JPH10237663A - プラズマ重合膜の形成方法およびプラズマ重合膜形成装置 - Google Patents
プラズマ重合膜の形成方法およびプラズマ重合膜形成装置Info
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- JPH10237663A JPH10237663A JP36690297A JP36690297A JPH10237663A JP H10237663 A JPH10237663 A JP H10237663A JP 36690297 A JP36690297 A JP 36690297A JP 36690297 A JP36690297 A JP 36690297A JP H10237663 A JPH10237663 A JP H10237663A
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Abstract
製造することはもとより、異常放電の発生が極めて少な
く、プラズマ重合膜を長時間安定に成膜することがで
き、製品歩留の向上が図れるプラズマ重合膜の形成方法
およびプラズマ重合膜形成装置を提供する。 【解決手段】 フィルム状の長尺基材を連続的に搬送さ
せつつ、この長尺基材の上にプラズマ重合膜を形成させ
るプラズマ重合膜の形成方法であって、プラズマ重合を
行うための電極として、プラズマ重合膜を形成する面と
対向する側の電極を、高分子材料で被覆率50〜100
%の割合で被覆したものを用い、原料ガスを導入しつ
つ、被覆された電極側に電圧を印加し、動作圧力10-3
〜1Torrの範囲の条件で、長尺基材の上にプラズマ
重合膜を形成させる。
Description
方法およびプラズマ重合膜形成装置に関し、例えば、い
わゆる蒸着テープのごとき、斜め蒸着法、垂直蒸着法、
などにより形成された強磁性金属薄膜を備える磁気記録
媒体の表面保護膜としてプラズマ重合膜の形成が要求さ
れる際の好適なプラズマ重合膜の形成方法およびプラズ
マ重合膜形成装置に関する。特に、プラズマ重合膜の成
膜時に異常放電の発生がなく安定して長時間に亘って生
産が可能であり、しかも、形成された膜の膜特性が優れ
るプラズマ重合膜の形成方法およびプラズマ重合膜形成
装置に関する。
る強磁性金属薄膜を、例えば真空蒸着、スパッタリン
グ、イオンプレーティング等の真空薄膜形成法により支
持体上に形成したいわゆる金属薄膜タイプの磁気記録媒
体は、磁性粉末とバインダーを用いるいわゆる塗布タイ
プの磁気記録媒体と比べて、以下のような多くの利点を
備えている。
は、保磁力等に優れ、磁性材料の充填密度が高いために
高密度記録が可能で、電磁変換特性上も非常に有利であ
り、さらに、磁性層の膜厚を非常に薄くでき、再生時等
の厚み損失も著しく小さくすることができる等種々の利
点を備えている。
の磁気記録媒体は、一般に磁性層(強磁性金属薄膜)が
腐食されやすいという欠点に加え、さらに走行性、耐久
性に劣るという欠点をも有していた。
り、強磁性金属薄膜の上に保護膜を形成するさまざまな
試みがなされており、保護膜の好適な一例として、プラ
ズマ重合膜の保護膜がある。このプラズマ重合膜を形成
させるに際しては、必要な膜質を確保するために、導入
ガス、電力、電極面積等を適当に制御する必要があり、
かかる関連先行技術として、原料ガスとして導入される
モノマーガスの流量をF(cc/sec)、印加電力を
W(ワット)、電極面積をS(cm2 )としたときに、
W/(F×S)の値を5〜10に制御する旨の提案がな
されている(特開昭61−5435号公報)。
に係る発明者らがプラズマ重合の成膜条件について鋭意
研究した結果、上記の提案のプラズマ重合条件の範囲で
は、(電極面積×導入モノマーガス量)の値に対して印
加電圧が大きすぎて、異常放電が頻発し、製造歩留が低
下するなどの問題が生じ、実際の製造ラインでの稼働が
困難であることが判明した。
たものであって、その目的は、耐久性等の膜特性に優れ
たプラズマ重合膜を製造することはもとより、異常放電
の発生が極めて少なく、プラズマ重合膜を長時間安定に
成膜することができ、製品歩留の向上が図れるプラズマ
重合膜の形成方法およびプラズマ重合膜形成装置を提供
することにある。
るために、本出願に係る発明者らが、プラズマ重合の成
膜条件およびプラズマ重合を行うプラズマ電極の構造に
ついて鋭意研究した結果、プラズマ電極を所定の材料お
よび所定の割合で被覆することによって、異常放電の少
ない状態でプラズマ重合膜を長時間安定に製造すること
ができる(さらに、形成された膜は耐久性等の膜特性に
も優れる)ことを見いだし、本発明に至ったのである。
材を連続的に搬送させつつ、この長尺基材の上にプラズ
マ重合膜を形成させるプラズマ重合膜の形成方法であっ
て、プラズマ重合を行うための電極として、プラズマ重
合膜を形成する面と対向する側の電極を、高分子材料で
被覆率50〜100%の割合で被覆したものを用い、原
料ガスを導入しつつ、被覆された電極側に電圧を印加
し、動作圧力10-3〜1Torrの範囲の条件で、長尺
基材の上にプラズマ重合膜を形成させるように構成す
る。
は、非磁性支持体上に強磁性金属薄膜が設けられた積層
体原反であり、強磁性金属薄膜の上にプラズマ重合膜を
形成するように構成する。
に強磁性金属薄膜が設けられた積層体原反を、その非磁
性支持体裏面側が回転ドラムの少なくとも一部と接する
状態で連続的に搬送させつつ、強磁性金属薄膜の上にプ
ラズマ重合膜を形成するように構成する。
は、炭化水素モノマーガスを用いるように構成する。
のプラズマ電圧が、300〜1000Vであるように構
成される。
連続的に搬送させつつ、この長尺基材の上にプラズマ重
合膜を形成させるプラズマ重合膜形成装置であって、該
装置は、プラズマ重合を行うための電極として、プラズ
マ重合膜を形成する面と対向する側の電極を備え、該電
極は、その対向する側の表面が被覆率50〜100%の
割合で高分子材料で被覆されるように構成する。
象物を非磁性支持体上に強磁性金属薄膜が設けられた積
層体原反とする装置であって、該装置は、非磁性支持体
裏面側と接しつつ連続的に搬送させるための回転ドラム
を備え、この回転ドラムと対向するように高分子材料で
被覆された電極が配置されてなるように構成する。
料および所定の割合で被覆することによって、電源電圧
を変更させることなく電極間に発生するプラズマ電圧
(プラズマ電極に印加された実効電圧)を上げることが
できるという作用を発現させ、これによって、電源電圧
を無理に上げることなくプラズマ電圧を上げることがで
きるので、製造工程中での異常放電の発生が抑制され
る。
て詳細に説明する。
法の一例として、磁気記録媒体の製造方法をとりあげて
以下に説明する。まず、最初に磁気記録媒体の製造方法
に用いられる好適なプラズマ重合膜形成装置の一例を図
1に基づいて説明する。
示す正面図であり、外側真空槽7内に設置される繰出ロ
ール21には、予め非磁性支持体上に強磁性金属薄膜が
設けられた積層体原反40が巻かれている。積層体原反
40の積層断面の状態が図4に示されており、図4にお
いて、符号41は非磁性支持体を、符号42は強磁性金
属薄膜を表す。そして、図1に示されるように繰出ロー
ル21から繰り出された積層体原反40は、反応室3の
中に導かれ、反応室3内に設置されたガイドロール22
を介して回転ドラム25(冷却ドラムとも呼ばれる)に
沿って移動し、さらに、ガイドロール26を経て反応室
3の外へ出て、巻取ロール28へと巻き取られるように
なっている。この場合、回転ドラム25は、非磁性支持
体の裏面側(強磁性金属薄膜が形成されていない側)と
接している。
めに放電を発生させるためのプラズマ電極9が前記回転
ドラム25の回り(図においては下方)に同心円状に設
置されている。そして、このプラズマ電極9にはプラズ
マ発生のための、例えば、高周波電源2が接続され、電
圧が印加されるようになっている。また、図1に示され
る装置の場合、前記回転ドラム25は、放電を発生させ
ない一方のプラズマ電極(アース側)を構成している。
おり、排気管5(通常、真空ポンプが接続されている)
から外側真空槽7(および反応室3)の内部が減圧され
るようになっている。この一方で、反応室3の中には原
料ガスとして、モノマーガスあるいはモノマーガスとキ
ャリアーガスとの混合ガスが、ガス導入管6を経て導入
されるようになっている。
うための電極であって、プラズマ重合膜を形成させる媒
体表面と対向する側の電極である。このプラズマ電極9
は、図示のごとく湾曲板形状をしており、前記回転ドラ
ム25の約下半分を同心円状に囲むように配置されてい
る。そして、このプラズマ電極9の表面9aは、高分子
材料で被覆率50〜100%、好ましくは60〜100
%、より好ましくは70〜100%の割合で被覆されて
いる。被覆率が50%未満となると、反応槽3内での異
常放電が多く発生するようになり、プラズマ重合膜を長
時間安定に成膜することができない。製品歩留も低下し
てしまう。
は、被覆率100%の場合を除いて、電極表面全体をほ
ぼ均一に細かく分散した状態で覆うようにするのがよい
(見方を変えれば、電極の覆われていない部分が細かく
分散しているのがよい)。具体的には、図2に示される
ように円形状のものを千鳥配列したもの(一枚板から円
形状を千鳥配列状に打ち抜いたもの)や、図3に示され
るように正方形状のものを千鳥配列したもの(一枚板か
ら正方形形状を千鳥配列状に打ち抜いたもの)、あるい
はこれらの反転形状となる配列、などが挙げられるが、
もちろんこれらの形状に限定されるわけではない。
ては、含フッ素樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート、
ポリアセタール、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケ
トン、ポリフェニレンスルフィド、ポリベンズイミダゾ
ール、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、
ポリプロピレン、メタクリル樹脂、石油樹脂、ポリ塩化
ビニリデン、ポリシクロオレフィン、フェノール樹脂、
尿素樹脂、(不)飽和ポリエステル、ポリウレタン、ア
ルキド樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ABS樹
脂、BS樹脂、AS樹脂等の樹脂、および有機化合物の
プラズマ重合物等が挙げられる。これらの中では特に、
含フッ素樹脂、メタクリル樹脂、ポリエステル、ポリウ
レタン、エポキシ樹脂、有機化合物のプラズマ重合物等
が挙げられる。
面9aに被覆する方法としては、例えば、高分子材料と
して樹脂を用いるのであれば、当該樹脂板をそのまま、
あるいは、図2および図3に示されるごとく『あみ目
状』の形状に加工したものを、接着剤や接着テープ等で
固着したり、あるいは、樹脂製の接着テープを電極表面
に貼り付けて被覆する、あるいは塗装、電着、焼付け、
浸漬法、熔射法等により全面もしくは所定分布になるよ
うにマスキングする等の方法が挙げられる。
9の表面9aを高分子材料で覆うことにより、電源2の
電圧を変更させることなく、プラズマ電極9からのプラ
ズマ電圧(プラズマ電極に印加された実効電圧)を上げ
ることができるという知見を得ている。従って、無理に
電源2の電圧を上げることなくプラズマ電圧を上げるこ
とができ、異常放電の発生を防止できる。さらに異常放
電が発生しない範囲で反応室3中でのイオンの速度を上
げることができ、膜質の向上や成膜レートの向上を図る
ことができる。
は、用いる材質を考慮しつつ、異常放電の発生を防止で
き、かつ良質の膜が得られる範囲で適宜決定すればよ
い。好適な膜厚範囲は、80μm〜5mm、より好まし
くは、120μm〜3mmとされる。
料および所定の割合で被覆されたプラズマ電極を備える
プラズマ重合膜形成装置1を用い、プラズマ電極、モノ
マーガス流量、印加電圧等を適宜制御して、強磁性金属
薄膜の上にプラズマ重合膜を形成させ、磁気記録媒体を
製造すればよい。
ついて説明する。
磁気記録媒体の製造方法は、非磁性支持体上に強磁性金
属薄膜が設けられた積層体原反を、その非磁性支持体裏
面側が回転ドラムの少なくとも一部と接する状態で連続
的に搬送させつつ、強磁性金属薄膜の上にプラズマ重合
膜を形成させることによって行われる。
属薄膜42の上)にプラズマ重合膜43を形成し、磁気
記録媒体50を形成した断面図が示されている。
有機化合物、例えば炭化水素系化合物のモノマーガスを
高周波によってプラズマ化させ、強磁性金属薄膜42の
表面に形成させることによって行われる。通常は、積層
体原反40を搬送させる真空槽内(外側真空槽7内およ
び反応室3内)を10-6〜10-1Torr、より好まし
くは10-5〜10-4Torr(所望の膜質により変更さ
せる)に排気した後(到達圧力)、原料ガスであるモノ
マーガスあるいはモノマーガスとキャリアーガスの混合
ガスを所定の流量で反応室3内に導入しながら電源2を
作動させ、所定周波数(直流の場合もある)の電力を所
定の印加電圧で、上記のプラズマ電極9に印加して放電
を起こさせ、図5に示されるようにプラズマ重合反応に
より、強磁性金属薄膜42の上にプラズマ重合膜43を
形成させる。プラズマ時の動作圧力は、10-3〜1To
rr、より好ましくは0.1〜0.2Torrとされ
る。この動作圧力が10-3Torr未満となると、プラ
ズマが安定に生成せず、また反応ガスが少なくなる為
に、成膜レートが極端に低下するという不都合が生じ
る。また動作圧力が1Torrを超えると、プラズマが
均一にたたない。また高電圧を必要とし、大電流が流れ
て局所的にフィルムに穴が開いてしまうという不都合が
生じる。さらに、反応ガスが投入される電力に対し、過
剰となるために、得られるプラズマ重合膜の硬度が低下
し、スチルなどのテープ特性が劣化する。
したように所定の被覆がなされている。この被覆がない
と、成膜中に異常放電が発生してしまい生産が安定せ
ず、製品歩留の低下が生じるという不都合が生じる。な
お、プラズマ電極9の電極面積は、設備の規模によって
適宜選定すればよい。
の被覆がなされている)プラズマ成膜時のプラズマ電圧
は、300〜1000Vとすることが好ましい。
る原料ガスとしてのモノマーガスは、通常使用されるも
のであれば何でもよく、特に限定されるものではない
が、特に、耐久性の高い保護膜を形成するためには、炭
化水素ガスを用いることが好ましい。
プロパン、ブタン、エチレン、プロピレン、アセチレ
ン、メチルアセチレン、トルエン等が単独または混合し
て用いられる。これらの中で、特に好ましい炭化水素ガ
スとしては、エタン、プロパン、プロピレンが用いられ
る。
の不活性ガスや酸素を一定量、混入させることにより、
膜質の制御が可能となる。
の厚さは、磁気記録媒体の場合、十分な保護膜機能を有
し、かつスペーシングロスが大きくならない範囲で適宜
選定される。
41は、強磁性金属薄膜42の形成の際に、耐え得るだ
けの耐熱性のあるものであればよく、例えば、ポリエチ
レンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレ
ート(PEN)、ポリイミド、ポリアミド、ポリエーテ
ルエーテルケトン(PEEK)、ポリサルフォンなどが
挙げられる。非磁性支持体41の厚さは、例えば、磁気
記録媒体の録画時間等との兼ね合いで選択されることも
あり、通常4〜40μm程度とされる。また、非磁性支
持体41の形態としては、フィルム、テープ、シート、
ディスク、カード、ドラム等のいずれであってもよい
が、本発明の効果が最も現れるものは、長尺の非磁性支
持体のような長時間処理を必要とされるものである。
磁性金属薄膜42は、コバルトまたはコバルト合金とす
ることが好ましい。コバルト合金としては、Co−N
i、Co−Fe、Co−Ni−Cr、Co−Ni−B、
Co−Cu、Co−Pt−Cr等が例示される。強磁性
金属薄膜42を蒸着で形成する場合、Coの融点に近い
金属では、同一のルツボを用いて蒸着する、いわゆる一
元蒸着を行い、融点が異なるものでは複数のルツボを用
いる、いわゆる多元蒸着を行う。
例えば、10-6Torr程度まで排気した後、電子銃に
て蒸着させるべく金属の溶解を行い、金属全体が溶解し
た時点で蒸着を開始する。さらに、蒸着によって形成さ
れる強磁性金属薄膜42の磁気特性を制御するために、
通常、酸素、オゾン、亜酸化窒素等の酸化性ガスを導入
することが好ましい。このように形成される強磁性金属
薄膜42の厚さは、0.1〜0.3μm程度とされる。
また、強磁性金属薄膜42は、蒸着法以外に、イオンプ
レーティング法、スパッタ法等で形成してもよい。
43の形成の説明を簡潔かつ分かりやすくするために、
非磁性支持体41上に強磁性金属薄膜42が設けられた
積層体原反40が繰出ロール21に予め巻かれているケ
ースを例にとって説明したが、これに限定されることな
く、例えば、特開平4−95220号公報に記載されて
いるように、非磁性支持体のみを繰出ロールに設置し、
同一真空槽内で、強磁性金属薄膜およびプラズマ重合膜
の形成を、順次形成させる方式であってもよい。
ズマ重合膜43からなる保護膜上に公知の種々の液体潤
滑層を塗布してもよく、この場合には耐久特性が向上す
る。また、非磁性支持体41の裏面(強磁性金属薄膜4
2形成面と反対の面)にいわゆる公知の種々のバックコ
ート層を設けてもよいし、非磁性支持体41と強磁性金
属薄膜42の間に種々の中間層を設けてもよい。
に示されるタイプのものに限定されることなく、通常使
用される種々のタイプのものも使用可能である。ただ
し、フィルム状の磁気記録媒体を製造するには、図1に
示されるように回転ドラム25を用いるタイプのものが
好適である。
性金属薄膜42の上にプラズマ重合膜43を形成する場
合を好適例として説明したが、プラズマ重合膜43の形
成は、一般に連続搬送されるフィルム状の長尺基材の上
に行なわれればよく、長尺基材の構成や材質に特に制限
はない。
本発明をさらに詳細に説明する。
ンプル1〜5の作製)まず、最初に、反応槽3内におい
て(10-6Torrまで排気)、厚さ6μmのポリエチ
レンテレフタレート(PET)の非磁性支持体41を連
続搬送させつつこの上に、Coの強磁性金属薄膜42を
形成させた(積層体原反の作製)。すなわち、Coを蒸
着源として用いて斜め蒸着を行い、厚さ0.20μmの
Co強磁性金属薄膜42を形成させた。
記強磁性金属薄膜42の上にプラズマ重合膜43からな
る保護膜を形成した。プラズマ電極9としては、その表
面9aに、図2に示されるようにパンチグメタル状に穴
をあけたポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の板
(厚さ3mm)をPTFEの接着テープで貼り付けたも
のを用いた。
secの割合で導入しつつ、プラズマ電極9に電圧を印
加し(電源の電圧:410V)、プラズマを発生させ
て、プラズマ重合膜43からなる保護膜を形成した。
て、プラズマ電極9の表面に被覆したポリテトラフルオ
ロエチレン(PTFE)の被覆率を、下記表1に示すよ
うに種々変えて、フィルム(積層体原反)の供給・巻取
りを行いながら1時間連続的にプラズマ反応を行い、C
o強磁性金属薄膜42の上に、厚さ10nmのプラズマ
重合膜を形成した。装置内の圧力は、成膜開始前の到達
圧力を5×10-5Torr、プラズマ時の動作圧力を
0.1Torrとした。その後、非磁性支持体の裏面側
に膜厚0.5μmのバックコート層を設け、下記表1に
示される種々の磁気記録媒体サンプルを作製した(実施
例サンプル1〜6、および比較例サンプル1〜5)。電
源2の電圧はすべての場合で一定とした。
実施例サンプル1の製造において、プラズマ電極9の表
面に被覆した材料を、ポリアミド(実施例サンプル7)
および、ポリエーテルエーテルケトン(実施例サンプル
8)にそれぞれ変えた。それ以外は上記実施例サンプル
1の作製と同様にして、実施例サンプル7および8を作
製した。
記実施例サンプル1の製造において、プラズマ電極9の
表面に被覆した材料を、ポリエステル(実施例サンプル
9)および、メタクリル樹脂(実施例サンプル10)に
それぞれ変えた。被覆厚さは、各140μmとし、塗装
にて形成した。それ以外は上記実施例サンプル1の作製
と同様にして、実施例サンプル9および10を作製し
た。
比較例サンプル2(被覆率30%)および比較例サンプ
ル3(被覆率20%)の製造において、電源2の電圧を
上げた。それ以外は上記比較例サンプル2および比較例
サンプル3の作製と同様にして、比較例サンプル6およ
び7を作製した。
実施例サンプル1の製造において、到達圧力や動作圧力
を下記表1に示すように種々変えて実施例サンプル11
〜18を作製した。なお、実施例サンプル16は、原料
ガスをアセチレンに変更している。
実施例サンプル1の製造において、到達圧力や動作圧力
を下記表1に示すように変えて比較例サンプル8および
9を作製した。
サンプル1の製造において、回転ドラム25(冷却ドラ
ムとも呼ばれる)の表面を、厚さ3mのPTFEで被覆
し、到達圧力や動作圧力を下記表1に示すように変えて
比較例サンプル10を作製した。
1〜18、比較例サンプル1〜10、の各製造工程中お
よび製造後の媒体サンプルに関して以下に示すような評
価を行った。
ルオシロスコープ9400でプラズマ電極と回転ドラム
との間に電流および電圧をモニターしながら、瞬間的に
電流および電圧が異常値を示す回数を異常放電回数とし
てカウントした。
RHの環境でDVC−VTR(SONY社製 VX−7
00改)を用いて、7MHzの信号を記録し、その後、
再生をする際に、スチルモードにて、出力が初期の値よ
り1dB落ちるまでの時間(min)を測定した。な
お、測定される媒体サンプルには潤滑剤の塗布がなされ
ておらず、極めて過酷な条件での測定である。
表1中に示されるプラズマ電圧Vpは、プラズマ電極に
印加された実効電圧であり、製造工程中に実測された値
である。
ある。すなわち、本発明においては、プラズマ重合を行
うための電極として、プラズマ重合膜を形成する面と対
向する側の電極を、高分子材料で被覆率50〜100%
の割合で被覆し、動作圧力10-3〜1Torrの範囲の
条件で、長尺基材の上にプラズマ重合膜を形成させてい
るので、プラズマ重合膜の形成時に異常放電の発生が極
めて少なく、プラズマ重合膜を長時間安定に成膜するこ
とができ、製品歩留の向上が図れるという極めて優れた
効果が発現する。また、プラズマ重合膜の膜特性も極め
て優れたものとなる。
一例を示す概略正面図である。
る側のプラズマ電極であって、その電極表面を被覆する
被覆形態を模式的に示す図である。
る側のプラズマ電極であって、その電極表面を被覆する
被覆形態を模式的に示す図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 フィルム状の長尺基材を連続的に搬送さ
せつつ、この長尺基材の上にプラズマ重合膜を形成させ
るプラズマ重合膜の形成方法であって、 プラズマ重合を行うための電極として、プラズマ重合膜
を形成する面と対向する側の電極を、高分子材料で被覆
率50〜100%の割合で被覆したものを用い、 原料ガスを導入しつつ、被覆された電極側に電圧を印加
し、動作圧力10-3〜1Torrの範囲の条件で、長尺
基材の上にプラズマ重合膜を形成させることを特徴とす
るプラズマ重合膜の形成方法。 - 【請求項2】 前記長尺基材は、非磁性支持体上に強磁
性金属薄膜が設けられた積層体原反であり、強磁性金属
薄膜の上にプラズマ重合膜を形成してなる請求項1記載
のプラズマ重合膜の形成方法。 - 【請求項3】 非磁性支持体上に強磁性金属薄膜が設け
られた積層体原反を、その非磁性支持体裏面側が回転ド
ラムの少なくとも一部と接する状態で連続的に搬送させ
つつ、強磁性金属薄膜の上にプラズマ重合膜を形成して
なる請求項1または請求項2記載のプラズマ重合膜の形
成方法。 - 【請求項4】 前記原料ガスは、炭化水素モノマーガス
である請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のプラ
ズマ重合膜の形成方法。 - 【請求項5】 プラズマ成膜時のプラズマ電圧が、30
0〜1000Vである請求項1ないし請求項4のいずれ
かに記載のプラズマ重合膜の形成方法。 - 【請求項6】 フィルム状の長尺基材を連続的に搬送さ
せつつ、この長尺基材の上にプラズマ重合膜を形成させ
るプラズマ重合膜形成装置であって、該装置は、プラズ
マ重合を行うための電極として、プラズマ重合膜を形成
する面と対向する側の電極を備え、 該電極は、その対向する側の表面が被覆率50〜100
%の割合で高分子材料で被覆されてなることを特徴とす
るプラズマ重合膜形成装置。 - 【請求項7】 プラズマ処理対象物を非磁性支持体上に
強磁性金属薄膜が設けられた積層体原反とする装置であ
って、該装置は、非磁性支持体裏面側と接しつつ連続的
に搬送させるための回転ドラムを備え、この回転ドラム
と対向するように高分子材料で被覆された電極が配置さ
れてなる請求項6に記載のプラズマ重合膜形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36690297A JP3958853B2 (ja) | 1996-12-27 | 1997-12-26 | プラズマ重合膜の形成方法およびプラズマ重合膜形成装置 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8-357609 | 1996-12-27 | ||
JP35760996 | 1996-12-27 | ||
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