JP3589337B2 - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板上の配線構造に対する被覆平坦化性に優れた電気絶縁層を有する半導体装置およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、DRAM、ロジックIC等の電子デバイスなどの半導体装置においては、ウエハ(基板)の上に形成された電気回路(導電層、導線からなる配線構造)を保護するため、その電気回路の表面に電気絶縁層を設けている。また、半導体装置が複数の電気回路を積層させた多層配線構造をとる場合には、上層配線と下層配線との間などの層間にも電気絶縁層を設けている。
【0003】
このような電気絶縁層としては、セラミック状シリカ膜を使用することが知られている。例えば、特公平6−42477号公報には、水素シルセスキオキサン樹脂の溶剤溶液を半導体基板(基板の上に電気回路を形成したもの)上に塗布し、その塗膜から溶剤を蒸発させた後、150〜1000℃の温度条件下に加熱することにより該樹脂をセラミック状シリカ化し、電子デバイスをシリカ膜で被覆する方法が開示されている。
【0004】
ところが、一般に、水素シルセスキオキサン樹脂は無視できない程度の揮発性成分(低分子量成分)を含んでおり、これをこのような高温に曝すと塗膜の膜厚の減少が起こり、膜中に内部応力が発生する等の問題があり、また揮発性成分の飛散による周辺機器への汚染が起こるという問題があった。
かかる問題を解消するために、水素シルセスキオキサン樹脂中の低分子量成分を除去する方法が提案されている。例えば、特開平6−157760号公報には、合成された水素シルセスキオキサン樹脂に溶剤を加え、低分子量成分を除去する方法が提案されている。しかし、かかる方法により低分子量成分を除去した水素シルセスキオキサン樹脂は、半導体基板に塗布したとき、被覆平坦化性に劣るという欠点があった。被覆平坦化性がわるいと半導体装置の電気的特性に異常が生じてしまう。また、高分子量の水素シルセスキオキサン樹脂はそれ自体が半導体基板に対する被覆平坦化に劣ることに加えて、高分子量の水素シルセスキオキサン樹脂は軟化点が高く(180℃以上)、このものを使用して半導体基板を被覆するには高温度条件下(200℃以上)に加熱して溶融する工程が必要があった。さらに、このものは、多層配線構造を有する電子デバイスの半導体基板の段差部への埋め込み性に劣る等の欠点があり、十分に満足できないものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、基板上の配線構造に対する被覆平坦化性に優れた電気絶縁層を有する半導体装置およびその製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の半導体装置は、半導体基板の表面に電気絶縁層を介して少なくとも1層の導電層からなる配線構造を設けてなる半導体装置において、前記電気絶縁層が分子量1500以下の水素シルセスキオキサン樹脂を少なくとも45重量%含有する水素シルセスキオキサン樹脂の硬化物であり、シリカを主体とする薄膜から形成されたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明の半導体装置の製造方法は、半導体基板の表面に電気絶縁層を介して少なくとも1層の導電層からなる配線構造を設けてなる半導体装置を製造するに際し、分子量1500以下の水素シルセスキオキサン樹脂を少なくとも45重量%含有する水素シルセスキオキサン樹脂と溶剤からなる液状物を前記半導体基板の表面および前記導電層の上に塗布して塗膜を形成し、ついで該塗膜に高エネルギー線を照射して硬化せしめて前記電気絶縁層を形成することを特徴とする。
【0008】
このように分子量1500以下の水素シルセスキオキサン樹脂を少なくとも45重量%含有する水素シルセスキオキサン樹脂を用いるため、換言すれば、高分子量の水素シルセスキオキサン樹脂を使用しないために、電気絶縁層の被覆平坦化性を向上させることができると共に、電子デバイスの基板の段差部への埋め込み性を高めることが可能となる。また、塗膜に高エネルギー線を照射して硬化せしめるため、従来におけるように高温(150℃〜1000℃)で加熱を行わないので(加熱を行ったとしても60℃以下)、低分子量成分の揮発による塗膜の膜厚の減少などが生じることはない。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の半導体装置を製造するには、先ず、図1(a)に示すように、半導体基板1の表面に下地絶縁層2を形成する。次いで、下地絶縁層2上にアルミニウム等の金属をスパッタリングして導電層を形成し、これを公知の方法でパターニングして下層配線3a,3b,3cを形成する。
【0010】
次に、図1(b)に示すように、下層配線3a,3b,3cの上に絶縁層4を形成する。
次に、図1(c)に示すように、絶縁層4の表面をフォトレジストでマスクして、例えば下層配線3a,3c上の絶縁層4を選択的にエッチングすることにより、下層配線3a,3cにそれぞれ到達するスルーホールを設けた後、このスルーホール内面にアルミニウム等の金属をスパッタリングして導電層を形成し、これをプラズマエッチングにより絶縁層4が露出するまでエッチバックすることにより、上記スルーホール内に層間配線5を残存させる。
【0011】
次いで、図1(d)に示すように、下層配線3a〜3c及び絶縁層4を配置したと同様の方法で、エッチバックされた表面上にそれぞれ上層配線6a,6b及び絶縁層7を形成する。このようにして半導体基板1の上に、下層配線3a〜3c及び上層配線6a,6bからなる多層配線構造を形成し、これら配線が下地絶縁層2及び層間の絶縁層4,7によって電気的に絶縁される。
【0012】
下地絶縁層2及び層間の絶縁層4,7は、それぞれ、分子量1500以下の水素シルセスキオキサン樹脂を少なくとも45重量%含有する水素シルセスキオキサン樹脂の硬化物であり、シリカを主体とする薄膜から形成される。
水素シルセスキオキサン樹脂は式:HSiO3/2 で示される3官能性シロキサン単位を主骨格とするポリシロキサンであり、一般式:(HSiO3/2 )n(式中、nは整数である。)で表されるポリマーである。本発明で用いる水素シルセスキオキサン樹脂は、分子量1500以下の水素シルセスキオキサン樹脂を少なくとも45重量%含有することが必要であり、少なくとも50重量%含有することが好ましい。これは分子量が1500以下の水素シルセスキオキサン樹脂の含有量が45重量%未満になると、絶縁層4,7を形成するに際して水素シルセスキオキサン樹脂を下層配線3a,3b,3c又は上層配線6a,6bに塗布したとき、これらの配線に対する被覆平坦化性に劣り、特に、多層配線構造を有する電気デバイスの半導体基板の段差部への埋め込みに劣り、電気絶縁性に優れた均質なシリカ膜(電気絶縁層)を形成できなくなるからである。
【0013】
水素シルセスキオキサン樹脂は、一般には、トリクロロシランを加水分解し、重縮合することにより製造される(特公昭47−31838号公報、特開昭59−189126号公報、および特開昭60−42426号公報参照)。
本発明で使用される水素シルセスキオキサン樹脂は、一般に知られている水素シルセスキオキサン樹脂の製造方法において、分子量1500以下の低分子量成分の生成量を増加させる手段を取るか、合成した水素シルセスキオキサン樹脂に非極性溶剤を加えて該樹脂を溶解し、この溶液に極性溶剤を加えて分子量分別することにより、低分子量成分を分離することにより製造することができる。
【0014】
▲1▼ 下地絶縁層2及び層間の絶縁層4,7を形成するには、まず、半導体基板1の表面に(図1(a))、下層配線3a,3b,3cの上に(図1(b))、又は上層配線6a,6bの上に(図1(d))、分子量1500以下の水素シルセスキオキサン樹脂を少なくとも45重量%含有する水素シルセスキオキサン樹脂と溶剤からなる液状物を塗布して塗膜を形成する。
【0015】
ここで用いる溶剤は、水素シルセスキオキサン樹脂を溶解し、化学変化を起こさないものであれば特に限定されない。かかる溶剤としては、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸ブチル、酢酸イソアミル等の脂肪族エステル系溶剤、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン等の鎖状メチルシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチルテトラシクロシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルテトラシクロシロキサン等の環状シロキサン、テトラメチルシラン、ジメチルジエチルシラン等のシラン化合物のシリコンーン系溶剤がが挙げられる。これらの中でもシリコーン系溶剤が好ましい。
【0016】
上記の水素シルセスキオキサン樹脂と溶剤からなる液状物には、従来公知のセラミック酸化物前駆体、例えばテトラn−プロポキシジルコニウム、テトライソブトキシチタン、トリスペンタン二酸アルミニウム、ペンタエトキシタンタル、トリプロポキシバナジウム、ペンタエトキシニオブ、ペンタン二酸ジルコニウム、ジブトキシビスペンタン二酸チタン等を添加配合することは本発明の目的を損なわない限り差し支えない。また、白金触媒またはロジウム触媒を添加して、シリカ膜(電気絶縁層)の形成速度および度合を増加させることができる。かかる触媒としては塩化白金酸、塩化白金とテトラメチルジビニルジシロキサンとの錯体が挙げられる。これらの触媒は、一般に、水素シルセスキオキサン樹脂100万重量部に対して1〜500重量部の範囲内で使用される。
【0017】
上記塗膜を形成するための塗布方法としては、均一に塗布できる方法であればよく、特に限定されない。この塗布方法としてはスピンコーティング法、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、フローコーティング法が例示される。この塗膜からは溶剤を蒸発除去する。溶剤を蒸発させる方法としては、特に限定されず、常温あるいは60℃以下の加熱下に放置して風乾させる方法、減圧下におく方法、風を吹きつける方法等が例示される。
【0018】
塗布方法としてスピンコーティング法を採用する場合には、回転により溶剤が飛散するので乾燥時間は一般に必要ではない。
また、このように、塗膜を形成すると、半導体基板の段差部(下層配線3a,3b,3cの相互間又は上層配線6a,6bの間の凹部)の底に空隙が生じることがある。さらに、塗膜の表面が波打った状態となることが多い。そこで、このような空隙および表面波打ち状態をなくすために、塗膜を揮散させない温度、例えば60℃以下の温度で塗膜を加熱溶融して段差部の埋め込みおよび塗膜の平坦化を行うのが好ましい。
【0019】
▲2▼ つぎに、この塗膜に高エネルギー線を照射して硬化せしめる。これによって、塗膜を構成する水素シルセスキオキサン樹脂の少なくとも一部がシリカに変換して、シリカからなる下地絶縁層2及び層間の絶縁層4,7がそれぞれ形成される。
ここで、シリカとは二酸化ケイ素(SiO2 )を意味し、これには無定形のシリカおよびシラノール基および/または水素原子を完全には欠失していないアモルファスシリカも含まれる。また、前述したようにセラミック酸化物前駆体等を液状物に添加配合した場合には、これらの化合物を含有するものも含まれる。
【0020】
ここで使用される高エネルギーとしては、電子線、紫外線、X線、赤外線、マイクロ波等がある。これらの中でも電子線を用いることが好ましい。高エネルギー線照射は空気中または酸素含有ガス中で行うことが好ましい。酸素含有ガス以外のガスを用いてもよく、これには窒素ガス、アルゴンガスが例示される。
高エネルギー線は水素シルセスキオキサン樹脂の中のケイ素原子結合水素原子を活性化し、雰囲気中の酸素ガスにより水素シルセスキオキサン樹脂が酸化されてシリカに転化するのである。高エネルギー線の照射時の温度およびシリカへの転化温度は低分子量水素シルセスキオキサン樹脂の飛散をなるべく抑えることのできる温度が好ましく、10〜50℃の範囲内であるのが望ましい。
【0021】
【実施例】
実施例および比較例中、部は重量部を表わす。シリカへの転化性については、塗膜中の残存SiH%をフーリエ変換赤外線吸収分光分析により、測定した判断した。分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を使用して測定した。測定条件は以下の通りである。
【0022】
装置:東ソー製、802A
カラム:G3000/G4000/G5000/G6000
キャリア溶媒:トルエン
カラム温度:30℃
分子量標準:ポリスチレン
検知方式:示差屈折率
サンプル:固形分2重量%(トルエン溶媒)
〔実施例1〕
水素シルセスキオキサン樹脂(数平均分子量1,540、重量平均分子量7,705、分子量1,500以下の成分41%、軟化点90℃)を分子量分別し、数平均分子量743、重量平均分子量1,613、分子量1,500以下の成分72%、軟化点25℃のフラクションを得た。このフラクションをヘキサメチルジシロキサン/オクタメチルトリシロキサン(30部/70部)混合溶剤に溶解し、固形分15重量%の溶液とした。
【0023】
この溶液を、シリコン基板上に構成されたアルミ多層配線構造(段差高が0.5μm、段差幅および段差間隔が各0.18μmのパターンからなる)を有する半導体装置の配線層間電気絶縁層として配置した。具体的には下地段差をCVD(化学気相蒸着)膜で被覆した後、基板上に該溶液を、前回転500rpm/3秒、本回転3,000rpm/10秒にてスピンコートし、さらに溶剤を十分に蒸発させ、6,540オングストロームの膜厚(最深部)の塗膜を形成した。
【0024】
この基板を酸素濃度70ppmを含有した窒素下にて、加速電圧165kVの電子線照射装置で160Mradのドース量下に曝露したところ、塗膜中の水素シルセスキオキサン樹脂がシリカに転化したことがわかった。また、転化後の膜(電気絶縁層)にはクラックその他の異常は認められなかった。
さらにこの電気絶縁層の上にCVD膜を形成した後に、ビアホールコンタクト形式による多層配線構造を取った。この装置の電気的特性には異常が見られなかった。
【0025】
〔実施例2〕
実施例1の溶液を、シリコン基板上に構成されたアルミ多層配線構造(段差高が0.5μm、段差幅および段差間隔が各0.18μmのパターンからなる)を有する半導体装置の配線層間電気絶縁層として配置した。具体的には下地段差をCVD膜で被覆した後、基板上に該溶液を、前回転500rpm/3秒、本回転3,000rpm/10秒にてスピンコートし、さらに溶剤を十分に蒸発させ、6,530オングストロームの膜厚(最深部で)の塗膜を形成した。
【0026】
この基板を酸素濃度70ppmを含有した窒素下にて、加速電圧165kVの電子線照射装置で240Mradのドース量下に曝露したところ塗膜中の水素シルセスキオキサン樹脂がシリカに転化したことがわかった。また、転化後の膜(電気絶縁層)にはクラックその他の異常は認められなかった。
さらにこの電気絶縁層の上にCVD膜を形成した後に、ビアホールコンタクト形式による多層配線構造を取った。この装置の電気的特性には異常が見られなっか。
【0027】
〔実施例3〕
実施例1のフラクションをヘキサメチルジシロキサン/オクタメチルトリシロキサン(30部/70部)混合溶剤に溶解し、固形分25重量%の溶液とした。この溶液を、シリコン基板上に構成されたアルミ多層配線構造(段差高が1.0μm、段差幅および段差間隔が各0.18μmのパターンからなる)を有する半導体装置の配線層間電気絶縁層として配置した。具体的には下地段差をCVD膜で被覆した後、基板上に該溶液を、前回転500rpm/3秒、次いで本回転3,000rpm/10秒にてスピンコートし、さらに溶剤を十分に蒸発させ、13,240オングストロームの膜厚(最深部で)の塗膜を形成した。
【0028】
この基板を酸素濃度70ppmを含有した窒素下にて、加速電圧165kVの電子線照射装置で160Mradのドース量下に曝露したところ、塗膜中の水素シルセスキオキサン樹脂がシリカに転化したことがわかった。また、転化後の膜(電気絶縁層)にはクラックその他の異常は認められなかった。
さらにこの電気絶縁層の上にCVD膜を形成した後に、ビアホールコンタクト形式による多層配線構造を取った。この装置の電気的特性には異常が見られなかった。
【0029】
〔実施例4〕
実施例1の溶液を、シリコン基板上に構成されたアルミ多層配線構造(段差高が0.5μm、段差幅および段差間隔が各0.18μmのパターンからなる)を有する半導体装置の配線層間電気絶縁層として配置した。具体的には下地段差をCVD膜で被覆した後、基板上に該溶液を、前回転500rpm/3秒、次いで本回転3000rpm/10秒にてスピンコートし、さらに溶剤を十分に蒸発させ、6,540オングストロームの膜厚(最深部で)の塗膜を形成した。
【0030】
この基板を酸素濃度70ppmを含有した窒素下にて、加速電圧165kVの電子線照射装置で160Mradのドース量下に曝露したところ、塗膜の水素シルセスキオキサン樹脂がシリカに転化したことがわかった。また、転化後の膜(電気絶縁層)にはクラックその他の異常は認められなかった。
さらにこの基板を石英炉中で酸素濃度約100ppmの窒素気流下で400℃で1時間焼成した。
【0031】
実施例1に比べ、シリカへの転化度がわずかに進行したが、膜(電気絶縁層)にはクラックその他の異常は認められなかった。
さらにこの電気絶縁層の上にCVD膜を形成した後に、ビアホールコンタクト形式による多層配線構造を取った。この装置の電気的特性には異常が見られなかった。
【0032】
〔実施例5〕
実施例1のフラクションをメチルイソブチルケトンに溶解し、固形分15重量%の溶液とした。
この溶液を、シリコン基板上に構成されたアルミ多層配線構造(段差高0.5μm、段差幅および段差間隔が各0.18μmのパターンからなる)を有する半導体装置の配線層間電気絶縁層として配置した。具体的には下地段差をCVD膜で被覆した後、基板上に該溶液を、前回転500rpm/3秒、次いで本回転3000rpm/10秒にてスピンコートし、さらに溶剤を十分に蒸発させ、6,485オングストロームの膜厚(最深部で)の塗膜を形成した。
【0033】
この基板を酸素濃度70ppmを含有した窒素下にて、加速電圧165kVの電子線照射装置で160Mradのドース量下に曝露したところ、塗膜中の水素シルセスキオキサン樹脂がシリカに転化したことがわかった。また、転化後の膜(電気絶縁層)にはクラックその他の異常は認められなかった。
さらにこの電気絶縁層の上にはCVD膜を形成した後に、ビアホールコンタクト形式による多層配線構造を取った。この装置の電気的特性には異常が見られなかっ。
【0034】
〔実施例6〕
実施例1のフラクションをヘキサメチルジシロキサン/オクタメチルトリシロキサン(30部/70部)混合溶剤に溶解し、固形分25重量%の溶液とした。この溶液を、シリコン基板上に構成されたアルミ多層配線構造(段差高が0.5μm、段差幅および段差間隔が各0.18μmのパターンからなる)を有する半導体装置の配線層間電気絶縁層として配置した。具体的には下地段差をCVD膜で被覆した後、基板上に該溶液を、前回転500rpm/3秒、次いで本回転3,000rpm/10秒にてスピンコートし、さらに溶剤を十分に蒸発させ、平均最深部で8,230オングストロームの膜厚の塗膜を形成した。
【0035】
この基板をホットプレート上、窒素気流下60℃で3分間加熱したところ、流動化が起こり、十分な段差間の埋め込みおよび塗膜表面平坦化が起きた。
さらにこの基板を酸素濃度70ppmを含有した窒素下にて、加速電圧165kVの電子線照射装置で160Mradのドース量下に曝露したところ、塗膜の水素シルセスキオキサン樹脂がシリカに転化したことがわかった。また、転化後の膜(電気絶縁層)にはクラックその他の異常は認められなかった。
【0036】
さらにこの電気絶縁層の上にCVD膜を形成した後、ビアホールコンタクト形式による多層配線構造を取った。この装置の電気的特性には異常が見られなかった。
〔実施例7〕
実施例1のフラクションをヘキサメチルジシロキサン/オクタメチルトリシロキサン(30部/70部)混合溶剤に溶解し、固形分18重量%の溶液とした。
【0037】
この溶液を、シリコン基板上に構成されたアルミ多層配線構造(段差高が0.5μm、段差幅および段差間隔が各0.18μmのパターンからなる)を有する半導体装置のプリメタル層として配置した。具体的には基板上に該溶液を、前回転500rpm/3秒、次いで本回転3000rpm/10秒にてスピンコートし、さらに溶剤を十分に蒸発させ、7,005オングストロームの膜厚(最深部で)の塗膜を形成した。
【0038】
この基板を酸素濃度70ppmを含有した窒素下にて、加速電圧165kVの電子線照射装置で160Mradのドース量下に曝露したところ、塗膜中の水素シルセスキオキサン樹脂がシリカに転化したことがわかった。また、転化後の膜(電気絶縁層)にはクラックその他の異常は認められなかった。さらにこの基板を石英炉中で700℃、1時間焼成した。シリカへの転化度は100%進行したが、クラックその他の異常は認められなかった。
【0039】
さらにこの電気絶縁層の上にコンタクト/ビアホールコンタクト形式による多層配線構造を取った。この装置の電気特性には異常が見られなかった。
〔比較例1〕
水素シルセスキオキサン樹脂(数平均分子量1,540、重量平均分子量7,705、分子量1,500以下の成分41%、軟化点90℃)をメチルイソブチルケトンに溶解し、固形分18重量%の溶液とした。
【0040】
この溶液を、シリコン基板上に構成されたアルミ多層配線構造(段差高が1.0μm、段差幅および段差間隔が各0.18μmのパターンからなる)を有する半導体装置の配線層間電気絶縁層として配置した。具体的には下地段差をCVD膜で被覆した後、基板上に該溶液を、前回転500rpm/3秒、次いで本回転3,000rpm/10秒にてスピンコートし、さらに溶剤を十分に蒸発させ、12,780オングストロームの膜厚(最深部で)の塗膜を形成した。
【0041】
このウエハを石英炉中で酸素濃度約100ppmの窒素気流下で400℃で1時間焼成した。
膜厚の大幅な低下が起こり、水素シルセスキオキサン樹脂がシリカに転化したことがわかった。た、転化後の膜(電気絶縁層)にはクラックが観察された。
さらにこの電気絶縁層の上にCVD膜を形成した後に、ビアホールコンタクト形式による多層配線構造を取った。この装置の一部に電気的コンタクト不良が見られた。
【0042】
〔比較例2〕
比較例1の樹脂をメチルイソブチルケトンに溶解し、固形分22重量%の溶液とした。
この溶液を、シリコン基板上に構成されたアルミ多層配線構造(段差高が0.5μm、段差幅および段差間隔が各0.18μmのパターンからなる)を有する半導体装置の配線層間電気絶縁層として配置した。具体的には下地段差をCVD膜で被覆した後、基板上に該溶液を、前回転500rpm/3秒、次いで本回転3,000rpm/10秒にてスピンコートし、さらに溶剤を十分に蒸発させ、最深部で8,480オングストロームの膜厚の塗膜を形成した。
【0043】
この基板をホットプレート上、窒素気流下60℃で3分加熱したところ、流動化が起こったが、十分な段差部の埋め込みおよび塗膜表面平坦化は得られなかった。
さらにこの基板を酸素濃度70ppmを含有した窒素下にて、加速電圧165kVの電子線照射装置で160Mradのドース量下に曝露したところ、塗膜中の水素シルセスキオキサン樹脂がシリカに転化したことがわかった。また、転化後の膜(電気絶縁層)にはクラックその他の異常は認められなかったが、表面のうねり(波打ち)は解消されなかった。
【0044】
さらにこの電気絶縁層の上にCVD膜を形成した後に、ビアホールコンタクト形式による多層配線構造を取ったが、表面の凹凸が多いために微細加工が不可能であった。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、分子量1500以下の水素シルセスキオキサン樹脂を少なくとも45重量%(すなわち、45重量%以上)含有する水素シルセスキオキサン樹脂を用いると共に、この樹脂を高エネルギー線にて硬化せしめるために、電気回路に対する被覆平坦化性に優れた電気絶縁層を有する半導体装置の提供が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施態様からなる半導体装置の製造方法の各工程を示す断面図である。
【符号の説明】
1 半導体基板 2 下地絶縁層 4,7 絶縁層
3a,3b,3c 下層配線 6a,6b 上層配線
Claims (4)
- 半導体基板の表面に電気絶縁層を介して少なくとも1層の導電層からなる配線構造を設けてなる半導体装置において、前記電気絶縁層が分子量1500以下の水素シルセスキオキサン樹脂を少なくとも45重量%含有する水素シルセスキオキサン樹脂の硬化物であり、シリカを主体とする薄膜から形成された半導体装置。
- 半導体基板の表面に電気絶縁層を介して少なくとも1層の導電層からなる配線構造を設けてなる半導体装置を製造するに際し、分子量1500以下の水素シルセスキオキサン樹脂を少なくとも45重量%含有する水素シルセスキオキサン樹脂と溶剤からなる液状物を前記半導体基板の表面および前記導電層の上に塗布して塗膜を形成し、ついで該塗膜に高エネルギー線を照射して硬化せしめて前記電気絶縁層を形成する半導体装置の製造方法。
- 前記塗膜を加熱溶融して前記半導体基板の段差部の埋め込みおよび塗膜の平坦化を行った後、高エネルギー線を照射して硬化せしめる請求項2記載の半導体装置の製造方法。
- 前記高エネルギー線が電子線である請求項2又は3記載の半導体装置の製造方法。
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