JPH10237307A - シリカ薄膜形成用組成物およびシリカ薄膜の形成方法 - Google Patents

シリカ薄膜形成用組成物およびシリカ薄膜の形成方法

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JPH10237307A
JPH10237307A JP5688297A JP5688297A JPH10237307A JP H10237307 A JPH10237307 A JP H10237307A JP 5688297 A JP5688297 A JP 5688297A JP 5688297 A JP5688297 A JP 5688297A JP H10237307 A JPH10237307 A JP H10237307A
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hydrogen silsesquioxane
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清隆 澤
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勝利 峰
Takashi Nakamura
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基材に塗布した時、基材に対する被覆平坦化
性に優れ、高エネルギー線照射後は電気絶縁性に優れた
シリカ薄膜となり得るシリカ薄膜形成用組成物およびそ
の形成方法を提供する。 【解決手段】 (A)分子量が1,500以下の水素シ
ルセスキオキサン樹脂を少なくとも45重量%含有する
水素シルセスキオキサン樹脂と(B)溶剤からなること
を特徴とするシリカ薄膜形成用組成物、および該シリカ
薄膜形成用組成物を基材表面に塗布し、次いで、前記
(B)成分の溶剤を蒸発させ、しかる後に、前記基材表
面に高エネルギー線を照射することにより、前記(A)
成分の水素シルセスキオキサン樹脂の少なくとも一部を
シリカとすることを特徴とするシリカ薄膜の形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はシリカ薄膜形成用組
成物およびシリカ薄膜の形成方法に関する。詳しくは、
基材に対する被覆平坦化性に優れ、高エネルギー線照射
後は電気絶縁性に優れたセラミック状シリカ薄膜となり
得るシリカ薄膜形成用組成物およびシリカ薄膜の形成方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子デバイスの保護層および絶縁層とし
てセラミック状シリカ薄膜を使用することは知られてい
る。例えば、特公平6−42477号公報には、水素シ
ルセスキオキサン樹脂の溶剤溶液を基材上に塗布し、溶
剤を蒸発させた後、150〜1,000℃の温度条件下
に加熱することによりセラミック状シリカ化し、電子デ
バイスをシリカ薄膜で被覆する方法が開示されている。
ところが、一般に、水素シルセスキオキサン樹脂は無視
できない程度の揮発性成分を含んでおり、これをこのよ
うな高温に曝すと膜厚の減少が起こり、膜中に内部応力
が発生する等の問題点があり、また揮発性成分の飛散に
よる周辺機器への汚染が起こるという問題点があった。
かかる問題点を解消するために、水素シルセスキオキサ
ン樹脂中の低分子量成分を除去する方法が提案されてい
る。例えば、特開平6−157760号公報には合成さ
れた水素シルセスキオキサン樹脂に溶剤を加え、低分子
量成分を除去する方法が提案されている。しかし、かか
る方法により低分子量成分を除去した水素シルセスキオ
キサン樹脂は、基材に塗布した時、被覆平坦化性に劣る
という欠点があった。高分子量の水素シルセスキオキサ
ン樹脂はそれ自体が基材に対する被覆平坦化性に劣るこ
とに加えて、高分子量の水素シルセスキオキサン樹脂は
軟化点が(180℃以上)が高く、このものを使用して
基材を平坦化するには高温度条件下(200℃以上)に
加熱して溶融する工程が必要であった。また、このもの
は多層構造を有する電子デバイスの基材の段差への埋め
込み性に劣る等の欠点があり、用途によっては十分に満
足できないものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記問
題点を解消するために鋭意研究した結果、本発明に到達
した。即ち、本発明の目的は、基材に塗工した時、基材
に対する被覆平坦化性に優れ、高エネルギー線照射後は
電気絶縁性に優れたシリカ薄膜となり得る、シリカ薄膜
形成用組成物およびシリカ薄膜の形成方法を提供するこ
とにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】かかる本発明は、(A)
分子量が1,500以下の水素シルセスキオキサン樹脂
を少なくとも45重量%含有する水素シルセスキオキサ
ン樹脂と(B)溶剤からなることを特徴とするシリカ薄
膜形成用組成物、および該シリカ薄膜形成用組成物を基
材表面に塗布し、次いで、前記(B)成分の溶剤を蒸発
させ、しかる後に、前記基材表面に高エネルギー線を照
射することにより、前記(A)成分の水素シルセスキオ
キサン樹脂の少なくとも一部をシリカとすることを特徴
とするシリカ薄膜の形成方法に関する。
【0005】これについて説明すると、本発明に使用さ
れる水素シルセスキオキサン樹脂は式:HSiO3/2
示される3官能性シロキサン単位を主骨格とするポリシ
ロキサンであり、一般式:(HSiO3/2n(式中、n
は整数である。)で表されるポリマーである。かかる、
水素シルセスキオキサン樹脂はその分子構造によりラダ
ー型と呼ばれるポリシロキサンとケージ型と呼ばれるポ
リシロキサンがあり、ラダー型ポリシロキサンにおいて
はその末端は、例えば、水酸基,トリメチルシロキシ基
等のトリオルガノシロキシ基、ジメチルハイドロジェン
シロキシ等のトリオルガノハイドロジェンシロキシ基に
より封鎖されている。本発明においては、かかる(A)
成分の水素シルセスキオキサン樹脂は、分子量が、1,
500以下の水素シルセスキオキサン樹脂を少なくとも
45重量%含有することが必要であり、少なくとも50
重量%含有することが好ましい。これは分子量が1,5
00以下の水素シルセスキオキサン樹脂の含有量が45
重量%未満になると、基材に塗布した時、基材に対する
被覆平坦化性に劣り、特に、多層構造を有する電子デバ
イスの基材の段差への埋め込み性に劣り、電気絶縁性に
優れた均質なシリカ薄膜を形成できなくなるからであ
る。
【0006】水素シルセスキオキサン樹脂は、一般に
は、トリクロロシランを加水分解し、重縮合することに
より製造される(特公昭47−31838号公報,特開
昭59−189126号公報および特開昭60−424
26号公報参照)。本発明に使用される(A)成分の水
素シルセスキオキサン樹脂は、一般に知られている水素
シルセスキオキサン樹脂の製造方法において、分子量1
500以下の低分子量成分の生成量を増加させる手段を
取るか、合成した水素シルセスキオキサン樹脂に非極性
溶剤を加えて溶解し、この溶液に極性溶剤を加えて分子
量分別することにより、低分子量成分を分離することに
より製造することができる。
【0007】本発明に使用される(B)成分の溶剤は、
上記(A)成分を溶解し、化学変化を起こさないもので
あれば特に限定されない。かかる溶剤としては、トルエ
ン,キシレン等の芳香族系溶剤、ヘキサン,ヘプタン,
オクタン等の脂肪族系溶剤、メチルエチルケトン,メチ
ルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸ブチル,酢
酸イソアミル等の脂肪族エステル系溶剤、1,1,1,
3,3,3−ヘキサメチルジシロキサン,1,1,3,
3−テトラメチルジシロキサン等の鎖状メチルシロキサ
ン、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチルテ
トラシクロシロキサン,1,3,5,7−テトラメチル
テトラシクロシロキサン等の環状シロキサン、テトラメ
チルシラン,ジメチルジエチルシラン等のシラン化合物
のシリコーン系溶剤が挙げらる。これらの中でもシリコ
ーン系溶剤が好ましい。
【0008】本発明のシリカ薄膜形成用組成物は上記の
ような(A)成分と(B)成分を均一に混合することに
より容易に製造されるが、これら(A)成分および
(B)成分に加えて、従来公知のセラミック酸化物前駆
体、例えば、テトラn−プロポキシジルコニウム,テト
ライソブトキキシチタン,トリスペンタン二酸アルミニ
ウム,ペンタエントキシタンタル,トリプロポキシバナ
ジウム,ペンタエトキシニオブ,ペンタ二酸ジルコニウ
ム,ジブトキシビスペンタン二酸チタン等を添加配合す
ることは本発明の目的を損なわない限り差し支えない。
【0009】また、本発明のシリカ薄膜形成用組成物に
は白金触媒またはロジウム触媒を添加して、シリカ薄膜
の形成速度および度合を増加させることができる。かか
る触媒としては塩化白金酸、塩化白金とテトラメチルジ
ビニルジシロキサンとの錯体が挙げられる。これらの触
媒は、一般に、(A)成分100万重量部に対して1〜5
00重量部の範囲内で使用される。
【0010】以上のような本発明の組成物は後述するよ
うにこれに高エネルギー線を照射することによりシリカ
薄膜を形成するが、ここで、本発明に言うシリカとは二
酸化ケイ素(SiO2)を意味し、これには無定形のシ
リカおよびシラノール基および/または水素原子を完全
には欠失していないアモルファスシリカも含まれる。ま
た、上述したセラミック前駆体等を添加配合した場合に
は、これらの化合物を含有するものも含まれる。
【0011】本発明の方法において使用される基材とし
ては、セラミック基材,各種金属基材,電子デバイスが
例示される。これらの中でも本発明の組成物を適用する
に好適とされる基材は電子デバイスである。
【0012】次に、本発明のシリカ薄膜の成形方法につ
いて説明する。本発明のシリカ薄膜の形成方法は、
(A)成分の水素シルセスキオキサン樹脂と(B)成分
の溶剤からなるシリカ薄膜形成用組成物を基材表面に塗
布し、次いで、前記(B)成分の溶剤を蒸発させ、しか
る後に、前記基材表面に高エネルギー線を照射すること
により、前記(A)成分の水素シルセスキオキサン樹脂
の少なくとも一部をシリカとすることを特徴とするシリ
カ薄膜の形成方法である。
【0013】本発明の方法においては、上記のような
(A)成分と(B)成分からなるシリカ形成用組成物を上記
のような基材表面に塗布し、次いで、この(B)成分を蒸
発させるのであるが、塗布方法としては本発明のシリカ
形成用組成物を均一に塗布できる方法であればよく特に
限定されない。この塗布方法としてはスピンコーティン
グ法、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、
フローコーティング法が例示される。また、(B)成分を
蒸発させる方法としては、特に限定されず、常温あるい
は加熱下に放置して風乾させる方法、減圧下におく方
法、風を吹きつける方法が例示される。尚、塗布方法と
してスピンコーティング法を採用する場合には、回転に
より溶剤が飛散するので乾燥時間は一般に必要ではな
い。
【0014】次いで、上記のようにして得た基材表面に
高エネルギー線を照射することにより、前記(A)成分
の水素シルセスキオキサン樹脂の少なくとも一部をシリ
カとするのであるが、ここで使用される高エネルギー線
としては、電子線、紫外線、X線、赤外線、マイクロ波
等がある。これらの中でも電子線が好ましい。高エネル
ギー線照射は空気中または酸素ガス含有ガス中で行うこ
とが好ましい。酸素ガス以外のガスとしては、窒素ガ
ス、アルゴンガスが例示される。高エネルギー線は水素
シルセスキオキサン樹脂の中のケイ素原子結合水素原子
を活性化し、雰囲気中の酸素ガスにより酸化してシリカ
に転化するものである。高エネルギ−線の照射時の温度
およびシリカへの転化温度は低分子量水素シルセスキオ
キサン樹脂の飛散をなるべく抑えることのできる温度が
好ましく、10〜50℃の範囲内であるのが好ましい。
【0015】以上のような本発明のシリカ薄膜形成用組
成物は基材に対する被覆平坦化性に優れ、また、外装構
造を有する電子デバイスの基材の段差への埋め込み性に
優れ、高エネルギー線照射後は電気絶縁性に優れたシリ
カ薄膜となるので、かかる特性が要求される用途、例え
ば、多層半導体デバイスの層間絶縁膜として特に有用で
ある。
【0016】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例にてより
詳細に説明する。実施例中、部は重量部のことである。
尚、シリカへの転化性については、膜中の残存SiH%
をフーリエ変換赤外線吸収分光分析により、測定して判
断した。実施例1〜5および比較例1では透過モード
で、実施例6および比較例2では反射モードで測定し
た。また、参考までに各実施例にてスピンコート後の水
素シルセスキオキサン樹脂薄膜および電子線照射後のシ
リカ薄膜の屈折率を測定した。また、分子量はゲルパー
ミエーションクロマトグラフィー(GPC)を使用して
測定した。測定条件は以下の通りである。 装置;東ソー製、802A カラム;G3000/G4000/G5000/G60
00 キャリア溶媒;トルエン カラム温度;30℃ 分子量標準;ポリスチレン 検知方式;示差屈折率 サンプル;固形分2重量%(トルエン溶媒)
【0017】
【実施例1】特公昭47−31838号公報第3頁実施
例1に記載の方法に従って水素シルセスキオキサン樹脂
を合成した。得られた水素シルセスキオキサン樹脂をG
PCを使用して分析したところ、このものは分子量が
1,540であり、重量平均分子量が7,705であり、
分子量が1,500以下の成分は41重量%であった
(図1参照)。また軟化点は90℃であった。この水素
シルセスキオキサン樹脂を特開平6−157760号公
報第5頁実施例1に記載の方法に従って、分子量分別し
た。得られたフラクションの水素シルセスキオキサン樹
脂をGPCを使用して分析したところ、このものは分子
量が743であり、重量平均分子量が1,613であ
り、分子量が1,500以下の成分は72重量%であっ
た(図2参照)。また、その軟化点は25℃であった。
この水素シルセスキオキサン樹脂をヘキサメチルジシロ
キサン30部とオクタメチルトリシロキサン70部の混
合溶剤に溶解し、固形分30重量%の水素シルセスキオ
キサン樹脂溶液とした。この溶液をシリコンウエハ上
に、前回転500rpm/3秒、次いで本回転3,00
0rpm/10秒の条件にてスピンコートし、さらに溶
剤を十分に蒸発させて、膜厚6,520オングストロー
ムの水素シルセスキオキサン樹脂薄膜を形成した。この
シリコンウエハに、酸素ガスを70ppm含有した窒素
ガス下にて、加速電圧165kVの電子線照射装置で1
60Mradのドース量の電子線を照射したところ、膜
厚の大幅な低下はなく、水素シルセスキオキサン樹脂が
シリカに転化したことがわかった。また、転化後の膜に
はクラックその他の異常は認められなかった。これらの
測定結果および膜の屈折率(RI)の測定結果を後記す
る表1に示した。
【0018】
【実施例2】実施例1で得られた水素シルセスキオキサ
ン樹脂溶液をシリコンウエハ上に、前回転500rpm
/3秒、次いで本回転3,000rpm/10秒にてス
ピンコートし、さらに溶剤を十分に蒸発させ、膜厚6,
504オングストロームの水素シルセスキオキサン樹脂
薄膜を形成した。このシリコンウエハに酸素ガスを70
ppm含有した窒素ガス下にて、加速電圧165kVの
電子線照射装置で240Mradのドース量の電子線を
照射したところ、膜厚の大幅な低下はなく、水素シルセ
スキオキサン樹脂がシリカに転化したことが判明した。
また、転化後の膜にはクラックその他の異常は認められ
なかった。これらの測定結果および膜の屈折率(RI)
の測定結果を後記する表1に示した。
【0019】
【実施例3】実施例1で得られたフラクションの水素シ
ルセスキオキサン樹脂をヘキサメチルジシロキサン30
部とオクタメチルトリシロキサン70部の混合溶剤に溶
解し、固形分40重量%の水素シルセスキオキサン樹脂
溶液とした。この溶液をシリコンウエハ上に、前回転5
00rpm/3秒、次いで本回転3,000rpm/1
0秒にてスピンコートし、さらに溶剤を十分に蒸発さ
せ、膜厚13,215オングストロームの水素シルセス
キオキサン樹脂薄膜を形成した。 このシリコンウエハ
に、酵素ガスを70ppm含有した窒素ガス下にて、加
速電圧165kVの電子線照射装置で160Mradの
ドース量の電子線を照射したところ膜厚の大幅な低下は
なかった。また、下記測定結果から水素シルセスキオキ
サン樹脂がシリカに転化したことがわかった。また、転
化後の膜にはクラックその他の異常は認められなかっ
た。スピンコート後、および電子線照射後のシリコンウ
エハを、透過型モードにてフーリエ変換赤外線吸収スペ
クトル分析を行った。2,260cm-1のSiH伸縮振
動に帰属する吸収ピークの吸光度を膜厚で除算した値
で、単位膜厚当たりの相対SiHモル%を算出した。そ
の結果、スピンコート後を100%とすれば電子線照射
後は80%まで低下した。従ってSiH基が消費され、
硬化が起きたことが確かめられた。また、スピンコート
後の膜ではSiO伸縮振動に帰属する吸収ピークはケー
ジ性TH構造に由来する1,125cm-1の単一ピークで
あったが、電子線照射後は、1,125cm-1のピーク
が減少するとともに、このピークの他にランダムネット
ワーク型TH構造もしくはSiO2構造に由来する1,0
70cm-1のピークが発現した。以上より判断して電子
線照射後の膜は一部がシリカに転化したことが確かめら
れた。これらの測定結果および膜の屈折率(RI)の測
定結果を後記する表1に示した。
【0020】
【実施例4】実施例1で得られた水素シルセスキオキサ
ン樹脂溶液をシリコンウエハ上に、前回転500rpm
/3秒、次いで本回転3,000rpm/10秒にてス
ピンコートし、さらに溶剤を十分に蒸発させて、膜厚
6,520オングストロームの水素シルセスキオキサン
樹脂薄膜を形成した。このシリコンウエハに、酸素ガス
を70ppm含有した窒素ガス下にて、加速電圧165
kVの電子線照射装置で160Mradのドース量の電
子線を照射し、さらに石英炉中で酸素ガス濃度約100
ppmの窒素ガス気流下で400℃で1時間焼成(アニ
ール)した。実施例1に比べ、シリカへの転化度がわず
かに進行したが、膜厚の大幅な低下はなかった。また、
最終状態でのシリカ薄膜にはクラックその他の異常は認
められなかった。これらの測定結果および膜の屈折率
(RI)の測定結果を後記する表1に示した。
【0021】
【実施例5】実施例1で得られたフラクションの水素シ
ルセスキオキサン樹脂をメチルイソブチルケトンに溶解
し、固形分30重量%の水素シルセスキオキサン樹脂溶
液とした。この溶液をシリコンウエハ上に、前回転50
0rpm/3秒、次いで本回転3,000rpm/10
秒にてスピンコートし、さらに溶剤を十分に蒸発させ、
膜厚6,631オングストロームの水素シルセスキオキ
サン樹脂薄膜を形成した。このシリコンウエハに酸素ガ
スを70ppm含有した窒素ガス下にて、加速電圧16
5kVの電子線照射装置で160Mradのドース量の
電子線を照射したところ、膜厚の大幅な低下なく、シリ
カに転化したことが判明した。また、転化後のシリカ薄
膜にはクラックその他の異常は認められなかった。
【0022】
【実施例6】実施例1で得られたフラクションの水素シ
ルセスキオキサン樹脂をヘキサメチルジシロキサン30
部とオクタメチルトリシロキサン70部の混合溶剤に溶
解し、固形分25重量%の水素シルセスキオキサン樹脂
溶液とした。この溶液を、段差高が0.5μm、段差幅
および段差間隔が0.18μmのポリシリコンパターン
ウエハ上に、前回転500rpm/3秒、次いで本回
3,000rpm/10秒にてスピンコートし、さらに
溶剤を十分に蒸発させて、最大深さ8,120オングス
トロームの膜厚を形成した(図3参照)。このシリコン
ウエハをホットプレート上で、窒素ガス気流下60℃、
3分の温度条件下で加熱したところ、流動化が起こり、
段差間の十分な埋め込みおよび樹脂表面の平坦化が起き
た。次いでこのシリコンウエハを酸素ガスを70ppm
含有した窒素ガス下にて、加速電圧165kVの電子線
照射装置で160Mradのドースの電子線を照射し
た。得られたシリカ薄膜にはクラックその他の異常は認
められなかった(図4参照)。
【0023】
【比較例1】実施例1で合成した分子量1,500以下
の成分を41重量%含む水素シルセスキオキサン樹脂を
メチルエチルイソブチルケトンに溶解して、固形分35
重量%の溶液とした。この溶液をシリコンウエハ上に、
前回転500rpm/3秒、次いで本回転3,000r
pm/10秒にてスピンコートし、さらに溶剤を十分に
蒸発させて、膜厚12,780オングストロームの水素
シルセスキオキサン樹脂薄膜を形成した。 このシリコ
ンウエハを石英炉中で酸素濃度約100ppmの窒素気
流下で400℃で1時間焼成した。膜厚の大幅な低下が
起こり、水素シルセスキオキサン樹脂がシリカに転化し
たことがわかった。また、転化後のシリカ薄膜にはクラ
ックが観察された。これらの測定結果および膜の屈折率
(RI)の測定結果を後記する表1に示した。
【0024】
【比較例2】実施例1で合成した分子量1,500以下
の水素シルセスキオキサン樹脂を41重量%含む水素シ
ルセスキオキサン樹脂をメチルイソブチルケトンに溶解
し、固形分20重量%の溶液とした。この溶液を、段差
高が0.5μm、段差幅および段差間隔が0.18μmの
ポリシリコンパターンウエハ上に、前回転500rpm
/3秒、次いで本回転3,000rpm/10秒にてス
ピンコートし、さらに溶剤を十分に蒸発させて、最大深
さ8,036オングストロームの水素シルセスキオキサ
ン樹脂薄膜を形成した(図5参照)。このシリコンウエ
ハをホットプレート上、窒素気流下60℃で3分加熱し
たところ、流動化が起きたが、十分な段差間の埋め込み
および樹脂表面の平坦化には至らなかった。次いでこの
シリコンウエハを酸素ガス濃度70ppmを含有した窒
素ガス下にて、加速電圧165kVの電子線照射装置で
160Mradのドース量の電子線を照射したところ、
水素シルセスキオキサン樹脂がシリカに転化したことが
わかった。また、転化後のシリカ薄膜にはクラックは認
められなかったが、樹脂表面のうねりは解消されなかっ
た(図6参照)。これらの測定結果および膜の屈折率
(RI)の測定結果を後記する表1に示した。
【0025】
【表1】
【0026】
【発明の効果】本発明のシリカ薄膜形成用組成物は(A)
分子量が1,500以下の水素シルセスキオキサン樹脂
を少なくとも45重量%含有する水素シルセスキオキサ
ン樹脂と(B)溶剤からなるので、基材の被覆平坦化性に
優れ、高エネルギー線照射後は電気絶縁性に優れたシリ
カ薄膜を形成するという特徴し、また本発明のシリカ薄
膜成形方法はかかるシリカ薄膜を効率よく形成し得ると
いう特徴を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1にて合成した水素シルセスキオキサン
樹脂のGPCチャートである。
【図2】実施例1で分子量分別して得られた水素シルセ
スキオキサン樹脂のGPCチャートである。
【図3】実施例6におけるスピンコート後の水素シルセ
スキオキサン樹脂の薄膜の形成状態を示した断面図であ
る。
【図4】実施例6におけるシリカ薄膜の形成状態を示し
た断面図である。
【図5】比較例2におけるスピンコート後の水素シルセ
スキオキサン樹脂薄膜の形成状態を示した断面図であ
る。
【図6】比較例2におけるシリカ薄膜の形成状態を示し
た断面図である。
【符号の説明】
1 水素シルセスキオキサン樹脂薄膜 2 空隙 3 シリコンパターンウエハ 4 シリカ薄膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 澤 清隆 千葉県市原市千種海岸2番2 東レ・ダウ コーニング・シリコーン株式会社研究開発 本部内 (72)発明者 峰 勝利 千葉県市原市千種海岸2番2 東レ・ダウ コーニング・シリコーン株式会社研究開発 本部内 (72)発明者 中村 隆司 千葉県市原市千種海岸2番2 東レ・ダウ コーニング・シリコーン株式会社研究開発 本部内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)分子量が1,500以下の水素シ
    ルセスキオキサン樹脂を少なくとも45重量%含有する
    水素シルセスキオキサン樹脂と(B)溶剤からなること
    を特徴とするシリカ薄膜形成用組成物。
  2. 【請求項2】 (A)成分が、分子量1,500以下の
    水素シルセスキオキサン樹脂を少なくとも50重量%含
    有するものである請求項1に記載のシリカ薄膜形成用組
    成物。
  3. 【請求項3】 多層構造からなる半導体デバイスの層間
    絶縁膜形成用組成物である請求項1に記載のシリカ薄膜
    形成用組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載のシリカ薄膜形成用組成
    物を基材表面に塗布し、次いで、前記(B)成分の溶剤
    を蒸発させ、しかる後に、前記基材表面に高エネルギー
    線を照射することにより、前記(A)成分の水素シルセ
    スキオキサン樹脂の少なくとも一部をシリカとすること
    を特徴とするシリカ薄膜の形成方法。
  5. 【請求項5】 基材が電子デバイスである、請求項4に
    記載のシリカ薄膜の形成方法。
  6. 【請求項6】 高エネルギー線が電子線である、請求項
    4に記載のシリカ薄膜の形成方法。
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