JPH10237390A - スキーワックス - Google Patents

スキーワックス

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JPH10237390A
JPH10237390A JP10835597A JP10835597A JPH10237390A JP H10237390 A JPH10237390 A JP H10237390A JP 10835597 A JP10835597 A JP 10835597A JP 10835597 A JP10835597 A JP 10835597A JP H10237390 A JPH10237390 A JP H10237390A
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JP
Japan
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cyclopentadiene
petroleum resin
paraffin
wax
ski
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Pending
Application number
JP10835597A
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English (en)
Inventor
Yasuyuki Sakata
泰之 阪田
Takashi Mizoguchi
隆 溝口
Tsuyoshi Iwasaki
毅之 岩崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
COSMO SOGO KENKYUSHO KK
Cosmo Oil Co Ltd
Original Assignee
COSMO SOGO KENKYUSHO KK
Cosmo Oil Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by COSMO SOGO KENKYUSHO KK, Cosmo Oil Co Ltd filed Critical COSMO SOGO KENKYUSHO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた滑走性能及び耐久性を有し、かつ、種
々の滑走条件に対応可能なスキーワックスを提供する。 【解決手段】 (A)融点が50〜80℃のパラフィ
ン、及び(B)シクロペンタジエン類の重合物、あるい
はシクロペンタジエン類とα−オレフィン類及びモノビ
ニル芳香族炭化水素類のうちの1つもしくは2つ以上と
の共重合物、あるいはそれらの水素化物、あるいはそれ
らの混合物であるシクロペンタジエン系石油樹脂であっ
て、重量平均分子量/数平均分子量の値が1.05〜
3.0であるものを含有させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スキーワックスに
関する。さらに詳しくは、シクロペンタジエン系石油樹
脂を含有するもので、スキー板の滑走面に塗布すること
により優れた滑走性を長期に亘り実現し得るスキーワッ
クスに関する。
【0002】
【従来の技術】元来、スキーワックスは、スキー板の滑
走面に塗布することにより、滑走性を向上させるものと
して用いられている。例えば、スキーのアルペン競技な
どでは、滑走時間の短縮を極限まで追求するためのスキ
ーワックスの使用は必要不可欠のものであり、またその
選定に当っては細心の注意が払われる。一方、一般スキ
ーヤーにとっては、滑走性向上による快適性、技術向上
のためのスキーワックスが塗布され、そのスキーワック
スの形態も古くから見受けられるアイロンなどの熱源に
よりスキーワックスを溶融させてスキー滑走面に塗布延
伸させる固体状のものから、半固体状の生塗りタイプの
もの、さらには液体状、ペーパーシート状のものまで多
種多様であり、使用する側の要求に合わせ、作業性、塗
布性など簡便化されてきている。従来、固体状スキーワ
ックスとしては、主に脂肪族炭化水素類のパラフィンワ
ックスが用いられているが、このパラフィンワックスは
使用温度、雪質などの条件により使い分けが必要であ
り、競技などではスタート直前まで、その選定に注意を
払っている。このことから、種々の滑走条件(雪温・雪
質)に対応できるスキーワックスは欠かせないものにな
っている。また、パラフィンワックスは耐久性に乏し
く、使用条件によっては数百メートル程度滑走するだけ
で剥離し、失われる。
【0003】そこで、近年、パラフィンワックスに種々
の化合物を配合した、あるいはパラフィンに代わる化合
物によるスキーワックスの検討が行われており、特開平
1−294783号公報、特開平3−157494号公
報、あるいは特開平4−211621号公報などに種々
提案されている。しかしながら、これらはパラフィンワ
ックスの有する問題点を改善できても、スキーワックス
として必要とされる性能を十分に満足させるものではな
い。例えば特開平1−294783号公報では、パラフ
ィンにガリウム又は二硫化モリブデンを配合し、あるい
はこれにさらに周期律表の第II、III、IV族の金
属との合金を配合することにより、滑走性、耐久性、使
用条件などの改善を図っているが、反面配合した黒色の
無機化合物が衣服などに付着すると落ちないという問題
や、あるいは溶融塗布時、無機化合物の遊離が生じる問
題などの新たな実用上の問題が起きる。また、特開平3
−157494、特開平4−211621に提案されて
いる、パラフィンワックスにフッ素化合物を配合したも
のや、他には、パラフィンワックスに代わる化合物とし
て提案されているシリコン、フッ素系化合物を用いたス
キーワックスなどは極めて高価であり、経済性の面で不
利である。
【0004】本発明者らは、先に特開平8−20747
にて、パラフィンに特定のシクロペンタジエン系石油樹
脂を加え、耐久性を兼ね備えた固体状のスキーワックス
を提案している。しかし、種々の滑走条件(雪温・雪
質)に応じたワックスの処方設計がしにくいという欠点
があった。また、石油樹脂に由来するベトツキ感を解消
する要望もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明らは、上記従来
技術の状況に鑑みてなされたものであり、優れた滑走性
能及び耐久性を有し、かつ、種々の滑走条件に対応可能
なスキーワックスを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決し、種々の滑走条件に対応するスキーワックスを
開発するために鋭意検討を行った結果、特定のパラフィ
ンと分子量分布を制御した特定のシクロペンタジエン系
石油樹脂の組合せがその目的を満足し得ることを見い出
し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。す
なわち、本発明は、(A)融点が50〜80℃のパラフ
ィン、及び(B)シクロペンタジエン類の重合物、ある
いはシクロペンタジエン類とα−オレフィン類及びモノ
ビニル芳香族炭化水素類のうちの1つもしくは2つ以上
との共重合物、あるいはそれらの水素化物、あるいはそ
れらの混合物であるシクロペンタジエン系石油樹脂であ
って、重量平均分子量/数平均分子量の値が1.05〜
3.0であるものから成ることを特徴とするスキーワッ
クスを提供するものである。以下、本発明を詳細に説明
する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる(A)成分の
パラフィンは、融点が50〜80℃のものであり、好ま
しくは54〜80℃のものであり、特に好ましくは58
〜70℃のものである。この範囲よりも融点が低いとワ
ックスの耐久性が乏しくなるか、または、滑走性能が低
下し、本発明の効果が損なわれる。また、上記範囲より
も融点が高いと、滑走性能は良いが、ワックスのスキー
ソールへの塗布温度が高くなり、スキーソールを痛める
可能性がある。ここで言うパラフィンとは、直鎖、分岐
鎖あるいは環状の脂肪族炭化水素類の1種または2種以
上の混合物であり、好ましくは基本骨格がCn2n+2
一般式で表される鎖状の脂肪族炭化水素類の1種または
2種以上の混合物である。
【0008】本発明のスキーワックスに使用される
(B)成分のシクロペンタジエン系石油樹脂は、シクロ
ペンタジエン類の重合物、あるいはシクロペンタジエン
類とα−オレフィン類、モノビニル芳香族炭化水素類の
うちの1つもしくは2つ以上との共重合物、あるいはそ
れらの水素化物、あるいはそれらの混合物であり、か
つ、重量平均分子量/数平均分子量の値(Mw/Mn)
が、1.05〜3.0のものであり、好ましくは1.1
〜2.5、より好ましくは1.2〜2.0、特に好まし
くは1.2〜1.4である。Mw/Mnの値が上記範囲
より小さくなり1に近づくほど、滑走性能は良くなる
が、精密な分離工程が必要であるか、または製造困難に
なり、工業的には好ましくない。また、上記範囲より大
きいと、滑走性能が低下する。上記シクロペンタジエン
類には、純度の高いジシクロペンタジエンを分解蒸留し
て得たシクロペンタジエン留分を用いることが、分子量
分布を狭くする上では好ましい。その他に、シクロペン
タジエンの多量体、またはそれらのアルキル置換体、あ
るいはそれらの混合物、例えば、シクロペンタジエンの
2〜6量体、メチルシクロペンタジエンも用いることが
でき、重合後必要に応じて蒸留を行えば、上記分子量分
布を満足する石油樹脂を得ることができる。また、工業
的には、ナフサなどのスチームクラッキングにより得ら
れるシクロペンタジエン類を約50質量%以上含むシク
ロペンタジエン留分(CPD留分)を用いることができ
る。これらも重合後必要に応じて蒸留すればよい。ま
た、CPD留分中にはこれら脂環式ジエンと共重合可能
なオレフィン性単量体を含み得る。例えば、オレフィン
性単量体としてイソプレン、ピペリレンあるいはブタジ
エンなどの脂肪族ジオレフィンやシクロペンテンなどの
脂環式オレフィンなどが挙げられる。これらのオレフィ
ン類の濃度は低い方が好ましいが、シクロペンタジエン
類当たり約10質量%以下であれば許容される。
【0009】シクロペンタジエン類との重合原料である
α−オレフィン類としては、炭素数4〜14のα−オレ
フィン、特に炭素数4〜12のα−オレフィンが好まし
く、モノビニル芳香族炭化水素としては、スチレン、o
−ビニルトルエン、m−ビニルトルエン、p−ビニルト
ルエン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレンなど
が好ましく、その純度は高いほど、共重合物の分子量分
布は狭くなり、本発明の効果は高くなるが、重合性の二
重結合を持つ不純物の含有量が10質量%以内であれば
許容される。工業的にはナフサなどのスチームクラッキ
ングより得られるいわゆるC9留分を用いることが有利
である。なお、シクロペンタジエン類のモル数は、シク
ロペンタジエン類としてシクロペンタジエンなどの単量
体を用いる場合は1モルとして、二量体を用いる場合は
2モルとして、それぞれ計算される。
【0010】このシクロペンタジエン系石油樹脂は、シ
クロペンタジエン類を重合するか、又はシクロペンタジ
エン類とα−オレフィン類及びモノビニル芳香族炭化水
素類のうちの1つもしくは2以上を共重合することによ
り、あるいはそれらを水素化することにより得ることが
できる。シクロペンタジエン系石油樹脂を得る重合又は
共重合方法の一つとして、下記の方法が挙げられる。ま
ず、これらのシクロペンタジエン類、又はシクロペンタ
ジエン類とα−オレフィン類及びモノビニル芳香族炭化
水素類のうち1つもしくは2つ以上を溶媒の存在下若し
くは不存在下に、好ましくは窒素ガスなどの不活性ガス
雰囲気下で約160〜300℃、好ましくは約180〜
280℃の温度範囲で約0.1〜10時間、好ましくは
約0.5〜6時間原料系を液相に保持し得る圧力下で熱
重合若しくは熱共重合する。次いで、該重合液から常圧
下若しくは加圧下又は減圧下で原料中の不活性成分、未
反応原料さらに必要ならば溶媒を蒸留などの操作により
留去した後、必要に応じて引き続き第2段の重合を減圧
下約160〜280℃で、約0.5〜4時間行うことに
より所望のシクロペンタジエン系石油樹脂を得ることが
できる。その他、フリーデルクラフツ反応型触媒を用い
ても行える。
【0011】水素化処理は、通常の方法で行うことがで
きる。例えば、ニッケル、パラジウムあるいは白金など
の水素化触媒を用い、溶媒の存在下あるいは不存在下約
70〜300℃、好ましくは約100〜250℃の温度
範囲、水素圧約10〜200kg/cm2(G)、好ま
しくは約20〜120kg/cm2(G)の圧力下で約
0.5〜20時間、好ましくは約1〜10時間水素化処
理すればよい。水素化処理後、触媒さらに必要ならば溶
媒を除去し、目的とする水素化されたシクロペンタジエ
ン系石油樹脂が得られる。上記シクロペンタジエン系石
油樹脂は、軟化点が40℃以上、180℃以下であるこ
とが好ましく、さらに好ましくは50℃以上、150℃
以下である。シクロペンタジエン系石油樹脂の軟化点が
上記範囲にある場合、目的とするスキーワックスの調
製、あるいはスキー滑走面への塗布、延伸が極めて容易
となり、本発明のスキーワックスの実用上の性能をさら
に向上させることができる。また、共重合により製造し
た石油樹脂を、さらに減圧蒸留分離、晶析分離などを行
うことにより、分子量分布を小さくし、より高性能なも
のを得ることもできる。
【0012】また、上記シクロペンタジエン系石油樹脂
は、重量平均分子量が250〜2,000の範囲のもの
が好ましく、特に350〜1,500の範囲のものが上
記の軟化点と同様、調製性、塗布性などのハンドリング
の面から好ましい。なお、前記のシクロペンタジエン類
の重合物、あるいはシクロペンタジエン類とα−オレフ
ィン類及びモノビニル芳香族炭化水素類のうちの1つも
しくは2つ以上との共重合物、あるいはそれらの水素化
物、あるいはそれらの混合物と言う表現は、該重合物、
該重合水素化物、該共重合物、該共重合水素化物のいず
れか1種単独でもよいし、これらの2種以上の混合物で
もよいことを意味する。これらのシクロペンタジエン系
石油樹脂の中でも、水素化していないものは不飽和結合
が残っているために、長期間の放置などにより酸化、重
合が起こることが懸念される。これらの色、安定性など
への影響を考えると、水素化物を用いることが好まし
い。
【0013】本発明のスキーワックス中のパラフィンと
シクロペンタジエン系石油樹脂の配合割合は、パラフィ
ンとシクロペンタジエン系石油樹脂の合計質量に対し
て、パラフィンが好ましくは90〜99質量%であり、
特に好ましくは91〜98質量%であり、シクロペンタ
ジエン系石油樹脂が好ましくは1〜10質量%であり、
特に好ましくは2〜9質量%である。シクロペンタジエ
ン系石油樹脂が2質量%以上、4質量%未満の時は、雪
温が−5℃より低温で、雪質がアイスバーン、圧雪、新
雪に特に適しており、シクロペンタジエン系石油樹脂が
4質量%以上、9質量%以下の時は、雪温が−5℃より
高温で、雪質がべた雪、ざらめ雪に特に適している。こ
の範囲よりシクロペンタジエン系石油樹脂が少ないとス
キーワックスの性能が低下し、この範囲より多いと、性
能については、従来のワックスよりは優れるが、種々の
滑走条件に対する、細かな対応がしにくく、また、ワッ
クスにベトツキ感が出てくる。
【0014】本発明のスキーワックスは、上記のシクロ
ペンタジエン系石油樹脂を必須成分として含有するもの
であるが、必要に応じてさらに種々の公知の添加剤を加
えて調製することができる。この種の添加剤としては、
例えばシリコン、フッ素系化合物などの潤滑剤、カーボ
ンなどの静電気防止剤、ジチオリン酸亜鉛などの酸化防
止剤、顔料、染料などの着色剤などが挙げられる。本発
明のスキーワックスは、アルペン競技のみでなく、スノ
ーボード用、ジャンプ用あるいはクロスカントリー用な
ど、雪上での滑走性に関して本質的に同等である各種競
技用ワックスとして用いることができる。
【0015】
【作用】本発明のスキーワックスは、特定の融点を持つ
パラフィンと分子量分布の少ない石油樹脂を混合するこ
とにより、種々の滑走条件への適合を可能にする。ま
た、石油樹脂に由来するベトツキ感も改善することがで
きる。
【0016】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明する。なお、本発明は、これらの例によって何ら制
限されるものではない。本実施例にて用いたシクロペン
タジエン系石油樹脂の重量平均分子量および数平均分子
量の決定は、標準物質としてポリスチレンを用い、通常
のゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(GP
C)で行い、その結果をポリスチレン換算値で表示し
た。すなわち、本発明では、東ソー(株)製HLC−8
02型を用いて以下の分析条件で測定したものである。 展開溶媒:テトラヒドロフラン(THF) カラム恒温槽温度:40℃ 流速:1.2ml/min 試料濃度:0.005g/mlTHF 検出器:示差屈折計
【0017】(製造例) (1)シクロペンタジエン系石油樹脂B、C、Dの製造 ジシクロペンタジエン(東京化成製試薬、純度>95.
0%)を常圧蒸留装置に入れ、加熱を行い、ジシクロペ
ンタジエンの分解を行いながら、沸点が40〜42℃の
範囲になるように、蒸留を行う。このようにして得られ
たシクロペンタジエン留分450g、1−デセン(東京
化成製試薬、純度>99.5%)250g及びキシレン
750gを混合し、窒素ガス雰囲気下18kg/cm2
(G)、250℃で5時間熱重合させた。重合液からキ
シレン及び未反応原料を最初加圧下、引き続き1mmH
gの減圧下80℃で留去し、シクロペンタジエン系石油
樹脂を得た。次に、このシクロペンタジエン系石油樹脂
400gにニッケル系触媒を3質量%添加し、水素圧6
0kg/cm2(G)、反応温度220℃で5時間水素
化し、水素化シクロペンタジエン系石油樹脂を得た。こ
の水素化シクロペンタジエン系石油樹脂を1mmHgの
減圧下で蒸留を行い、80〜232℃留分(留分)、
232〜298℃(留分)、釜残(留分)の3留分
を得た。これらの留分を次の質量割合で混合し下記の石
油樹脂を得た。 石油樹脂B:留分/留分/留分=0/10/0 重量平均分子量550、軟化点65℃ GPCにて分析したところ、Mw/Mn=1.22であ
った。 石油樹脂C:留分/留分/留分=2/6/2 重量平均分子量560、軟化点58℃ GPCにて分析したところ、Mw/Mn=1.57であ
った。 石油樹脂D:留分/留分/留分=4/2/4 重量平均分子量570、軟化点58℃ GPCにて分析したところ、Mw/Mn=3.50であ
った。
【0018】(2)シクロペンタジエン系石油樹脂Aの
製造 石油樹脂B〜Dの製造で用いたシクロペンタジエン留分
450gを溶媒のキシレン600gに加え、窒素ガス雰
囲気下18kg/cm2(G)、260℃で2時間熱重
合した。重合液から原料中の不活性留分、未反応原料及
び溶媒を最初加圧下、引き続き減圧下において160℃
で留去した後、さらに50Torr.の減圧下で同温度
に1時間保持し、第2段の重合を行い、シクロペンタジ
エン系石油樹脂380gを得た。次いで、このシクロペ
ンタジエン系石油樹脂380gにニッケル系触媒を3質
量%添加し、水素圧60kg/cm2(G)、反応温度
220℃で5時間水素化し、目的とする水素化シクロペ
ンタジエン系石油樹脂を得た。さらに、1mmHgの減
圧蒸留にて、200℃〜300℃の留分の石油樹脂Aを
得た。石油樹脂Aの重量平均分子量は450、軟化点は
93℃であり、GPCにて分析したところ、Mw/Mn
=1.63であった。
【0019】(3)シクロペンタジエン系石油樹脂Eの
製造 石油樹脂B〜Dの製造で用いたシクロペンタジエン留分
375gとスチレンモノマー125gとキシレン100
0gとを窒素雰囲気下18kg/cm2(G)、260
℃で3時間反応させた。反応液から原料中の不活性留
分、未反応原料および溶剤を最初加圧下、引き続き減圧
下において252℃で留去した後、さらに50Tor
r.の減圧下で同温度で1時間保持し、シクロペンタジ
エン系縮合体を留去しながら、第2段の重合を行った。
釜残よりシクロペンタジエン−ビニル芳香族炭化水素熱
共重合物を401g得た。N−111(日揮化学
(株)、水素化触媒)3wt%を加え、水素圧60kg
/cm2(G)、反応温度220℃で6時間水素化し、
目的とする水素化シクロペンタジエン−ビニル芳香族炭
化水素熱共重合物401gを得た。さらに、1mmHg
の減圧蒸留にて、250℃までの留分を留去し、石油樹
脂Eを得た。石油樹脂Eの重量平均分子量は1350、
軟化点は175℃であり、GPCにて分析したところ、
Mw/Mn=2.25であった。
【0020】パラフィン mp=54〜56℃パラフィン、mp=56〜58℃パ
ラフィン、mp=60〜62℃パラフィン、mp=64
〜66℃パラフィン、mp=68〜70℃パラフィン
は、和光純薬製のものを用いた。mp=73〜80℃パ
ラフィンは、ALDRICH製のものを用いた。
【0021】(実施例1)融点が68〜70℃のパラフ
ィン97gと石油樹脂C3gからなるスキーワックス
を、下記に示す方法でワクシングし、各種条件で滑走試
験および耐久性試験を行った。
【0022】(実施例2)融点が68〜70℃のパラフ
ィン95gと石油樹脂C5gからなるスキーワックス
を、下記に示す方法でワクシングし、各種条件で滑走試
験および耐久性試験を行った。
【0023】(実施例3)融点が68〜70℃のパラフ
ィン91gと石油樹脂C9gからなるスキーワックス
を、下記に示す方法でワクシングし、各種条件で滑走試
験および耐久性試験を行った。
【0024】(実施例4)融点が68〜70℃のパラフ
ィン97gと石油樹脂B3gからなるスキーワックス
を、下記に示す方法でワクシングし、各種条件で滑走試
験および耐久性試験を行った。
【0025】(実施例5)融点が73〜80℃のパラフ
ィン93gと石油樹脂C7gからなるスキーワックス
を、下記に示す方法でワクシングし、各種条件で滑走試
験および耐久性試験を行った。
【0026】(実施例6)融点が64〜66℃のパラフ
ィン93gと石油樹脂C7gからなるスキーワックス
を、下記に示す方法でワクシングし、各種条件で滑走試
験および耐久性試験を行った。
【0027】(実施例7)融点が68〜70℃のパラフ
ィン97gと石油樹脂A3gからなるスキーワックス
を、下記に示す方法でワクシングし、各種条件で滑走試
験および耐久性試験を行った。
【0028】(実施例8)融点が68〜70℃のパラフ
ィン97gと石油樹脂E3gからなるスキーワックス
を、下記に示す方法でワクシングし、各種条件で滑走試
験および耐久性試験を行った。
【0029】(実施例9)融点が60〜62℃のパラフ
ィン97gと石油樹脂C3gからなるスキーワックス
を、下記に示す方法でワクシングし、各種条件で滑走試
験および耐久性試験を行った。
【0030】(実施例10)融点が54〜56℃のパラ
フィン97gと石油樹脂C3gからなるスキーワックス
を、下記に示す方法でワクシングし、各種条件で滑走試
験および耐久性試験を行った。
【0031】(比較例1)融点が68〜70℃のパラフ
ィン97gと石油樹脂D3gからなるスキーワックス
を、下記に示す方法でワクシングし、各種条件で滑走試
験および耐久性試験を行った。
【0032】(比較例2)融点が56〜58℃のパラフ
ィン50gと石油樹脂D50gからなるスキーワックス
を、下記に示す方法でワクシングし、各種条件で滑走試
験および耐久性試験を行った。
【0033】(比較例3)市販のコンケストスキーワッ
クス、ピンクコレクション(総販売元:ケイアンドケイ
工業株式会社)を、下記に示す方法でワクシングし、各
種条件で滑走試験および耐久性試験を行った。
【0034】
【表1】
【0035】(1)ワクシング 仕上げ済のスキー滑走面に加熱溶解させた実施例及び比
較例のスキーワックスを塗布し、アイロンにより均一に
延ばした。スキーを室温にて12時間放置後、プラスチ
ックスクレパーにて塗装面が平滑になるよう、余分のス
キーワックスを削り落とし、さらにナイロンブラシにて
塗布面を仕上げた。
【0036】(2)評価方法 滑走試験:上記のようにワクシングされたスキーを用
い、3名の滑走者が実際に以下に示す条件のテストコー
スを200m、3回滑走し、その平均タイムにて滑走性
能の評価を行った。 条件1:雪質 湿り雪、 雪温 0℃、 平均斜
度 15度 条件2:雪質 ざらめ雪、 雪温 −3℃、 平均斜
度 15度 条件3:雪質 圧雪、 雪温 −8℃、 平均斜
度 15度 条件4:雪質 アイスバーン、雪温 −10℃、平均斜
度 15度 条件5:雪質 新雪、 雪温 −10℃、平均斜
度 20度
【0037】耐久試験:上記のようにワクシングされた
スキーを用い、3名の滑走者が実際に平均斜度20度、
圧雪、雪温−5℃、滑走距離1.0kmのテストコース
を5回繰り返し滑走を行う。試験後、3名の滑走者のス
キー滑走面に残ったスキーワックスの残存割合(スキー
滑走面中のスキーワックスの残存部面積/スキー滑走面
全面積×100%)の平均値を求め、耐久性能を評価し
た。なお、本耐久試験においては、残存スキーワックス
の視認性向上のため、各スキーワックスに赤色着色剤と
してアゾキシレン−4−アゾ−2−ナフトールを0.0
1質量%添加した。
【0038】
【表2】
【0039】実施例1〜10と比較例1〜3のタイムを
もとに滑走性能を比較すると、すべての条件において実
施例1〜10のほうが優れている。実施例1、実施例4
および比較例1のタイムをもとに滑走性能を比較する
と、ほとんどの条件において、Mw/Mnの値が小さい
実施例4が最も優れており、次に実施例1が優れてお
り、Mw/Mnの値が最も大きい比較例1が最も悪かっ
た。実施例1、実施例2および実施例3のタイムをもと
に滑走性能を比較すると、0〜−3℃の雪温領域、湿り
雪またはざらめ雪の雪質においては、石油樹脂の配合量
が多いほうが優れており、反対に−5℃以下の雪温領
域、圧雪またはアイスバーンまたは新雪の雪質において
は、石油樹脂の配合量が少ないほうが優れている。耐久
性能は、石油樹脂を配合したものが、石油樹脂を配合し
ていない比較例3に比べ、優れている。実施例1〜10
のスキーワックスのベトツキ感はほとんどなかった。
【0040】
【発明の効果】本発明のスキーワックスは、優れた滑走
性能及び耐久性を有し、かつ、種々の滑走条件に対応可
能であり、ベトツキ感も少ない。従って、種々の滑走条
件(雪温・雪質)に応じたワックスの処方設計が可能で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩崎 毅之 埼玉県幸手市権現堂1134−2 株式会社コ スモ総合研究所研究開発センター内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)融点が50〜80℃のパラフィン、
    及び(B)シクロペンタジエン類の重合物、あるいはシ
    クロペンタジエン類とα−オレフィン類及びモノビニル
    芳香族炭化水素類のうちの1つもしくは2つ以上との共
    重合物、あるいはそれらの水素化物、あるいはそれらの
    混合物であるシクロペンタジエン系石油樹脂であって、
    重量平均分子量/数平均分子量の値が1.05〜3.0
    であるものから成ることを特徴とするスキーワックス。
JP10835597A 1996-12-25 1997-04-11 スキーワックス Pending JPH10237390A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114672253A (zh) * 2022-03-28 2022-06-28 广州德馨新材料科技有限公司 石蜡复合材料及其制备方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114672253A (zh) * 2022-03-28 2022-06-28 广州德馨新材料科技有限公司 石蜡复合材料及其制备方法

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