JPH10237866A - 建造物の基礎の施工方法 - Google Patents

建造物の基礎の施工方法

Info

Publication number
JPH10237866A
JPH10237866A JP4083197A JP4083197A JPH10237866A JP H10237866 A JPH10237866 A JP H10237866A JP 4083197 A JP4083197 A JP 4083197A JP 4083197 A JP4083197 A JP 4083197A JP H10237866 A JPH10237866 A JP H10237866A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
diameter
pile
building
ground
bit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP4083197A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3904274B2 (ja
Inventor
Akira Oshima
章 大島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Concrete Industries Co Ltd
Original Assignee
Nippon Concrete Industries Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Concrete Industries Co Ltd filed Critical Nippon Concrete Industries Co Ltd
Priority to JP04083197A priority Critical patent/JP3904274B2/ja
Publication of JPH10237866A publication Critical patent/JPH10237866A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3904274B2 publication Critical patent/JP3904274B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 杭の支持力および地盤の鉛直方向の支持力を
有効に作用させ、使用する杭の種類を低減し施工性が向
上する建造物の基礎の施工方法を提供する。 【解決手段】 先端部にビット9を取り付けた掘削ロッ
ド2の軸方向を略鉛直に掘削手段10をベース車両1に立
設する支持柱4に取り付ける。ビット9の注出口25から
水を注出しつつ回転する掘削手段10にて地盤30を支持層
32の一部まで掘削する。適宜掘削ロッド2を軸方向に沿
って上下動させ、土壌と水とを攪拌突部8,8にて混合
するとともに均しローラ7,7にて掘削孔31の壁面を均
す。水の代わりにセメントミルクを注入し、油圧ポンプ
を駆動させ、拡翼掘削刃23を回動して拡径させ、径大の
球根部33を形成する。掘削孔31にコンクリート杭35を沈
設する。拡翼掘削刃23の拡径は、掘削孔31の形成位置に
より、コンクリート杭35の支持力および建造物からの荷
重に対応して、適宜拡径量を可変する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、球根部を有した掘
削孔内に杭を沈設して形成され建造物を支持する建造物
の基礎の施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の建造物の基礎の施工方法
としては、例えば特公平6−27405号公報に記載の
構成が知られている。
【0003】この特公平6−27405号公報に記載の
建造物の基礎の施工方法は、外周面に長手方向に所定間
隔で複数の攪拌アームおよび均しアームを突設した中空
の掘削ロッドの先端に拡径可能なビットを設けた掘削手
段を用いて、建造物を建造する地盤に掘削手段の先端部
から水を吐出させながら鉛直方向に掘削孔を掘削し、攪
拌アームで掘削した土壌と水とを攪拌してスラリ化しつ
つ均しアームにて掘削孔の壁面を均す。そして、所定の
深さまで掘削した時点で水の変わりにセメント系固化材
を吐出して掘削ロッドを客回転させてビットを拡径し、
径大の球根部を形成し、掘削手段をセメント系固化材を
吐出しつつ引き抜き、掘削孔内が土壌とセメント系固化
材とが攪拌混合された土壌セメントで充填された状態と
する。この後、コンクリート杭を先端部が球根部に位置
するように掘削孔内に沈設し、土壌セメントの硬化によ
って杭と球根部とを一体的に定着させている。
【0004】ところで、建造物の基礎は、コンクリート
杭を地盤に複数沈設して構成されるが、コンクリート杭
を沈設する位置によって地盤の状態が異なり、このため
コンクリート杭の地盤による支持力が沈設位置により異
なる。また、建造物の構造により、コンクリート杭に掛
かる建造物からの荷重もそれぞれ異なってくる。
【0005】そして、コンクリート杭を沈設するにあた
って、使用するコンクリート杭の選定は、建築基準法の
規定に基づいて、地盤による鉛直方向の支持力とコンク
リート杭の強度から算出される支持力とを比較して、値
の低い支持力を長期許容支持力とし、この長期許容支持
力が所定の値以上となるように選定する。
【0006】ここで、一般的な場所打ち杭工法の地盤に
よる鉛直方向の支持力Ra〔ton 〕は、 Ra=(1/3)×15×N×Ap N:コンクリート杭先端部の地盤の平均N値≦50 Ap:球根部の閉塞断面積〔m2 〕 により算出される。
【0007】また、コンクリート杭の強度から算出され
る支持力Ra´〔ton 〕は、 Ra´=(1/1000)×Ac×(Fc−σce) Ac:コンクリート杭の断面積〔cm2 〕 Fc:コンクリート杭の長期許容圧縮応力=200kg/
cm2 σce:コンクリート杭の有効プレストレス=40kg/
cm2 により算出される。
【0008】そして、例えば外径寸法が60mm(内径寸
法は420mm)のコンクリート杭を用い、径寸法が75
0mmの球根部を形成した場合には、 Ra=(1/3)×15×50×0.4418=110〔ton 〕 Ra´=(1/1000)×1442×(200−40)=231〔t
on 〕 となり、長期許容支持力は、小さい値である地盤による
鉛直方向の支持力の110ton で設計されることとな
る。
【0009】このように、コンクリート杭自体では十分
な支持力を有しているが地盤による支持力が低いため、
コンクリート杭の支持力が有効に利用されていない。
【0010】したがって、従来の建造物の基礎の施工方
法では、沈設する位置により、使用するコンクリート杭
を径寸法がより大きいものを用いて地盤による支持力の
向上を図ったり、沈設するコンクリート杭の本数を多く
するなどしてコンクリート杭に掛かる1本当たりの荷重
を低減させるようにしている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、沈設す
る位置によって使用するコンクリート杭の径寸法を異な
らせる従来の施工方法では、複数種類のコンクリート杭
とこれらコンクリート杭の形状に対応した掘削手段とが
必要となり施工が煩雑になるとともにコストが増大す
る。また、コンクリート杭の本数を荷重に対応して多く
するなど沈設する位置によって沈設密度を適宜異ならせ
るも、施工が煩雑となりコストも増大する問題がある。
【0012】本発明は、上記問題点に鑑みなされたもの
で、杭の支持力および地盤による鉛直方向の支持力を有
効に作用させ、使用する杭の種類を低減して施工性が向
上する建造物の基礎の施工方法を提供することを目的と
する。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の建造物の
基礎の施工方法は、拡径可能なビットを有した掘削手段
を用いて、建造物が建造される地盤に略鉛直方向に複数
掘削されこれら掘削により生じた土壌と前記掘削手段を
介して注入されたセメント系固化材とが混合された土壌
セメントを有し、所定の深さで前記ビットを拡径させて
径大の球根部が設けられた掘削孔内にそれぞれ杭を沈設
して、前記土壌セメントの硬化により前記杭を球根部に
一体的に固定する建造物の基礎の施工方法において、前
記掘削孔の掘削位置による前記各杭への異なる荷重に対
応して前記各球根部の径寸法を可変して形成するもの
で、拡径可能なビットを有した掘削手段を用いて、建造
物が建造される地盤に略鉛直方向に掘削孔を掘削し、所
定の深さでセメント系固化材を注入しつつ、掘削する位
置により異なる荷重に対応して所定の径寸法にビットを
拡径させ、掘削により生じた土壌と混合して土壌セメン
トが充填された状態で径大の球根部を掘削形成し、掘削
手段を引き抜いた後に掘削孔に杭を先端部が球根部に位
置した状態に沈設し、土壌セメントの硬化により掘削位
置にて杭に掛かる荷重に対応して径寸法が異なる球根部
と杭とを一体的に固定するため、地盤による鉛直方向の
支持力が杭への荷重がそれぞれ異なる各沈設位置に対応
して異なることにより、例えば径寸法の異なる杭を適宜
選択して沈設する必要がなく、1種類の杭で対応可能な
荷重範囲が増大するので、使用する杭の種類が低減して
施工性が向上する。
【0014】請求項2記載の建造物の基礎の施工方法
は、拡径可能なビットを有した掘削手段を用いて、建造
物が建造される地盤に略鉛直方向に掘削されこの掘削に
より生じた土壌と前記掘削手段を介して注入されたセメ
ント系固化材とが混合された土壌セメントを有し、所定
の深さで前記ビットを拡径させて径大の球根部が設けら
れた掘削孔内に杭を沈設して、前記土壌セメントの硬化
により前記杭を球根部に一体的に固定する建造物の基礎
の施工方法において、前記地盤による鉛直方向の支持力
が前記杭の軸方向の圧縮強度から算出される支持力と略
同程度の支持力となる径寸法に前記球根部を形成するも
ので、拡径可能なビットを有した掘削手段を用いて、建
造物が建造される地盤に略鉛直方向に掘削孔を掘削し、
所定の深さでセメント系固化材を注入しつつ、地盤によ
る鉛直方向の支持力が杭の強度による支持力と略同程度
となる所定の径寸法にビットを拡径させ、掘削により生
じた土壌と混合して土壌セメントが充填された状態で径
大の球根部を掘削形成し、掘削手段を引き抜いた後に掘
削孔に杭を先端部が球根部に位置した状態に沈設し、土
壌セメントの硬化により地盤による鉛直方向の支持力が
杭の強度による支持力と略同程度となる径寸法の球根部
と杭とを一体的に固定するため、使用する杭の支持力に
沈設位置により異なってしまう地盤による鉛直方向の支
持力が対応するので、杭の支持力および地盤による鉛直
方向の支持力が有効に利用され、例えば径寸法の異なる
杭を適宜選択して沈設する必要がなく、1種類の杭で対
応可能な荷重範囲が増大し、使用する杭の種類が低減し
て施工性が向上する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の建造物の基礎の施
工方法の実施の一形態の装置の構成を図面を参照して説
明する。
【0016】図2において、1はベース車両で、このベ
ース車両1には、略円筒状の掘削ロッド2を軸方向を略
鉛直方向に沿って連結され掘削ロッド2を回転させる駆
動手段3を支持する支持柱4を有している。そして、掘
削ロッド2には、中心軸に水やセメント系固化材として
のセメントミルクを流通可能な図示しない注入孔が設け
られているとともに、この注入孔と略平行にベース車両
1に設けられた図示しない油圧ポンプに連通する油圧系
孔が設けられて略円筒状に形成されている。また、この
掘削ロッド2の外周面には軸方向に略等間隔で放射状に
複数の軸受6,6が設けられ、掘削ロッド2の軸方向に
対向する軸受6,6には略円柱状の均しローラ7がそれ
ぞれ回転自在に軸支されている。さらに、掘削ロッド2
の外周面には、軸方向に略等間隔で放射状に複数の攪拌
突部8,8が突設されている。また、掘削ロッド2の先
端部には拡径可能なビット9が着脱可能に取り付けら
れ、掘削手段10が構成されている。
【0017】そして、ビット9は、図3および図4に示
すように、内周側が掘削ロッド2の注入孔に連通する注
入筒部11を有した略筒状で、一端に掘削ロッド2に連結
するジョイント部12を有し他端に掘削刃13を有した略円
筒状の胴体部14を有している。また、この胴体部14の内
周側には、内周がジョイント部12の内周を介して掘削ロ
ッド2の注入孔に連通し外周側に内室15を液密に区画形
成する略円筒状の連結管16が略同軸状に設けられてい
る。そして、胴体部14の内室15は、注入筒部11に略平行
に設けられた油流通孔17を介して掘削ロッド2の油圧系
孔に連通している。
【0018】また、胴体部14の内室15内には、内室15内
を摺動可能に外周面が内室15の壁面に液密に当接すると
ともに内周側が液密に連結管16を嵌合するピストン部18
が設けられている。そして、ピストン部18は、内室15内
に設けられたコイルスプリング19により常時はジョイン
ト部12側に位置し、油圧ポンプの作動により内室15内に
流入する油にてコイルスプリング19の付勢に抗して胴体
部14の先端側に移動するようになっている。また、ピス
トン部18の外周面には、胴体部14の周面に切り欠き形成
された窓部20を介して外方に露出する係合凹部21が複数
設けられている。
【0019】そして、胴体部14の外周面には、掘削刃22
を有した一端側が回動可能に他端側が胴体部14の外周面
に軸支された拡翼掘削刃23が放射状に位置して複数設け
られている。また、拡翼掘削刃23の軸支された側の基端
側には、ピストン部18の係合凹部21に係止する係止突部
24が突設され、ピストン部18の移動に伴って拡翼掘削刃
23が胴体部14の外方に放射状に回動して拡径するように
なっている。
【0020】さらに、胴体部14の掘削刃13側の先端部に
は、注入筒部11に連通する注出口25が放射状に複数開口
形成されている。
【0021】また、胴体部14の外周面には、拡翼掘削刃
23に干渉しないように中間部分が切り欠かれたスパイラ
ル状の案内翼26が設けられている。そして、この案内翼
26の先端部には、掘削刃27が設けられている。
【0022】次に、上記建造物の基礎の施工方法を図面
を参照して説明する。
【0023】まず、図5に示すように、ベース車両1に
立設する支持柱4に先端部にビット9を取り付けた掘削
ロッド2の軸方向が略鉛直となるように掘削手段10を取
り付ける。
【0024】そして、図2および図6に示すように、掘
削ロッド2の注入孔を介してビット9の注出口25から水
を注出しつつ駆動手段3を駆動させて回転する掘削手段
10にて地盤30の所定位置を掘削する。この掘削の際、攪
拌突部8,8にて掘削した土壌とビット9の先端部から
注出した水とが攪拌されてスラリ状に攪拌混合されると
ともに、均しローラ7,7にて掘削孔31の壁面を均す。
さらに、図7に示すように、所定の深さまで掘削、すな
わち地盤30の比較的強度の高い支持層32の一部まで掘削
し、適宜掘削ロッド2を軸方向に沿って上下動させて、
掘削した土壌とビット9の先端部から注出した水と混合
するとともに均しローラ7,7にて掘削孔31の壁面を均
す。
【0025】次に、図示しない油圧ポンプを駆動させて
掘削ロッド2の油圧系孔およびビット9の油流通孔17を
介してビット9の内室15内に油を流入させて、ピストン
部18をコイルスプリング19の付勢に抗して移動させる。
さらに、水の代わりにセメントスラリを注出口25から注
出させる。このピストン部18の移動により、拡翼掘削刃
23の先端側が放射状に開くように回動して拡径させ、図
1に示すように、径大に掘削する。そして、適宜掘削ロ
ッド2を軸方向に沿って上下動させて、拡翼掘削刃23お
よび案内翼26にて掘削した土壌とセメントスラリとを混
合してスラリ状の土壌セメントとし、径大の部分が土壌
セメントにて埋められた状態の球根部33を形成する。
【0026】そして、油圧ポンプの駆動を停止させ、ビ
ット9を縮径、すなわち、ビット9のコイルスプリング
19の付勢によりピストン部18を移動させて内室15内に流
入した油をビット9の油流通孔17から掘削ロッド2の油
圧系孔を介して排出する。このピストン部18の移動によ
り、拡径状態の拡翼掘削刃23,23を回動させて縮径させ
る。この後、セメントスラリの注出を停止し、図8に示
すように、掘削手段10を掘削孔31から引き抜く。そし
て、駆動手段3から掘削手段10を取り外して駆動手段3
に杭としてのコンクリート杭35を取り付け、図9に示す
ように、このコンクリート杭35を掘削孔31に沈設し、図
10に示すように、コンクリート杭35の先端部が球根部
33に位置するように、適宜コンクリート杭35を連結しつ
つ沈設してコンクリート杭35の沈設が完了する。このコ
ンクリート杭35が沈設された掘削孔31は、建造物の構造
に対応して適宜所定の位置に所定の深さで複数形成され
る。そして、土壌セメントの硬化により、コンクリート
杭35に球根部33が一体的に固定され、コンクリート杭35
が地盤30の支持層32に支持された状態となる。
【0027】ところで、地盤30の状態は、コンクリート
杭35を沈設する場所により異なるため、沈設されたコン
クリート杭35の地盤30による支持力もそれぞれ異なる。
また、建造物の構造上、コンクリート杭35を均等に沈設
できずに建造物からの荷重が各コンクリート杭35に均等
に掛からない状態となる。
【0028】このため、掘削孔31を掘削形成する際に、
コンクリート杭35の支持力および建造物からの荷重に対
応して、ビット9の拡翼掘削刃23,23の拡径量を可変し
て形成される球根部33の径寸法を適宜可変する。すなわ
ち、コンクリート杭35の支持力が他に比べて大きかった
り、建造物からの荷重が他に比べて大きい場合には、図
11に示すように、ビット9の拡翼掘削刃23,23の拡径
量を大きくしてより径大の球根部33を形成する。
【0029】ここで、地盤30による鉛直方向の支持力
は、上述したように、 Ra=(1/3)×15×N×Ap により算出され、コンクリート杭35の強度から算出され
る支持力は、 Ra´=(1/1000)×Ac×(Fc−σce) により算出される。
【0030】そして、例えば外径寸法が600mm(内径
寸法は420mm)のコンクリート杭35を用い、径寸法が
Dmmの球根部33を形成した場合、 Ra=(1/3)×15×50×(π/4)×D2 Ra´=(1/1000)×1442×(200−40)=231〔t
on 〕 となる。また、長期許容支持力は、小さい値の方を用い
ることから、地盤30による鉛直方向の支持力とコンクリ
ート杭35の強度から算出される支持力とが略同程度とな
る球根部33の径寸法は、 D=1085〔mm〕 程度となる。
【0031】このため、長期許容支持力は、約231to
n と大きな値が得られる。
【0032】そして、建造物の基礎を構成するコンクリ
ート杭35が、沈設される場所によってより低い長期許容
支持力で十分な場合には、より球根部33の径寸法が小さ
くなるように設定する。すなわち、球根部33の径寸法が
小さくなるにしたがって地盤30による鉛直方向の支持力
が低減するので、長期許容支持力としては小さい値とな
る地盤30による鉛直方向の支持力の値が用いられること
になる。
【0033】上述したように、掘削する位置により異な
る荷重に対応して所定の径寸法にビット9を拡径させて
球根部33を形成するため、同一のコンクリート杭35を用
いて長期許容支持力を可変することができ、長期許容支
持力を対応させるために掘削する位置により適宜径寸法
が異なるコンクリート杭35を沈設する必要がなく、1種
類のコンクリート杭35で対応可能な荷重範囲が増大し、
使用するコンクリート杭35の種類を低減でき、施工性を
向上できる。
【0034】また、沈設するコンクリート杭35の沈設す
る位置により異なってしまう地盤30による鉛直方向の支
持力をコンクリート杭35の強度による支持力と略同程度
となるように球根部33の径寸法を所定の径寸法に設定す
ることにより、例えば地盤30による鉛直方向の支持力と
コンクリート杭35の支持力とに差が生じて、設計上のコ
ンクリート杭35に掛かる最大荷重に対してコンクリート
杭35の強度から算出される支持力が過大となるなどがな
く、コンクリート杭35の支持力および地盤30による鉛直
方向の支持力を有効に利用でき、1種類のコンクリート
杭35で対応可能な荷重範囲が増大し、使用するコンクリ
ート杭35の種類を低減でき、施工性を向上できる。
【0035】なお、上記実施の形態において、一端側を
回動可能に軸支した拡翼掘削刃23を用いて油圧にて拡径
可能にビット9を構成したが、拡径可能ないずれの構成
でもよい。
【0036】
【発明の効果】請求項1記載の建造物の基礎の施工方法
によれば、拡径可能なビットを有した掘削手段を用いて
地盤に掘削孔を掘削し、所定の深さでセメント系固化材
を注入しつつ、掘削する位置により異なる荷重に対応し
て所定の径寸法にビットを拡径させ、土壌セメントが充
填された径大の球根部を形成して杭を沈設するので、地
盤による鉛直方向の支持力が杭への荷重がそれぞれ異な
る各沈設位置に対応して異なることにより、例えば径寸
法の異なる杭を適宜選択して沈設する必要がなく、1種
類の杭で対応可能な荷重範囲を増大でき、使用する杭の
種類を低減でき、施工性を向上できる。
【0037】請求項2記載の建造物の基礎の施工方法に
よれば、拡径可能なビットを有した掘削手段を用いて地
盤に掘削孔を掘削し、所定の深さでセメント系固化材を
注入しつつ、地盤による鉛直方向の支持力が杭の強度に
よる支持力と略同程度となる所定の径寸法にビットを拡
径させ、土壌セメントが充填された径大の球根部を形成
して杭を沈設するので、杭の支持力および地盤による鉛
直方向の支持力を有効に利用でき、例えば径寸法の異な
る杭を適宜選択して沈設する必要がなく、1種類の杭で
対応可能な荷重範囲を増大でき、使用する杭の種類を低
減でき、施工性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の建造物の基礎の施行方法の実施の一形
態を示す地盤の掘削状況の説明図である。
【図2】同上地盤の掘削状況を示す説明図である。
【図3】同上ビットを示す断面図である。
【図4】同上ビットを示す側面図である。
【図5】同上地盤の掘削状況を示す説明図である。
【図6】同上地盤の掘削状況を示す説明図である。
【図7】同上地盤の掘削状況を示す説明図である。
【図8】同上地盤の掘削状況を示す説明図である。
【図9】同上コンクリート杭の沈設状況を示す説明図で
ある。
【図10】同上コンクリート杭の沈設状況を示す説明図
である。
【図11】同上地盤の掘削状況を示す説明図である。
【符号の説明】
9 ビット 10 掘削手段 30 地盤 31 掘削孔 33 球根部 35 杭としてのコンクリート杭

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 拡径可能なビットを有した掘削手段を用
    いて、建造物が建造される地盤に略鉛直方向に複数掘削
    されこれら掘削により生じた土壌と前記掘削手段を介し
    て注入されたセメント系固化材とが混合された土壌セメ
    ントを有し、所定の深さで前記ビットを拡径させて径大
    の球根部が設けられた掘削孔内にそれぞれ杭を沈設し
    て、前記土壌セメントの硬化により前記杭を球根部に一
    体的に固定する建造物の基礎の施工方法において、 前記掘削孔の掘削位置による前記各杭への異なる荷重に
    対応して前記各球根部の径寸法を可変して形成すること
    を特徴とした建造物の基礎の施工方法。
  2. 【請求項2】 拡径可能なビットを有した掘削手段を用
    いて、建造物が建造される地盤に略鉛直方向に掘削され
    この掘削により生じた土壌と前記掘削手段を介して注入
    されたセメント系固化材とが混合された土壌セメントを
    有し、所定の深さで前記ビットを拡径させて径大の球根
    部が設けられた掘削孔内に杭を沈設して、前記土壌セメ
    ントの硬化により前記杭を球根部に一体的に固定する建
    造物の基礎の施工方法において、 前記地盤による鉛直方向の支持力が前記杭の強度による
    支持力と略同程度となる径寸法に前記球根部を形成する
    ことを特徴とした建造物の基礎の施工方法。
JP04083197A 1997-02-25 1997-02-25 建造物の基礎の施工方法 Expired - Fee Related JP3904274B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04083197A JP3904274B2 (ja) 1997-02-25 1997-02-25 建造物の基礎の施工方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04083197A JP3904274B2 (ja) 1997-02-25 1997-02-25 建造物の基礎の施工方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10237866A true JPH10237866A (ja) 1998-09-08
JP3904274B2 JP3904274B2 (ja) 2007-04-11

Family

ID=12591601

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP04083197A Expired - Fee Related JP3904274B2 (ja) 1997-02-25 1997-02-25 建造物の基礎の施工方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3904274B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001248156A (ja) * 1999-12-27 2001-09-14 Mitani Sekisan Co Ltd 基礎杭の構築方法、既製杭、杭穴掘削ロッド
CN100344834C (zh) * 2005-05-23 2007-10-24 司建波 一种液压挤土桩复合地基的施工方法
CN100371537C (zh) * 2006-01-05 2008-02-27 江苏南水土建工程公司 加固深厚软基的砼芯砂石桩复合地基法
JP2012017648A (ja) * 2010-06-07 2012-01-26 Jfe Steel Corp 基礎杭群
CN109184570A (zh) * 2018-11-14 2019-01-11 淮海工学院 一种伸缩钻头及其旋转扩孔沉入预制桩的施工方法
JP2019183510A (ja) * 2018-04-11 2019-10-24 株式会社トーヨーアサノ 基礎杭、該基礎杭を用いた基礎の構築方法
CN115094878A (zh) * 2021-09-01 2022-09-23 中国航天建设集团有限公司 一种搅拌叶片组件

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001248156A (ja) * 1999-12-27 2001-09-14 Mitani Sekisan Co Ltd 基礎杭の構築方法、既製杭、杭穴掘削ロッド
CN100344834C (zh) * 2005-05-23 2007-10-24 司建波 一种液压挤土桩复合地基的施工方法
CN100371537C (zh) * 2006-01-05 2008-02-27 江苏南水土建工程公司 加固深厚软基的砼芯砂石桩复合地基法
JP2012017648A (ja) * 2010-06-07 2012-01-26 Jfe Steel Corp 基礎杭群
JP2019183510A (ja) * 2018-04-11 2019-10-24 株式会社トーヨーアサノ 基礎杭、該基礎杭を用いた基礎の構築方法
CN109184570A (zh) * 2018-11-14 2019-01-11 淮海工学院 一种伸缩钻头及其旋转扩孔沉入预制桩的施工方法
CN115094878A (zh) * 2021-09-01 2022-09-23 中国航天建设集团有限公司 一种搅拌叶片组件
CN115094878B (zh) * 2021-09-01 2023-11-24 中国航天建设集团有限公司 一种搅拌叶片组件

Also Published As

Publication number Publication date
JP3904274B2 (ja) 2007-04-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5265500B2 (ja) 杭の中掘工法、基礎杭構造
JPH10237866A (ja) 建造物の基礎の施工方法
JP4858878B2 (ja) 杭穴の構築方法
JP2001098541A (ja) 鋼管ソイルセメント合成杭及びその施工法と装置
JP4103105B2 (ja) 杭穴壁の練付け装置
JP4378752B2 (ja) 大径の既製コンクリート杭基礎用の既製杭、既製杭の埋設方法
JP2942779B1 (ja) 地中壁の施工法
US4027490A (en) Self-sinking, axial passage foundation pile and method
JP2001140251A (ja) 合成杭とその施工方法
JP3514183B2 (ja) 埋込み杭およびその施工方法
JPS5827366B2 (ja) 頭部補強杭造成用装置
JPS5845529B2 (ja) 鋼管建込み装置
JP4197074B2 (ja) 埋込み杭施工装置
JPH08199566A (ja) 杭の施工法
JP2008075336A (ja) 既製杭の施工方法
JP3971322B2 (ja) 基礎地盤の湿式柱状体製造装置
JP2711757B2 (ja) 地盤連続壁工法および地盤への撹拌進入装置
JP4069973B2 (ja) 杭埋設工法
JPH0627405B2 (ja) 既製杭埋設工法
JPH09125389A (ja) 杭の施工方法
JP2005054437A (ja) 基礎杭の構築方法
JPH0325121A (ja) 中掘工法における杭沈設工法
JPH03262820A (ja) 中掘工法によるコンクリートパイル設置方法および掘削装置
JPS62215719A (ja) 既製杭の施工方法
JPH04360909A (ja) 杭の施工方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060601

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060712

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060907

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20061227

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070109

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100119

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110119

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120119

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120119

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130119

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140119

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees