板の上下端部に長
手方向にわたって被係止部が設けられている。一方、軒
樋支持具の取付部の上下端部にはそれぞれ、上記固定板
の被係止部に係止される係止部が設けられている。この
被係止部と係止部の関係は、それぞれ互いに係止するよ
うに適宜決めればよい。

【０００８】本発明における軒樋支持具は吊具でも受具
でもよい。また、取付部と軒樋支持部は一体でも別体で
もよい。取付部と軒樋支持部は同一材料でも、異なった
材料でもよい。軒樋支持具の材質は、硬質塩化ビニル樹
脂、プロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ＡＥＳ樹
脂などの合成樹脂、ＦＲＰなどが使用できる。また、ス
テンレスなどの金属材料であってもよい。

【０００９】軒樋支持具の形状は適用される軒樋の形状
に応じて決めればよく、また、両端部の樋耳支持部の形
状も、同様に適用される軒樋の耳部の形状に応じて決め
ればよい。

【００１０】（作用）請求項１記載の本発明の軒樋の支
持構造においては、固定板の上下端部に設けられた被係
止部に、軒樋支持具の取付部に設けられた係止部を係止
させることにより、釘やビスを使用しなくても、固定板
の前面に軒樋支持具の取付部を取り付けることができ
る。また、固定板の前面あるいは取付部の後面のいずれ
か一方に凸部が一体に突出して設けられているので、取
付施工後、固定板と軒樋支持具の取付部との寸法のばら
つきに起因するガタの発生は微小突起により吸収され
る。また、軒樋の取付施工の際に、軒樋支持具の取付部
が固定板の長手方向に沿ってずれない。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図１は本発明の軒樋の支持構造の
第１実施例を示す説明図、図２は図１の長尺の固定板を
示す斜視図である。

【００１２】まず、図１に基づいて、軒樋の支持構造の
一実施例の構成を説明する。被固定面である鼻隠し板１
の前面に沿って、長尺の固定板２が複数のビス（図示せ
ず）により固定されている。固定板２は引抜成形された
約１ｍｍ厚のアルミ製の断面形状がＨ字状のものであ
り、図２に示すように、前板部２１と後板部２２と、こ
の前板部２１と後板部２２を連結する連結部２３とから
形成されている。前板部２１の上下端がそれぞれ長手方
向にわたって被係止部２１１、２１２とされている。前
板部２１の上下方向のほぼ中央には、断面半円形状の突
出部２４が長手方向に連続して形成されている。この突
出部２４の突出高さは約２ｍｍである。突出部２４が位
置する部分には、複数の釘孔２５が約５００ｍｍの間隔
をおいて長手方向にわたって穿孔されている。

【００１３】軒樋支持具３はポリカーボネート樹脂製の
吊具タイプのものであり、図１に示すように、固定板２
に取り付けられる板状の取付部４と、この取付部４の前
方に一体に突設された軒樋支持部５とで構成されてい
る。この場合、角型の軒樋６は軒樋支持部５にて内吊り
状態で支持される。

【００１４】取付部４の上端には、断面略Ｌ字状の係止
部４１が鼻隠し板１側に突出して設けられている。一
方、取付部４の下端には、係止部である係止爪掛部４２
が鼻隠し板１側に突出して設けられている。

【００１５】軒樋支持部５の屋外側の一端部には軒樋６
の前耳６１を支持する前耳支持部である係止突起５１が
立設され、屋内側の他端部には軒樋６の後耳６２を支持
する後耳支持部である係止突起５２が設けられている。
軒樋支持部５の屋外側半分は略水平状態とされ、取付部
４の上端より下方に位置している。なお、軒樋支持部５
の主要部は断面形状がＩ字状とされている。また、５３
はバネ弾性を有する板バネである。

【００１６】つぎに、図１に基づいて上記第１実施例の
作用について説明する。まず、複数の釘孔２５を利用し
て、固定板２をビスにて鼻隠し板１の前面に固定する。
なお、固定板２は所定の水勾配を取って固定されてい
る。そして、軒樋支持具３を固定板２に取り付けるにあ
たっては、まず、取付部４の係止部４１を前板部２１上
端の被係止部２１１に引っ掛けて係止させ、つぎに、取
付部４の係止爪掛部４２を、前板部２１下端の被係止部
２１２に手で押し込んで被係止部２１２に係止させる。
この際、係止爪掛部４２の先端が円弧状に丸みをおびて
いるので、被係止部２１２への係止をスムーズに行え
る。そして、軒樋６の前耳６１を軒樋支持部５の前耳支
持部５１に係止させ、軒樋６を屋内側に回動させて軒樋
６の後耳６２を後耳支持部５２に係止させることによ
り、軒樋支持具３に軒樋６を取り付ける。

【００１７】上記実施例においては、固定板２の上下方
向の幅が従来のものに比べ狭く、しかも、軒樋支持具３
の前耳支持部５１が固定板２の上端よりも下方に位置し
ているので、固定板２の取付位置を高くできる。この結
果、軒樋６の納まり状態が良好となる。

【００１８】上記実施例においては、固定板２側、すな
わち、前板部２１の前面側に断面半円形状の突出部２４
を一体に形成したが、図３に示すように、軒樋支持具３
の取付部４の後面側に断面半円形状の突出部４３を設け
てもよい。この場合、突出部４３は取付部４の幅方向に
連続して設けられている。また、図４に示すように、軒
樋支持具３の取付部４の両側面部から屋内側に張り出し
た突出部４４、４４を一体に形成してもよい。なお、上
記第１実施例と同一部分については、同一符号を付して
詳細な説明を省略する。

【００１９】

【発明の効果】請求項１記載の本発明の軒樋の支持構造
においては、固定板の上下端部に設けられた被係止部
に、軒樋支持具の取付部に設けられた係止部を係止させ
ることにより、釘やビスを使用しなくても、固定板の前
面に軒樋支持具の取付部を取り付けることができる。ま
た、固定板の前面あるいは取付部の後面のいずれか一方
に凸部が一体に突出して設けられているので、取付施工
後、固定板と軒樋支持具の取付部との寸法のばらつきに
起因するガタの発生は凸部により吸収され、このため、
取付施工の際あるいは取付施工後、軒樋支持具の取付部
が固定板の長手方向に沿ってずれない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の軒樋の支持構造の第１実施例を示す説
明図である。

【図２】図１の長尺の固定板を示す斜視図である。

【図３】本発明の軒樋の支持構造の変形例の要部を示す
断面図である。

【図４】本発明における軒樋支持具の変形例を示す要部
斜視図である。

【符号の説明】

１ 鼻隠し板（被固定面） ２ 固定板 ２１ 前板部 ２１１ 上側被係止部 ２１２ 下側被係止部 ２２ 後板部 ２３ 連結部 ２４ 突出部（凸部） ２５ 釘孔 ３ 軒樋支持具 ４ 取付部 ４１ 係止部 ４２ 係止爪掛部（係止部） ５ 軒樋支持部 ５１ 前耳支持部 ５２ 後耳支持部 ６ 軒樋

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 建造物の被固定面に長尺の固定板が固定
   され、この固定板に軒樋支持具の取付部が取り付けら
   れ、この取付部の前方に配設された軒樋支持部にて軒樋
   が支持される軒樋の支持構造において、 前記固定板の上下端部に長手方向にわたって被係止部が
   設けられ、一方、前記軒樋支持具の取付部の上下端部に
   前記固定板の被係止部に係止される係止部が設けられ、
   前記固定板の前面もしくは前記取付部の後面のいずれか
   一方に凸部が一体に突出して設けられていることを特徴
   とする軒樋の支持構造。