JPH10237382A - 低汚染表面処理方法 - Google Patents

低汚染表面処理方法

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Publication number
JPH10237382A
JPH10237382A JP4546597A JP4546597A JPH10237382A JP H10237382 A JPH10237382 A JP H10237382A JP 4546597 A JP4546597 A JP 4546597A JP 4546597 A JP4546597 A JP 4546597A JP H10237382 A JPH10237382 A JP H10237382A
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JP
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water
weight
hexadecane
layer
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JP4546597A
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English (en)
Inventor
Kenji Otsuka
健二 大塚
Toshiharu Otsuka
敏治 大塚
Yuji Eguchi
勇司 江口
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面に付着した汚れ物質も水洗等により容易
に除去可能な、耐汚染性を付与するための低汚染表面処
理方法を提供する。 【解決手段】 上からヘキサデカン層、水層を有し、ヘ
キサデカン−水界面を形成する測定系の該ヘキサデカン
−水界面に対して、測定面が垂直となるようにヘキサデ
カン層の上から測定サンプルを水層に向けて侵入させた
際に、前記測定面とヘキサデカン−水界面とがなす角度
(θH/W ) を測定する試験において、前記θH/W が鈍角
を示す物品表面を、θH/W が鋭角となるように親水化処
理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面に付着した汚
れが降雨等によって洗浄されるように処理するための低
汚染表面処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、塗料の分野では、屋外で使用する
塗膜に汚染防止性を付与するために、塗膜表面を親水化
する試みがなされている。例えば、特開平4−3701
6号公報には親水性セグメントと疎水性セグメントを有
するセグメント化ポリマーと塗料用樹脂とからなる組成
物が開示されている。しかしながら、上記組成物の親水
性は、対水接触角で40〜60度であり、汚染防止性が
不充分であった。
【0003】従来、表面に親水性皮膜を形成して親水化
することにより、汚染防止性を付与するという試みがな
される場合、その親水性は対水接触角で評価されてき
た。これら親水性皮膜を有する汚染防止材料は、水と接
触すると、その水滴が親水性被膜全面に広がって表面を
覆い、付着した汚れと親水性被膜との間に水が割り込ん
で汚れを除去するため、優れた汚染防止性を発揮するも
のと理解されていた。しかしながら、親水性表面の対水
接触角に関する明確な定義付けがないうえに、耐水接触
角は表面の材質以外に、その表面の持つ凹凸等の汚染防
止性に殆ど効果のない情報も含む値として測定されるた
め、実際には汚染防止性が劣るものも親水性材料として
取り扱われ、さらに汚染防止材料として取り扱われてき
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、表面
に付着した汚れ物質も水洗等により容易に除去可能な、
汚染防止性を付与するための低汚染表面処理方法を提供
することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の低汚染表面処理
方法は、上からヘキサデカン層、水層を有し、ヘキサデ
カン−水界面を形成する測定系の、該ヘキサデカン−水
界面に対して、測定面が垂直となるようにヘキサデカン
層の上から測定サンプルを水層に向けて侵入させた際
に、前記測定面とヘキサデカン−水界面とがなす角度
(θH/W ) を測定する試験において、前記θH/W が鈍角
を示す物品表面を、θH/W が鋭角となるように親水化処
理することを特徴とする。
【0006】材料の汚染防止性を支配しているのは、単
なる対水接触角だけでなく、油汚れが付着した際にその
油が水によって除去できるか否かが重要なポイントとな
る。そこで、本発明者らは油が水によって除去できると
いう現象を検討し、油と水とでつくる界面に着目した。
即ち、油状物質としてヘキサデカンを用い、ヘキサデカ
ン相と水相との界面において、表面処理された基材が該
界面に対して垂直に侵入する際に、(基材の)被処理表
面と該界面とが水層側になす角度を測定し、この角度が
90度未満である場合は、水によって油を除去できると
いうことを明らかとし、このような被処理表面が汚染防
止性に優れるということを明らかとした。
【0007】なお、本発明で処理される物品は、特に限
定されないが、通常プラスチックと呼ばれる材質は、上
記動的接触角が鈍角を示し、汚染され易いものである。
【0008】上記θH/W が鈍角を示す物品を、θH/W
鋭角を示すように親水化処理する方法は、特に限定され
ないが、例えば、物品表面に下記の塗料用組成物を塗装
し熱硬化させることによって行うことができる。
【0009】上記塗料用組成物としては、親水性エポキ
シ化合物(a)100重量部、シリカ微粒子(b)40
〜250重量部、ならびに、分子内に、カルボキシル
基、フェノール性水酸基及びエポキシ基から選ばれる官
能基を2個以上有する化合物(c)1〜50重量部から
なるものが好ましい。
【0010】上記親水性エポキシ化合物(a)として
は、親水性及び硬化性の面から、1分子中に2個以上の
エポキシ基を有するものが好ましく、例えば、エチレン
グリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコ
ールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグ
リシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシ
ジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、ポリ
グリセリンポリグリシジルエーテル、及び、ソルビトー
ルポリグリシジルエーテルから選ばれる少なくとも1種
を含有するものが挙げられる。
【0011】尚、上記親水性エポキシ化合物(a)の市
販品は、通常、対応するアルコールとエピクロルヒドリ
ンとの反応により合成されるため、若干の変性体を含む
混合物となっているが、本発明では、このような若干の
変性体を含む混合物も使用可能である。
【0012】上記エチレングリコールジグリシジルエー
テル又はポリエチレングリコールジグリシジルエーテル
を含有する親水性エポキシ化合物(a)としては、例え
ば、ナガセ化成社製エポキシ化合物:商品名「デナコー
ル」シリーズのEX−810,EX−811,EX−8
51,EX−821,EX−830,EX−832,E
X−841,EX−861;共栄社化学社製エポキシ化
合物:商品名「エポライト」シリーズの40E,100
E,200E,400E;ダイセル化学社製エポキシ化
合物:商品名「エポリードNT」シリーズの212,2
14等が挙げられる。
【0013】上記プロピレングリコールジグリシジルエ
ーテル又はポリプロピレングリコールジグリシジルエー
テルを含む親水性エポキシ化合物(a)としては、例え
ば、ナガセ化成社製エポキシ化合物:商品名「デナコー
ル」シリーズのEX−911,EX−941,EX−9
20,EX−921,EX−931;共栄社化学社製エ
ポキシ化合物:商品名「エポライト」シリーズの70
P,200P,400P;ダイセル化学社製エポキシ化
合物:商品名「エポリードNT」シリーズの228等が
挙げられる。
【0014】上記グリセリンジグリシジルエーテルを含
む親水性エポキシ化合物(a)としては、ナガセ化成社
製エポキシ化合物:商品名「デナコール」シリーズのE
X−313,EX−314;共栄社化学社製エポキシ化
合物:商品名「エポライト」シリーズの80MF等が挙
げられる。
【0015】上記ポリグリセリンポリグリシジルエーテ
ルを含む親水性エポキシ化合物(a)としては、ナガセ
化成社製エポキシ化合物:商品名「デナコール」シリー
ズのEX−512,EX−521等が挙げられる。又、
上記ソルビトールポリグリシジルエーテルを含む親水性
エポキシ化合物(a)としては、ナガセ化成社製エポキ
シ化合物:商品名「デナコール」シリーズのEX−61
1,EX−612,EX−614等が挙げられる。
【0016】上記シリカ微粒子(b)としては、平均粒
径5〜200nmであって、水又は有機溶媒に分散され
たコロイド状シリカが好ましい。コロイド状シリカは、
pH8〜11程度の塩基性領域で安定化されたものと、
pH2〜4程度の酸性領域で安定化されたものとが市販
されているが、一般的に塩基性領域で安定化させたもの
は有機溶媒あるいは樹脂との混和性が悪く、混合すると
すぐにゲル化する場合が多い。
【0017】従って、本発明で用いられるシリカ微粒子
(b)としては、酸性領域で水及び/又は有機溶媒に分
散安定化されたコロイド状シリカを用いることが好まし
い。このようなコロイド状シリカの好ましい市販品とし
ては、例えば、触媒化成社製、商品名「Cataloi
d」シリーズのSN(水分散)、商品名「OSCAL」
シリーズの1132(メタノール分散)、1232(エ
タノール分散),1332(n−プロパノール分散)、
1432(i−プロパノール分散)、1532(n−ブ
タノール分散);日産化学工業社製、商品名「スノーテ
ックス」シリーズのO、OL(いずれも水分散)、商品
名「オルガノシリカゾル」シリーズのMA−ST−M
(メタノール分散)、IPA−ST(i−プロパノール
分散)等が挙げられる。
【0018】上記塗料用組成物において、シリカ微粒子
(b)の使用量は、親水性エポキシ化合物(a)100
重量部に対して、シリカ分で20〜250重量部が好ま
しい。シリカ微粒子の使用量が、20重量部よりも少な
くなると、塗料用組成物の硬化性及び耐水性が低下し、
250重量部よりも多くなると密着性が低下して、均一
な成膜ができなくなる。
【0019】上記塗料用組成物は、粘度を調節するため
に水もしくは極性有機溶媒で希釈される。極性有機溶媒
としては、特に限定されるものではないが、例えば、メ
タノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパ
ノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブ
タノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセロ
ソルブ、エチルセロソルブ、テトラヒドロフラン等が好
適に使用される。
【0020】上記シリカ微粒子(b)が水に分散された
コロイド状シリカの場合には、希釈剤として極性有機溶
媒を用いることが塗工性を良好にするために好ましく、
その添加量は、好ましくは用いられる塗料用組成物に対
して10重量%以上である。
【0021】上記化合物(c)は、分子内にカルボキシ
ル基、フェノール性水酸基及びエポキシ基から選ばれる
官能基を2個以上有する化合物であって、塗膜の膜質改
良成分として、基材密着性、耐擦傷性などの膜質を向上
させる効果を有する。
【0022】上記分子内にカルボキシル基を2個以上有
する化合物のカルボキシル基は、2個のカルボキシル基
から脱水した酸無水物であってもよく、重合体を合成し
た後加水分解等によって分子中にカルボキシル基を生成
させたものであってもよい。
【0023】上記化合物(c)は、低分子量の化合物で
あっても、高分子量の化合物であってもよく、分子量は
特に限定されるものではないが、低分子量の化合物の場
合は、その分子量は72〜1000程度が好ましく、高
分子量の化合物が重合体である場合、その繰り返し単位
の分子量は72〜1000程度が好ましい。また、上記
高分子量の化合物を用いる場合、重量平均分子量が5百
万を超える化合物を用いると、塗料用組成物の粘度が高
くなり過ぎて取扱いが困難になるため好ましくない。
【0024】上記低分子量の化合物の具体例としては、
以下の化合物が挙げられる。 フェノール性水酸基を2
個以上有するものとして、例えば、2,2’−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパン〔ビスフェノール
A〕、4,4’−メチレンビスフェノール〔ビスフェノ
ールF〕等が挙げられる。また、エポキシ基を2個以上
有するものとしては、例えば、ビスフェノールAジグリ
シジルエーテルあるいはそのエチレンオキシド、プロピ
レンオキシド数モル付加物等が挙げられる。また、カル
ボキシル基を2個以上有するものとしては、例えば、コ
ハク酸あるいはその無水物、グルタル酸あるいはその無
水物等が挙げられる。
【0025】上記高分子量の化合物の具体例としては、
例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸
あるいはその無水物、マレイン酸あるいはその無水物、
シトラコン酸あるいはその無水物等のカルボキシル基を
有するビニル系モノマーの単独あるいは共重合体又は他
のビニル系モノマーとの共重合体;p−ビニルフェノー
ル等のフェノール性水酸基を有するビニル系モノマーの
単独あるいは共重合体、又は、他のビニル系モノマーと
の共重合体、メタクリル酸グリシジル、(メタ)アクリ
ル酸3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、メタクリ
ル酸メチルグリシジル等のエポキシ基含有ビニル系モノ
マーの単独あるいは共重合体、又は、他のビニル系モノ
マーとの共重合体等が挙げられる。
【0026】又、上記ビニル系モノマーの共重合として
は、特に限定されるものではないが、例えば、メチルメ
タクリレート、スチレン等の疎水性モノマーであっても
よく、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2
−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の親水性
モノマーであってもよい。
【0027】上記高分子量の化合物の内、ポリ(p−ビ
ニルフェノール)又はp−ビニルフェノールと他のビニ
ル系モノマーとの共重合体の市販品としては、例えば、
丸善石油化学社製の商品名「マルカリンカー」シリーズ
等が挙げられる。
【0028】上記化合物(c)の配合量は、親水性エポ
キシ化合物(a)100重量部に対して1〜50重量部
が好ましい。化合物(c)の配合量が、1重量部未満で
は、密着性向上の効果が認めらず、50重量部を超える
と、得られる塗料用組成物の親水性が低下するため、耐
汚染性が低下する。
【0029】上記塗料用組成物には、その性能を損なわ
ない範囲であれば、種々の添加剤、例えば、エポキシ樹
脂用硬化剤及び硬化触媒、紫外線吸収剤、酸化防止剤、
レベリング剤、増粘剤、界面活性剤、抗菌・防かび剤等
が添加されてもよい。
【0030】本発明の低汚染表面処理方法では、処理す
べき物品の表面に塗料組成物からなる被膜を形成するこ
とによって表面処理を施すことができる。上記被膜は、
上記塗料用組成物を塗装後、室温から200℃程度の温
度で、数分から数時間硬化させることにより形成され
る。この硬化条件については、塗装される基材の耐熱性
を考慮して適宜決定すればよいが、例えば、アクリル系
樹脂製の基材に塗装する場合には、室温から80℃程度
の温度で硬化させることができる。被膜厚としては、
0.5〜100μm程度が好ましい。
【0031】上記のようにして形成された被膜には、シ
リカ微粒子(b)が30〜80重量%含有されているこ
とが好ましい。シリカ微粒子(b)の含有量が、30重
量%未満では、被処理表面における親水性の付与が十分
でなく、80重量%を超えると被膜が脆くなる。
【0032】また、上記被膜には、親水性エポキシ化合
物(a)が20〜70重量%含有されていることが好ま
しい。親水性エポキシ化合物(a)の含有量が、20重
量%未満では、被処理表面における親水性の付与が十分
でなく、70重量%を超えると被膜の耐水性が低下す
る。
【0033】上記で形成された被膜の油除去性は、以下
の方法によって、油と水との界面の動的接触角を測定す
ることにより評価することができる。まず、図1(イ)
に示すように、上層にヘキサデカン(油の代替品)層
C、下層に水層Bを有するビーカーEの上方に、基材A
及びその質量を計測するための支持体Dを配置する。次
いで、図1(ロ)に示すように、ビーカーEを上方に移
動させる。ビーカーEが上方へ移動するに伴って、基材
Aの下部がヘキサデカン層C中に侵入する。この際、ヘ
キサデカン層C中では基材Aに対して、図2に示すよう
に、γH (ヘキサデカンの表面張力)×L(処理基材の
全周)の力が作用する。この力は、基材Aを垂直下方に
引張る力FH と等しくなるので、式(1)が成立する。
【0034】 FH =γH ×L×cosθH ・・・・(1) ここで、FH : ヘキサデカンの張力 γH : ヘキサデカンの表面張力(29.2mN/m) θH : 基材Aとヘキサデカンとの動的接触角 をそれぞれ示す。
【0035】さらに、ビーカーDが上方に移動するに従
って、図1(ハ)に示すように、基材Aの下部が水相B
に侵入すると、ヘキサデカンと水との界面において働く
力は、図2に示すように、γH/W (ヘキサデカンと水と
の界面張力)×Lとなる。このとき、支持体Dにかかる
力FT (全張力)は式(2)で与えられる。 FT =FH +FH/W ・・・・・(2) ここで、FH/W はヘキサデカンと水との界面の張力を示
す。
【0036】また、式(1)と同様にして、ヘキサデカ
ンと水との界面において、基材Aを垂直に下方に引っ張
る力FH/W は、式(3)から求められる。 FH/W =γH/W ×L×cosθH/W ・・・・・・(3) 従って、cosθH/W =FH/W /(γH/W ×L) ・・・・・・(4) 式(4)に式(2)を代入すると、 cosθH/W =(FT −FH )/(γH/W ×L)・・・(5) ここで、FH/W :ヘキサデカンと水との界面張力(5
7.3mN/m) θH/W :基材Aと(ヘキサデカンと水との)界面との動
的接触角 を示す。
【0037】上記FT 及びFH の値は測定によって得ら
れるので、この値を式(5)に代入することにより、θ
H/W を求めることができる。
【0038】上記動的接触角は、例えば、株式会社レス
カ社製「動的濡れ性試験器」(商品名:WET−600
0)を用いて測定することができる。
【0039】
【作用】本発明の低汚染表面処理方法により形成された
被膜は、水と汚れ物質である油の両方が混在している環
境下において、自発的に油を押しのけ水に対する面積を
大きくする性質を有する。従って、油性の液状もしくは
固体状の汚れ物質に曝される屋外に建設された施設、構
築物等に適用された場合、表面に付着した汚染物質を水
洗等により容易に洗浄できるので、汚染防止性を著しく
向上させることができる。また、上記性質を有する表面
は、親水性エポキシ化合物(a)とシリカ状微粒子
(b)とから構成される被膜により簡便に実現され、前
記親水性エポキシ化合物(a)とシリカ状微粒子(b)
とが相乗的に作用することにより、優れた汚染防止性を
発揮する。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例について説
明する。 (実施例1)エチレングリコールジグリシジルエーテル
(ナガセ化成社製、商品名:デナコールEX810)1
00重量部、イオン交換水50重量部、コロイド状シリ
カ(触媒化成社製、商品名「OSCAL1432」、シ
リカ分30重量%、i−プロパノール分散物)500重
量部(不揮発成分150重量部)、及び、ポリアクリル
酸(Aldrich社製、重量平均分子量:24万、濃
度:25重量%)60重量部をイオン交換水90重量部
で希釈したもの(ポリアクリル酸濃度:10重量%)を
均一に混合して塗料用組成物を作製した。
【0041】(実施例2)エチレングリコールジグリシ
ジルエーテルに代えて、ポリエチレングリコールジグリ
シジルエーテル(共栄社化学社製、商品名:エポライト
200E)100重量部を用いたこと以外は、実施例1
と同様にして塗料用組成物を作製した。
【0042】(実施例3)エチレングリコールジグリシ
ジルエーテルに代えて、ポリグリセリンポリグリシジル
エーテル(ナガセ化成社製、商品名:デナコールEX5
21)100重量部を用いたこと以外は、実施例1と同
様にして塗料用組成物を作製した。
【0043】(実施例4)エチレングリコールジグリシ
ジルエーテルに代えて、ソルビトールポリグリシジルエ
ーテル(ナガセ化成社製、商品名:デナコールEX61
4)100重量部を用いたこと以外は、実施例1と同様
にして塗料用組成物を作製した。
【0044】(実施例5)コロイド状シリカの配合量を
500重量部から250重量部(不揮発成分75重量
部)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして塗料
用組成物を作製した。
【0045】(実施例6)コロイド状シリカの配合量を
500重量部から150重量部(不揮発成分50重量
部)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして塗料
用組成物を作製した。
【0046】(実施例7)コロイド状シリカの配合量を
500重量部から800重量部(不揮発成分240重量
部)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして塗料
用組成物を作製した。
【0047】(実施例8)ポリアクリル酸の配合量を固
形分で15重量部から40重量部(溶液で160重量
部)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして塗料
用組成物を作製した。
【0048】(実施例9)ポリアクリル酸に代えて、p
−ビニルフェノールとメタクリル酸メチルの共重合体
(丸善石油化学社製、商品名:マルカリンカーCMM、
重量平均分子量:8000)の10重量%イソプロパノ
ール溶液200重量部(固形分20重量部)を用いたこ
と以外は、実施例1と同様にして塗料用組成物を作製し
た。
【0049】(実施例10)エチレングリコールジグリ
シジルエーテルに代えて、実施例2で用いたポリエチレ
ングリコールジグリシジルエーテル100重量部を使用
したこと以外は、実施例9と同様にして塗料用組成物を
作製した。
【0050】(比較例1)コロイド状シリカの配合量を
500重量部から50重量部(不揮発成分15重量部)
に変更したこと以外は、実施例1と同様にして塗料用組
成物を作製した。
【0051】(比較例2)コロイド状シリカの配合量を
500重量部から105重量部(不揮発成分35重量
部)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして塗料
用組成物を作製した。
【0052】(比較例3)ポリアクリル酸の10重量%
水溶液の配合量200重量部を700重量部(固形分7
0重量部)に変更したこと以外は、実施例1と同様にし
て塗料用組成物を作製した。
【0053】(比較例4)p−ビニルフェノールとメタ
クリル酸メチルとの共重合体のイソプロパノール10重
量%溶液の配合量を200重量部から700重量部(固
形分70重量部)に変更したこと以外は、実施例7と同
様にして塗料用組成物を作製した。
【0054】(試験片の調製)上記実施例1〜7及び比
較例1〜4で得られた塗料用組成物の性能を評価するた
め、表面処理を施していないアクリル樹脂板(三菱レイ
ヨン社製、商品名:アクリライトEX、50mm×70
mm×厚さ3mm、無色透明)上に、硬化後の被膜の厚
さが5μmとなるように塗工し、80℃で1時間硬化さ
せて試験片を調製した。この試験片を使用して、以下の
性能評価試験を行い、その結果を表1に示した。
【0055】(試験項目及び試験方法) 1.親水性:被膜の初期性能の一つである親水性につい
て、協和界面科学社製、接触角計(商品名:CA−X1
50型)を用いて、常温における対水接触角を液滴法で
測定した。測定値は、測定点数3の平均値で示した。
【0056】2.ヘキサデカンと水と界面における動的
接触角:被膜の油除去性について、株式会社レスカ社
製、動的濡れ性試験器(商品名:WET−6000)を
用いて、前述の方法に従って、常温においてヘキサデカ
ンと水との界面における動的接触角(θH/W ) を測定し
た。
【0057】3.耐汚染性:関東ローム、カーボンブラ
ック、ディーゼルオイル、イオン交換水を50:10:
10:200の重量比率で混合した分散液を疑似汚染物
質として用い、試験片の被膜表面に1g塗布し70℃で
5分間乾燥した後、流水で洗浄し汚れの除去程度を目視
観察により、◎:汚れが全くない ○:汚れがほとんど
無い △:少し汚れている ×:汚れが目立つ、の4段
階で評価した。
【0058】又、被塗装面であるアクリル樹脂自体の上
記試験に対応する性能を、参考例Aとして表記した。ま
た、ポリカーボネート板の上記試験に対応する性能を、
参考例Bとして表記した。
【0059】実施例1〜8の被膜は、いずれも耐水接触
角が低く、動的接触角が90度以下で耐汚染性に優れた
性能を示したが、比較例1〜4の被膜、アクリル樹脂及
びポリカーボネート樹脂は、動的接触角が90度より大
きく、更に汚染され易いものであった。
【0060】
【表1】
【0061】
【発明の効果】本発明の低汚染処理方法は、上述のよう
に構成されているので、得られる処理表面は、水と油の
混在した環境下において自発的に油を押しのけ、水に接
する面積を大きくする性質を有するので、表面に付着し
た汚れ物質を水洗等により容易に洗浄することができ、
汚染防止性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(イ)は動的接触角を測定する方法を示す
模式図、図1(ロ)は、動的接触角を測定する方法にお
いて、基材がヘキサデカン層に侵入した状態を示す模式
図、図1(ハ)は、動的接触角を測定する方法におい
て、基材がヘキサデカン層と水層との界面に侵入した状
態を示す模式図である。
【図2】動的接触角の測定原理を示す模式図である。
【符号の説明】
A 基材 B 水層 C ヘキサデカン層 D 支持体 E ビーカー

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上からヘキサデカン層、水層を有し、ヘ
    キサデカン−水界面を形成する測定系の該ヘキサデカン
    −水界面に対して、測定面が垂直となるようにヘキサデ
    カン層の上から測定サンプルを水層に向けて侵入させた
    際に、前記測定面とヘキサデカン−水界面とがなす角度
    (θH/W ) を測定する試験において、前記θH/W が鈍角
    を示す物品表面を、θH/W が鋭角となるように親水化処
    理することを特徴とする低汚染表面処理方法。
  2. 【請求項2】 シリカ微粒子を30〜80重量%含有す
    る皮膜を形成することにより親水化処理することを特徴
    とする請求項1記載の低汚染表面処理方法。
  3. 【請求項3】 親水性エポキシ化合物を20〜70重量
    %含有する皮膜を形成することにより親水化処理するこ
    とを特徴とする請求項1又は請求項2記載の低汚染表面
    処理方法。
JP4546597A 1997-02-28 1997-02-28 低汚染表面処理方法 Withdrawn JPH10237382A (ja)

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