JPH10237651A - フェライト系ステンレス鋼への酸化不動態皮膜の形成方法 - Google Patents

フェライト系ステンレス鋼への酸化不動態皮膜の形成方法

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JPH10237651A JP4558397A JP4558397A JPH10237651A JP H10237651 A JPH10237651 A JP H10237651A JP 4558397 A JP4558397 A JP 4558397A JP 4558397 A JP4558397 A JP 4558397A JP H10237651 A JPH10237651 A JP H10237651A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐食性の高いステンレス鋼であっても、1%
以上の濃い食塩水や、0.5%以上の強酸液や強アルカ
リ液が存在する環境では、耐食性の高いフェライト系ス
テンレス鋼であっても容易に腐食するという課題を有し
ている。 【解決手段】 適切な条件で表面に酸化不動態被膜を形
成して、耐食性を十分に高めたフェライト系ステンレス
鋼の製造方法としているものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フェライト系ステ
ンレス鋼に対する酸化不動態皮膜の形成方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】ステンレス鋼は優れた耐食性を有するこ
とから、建材を始め自動車部品や家電製品、厨房用など
多方面で使用されている。これらの材料には、SUS304を
中心としたオーステナイト系ステンレス鋼が多く用いら
れている。しかし、特に臨海地域を中心とした塩素イオ
ン濃度の高い塩害地域では、クロムの含有率を高めると
ともにモリブデンを添加した耐食性の高いステンレス鋼
が使用されている。例えば、オーステナイト系のステン
レス鋼としてSUS316(18Cr-12Ni-2.5Mo-Fe)、フェライト
系のステンレス鋼としてSUS444(19Cr-2Mo-Ti,Nb-Fe)が
使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記耐食性の高いステ
ンレス鋼であっても、1%以上の濃い食塩水や、0.5%
以上の強酸液や強アルカリ液が存在する環境では、耐食
性の高いフェライト系ステンレス鋼であっても容易に腐
食するという課題を有している。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、適切な条件で
表面に酸化不動態被膜を形成して、耐食性を十分に高め
たフェライト系ステンレス鋼の製造方法としているもの
である。
【0005】
【発明の実施の形態】請求項1に記載した発明は、脱脂
洗浄し表面から水分を除去したフェライト系ステンレス
鋼を所定の混合ガス雰囲気中で1000℃〜1200℃
で熱処理することによって、クロム酸化物が還元反応を
生ずることが無く、同時に鉄酸化物を還元して最表面に
クロム酸化物を有する酸化不動態皮膜を形成するフェラ
イト系ステンレス鋼への酸化不動態皮膜の形成方法とし
ている。
【0006】請求項2に記載した発明は、CrとMoの
重量含有率が組成式(Cr+4Mo)において、25重
量%以上のフェライト系ステンレス鋼を使用するように
して、表面に形成される酸化不動態皮膜の膜厚の厚い酸
化不動態皮膜の形成方法としている。
【0007】請求項3に記載した発明は、不活性ガスと
して、窒素が80〜88容積%、水素ガスが1〜5容積
%、一酸化炭素ガスが1〜5容積%、二酸化炭素ガスが
5〜15容積%、酸素ガスが0.05〜0.2容積%である混
合ガスを使用し、熱処理温度を1000℃〜1100℃
として、Cr酸化物を優先的に表面に析出でき、耐久性
の高い酸化不動態皮膜の形成方法としている。
【0008】請求項4に記載した発明は、不活性ガスと
して、窒素が41〜49容積%、水素ガスが14〜18
容積%、一酸化炭素ガスが14〜18容積%、二酸化炭
素ガスが17〜27容積%、酸素ガスが0.50〜1.50容積
%である混合ガスを使用し、熱処理温度を1050℃〜
1150℃として、Cr酸化物を優先的に表面に析出で
き、耐久性の高い酸化不動態皮膜の形成方法としてい
る。
【0009】
【実施例】以下本発明の実施例について説明する。図1
は、本実施例の製造方法を説明するフローチャートであ
る。先ず材料であるフェライト系ステンレス鋼の表面を
酸またはアルカリ洗いによって脱脂洗浄し、水洗する。
次に脱脂洗浄を終了した材料を適当な温度で乾燥し、表
面から水分を除去する。こうして不純物を除去して乾燥
した材料を、不活性ガスと水素と一酸化炭素と二酸化炭
素と酸素との混合ガス雰囲気中で熱処理する。このとき
の熱処理温度は、1000℃〜1200℃が適切であ
る。この熱処理によって、材料であるフェライト系ステ
ンレスは、最表面にクロム酸化物を有する酸化不動態皮
膜を形成されるものである。
【0010】このとき発明者らの実験によれば、酸化不
動態被膜を緻密なものにするめためには、フェライト系
ステンレス鋼が含有しているCrの量が多い方が望まし
いものである。また、形成した酸化不動態被膜の耐食性
を高めるためには、フェライト系ステンレス鋼にMoを
添加する方がよいものである。
【0011】図2は、発明者らが実験を繰り返して前記
CrとMoの含有率の和と孔食電位との関係を把握した
結果を示している。図2の横軸は、実験に使用している
ステンレス鋼のCrとMoの含有率を、組成式(Cr+
4Mo)での重量%で示している。また縦軸は孔食電位
を示している。孔食電位とは、孔食が発生する臨界電位
を示している。本実施例では、この孔食電位を、基準電
極を飽和KCl溶液を電解質とするカロメル電極(S.
C.E=Saturated Calomel Electrode)として測定して
いる。サンプルとしては、SUS304・SUS316・22Cr-2Mo・
20Cr-5Al-La,Ti・23Cr-15Ni-Si,Mn・18Cr-4Al-Si,Mn・2
0Cr-20Ni-2Mo・SUS444を採り上げている。それぞれの組
成(Cr+4Mo)と孔食電位は、(18,25)、
(28,120)、(30,150)、(20,5
5)、(23,50)、(18,26)、(28,12
0)、(27,100)となっている。すなわち、SUS3
04の組成は、Crが18重量%でMoは含有していない
ものである。従って(Cr+4Mo)は18重量%に相
当する。またSUS316の組成は、Crが18重量%、Mo
は2.5重量%となっている。従って(Cr+4Mo)
は28重量%に相当する。22Cr-2Moは、Crが22重量
%Moは2重量%で(Cr+4Mo)は30重量%に相
当する。20Cr-5Al-La,Tiは、Crが20重量%Moは0
で(Cr+4Mo)は20重量%に相当する。23Cr-15N
i-Siは、Crが23重量%Moは0で(Cr+4Mo)
は23重量%に相当する。18Cr-4Al-Siは、Crが18
重量%Moは0で(Cr+4Mo)は18重量%に相当
する。20Cr-20Ni-2Moは、Crが20重量%Moは2重
量%で(Cr+4Mo)は28重量%に相当する。SUS4
44は、Crが19重量%Moは2重量%となっており、
(Cr+4Mo)は27重量%に相当するものである。
この孔食電位は、数字が大きいほど、すなわち貴となる
ほど孔食が発生しにくいものである。逆に言えば、数字
が小さいほど、すなわち卑となるほど孔食が発生しやす
いものである。
【0012】前記、SUS304・SUS316・SUS444は従来技術
で説明した、耐食性の高いステンレス鋼である。22Cr-2
Moは、市販されているフェライト系ステンレス鋼では
(Cr+4Mo)の含有率が最も大きなステンレス鋼で
あり、本実施例では住友金属工業(株)製のNAR-FC-4を用
いている。20Cr-5Al-La,Tiは、微量のLaを添加するこ
とによって高温で酸化した時に生成する酸化アルミニウ
ム皮膜の耐久性が増し、耐高温酸化性に優れた鋼種とさ
れているもので、本実施例では川崎製鉄(株)製のリバー
ライトR20-5SRを用いている。23Cr-15Ni-Si,Mnは、SUS31
0よりもさらに耐酸化性を有する鋼種で、本実施例では
日本金属工業(株)製のNTK-309Bを用いている。18Cr-4Al
-Si,MnはSUH21相当のフェライト系ステンレス鋼で、ア
ルミニウムの含有量が多く耐酸化性に優れているとされ
ている。本実施例では日本金属工業(株)製のNTK-No.4L
を用いている。20Cr-20Ni-2Moは高温シーズヒーター用
のシーズ管として開発されたものであり、特に耐高温腐
食性に優れているとされている。本実施例では住友金属
工業(株)製のNAR-AH-1を用いている。またSUS444には18
Cr-2Mo(日本金属工業(株)製NTK U-2)を使用してい
る。
【0013】また、表1に前記代表的なステンレス鋼、
22Cr-2Mo・18Cr-2Mo・23Cr-15Ni-Si,Mn・20Cr-5Al-La,T
i・18Cr-4Al-Si,Mn・20Cr-20Ni-2Moについて耐食性試験
を行った結果を記載している。この耐食性試験は、食塩
水・酸・アルカリに対するものである。耐食塩水試験
は、シーズヒータに供試ステンレス鋼を巻き付けて、6
00℃に温度制御しながら、30分通電−60分停電の
サイクルを200回繰り返し、50回毎に1%の食塩水
に浸漬して、表面に発生する錆の状況から腐食の度合い
を判定している。また耐酸性水試験は、0.5%硫酸に
48時間浸漬した後、十分に水洗し、600℃で24時
間熱処理した後、表面に発生する錆の状況から腐食の度
合いを判定している。また耐アルカリ水試験は、0.5
%苛性ソーダに48時間浸漬した後、十分に水洗し、6
00℃で24時間熱処理した後、表面に発生する錆の状
況から腐食の度合いを判定している。
【0014】
【表1】
【0015】この結果、前記6種類の鋼材はメーカーの
出荷状態のままでは、食塩水・酸・アルカリ試験の全て
で、表面に錆または腐食が発生するものであり、耐食性
に課題を有していることを確認できるものである。
【0016】次に、これらのステンレス鋼の表面に酸化
皮膜を形成して、同様の耐食性試験を行った結果を表2
に示している。この場合、前記酸化皮膜は6種類の鋼材
を大気中で950℃で30分熱処理して形成したもので
ある。
【0017】
【表2】
【0018】この結果、アルカリ試験については、すべ
ての鋼材で錆の発生がほとんど見られず改良されている
が、食塩水と酸の試験ではすべて表面に錆または腐食が
発生しているものである。つまり、このような大気中で
の鋼材の熱処理では依然として耐食性に課題を有するも
のである。この原因を解明するために、表面の酸化物の
組成をX線マイクロアナライザーを使用して解析した。
この結果、表面にはFeとMoが偏析しており、Crが
存在していないことを確認した。
【0019】Cr系酸化物は高い化学的安定性を備えて
いることが知られているため、次にCr系酸化物を鋼材
の表面に形成する熱処理条件を検討した。つまり、熱処
理に使用する雰囲気ガスの組成と処理温度を変化させ
て、同様に表面の酸化物の組成をX線マイクロアナライ
ザーを使用して解析した。この結果、2種類の組成のガ
スが適していることを見い出した。1つは、不活性ガス
として、窒素が80〜88容積%、水素ガスが1〜5容
積%、一酸化炭素ガスが1〜5容積%、二酸化炭素ガス
が5〜15容積%、酸素ガスが0.05〜0.2容積
%、熱処理温度を1000℃〜1100℃とするもので
ある。また1つは、不活性ガスとして、窒素が41〜4
9容積%、水素ガスが14〜18容積%、一酸化炭素ガ
スが14〜18容積%、二酸化炭素ガスが17〜27容
積%、酸素ガスが0.50〜1.50容積%である混合
ガスを使用し、熱処理温度を1050℃〜1150℃と
するものである。こうして作製したサンプルについて同
様の耐食性試験を行った結果を表3に示している。
【0020】
【表3】
【0021】前記熱処理の結果、表3に示しているよう
に、22Cr-2Mo鋼と18Cr-2Mo鋼のフェライト系ステンレス
鋼については、食塩水と酸とアルカリ試験において表面
に錆および腐食が発生せず、格段に耐食性が向上してい
るものである。なお不活性ガスとしては例えば、同濃度
のアルゴンなどの希ガスを用いても同じ耐食性能が得ら
れるが、より安価な窒素ガスを使用しても十分な性能が
得られるものである。
【0022】次に前記雰囲気条件で、CrとMoの組成
を変えたものについて、前述した孔食試験を行った結果
を説明する。図3は、この孔食試験の結果を示してい
る。図3のaは、前述したSUS304・SUS316・22Cr-2Mo・
20Cr-5Al-La,Ti・23Cr-15Ni-Si,Mn・18Cr-4Al-Si・20Cr
-20Ni-2Mo・SUS444についての無処理品の特性を示して
いる。またbは、フェライト系ステンレスのCrとMo
の組成を変えたものを前記雰囲気条件で処理したものの
特性を示している。図3から分かるように、CrとMo
の重量含有率の合計が組成式(Cr+4Mo)におい
て、25重量%以上のフェライト系ステンレス鋼は、無
処理品に比べて孔食電位が格段に貴となっており、耐食
性が向上しているものである。
【0023】また、前記第1の処理条件、すなわち、雰
囲気ガスの組成が不活性ガスとして、窒素が80〜88
容積%、水素ガスが1〜5容積%、一酸化炭素ガスが1
〜5容積%、二酸化炭素ガスが5〜15容積%、酸素ガ
スが0.05〜0.2容積%であり、熱処理温度を10
00℃〜1100℃としたものについて、表面組成をX
線マイクロアナライザーで測定したところ、表面にはC
rと酸素が偏析していることが確かめられた。また断面
方向からCrと酸素の表面偏析層を走査電子顕微鏡を用
いて観察したところ、およそ3μmの膜厚を有している
ものである。また第2の処理条件、雰囲気ガスの組成
が、不活性ガスとして、窒素が41〜49容積%、水素
ガスが14〜18容積%、一酸化炭素ガスが14〜18
容積%、二酸化炭素ガスが17〜27容積%、酸素ガス
が0.50〜1.50容積%であり、熱処理温度を10
50℃〜1150℃としたものについても、同様な分析
結果を得ているものである。
【0024】この膜厚は、従来知られているものに比べ
て約100倍から1000倍となっているものである。
従来知られているものとして、例えば文献(G.Okamoto:
Proc.5th Int.Cong. on Metallic Corrosion,(1972),P
8)に引用されている値や、特開平7−233476号
(発明の名称 フェライト系ステンレス鋼の酸化不動態
皮膜の形成方法)がある。これらの文献では、形成され
る酸化不動態皮膜は数nmから数10nmとされてい
る。
【0025】以上のように本実施例によれば、不活性ガ
スと水素と一酸化炭素と二酸化炭素と酸素との混合ガス
雰囲気中で1000℃〜1200℃でフェライト系ステ
ンレス鋼を熱処理するようにして、最表面にクロム酸化
物を有する酸化不動態皮膜を形成するようにしているも
のである。
【0026】この方法が効果的な理由は、第1に雰囲気
中に水素ガス・一酸化炭素ガス・二酸化炭素ガスが適量
含有されていることである。すなわち、これらのガス
は、表面に鉄酸化物が形成されないような還元効果を有
しているが、クロム酸化物に対する還元作用は有してい
ないものである。第2に、水素ガス・一酸化炭素ガス・
二酸化炭素が存在し、かつ少量で適量の酸素ガスが含有
されていることである。このため、酸化反応と還元反応
とが適正に平衡して行われ、フェライト系ステンレス鋼
の表面に優先的なCr酸化物不動態皮膜が形成されるも
のである。また第3に、雰囲気ガスの組成条件と熱処理
温度とが適正に組み合わされていることである。つまり
第1の熱処理条件では、不活性ガスとして窒素を80〜
88容積%、水素ガスを1〜5容積%、一酸化炭素ガス
を1〜5容積%、二酸化炭素ガスを5〜15容積%およ
び酸素ガスを0.05〜0.2容積%の混合雰囲気ガスか
ら構成し、1000℃〜1100℃の温度で熱処理する
のに対して、第2の熱処理条件では、不活性ガスとして
窒素を41〜49容積%、水素ガスを14〜18容積
%、一酸化炭素ガスを14〜18容積%、二酸化炭素ガ
スを17〜27容積%および酸素ガスを0.50〜1.5
0容積%から構成し、1050℃〜1150℃の温度で
熱処理しているものである。この第2の熱処理条件で
は、不活性ガスの濃度は低くなるが、その分、鉄酸化物
の還元効果がある水素ガス・一酸化炭素ガス・二酸化炭
素ガスの濃度を高めているため、第1の熱処理条件に対
して多少酸素ガスの濃度を高め、やや高温側で熱処理を
行っているため、同様にCr酸化物不動態皮膜が形成さ
れると考えられる。
【0027】なお前記第1の熱処理は、ガス雰囲気を調
整した電気炉のバッチ処理でも、都市ガスを雰囲気ガス
原料とした発熱型雰囲気ガス発生装置(DX装置)でも
実現可能である。また前記第2の熱処理条件について
は、同じくガス雰囲気を調整した電気炉のバッチ処理で
も、LPGと空気とを雰囲気ガス原料とした吸熱型ガス
発生装置(RX装置)でも実現可能である。
【0028】
【発明の効果】請求項1に記載した発明は、脱脂洗浄
し、表面から水分を除去して、不活性ガスと水素と一酸
化炭素と二酸化炭素と酸素との混合ガス雰囲気中で1000
℃〜1200℃で熱処理して、最表面にクロム酸化物を有す
る酸化不動態皮膜を形成するフェライト系ステンレス鋼
への酸化不動態皮膜の形成方法として、耐食性を著しく
向上できるフェライト系ステンレス鋼を実現できるもの
である。
【0029】請求項2に記載した発明は、使用するフェ
ライト系ステンレス鋼を、CrとMoの含有量を組成式
(Cr+4Mo)で計算して25重量%以上とすること
によって、耐食性に優れたフェライト系ステンレス鋼を
実現できるものである。
【0030】請求項3に記載した発明は、不活性ガスと
して、窒素が80〜88容積%、水素ガスが1〜5容積
%、一酸化炭素ガスが1〜5容積%、二酸化炭素ガスが
5〜15容積%、酸素ガスが0.05〜0.2容積%で
ある混合ガスを使用し、熱処理温度を1000℃〜11
00℃として、Cr酸化物を優先的に表面に析出でき、
耐久性の高い酸化不動態皮膜を有するフェライト系ステ
ンレス鋼を実現できるものである。
【0031】請求項4に記載した発明は、不活性ガスと
して、窒素が41〜49容積%、水素ガスが14〜18
容積%、一酸化炭素ガスが14〜18容積%、二酸化炭
素ガスが17〜27容積%、酸素ガスが0.50〜1.
50容積%である混合ガスを使用し、熱処理温度を10
50℃〜1150℃として、Cr酸化物を優先的に表面
に析出でき、耐久性の高い酸化不動態皮膜を有するフェ
ライト系ステンレス鋼を実現できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例であるフェライト系ステンレス
鋼への酸化不動態皮膜の形成方法を説明するフローチャ
ート
【図2】同、フェライト系ステンレス鋼における、Cr
とMoの含有率と孔食電位との関係を示す特性図
【図3】同、酸化不動態皮膜を形成したフェライト系ス
テンレス鋼における、CrとMoの含有率と孔食電位と
の関係を示す特性図

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脱脂洗浄し、表面から水分を除去して、
    不活性ガスと水素と一酸化炭素と二酸化炭素と酸素との
    混合ガス雰囲気中で1000℃〜1200℃で熱処理し
    て、最表面にクロム酸化物を有する酸化不動態皮膜を形
    成するフェライト系ステンレス鋼への酸化不動態皮膜の
    形成方法。
  2. 【請求項2】 フェライト系ステンレス鋼は、CrとM
    oを、組成式(Cr+4Mo)において25重量%以上
    有している請求項1に記載したフェライト系ステンレス
    鋼への酸化不動態皮膜の形成方法。
  3. 【請求項3】 不活性ガスとして、窒素が80〜88容
    積%、水素ガスが1〜5容積%、一酸化炭素ガスが1〜
    5容積%、二酸化炭素ガスが5〜15容積%、酸素ガス
    が0.05〜0.2容積%である混合ガスを使用し、熱処理温
    度を1000℃〜1100℃とした請求項1または2に
    記載したフェライト系ステンレス鋼への酸化不動態皮膜
    の形成方法。
  4. 【請求項4】 不活性ガスとして、窒素が41〜49容
    積%、水素ガスが14〜18容積%、一酸化炭素ガスが
    14〜18容積%、二酸化炭素ガスが17〜27容積
    %、酸素ガスが0.50〜1.50容積%である混合ガスを使用
    し、熱処理温度を1050℃〜1150℃とした請求項
    1または2に記載したフェライト系ステンレス鋼への酸
    化不動態皮膜の形成方法。
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